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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 智 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2018

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 少子化対策の見直しについて
2 専門家による公文書管理体制強化策検討会議の設置につい

3 魅力あふれる静岡県立大学実現のための取り組みについて
(1) 無期転換ルールの早期実施等による大学事務局強化
(2) 留学生受け入れ体制強化や調査研究体制充実等のための
財政支援
4 災害関連死を出さない避難所運営のための取り組みについ

(1) 避難所等におけるスフィア基準の導入
(2) 避難所運営リーダーの養成


○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三十番 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇 拍手)
○三十番(鈴木 智君) ふじのくに県民クラブの鈴木智です。分割方式で質問いたします。
 初めに、少子化対策の見直しについて伺います。
 ことしの三月三十日付で「未来への道標」が発行されました。こちらでございます。しかし私が初めてその簡単な説明を受けたのは三カ月以上後の七月十日、六月議会最終日の会派の総会の場でした。正直信じられませんでした。なぜならことし二月の代表質問、そして六月の一般質問で私は「道標」に直結する少子化対策について議論したにもかかわらず、「道標」の説明はそれまで一切なかったからです。事前に説明があれば当然質問していました。加えて昨年度の作成であるのに、六月議会どころかその後の九月議会や決算特別委員会ですら公式な説明が全くなかったのは明らかに議会軽視です。
 さらに深刻なのは「未来への道標」全体に大きな問題がある点です。その象徴がタイトルと表紙です。
 「未来への道標」というタイトルと未来へという標識の立つ一本道の表紙のイラストは、あたかも結婚して子供を二、三人産み育てるのが若者の進むべき道と言わんばかりのものです。女性は結婚して子供を二、三人産むのが当たり前という趣旨の発言をして批判される政治家等が時折見られますが、「道標」のタイトルと表示が暗示する内容はそうした発言と同様と言わざるを得ません。
 また、「道標」には生涯独身よりは結婚したほうがよいという考え方や結婚したら子供を持つべき等の旧来の結婚観について女性より男性のほうが肯定的という記述があります。こうした調査や分析が少子化対策として行われた背景を考えれば、旧来の結婚観が望ましいと県は考えていると理解せざるを得ません。
 昨日の朝日新聞静岡面に掲載された「道標」に関する記事によれば、「道標」では既婚、未婚問わず女性の結婚に対する意識が合計特殊出生率に影響を与えていると結論づけています。つまり女性の結婚意識が旧来の結婚観に近づけば出生率が上昇することを暗に意味しています。
 一方で、結婚と出生率を安易に結びつけているわけではない、結婚や妊娠、出産は個人の自由、特定の価値観を押しつけるものではないとしていますが、そうならなぜ結婚観を調査したのでしょうか。純粋な結婚支援なら結婚したい方を募集するだけでよく、結婚観まで調査する必要はないはずです。現在の結婚観を変えることにより出生率を上昇させたいと考えるからこそ結婚観を調査したのではありませんか。そうした意図がありながら、結婚は個人の自由と建前を言うのは明らかに矛盾しています。
 ほかにも、出生率上昇の手段としてワーク・ライフ・バランスの実現を提言していること、結婚相手の決定要因と言うべき内容の調査を結婚の決定要因と表現していること、市町ごとに結婚幸福度と関心度に関する点数や結婚相手の決定要因ランキングを示す目的が不明であることなど実に多くの問題があるのが「道標」です。こうした問題ある調査や冊子の作成が行われる根本原因として少子化担当を設けて少子化対策推進を掲げ、そのための調査や政策立案を行う以上どうしても前述のような問題が生じてしまうと考えます。
 月刊誌「新潮45」に掲載された杉田水脈衆議院議員のLGBTは子供を産めないから非生産的という発言が波紋を呼びました。この発言で注目すべきは子供を産めない、 産まない人が全て非生産的であることを意味している点です。つまりLGBTの方々だけを差別した発言ではありません。この杉田氏の発言と今回の「道標」、特にタイトルと表紙に象徴されるような行政が推進する少子化対策の根底には同様の思想つまり出生率の低下は日本を危うくする、日本の経済や国力を弱めるという考えがあるのではないでしょうか。
 子供を二、 三人持ちたいという県民の希望をかなえるための対策は、本来人口が減少しようが増加しようが普遍的に行われるべきです。しかし行政が少子化対策を始めたのはいわゆる一・五七ショックの一九九〇年以降です。つまり人口減少をとめなければ日本は衰退するという発想のもとに進められているのが少子化対策です。よって子供を二、三人持ちたいという県民の希望をかなえるためという理由は後づけであり、その政策の推進は将来の人口の動向と関連づけられた少子化対策である限り杉田水脈的なものと言うべきだと思います。
 川勝知事や担当部理事、課長にも紹介しましたが「少子化問題の社会学」等の著書がある赤川学東京大学教授の言葉をかりれば、あらゆる少子化対策は結婚しない、子供を産まない選択をした、あるいは結果として子供を産めなかった方々にとって国家そして自治体によるセクハラ、パワハラです。つまりこども未来局やこども未来課の名にふさわしくない大人の未来のための偏った対策ではないでしょうか。
 例えば、本年度から子育てに優しい企業表彰の選考基準から企業子宝率が削除されました。こども未来課によれば未婚、子供のいない従業員に聞きづらい、差別的と受けとめ傷つく従業員もいたことなどがその理由です。企業子宝率はまさにセクハラ、パワハラだったのです。
 御自身には子供がいない、くどうみやこ氏の著書「誰も教えてくれなかった子どものいない人生の歩き方」には、子供のいない女性の次のような声が紹介されています。子供がいないと半人前扱いや肩身の狭い思いをしなくて済むようになってほしい、国の政策は子供のいる人に優遇されるばかりで不公平感を感じる、政府が少子化対策で産むことを推奨することが多くなったため子供がいない人たちは負のイメージを持たれやすい、職場では子供のいる人に優遇はあるがいない人には優遇がなく仕事量がふえる。
 また、法政大学教授の杉田敦氏は今月十二月二日の朝日新聞で次のように述べています。子供をつくらないLGBTは生産性がないという暴論も組織体の論理ですね。少子高齢化という国難を突破しようと、共通の目標に向かってみんなが頑張っているときに何だと。女は、男はこうでなければとか家族はこうあるべきだとかいった言説も、つまるところは分をわきまえろという話です。多様性を認めると分が自明でなくなり組織体の中での役割分担が難しくなる、そんなの面倒だという意識がまだまだ社会の底でくすぶっています。
 「未来への道標」という冊子を平気でつくってしまう県には、多様性を否定する組織体の論理があるのではと疑わざるを得ません。
 私は、少子化対策として現在進められている事業全てを否定するつもりはもちろんありません。少子化だから子育て支援が必要という発想では、少子化が解消されれば子育て支援は不要となってしまいます。まさに大人の組織体の論理です。しかし純粋に子供応援政策として推進すれば、大人は誰もがかつては子供だったわけですからその目的や内容はより普遍的で公平な事業となるはずです。
 したがって、指摘した「道標」の問題点を真摯に総括するとともに少子化対策、少子化担当という事業目的や担当、肩書は廃止し真の意味で局や課の名前のとおりに子供の未来のため子供目線に立って子供応援政策を推進すべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、専門家による公文書管理体制強化策検討会議の設置について伺います。
 県の公文書管理体制強化のための検討は、歴史的資料の選別収集に関する審査会と行政経営推進委員会で主に行われています。しかし審査会は設置要綱にあるとおり、歴史的資料の選別、収集について必要な事項を審査するため専門家から意見等を伺う会議であり、公文書の専門家が委員であるとはいえ公文書管理全般についての議論は当初の目的を超えています。
 また、この十月までは法務文書課長が委員長を務めており、県庁職員に義務等を課す公文書管理条例等の議論を県民目線に立って客観的、公平に行えるとは言いがたい体制でした。
 さらに委員は、法務文書課長のほか三名のみで県が抱える多くの課題を徹底的かつ集中的に議論できる体制とは言えません。なぜなら一人欠席すれば委員長以外は二名、うち一名は法務文書課長です。そのため設置要綱第六条三、審査会の議事は出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは委員長の決するところによるという項目が公平、公正な意味を持つ体制ではいまだにありません。
 また、推進委員会は最終確認の場としてはよいでしょうが行政経営全般について議論する会であり、公文書管理の詳細について検討する場ではありません。既に課内で検討されている課題に加え広い意味での公文書として県が積極的に収集しなければ失われる一方である県や地域の政策、歴史に関する民間資料の管理のあり方や県以上に取り組みが進んでいない市町の公文書管理への支援、災害に強い公文書管理体制そして公文書が災害に遭った際のバックアップ体制の構築、浸水想定区域内にある田町文庫にかわる施設が設置されるまでの当面の対策として計画が進む新中央図書館での歴史的公文書の集約、管理、公開の検討等公文書管理の課題は山積しています。そのため公文書管理条例の策定や田町文庫にかわる施設の設置等をいつごろまでに行うのか、めど、目標を立てるとともに新たに専門の会議体の設置もしくは審査会の設置目的を変更、拡大し委員を増員した上で十分かつ迅速に議論を始めるべきと考えますが、今後の方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木智議員は、たしか二期目でいらっしゃるかと存じますけれどもふじのくに県民クラブのトリをお務めになられまして、特に人口問題については御自身でよく勉強せられこの点をしっかりと議論をするという姿勢が明確でございました。厳しい御批判もいただきましてありがとうございました。
 私のほうからは、少子化対策の見直しについてお答えをいたします。
 私が知事就任以来掲げているのは富国有徳という理念でありますが、これは富士に由来するものです、これは四字熟語にしたものですが。昨夜来の雨も上がりましてもし青空が広がりますと美しい雪をかぶった姿を見ることができますが、それをどこから見ると最高でしょうか。一人一人違います。全部それが許されるというのが富士という霊峰の持つ価値ですね。言いかえると多様性の和ということでありまして、一つの価値を押しつけるというものは最もふじのくにづくりから遠いということであります。異なる価値観が共存して多様性が尊重される、大いなる和、和を重んじる社会が美しいふじのくにの姿であります。
 私はこれは日本自体だと思っております。大いなる和と書いてこれを音読みすればだいわですけれども、訓読みすれば――訓読みしたのは日本人ですね――大和という漢字はどう見てもこれをやまととは読めません。これをやまとと読んで日本の国柄をあらわす漢字だというふうにした。これは漢字が伝わったときの日本人の知恵だったと思いますが、そういうこの和を重んじる社会が我々の目指す美しいふじのくにの姿であります。
 本県の少子化対策も同様でございまして、結婚や出産を妨げている課題を解消して子供の視点に立って本県の将来を担う全ての子供たちが大切に育てられる、いわば生まれてきてよかったと生まれてよしの社会の実現を目指したものでございます。
 議員御指摘の「未来への道標」、あれは写真でございましてあの表紙から議員のようなメッセージを読み取るのはやはり一種の哲学をお持ちであるからではないかと。もちろん一部合成しているところはありますけれども右肩上がりになっているのはあれは写真ですから、写真を撮れば遠近法で遠いところは上のほう、かつ小さくなるので読み方によっては先細りというふうにも読めるわけですね。ですから見る者次第ではありますけれども、決して偏見を持ってつくったものではありません。
 これは、二年余り前のふじのくに少子化突破戦略の羅針盤を出しまして、これは大変高い評価を国からも御頂戴いたしましたけれどもこれは県内の市町の合計特殊出生率に差があると、この差が結婚要因の影響を受けているという結果を踏まえまして若者の結婚や子育てに関する意識調査をもとにして結婚や子育てにかかわる地域における課題を洗い出そうと、また解決の方向性を探ろうとそういうツールの一つとして市町に活用していただくために作成したものであります。
 子供たちは社会に希望と活力をもたらす一番の宝物であります。次代を担う子供が健やかに生まれ成長するために子供と子育てを大切にする社会と子供の目線に立った子育て環境の実現に向けた取り組みが重要です。このため平成二十四年度に――六年前ですが――新たに全庁的に総括する専任の理事とこども未来局を設置いたしました。単に出生数の増加のみを目指すのではありません。全ての子供を応援する政策を総合的に推進してまいりました。
 また、ことしの四月に静岡県の新ビジョンこれをスタートさせておりますが八つ大きな政策を掲げ、そのうちの一つが子どもが健やかに学び育つ社会の形成であります。社会全体で子育てを応援する機運の醸成を図るとともに保育サービスの質と量の充実、それを支える保育人材の確保、児童虐待の早期発見、早期対応、子供の貧困対策の充実、地域ぐるみ社会総がかりの教育の推進など強力に取り組むことにしております。
 私どもは、調査により二、三人は持ちたいという方が県民の大半であるということから、そうした御希望がかなうように妊娠期から子育て期までの切れ目のない総合的な子育て支援を推進してまいります。
 日本人の中にいろんな言い方をする人がいます。ローマ法王は決して結婚なさらない。日本の僧侶は出家をしながら結婚をし、かつ子供ももうけられていますね。そういうことはですね、厳密に言っていけば出家という意味が本来どういう意味を持つかと言えばおかしいことです。しかしそういうものも許されている。さまざまな生き方が許されるのが日本という国の国柄だというふうに私は思っておりましてそれは誇るべきであると。
 一方で、社会全体で「生まれてよし 老いてよし」、「生んでよし 育ててよし」のふじのくにを実現してまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 専門家による公文書管理体制強化策検討会議の設置についてお答えをいたします。
 県では、公文書管理体系の抜本的な見直しに向けた作業に着手しております。現在公文書管理のあり方をテーマに、行政経営推進委員会並びに歴史的資料の選別収集に関する審査会の場において検討を進めているところであります。
 行政経営推進委員会では、県民の目線に立ち透明性の高い行政運営に関して幅広い知見を有する有識者の方々から、また歴史的資料の選別収集に関する審査会では公文書管理の専門家の方々から御意見をいただきますとともに、公文書管理のあり方について丁寧に検討をしていただいております。
 これら二つの委員会等におけます検討を通じ、公文書の定義や保存期間、歴史的公文書の管理のあり方などの課題につきまして論点整理を行い、条例などの整備に向けた作業に反映させ具体的な制定時期を定めてまいります。
 検討体制の見直しにつきましては、議員御指摘のとおり市町への支援など公文書管理に関する課題は多岐にわたります。このためそれらの課題につきまして情報収集などを行いますとともに、歴史的資料の選別収集に関する審査会の体制の拡充など課題解決にふさわしい体制の構築について検討してまいります。
 また、河川増水時に浸水の危険がある田町文庫にかわる新たな公文書管理施設の設置につきましては重要な課題として捉え中長期の視点に立って検討を進めてまいります。あわせまして短期的には県有施設の全庁的な有効活用などを推進するファシリティマネジメント委員会におきまして、未利用の既存施設やスペースの活用など早期に実現可能な対応策を検討してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) それでは、二点について再質問いたします。
 まず「未来への道標」についてですが、じゃあどのように総括するのかお話がありませんので、まずその点お伺いしたいのと、確かにこの問題についてはここまで厳しく言ったのは初めてでございますが、川勝知事とも何度も議論してまいりましたので大体お答えというのはそうなるのかなという予想はしておりましたが、ただですね、今回もその子供のいない方のお声を幾つか紹介しました。やはり現実問題として行政が進める少子化対策のために肩身の狭い思いをしている人は、やはりかなりいらっしゃるんだろうと思っていますし、その方が本当に今回のような答弁で納得するのかというと私は正直そうは言えないと思っております。
 例えば企業子宝率の話をさせていただきました。私、実は平成二十七年三月二日の厚生委員会でこの企業子宝率取り上げております。そして当時の河森こども未来課長は、嫌な思いをする方がいないように丁寧に説明をしていくというような趣旨を答弁をされました。三年以上前のことでございます。ただ実際には先ほど申し上げましたとおり本年度から企業子宝率が削除されることになりました。つまりは残念ながらその三年間、河森課長が約束したようなことがしたのかもしれませんが結果としてあらわれなかったということでございますので、厳しい言い方でありますが残念ながら県は健康福祉部を初めとする県の姿勢は残念ながら変わっていないと結果として言わざるを得ないと考えております。
 そして、県としては確かに本当にそのセクハラ、パワハラをするつもりはないというのはそうだと思いますが、ただセクハラ、パワハラというのは受ける側ですね、受ける側つまりは子供のいない方々が不快に感じたり肩身の狭い思いをしたりすれば、それはもう残念ながらセクハラ、パワハラと言わざるを得ないわけでございますので、先ほどの総括の内容も含めましていま一度子供のいない方々も納得できるような答弁をお願いしたいと思います。
 それと、公文書管理につきましては拡充、当然必要だと思います。というのは例えば高知県で現在設置されている公文書管理のあり方に関する検討委員会では、県職員を含まず八名の委員の方がいらっしゃいます。やはりそれぐらいふやしていきませんとなかなか徹底的な議論もできないかと思いますのでその点もう少し踏み込んだ答弁をいただきたいと思いますし、やはり課題は山積しております。
 例えば、今回いろんな話を伺いまして、そして実は今回県史を改めて見させていただきました。例えば最近最も新しい県史が静岡空港関係の県史でございますが、これを見ますとほとんどが新聞記事と議事録だけなんですね。結局想像するに、民間の資料あるいは行政の資料も恐らく保存期間が過ぎてしまった結果、大半を捨ててしまったからこそあのような状態になっているのだろうと思います。そういったものもこれからもどんどんどんどん県史を編纂していくわけですから、そういった事態を防ぐためにも一日も早く、もちろんしっかり徹底的な議論は必要でありますが公文書管理条例等を制定をして誤って公文書等が破棄されることのないようにするべきかと思いますので、もう少し踏み込んだ答弁をお願いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 少子化対策の見直しについての再質問についてお答えいたします。
 一つは、「未来への道標」の総括ということでいろいろな御批判をいただいておりますけれどもその総括でございます。
 この「道標」につきましては、私が四月に健康福祉部長になりまして三月の末にできたわけなんですけれども、それからこれから広報しようというところで私が実はストップをかけております。といいますのは公表する前にですね、やはり事前に市長、町長に対して丁寧に説明する必要があるのではないかと私は考えまして、今年度の初めに全ての市町長それから担当部署に直接訪問いたしまして説明を行ってまいりました。そういったことで県議会への報告が七月の上旬となってしまったことはおわびをしなければなりません。本来であれば印刷の前にですねその原稿段階で各市町の了解を得ておくべきものでありましたので、この点につきましてはおわびをいたします。
 それから、二点目でございますけれども企業子宝率の関係でございます。
 先ほど先生御指摘のように、この子宝率が誤ったものであるから外したとおっしゃいましたけれどもそうではなくてですね、著しいこの子宝率を出すに当たって例えば若い女性の、女子社員の多い会社が数値が低く出たり、逆に中高年齢の方の多い会社につきましては数字が高く出るという傾向がございます。そういった会社の福利厚生であるとかワーク・ライフ・バランスの取り組みを反映したものではないという判断でこの企業子宝率を外したと私は聞いております。
 それから三点目でございますが、子供のいない方への配慮でございます。今回の「未来への道標」がそういうように感じられるというのは、私どもはちょっと想定しておりませんでした。もしそういう感覚でこれを嫌な思いをされた方がもしいるとすれば、その点につきましてはおわびをしたいと思います。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山行由君) 公文書管理についての再質問についてお答えいたします。
 今、議員から御指摘がございました検討体制の点でございます。
 現在の行政経営推進委員会と歴史的資料選別収集に関する審査会、この二つのテーブルでこれまで二回ほど公文書の範囲、選別のあり方、議論のあり方、公文書の保存のあり方等について真剣に議論をいただいてきたところでございます。
 ただ今回議員が御指摘のとおり、公文書の管理については多種にわたる問題がございます。さらには国がですね、最近になりまして文書の作成から保存、廃棄までを一貫して電子的に管理する方針が打ち出されました。遅かれ早かれ十年後、二十年後にはですね、恐らくおおむねほとんどの公文書が電子的な管理に移行するということでございます。
 ですので、今回の議論に当たっても公文書をどういうふうに電子的に管理していくのかというシステムの問題も議論しなきゃいけないということでございます。
 そういう点も含めまして、現在専門的な主に専門的な議論をいただいておる歴史的選別審査会これをですね、名称も含めて会則を検討したいと思います。それに当たっては例えば法的な側面の専門家もしくはシステムの専門家、こうした専門家等の知見も入れながら、検討のテーブルを拡充していきたいと思っております。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) 次に、魅力あふれる静岡県立大学実現のための取り組みについてのうち、無期転換ルールの早期実施等による大学事務局強化について伺います。
 十二月議会の議案である静岡県公立大学法人中期目標案では、法人の経営に関する目標として教員と事務職員の連携及び協働を推進するとともに、業務改善や事務局機能の強化により生産性の高い業務運営を行うこと、中長期的な視点に立って計画的な人員確保や人員管理を行うとともに多様な人材が活躍できる組織づくりに取り組むことなどを掲げています。しかし現時点では最長五年で雇いどめされる専門員等非正規職員が事務局職員の過半数を占め、正規職員におきましても三年で県庁に戻る県派遣職員がその四分の三を占めるという事務局体制にあり、今回の中期目標案達成にはほど遠い状況です。また中期目標案ではコンプライアンスの強化を掲げていますが、雇いどめは明らかに改正労働契約法の趣旨に反します。
 よって、雇いどめの撤回と無期転換ルール導入を早期に決定し、専門員をプロパー職員化することなどによるプロパー職員比率向上の前倒し、そして公立大学法人評価委員会の資料によれば県の想定する取り組み例として大学経営等にかかわる専門的人材の登用等を掲げていますが、事務局幹部候補となる人材の中途採用を直ちに進めるべきです。
 また、無期転換ルール導入に当たっては無期転換だけでなく労働条件においても現在のプロパー職員と同様にすることがまさに政府も進める同一労働、同一賃金の実現に不可欠です。現状では正規職員にはある夏期休暇、扶養手当、退職手当の規定等が有期雇用職員にはない、インフルエンザ等の感染症にかかった場合正規職員とは違い有期の専門員には無給の病気休暇は最大十日しかない、十日しか認められないなどの格差があります。
 この十一月二十七日に厚生労働省が取りまとめた手当や福利厚生等について正社員、非正規社員の不合理な待遇差を認めないなどとする同一労働同一賃金ガイドラインを尊重し、今から格差を解消すべきです。それは中期目標案の着実な達成のためにも不可欠であり、さもなければ中期目標案の言う多様な人材が活躍できる組織づくりは不可能だと考えます。
 以上二点の早期実現を県は大学側に強く要請すべきと考えますが、県の方針を伺います。
 次に、留学生受け入れ体制強化や調査研究体制充実等のための財政支援について伺います。
 中期目標案では、グローバル化の項目が現在のものより大幅に拡充されより多くの留学生に選ばれる魅力的な大学を目指すことがうたわれています。そのための取り組みとして県はキャンパス等の環境整備や事務局体制の拡充、専門的人材の登用等を想定しています。また中期目標案では必要な研究環境の整備の推進を掲げていますが、このたびノーベル賞を受賞された本庶佑県立大顧問が記者会見等で繰り返し訴えているように、十分な研究費の確保は全ての大学が取り組むべき喫緊の課題です。そうした目標を着実に達成するには毎年減額されている運営交付金を当面はむしろ増額するなど、財政支援の強化が不可欠と考えます。これまで同様に運営交付金の減額を続ければ今回の中期目標案そして大学側が今後作成する中期計画案はまさに絵に描いた餅になるのではないでしょうか。
 そこで、中期目標案における重点的な目標三項目の一つである、時代の要請や地域社会の要望の変化に対応した質の高い教育研究を推進するために必要な県立大への今後の財政支援のあり方について、県の方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 魅力あふれる静岡県立大学実現のための取り組みについてのうち、無期転換ルールの早期実施等による大学事務局強化についてお答えをいたします。
 静岡県立大学では、自主的、自律的な大学運営を行うために県派遣職員の削減やプロパー職員の計画的な採用等により中長期的な視点に立った人員管理や組織づくりに取り組んでおります。この一環として六月定例会において議員から御指摘のありました五年を上限としていた有期雇用職員の無期転換制度の導入につきまして、他の公立大学や団体等の状況も参考として今月中に制度導入のための大学規程の改正を行うこととなりました。これにより通算契約期間が五年となる有期雇用職員等が無期転換の申し込みをしたときには次の労働契約から無期雇用契約となります。なおこれは今年度中に雇用契約が通算五年を迎える職員にも適用される見込みであります。
 また、今回この制度が適用となる職員の労働条件につきましては従来から正規職員と同一の給料表が適用されていることに加え職務内容等につきましてもそれ以前とかわるものでないことから、手当や休暇等につきましても従前と同様とする方針であると伺ってはおりますが、今後職員全体の労働条件を見直す中で改善を検討するよう促してまいります。
 さらに、県立大学では事務局体制の強化に向け今年度新たに職員を五名採用し、プロパー化を進めているところであります。
 県といたしましても、引き続きプロパー職員の採用を計画的に行うとともに、民間企業等の経験者について前職の経験や専門性を生かす処遇を行うなど活力ある組織づくりに取り組むよう働きかけてまいります。
 県といたしましては、本議会でお諮りしている静岡県公立大学法人の中期目標や大学法人が今後策定し、県が認可する中期計画を通じて教職員の任用の促進、教職員の評価制度の改善の促進、多様な人材が活躍できる組織づくりの促進等々今後も魅力あふれる静岡県立大学の実現に向けて支援をしてまいります。
 次に、留学生受け入れ体制強化や調査研究体制充実等のための財政支援についてであります。
 県では、公立大学が求められる適正かつ効率的な業務運営の実施あるいは科学研究費補助金や企業等からの外部資金の確保など静岡県立大学に経営努力を促す一方で、県立大学が国内外から選ばれる魅力あふれる大学となるよう大学運営の基本的な経費や施設整備、さらには大学の重点的な施策の実現に向けた取り組みに対し支援をしてまいりました。
 本議会でお諮りしている県立大学の中期目標におきましても、議員から御指摘のありました留学生の受け入れ体制強化を初めとするグローバル化の着実な推進や地域産業の高度化や新産業の創出等に資する教育研究の推進等を重点目標と位置づけており、県内の他大学等との連携を図りながら目標の達成に向けて取り組んでいくよう求めていくこととしております。
 県といたしましては、中期目標で指示するこうした取り組みの実現に向け本年度末までに大学法人が策定する中期計画の着実な推進が図られるよう効率的で自主的、自律的な大学運営を行うために必要な財政支援のあり方につきまして運営費交付金等の見直しを含め大学の意見も伺いながら検討を進め、静岡県立大学が知の拠点として県民の皆様に支持される魅力的な大学となるよう支援をしてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) まず一点、要請をさせていただきます。
 財政支援は、私本当に必要だと思っております。いろんな話を聞いたんですが例えば学長を含めた教員そして職員が県外や海外に出張した際の出張先での交通費、例えば最寄り駅からタクシー等で移動した場合そのタクシー代は実は自己負担だと聞いております。それは恐らく厳しい財政状況にあるからだと推察いたしますが、ぜひ財政支援の拡充をお願いしたいと思います。強く要請いたします。
 そして質問ですが、無期転換につきましては今月中導入が決まるということは大変うれしい限りでございますが一点だけ確認をさせてください。例えば既に県立大で有期雇用職員として働いている一年目から四年目の方々も今後全員無期転換ルールの対象になるという理解でよろしいでしょうか。というのは職員の中にはですね、この三月に雇いどめされました女性職員のように来年四月以降は契約更新をしないというような契約書に実質強制的にサインさせられた方もいるというふうに聞いておりますが、そういった方々につきましてもしっかりと来年以降契約が更新をされ、そして五年目に入った暁には無期転換の対象になるという理解でいいのか、その点だけ確認させてください。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 今回のルールの見直しにつきましては、今年度中に雇用計画が五年を迎える職員にも適用されるというふうに聞いておりますので、以降も同様というふうに承知をしております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) 次に、災害関連死を出さない避難所運営のための取り組みについてのうち、避難所等におけるスフィア基準の導入について伺います。
 東日本大震災では三千六百人以上、熊本地震では二百人以上の方が災害関連死したとされています。南海トラフ巨大地震での災害関連死の想定は困難とのことですが、地震の規模や高齢化の進行を考えれば相当の災害関連死が生じ得ると考えられます。災害関連死の大きな要因が避難所等における生活での肉体的・精神的疲労です。
 実際、熊本地震で地震による直接死の四倍以上の災害関連死が生じたのが避難所の過酷な環境やそうした避難所を避けて多くの方が車中泊したことが原因と言われています。つまり災害関連死を防ぐためには難民キャンプ以下、戦前から状況がほとんど変わっていないと言われる避難所の改善が不可欠です。
 熊本地震等での調査によれば、避難所生活初期で最も困るのは眠れる環境とトイレの問題です。そのため体育館等にも空調設備等を整備するなど、災害時に避難所として機能することを前提とした公共施設の整備や改修を進めたり、昨年三月に国土交通省が出した下水道処理区域内でも合併浄化槽等の設置を可能とする通知に基づき下水処理施設が破壊されても既設トイレが引き続き使えるよう公共施設に合併浄化槽の設置を進めたりなど、より快適な避難所とするための整備推進が必要と考えます。しかしハード整備は費用や時間がかかる中長期的な対策となります。そこでまず避難所の運営等の改善を早急に進めるべきです。
 具体的には、ことし三月に改定された避難所運営マニュアルに一人当たり最低三・五平方メートルの居住空間を確保すること、災害発生当初は五十人に一基、避難が長期化した場合には二十人に一基以上のトイレを設置すること等の避難所等に関する国際基準であるスフィア基準を導入、反映するとともに、徳島県がスフィア基準の考えに基づき策定した災害時快適トイレ計画及びアクションプラン等と同様の計画を作成し、市町や民間企業そして県民の総がかりで災害関連死を出さない取り組みを推進すべきと考えますが、県の今後の方針を伺います。
 最後に、避難所運営リーダーの養成について伺います。
 避難所運営は通常地域の自治会役員がその中心的な役割を担います。しかし一般的に自治会役員は高齢者が多く、また女性が少ない場合がほとんどです。さらに当然ながら自治会役員自身も被災者になる可能性があります。
 和歌山県では、平成二十六年度から避難所運営リーダーの養成に取り組んでいます。具体的には県作成の避難所運営マニュアルに避難所一カ所につき三人以上の運営リーダーを養成することを目標として書き込むとともに、本年度は十一市町でリーダー養成講座を開催するなどしています。静岡県内でもNPO法人浜松男女共同参画推進協会が養成講座を開くなどの取り組みが行われていますが、和歌山県のように県が推進役となり自治会役員はもとより避難所運営の中核となるような、当然ながら女性を含めた年齢層やふじのくに防災士等をより実践的な研修を受けてもらうことにより避難所運営リーダーとして養成する取り組みを全県で計画的、積極的に進めるべきと考えますが、県の方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
○危機管理部長(金嶋千明君) 災害関連死を出さない避難所運営のための取り組みについてのうち、避難所等におけるスフィア基準の導入についてお答えいたします。
 本県では、熊本地震等の被災地支援を通じて避難所での良好な生活環境の重要性を再認識し避難所運営マニュアルの見直しを行いました。その中でトイレの必要数につきましては国際的な基準を踏まえた国のガイドラインを参照しておりスフィア基準に準じたものとなっております。一方避難所一人当たりの面積は同基準を若干下回っておりますことから、被災後の時間経過とともに必要とされる適切な広さを確保できるよう同基準の考え方を取り入れてまいります。また災害時のトイレの快適化につきましても重要なことと認識しており、本年十月には防災トイレフォーラムを開催しシンポジウムやチラシの配布等により県民の意識醸成を図りました。
 災害時のトイレに関する取り組みをさらに進めるため、議員から御紹介のありました徳島県の取り組みを含めトイレの快適化について研究をしてまいります。
 県といたしましては、市町や関係機関と連携して避難所での良好な生活環境を確保し、災害関連死を出さない安全・安心な地域づくりに努めてまいります。
 次に、避難所運営リーダーの養成についてであります。
 避難所運営は、災害発生直後の段階では自主防災組織が中心となって避難所の運営の体制を確立していくことが重要であります。しかしながら平成二十八年度に実施した自主防災組織実態調査では避難所運営訓練の実施率は一八%と低く、その主な理由としては訓練方法がわからないや人材が足りないなどが挙げられております。また熊本地震では避難所運営が課題となりましたことから県では昨年度避難所運営マニュアルを改定し、市町や自主防災組織に配布するなどその普及に努めております。
 しかし、今年度実施した地域防災訓練においても避難所運営訓練を実施している市町は依然として少数にとどまっており、県としても避難所運営を担う人材育成の必要性を認識しております。
 避難所運営リーダーの養成につきましては、議員の御質問にありました研修のほか昨年度掛川市と日本財団の主催により実際に避難所となる体育館に宿泊し避難所運営を体験する研修が行われ、市町や自主防災組織の参加者からは大変有意義な研修であったとの評価を伺っております。
 県といたしましては、これらの研修を参考として避難所運営を担う人材を育成するための仕組みづくりについて検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
       (三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) 一点、要請だけさせていただきます。
 徳島県の例を研究していただけるということでございますので、ぜひお願いしたいと思います。特に私すばらしいなと思いましたのは、災害時の快適なトイレをふやす取り組みとして仮設トイレを洋式化するレンタル会社を財政的に支援したりですとか、あと日常のイベントですよね。マラソンですとか静岡では大道芸とかありますけれども、そういったイベントで設置される仮設トイレを通じて災害時のトイレの問題を市民等に伝える取り組みも積極的に行っているということでございます。
 そうした取り組みを積極的に進めることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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