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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 啓嗣 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/29/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 アフターコロナを見据えた野球場の検討について
2 静岡モデル防潮堤の整備推進について
3 浜名湖の漁業者支援について
4 入院治療により登校できない生徒への学業支援について
5 浜松市沿岸部の松くい虫被害対策について
6 高濃度PCB廃棄物の処理の推進について


○副議長(竹内良訓君) 次に、十二番 鈴木啓嗣君。
       (十二番 鈴木啓嗣君登壇 拍手)
○十二番(鈴木啓嗣君) 皆様こんにちは。質問に先立ちまして七月三日熱海市伊豆山地区で発生いたしました土砂災害によりましてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、県内外の警察、消防、自衛隊をはじめとする関係者の皆様の懸命な活動に深く感謝を申し上げます。現在も様々な活動が続けられておりますが、被災された地域の一日も早い復旧・復興を心より願っております。
 それでは、私、鈴木啓嗣は自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、アフターコロナを見据えた野球場の検討についてお伺いいたします。
 県は昨年十月に、アフターコロナに対応した施設とするため公園の配置計画に関する比較検討プラン原案を見直すなどとした見直しの方向性を公表いたしました。この方針に従い現在アフターコロナに対応した施設の在り方や財政負担を軽減するための民間資金の活用について検討を進めているところと承知をいたしております。
 こういった状況を受け、我が会派では昨年十月に遠州灘海浜公園篠原地区野球場検討プロジェクトチームを設置し、アフターコロナに対応した公園や野球場の在り方等について調査検討を続けてきました。その検討を進める中で私は、アフターコロナに対応した施設を整備していくためには新型コロナ危機などを契機として変化している世の中の動向を的確に捉えコロナ収束後の世の中を適切に予測することが肝要であるとともに、アフターコロナの厳しい財政事情の中で公園や野球場の整備に多額の投資をすることについて県民の皆様の理解を得ることが重要であると改めて感じております。
 また、コロナ収束後の五年後、十年後の世の中については県独自で適切に予測するのはなかなか難しいのではないかと感じておりましたが、今年四月に国が新型コロナ危機を踏まえた新しいまちづくりの方向性について学識経験者から成る検討会の中間取りまとめを公表するなど少しずつ見えてきたものがあるように思われます。そしてこれによりコロナ収束後の世の中が見えてくればアフターコロナに対応した施設のあるべき姿の検討にも生かせるのではないかと考えます。
 県からはこれまでにアフターコロナを見据え様々な情報を収集していくとの説明を受けていますが、どのような検討を行いそれをどうやって計画の見直しにつなげ、どのように県民の皆様に説明していくのか。そして多額の費用をかけて整備する施設であり、将来にわたり愛され多くの皆様に御利用頂ける施設となるよう見直しを進めることが県民の皆様の理解を得ることにつながるものと考えます。
 そこで、県はどのように見直し作業を進めているのかお伺いするとともに、今後見直しの結果をどのように県民の皆様に説明していくのかお伺いいたします。
 次に、静岡モデル防潮堤の整備推進についてお伺いします。
 東北地方に未曽有の津波被害をもたらした二〇一一年の東日本大震災から十年が経過し、県内沿岸部では地域の特性を踏まえたハード対策とソフト対策の最適な組合せによる静岡方式の津波対策が着々と進んでいます。特に本県独自のハード対策でありレベルワンを超える津波に対する施設整備である静岡モデル防潮堤については遠州灘沿岸や志太榛原地域沿岸において市町が主体となって整備が進められており、昨年度末までに全体計画延長六十九キロメートルの四九%に当たる三十四キロメートルの整備が完了し、来年度末までの地震・津波対策アクションプログラム二〇一三における整備目標五四%の達成に向けて順調に整備が進んでいます。
 一方、県の第四次地震被害想定で広範囲にわたる浸水により甚大な津波被害が予測された湖西市では命山や津波避難タワーの整備、避難訓練の実施など様々な防災対策は進められてきましたが、静岡モデル防潮堤については沿岸部全体の整備計画が決定してはおりません。このため、今切口の対岸に位置する浜松市沿岸域防潮堤が令和二年三月に完成したことなどからレベルワンを超える津波に対して大きな減災効果が期待される静岡モデル防潮堤の早期整備を望む声が高まっています。
 このような中、湖西市では昨年度沿岸部に静岡モデル防潮堤を整備した場合の津波浸水被害シミュレーションを実施し、防潮堤の高さや位置を変えた複数のケースを設定して整備にかかる概算費用や浸水被害の軽減効果を算出いたしました。今年四月にはこの検討結果が湖西市より公表されたことから静岡モデル防潮堤の整備が加速するのではと地元の期待は膨らんでいます。
 しかし、湖西市における静岡モデル防潮堤の早期整備を実現するためには解決すべき様々な課題があるため、これまでも他市町の静岡モデル防潮堤の整備に関わってきた県による支援が必要と考えます。またこの地域は県の第四次地震被害想定で広範囲にわたる浸水域を抱えているため、静岡モデル防潮堤の早期整備によりこの地域で暮らす方々の安全・安心の確保が強く望まれるところです。
 そこで、県は湖西市における静岡モデル防潮堤の早期整備を実現するための課題をどのように捉え、今後どのように支援していくのかお伺いいたします。
 次に、浜名湖の漁業者支援についてお伺いします。
 私たちの住む静岡県には湖の周囲長が百十四キロメートルに及ぶ汽水湖としては日本一の長さを誇る浜名湖があり、この湖では四百五十種類を超える魚類、百五十種類を超える甲殻類そして百種類を超える貝類が確認されています。この豊富な資源を生かして水産業も古くから行われており、スズキ、ハゼ、クルマエビ、ノコギリガザミ、アサリなどを対象とした漁業、カキやノリなどを対象とした養殖業が営まれています。浜名湖ではスズキやクルマエビなどは袋網と呼ばれる小型の定置網などで、アサリはカクワと呼ばれる熊手で海底の砂を掘り起こしながら取られています。またカキやノリの養殖は湖に立てた支柱にカキを付着させたホタテの殻をつるしたりノリの子供をつけた網を張ったりして行われています。
 浜名湖の漁業者や養殖業者には、アサリ漁業を中心として袋網漁業やカキ養殖業なども営みながら生計を立てている方が多くいらっしゃいます。袋網漁業との兼業であれば、明け方に袋網に入った魚や甲殻類の水揚げを行いその後昼までアサリを掘ります。またカキ養殖との兼業であれば、カキ養殖の合間の午前中にアサリを掘ったりするなどの生活を送られている方がいらっしゃいます。
 ところが近年アサリやカキ、ノリなど複数の主要な水産物が不漁の状態となり、アサリでは平成二十八年に千九百一トン、七億七千万円余りの水揚げがありましたが令和二年には七百七トン、二億七千万円余りと大きく減少しアサリ漁業だけに取り組むアサリ専業の漁業者のみならず浜名湖内で複数の漁業を行う兼業の漁業者も収入が大きく減少しています。
 他方で、ノリ養殖業については遠州灘で操業しているシラス船びき網との兼業で営まれていますが、これについても兼業する漁業がともに不漁となっており漁業者の収入が大きく減少している状況です。
 このように浜名湖の漁業者に対して深刻な影響を与えている不漁という問題を解決するためには、原因の究明を効率的に進め判明した原因への対策を導き出し的確に実行していくことが最も重要です。このため県においても浜名湖の水産資源の回復という最終目標に向けて水産・海洋技術研究所浜名湖分場が中心となって取り組んでおり、現在は原因究明を進めている段階だと聞いております。
 一方、このように抜本的な問題解決に向けて原因究明を進める間にもアサリ漁業者やカキ、ノリの養殖業者などはかつてない不漁に苦しんでおり、このままでは漁業や養殖業を継続できない状況へと追い込まれかねません。そのため不漁の原因が判明し抜本的な解決策を打ち出すまでの当面の支援策が必要です。
 また、万が一これらの漁業、養殖業が継続できない状況へと追い込まれた場合、地域に古くからある大切な漁業文化を失うだけでなくそれに関連した食や観光といった分野にも影響を及ぼすこととなり浜名湖地域にとっては大きな打撃になるものと考えます。
 そこで、不漁に苦しむ浜名湖の漁業者や養殖業者を当面の苦境から救うための支援策について、県の所見を伺います。
 次に、入院治療により登校できない生徒への学業支援について伺います。
 コロナ禍の状況にあって県立高校においてもICTを活用した遠隔による学習支援の環境整備が進み、臨時休業により登校できない場合においても学習の機会が保障される体制が構築されつつあると伺っております。また国においては平成二十七年度から学校教育法施行規則等を改正しメディアを利用して行う授業の制度化を図り、一定条件の下であれば動画等の多様なメディアを利用して授業を行うことができるようになったことから長期入院している高校生については病室で授業が受けやすいよう実施の条件が緩和されています。
 しかしながら、県立高校においては長期入院を余儀なくされている高校生に対する支援体制が確立されていないことから、病気等により長期入院し登校することができない場合については授業の出席日数が足らず進級することができなかったり登校する負担の少ない通信制の課程の高校等へ転学するなど同級生と共に進級や卒業することができる体制になっていないのが現状です。
 実際、私が知る生徒は長期入院により欠席日数が増え留年することを常に心配しているだけでなく治療が終了し無事に退院できたとしても学業の遅れをどのように取り戻したらよいのかということに焦りや不安を抱えながらも懸命に療養を続けています。このような状況にあることから、状況の改善を求める生徒の家族や担当医師から行政による学習支援の充実や長期入院中の単位認定をすることができないかとの相談も受けてきました。
 長期入院を必要とする高校生は、治療に係る心理的、身体的な負担が非常に大きいだけでなく出席日数の不足による留年やそれに伴う退学や転学といった治療以外の心理的な負担が常に重くのしかかっている状態であり、こういった状況はできるだけ早く改善するべきであると私は強く感じております。
 また、行政による学習支援の充実や長期入院中の単位認定への取組が進めば生徒が選択できる治療方法の幅が広がり、より効果的な治療を施すことによって全体的な治療期間が短縮される可能性もあるのではないかと考えます。
 そこで、このような中、誰一人取り残さないという理念の下、長期入院により登校できない高校生に対する本県の支援体制の現状をどう捉えているのか。また長期入院中の高校生でも進級や卒業ができるような支援体制をどのように進めていくのか、県の考えを伺います。
 次に、浜松市沿岸部の松くい虫被害対策について伺います。
 浜松市沿岸では、かつて天竜川から供給され海岸に漂着した砂が冬の季節風  遠州のからっ風で内陸部に運ばれることにより飛砂による被害が多発していました。そこで、人々の暮らしを守るため先人たちは試行錯誤を重ねながら造成した砂丘にクロマツを植栽し広大な松林を造り上げてきました。やがて大きく育った松林は海岸からの砂を止め風を和らげることによって農地を守り、さらには住宅地の造成や工場などの進出につながり沿岸地域の発展の礎を築きました。今では飛砂や潮害など自然の脅威から暮らしを守ることに加え憩いの場や海岸線の美しい景観の一部を構成するなど県民にとって重要なグリーンインフラとなっています。
 しかし、この大切な松林は松くい虫により毎年のように多くの松が枯れ、現在においても松林の減少に歯止めがかからない状況です。特に浜名湖今切口から舞阪中学校の周辺にかけて松枯れがひどく、このまま蔓延が続けば周囲の松林に被害が拡大し枯れた松が台風などの強風により道路や民家等に倒れることで人的被害を発生させないかと心配をしているところです。
 さらに、松枯れにより松がほとんどなくなった場所も見られるなど、こうした惨状を目の当たりにした私を含め地域住民は防災面での不安と古くから慣れ親しんできた松林の消失に対する寂しさを感じております。
 これまで県と浜松市は、松くい虫被害を予防するための薬剤散布と枯死した感染源となる松を除去し被害の拡散を防ぐ駆除に尽力をしており、その結果平成十八年、十九年度当時の激害に比べると被害は抑制されているものの、依然として終息には至っておりません。
 松林の減少は、飛砂や潮害の防備などといった公益的機能が低下するだけでなく美しい景観が損なわれることも危惧されるため被害対策を効果的に実施する必要があると考えます。
 そこで、先人の長い年月にわたるたゆまぬ努力により守り育ててきた浜松市沿岸部の松林  この地域の財産を次代へと継承するため今後県としてどのように松くい虫被害対策に取り組むのか、所見を伺います。
 次に、高濃度PCB廃棄物の処理の推進について伺います。
 ポリ塩化ビフェニル  いわゆるPCBは昭和二十九年頃から国内での生産が始まり化学的な安定性、絶縁性、不燃性に優れることから電気機器の絶縁油、各種工業における加熱冷却用の熱媒体等に広く利用されてきましたが、昭和四十年代、その毒性による健康被害が問題となり昭和四十七年には製造が中止されました。そして現在ストックホルム条約により令和十年までに処理することが求められており、国はポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法により指定した期限までに処理に関する手続を終えるよう求めています。
 しかし、高濃度PCBは使用を終えた後に保管することが義務づけられていたことから長期間保管されている場合もあり、経営者の世代交代などにより現在の管理責任者が高濃度PCBの危険性や処理に関して十分に把握していないこともあると聞いています。また現在でも高濃度PCB使用製品を使っている事業者も存在しており、期限内処理の達成は容易ではないことが想定されます。
 現在、国では高濃度PCB廃棄物の処理施設を全国に五か所設置し広域的な処理体制を整備しておりますが、それらの処理施設は設置された地元地域との約束により将来にわたって使用できる施設ではなく施設ごとに稼働できる期限が決められています。県内の照明器具に用いられていた安定器等については福岡県北九州市にある施設で処理することが決められており、その施設の稼働期限は今年度末まで、あと八か月しかありません。またトランスやコンデンサー等については愛知県豊田市にある施設で処理され、その稼働期限は来年度末までとなっています。
 そして、処理施設の稼働が終了した後は高濃度PCB廃棄物の処理ができなくなってしまうため現在これらを保管している事業者はその期限までに確実に処理の手続を終えることが必要です。また期限までに処理が完了しなかった高濃度PCB廃棄物は県内に長期間残留することとなり環境汚染や不適正処理等につながることも懸念されるため、県としても処理期限までの短期間で処理を促進させる効果的な取組を展開すべきであると考えます。
 そこで、このような状況下、県は事業者が高濃度PCB廃棄物を期限内に適切に処理するためどのように取り組んでいるのか。また高濃度PCB廃棄物の期限内処理完了に関しどのような課題があると認識し、その課題をどう解決していくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鈴木啓嗣議員にお答えいたします。
 アフターコロナを見据えた野球場の検討についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は私どもの意識、行動等に様々な大きな影響を与えておりまして社会生活全体の在り方までも大きく変わりつつあるということでございます。人々の価値観が変化しこれまで以上に多様化する中、今後のまちづくりや集客施設の整備に当たりましては変化するニーズに対応した計画とすることが求められております。
 このため、県では遠州灘海浜公園篠原地区で進めているスポーツの拠点の創出に当たりましてこうした変化を的確に捉えアフターコロナの時代に求められる施設となるよう基本計画の検討を進めているところであります。
 そのためには様々に調査をしなければなりません。これまでにした調査といたしまして、全国の公園や野球場等における利用実態や施設整備の内容が新型コロナ危機を契機としてどのように変化しているのか、またデジタル技術など最新のテクノロジーがどのように活用されているのかなど事例の収集等を進めているところです。引き続き先進事例について現地調査を行うとともに、野球場あるいは公園施設の管理者、スポーツ関係者などへのヒアリングを実施いたしまして新たなニーズを把握することでスポーツ拠点として備えるべき機能について整理してまいりたいと考えております。
 また、施設の整備手法につきましても、民間の資金やノウハウを活用して魅力的な施設を整備している全国の公園あるいはスポーツ施設の調査を行いまして事業の目的や方式、整備内容、効果などについて分析を進めております。今月この七月には野球場を含む公園全体を対象としたサウンディング型市場調査を開始したところでございまして、これを通じて民間事業者の御意見、御提案を伺い官民連携事業のスキームについても検討をしてまいります。
 これらの調査を切れ目なく進めましてアフターコロナ時代に対応した施設の在り方を明らかにし、早期に比較検討プランの原案の見直し案を策定してまいりたいと。策定後も一貫して万機公論に決するという姿勢を貫きましてどなたにも御覧頂けるように県のホームページあるいは広報紙等で内容を公開申し上げ、県民はもちろん県議会の皆様などから御意見を伺いながら比較検討を進めるという考えでおります。
 県といたしましては、新型コロナ危機による歴史的転換点を本県のさらなる発展のための絶好のチャンスと捉え直しましてアフターコロナの時代にふさわしい県民の皆様が大きな夢を抱くことのできる新たな野球場、言わば次世代型野球場の整備に向けて着実に進めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 静岡モデル防潮堤の整備推進についてお答えをいたします。
 静岡モデル防潮堤は幾つか特徴があります。とりわけ次の二つが大きな特徴と言えます。
 まずは対象とする津波のレベルです。通常ではレベルワン対応としますが、この静岡モデルでは地震発生から津波が到達するまでの時間が短く甚大な被害が想定される本県特有の課題に対応できるようレベルワンを超える津波にも備える防潮堤とすることが可能としていることです。
 二つ目は、計画策定に当たってはどの程度の防護水準にするかについて徹底した地域との合意形成を行うことです。これによってレベルツーへの対応できるレベルとすることもありますし、逆に地区によっては防潮堤を整備せず避難を優先するという場合もあります。
 このように、地域住民の方々の納得の下、防潮堤整備を進めることで地域の方々が防潮堤の効果とその限界を意識することができることになり南海トラフ巨大地震などによる津波に対して大きな減災効果を期待できるものと考えています。静岡モデル防潮堤は全国に誇る先駆的な取組と考えております。
 湖西市沿岸部を含む遠州灘沿岸におきましては、磐田市や掛川市などで整備主体となる市が県との連携により砂浜の陸地側に広がる砂丘や海岸防災林をかさ上げする手法で整備を進めております。
 湖西市における津波対策につきましては、県と市が二〇一三年に設置した静岡モデル推進検討会において整備手法や事業費の確保、地域の合意形成など市が抱える課題の解決に向けた検討を行ってまいりました。検討の結果、第一歩として市内の海岸線延長十・三キロメートルのうち今切口西側の〇・九キロメートル区間において命山の整備や堤防のかさ上げを県と市が連携して進めることにしております。
 中長期的な対策としました残りの九・四キロメートル区間につきましては、今年度整備主体となる湖西市が防潮堤の整備方針の検討を進めています。市は昨年度実施した津波浸水シミュレーションによる減災効果や整備に必要となる事業費等を基に地域住民の方々との意見交換を行い防潮堤の高さや位置、構造等について合意形成を図っていくと伺っております。
 このため県では、これまで静岡モデル防潮堤の整備や合意形成に関わった経験を生かし湖西市の地域特性に応じた防潮堤の構造や他事業との連携による整備手法等について助言や協力を行ってまいります。例えば防潮堤整備に必要となる土砂の確保について公共工事等で発生する土砂を活用できるよう県が調整したり事業費の縮減につなげられるようにしたりする、そういう取組についてなどですね、市が整備を進める上での課題を解決できるよう支援、協力してまいります。
 県といたしましては、湖西市をはじめ県内の沿岸市町が進める静岡モデル防潮堤の整備を引き続き積極的に支援し安全で安心して暮らせる地震・津波に強い県土づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 浜名湖の漁業者支援についてお答えいたします。
 浜名湖のアサリやノリ、カキなどの水揚げ量は近年急速に減少しており、県では水産・海洋技術研究所浜名湖分場を中心に原因の早期究明に取り組んでおります。
 一方、議員御指摘のとおり漁業者の経営は苦しい状況が続いていることから、県では不漁原因の究明と並行して資源の回復や水揚げ量の増大に取り組む漁業者の支援にも注力しているところであります。特に資源量が少ない中で水揚げ量を確保するためにはアサリ、カキ、ノリがクロダイ等によって食べられる、いわゆる食害への対策を効果的に行うことが喫緊の課題となっております。
 例えば、クロダイによるノリの食害につきましては、ノリ漁業者が県の助成事業を活用して養殖場を網で囲う対策を実施した結果最も需要の多い十二月の水揚げ量が昨年比七割増となるなど収益の改善に大きな効果が得られており、今後この取組をカキ漁業者にも拡大してまいります。
 また、アサリ漁業者は新たに刺網漁を導入することによりノコギリガザミ等の多様な魚種の水揚げによる経営の安定化やクロダイ等の食害生物の駆除に取り組むこととしており、このような意欲的な漁業者を支援してまいります。
 県といたしましては、浜名湖の豊かな資源の回復に努めるとともに、水揚げ量の確保に取り組む漁業者、養殖業者の経営継続を全力で支援してまいります。
 次に、浜松市沿岸部の松くい虫被害対策についてであります。
 浜松市沿岸部の松林は県民の皆様の生活や地域の産業を守る重要な社会資本であります。県は浜松市と連携し松くい虫被害に強い健全な松林づくりを進めるため保全すべき重要な区域を選定し、薬剤散布などの予防と被害木の伐倒駆除の両面により松くい虫被害対策の徹底を図っております。またこの区域の周辺部につきましては松くい虫被害の感染源とならないように常緑広葉樹への転換を進めております。
 効果的な伐倒駆除には広大な松林に点在する被害木を早期に発見することが重要であることから、地域住民の皆様と協働して監視活動を行うとともに、ドローンで撮影した画像の解析により被害木を効率的に判別する技術の実証に取り組んでおります。
 本年度は、松くい虫防除の区域や方法を定めた静岡県松くい虫被害対策事業推進計画の最終年度となることから現在計画の改定作業を進めております。改定に当たりましては浜松市沿岸部に整備された防潮堤の松や宅地の増加など松林周辺の環境変化を十分に考慮するとともに、地区連絡協議会を開催し住民の皆様から保全すべき重要な松林の選定などについて丁寧に御意見を伺い計画に反映してまいります。
 県といたしましては、浜松市や地域住民の皆様と連携して推進計画に基づく松くい虫被害対策に取り組み地域の財産である松林を次代に継承してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 入院治療により登校できない生徒への学業支援についてお答えいたします。
 病気により長期入院している高校生が治療を続けながら適切な高校教育を受けることは、学力面だけでなく心理面においても非常に重要であると考えております。
 本県ではこれまで、長期入院している生徒が学習に取り組むことができる場合にはあらかじめ学習課題を提示し退院後に補習を行うなどの支援をしております。しかしながら、長期入院による欠席が進級や卒業に影響することを考えますと支援体制のさらなる充実が必要であると認識しております。
 議員から御紹介がありましたとおり、国は平成二十七年度から学校と病院をつなぐ遠隔授業を正規の授業として制度化いたしました。さらに令和元年十一月からは、生徒の体調管理が適切に行われるなど入院中の病室等での体制が整う場合には教員を配置することを必要としないなどの大幅な要件緩和を行いました。
 これを受け本県では、昨年度から希望する生徒を対象として病院の協力を得ながら実際に遠隔授業を実施しております。今年度中に効果的な実施方法や学習評価の手法について検証を行い、来年度から単位認定が可能となるよう準備を進めているところであります。
 県教育委員会といたしましては、県内のいずれの高校であっても入院治療中の生徒が安心して学び続けられる環境を早期に整え誰一人取り残さない学びの実現を図ってまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 高濃度PCB廃棄物の処理の推進についてお答えいたします。
 県では、平成二十八年度から高濃度PCB廃棄物の所有が見込まれる事業者を対象に郵送や訪問により処理期限を周知するとともに、市町や業界団体と連携して注意喚起を行ってまいりました。また高濃度PCBが含まれている可能性がある物を所有する事業者に対しては立入検査等による確認や運搬・処理業者との契約手続の支援を行ってきております。
 今年度末に処理期限を迎える安定器等については、これまでに約四万件を対象に調査を実施し処理を促してまいりましたが、操業停止中の一事業者において期限である本年三月末までに処理手続が行われていないことを確認いたしました。本年五月に速やかに処理するよう改善命令を発出したものの、その後も未処理のままであることから今後県が代執行を行い確実に処理していくこととしております。
 一方で、来年度末に処理期限を迎えるコンデンサー等については今年度末まで使用が認められているためいまだに使用中の機器もあり処理が進まない要因になっています。このことから速やかに使用中の事業者を把握し処理期限や方法を周知徹底することが課題であります。
 県といたしましては、国や市町、業界団体等と連携し対象事業者を早期に把握し処理期限が迫っていることを繰り返し伝えるとともに、処理方法を丁寧に指導することにより確実な処理を推進してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木啓嗣君。
       (十二番 鈴木啓嗣君登壇)
○十二番(鈴木啓嗣君) それぞれに御答弁頂きましてありがとうございました。
 それでは、要望を二点、再質問を一点申し上げます。
 まず要望の一点目、アフターコロナを見据えた野球場の検討について要望させていただきます。
 地元地域では遠州灘海浜公園篠原地区の整備に大きな期待を持って注目をさせていただいております。現在はコロナの影響で様々な取組が思うように進められないという状況ではありますが、やはりアフターコロナの厳しい財政状況、こういったものを考えたときに県民の皆様の理解を得る上ではやはり先ほども御答弁の中で様々な取組御説明ありましたが、そうした取組一つ一つ情報収集、検討、意見調整そして県民の皆様への説明、そういった一つ一つの取組がやはり大事であると考えております。将来にわたり愛され多くの皆様に御利用頂ける施設となるように、そういった一つ一つの作業を大切にそして着実に進めていただきますよう要望させていただきます。
 次に、浜名湖の漁業者支援について要望させていただきます。
 現在、浜名湖の漁業者、養殖業者は不漁が続く大変厳しい状況の中で何とか踏ん張っているという状態です。やはり地元地域でこのような状況を目の当たりにしますと何とかしなければいけない、そのような思いに強く駆られます。
 また、この様々な要因が考えられる浜名湖という漁場、この漁場の環境変化に対応して漁業者、養殖業者が自助努力のみでこういったものを様々乗り越えていくということはやはりなかなか難しい状況であると考えておりますので、ぜひ県としても浜名湖の漁業者、養殖業者を力強く支えていただくようさらなる取組の展開を要望させていただきます。
 それでは、再質問を一点。浜松市沿岸部の松くい虫被害対策についての再質問をさせていただきます。
 御答弁の中では地域との連携した取組や浜松市などの関係性等御説明を頂きましたが、浜松市沿岸部の松くい虫被害、これは現在でも場所によりましては多量の松枯れが起きましてところによってはそれが放置されているのではないかと感じてしまうような地域もございます。
 やはり対応が遅れている場所からはこの被害が拡散するおそれがあります。より効果的、効率的な被害対策を構築していく上でも、やはり被害地域の関係各所がしっかり足並みをそろえて様々な取組をしていくということが必要ではないかと考えます。
 そこで一点お伺いしたいと思いますが、これ現在のように場所によって対応に遅れが発生してしまうこういった要因について県はどのように認識をされているのか。そしてまた県として改善策を持っておりましたらお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 浜松市沿岸部の松くい虫被害対策における関係各所の連携並びに場所によって対策に足並みがそろっていないのではないかということについてお答えいたします。
 薬剤散布や伐倒駆除などの対策につきましては、国、県、浜松市が相互に連携を図りながら対策区域を分担して取り組んでまいりました。具体的には県が県有地を、浜松市が市有地や私有地を分担して薬剤散布や伐倒駆除を実施しております。国有地につきましては市が伐倒駆除や農薬の樹幹注入  幹に薬剤を注入することでございますが  そうしたものを浜松市が実施しております。国では道路等に傾いた危険な松の伐採等を行っております。
 議員から御指摘のとおり、被害木の早期の伐倒駆除が被害の拡散防止には最も重要でありますことから本年度開催する地区連絡協議会において国、県、市の連絡体制を再確認し関係各所が足並みをそろえて松くい虫被害対策を進めていけるよう努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木啓嗣君。
       (十二番 鈴木啓嗣君登壇)
○十二番(鈴木啓嗣君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、最後に要望を一点申し上げます。
 やはり松くい虫被害対策、これはどこかの場所で被害が発生いたしますとそこからこの被害が広がりましてこれまで取ってきた様々な取組、それの効果が大きく損なわれてしまうというおそれもございますのでぜひより効果的、効率的な対策を構築する上で関係各所としっかりと連携を図っていただきますよう要望させていただきまして私の質問を終わります。御答弁ありがとうございました。(拍手)
○副議長(竹内良訓君) これで鈴木啓嗣君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 七月三十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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