• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

河原崎 聖 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/01/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 大井川流域の地域振興について
 (1) 新幹線空港新駅の設置
 (2) 富士山静岡空港の利活用
  ア 運用時間の延長
  イ 地域振興の拠点となる空港
 (3) お茶の郷の整備方針
 (4) 旧金谷中学校跡地の利用
 (5) 道路整備
  ア 県道住吉金谷線
  イ 山間地の道路
 2 茶業振興について
 (1) 地域の特色を生かした茶業振興策
 (2) 茶園基盤整備の推進
 3 リニア中央新幹線の工事による大井川の流量減への対応について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第九十二号から第百十一号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、八番 河原崎 聖君。
       (八番 河原崎 聖君登壇 拍手)
○八番(河原崎 聖君) おはようございます。島田市・川根本町選挙区選出、自民改革会議所属の河原崎聖でございます。
 四月の選挙で初当選したばかりの私に同期のトップを切って早速このような機会をお与えいただきましたことにまずもって御礼を申し上げます。また以前は島田市議会で何度となく質問をしてまいりましたが、同じ議会でも県議会では大分勝手が違うなあというふうに感じておりまして、不行き届きの点も多々あろうかと思いますが御容赦をいただきますようお願いを申し上げます。
 さて、県議会での質問ということで本来は県全体の視野に立った質問をすべきかと思いますが、私の力はまだまだそこまで至っておりませんので自分の選挙区にかかわることを中心に質問をさせていただきたいと思います。ただ私の選挙区であります島田市、川根本町は大井川の上流から中流に位置する静岡県中西部の地域でありますが、両市町とその周辺には東名、新東名、国道一号といった主要道路や空の玄関口である静岡空港があり港にも近く、さらに東海道新幹線の新駅も検討されているということでまさしく陸・海・空の結節点に当たります。この交通の結節点という点は静岡県の大きな強みでもあり、それを生かすということは単に一つの地域の問題ではなく県全体にとっても重要なことであろうと考えておるところでございます。こうした視点に立って、県知事及び関係する部局長に対しまして一括質問方式により以下の質問をさせていただきます。
 初めに、大井川流域の地域振興についてであります。
 この地域につきましては、御承知のように広大な茶園が広がっておりまして優良な農地としての利用がなされております。この茶畑の風景はこの地域の象徴であり極力残していく努力を続けなければならないと考えておりまして、これについては後ほど触れさせていただきます。ただその一方で担い手の不足は深刻であり、今ある農地を全て維持するのは難しいのではないかと多くの住民が感じております。あらゆる問題が海外との関係を抜きには考えられない今、静岡空港のある牧之原周辺は静岡の玄関口であると同時に静岡県の顔とも言うべき場所であり、そういう視点に立ってこの地域の再整備を進めるべきと考えております。
 そこで、まず初めに新幹線空港新駅の設置について伺います。
 新幹線の空港新駅については私が島田市議会議員を務め始めたころから地元の期待は大きく、空港そのものよりもむしろ新幹線の駅を望む声のほうが大きかったと記憶をしております。空港と新幹線が直結することで利用者の利便性は飛躍的に高まり、静岡県の交通結節点としての存在感はさらに増すことになると思われます。その一方で、多額に上ると見られる建設費の問題やJR東海が慎重な姿勢を示しているといった問題も聞かれるところであります。
 静岡県では、平成三十二年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合うように空港新駅を供用開始することを目指して、今年度二千万円の予算により空港新駅の技術検討を行っていくということですが、空港新駅の実現に向けた今後の取り組みについて伺います。
 次に、富士山静岡空港の利活用のうち、運用時間の延長について伺います。
 空港の運用時間については、地元市町及び空港関係団体との間で運用時間を午前七時から午後十時までとする新しい協定を締結し、七月二十三日からの運用時間の延長を目指し今議会において空港条例の改正案が提出されております。ここに至るまでの関係各位の御努力に心より敬意を表します。
 県は御協力いただいた皆様の御厚意に応えるためにも延長された時間を最大限有効に活用する必要があろうと思います。運用時間を延長することにより新たに増加した時間帯をどのように活用し空港の利用促進を図っていく考えかお伺いいたします。
 次に、地域振興の拠点となる空港について伺います。
 静岡空港につきましては、開港六周年を迎え東日本大震災後の利用者減から立ち直りつつあり、国際線は台北線が好調を維持しているほか旺盛な訪日需要を受け、ことしは中国からの定期便が大幅にふえたことでさらに利用者拡大も見込まれるところです。海外、特にアジアと静岡を結ぶ窓口として空港の役割はますます大きくなると思われます。実際空港に行ってみますと外国人が乗ったバスを多数発見することになります。こうした外国人観光客については以前に比べれば私の周辺でも見かけるようになりましたが、絶対数から比べれば微々たるものという感は否めず、お客さんにいかに県内にとどまってもらうかについては全県挙げて取り組むべき課題であります。
 そうした取り組みの一つとして考えられるのが、多くの外国人観光客や見学者が利用する空港そのものの魅力を高め空港を地域振興の拠点としていくことではないかと思います。海外の主要空港では収益の半分以上を空港内の商業施設で上げているところもあり、空港の経営安定化のためにも空港での買い物や飲食等の商業サービス機能を拡充するなど利用者の満足度の高い魅力ある空港にしていくことが望まれるところではないかと考えられます。
 そこで、地域振興の拠点となる空港の実現に向けて県はどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、お茶の郷の整備方針について伺います。
 お茶の郷につきましては、島田市から県への譲渡が決まり今後どのような整備がなされるのか注目が集まっております。二十年ほど前、私が静岡市内で代議士秘書をしておりましたころには茶業界と行政が協力して日本平のほうにお茶の殿堂をつくろうといった話もありましたが、結局それについては実現せず、お茶の郷が緑茶に関する施設としては県内で最大のものとなっております。この施設は旧金谷町時代に建てられたものでこれまで担当者が知恵を絞って運営に当たってきましたが、旧金谷町や今の島田市にとって財政的な負担も大きく、十分にこの施設が生かされてきたかどうかは評価が分かれるところではないかと思っております。
 こうした中、運営が県に移るということで展示の充実など施設の機能が高まることについて期待する声がある一方、一部からは地元の地域とは余り関係のない施設になってしまうのではないかと危惧する声も聞かれます。新しいお茶の郷について県の整備方針並びに運営方針についてお伺いいたします。
 次に、旧金谷中学校跡地の利用について伺います。
 旧金谷中学校跡地についてですが、地元の島田市ではこれについてお茶の郷と一体的な整備を望んでおります。この場所については以前はメッセ構想もありましたが、ティーガーデンシティ構想に合わせて茶業関連施設の誘致を望む声もあれば観光やショッピング関係の施設を求める声もあります。いずれにいたしましても、ここは晴れた日には富士山を望むことができる非常にすばらしい立地条件にありまして、静岡県を象徴する場所の一つになり得るのではないかと感じております。これまで島田市が土地を購入し県が施設を建設するという前提で進められてきた事業でありますが、今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、道路整備のうち、県道住吉金谷線について伺います。
 大井川中下流域には、平成十七年に旧島田市と旧金谷町が、平成二十年にはこれに旧川根町が合併して誕生した島田市があります。このうち大井川右岸に位置する初倉地域と金谷地域につきましては、旧島田市と旧金谷町との合併時に策定され、その後現在の島田市に引き継がれている新市建設計画において両地域の連携ネットワークづくりが位置づけられております。多くの農用地が存在し田園豊かな市街地形成を目指す初倉地域と恵まれた交通条件を生かして多彩な産業集積を目指す金谷地域の連携は大いに期待されるところですが、両地域の地域連携はまだ進んでいないというのが実感であります。
 このような中、当該地域を結ぶ唯一の路線である県道住吉金谷線は地域に密着した道路であるとともに、合併後の地域内連携に大きく寄与する重要な道路であると考えております。しかしながら本路線の幅員は狭く、とりわけ湯日から金谷にかけての区間においては狭隘箇所が多く車両のスムーズなすれ違いが困難な箇所も見受けられます。地域の生活に密着している本路線の整備は地域連携を活発にするものと期待されます。
 そこで、当該地域における県道住吉金谷線の整備に関する県の取り組みについて伺います。
 次に、山間地の道路について伺います。
 私の選挙区であります大井川流域における山間地の道路は、地域の生活や経済活動に不可欠なだけでなく台風や集中豪雨等の自然災害時あるいは救急医療搬送において命の道とも言うべき重要な役割を担っており、地域住民にとって大変関心の高いものとなっております。しかしながら依然としてすれ違いが困難な箇所が点在し、地域住民はもとより多くの関係者や利用者からその改良整備が求められております。また当地域は山々の渓谷が織りなす雄大な自然環境、良質な温泉、さらには昨年六月、南アルプス地域がユネスコエコパーク登録されるなど数多くの観光資源があり、これらを生かした地域の活性化には都市部と山間地を結ぶ道路の整備は必要不可欠であると考えます。
 このような中、県では現在当地域の幹線道路である国道三百六十二号青部バイパス、本川根静岡バイパスの整備を進め、上長尾地内では国道三百六十二号のバイパスとして機能する町道高郷田野口停車場線の上長尾バイパスを過疎代行事業で進めており地域の期待も大きなものがありますが、これら事業の進捗状況と今後の見通しについて伺います。
 次に、茶業振興についてのうち、地域の特色を生かした茶業振興策について伺います。
 今さら言うまでもありませんが、近年本県茶業を取り巻く環境は厳しさを増しております。ことしは良質なお茶がとれたにもかかわらず茶価が低迷したということで、生産者に与えた経済的そして心理的ダメージはこれまでにも増して大きなものがあります。茶業に関する問題で一番大きなものではないかと私が感じているのは売り先の確保の点です。御承知のように今は当たり前のようにお茶が飲まれる時代ではありません。どのような客層を狙ってどのようなお茶を提供するのかという戦略が問われているのではないでしょうか。例えば日本に来ている留学生は、経済的な面でも教養の面でも日本茶の顧客として開拓すべき対象ではないかと思います。
 また、私の選挙区であります島田市と川根本町では、一言でお茶といっても北部から南部まで多種多様なお茶が生産されております。一つの考え方として静岡茶を全体的にブランド化して販売力の向上を図るという方向性があり、それはそれで進めるべきであると思いますが、その一方で地域の特性を前面に出さなければやっていけないところがあることも事実で、そのほうが効果が上がる場合もあるのではないかと思います。
 そこで県は、茶価が低迷する厳しい状況の中で、いかに地域の特色を生かしつつ静岡茶の生産振興、販路開拓支援に取り組んでいくのか所見を伺います。
 次に、茶園基盤整備の推進について伺います。
 これまでの茶園基盤整備は、集落や地形、営農組合等を単位として比較的大きく事業地域をまとめ、規模のメリットを生かして実施することにより農家負担を抑えてまいりました。しかしながら茶価が低迷する昨今は規模拡大のため基盤整備を進めたい担い手農家と基盤への投資をためらう農家との間で意見がまとまらず、基盤整備を始められない原因となっております。それが耕作放棄地の拡大にもつながっておるところであります。
 こうした中、島田市では農業基盤整備や農地利用集積の知識と経験を有する県職のOBを農地相談員として雇用し耕作放棄地の再生と担い手へのあっせんを行い、農林水産大臣賞の受賞という高い評価を受けました。また今年度は、島田市西原地区では県と市が一体となって新たな仕組みで茶園基盤整備を実施するとともに、担い手農家への農地集積を推進していくと聞いております。私は、茶業が厳しい状況のときこそ関係者が連携して担い手農家を支援し確保しないといけないと考えております。
 そこで、この基盤整備では県と市が共同で進めるということでありますが、このような基盤整備を推進する考え方や今後の方針を伺います。
 最後に、リニア中央新幹線の工事による大井川の流量減への対応について伺います。
 これについては、事業者であるJR東海が環境影響評価手続の中で、何も対策を講じなければ流量が最大で毎秒二トン減少するとの予測結果を示していることから、大井川の水を飲料水として使っている流域の自治体や土地改良区等の利水者からは強い懸念が示されております。
 このため、昨年十月の国土交通大臣による工事実施計画の認可後、十一月に大井川流域関係九市一町で環境大臣に対して環境対策等に関する要望をいたしました。当時私も島田市議会議長として大臣室に赴き、環境大臣意見の内容が確実に履行されることで地元の懸念が払拭されるよう適切な助言を行うことなどを要望したところであります。その後JR東海は十二月に大井川水資源検討委員会を設置し、本年四月の委員会において流量減少に対する措置として導水路トンネルのルート案などを提示したところでありました。今後JR東海は秋までに地質調査や環境調査を実施し検討の深度化を図るとしておりますが、この措置も実際にはやってみなければわからないというのが実情であろうかと思います。
 そこで、県は大井川の流量減に対してどのような対応をしていくお考えか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 河原崎議員にお答えいたします。
 河原崎議員におかれましては、自民改革会議の一年生議員のトップとして地元に立脚した具体的ないい質問をなさって、トップバッターとしての役割を果たされたとお喜び申し上げます。
 まず、大井川流域の地域振興についてのうち、新幹線空港新駅の設置についてであります。
 新駅の設置の場所についてですが、これは三つ考えられました。一つは大井川側、それから空港の真下、そして浜松側ということでございますが、大井川側のほうは空港ビルから遠いということがあります。空港の真下は新幹線の軌道が大井川に向けて下っておりますので、平行でないのでそこでつくることができません。そして残されたのは唯一西側であります。
 設置場所はそこで決まったわけですが、技術的に問題があります。一つは出た所は地上ですけれどもすぐに高尾山トンネルに入ります。その高尾山トンネルとの、どのように、既存の新幹線が営業したままつくるわけですから技術的検討がいるということでございまして、高速かつ高密度で列車運行を行っている東海道新幹線の線路、トンネル等に近接した形で新しい線路、駅等の設置工事を行うという方針のもとで、このたびトンネル技術について日本の最高レベルの専門家から成る技術検討委員会を立ち上げまして、技術的な助言を得ながら新駅の位置と構造について現在検討を実施しているところです。
 先月四日に開催いただいた第一回委員会では、適切な対策工法の選定に当たっては、地形や地質の詳細な調査をもとに新駅設置が現在のトンネルへ与える影響について詳細な解析を行う必要があるとの意見をいただいたところです。このトンネルというのは空港の真下ではなくて出てから入る小さなトンネル、短いトンネルのことです。
 私どもといたしましては、詳細な解析を踏まえた新駅の構造や工事方法をJR東海に提案するとともに、空港や新駅を核としたふじのくに静岡ないしふじのくにというのは日本のことでもあります。日本の玄関口にふさわしい空港ティーガーデンシティとしてのまちづくりの将来像を示すべく、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックというのを目途にして新駅をつくるという方針でもって、現在この新駅設置を進めているということでございます。
 もちろん、新駅の設置については地元の要望が従来からあることは知っていました。掛川でもそうでした。あるいは新富士でもそうでした。しかしながらそのような地元の要望だけで「のぞみ」を中心に運行されている新幹線の駅をつくるということは実質上不可能です。それは鉢巻き締めて大きな声を上げれば通るというものではありません。したがいましてこれは静岡が、あるいは地元が日本のために何ができるかという観点に立つということが大切です。この観点をぜひ河原崎先生にもお持ちいただきたいというふうに思うわけですが、言うまでもなく本県の見地から言うならば陸・海・空の交通ネットワークの機能を高めるということは言うまでもありません。国家的見地に立ちますならば、ここが大規模な広域防災拠点として内閣のほうで、かつ中央防災会議のほうで明確に位置づけられました。したがって日本の防災拠点としてここは不可欠であると。防災拠点の機能を高めるためには、いざというときにここに大量の方々が迅速にかつ安全に来ることもできるし、またそこから別のところに移ることもできるという意味で重要であります。
 もう一つは、首都圏空港の中で太田大臣が補完機能を持つというふうに言われました。すなわちオリンピック・パラリンピックで膨大な需要が見込まれます。それに成田や羽田では対応できないといったときに本県の空港が補完的機能を果たし得ると。果たし得るには空港駅があったほうがいいということになりますので、そういう観点でいくと誰もが納得できるということです。
 それからまたリニア新幹線ができたときには「のぞみ」機能がほとんどリニアのほうに参りますから、したがって一時間に十三本のうち九本が「のぞみ」です。そのほとんどがリニアのほうに行くでしょう。そうすると既存の新幹線は「ひかり」と「こだま」が中心になりますから、そうしますと空港の真下にもう一つあってもいいということで、これも実はリニア新幹線のルートが決まったときに家田先生――東大の先生を中心にした小委員会のほうで、具体的に名前は明示されていませんけれども空港の下に駅ができることが望ましいというようにとれる文章が書かれているわけです。
 ぜひ、これからはそういう観点に立って、ぜひ地元の方々もですね、地元中心のことを言うとエゴとしてマイナスにとられる場合がありますから、そのあたりを留意していただいて、二〇二〇年に何とかその新駅ができるように地元の方々と御協力をしてこの実現に目指してまいりたいというふうに考えております。
 次に、富士山静岡空港の利活用についてであります。
 運用時間の延長についてですが、運用時間の延長により他の地方管理空港と比べて朝早くから夜遅くまで航空機の離着陸ができるために、航空会社が延長された時間帯を活用してより多くの便数を運航したり夜間駐機先として選択する可能性が高まります。夜間駐機を実施した場合は必然的に静岡を朝に出発し夜帰着するダイヤとなるわけで、県民の皆様にとって就航先により長く滞在可能ということで利便性も高まると。そういうダイヤに変えることができます。
 このため、県としましては県民の皆様が運用時間の延長を最大限享受できるよう、航空会社に対しまして夜間駐機を行った場合に追加的に発生するであろう費用の一部を御支援申し上げるなどして夜間駐機を促す交渉を進めます。
 既に、運用時間延長を前提にフジドリームエアラインズがこの夏のダイヤから夜間駐機を一機ふやしておりまして、運用時間延長が実現した暁には福岡線を現在の一日三往復から四往復へと増便すると表明されており、また中国東方航空が静岡―上海間を増便する計画を表明もしております。これから中国を中心に就航先が急増しておりますけれども、これを受けて上川法務大臣のほうも入国管理の審査員をこれから三人ふやすというふうに表明されました。
 今後とも、引き続き増便されていくであろう路線の利用者数の増加に尽力しまして航空会社にさらなる新規就航や増便を促す好循環につなげるとともに、空港の競争力を一層高め、首都圏空港の一環、防災空港の機能の拠点としてのみならず県民の皆様や航空会社に選ばれる魅力的な空港を目指して全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長のほうから御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 服部静岡県理事。
       (静岡県理事 服部真樹君登壇)
○静岡県理事(服部真樹君) 大井川地域の地域振興についてのうち、富士山静岡空港の利活用についてお答えいたします。
 地域振興の拠点となる空港についてでありますが、富士山静岡空港は本県のさらなる発展を支える重要な社会資本であり、交通ネットワークの結節点として路線・便数の充実を図るとともに、地域の交流拠点としてにぎわいづくりに努めていくこととしております。このため指定管理者である富士山静岡空港株式会社や地元市町等との連携協働による旅客ターミナルビルや石雲院展望デッキを活用した空港朝市の開催など特色あるイベントを継続的に実施し、空港におけるにぎわいの創出を図っているところであります。
 さらに、現在設計を進めております旅客ターミナルビルの改修・増築計画の中で空港を利用される方々が楽しめる空間や休憩できる場所の確保を図るとともに、飲食店、物販店の充実や免税売店の拡大、喫茶スペースの設置などを予定しております。
 県といたしましては、外国人観光客や見学者の方々が楽しみながら空港に滞在できるよう、ソフト・ハードの両面から富士山静岡空港ならではの魅力をより一層高め、本県の地域振興の拠点となる空港を目指してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 大井川流域の地域振興についてのうち、お茶の郷の整備方針についてお答えいたします。
 県は、島田市お茶の郷を茶の都の拠点とするため、静岡文化芸術大学の熊倉学長を初めとした有識者の皆様から御意見をいただき整備運営の基本計画を取りまとめたところであります。この計画では、お茶の郷を茶の産業、文化、観光、学術に関する情報の集積と発信を担う施設とするため、特に本県茶業の発展史、茶の湯の文化、世界農業遺産の茶草場農法、茶の機能性に関する展示内容を充実していくこととしております。また本施設は小堀遠州の思想に基づき整備されたものでありますことから、この考え方を踏まえた改修に取り組んでまいります。
 また、本県の空の玄関口である富士山静岡空港に近く日本一の牧之原大茶園の中に立地し銘茶産地である川根地域にも近接していることから、グリーンティーツーリズムの展開など地域の活性化に寄与する施設となるよう努めてまいります。
 県といたしましては、この施設が世界から憧れを受ける富士山のように注目され、人々が集い、にぎわいのある茶の都しずおかの拠点となるよう取り組んでまいります。
 次に、茶業振興についてのうち、地域の特色を生かした茶業振興策についてであります。
 本県は日本一の茶産地であり、静岡茶として品質のよさが広く知られており、県内各地では多種多彩なお茶が生産されております。これまで県は新たな品種や製造技術の開発などに取り組み、その結果、各地域において白葉茶や川根本町の「おくひかり」、御前崎の「つゆひかり」など特徴あるお茶が生産されてきております。また販路開拓では大都市における消費者向けのキャンペーンを中心に取り組んできたところであります。
 お茶のニーズは現在より細分化され多様化が進んできております。県では各地域がターゲットとする消費者を明確にした上で、低コストで大量生産するお茶、手摘みによる高級な煎茶あるいは抹茶、有機栽培茶などのうち地域の特色を生かした生産に取り組む戦略づくりを支援してまいります。加えて販路開拓ではこれまでのキャンペーンにとどまらず、茶の生産者と小売店などとの商談会を全国の大都市で開催してまいります。
 県といたしましては、地域の特色を生かしたお茶づくりとその販路開拓を支援することにより、県内茶業の振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 白井企画広報部長。
       (企画広報部長 白井 滿君登壇)
○企画広報部長(白井 滿君) 大井川流域の地域振興についてのうち、旧金谷中学校跡地の利用についてお答えいたします。
 旧金谷中学校跡地につきましては、全国の産業展示施設の利用状況調査の結果などから一昨年、空港ティーガーデンシティ構想に掲げた多目的展示交流施設、いわゆるメッセの整備は行わないこととし、現在島田市とともに空港周辺地域全体の発展に資する利用価値の高い施設の立地について検討を進めているところであります。
 具体的には、東名、新東名高速道路や富士山静岡空港への良好な交通アクセス、富士山の眺望、茶の都の中心という場の力を生かした交流人口の拡大やにぎわいの創出、茶文化の発信などに資する機能を有した施設を念頭に民間や若者からのアイデア募集を行うとともに、施設の整備手法や運営主体などについても民間活力の導入により実現性の高いものとなるよう検討を進めているところであります。
 今後とも、新幹線新駅やガーデンシティーを目指す空港周辺のまちづくりとの調和を図りながら、お茶の郷の再整備におくれることなくこの地域の新たな動きとの相乗効果を生むような施設整備が図られるよう、島田市との連携を一層密接に図りながらスピード感を持って取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 大井川流域の地域振興についてのうち、道路整備についてお答えいたします。
 県道住吉金谷線についてでありますが、本路線の島田市阪本から金谷に至る九・九キロメートル区間については、地域の幹線道路となる県道島田吉田線と国道四百七十三号を結び住民の日常生活を支えるとともに、大井川右岸地域の連携を図る路線であります。このうち島田市阪本から湯日までの六・七キロメートル区間につきましては、空港開港までに整備を行ったことにより市道牧之原中講線などを経由した国道四百七十三号へのアクセスを改善してきたところであります。
 また、島田市湯日から金谷までの三・二キロメートルのうち二・四キロメートルの未改良区間につきましては、急峻な地形に加え大井川やJR東海道線に近接するなど拡幅には多大な事業費が必要なことから、平成二十年度から待避所の整備によりすれ違い困難箇所の解消を図っているところであります。昨年度までに五カ所の整備が完了し、今年度も引き続き緊急度の高い箇所の整備を実施してまいります。
 県といたしましては、大井川右岸地域の連携が促進されるよう引き続き県道住吉金谷線の整備を進め、安全で快適な交通環境の改善に努めてまいります。
 次に、山間地の道路についてであります。
 川根本町内を通る国道三百六十二号は、静岡市街地や国道四百七十三号と接続して島田市街地へアクセスする住民の日常生活に不可欠な幹線道路であるとともに、奥大井地域の観光交流を支える重要な路線であることから、県では国道事業に加え過疎代行事業を活用して川根本町内の三カ所においてバイパス整備を進めております。
 このうち、青部バイパス延長一・七キロメートルにつきましては、これまでに藤沢橋、青崎橋を含む〇・九キロメートルが供用しており、残る〇・八キロメートルについて平成二十九年度の供用を目指し今年度からトンネル工事に着手する予定であります。
 また、本川根静岡バイパス十キロメートルにつきましては、これまでに七キロメートルが供用しており、残る三キロメートルについて平成三十年代の供用を目指して現在長大橋の工事に必要な地すべり調査を実施しているところであります。
 上長尾バイパス一・六キロメートルにつきましては、これまでに〇・五キロメートルが供用しており、過疎代行事業で実施しております〇・四キロメートルが今月十日に供用する予定であります。残る〇・七キロメートルにつきましても事業化に向け事業スケジュールや整備手法などを川根本町と協議してまいります。
 県といたしましては、安全で快適な交通環境が確保され大井川流域の都市部と山間部の地域交流が促進されるよう、国道三百六十二号の整備を初め山間地の道路整備を着実に推進してまいります。
 次に、茶業振興についてのうち、茶園基盤整備の推進についてであります。
 長期にわたり茶価が低迷している本県茶業の現状において、生産現場ではコストダウンや規模拡大等により担い手農家の収益増を図ることが喫緊の課題であります。そのためには乗用型茶園管理機の効率的な活用と担い手への農地集積を進めることが必要であり、これらを可能とする茶園への転換を図る基盤整備が重要であります。こうした中で、大規模に茶園の基盤整備を実施することはさまざまな考えを持つ地権者の合意形成に時間を要することから、早急な解決を図るためには合意形成が容易な比較的小規模な範囲の農地について基盤整備に着手し短期間で完成することが有効であります。
 このため、今年度から若手の担い手農家が多く基盤整備に前向きな島田市西原地区において関係者の合意形成が図られてきた約五ヘクタールの小規模区域について基盤整備を実施することといたしました。ここでは、受益面積が小規模であるため県が区画整理の事業主体になれないことから、初めての事業手法として県が全体整備計画を策定し、その計画に基づいて島田市と役割分担を行い、県が農道や排水施設等を整備し、市が区画整理の事業主体となり実施することとしました。
 県といたしましては、このような取り組みを県内に広く普及することにより担い手農家への茶園の集積を積極的に支援し、農家の生産性の向上や経営の改善につなげ茶業の振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) リニア中央新幹線の工事による大井川の流量減への対応についてお答えいたします。
 大井川の流量減少予測につきましては、環境アセスメントの手続の中で、流量減少を防ぐ環境保全措置を講ずることや事前に複数の対策案を検討し万全を期すよう知事意見において強く求めたところであります。
 JR東海ではこれを踏まえ、河川流量について当初月一回の観測としていた計画を調査地点を九カ所にふやし、うち四カ所を常時、残りを月一回の観測とするなど観測体制を充実したところであります。
 また、環境保全措置の案として導水路トンネルが示されましたが、御指摘のとおり流量減少の回避や低減の効果が不明確である上、生態系への影響や建設発生土量の増加などの課題もあります。今後は工事完了後も含めた河川流量の観測結果や導水路トンネルの調査結果などについて静岡県中央新幹線環境保全連絡会議などで引き続き確認、評価し、JR東海に対し必要な措置を要請してまいります。
 また、工事による流量減少等が確認された場合は、事業の円滑な整備と環境保全や水資源の確保を図ることなどを目的に設置した静岡県中央新幹線対策本部等において対応を協議し、関係市町とも連携して断固たる決意を持ってJR東海に対して的確な対応を求めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 河原崎 聖君。
       (八番 河原崎 聖君登壇)
○八番(河原崎 聖君) それぞれ御答弁をいただきありがとうございました。今回は当選後初の質問ということで、選挙中に訴えさせていただいたことの幾つかの点について質問させていただきました。
 大井川流域は交通の結節点であり、また豊かな自然、食材、観光資源といった魅力的な地域資源が豊富にあるんですけれども、まだそれらを十分に生かし切れていないのではないかというふうに感じております。今回取り上げた多くの点について簡単には実現ができないであろうし、また実現するにもかなりの時間がかかるというふうに理解をしておりますけれども、私が今の立場にいる限り、じっくりと腰を据えて、また一人でも多くの方に御協力をいただいて、実現に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。
 特に、牧之原周辺そして今回は取り上げませんでしたけれども、新東名の金谷インター周辺は県の中西部において発展が見込める数少ない地域の一つではないかというふうに考えておりまして、これらの金谷から初倉にかけての地域の方向づけをどのようにするかといったようなことを私の重要テーマというふうに位置づけております。またそれによって県全体の発展にも寄与することができればというふうに願っておるところでございます。議会の皆様方、そして当局の皆様方の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
 さて、じっくり腰を据えてといいましても悠長に構えていられない問題もあります。それについて要望を一点、再質問を一点させていただきます。
 要望については、リニアの工事による大井川の流量減についてであります。
 大井川の水は流域のみならず近隣の地域の人々の暮らしや産業を支えております。農業はもちろんのこと、この流域に立地しております食品や薬品といった工場はそのほとんどが豊富な工業用水、これを目当てに進出をしております。この水こそがこの地域の一番の資源と言っても過言ではないというふうに思います。しかしながら御承知のとおり現在においても大井川を流れる水量、これは非常に少なくなっておりまして、かつて越すに越されぬと言われた面影はないのが実情でございます。これ以上の水量減少は何としても食いとめなければならないというのが流域自治体の一致した意見であると認識しております。水源地域につきましては静岡市の市域になりますので静岡市にも御尽力いただかなければなりませんけれども、県におかれましても流域自治体の意向を御理解いただき、JRとの交渉には引き続き強い姿勢で臨んでいただきますように改めてお願いを申し上げます。
 再質問は、茶業振興についてであります。
 お茶のことに関しましては、時間との戦いといったような側面も強くあるのではないかというふうに思っております。一回目の質問でも触れさせていただきましたが、私はどのようなお茶をつくってどこに売るのかといった戦略が最も重要であると考えております。そうした中、お茶は現在生活必需品というよりもむしろ嗜好品といった面が強いのではないかというふうに思いますし、その嗜好品レベルのお茶をつくらないと関係者の採算ベースにはなかなか乗ってこないだろうというふうに思っておりますが、自分たちのつくったお茶をおいしいと感じお金をかけることに価値を感じる人たち。もうちょっとストレートに言いますと、できるだけ高く買ってくれる人たちをいかに開拓し味方につけるかということになるんだろうというふうに思っております。これについて、川根本町のほうでおもしろい取り組みをされているので御紹介させていただきます。
 川根本町の茶振協では、自分たちのお茶に関心を持ってくれそうな客層を考えた結果、和服を着る人たちというようなことに思い当たったそうです。そこで、静岡市内の呉服店の一角に川根茶の宣伝の場所を設けて新たな顧客の開拓に結びつけているということでした。
 お茶の需要拡大のためには、静岡茶のブランド価値を高め、より売りやすくする環境づくりも大切ですが、それ以上に産地の人たちが自分たちの頭で自分たちのつくったお茶がどんな人たちに喜んでもらえるのかを考え実行すること。これが重要ではないかと考えます。県としても、こうした自主的な取り組みを後押ししたり、また時には引き出すといったようなことをする必要があるのではないでしょうか。
 また、同時に地域の自立を促すという意味では現在進められている地方創生の趣旨にも合致することではないかというふうに思います。川根本町では今後同様の取り組みを県外でも検討しているというようなことでありました。こうした産地の自主的な販路拡大の取り組みについて、県として支援策は考えられないでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 茶業振興に係る再質問についてお答えいたします。
 ただいま御紹介がありました川根本町の件でありますけれども、生産者を中心とした方々がみずから消費者を明確にした上での取り組みであると。さらに和服とお茶というものを組み合わせた販路開拓の取り組みであるということで、このような取り組みが地域の産業振興にとって非常に重要であり、また必要なことであるというふうに考えております。
 県といたしましても、いろんな機会を捉えて販路開拓をやっていこうというふうに考えております。県内でもいろいろなコンサートやイベント、学会などが行われております。そういう機会につきましても主催者と調整をしてできるだけその場に合ったものを売っていくといいますか、販路開拓の一つの手がかりにしていくという取り組みを今後も進めていきたいと思っております。
 こういう自主的な取り組みは非常に重要であり、また我々としても応援をしていきたいと思っておりますので、またよろしくお願いします。以上です。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp