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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

加藤 元章 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/01/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 「コネクティッド・シティ」プロジェクトを契機とした東
 部地域における県の取組について
2 伊豆の観光戦略におけるMaaSの活用について
3 沼津駅付近鉄道高架工事の前提となる新貨物ターミナル整
 備工事について
4 沼津港のにぎわいづくりについて
5 犬・猫殺処分ゼロに向けた取組の進捗状況について


○副議長(良知淳行君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三号議案から第百三十二号議案まで及び令和元年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、六番 加藤元章君。
       (六番 加藤元章君登壇 拍手)
○六番(加藤元章君) おはようございます。私は、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式にてお伺いをいたします。
 初めに、「コネクティッド・シティ」プロジェクトを契機とした東部地域における県の取組についてお伺いをします。
 このプロジェクトは、トヨタ自動車の豊田章男社長が本年一月、米国で毎年開催される電子機器の世界最大の見本市においてこのプロジェクトの構想を発表し既に八か月が経過をいたしました。豊田社長は日本を代表する企業でありながら今後の企業としての在り方に対し大変危機感が強いというふうに報道されております。これから先は車単体では生きていけない、人々の暮らしを支える全ての物、サービスが情報でつながり車を含めた街全体、社会全体という大きな視野で考える、すなわちコネクテッドシティーという発想が必要とされ、その観点から豊田社長自ら私財を投じこのプロジェクトに取り組むとのことであり覚悟と本気を感じさせるものであります。
 具体的には、裾野市にありますトヨタ自動車東日本株式会社の東富士工場を本年十二月に閉鎖をし、その広大な跡地、将来的には七十ヘクタール、東京ドームに換算すると十五個分に社員約二千人が生活をしながら最先端の自動運転、ロボット、スマートホーム、人工知能などの技術を導入し、それらを検証できる実証都市を新たにつくるというものであります。
 現在、トヨタ自動車は多くの企業や研究者に幅広く参画を求め、何と来年の初頭から段階的に建設工事に着手していくとのことであります。ゼロから世界トップレベルの技術を集積させ世界一の実証都市をつくってしまう、こんなセンセーショナルなことは歴史的にも世界レベルで大きく注目されることだと思います。
 私は、このプロジェクトは県東部地域の産業や地域づくりに対して大いなる波及効果をもたらすものだと思います。したがって県としてのこのプロジェクトへの取組のポイントは、ただ単にトヨタ自動車から言われたことに対してやるという受け身の姿勢ではなく本県独自にそのプロジェクトによる波及効果を二倍、三倍に高められるように積極的、戦略的な対応策、受入れ策を考え結果的に東部地域の振興に向けた産業戦略や地域づくり戦略につなげていくことだと思います。そしてそれを、知事が豊田社長に直接プレゼンをし共感を頂きさらに協議を重ねパートナーシップを構築しウィン・ウィンの関係で進めていくことだと思います。
 一方で、知事は県東部地域の産業及び地域の現状についてどのような認識を持たれているのでしょうか。
 産業面では、県東部地域には自動車関連の中小製造業が数多く立地していますが国内需要の低迷やEV化の進展による部品数の削減なども想定され先行きが不透明です。また県の産業政策として医療産業の集積を目指すファルマバレープロジェクトは大変重要でありますが、専門的な領域であることから新商品開発や企業の新規参入のハードルが高く地域経済へのインパクトは限定的であると感じています。
 伊豆地域の主力の観光業においては、高齢化や労働力不足等構造的な課題もあり将来的に安定的な観光客の確保が見通せない状況になっております。東部地域においてこのような課題がある中で、この「コネクティッド・シティ」プロジェクトでは現在パートナー企業や人材について公募中ですが既に多くのエントリーがあると聞いています。このことはコネクテッドシティーの建設はもとよりトヨタ以外のパートナー企業が新たに裾野市及び周辺市町へ転入してくること、すなわち企業立地が促進される可能性が高いというふうに考えます。
 これに伴い本県最大の課題である定住人口のさらなる増加も見込めます。さらに観光及び交流人口の観点では、世界中から最先端の技術者や関係者が大挙してやってくることが定常化するというふうに思います。この多くの来訪者を受け入れる体制はどうなのでしょうか。宿泊、飲食はもとよりMICEすなわち学術会議等のコンベンション、イベント等の開催の新たな需要が発生すると考えます。その際に伊豆半島の観光スポットを巡るアフターコンベンションによる観光振興も見込むことができます。
 そこで、以上のことを踏まえ県は「コネクティッド・シティ」プロジェクトを核としてどのように東部地域の産業戦略や地域づくりを考えていくのか、その認識を伺います。
 また、スピード感を持って対応するには知事と豊田社長との戦略的トップ会談を行うなどトヨタとの連携を深めていく必要があると考えますが、その認識についてもお伺いをいたします。
 次に、伊豆の観光戦略におけるMaaSの活用について伺います。
 MaaSとは、モビリティ・アズ・ア・サービスの略で出発地から目的地まで最適な移動手段を提供する考え方であり、実際にはスマートフォンを用いて移動手段の検索、予約、決済を一括して行い、加えて飲食店、宿泊施設予約や利用に関する割引クーポンなども取り込んでおり、利用者にとっては大変利便性が高く魅力的なものであります。このMaaSは観光戦略上も大変将来性があることから、JR東日本と東急は静岡県も含めた実行委員会を組織しバス、タクシー、レンタカーを使用しての観光型MaaSの日本初となる実証実験を昨年から今年にかけて伊豆地域においてフェーズワン、フェーズツーの二回実施をしております。
 昨年十二月から本年三月のフェーズツーでは、MaaSが使える観光推奨ルートを拡充しアプリの使い勝手を向上、観光施設、宿泊施設でのデジタルパスの利用、下田市内での人工知能を活用し時間に無駄がなく最適なルートを走るオンデマンド型の乗合バスの運行も実施をいたしました。この日本初となる観光型MaaSを発展させ利便性とお買い得感のあるシステムの充実は伊豆地域への誘客への大きな呼び水になると考えますが、その三回目となる実証実験は本年十二月から三月に行われるとのことであります。
 そこで、本県観光戦略の観点からこれまでの結果を踏まえフェーズスリーに向けての課題、改善点をどのように認識をし県として取り組んでいく方針なのか伺います。
 次に、沼津駅付近鉄道高架工事の前提となる新貨物ターミナル整備工事について伺います。
 沼津駅付近の鉄道高架事業は、計画がスタートしてから三十年以上が経過をしましたがいまだ本体工事の着手に至っておらず、今後工事着手してからも約十五年程度の時間がかかると聞いております。この間沼津市の中心市街地は大きく疲弊をしかつての商都の面影はなく百貨店、デパートは全て撤退してしまいました。しかしながら鉄道により市の中心部が南北に分断をされ、交通インフラとして劣悪な状況は高齢化社会の到来や南海トラフ大地震発災時の危険性等を考慮すれば将来に向けて改善されるべき課題であり、市民からはこれ以上遅れることなく一日でも早い完成が望まれています。
 この鉄道を高架化させる工事の前提として沼津駅に隣接する現在の貨物駅を沼津市西部の原地区へ移転させることが必要ですが、移転先用地の地権者の反対が根強くその用地買収に長年苦労してまいりました。この状況を打開するため県と沼津市は昨年に入り土地収用法に基づく裁決申請を行い今年度に入り土地の明渡し裁決が出された結果、その後権利者による土地の明渡しが進み残りは三件というところまできました。いよいよ用地取得のめども立ってきたことから用地取得後、極力早い工事着手を期待しています。
 コロナ対策費用の増大による本県施設整備計画の総点検もされているところでありますが、この鉄道高架事業の一日も早い完成は沼津市民の悲願とも言えます。工事が始まり周辺道路の整備なども進めば原地区のまちづくりも進展し地元の活性化にもつながることになります。
 また、現貨物駅が移転をすれば沼津駅近くに市街地に隣接する約二ヘクタールの貴重な土地が生まれます。市が策定した中心市街地まちづくり戦略では緑や潤いの確保と防災性の強化による市街地環境の向上の視点から防災公園としての整備を検討することとしていますが、以前は知事によるサッカースタジアムとしての利用など夢のある話もあったこともあり、市民にとって有効でにぎわいづくりにも寄与するような施設のために利用することも可能と考えています。
 そこで、沼津駅付近鉄道高架工事の前提となる新貨物ターミナル整備工事の着手に向け今後県としてどのように進めていくのかお伺いをいたします。
 次に、沼津港のにぎわいづくりについて伺います。
 沼津港は県東部有数の観光地であり、平成三十年度に市が行った調査では年間約百六十六万人が来訪しており十年前に対し二倍に迫る多くの方の来訪を受けております。このにぎわいづくりに向けては、平成十四年に食堂街のにぎわいと港が一体となった交流空間を形成すべく策定した沼津港港湾振興ビジョン、さらに平成二十七年にこのビジョンを見直し新たな時代に適応した空間づくりに向け策定した沼津港みなとまちづくり推進計画に基づき県、市、民間が連携をして魅力ある施設等の整備を行ってきております。
 近年では、多くの観光客を迎え入れるために県、市、沼津観光協会が連携をし観光バスの受入れ体制を乗降場と待機場を分離するショットガン方式に変更、強化をしさらに民間事業者が電動シェアサイクルを導入するなど来訪者の増加につながる対策が行われていますが、一方で別途県が進めている内港の西側の緑地整備については用地買収が進展をしているものの具体的にどのように変わっていくのかが見えてきておりません。
 また、推進計画において耐震性能が劣るため早期の改築が位置づけられている第一市場については沼津港の中心に位置していることから港を感じさせる見せる市場として、また食文化を学び体験させる施設として観光に活用できるとともに、津波避難施設としての機能や慢性的に不足している駐車場機能の増加などに対し地元の期待が寄せられています。
 しかしながら、推進計画の核となるこの第一市場の改築について関係者間での協議の進展が見られずいまだ具体的計画になっていません。
 このように、沼津港では県、市、民間が推進計画に基づく役割分担の下にぎわいづくりが進められていますがまだまだ来訪者の増加が見込める魅力ある地域だと思っています。
 そこで、沼津港におけるさらなるにぎわいづくりに向けて沼津港みなとまちづくり推進計画の今後の県の取組や市及び民間事業者への支援について、県の所見を伺います。
 次に、犬・猫殺処分ゼロに向けた取組の進捗状況について伺います。
 本件は前回の一般質問でも取り上げましたが、犬については今年度殺処分頭数が大きく減少し殺処分ゼロの達成も可能な状況にあります。しかしながら処分数が一時的にゼロになってもそれは永続的なことではなく犬の保護、収容頭数のさらなる低減に向けた対応が必要であると思います。やはりこの問題の入り口である動物取扱業が商業行為として行う犬の販売について、営利主義に走らず経済的、家庭的、環境的に真に飼育能力のある人に対してのみ適正に販売するような仕組みの構築が肝要だと思います。
 あわせて、殺処分せずボランティア団体が円滑に新たな飼い主を見つけるよう昨年ボランティア団体の負担低減を要望いたしましたが、依然としてボランティアが保健所から譲渡を受け犬の健康管理、不妊去勢、シャンプー・カットなどを自らの負担で行い新たな飼い主探しを担っていただいており、この間変化がないように見受けられます。
 また、県では四つの保健所等において犬の保護、収容を行っておりますが、東部・伊豆地域を担う東部保健所においては東部総合庁舎内に動物指導班が設置されているものの庁舎内には一時的な保護スペースしかなく、車で二十分ほどかかる場所に無人の保護管理所が設置されておりますが老朽化が進んでいる状況であります。これは動物の譲渡を進める上で大変効率が悪く、また飼育面でも課題があると感じています。
 殺処分を主な目的として四十年以上前に浜松市内に設置された動物管理指導センターについても同様に老朽化が進み、県ではその在り方を検討してきたと聞いています。今後は他県同様に命をつなげるための施設への転換を含めた改築、移設が必要と考えます。
 そこで、県の動物取扱業における適正販売への指導強化の取組状況とボランティアの負担低減に向けた取組方針を伺います。またその在り方について検討されてきた動物管理指導センターについて今後どのように展開をしていくのか、県の方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) おはようございます。加藤議員にお答えいたします。
 伊豆の観光戦略におけるMaaSの活用についてであります。
 伊豆地域は世界クラスの資源を有する観光地であります。かつて文豪川端康成が伊豆序説におきまして伊豆半島全体が一つの公園であるというふうに喝破されておりますけれども、私は伊豆半島は世界で最も美しい半島であるとずっと思ってまいりました。
 この伊豆半島でございますけれども、昨年度は四千四百万人を超える観光客の皆様に四季折々の美しい景観、歴史文化、多彩な食材などの魅力を堪能していただきました。これら観光客の皆様に快適に周遊していただくためにはデジタル技術を積極的に取り入れてバス、タクシー等の二次交通や観光施設などを快適に利用していただくことが可能なMaaSの活用が期待されるわけでございます。
 伊豆地域では、全国に先駆けスマートフォンによる予約並びに決済、旅行者の円滑かつ切れ目のない移動を提供するMaaSの実証実験にこれまで二回にわたって取り組んでまいりました。交通機関のデジタルフリーパスや観光施設のデジタルパス等の販売数はフェーズワンでは一千四十五件でございました。フェーズツーになりますと五千百二十一件と順調に増加しております。一方これまでの実証実験から、サービス対象のエリアの一層の拡大と伊豆ならではの体験コンテンツの充実を図ることが課題となっております。
 このため、十一月十六日から実施するフェーズスリーの実証実験におきましては対象エリアを西伊豆地域や中部地域の一部にも拡大いたしまして富士山静岡空港から空港アクセスバス、駿河湾フェリーを利用して伊豆地域を利用できるデジタルフリーパス等を加えます。併せまして伊豆ならではの伝統や食材等を活用した体験コンテンツを開発して提供することとしております。
 さらに、MaaSは人との接触の回避などウイズコロナ時代の観光におきまして非常に有用な仕組みであります。フェーズスリーでは参画する観光施設等の感染防止対策を徹底いたします。その上で駅や観光施設の混雑状況を瞬時に提供し旅行時のソーシャルディスタンスの確保を支援する仕組みを導入いたします。これは旅行者の皆様がこれまで以上に安心して、また安全な形で快適な観光を楽しんでいただける取組でございます。
 また、県は現在観光情報プラットフォームの構築を進めておりますが、本県への訪問を計画されている方や既に県内に訪れている方に対しましてこのプラットフォームを利用して様々な観光情報を入手できるようにいたします。このプラットフォームとMaaSを連動させますと訪問先や体験メニューを選択してその目的地への交通アクセスや予約をMaaSで行うということもできるようになります。
 県といたしましては、非接触で円滑かつ切れ目のない移動で周遊を可能とする観光型MaaSを活用しウイズコロナ時代におけるデジタル技術を生かした観光地域づくりを推進することによりまして、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいる観光需要の回復を図り、世界から憧れを呼ぶ伊豆地域としてさらなる発展を遂げるよう官民一体となって取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 沼津港のにぎわいづくりについてお答えをいたします。
 県では、平成二十七年に市や地元関係者も参画し策定をいたしました沼津港みなとづくり推進計画に基づき沼津港内港周辺におきまして沼津市や地元関係者と連携してみなとまちづくりに取り組んでおります。
 御紹介頂きましたように、例えばバスの乗降場所につきましては地元関係者との話合いのもと合意をいたしましてバス乗降場の改良と運用システムを改善をいたしました。これによりましてバス運行会社や利用者の利便性が格段に向上し来訪者の増加につながったという効果が出ております。
 現在、内港の東側におきまして遊覧船等の利用に資する浮き桟橋の設置を進めております。また西側におきまして展望水門「びゅうお」へのアクセスを改良し回遊性を高める新たな緑地の整備を進めております。これまでに事業用地の八割以上を取得いたしました。今後は用地取得の早期完了に努め来年度から工事に着手をしてまいります。
 この緑地は、令和五年度に沼津港で開催される海の幸を楽しむSea級グルメ全国大会に利用される予定です。このSea級というのはABCのCではなくて海のSeaですね。このようなことから大会の運営にも配慮しながら工事を進めてまいります。当面は固定的な建築物を設置しないでアフターコロナを見据えた開放的な空間として、例えば移動可能なトレーラーハウスやキッチンカーなどによるイベント、オープンカフェ、マルシェなどの利用によって水辺の緑地として魅力を高めていきたいというふうに考えております。また大会後の緑地の利活用に関しましては、民間活力を導入した施設整備の可能性等につきまして引き続き関係者と連携して検討してまいります。
 一方、東側の第一市場の整備につきましては議員御指摘のとおり大きな可能性を持っているというふうに認識をしております。現在地域の皆様におきまして適切な事業実施者の選定や具体的事業内容について調整が行われています。県としてもこの期待の高い施設の整備が着実に推進されるよう、関係者間の調整に向けた的確な助言や事業計画における公的支援の活用などを含めた協力に努めてまいります。
 県といたしましては、今後も市や地元関係者と連携し沼津港みなとまちづくり推進計画に位置づけた施設整備を着実に進めることで沼津港のさらなるにぎわいづくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 「コネクティッド・シティ」プロジェクトを契機とした東部地域における県の取組についてお答えをいたします。
 トヨタ自動車株式会社が推進する「コネクティッド・シティ」プロジェクトは、裾野市において自動運転やMaaS、スマートホーム技術、AIなどを導入、検証する未来実証都市「ウーブン・シティ」を新たにつくろうとするもので、同社の発表によれば二〇二一年の初頭から段階的に着工する計画とされております。この未来実証都市の建設に当たりましては建設予定地の用途地域の変更手続が必要であり、これまでに都市計画法上の公告縦覧が終了し現在裾野市におきまして本案件を都市計画審議会へ付議する準備が進められております。今後手続が完了いたしますと、トヨタ自動車により計画の具体化がスピード感をもって進められるものと考えております。
 県では、この計画の具体化を踏まえまして県庁内に設置した部局横断的な対応チームを中心に道路やライフライン、医療、教育、研究開発環境の整備などに迅速に対応してまいります。
 「コネクティッド・シティ」プロジェクトを核とする東部地域の産業戦略や地域づくりの考え方につきましては、トヨタ自動車側から今後示される具体的な計画内容を踏まえまして本県が有する地域資源や強みを生かし産業や地域へのシナジー効果が発揮されるよう対応を進めてまいります。例えばファルマバレープロジェクトが推進する医療城下町構想との連携や豊かな自然、観光資源を生かした学術会議の誘致などのほか、子弟教育のための国際的な教育施設の検討などを精力的に進めてまいります。
 トヨタ自動車との連携につきましては、一月十七日の川勝知事と豊田社長とのトップ会談後も実務的な協議を重ねております。
 県では、今後とも同社との情報交換等を密にしながら地域が共に光り輝く世界的なイノベーション拠点の形成に全面的に協力してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長繩交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長繩知行君登壇)
○交通基盤部長(長繩知行君) 沼津駅付近鉄道高架工事の前提となる新貨物ターミナル整備工事についてお答えいたします。
 新貨物ターミナル整備工事には、JR貨物及びJR東海が施工する本体工事のほか関連工事としてターミナルへのアクセス道路や交差するアンダーパス道路の新設工事等があります。また騒音対策などターミナル開業後の地域住民の生活環境を保全するための工事なども必要となります。現在新貨物ターミナルの取得済み用地におきまして県と沼津市が連携して埋蔵文化財調査を実施しており、令和三年度には必要な全ての用地の調査が完了する見込みであります。
 関連工事につきましては既に市がアクセス道路の整備を進めており、アンダーパス道路につきましても円滑で安全な工事のための工法や工区割等につきまして県と市が鉄道事業者と協議を重ねております。また騒音対策につきましては県が現地での試験等を行い、住民の皆様の御意見を伺いながら防音壁の効果や影響等につきまして検討を進めているところであります。
 県といたしましては、引き続き住民の皆様に丁寧な説明と対話を行うとともに、鉄道事業者など関係機関との協議を円滑に進め新貨物ターミナル本体工事の早期着手に向け全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
       (健康福祉部長 藤原 学君登壇)
○健康福祉部長(藤原 学君) 犬・猫殺処分ゼロに向けた取組の進捗状況についてお答えいたします。
 ペットショップやブリーダー等の動物取扱業者に対する指導は、動物の適正な飼育等を社会全体で確保していくために重要であります。県では動物取扱業者に対しまして保健所による研修会や立入検査の際に動物愛護管理法の改正による動物取扱責任者の資格要件の厳格化等、規制強化に基づく指導を徹底しております。また真に飼育能力のある方への販売を進めるため終生飼育を約束する宣誓書の案を県で作成し、購入を希望する方に御署名いただくよう取扱業者に強く要請しております。
 動物愛護ボランティアの負担低減につきましては、今年度新たに策定する静岡県動物愛護管理推進計画におきましてボランティア活動への支援を主要施策として掲げ、今後様々な得意分野を持ったボランティアの方々と協働できる環境づくりに取り組むことで負担低減を図りながら譲渡促進に努めてまいります。
 なお、老朽化した動物管理指導センターにつきましては従来の殺処分施設から命をつなぐ施設への転換を図るため今年度有識者やボランティア代表者等と共に人と動物の共生推進のための拠点検討会を開催し、他県の事例も参考に他施設との合築や併設など整備方針や運営体制について広く検討を進めることとしております。
 県といたしましては、今後とも人と動物とが共生できる社会の実現に努め飼い主、ボランティアの皆様や関係団体等と協働して殺処分ゼロを達成してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 六番 加藤元章君。
       (六番 加藤元章君登壇)
○六番(加藤元章君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を四点、再質問を二点お願いをしたいと思います。
 まず、コネクテッドシティーに関連してでありますけれども、私はこのプロジェクトのことを聞きまして一つある都市のことをすぐに思い浮かべました。それはドイツ・フライブルグ市であります。世界的にも環境先進都市として非常に有名であります。そのフライブルグ市はソーラーシティーとして世界最高の都市を目指すということを約三十年ぐらい前に市の方針として決めました。そしてそんな都市でありますからぜひ私も一度見てみたいということで、おおむね十年ぐらい前でありますけれども妻を家に残し私一人自ら行って視察をしてまいりました。
 各家庭の屋根にはソーラーパネルが張り巡らされ、そしてビルの側面にはソーラーパネルがあるという徹底した状態でありました。これに加えましてソーラーだけではなく太陽光だけではなく当然バイオマスや風力、水力発電、徹底的に町として行っているそういう姿を見させていただきました。
 こうした政策によりまして、まさにこのフライブルグを中心に環境産業を着実に育成をしてきたのがこのエリアであります。フライブルグ市は約人口二十万人でありますが、経済圏域としてはその周辺を合わせると約六十万人ということでありまして静岡県東部のほぼ同じぐらいの規模ではないかなというふうに思います。このエリアの中で人口が約六十万人の中でどういう成果が生まれたかということになりますと、十年前のデータでありますけれどもこの環境関連の産業集積が約千五百社、大小あるとは思いますが千五百社の新たな企業集積が行われ新たな雇用は一万人、そして経済規模については約GDPベースで五億ユーロですので六百二十億円――現在の価値ですと――というぐらいかと思いますが、こういうふうな産業振興が着々と行われたわけであります。
 今回のトヨタのこのプロジェクトについても私は同じようなポテンシャルを持っているというふうに感じております。そうした中でトヨタは来年からもう着工するということでありますから、豊田社長は今年の年末から来年にかけて詳細計画を発表されるものと推察をいたします。
 ここでお願いをしたいのは、やはりこの間髪入れず知事が同じタイミングで静岡県としてのウェルカムメッセージは当然のことながらその受入れ戦略、受入れ体制等について記者会見、発表していただくということ、これはコロナ禍にあって未来が見えないこの経済状況でありますが、非常に明るい話題を世界に向けて、私は提供することになろうかと思います。
 そして、その中で大事なのはやはりそれに向けてのインセンティブ政策こうしたものを考えていただくことが大事だと思います。何でもいいんです。あのインセンティブ。ですから例えば企業立地をしていただく企業に対しては例えば補助金の上乗せをしてあげる、企業立地に対してですね。それからこれの関連で移住・定住していただく方には、例えばですけれども県東部ですと「あしたか牛」が非常においしいので一年間「あしたか牛」を食べ放題にしてあげるとかそういうようなことも含めて何でもいいんですが、こうしたことがトヨタに対しての敬意であり本県としての本気を示すものだと私は思います。
 いずれにいたしましても、こうしたことに関して静岡県を世界中に認知をしてもらい、そして県東部エリアとしての先進的なブランドイメージが一気に上がるというふうに私は思います。
 さらに、それに加えましてこうした流れをつくることによってまさに東部地域への企業立地がどんどん推進をされる、人の定住、移住、知事も今回さんざんおっしゃられておりますが、それをさらに促進させることに私はなると思います。ぜひともその記者会見の最後には、今回知事が何度もおっしゃっていらっしゃいますが、帰りなんいざふじのくにへという言葉で締めていただきたい。
 それからあと加えましてここの町の建物の建築、たくさんの建物が建つと思いますがトヨタは既にカーボンニュートラルな木材で造りますということを宣言しています。どうなんでしょうか。静岡県産材の木材、使用されることになっているんでしょうか。もしなっていないのであれば明日にでもトヨタに行ってセールスをしていただきたいというふうに私は思っています。以上、要望でございます。
 続きまして沼津駅の鉄道高架事業についてでありますけれども、関係機関との協議、全力で取り組んでいくということでありますが具体的にはやはりJRとの協議になろうかと思います。いずれにいたしましても一分たりとも時間を無駄にすることがないような進め方をしていただきたいというふうに思います。
 具体的には、この後この貨物基地の着工に向けてJRとの協議をいろいろしていかなければいけないと思います。そして最終的には工事協定の締結をすること、ここまでをとにかく早く県の側からアプローチをしてやっていただきたい、このことを要望させていただきます。
 それから、沼津港のにぎわいづくりについての要望でありますけれども、先ほど副知事のおっしゃっていただきましたこの第一市場についてとにかく前に進むようにお願いをしたい。県が仲介してですね、というふうに思います。ただそのデッドロックになっている問題となっているのはこの第一市場の事業主体、現在の事業主体であり得る沼津魚市場は民間企業、株式会社であるということであります。ということはいわゆる水産施設整備の国の補助金というものが、これが市町村であったり水産業協同組合でないと頂けないということから、なかなかその事業性が見通せないという状況が一つの大きなポイントであろうかと思います。
 したがいまして、この事業主体をほかに替えるとか違ったアプローチで、スキームでやるとかいったようなことまで踏み込んだ協議ができるようにぜひ県のほうでも御認識を頂きたいというふうに思います。
 それから犬・猫殺処分の件でありますけれども、この動物愛護センターにつきまして先ほどこれから検討していくと、要件等も含めて検討していくということでございましたが、これは前の質問のときにも申し上げておりますが中部、西部は政令市で同じような施設を持っております。ですので私はやはり東部地域に必要かなというふうに思っている中でやはりこの土地、どこに造るかという非常に大きな問題があります。ポイントはやはりこれからは命をつなぐための施設でありますからできるだけ市民が来やすい、特に子供たち、いわゆる情操教育にも資するものがあるわけなんですが、それとボランティアが来やすいところということで、従来のようにどちらかというと山の上のほうとか迷惑施設的な配置ではなくて例えば市街地に近いところとかいったことが私は必要であろうかというふうに思います。
 そういった点では、先ほどのこの鉄道高架事業、沼津駅ですが貨物基地が空きます。どんどんやっていただければ貨物基地のあの二ヘクタールのところが空きます。市はそこを防災公園にするというプランを今一応基本的には持っていますが、市民の感情からはもうちょっと違った機能、もうちょっとわくわくするようなもしくはその市民生活に資するような機能をそこに持ってきてほしいというのが本音だろうと思います。
 私のこれは個人的な意見ですけれども、この動物管理指導センター、新しい命をつなぐ施設はまさにその緑地に恵まれた――防災機能があってもいいんですが――その中に置いていただくことが県東部の中でも非常に適切ではないかなというふうに思いますので、今後ぜひその検討に入れていただければというふうに思います。
 それでは質問に移りますけれども、まずMaaSの活用についてでありますが知事のほうから御答弁を頂きましてこの第三弾、フェーズスリーに向けていろいろと前向きに進んでいくというふうに思いますけれども一つ気がかりなのが、もったいないと思うのがやはり今ゴー・トゥー・キャンペーンで国民全員がせっかくだからこれ使おう、じゃあどこに行こうかなということで非常に話題になっていると思います。そのときにこのまさにこのMaaS、伊豆でのMaaSを使って行ってみようと言ってもらえないと私はもったいないと思います。そのためにはやはりPR戦略をきちんとしていただくことこれをぜひお願いをしたいと思いますが、例えばこれJRが絡んでいますから二〇一九年に行ったデスティネーションキャンペーンのような全国展開、全国にPRをするようなことですとか何らかの手法がいろいろ考えられると思うんですが、このPRなくして私は成功はないしもったいないと思います。この点についてどのように考えているのかを質問いたします。
 それから二点目の質問でありますけれども、犬・猫殺処分の問題に関連いたしまして、この適正販売の指導に関連しまして昨年法改正が行われマイクロチップの義務化が義務づけられました。施行はまだ先ということでありますがこれは非常に大きなポイントであります。今保健所に入った犬の三割は飼い主が見つからない、ここが大きな問題ですが、これにマイクロチップが入れば三割は飼い主が分かるので返すことができる可能性が非常に高まるわけなんですけれども、これを徹底してやっていただくためにその適正販売の指導に関連してどのように行っているのかについて答弁をお願いします。以上について答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 私のほうから観光のMaaSについての再質問についてお答えいたします。
 この伊豆のMaaSにつきまして先ほど議員から御紹介がありましたけれども実行委員会形式でJR東日本さんとかあと東急株式会社さんなどの大手の交通事業者さんが参加頂いております。主体で運営されています。
 今回広報についてはこの交通事業者さん大きなネットワークをお持ちですので、そちらのネットワークを大きく活用してですね、特に首都圏を中心に広報のほう展開してまいります。
 今年新しく補助金も制度化しました。新しい生活様式に対応した観光地域づくり、誘客促進の補助金でございます。こちらも活用していただいて大きく広報していきたいと思っております。
 また、本日から第三弾の宿泊割引キャンペーンを県としても開始しているんですが、それに呼応してSNSとかメディアを活用した広報戦略、広報活動も展開しております。その中でこのMaaSについても広報をしていきたいと思っております。MaaSの発展についてはこの多くの方々にすごく利便性が高いというのを知っていただくのは非常に大切だと思っております。しっかりと情報発信を努めてまいります。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
○健康福祉部長(藤原 学君) マイクロチップの義務化についてお答えいたします。
 犬・猫の販売業者へのマイクロチップの装着及び情報登録の義務化につきましては、令和四年六月一日の施行に向けまして現在保健所が実施しております動物取扱責任者研修会、そして施設への立入検査このような場で改正内容の周知、それから導入に至るまでの指導を行っております。施行後の立入調査においては法令遵守されていることはまた確認をしてまいります。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 六番 加藤元章君。
       (六番 加藤元章君登壇)
○六番(加藤元章君) 最後に、今の犬・猫の適正販売に関して要望となりますけれども、とにかく御答弁にもありましたとおり適正販売に向けて厳格かつ的確に御指導を続けてお願いしたいと思います。
 ボランティアの方も、これちょっと特殊で好きでやってるボランティアではないんですね。しょうがないからやっているという点をぜひ酌み取っていただきまして、よろしくお願いしたいと思います。以上でございます。(拍手)
○副議長(良知淳行君) これで加藤元章君の質問は終わりました。

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