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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉山 淳 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/29/2021

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 次期多文化共生推進基本計画の策定について
2 コロナ禍における病院支援について
3 女性防災リーダーの活躍促進について
4 ふじのくに士民協働施策レビューについて
5 巴川水系の治水対策強化について
6 事業者等を守り育てる静岡県公契約条例の制定に伴う「県
 の取組方針」の策定について


○議長(宮沢正美君)  次に、二十五番 杉山 淳君。
       (二十五番 杉山 淳君登壇 拍手)
○二十五番(杉山 淳君) 皆さんこんにちは。
 私は、ふじのくに県民クラブ所属議員の一員として県政の諸課題について通告に従い一括質問方式で知事、副知事、関係部局長にお伺いいたします。
 まず、次期多文化共生推進基本計画の策定について伺います。
 県は、外国人県民も安心して快適に暮らせることができるよう多文化共生社会の実現に向け取り組んでいることは承知していますが解決すべき課題も散見されます。
 例えば、外国人県民に対する相談体制を充実することが重要と考えますが日本語を十分に習得できていない外国人県民にとって行政の相談はハードルが高く行政窓口で優しく説明できるよう通訳の配置を増やすべきですが単なる通訳では行政制度を説明し切れません。その解決のためには行政窓口に従事する通訳者の教育、医療、社会保障制度などの研修会の開催、行政を退職した方の経験やスキルを活用した生活支援員、相談員としてですね一つの箇所で全ての問題が解決できるソーシャルワーカー的な配置、外国人のための地域を限定しない生活相談ネットワークの形成などが考えられます。
 静岡県多文化共生総合相談センター 「かめりあ」を開設したことは承知していますし、各市町においてもですね相談所を開設していますが、その周知方法や利用が平日のみなど外国人県民にとって利用しやすい制度、機関にはなり得ていないと感じています。特に教育、医療、社会保障制度を広く周知する方策を講じるべきだと考えます。
 一方で、外国人を雇用している企業の中には例えば焼津市の会社のように各種行政サービスや医療機関受診のために生活面の相談が企業内でできるよう企業が自らの費用で通訳ができる相談員を配置している事例もあります。国の外国人雇用の事例紹介のとおりの対応です。
 このような生活相談員を配置した企業や、また日本語学習指導員を企業内に配置し学習する機会を与えている企業は行政の相談を補ってくれており、優良事業所として認定する制度の創設や財政的な支援制度の創設も検討すべきです。
 次に、外国人の子供の教育環境の整備も多文化共生社会の実現にとって重要な課題と考えます。
 例えば、外国人の生徒が通う公立の小中学校に通訳可能な補助教員を増員することや空き教室を活用した取り出し授業を増やすこと、それとそれに対応する教員のスキルアップのために日本語指導講師向けのですね研修会の開催なども考えられます。
 そんな中、菊川市にある在日ブラジル人向けの託児、学習支援施設NPO法人ミライがコロナ禍にあってですね経営難に苦しんでいることを複数のテレビ局、新聞が特集として取り上げました。コロナ禍で工場への出勤日が減り、収入が減少し、子供をブラジル人向け学校に通わせたいが、授業料が高いため通わせられない、そのために児童生徒が減少し、経営が苦しくなっているとの報道です。
 県内の同種類の学校、施設では、南米系外国人の学校、施設が十ほどあり主に保育園、小学校、中学校の年齢の子供が通っております。保護者の負担は給食費込みで月五万円程度、保育園部門はですね認可外保育施設として月四万円程度の補助が受けられているのに比べ義務教育年齢の教育に対する支援は多くの学校では補助がない、補助がある学校でも月五千円程度とかなり低い状況です。
 昨年十二月、菊川市に四校の南米系の外国人学校の校長先生や経営者に集まっていただき意見交換を行いました。学校法人格が取得できておらず税制上優遇措置が受けられていないこと、通学児童や生徒が減り人件費の支払いに困り教員に負担をかけていることなどを聞き取りました。また五月には外国人学校の保護者に集まっていただき話を聞いたところいつ本国ブラジルなどに戻るか分からないので子供には母国語と日本語両方を学習させたい。経営難から教員の給与の支給額が減っているとされているため教員の質の低下が心配であるといった切実な課題があることが分かりました。
 認可を受けていない学校、施設への補助は、制度上できない難しいとお聞きしておりますが多文化共生の推進をうたっている本県において寂しい状況にあると私は考えます。
 そこで質問ですが、令和三年度は多文化共生に関する本県の基本計画の最終年度に当たり来年度  令和四年度以降の次期基本計画策定に向け取り組んでいますが、県として現況をどう捉えどのような計画を策定しようとしているのか今後目指す施策の方向性について伺います。
 次に、コロナ禍における病院支援について伺います。
 コロナ禍で、医療・福祉分野で働いている方に対して称賛の言葉の裏にその処遇の低さや悪化の報告が寄せられています。医療従事者への処遇の悪化の報告がある中令和二年六月県議会において、私は医療崩壊の回避に向けた病院経営への支援強化について質問させていただきました。質問の中で静岡県立病院機構が医療従事者のコメディカル  いわゆる薬剤師さんや検査技師ですね  看護師の賃金カーブを大幅に引き下げる賃金水準引下げを労働組合側に提案している。賃金カーブの引下げは基本給のみならずボーナス、退職金に大きく影響し生涯賃金を大幅に引き下げることになることを懸念を表明し今後県として県立病院機構の人材確保、コロナ禍の感染リスクと向き合い、日々頑張っている職員の生涯賃金を下げないためにどのような対応をしていくのかについて県の考えをただしました。
 今回提案、既に実施された賃金カーブの引下げとは現在支給されている基本給を下げないものの将来到達するだろう基本給の上限を下げて賃金水準を引き下げるものです。その際の県の答弁は、病院職員の賃金や勤務条件については労使の合意により定められていると承知しているとしてあまりにも冷たい当事者意識に欠けた姿勢が示され大変残念な思いもしましたし、コロナ禍で日々頑張っている県立病院機構の医療従事者を見放したような対応に大変失望いたしました。県立病院機構は医療従事者の給与水準を下げる悪いモデルとなってしまいました。
 その後も、公立、民間を問わず多くの医療従事者は日常生活の上、外出の自粛を余儀なくされながらコロナ禍で感染リスクと向き合い何とか患者のために役立ちたいという使命感、義務感で奮闘していますが処遇がよくなったとの報告はほとんどありません。
 しかし、コロナウイルス感染予防対策における病床確保や手術、治療の延期などで新規入院患者が減少するなど病院経営上大変となりですね、これまでと異なった給与制度の導入やボーナスカットを実施せざるを得ない病院も出てきました。医療従事者はぎりぎりのところで頑張っているのにボーナスがカットされては意欲が持てず離職が進んでしまうと考えます。
 そこで質問ですが、モチベーション向上や離職防止のため医療従事者に対し国などで支給されている特別な手当の支給など新型コロナウイルス感染症患者や感染の疑いのある方を受け入れている病院の医療従事者への支援のため、新型コロナ感染症患者を受け入れている病院への支援を実施すべきと考えますが県の所見を伺います。
 次に、女性リーダーの活躍について伺います。
 この問題は代表質問でも取り上げられておりますが視点を変えて少し質問させていただきます。
 東日本大震災から早十年、各地で続く大災害において避難行動要支援者、要配慮者が犠牲となり避難生活における健康悪化や女性や子供の性暴力ひいては災害関連死などの問題が繰り返されています。想定される巨大地震や激化の一途をたどる気象災害に備え被害を最小限にとどめるために静岡県内でも女性防災リーダーの必要性が高まっています。
 去る六月十一日、小此木防災担当大臣と丸川男女共同参画担当大臣の連名で知事、政令市長宛てに対してですね女性の視点をしっかり踏まえた防災・減災を、覚悟を持って進めていかなければなりませんとのメッセージが出されています。そして国の防災基本計画、第五次男女共同参画基本計画そして内閣府防災担当による避難所運営ガイドライン、内閣府男女共同参画局による男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインなど主要な計画や指針において、取り組むべきとして指摘されているのは地方防災会議における女性委員の登用、地方公共団体の防災・危機管理担当部局へのですね女性職員の配置の拡大、そしてですね自主防災組織の女性の参画の促進です。
 しかるに、静岡県では自主防災組織への女性参画が進んでいません。県の自主防災組織実態調査によると役員に女性がいない自主防災組織は六割にも上ります。県内の女性たちから私に対し静岡県は他県より遅れているとの意見が寄せられています。
 自治会長などの自治会役員が自主防災組織のリーダーを兼務している、兼ねている例が多く一年交代のところも多い中、内閣府の調査によると令和二年四月現在静岡県における自治会長に占める女性の割合は一・九%で全国四十三位であり全国平均の六・一%も大きく下回っています。
 また、令和二年度の防災白書によると都道府県の地方防災会議の女性委員の比率でですね全国トップの徳島県では四八・一%、それに対して静岡県はですね八・六%で、これまた全国三十七位であり全国平均の一六%をも大きく下回っています。
 静岡県は、県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三において女性が委員として参画している自主防災組織の比率を一〇〇%にするという目標を設定しました。しかし二〇二〇年三月にその目標を県で養成している女性防災リーダーの育成人数を毎年二十人へと変更をしました。二〇一三年から女性防災リーダー育成事業を 「あざれあ」 に委託しこれまで二百五十人以上の女性防災リーダーを輩出していますが、自主防災組織との連携がなされず女性の役員参画は進むどころか大きく後退しております。
 また、男女共同参画の視点から防災・復興ガイドラインに沿って様々な団体からのリーダーシップのある女性を発掘するとか、会合の時間を女性が参画しやすい時間帯に変更するなど具体的な指導があるにもかかわらず実施されていないのではないかと考えます。
 論点は三つあります。
 初めに、自主防災組織における女性参画について次期計画においては女性役員として参画している自主防災組織の率を一〇〇%という目標にするべきじゃないかと考えます。
 次に、県や市町の防災会議については女性委員の比率を目標三〇%とすると第五次男女共同参画基本計画で設定されています。また災害対策基本法第十五条第五項の規定により、自主防災組織の構成者または学識経験者などを首長が任命することができるとされています。また指定公共機関などの委員を女性とすることで女性比率を増やしている自治体もあります。
 このように、防災会議の女性比率の高い自治体がある中県として今後女性委員の割合を高めていくとともに、市町の防災会議の女性比率を高めるため働きかけを行う必要があると考えます。
 さらに、災害対策に女性の視点を取り組むためには防災・危機管理担当部局の職員の男女比率を少なくとも県の職員の平均的な男女比率に近づけるための具体的な方策を検討すべきと考えます。
 そこで質問ですが、こうした論点を踏まえ女性防災リーダーの活躍を促進するため県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、ふじのくに士民協働施策レビューについて伺います。
 本県では、県民の政策形成過程への参画促進を目的として川勝知事就任以降平成二十一年度から事業仕分を開始し、その後事業レビューを経て現在のふじのくに士民協働施策レビューを実施し県民からの意見、提案を施策に反映させてきています。平成三十年度から実施している施策レビューは県当局があらかじめ二十五本ある新ビジョンの柱から、毎年六本のテーマを選び県民の意見や外部有識者から改善に係る意見、提案を募る形で実施しています。
 一方で、年度ごと対象とする施策の分野が限定されているため対象となっていない分野については県民が提案したい施策があっても提案できません。
 私自身、現在県立大学の津富宏教授をはじめ四人の教授、准教授の支援を受けて市民からの提案を受け付けて、その提案をしてくださった方々と一緒に政策づくりをする政策形成プロジェクトに取り組んでいます。しかしその政策を県に提案する公式な場がありません。
 県民意見を政策へ反映する先進事例として、東京都の都民による事業提案制度が挙げられます。この制度は都民の声が直接施策で反映される点で本県の実施する施策レビューと相違点があります。
 実際に東京都では、都民事業提案制度で防災備蓄に向けたウェブサイトの構築や公立高校における起業・創業学習などが施策に反映されています。本県の施策レビューにおいても、県民からの幅広い施策提案を県政に反映できるよう見直しが必要と考えます。
 そこで質問ですが、施策レビューに県民の意見をより広く反映させるためどのような対応をしていくのか県の所見を伺います。
 次に、巴川水系の治水対策強化について伺います。
 令和元年十二月県議会において、我が会派の林県議から一般質問で巴川の治水対策について質問がされました。その際巴川本川の対策の見直しについて巴川水系河川整備計画に位置づけ令和二年に事業化し工事着手を進めているとの答弁がありました。あわせて上流部では遊水地や雨水の貯留施設を造るなど流域ぐるみの総合的な治水対策を進めるとともに、私の地元静岡市駿河区では巴川水系の大谷川放水路周辺の整備も着実に進められています。
 一方で大谷川放水路の下流域ではスマートインターチェンジの新設に呼応して今後三期に分けて約十年計画で静岡市による大規模な区画整理事業が進められています。既に第一期分の工事が進み調整池の機能を持つ水田が短期間で埋め立てられてしまいました。近年気候変動によると思われる豪雨が頻発する中、浸水に対する不安が増大しています。区画整理に直接関わっていない近隣住民への説明が不十分であり不安の声が私の元に寄せられました。区画整理に直接関わっていない地域でも豪雨災害が発生した際、影響を受ける以上こうした地域住民への区画整理事業の影響を含め丁寧に説明することが必要と考えます。
 県は、六月に巴川流域総合治水対策協議会を開催し巴川流域水害対策計画の変更や巴川水系流域治水プロジェクトに取り組むなど対応していることは承知しております。
 そこで質問ですが、現在の巴川流域の現状を踏まえて巴川水系の治水対策の進捗と今後の取組についての県の所見を伺います。
 最後に、事業者等を守り育てる静岡県公契約条例の制定に伴う県の取組方針の策定について伺います。
 今年三月に条例化した、事業者等を守り育てる静岡県公契約条例について条例制度に向けた検討委員会の委員を務めた立場から今後の県としての対応についてお伺いいたします。
 県が発注する工事や委託では、作業報酬の積算単価で十分な金額を確保し発注しています。しかしながら、建設業関連の業界では元請の中抜きなどにより作業報酬が低く抑えられている傾向があり、実際に下請に支払われる金額は中抜きなどにより低く抑えられています。そのため、収入が安定せず、少なく、なかなか若い方がこの業界に入ってこないため後継者不足となっていますと検討委員会の中で報告がありました。
 また、建設業界だけでなくソフトウエア開発関係など委託を受ける業界でも元請による中抜きがあり同様の問題を抱えています。
 例えば、一人親方などの下請の報酬は最低賃金の規制対象外となるため県の設計積算単価の八〇%程度を報酬下限とするなど実効性を持たせるための目安は必要と考えます。また障害者の法定雇用や非正規雇用者への育児休業の取得促進など法令やその趣旨を守っている企業が報われるような、不利にならないような仕組みも必要と考えます。
 公契約条例は、県民に提供されるサービスの質を向上させ従事者の労働環境を整備し社会情勢の変化に対応する優良な事業者などを応援することを目的に制定されましたが、理念条例としたため条例だけでは実効性の確保が不十分であり県が定めるとされた取組方針に対する期待が寄せられています。
 そこで質問ですが、実効性を持たせるための県の取組方針をどのように策定していくのか所見を伺います。
 本当に最後の最後になりますが、私も県内、熱海中心に七月豪雨災害でお亡くなりになった方の御冥福をお祈りするとともに家屋などの被害を受けた方のお見舞いを申し上げ質問を終えます。以上、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 杉山淳議員にお答えいたします。
 次期多文化共生推進基本計画の策定についてであります。
 現在、県では多文化共生施策を総合的かつ計画的に行うために二〇二二年度から二〇二五年度までを計画期間とする、次期ふじのくに多文化共生推進基本計画の策定を進めているところであります。
 策定に当たりましては、昨年度実施した多文化共生基礎調査の結果や国籍及び在留資格などの外国人県民に関わる状況の変化を反映することとしております。多文化共生基礎調査において大変重要な結果を知ることができました。それは一般的に英語が理解できる外国人県民が二割程度であるのに対しまして易しい日本語であれば八割以上の外国人県民が理解できるという結果であります。また外国人県民は県や市町に対して易しい日本語や多言語による情報提供及び相談体制の充実を求めております。外国人県民との易しい日本語などを通じたコミュニケーションの円滑化が最も重要な課題であることを改めて認識した次第であります。
 去る七月十二日に開催された、静岡県多文化共生審議会におきましても企業における外国人従業員と日本人とのコミュニケーションを図るために日本語学習の機会の提供や積極的な易しい日本語の導入を推進すべきであるという意見を頂いたところであります。
 また、近年ベトナム、ネパール等アジア諸国からの入国者が増加しておりまして国籍や在留資格の構成が変化してまいりました。こうした状況の変化に伴い相談内容も多様化、複雑化しているのが現状です。
 そのため、静岡県多文化共生総合相談センター「かめりあ」の相談業務の充実や市町における相談窓口の増設など相談体制の充実を図ってきたところであります。今後は教育、福祉、労働等々の関係機関とのさらなる連携強化を図りまして、外国人県民が抱える問題に対し積極的に対応していくことが重要であると考えています。
 このような現状を踏まえまして、易しい日本語のさらなる普及や地域日本語教育の推進、外国人県民が必要とする情報を確実に入手するための母語による検索が可能なウェブサイトの構築等々、言葉の壁の解消に向けた取組を一層進めるように次期計画に位置づけてまいります。
 また、外国人県民の国籍や在留資格の変化に応じた教育、医療、福祉、雇用などの総合的施策の充実強化についても盛り込んでまいります。
 県といたしましては、外国人県民の現状をしっかり把握し効果的な計画を策定して外国人県民が一人も取り残されることのないよう、日本人との相互の理解及び協調の下に安心して快適に暮らし活躍できるふじのくにの実現を目指してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(宮沢正美君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) コロナ禍における病院支援についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染患者を受け入れていただく病院や医療従事者の皆様に対しましては、県や国から様々な支援策を実施しております。
 病院へは、院内感染の拡大防止対策、病床を確保するための空床補償、クラスターが発生した医療機関への支援金などの支援を行っており、このうち主たる支援である空床補償につきましては現在も四十病院に対し全体で一日当たり約一億円を助成しております。また医療従事者の皆様へは国の制度に基づく慰労金を十万四千人余の医療従事者の方々に総額百四億円余り支給したほか、新型コロナウイルスに打ち勝つ静岡県民支え合い基金を活用した県独自の従事者支援交付金を支給するなどの支援をしてまいりました。
 このほか、診療報酬におきましても新型コロナウイルス感染症に関して各種の加算がされており各病院において自らの経営状況に見合った待遇の維持改善が行われていると理解しております。
 なお、コロナ禍における受診控えなどによる病院経営の問題につきましては多くの病院に見られているところでありますので、昨年度から公立病院に対する繰出金への地方財政措置の拡充あるいは公立病院以外の病院に対する福祉医療機構の貸付けの拡充などを国に要望しているところであります。
 県といたしましては、引き続き新型コロナウイルス対策に必要な医療提供体制を確保するとともに県民の皆様が安心して医療機関を利用できる環境が維持できるように国に求めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 太田危機管理部長。
○危機管理部長(太田博文君) 女性防災リーダーの活躍促進についてお答えいたします。
 災害時の被災者支援や避難所運営など女性の視点が必要な取組は多岐にわたるため、女性が防災に関する政策立案や現場運営に参画する意義は非常に大きいものと認識しております。
 まず、自主防災組織における女性の参画につきましては県が養成する女性防災リーダーを自主防災組織や自治会等の女性部に講師として派遣し、地域の女性人材が自助、共助の取組の先導役となるよう市町と連携して地域の実情に即した取組を進めております。次期アクションプログラムの策定に当たっては市町と共に女性参画に資する施策をさらに進めるよう具体的な目標設定について検討してまいります。
 次に、県や市町の防災会議につきましては県の防災会議の委員の九割が法令規定等に基づく指定公共機関等の長であり機関を代表する御意見をお願いしております。一方多様な御意見を反映するための有識者委員については半数を女性としております。今後は女性の意見をさらに反映できますよう参加機関の御意見を伺いながら検討を進め、その取組内容を市町にも情報提供してまいります。
 県の危機管理部職員の女性比率の向上につきましては、本人の適性や経験・知識の習得等を考慮し若手中堅職員からの配置を進め人材の裾野の拡大に努めております。また本県では二十四時間三百六十五日の防災体制確保の観点から、危機管理部職員の当直当番制を実施しておりますが今年度から女性職員を加え寝具や当直室の鍵の設置等の環境整備を図るなど女性の活躍の場を広げる取組を続けてまいります。
 県といたしましては、今後とも災害対応力の向上を図るため女性防災リーダーの活躍促進に向け市町と連携して積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 天野政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(天野朗彦君) ふじのくに士民協働施策レビューについてお答えをいたします。
 ふじのくに士民協働施策レビューは、静岡県の新ビジョンに掲げる施策の着実な推進を図るため多様な視点による政策評価の一環として県民の皆様から施策に対する改善提案を頂き県の施策に反映することを目的として実施しております。
 対象分野につきましては、県民評価者の皆様が中心となり県の施策について丁寧な議論を行うということを基本とし新ビジョンの基本計画期間の四年間で全ての政策の柱の評価を一巡させるという考え方の下、毎年度対象分野を定めて実施をしております。施策レビューは県民の皆様から県の施策に対する声を直接伺うことができる大変貴重な機会であります。このため本県の将来を担う大学生や二十代の社会人などを対象とした若者参加枠を設定するほか、昨年度からはオンライン参加も導入するなど幅広い県民の皆様から御意見を頂けるよう取り組んでいるところであります。
 今後は、若者や子育て世代をはじめ多様な方々により多くの参加を頂けるようオンライン参加を充実させていくとともに、本県を取り巻く社会経済状況の変化を踏まえつつ県民の皆様の関心が高い施策をテーマとして取り上げられるよう内容の一層の充実に努めてまいります。
 あわせて、次期総合計画の策定に当たりましては県の全ての施策に対して御意見、御提案を頂く県民アイデア募集を実施し、幅広い御意見、御提案を新しい総合計画の中に反映させることができるよう努めてまいります。
 県政への政策提案は、施策レビューばかりではなく知事広聴をはじめ各部局において幅広く県民の皆様から要望や提案を受け付けております。今後ともそうした機会や場の存在を積極的に周知、PRすることで開かれた県政の実現を図ってまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 巴川水系の治水対策強化についてお答えいたします。
 流域の市街化が進む巴川では、流域治水の考え方に基づき河川整備に加えて学校のグラウンドや公園等を活用した雨水貯留による流出抑制対策など、流域全体で水害を軽減させる総合的な治水対策を静岡市と連携して進めております。
 河川整備につきましては、下流域への負担を軽減するため麻機遊水地二百ヘクタールの整備を進めており現在は残る第二工区九十三ヘクタールのうち、二の一工区五十一ヘクタールの早期完成を目指しております。また、清水地区の浸水被害軽減を図るため本川の河口から六・六キロメートル区間の川床掘削を進めてまいります。
 流出抑制対策につきましては、一定規模以上の開発行為には民間事業だけでなく公共事業におきましても雨水貯留を義務づけ設置状況などを公表しております。また対策を着実に進めるためには地域の方々の御理解が必要となることから、対策の内容と効果を分かりやすく説明するなど市と連携して積極的な情報発信に努めてまいります。
 県といたしましては、静岡市や住民の皆様と連携して巴川流域の治水対策に取り組み浸水被害の防止、軽減を図ることにより安全で安心な地域づくりを推進してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 増田出納局長。
○出納局長(増田 仁君) 事業者等を守り育てる静岡県公契約条例の制定に伴う県の取組方針の策定についてお答えいたします。
 賃金等は労使が自主的に決定すべき事項であり、いわゆる一人親方に対する報酬などの請負代金につきましても事業者間の合意により決定すべき事項でありますことから、県が取組方針で報酬下限の額や目安となる水準等を示すことは考えておりません。
 一方で、議員御指摘のとおり公正な下請取引を促進していくことは重要であり当条例には事業者等の責務として下請負者等と適正な見積りによる公正な契約を締結することが定められております。これを踏まえ県の取組方針には一人親方を含む下請従事者の適正な賃金等を反映した契約を締結するよう事業者等が守るべき精神規範を示してまいります。また公共工事の設計労務単価が下請事業者まで行き渡るよう建設業団体に対して要請していく旨を記載してまいります。
 さらに、実効性の確保を図るため当条例で事業者等の責務と定められている最低賃金法等の労働関係法令を遵守することや、適正な見積りを基に下請契約を締結することなどについて事業者の皆様に誓約していただくことを検討してまいります。
 加えて、障害者雇用や次世代育成支援などの取組を総合評価落札方式等の入札制度の中で加点評価するなど頑張る事業者の皆様が報われるよう積極的に応援することを掲げ、事業者等を守り育てる静岡県公契約条例の実効性を高め取組の推進を図ってまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 杉山 淳君。
       (二十五番 杉山 淳君登壇)
○二十五番(杉山 淳君) 知事並びに副知事、部局長から丁寧な答弁ありがとうございました。若干分からない点がありますので再質問、四項目にわたってさせていただきたいと思います。
 まず、多文化共生の社会の実現に向けてですが今答弁にありました計画に盛り込むべき教育的支援について学校支援などの具体的な検討をなされているのかどうかお伺いいたします。
 次に、病院の支援についてなんですが私の質問をよく聞いていただきたいと思ったんですが病院支援でありさらに病院の医療従事者支援という視点のですね、今具体のお話が少し違ってたんじゃないかなと思います。県は悪いモデルを県立病院機構としてですね悪いモデルを容認しちゃったんですね。それを打ち消すためにさらに日々頑張っている人に対して、長期化しているわけですから、過去にやったんじゃなくてこれからどうしていくか工夫していくかというお話についての検討がなされているのかお伺いいたします。
 次に、女性防災リーダーについてなんですがこれはこの間、国において大きな動きがあったんですね。矢継ぎ早に五月、六月、いろんな通知また指針いろんなものが出されておりまして、既に検討なされていなければならない項目についても多々ありますし答弁にはありませんでしたが、この防災リーダーに関する女性の参画が明らかに静岡県は遅れています、という視点が立たないとですね積極的な是正措置が講じられないと思うんですが、今どういった視点に立っているのかということを私聞いて県としての方向性を伺ったわけでまず大きな動きがあったことを踏まえてさらに県として今後どうしていくのか再度もう少し詳しくお伺いしたいと思っております。
 最後に、事業者等を守る公契約条例についてですが質問に言ったとおり請負契約の場合は、個人事業主などのですね一人親方などの請負契約においては最低賃金法などの法の適用が除外されるということですが規制がないわけでして、守り育てるさらにそこの勤める従業員の方また一人親方の方を守り育てるために目安が必要ではないかという質問をしたことに対して目安は考えていないということなんですが、本当にそれでいいんでしょうか。他県ではやっている例があるということもこの検討の中委員会の中で話がありましたのでもう一度伺いますが本当にやらなくていいんでしょうか。これに目安に代わるようなものを考えているんでしょうか。再度伺います。
○議長(宮沢正美君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 次期多文化共生推進基本計画の策定についての再質問にお答えいたします。
 現在既に多文化共生について生活とかですね、プロジェクトチームを設けまして部局横断的に検討しております。その中で教育というのも当然ありますので教育委員会さんとかと検討は進めているところでございます。
 現在行っているのは、例えば高等部があるブラジル人学校に対して正規就業に結びつくような取組を今年度高等部があるブラジル人学校については六校全てについて行っておりますが、そのほか例えば小学校に入学するときに学齢期になった方が学校に来ないようなものについての取組の調査ですとか、総合的に外国人学校も含めて義務教育も含めて総合的に現在検討しておりますので、そういうところの結果もしっかり盛り込んで計画に盛り込んでまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 医療従事者に対する支援についてお答えいたします。
 まず、病院の経営が維持されること、これがコロナ禍の中でまずは大事なことなのかなというふうに思っております。その点からも空床補償をはじめ病院の経営に資するような支援を現在も続けているところでございます。
 また、医療従事者に対する直接的な支援につきましては国の状況等も見ながら今後また必要に応じて検討するなりということが必要になるかなというふうには思っております。
 また、モチベーションという観点から言いますと給与のことだけではなくて例えば医療従事者の方のメンタルのサポートですとか、あるいは従事者の方に市民、県民の方からの感謝の言葉を伝えるとか、そういったこともモチベーションの維持にはつながると思いますのでそういったことへの県としての支援もしてまいりたいというふうに思っております。以上です。
○議長(宮沢正美君) 太田危機管理部長。
○危機管理部長(太田博文君) 女性防災リーダーの活躍促進についてにお答えいたします。
 東日本大震災以降、近年非常に大規模な災害が立て続けに発生しておりそういった状況下の中で女性を含め子供や若者、高齢者、障害者等の多様な声に応えていくということが急務となっており、その中で男女共同参画の観点からも女性の活躍あるいは女性の意見の反映というのが非常に重要だという認識でございます。
 県では女性の防災リーダー等の人材育成についても近年力を入れて進めてきておりますが、果たしてそれが現場にその育成した者女性の声が届くような形で反映される状況になっているかということについて問題意識を持っております。そのため今後改めまして自主防災組織に実態調査をかけてその女性の参画がどのような状況かということを調査しまた分析して、よりそこに女性リーダーあるいは女性の声が届くような形の取組につなげていくように、こういった女性役員に限らず女性の声を届けるような仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 増田出納局長。
○出納局長(増田 仁君) 事業者を守り育てる静岡県公契約条例の関連の再質問にお答えいたします。
 最低賃金法の対象にならない一人親方の目安が必要ではないのかという御質問でございます。
 最低賃金法の対象にならない、いわゆる一人親方の方の報酬などの請負代金につきましては、事業者間の合意によりこれは決定するものでございます。これはまさに民民の契約によって決定される事項でございますので、たとえ目安であっても県が民間同士が決める額、水準等を示していくということは慎重であるべきということで考えているところでございます。
 一方で、中抜き等によって下請従事者の賃金等にしわ寄せが生じることは避ける必要がございますことから、先ほど御答弁で申し上げましたような取組を進めまして適正な賃金等を反映した適正な下請取引が促進されるよう取り組んでいきます。
 目安はどうかという御質問だったと思いますが、その中で市場における労務の取引価格等を目安に契約をしていくことやあるいは公共工事の設計労務単価が行き渡るように要請していくことなどそうしたことも示しながら取組を促進してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(宮沢正美君) 二十五番 杉山 淳君。
       (二十五番 杉山 淳君登壇)
○二十五番(杉山 淳君) さらにもう少し質問させていただきたいと思うんですが、再々質問となりますが女性防災リーダーについてですが静岡県が女性参画、防災リーダーにおいて遅れているという視点に立てば積極的な助成措置が必要じゃないかと先ほど再質問したんですが積極的な助成措置についてどう考えているのか再度伺います。
 また、公契約条例についてなんですがもう一度言うんですが条例の趣旨とか法令を守るとかそういうことをちゃんとやっている事業者に対して不利にならないようにすべきじゃないかということで、例えばこの公契約条例を適切に守ろうとしてその趣旨を守ろうとした業者がその民民の契約といったら、もし守っている業者が不利になっちゃうんじゃないでしょうかというお話をしているわけで、そこのところをぜひもう一度不利にならないのか目安についての考えについてもう少し伺いたいと思います。
○議長(宮沢正美君) 太田危機管理部長。
○危機管理部長(太田博文君) 積極的な女性の活用については女性の視点をですね、どのような形で取り込むかということが様々な形があろうかと思いますので、役員として登用するであるとかあるいはそのボランティア団体の方のリーダーを活用してそういった女性の意見を反映させるだとか様々なやり方があると思いますので、そういったことを総合的に考えてまいりたいと思います。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 増田出納局長。
○出納局長(増田 仁君) 公契約条例の関係の再々質問にお答えいたします。
 法令等を守ってしっかりとやっている事業者の皆様、そうした方々がしっかりと評価、応援していくというのが条例の趣旨だということを理解しておりますので、先ほど答弁でも申しましたとおり例えば障害者雇用でありますとか次世代育成支援でありますとか、そうしたことを積極的に取り組んでいる事業者の皆様は加点評価するなどしながら積極的に報われるように応援してまいりたいと考えております。
 また、下請の金額等取引につきましてもしっかりとそういうことが守られていくように精神規範をいろんな機会をもってお伝えしながら遵守されるように取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(宮沢正美君) これで杉山淳君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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