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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年9月静岡県議会定例会

渥美 泰一 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:09/29/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 渥美議員にお答えいたします。
 格差拡大と県民幸福度についての私の政治姿勢についてであります。
 とりわけ今年度の国連の世界幸福度報告書の内容、そして現代日本の若者の現状に対しての認識を問うということでございました。基本的には幸福感が最も大切であるというふうに思っております。そしてまた、幸福度というのを計測するというのがいかに難しいかということもあわせて感じているところであります。今回の世界幸福度報告書におきまして、日本が四十六位から五十三位に順位を下げたというのは決してうれしいニュースではありません。
 一方、アメリカが一%の人口の方たちが大半の所得を持たれているということが言われ、中産階級の崩壊が言われて久しいわけでございますけれども、アメリカがこの間同じこの幸福度で十五位から十三位に順位を上げられているということですね。ですからこうしたことについてちょっと違和感も覚えます。
 それから、この六つの項目ですけれども一人当たりのGDPというのがございます。GDP、東京は一番日本の中で高いですが沖縄は低いと。どちらが幸福かというのは必ずしもGDPに比例はしないと思います。それからこの人生の選択肢の自由度というのは広いほうがいいというふうに思われがちですが、しかし家業を継ぐと、あるいは家元のたまたま生まれたとかいった人たちはその自由度というのはないに等しいわけですけれども、しかしその道に通じていくと幸せになるということもありますのでこの点も難しいと。寛容さというのはこれはほとんどはかれないというふうに思いますし社会保障はこの健康皆保険と皆保険が全部行き渡ってる日本などはすぐれていると存じますけれども、この社会保障にかかわる財源に関すると心配になってしようがないということになりますので、こうしたことをはかるのがいかに難しいかということがまずありますので、そのことを前提にした上で、しかしこの幸福度がこの調査において下がったということはやはり深刻に受けとめております。
 戦後日本が経済的発展と物質的な繁栄を目指しました。目標は言うまでもなく物質的な力で負けたアメリカに追いつく、アメリカ的な生活様式を享受するということだったと存じますけれどもそうしたものが目に見えてきたときから不思議なことに物の豊かさよりも心の豊かさのほうを大切にする。言いかえると物は十分にあるけれども心が貧しい。言いかえるとこの不幸感といいますか幸福感が失われていくというそういう時代もありました。こうした中でブータンの国がグロス・ナショナル・ハピネスという、GDPあるいは数量化できないものを指標として幸福感ということこそ最も大事なんじゃないかということでGNHを出されて、それ以降この二、三十年幸福度というものについての関心が世界的に高まったということがあると思います。それが日本でも同じで、やはり人は不幸であってはならないし不幸な人を助けねばならないということもあります。
 そうした中で、私は何しろ三百七十万人の県民が生活されているわけです。その方たちのお声を聞くということが一番の基本であります。そうしますと東日本大震災などがございましたものですから当然、地震・津波に対する不安の解消に向けてきっちりと地震・津波対策アクションプログラムを実行してほしいということがございますが、他の地域に比べるとこちらは防災先進県なんですが不安感の大きさというのは他県と変わらないということがございます。
 さらにまた、有効求人倍率が〇・三台まで、〇・四近くまで落ちたことがありましたので何としても仕事が欲しいということもございました。これも今一・四近くになりましたけれどもなおかつやはりこの満足感というのが戻ってこないということがございます。しかしながら仕事をつくるということは差し当たっての必要な我々の目標ではなかったかと思います。
 さらにまた、若い青年たちが二人子供を持ちたいということでございますが、一時期本県も一・三八まで合計特殊出生率が下がりました。今一・五四まで持ち直したわけでございますけれども一方で先生御指摘のような若者の男性青年がなかなか結婚をしない、女性も晩婚化が進んでいるという現実があります。
 これをどう捉えるかということが極めて重要でございますので、今回さらなるこの県民の幸福度の向上を図るために本議会に補正予算として県民幸福度調査事業費をお諮りをしているところでございます。この県政の世論調査や民間調査機関等が実施なさっているさまざまな幸福度調査などを総合的に分析して、若者、女性、転出者などさまざまな皆様の御意見、実感を私どもが把握いたしまして幸福度に貢献する要素の分析をまず行おうということでございます。その結果に基づき明確な目標と的確な施策を展開して幸福度の最大化を目指してまいりたいと思っております。もう少しこれを具体化しますれば「住んでよし 訪れてよし」という実感がある。あるいは「生んでよし 育ててよし」という実感もある。「学んでよし 働いてよし」という、「生まれてよし 老いてよし」という実感もあるというようなことは幸福度を図る一つの指標ではないかというふうに思います。
 しかし、ここに水がございますけれども、ここに半分水が入りました。この水を半分しかないと思うか、半分もあるというふうに思うかで全然違ってまいります。したがってこういう幸福度というのは先生も御指摘のように客観的なものはあり得ないという、そういう認識には立たねばならないというふうに思いますが、しかし不安な人、不幸な人をなくさねばならないというのは我々の仕事ではないかというふうに思います。
 一つの事例ですけれども、きょうこの時間にこの春に亡くなられた、九十歳で亡くなった西村滋という方をしのぶ会が開かれております。この方は家庭環境に恵まれずに孤児になられました。しかしたくさんの本を書かれたり、歌が上手でお話も上手でお芝居も上手でともかく人を楽しくさせ幸福にさせるということの名人だったわけです。私は、そのことにおいて彼は幸せであったかと。つまり幸せな人というのは人を幸せにすることができる人ではないかというふうに思います。人を、自分がこうこうしたいということもさることながらそうしたいという人を生かしていくというそういうことにおいて能力を高めていくということが、かえってその方を幸福にすると。本当の幸せは人を幸せにすることのできる人の中にあるのではないかとすら思います。親が子に対する態度も同じではないかというふうに思います。子供を幸せにするということが親の幸せになるということでございます。
 それからまた、日本人の特有の、やはり幸せ観というのがあります。安倍内閣が第一次内閣の終盤でございましたけれども日本は美しい国だと。美しい日本というのをどのようにつくっていくかということをアンケート調査なさいましたところ、美しい日本というのはお米をつくる日本でありかつ和を大切にする日本人だという答えが返ってきました。これはいかにも日本的だったというふうに思います。ですからその美しいということが、和とかあるいは田園の風景というかそうしたものと結びついてるというのは、東京よりも本県のほうがそうしたものにふさわしいということではないかというふうに思います。
 私は、美を重んじ和をたっとび物心ともに豊かで富士山のように品格のある社会の創造に取り組んでまいりたいと思っております。今後とも独断に陥らないように、県民の皆様と手を携えまして人々が心の豊かさを実感し多様な生かし方を、暮らし方を許容する寛容な社会、そういう地域づくりに努力をいたしましてそうしたことが選べる。しかもこれは国籍を問わない。宗教、人種、文化の違う若者もここでそういうことを実現できると。それは恐らくかつてのアメリカだったと思いますが、こうしたどちらかというと鎖国主義的な方向に向かっているアメリカに対して我が国はたくさんの方々が今お越しになって、留学生も二十万を超えるまでになりました。したがって客観的なそういう海外の人々の日本に対する目というものはジャパニーズドリームというものをその捉えることができる根拠になっていると考えております。
 いずれにしましても、幸福度世界一の理想郷の実現という旗はおろさずに、それに向けて全力で邁進してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

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