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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

落合 愼悟 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2007

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港の利用促進について                 
2 空港を核とした陸・海・空の交通ネットワークの形成について                               
3 東名焼津・吉田インターチェンジ間における新インターチェンジ及び志太中央幹線について                  
4 中心市街地の商業振興について                   
5 県内のものづくり人材対策について                 
 (1) 技能者の育成                          
 (2) 工業高校における人材の育成                   
6 悪質商法の被害防止について



    ○議長(佐野康輔君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第百五十三号から第百八十四号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十一番 落合愼悟君。
            (十一番 落合愼悟君登壇 拍手)
    ○十一番(落合愼悟君) おはようございます。落合愼悟です。新人議員として初めての一般質問をさせていただきます。
     私は自由民主党所属議員として当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長に、また教育長にお伺いいたします。
     初めに、富士山静岡空港の利用促進について伺います。
     富士山静岡空港の路線確保については、全日本空輸、アシアナ航空に続いて日本航空が富士山静岡空港から新千歳に一日一往復、福岡に一日三往復の就航を表明し、これにより国内三路線一日六往復、韓国一路線一日一往復が決定したことになります。これらの就航表明により、いよいよ富士山静岡空港の路線が見えてまいりました。空港現場を訪れる見学者も本年十月末までに昨年度比約一・四倍の三万八千人に上るなど、県民の関心、期待もますます高まってきていると思います。県が見込んだ需要予測――国内百六万人、海外三十二万人、合計百三十八万人の乗客が確保できるよう開港までに路線・便数の確保に向けて、なお一層積極的に取り組んでいただきたいと思います。
     さて、私は十月に空港利用調査として北海道庁を訪問してきました。北海道には十三カ所の空港があり、航空機利用を促進するためのさまざまな事業について説明を伺ってまいりました。地元と連携した事業展開や利用率が低い路線の維持確保のため旅行商品の造成を行っており、成果を上げていると伺いました。
     富士山静岡空港は新設空港でありますから就航要請先での認知度は低く、北海道や福岡から飛行機を利用して静岡県を訪れる観光商品はまだ少ないと思います。韓国や中国といった海外においても同様ではないかと思われます。こうした状況を考えますと富士山静岡空港の開港まで一年三カ月余となった今、県内の多彩な観光地をめぐるコースや、ミカン、梨、イチゴなどといった農産物や焼津港などの水産物、また県内のものづくり工場の見学などを含めた魅力ある旅行商品の開発を行うことで、富士山静岡空港の認知度を増加させ利用者を拡大させていくといった戦略も必要であると考えます。さらに静岡県への誘客だけではなく、静岡県民が飛行機を利用して国内外へ観光に行く旅行商品の造成や県民の国内・海外旅行キャンペーンなども企画していくことが必要と考えます。
     そこで、空港の利用促進を進めるため旅行商品の開発について、県として今後どのように取り組み展開していくのか伺います。
     次に、空港を核とした陸・海・空の交通ネットワークの形成について伺います。
    本県の発展を牽引する重要な基盤である富士山静岡空港を生かして、空港周辺地域の地域振興や利便性の向上を図ることが、今後の大変重要なテーマであると考えております。この空港周辺地域の地域振興策につきましては去る九月議会において、石川知事は熊本空港を例に出し空港周辺地域へコンベンション施設の実現に向けて努力をしたいとの決意を述べられました。私は、空港周辺地域には本県の新しい玄関口にふさわしい施設がぜひとも必要と考えております。早急に実現できるよう県の取り組みを大いに期待しております。
     さて、空港開港を契機として経済の発展や県民生活の利便性の向上を図るためには、その基盤となる陸・海・空が一体となった総合交通ネットワークの形成が求められるところです。新東名高速道路につきましても、知事は平成二十四年度末の供用開始をできるだけ早めるよう関係機関に働きかけていると伺っており、交通アクセスについて強い熱意が感じられるところであります。空港と近隣JR駅を初め県内主要都市、観光地とを結ぶ最適な空港アクセスネットワークを早急に構築し、空港の利便性向上を図らなければなりません。とりわけ空港を利用される方のアクセスを考えると、空港と近隣にある島田、藤枝、焼津などのJR駅と連結する手段としてバス路線の確保が大変重要になると思います。
     私の地元藤枝市では駅舎を新築し商業施設建設などの駅前整備をしており、立地上有望ではないかと思っておりますが、県の具体的なアクセス計画が早く示されることを地元では大いに関心を持ち期待をしているところであります。この件に関しましては、去る九月県議会において、県は新しい交通ネットワークの構築に向け、ことし八月に関係者で構成する空港アクセス検討会を設置し空港アクセスネットワークの整備計画策定に向けた検討を行い、二十一年三月の空港開港までに最適なアクセスルートの完成に向けて取り組んでいくとの答弁があったところです。
     そこで、具体的なアクセスルートの完成に向けての現在の検討状況についてまずお伺いします。
     また、富士山静岡空港の開港により国内外から大勢の観光客が集まることが見込まれる中、国際観光地伊豆との結びつきをかんがみ伊豆半島地域の地理的、地勢的な条件を考慮すると、駿河湾内の海上交通が大変重要な意味を持つのではないかと考えております。
     この海上交通につきましては、現在清水港と土肥港を結ぶ航路が開設されているところであります。一方で新しい航路を模索する取り組みとして、昨年そしてことし六月に大井川町の観光協会などが中心となり、大井川港から西伊豆への遊覧船事業なども行われているところであります。海外や国内遠隔地から飛行機で訪れるお客様にとって、美しい富士山や駿河湾そして伊豆半島といった本県が誇る自然を一度に満喫できる観光ルートとなります。空港と伊豆を結ぶアクセス手段の充実、さらにはモーダルシフトや防災の視点からも、県としても新しい航路をにらみ今から検討を進めるべきではないでしょうか。
     また、この大井川港を活用するためには、港へのアクセスや周辺の集客施設の充実などが求められるところであります。大井川港の活用を初め空港から伊豆地域への海からのアクセスについて県はどのように取り組むのか伺います。
     次に、東名高速道路焼津―吉田インターチェンジ間における新インターチェンジ及び志太中央幹線についてお伺いします。
     焼津と吉田の両インターチェンジでは、現在一日に焼津が二万一千台、吉田は一万六千台の車両が利用しております。また両インターチェンジ間は人口密度が高く食料品製造や化学工業などの産業が集積しており、距離が約十二キロメートルと長く国道百五十号大井川にかかる富士見橋の南北の交通混雑も著しい状態となっています。さらに開港が一年三カ月に迫った富士山静岡空港や、近隣の工場や機能の高度化が進む焼津漁港、大井川港を利用する人や物の流れを考えますと、東名高速道路へのアクセス性を高めることは重要であると思います。地元でも新たなインターチェンジへの期待は非常に大きなものがあります。
     焼津―吉田間新設インターチェンジにつきましては、平成元年に藤枝市で藤枝大井川インターチェンジとして設置計画調査を行い、二カ所を特定した経過があります。また平成十三年からは焼津市、藤枝市、大井川町の行政や経済団体が東名インター新設促進協議会を発足させ、新しいインターチェンジの早期実現に向け積極的な活動を展開してきております。新たなインターチェンジが設置されれば、両インターチェンジ周辺の道路の混雑緩和だけでなく本地域の産業の振興、生活の利便性向上などに大きな効果があると思われます。
     そこで、このほど国と県と地元市町が一体となってETC専用のスマートインターチェンジ新設の検討を始めたと聞いていますが、この取り組み状況について伺います。
     また、都市計画道路志太中央幹線について伺います。本計画道路は、藤枝市の市街地と焼津市の西部を結び大井川町に至る道路として昭和四十八年に都市計画決定されており、志太平野の背骨と言われ本地域の今後の発展を支える重要な道路であります。現在、志太中央幹線の整備については大井川新橋の接続道路となる部分が県、藤枝市、大井川町によって進められていますが、志太中央幹線の中心地には新幹線、JR、瀬戸川が通っており高架橋の工事となります。焼津市や藤枝市の施工主体では費用経費の上で非常に厳しいものがあると思われます。道路整備の取り組みについてもあわせて伺います。
     次に、中心市街地の商業振興についてお伺いします。
     昨年度、国が実施した全国の商店街実態調査によりますと、「衰退している」または「停滞しているが衰退するおそれがある」と答えた商店街は全体の七〇・三%に上るなど、商店街の状況は依然厳しく商店街の再生は全国の地方都市にとって切実な課題であります。このような中、昨年まちづくり三法が改正され、郊外開発を抑制する一方で中心市街地活性化の方針として、今までの商業を中心とした対策ではなく、商業も含めたさまざまな都市機能を集約することにより活性化を図る新たな枠組みが示されましたが、やはり商業は中心市街地に活気や潤いを与えるものであり、都市機能の中でも重要な役割を担っているのではないかと思います。
     私の地元藤枝市においても、藤枝駅周辺地区を対象とした新たな中心市街地活性化基本計画の策定に向けて、先月、藤枝市中心市街地活性化協議会が発足し関係者による取り組みがスタートしたところであります。この計画の概要案によりますと、駅の南側に新たに大規模な複合商業施設を建設して、それを核として活性化を図ることが掲げられておりますが、私はこれまで地域住民の生活を支える役割を担ってきた駅北側の藤枝駅前商店街の再生も重要な課題ではないかと考えるのであります。
     県内の中心市街地商店街の状況を見ましても、呉服町名店街など一部にぎわいが見られる商店街もありますが、大半は寂れてきているのが実情ではないでしょうか。
     そこで、県は県内都市の再生とにぎわいづくりに重要な役割を担う中心市街地の商業振興に今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
     次に、県内のものづくり人材対策についてのうち、技能者の育成について伺います。
     本県は全国有数のものづくり県であり、従業者数の約三割が製造業に従事しています。少子化に加え若者のものづくり離れや団塊の世代の大量退職などにより、製造業の従業者は大きく減少する傾向にあります。また熟年技術者・技能者の高齢化や団塊の世代が一線を退きつつあることから、ものづくりの根幹を支えてきた技術・技能の衰退、喪失に対する危機感も高まっています。このような中で、企業は継続雇用制度の導入や技術・技能の伝承に取り組んではいますが、人材不足を解消する根本的な解決にはなっていないと思います。
     先月開催された第三十九回技能五輪国際大会では二十二歳以下の若者が四十七種目の分野で技能を競い、静岡県でも九名が出場しすばらしい技術を見せてくれました。今後とも本県がものづくり県として発展していくためには、ものづくりを志す人材の育成が必要不可欠であり、若者にものづくりへの目を向けてもらうことが大切であると考えます。そのためにはすぐれた技能を持った技能者がきちんと処遇され、敬意を表されるような社会にしていくことも大切であると思います。
     ところで、本県の若者に対する職業訓練の場である沼津、清水、浜松の技術専門校では即戦力となるものづくりの人材育成に取り組んでおり、毎年多くの企業から求人があり就職率一〇〇%であるにもかかわらず、応募者は年々減少していると聞いております。県として技能者の社会的な地位の向上などものづくり技能者の育成のため、どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、工業高校における人材育成について伺います。
     現在、子供たちの理系離れが進み、大学の工学系学部への志願者数は少子化の一因はあるものの一九九二年から二〇〇五年までの間に四割以上減少しているデータがあります。企業では若者のものづくり離れの傾向が続き、ものづくり産業の発展を担う技術者、技能者の確保が難しくなってきていると言われています。一因として、幼いときからものづくりの現場を見たり体験したりして、ものづくりに感動する機会が乏しくなってきていることが指摘されています。そのためには若者にものづくりの楽しさやすばらしさを知る機会を豊富に提供し、ものづくりに対する関心と理解を深めることが緊急かつ重要な課題となっています。
     また、十一月の技能五輪国際大会に合わせて第七回高校生ものづくりコンテスト全国大会も沼津で開かれました。旋盤部門、自動車整備、電気工事など七部門で実施され、旋盤、測量、化学分析の三部門で優勝するなど、本県の工業高校の生徒の実力の高さはすばらしいものがあります。
     本県は工業系学科を持つ高校を全日制十三校、定時制三校を設置しており、全日制には八千人を超える生徒が在籍しております。工業高校は我が国のものづくり産業の担い手となる技術者を養成するという大きな役割を担っており、これまでも技術力優秀な人材を各地に多数輩出してきました。今後もものづくりに必要な技術・技能を習得させるとともに、将来のスペシャリストとしての資質に富んだ人材を育成することが求められています。このようなことから、工業高校で学ぶ生徒たちが実践的な技術者、技能者として育ち企業に旅立っていける環境づくりや、工業系の大学等に進学し継続してより高度な技術を学ぶことができる体制づくりについて一層の推進が必要と思われますが、今後の工業高校におけるものづくり人材の育成方針について教育長の考えを伺います。
     次に、悪質商法の被害防止についてお伺いします。
     訪問販売やしつこい電話勧誘、また街頭でのキャッチセールスなどによって不快な思いをしたことは多くの県民が経験していることと思います。
     先日、財団法人日本消費者協会が行ったアンケート調査の結果によると、過去五年間に迷惑な勧誘を受けた経験のある人の割合が約七割もいました。勧誘の内訳は電話勧誘が五六%、訪問販売が三〇%などとなっております。中には未公開株の購入やマンション投資などをしつこく勧める電話勧誘や、下水の洗浄を依頼したところ住宅の床下清掃やリフォーム、屋根塗装などを次々と契約させられた例もあるとのことです。そのほかにも法令で定められた要件を満たさない販売方法や不良商品販売、支払い能力をはるかに超えるローンを組ませるなど、いわゆる悪質商法の被害は後を絶ちません。
     最近のマスコミ報道でも、身につけると血液がさらさらになると偽ったブレスレットを高額で販売していた業者が千葉県警に逮捕された事件がありました。また大手英会話教室のNOVAによる不適切な契約方法や解約金の支払いが問題となり経済産業省において行政処分が行われるなど、国民が安心して消費生活を送る上で不安な問題が頻繁に起きております。
     このような状況の中で、県では先月末に不適切な訪問販売事業者三社に対して、業務停止命令を伴う行政処分を行ったと聞いております。悪質事業者に対する指導監督業務に対し評価をするものであります。しかしながら不適切な事業者や悪質な商法を行う者は後を絶たないのが現状です。県民生活センターに寄せられる県民からの消費生活に関する各種相談について最近の傾向と、悪質商法から県民を守るため事業者への指導や行政処分など、どのような取り組みを行っているのかについて伺います。
     以上六項目につきまして質問をさせていただきます。(拍手)
    ○議長(佐野康輔君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 落合議員にお答えをいたします。
     初めに、富士山静岡空港の利用促進についてであります。
     より多くの方々に富士山静岡空港を利用していただくためには、就航先との間で双方向の交流需要を拡大するさまざまな取り組みを進めていく必要があります。その中で魅力ある旅行商品の開発も極めて重要であると考えております。
     まず、海外からの誘客対策でありますが、韓国の航空会社と連携してこの十月と十一月に現地の旅行会社を招聘して、県内観光施設等を実際に体験していただきました。またその際に、県内観光関係者との商談会を通じて旅行商品の造成促進を図りました。今後、引き続き台湾や中国など就航要請先の旅行会社を対象に同様の取り組みを行うこととしております。
     また、国内遠隔地からの誘客対策でありますが、来年三月に北海道と九州の旅行会社を本県に招きまして県内の観光資源を視察していただいて、新たな旅行商品づくりを要請する販売促進会議の開催を予定しております。これらを初めとして、今後就航先の旅行会社に対する働きかけを強化してまいる考えであります。また県民が海外に行く旅行商品の開発も重要になってまいりますので、航空会社等と連携をして県内の旅行会社を対象とする商品開発のためのセミナーやチャーター便運航の勉強会を開催するなどの取り組みも行っているところであります。
     このような旅行会社に対する直接的な働きかけに加えて効果的な支援策を講ずることによって、旅行商品の造成を促進することも重要であると考えております。このため旅行会社や空港利用者に対する支援策として他空港で効果を上げている旅行商品の広告や団体利用送迎バスに対する補助、あるいはチャーター便の誘致支援策などにつきましても検討を進め、時機を逸することなく対応してまいりたいと考えております。
     また、多くの国内外からの方が本県にやってまいりました場合に、いわゆるもてなしのレベルアップ――それらに対応した適切なもてなし、これも非常に重要になってくると思います。
     先ごろのユニバーサル技能五輪国際大会のときにも、町中に結構外国の方が出かけられておりました。そういう様子を見ておりますと、例えばそれぞれ人気になりそうなポイントと言いましょうか、場所も何となく見当がつくような感じがいたします。少なくともそういうところは現状では多言語表記がされてないので、例えば最低英語表記とか、これからアジア地域の方が多くなることはもう容易に想像されますので、韓国語、中国語などアジア地域対応の言語表記も必要になってくると思いますし、またそれらの地域の方々が何を求めているか、現状でもビジネスのついでに大変多くのお土産を買っていく中国の方々の話も聞いたりしております。電化製品であるとかいろいろな女性の身につける下着類から始まって、日本の商品に対するお土産としての価値を非常に高く認めているという様子がうかがわれますので、うちの店にはそんな人来ないだろうと思うような店まで最近は来るようになっているわけですね。ですから人口が減って商店街が寂れて困るとか郊外店舗だけ目のかたきにするんじゃなくて、そういう方々がやってくることも想定して対応しておると意外な商機がそこにあるということもあり得るわけであります。
     また加えて旅館・ホテルなども、向こうの方々の泊まり方が日本人の旅館・ホテルの泊まり方とは違うケースがあるもんですから、今までずっと関係者のお話を聞いておるとそういうお客さんが来ると迷惑だという反応が多いわけですね。ところがそういう人たちが大勢来てくれるということは商売のいいチャンスであるわけですから、そういう方々には適当な旅館・ホテルの泊まり方とか使い方をきちんと丁寧に説明するとか、あるいはそういう方々が喜んで来てくれるようなそういうしつらえをするとか、いろいろ対応する、こういうことも必要になると思いますし、それからまたそういう人たちが多く来るということになりますれば、我々も経験してるわけでありますけれども、旅館・ホテルに着いたら少なくとも母国語で十分話が通用する、しかもそれも同国人がサービスしてくれるとより安心する、より居心地がいいということがありますよね。したがって、旅館・ホテルなどでも、これからはそれぞれ例えば中国の方とか韓国の方とか、そういう人たちを採用して対応させるというようなことも考えていかなければならないわけですね。
     そういうことについても、観光協会を通じながらいろいろ啓発と言ったらおこがましいんですけれども、問題提起などもしております。これからそういう点での対応もどんどん進めていかなければいけないと思います。それがうまくいけば人口減少による経済規模の縮小を交流人口の拡大によって補って余りあるくらいの経済効果が出てくるものと考えますので、その点についての努力をしていきたいと思います。
     次に、空港を核とした陸・海・空の交通ネットワークの形成についてであります。
     だれもが使いやすい空港の実現を図り、国内外との交流の促進や観光振興など空港の役割を最大限に発揮するため、県ではことし八月に富士山静岡空港アクセス検討会を設置いたしまして、県内、県外のニーズ調査や類似空港の現状調査を行って、去る十一月にはこの調査結果をもとに空港アクセス整備方針を策定したところであります。この整備方針では、空港に近接する駅及び拠点性の高い都市駅や県内の主要観光地と空港をバス路線等で結ぶこととしておりまして、今後国土交通省、関係する市や町との連携のもとで、平成二十年九月をめどに交通事業者や観光事業者などと具体的な路線の設定に向けて協議をしてまいります。
     また、海上交通を利用した伊豆へのルートについてでありますが、とりわけ県外の観光客から関心が寄せられております。海上交通の活用が駿河湾を取り巻く地域の活性化にとって有効と考えますことから、既存航路の活用とあわせ今後の需要動向にも応じた検討を続けていくこととしております。
     この際に考えなくてはいけないのは、既に駿河湾内のフェリーの運航の実態を見ておりますと、就航の初年度、次年度くらいは大変お客が期待どおりに獲得できて、そこそこのこれから増加が見えるんじゃないかと思われたわけでありますけれども、その後じり貧になってきているわけです。その原因の大きなものが、駿河湾内の特に秋以降冬場にかけて西北の風が強くなると、伊豆半島の西海岸の港が非常に荒波が立ってなかなかうまく入港できないと、そういうこともあって欠航もあるというようなことから、海上の輸送路についての信頼性……。特にバス旅行で団体で来る場合、あらかじめルートに組み込んで時間設定してくるわけですね。そうすると突如欠航ということになるとえらいいろんな日程が狂っちゃうということもあるのではないかと思うんです。そこで思うように客足が伸びない、むしろじり減だというようなこともあります。
     したがって、西海岸のしかるべき港湾の防波堤の設置が重要なポイントになってくるわけでありますけれども、これはこれで一方で大変多額な投資を必要とします。したがって現在の公共投資がどんどん縮小される状況の中で、なかなかこれにも踏み出せないというのが今の問題です。しかし海上輸送路の信頼性が高まることさえできれば非常に魅力のある旅行ルートになることは間違いないので、今後の財政状況見ながら、これについていろいろ取り組んでいかなければいけない課題だと考えております。
     そういうことも含めて、本県への来訪者が快適かつ魅力に富んだ旅行を満喫できるように、空港を核とした交通ネットワークの形成に取り組んでまいる考えであります。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(佐野康輔君) 衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長(衛門久明君) 東名焼津―吉田インターチェンジ間における新インターチェンジ及び志太中央幹線についてお答えいたします。
     東名焼津―吉田間の新たなインターチェンジ設置については、スマートインターチェンジの社会実験に向けて必要な検討、調整を行うため、九月に県、地元二市一町、国土交通省等から成る社会実験勉強会を立ち上げ、位置、構造等の検討を始めたところであります。勉強会において来年度にかけてスマートインターチェンジの安全性、費用負担等についても検討を行い、地元による合意形成を経て国に社会実験実施に向けた申請を行ってまいります。
     また、志太中央幹線については全長十一・六キロメートルのうち、県道藤枝大井川線から大井川新橋までの三・二キロメートル区間は、県、藤枝市、大井川町により整備を進めており、また北部の供用済み区間から県道焼津藤枝線までの〇・七キロメートル間は事業着手に向けて県が測量等を実施しております。未着手区間五・六キロメートルは事業中の区間の進捗状況やスマートインターチェンジの設置方針を踏まえ、藤枝、焼津両市と連携して優先整備区間や事業主体等を検討してまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長(杉山栄一君) 中心市街地の商業振興についてお答えいたします。
     中心市街地の商店、商店街は、住民の生活を支える場として、また多くの人が集まる交流の場として大きな役割を果たしております。
     このため、県ではいきいき商店街づくり事業により中心市街地の商店街などが主体となって行うアーケードや駐車場整備、空き店舗を活用したチャレンジショップ設置などに助成するとともに、商店街活性化講習会や人材養成研修などを実施し、県内各地域において商業者みずからの創意工夫による特色あるにぎわいづくりが進むよう支援してきたところであります。
     いきいき商店街づくり事業では、商店街が専門家に委嘱して商店の魅力を高めるための個店指導への助成も行っており、本年度は五カ所での事業実施を予定しております。この事業に取り組んだ商店の中には、伊東市内の洋品店のように一カ月の売り上げが前年と比べて三割以上ふえた店舗があるなど具体的な成果も上げてきております。また藤枝市や掛川市での中心市街地活性化基本計画の策定など、市や町、商工団体が主体となった中心市街地活性化への取り組みも進んできておりますので、地域で開催されるワークショップへの職員派遣や市や町等との協働による研究会の開催などを通じて、先進情報の提供や県事業の活用促進などに努めているところであります。
     中心市街地の商店街がその魅力を高め、街のにぎわい創出の中心的役割を果たしていくことができるよう今後とも市や町、商工団体と連携して積極的に支援してまいりたいと考えております。
     次に、県内のものづくり人材対策についてのうち、技能者の育成についてであります。
     ものづくり県である本県が今後とも発展していくためには、ものづくりに携わる人材の育成が重要であると認識しております。このため、県では各技術専門校において新たに技能労働者となろうとする若者を対象に時代に即した技能を付与する職業訓練を実施し、即戦力となる人材を育成しているところでありますが、近年応募者が減少しております。一方、若年者コースの修了生に対する企業からの求人は年々増加する傾向であり、本年度も七倍を超える求人が寄せられるなど技術専門校に対する期待は大きいことから、引き続き技能者育成の中核的な機関としての役割を担えるよう、高等学校への訪問や各種イベントなどさまざまな機会を通じて技術専門校をPRし応募者の確保に努めてまいります。
     また、先月開催された二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会には多くの県民の方々に御来場いただきました。この大会は技能に対する社会的な認識や評価を高め、技能尊重社会づくりに大いに資する成果を上げたものと考えております。
     今後はこの成果を生かしていけるよう、優秀技能者の表彰やWAZAフェスタ、WAZAチャレンジ教室の開催、さらに昨年度創設いたしました静岡県技能マイスター制度の活用などにより、技能者の社会的評価を高めるよう努めてまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 県内のものづくり人材対策についてのうち、工業高校における人材の育成についてお答えいたします。
     本県の工業高校はこれまでもものづくり産業を担う人材を輩出しているところであり、先ほど議員から御紹介がありましたが、この十一月に行われた高校生ものづくりコンテスト全国大会では全七部門のうち五部門で入賞し、そのうち三部門において優勝するなど生徒の技術レベルも向上しているところであります。
     しかしながら、議員御指摘のとおり工業技術の急速な進展、グローバル化等の時代の変化への対応が求められる中、工業高校における教育のあり方には一層の改善、充実が必要であり、そのため産業教育審議会に検討を依頼し、ことし九月に答申をいただいたところであります。答申では基本的な考え方として四点が示されております。まずは技能検定等の高度な資格取得など専門分野に関する知識・技術の習得と実践力の育成、次に大学との継続教育も視野に入れた普通教科の学力向上、さらに技術者倫理に裏づけられたチャレンジ精神の育成、そして持続可能な社会づくりのための環境に配慮する心の育成の四点であります。
     今後は、これらの方針等を踏まえるとともに、これまでの成果を継承しつつ本県のものづくり産業を担う人材の育成に取り組んでまいります。
    ○議長(佐野康輔君) 稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長(稲津成孝君) 悪質商法の被害防止についてお答えいたします。
     県民生活センターに寄せられた消費生活相談は、平成十六年度の二万七千二百九十四件をピークにその後年々減少し、平成十八年度は一万一千百二十八件でした。平成十六年度の相談の約七割は架空請求に関するものでしたが、県警本部などとも連携し大阪のおばちゃんのテレビコマーシャルなど集中的な広報活動を行った結果、平成十八年度には相談件数の約四割にまで減少しております。
     県では悪質商法により被害を受けている相談者に対し、県民生活センターにおいてクーリングオフ制度の紹介や解約の仲介等を行うとともに、悪質な事業者に対しては販売行為の監視や迅速な情報収集、改善指導を行っているところであります。さらに指導後も改善が図られない極めて悪質な事業者に対しては、必要に応じて他県とも連携しながら業務停止命令など厳正な行政処分や事業者名等の公表を行い消費者に注意を喚起するとともに、これらの事業者を社会全体の監視下に置くことで被害の発生や拡大の防止を図っております。またクレジット会社に対しては、不適正なクレジット契約が悪質な販売行為に利用されないよう、販売事業者の管理を厳正に行うように指導しております。
     今後とも消費者被害の根絶を目指して、事業者への適切な指導に取り組んでまいります。
    ○議長(佐野康輔君) これで落合愼悟君の質問は終わりました。

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