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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

代表質問

質問日:

07/18/2017

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                      
 (1) 三期目に臨む知事の県政運営方針                 
 (2) 地域外交の推進                         
 (3) 次期総合計画における圏域づくりの方向性             
2 地方創生の推進について                      
 (1) 真に実効性のある地方創生の取り組み               
 (2) 移住・定住の促進                        
3 危機管理行政について                       
 (1) 「命」を守る危機管理の充実                   
 (2) 全国に先駆けた静岡モデルの防潮堤整備              
4 総合的ながん対策の推進について                  
5 観光立県しずおかの実現に向けた今後の方向性について        
6 ものづくり県静岡の再生に向けた次世代産業の育成について      
7 食を活用した本県の海外戦略について                
8 持続可能な公共事業の推進について                 
9 教育行政について                         
 (1) 教員の多忙化対策                        
 (2) 幼児教育の推進                         
10 サイバー空間の脅威への対処について


○副議長(山田 誠君) ただいまから会議を再開いたします。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十四番 岡本 護君。
       (六十四番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十四番(岡本 護君) 私はふじのくに県民クラブを代表し、当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事並びに関係部局長、教育長及び警察本部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 質問に入ります前に一言申し上げます。
 過日の九州豪雨で被害を受けられました皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧、復興を願うものです。
 そして、いま一つはさきの県知事選挙において見事な当選をおさめられました川勝知事に対しまして、ふじのくに県民クラブを代表して改めてお祝いを申し上げます。八十三万三千余の票を獲得して県民の皆様の信任を勝ち得ましたことは、これまでの二期八年間の県政運営の実績が県民の信頼を得たことのあかしであります。今後、公約として掲げた命を守る、福祉の充実、暮らしを豊かにを中心として将来に向けて明るい展望を描くことができる富国有徳の理想郷、世界に誇れるふじのくにの実現に向けて、責任と自信を持って全力で県政運営に当たっていただくことをお願い申し上げ質問に入ります。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、三期目に臨む知事の県政運営方針について伺います。
 知事は、就任以来富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを県政運営の基本理念に掲げ、国土のシンボル富士山を抱くこの静岡の地にポスト東京時代の日本の理想郷をつくるべく全力で取り組んでこられました。この理念を具現化した県総合計画は平成二十四年にマニフェスト大賞グランプリを受賞し、全国の範として認められたことは周知のとおりであります。
 政策面においても、知事肝いりの重点施策である内陸のフロンティアを拓く取り組みは、平成二十七年度の総合特別区域の取り組みに対する内閣府の評価で第一位の評価を受けました。またこれに呼応するかのように昨年の企業立地件数は七十四件で全国第一位となったほか、有効求人倍率も知事就任時には○・四倍弱だったものがことし四月には一・五一倍まで上がり、バブル期直後の平成四年五月以来二十四年ぶりに一・五倍台の高水準となりました。さらに本年五月に発表された平成二十六年度の一人当たりの県民所得も三百二十二万円で、昨年度から一つ順位を上げ全国第三位となるなど県民生活に直結する分野において着実な成果を上げられております。
 文化面においても、平成二十五年度の富士山世界文化遺産登録を皮切りに茶草場農法の世界農業遺産登録、韮山反射炉の世界文化遺産の登録、駿河湾の世界で最も美しい湾クラブへの加盟など川勝県政の二期八年間で本県のプレゼンスは飛躍的に向上したと思います。
 しかしながらまだまだ課題はあります。我が会派がことし二月に発表した川勝県政四年の業績評価でも述べましたように、大規模地震津波対策における静岡方式の早期完成、子育て支援の一層の推進、中小企業の経営基盤強化などがそれであります。こうした中、知事は知事選挙後の記者会見で「経済対策に軸足を移すことが大事。明確なビジョンを持って静岡県の富をふやしたい」と述べられ、特に経済政策に力を注ぐ姿勢を示されました。
 そこで、三期目に臨む知事の県政運営への決意と知事選に当たって掲げた三大公約のうち、暮らしを豊かにについて今後の取り組み方針について、知事の御所見をお伺いします。
 次に、地域外交の推進について伺います。
 世界は今、覇権主義の台頭や欧州などで多発するテロ、中東やアフリカなどからの難民の増加、深刻化する格差の拡大など混迷をきわめています。アメリカでは、トランプ大統領が就任直後のことし一月にTPP離脱を正式に表明、六月には地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定から離脱を発表しました。また中国による一帯一路などの中華民族復興思想や強引な海洋進出が問題となっているほか、イギリスでは昨年六月国民投票の結果を受けEU離脱を決定しました。このように大国が世界の大局を顧みず自国の利益を優先する自国第一主義が蔓延し、世界の平和と安定に不安を与えつつあります。
 知事はこれまで、そのような世界中の人々の不安が増大する中、「未来を拓く、新しい生き方を世界に提示できる国があるとすれば、健康寿命が世界一で幾多の困難を克服し高い技術力や人材が蓄積する我が国をおいてほかにない。またポスト東京時代の新しい理想郷を築いてきた本県こそがその先駆けたるべき」と訴えてこられました。また川勝県政二期八年を通じて世界の中の静岡県としての地位を確立するため、従来の国際交流から友好的互恵・互助を基本とする地域外交を県政の主要施策の一つに据え一貫して取り組んでこられましたが、本県の地域外交は国内外で高い評価を受けるなど着実に拡大・深化を遂げていると考えております。
 こうした中、今年度新しい総合計画の策定に合わせて地域外交基本方針を見直すと聞いておりますが、世界の大勢と我が国及び本県の現状に鑑み、知事は今後四年間で地域外交をどのように進めていこうと考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、次期総合計画における圏域づくりの方向性について伺います。
 人口減少や超高齢社会の到来など社会が大きく変化する中、最近の政策課題には単独の県や市町だけでは解決できない問題がふえてきております。こうした問題に対してはそれぞれの自治体が広域的な共通の政策課題として捉え、お互いに知恵を出し合い協力、連携して施策を推進し解決に当たることが極めて重要であります。このため今後策定する次期総合計画では、県と関係市町が方向性を共有しながら問題解決に当たることが地域の発展に不可欠であります。
 その意味で、今議会に上程されている半島振興対策実施地域・過疎地域における県税の特例に関する条例のように人口流出という共通の課題を持つ一定の地域を指定し集中的に支援する方法は極めて有効な手段と言えます。県では総合計画後期アクションプランの地域づくりの基本方向において都市機能等の集積のメリット等を考慮し伊豆半島、東部、中部、志太榛原・中東遠、西部の五つの圏域を設定し特色ある地域圏の形成を進めています。
 このように、県として地域づくりの方向性を示し市町や地域住民等と連携、協働し各地域の特色を生かした取り組みを推進することは極めて重要であります。
 一方最近では、賀茂地域広域連携会議、伊豆半島七市六町首長会議、しずおか中部連携中枢都市圏、遠州広域行政推進会議など、こうした五圏域にとどまらない柔軟な市町間連携の枠組みが芽生えてきております。
 こうした中、今後策定する次期総合計画において圏域づくりの方向性をどのように考えているのか、県の御所見をお伺いいたします。
 次に、地方創生の推進についてのうち、真に実効性のある地方創生の取り組みついて伺います。
 本県では、人口減少を克服するため平成二十七年十月、美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定いたしました。一方総務省が公表した二〇一六年の住民基本台帳に基づく人口移動報告では本県の転出超過数は六千三百九十人に上り、全国順位もワースト四位と前年度から一つ順位を下げました。一方東京圏においては二十一年連続で転入超過となりその数は十一万人を超え、その大半は将来の地域を支えるべき若者であり依然として東京一極集中に歯どめがかからない状態が浮き彫りとなっております。
 こうした中、国も地方自治体の地方創生の取り組みを支援しておりますが決め手を欠いています。地方への人の流れを生み出すため企業の本社機能の移転等に関する事業に対し課税の特例等優遇措置を講ずる地方拠点強化税制の認定を受ける件数も低調であり、政府関係機関の地方移転も全面移転は文化庁の京都移転が決まっただけにとどまっております。
 近ごろよく言われる若者の新三ない用語に、自分に合う仕事が少ない、給料が少ない、結婚できないがあります。こうした状況に対しては産学官の連携を深め次世代産業を初め自然や食材など地域資源を活用した多様な産業の活性化を進めるなど働く場の創出を図るとともに、働きやすい職場環境の整備を進め外から若者を呼び込める施策を進める必要があります。地方創生に特効薬はありません。総合戦略に掲げる施策は本県独自の取り組みも随所に見られ体系的によくまとめられていることは評価できますが、人口流出などの根幹にかかわる部分に結果を出すためにはいま一歩踏み込んだ取り組みが必要と考えます。誰もが思いつかないような大胆な施策に思い切って切り込むことで真に実効性のある地方創生を進めていく必要があると思われますが、県の御所見をお伺いします。
 次に、移住・定住の促進についてお伺いいたします。
 人口減少対策の中で移住・定住施策は極めて大きな課題であります。日本創生会議が二〇一四年に公表した、三十年後自治体の半数が消滅するおそれがあるとの衝撃的な報告は記憶に新しいところであり、これを受け全国各地で移住・定住の取り組みが本格化していると承知しております。
 こうした中、先ごろ静岡県外から移住者が昨年度と比べて倍増し七百八十七人もの方が移住されたとの報道がありました。静岡市で六十八人、沼津市では四十三人など人口減少が叫ばれる中でも着実に移住者をふやしている市町があることは、県が有楽町に開設している“ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センターや各市町の移住・定住促進施策の効果が上がってきているあかしと思われ引き続き力を入れていただきたいと思います。
 しかしながら、地域ごとに移住者数の偏在が見られ特に私の地元である西部地域の苦戦が目立つように思われます。西部地域の各自治体も、子育て世帯などターゲット層を明確にしたいとする浜松市やUターン就職を促進させたいとする磐田市など各市町の実情に基づき施策が展開されておりますが、県外に在住する多くの方々は各市町について具体的なイメージを持っていないのが現状だと思われます。
 静岡県はそれぞれによいところがあります。こうした各地域の強みや魅力を県外の方々にわかりやすく伝え、その上で各市町に呼び込むことが重要であると考えます。また県が発表した若年層の県外転出者に対する意識調査ではUターンの意向を持つ本県出身の若者は三割弱で、戻りたくない理由ではやってみたい仕事や勤め先がない、給与水準の高い仕事がないなどが三割を超えたということです。
 その一方で、首都圏の移住希望者の中心は従来のいわゆるセカンドライフを充実させたいシニア世代から、二十歳代から四十歳代の子育て世代に移っているものと聞いております。こうしたことから地域の強みとあわせ若い世代にとって魅力的な情報を伝えることが必要であると考えます。今後さらに激化する地域間競争に打ち勝ち活力に満ち内外から憧れを呼ぶ静岡県をつくっていくためには、移住・定住施策の果たす役割は極めて大きいと考えます。
 そこで、今後どのように移住・定住施策を展開しようとしているのかをお伺いいたします。
 次に、危機管理行政についてのうち、命を守る危機管理の充実について伺います。
 今回の選挙戦を通じ、知事は公約の柱に命を守るを掲げ世界一安全・安心な地域づくりを訴えてこられました。東海地震説が提唱され四十年以上にわたり大規模地震に対峙してきた県民にとって、南海トラフ地震対策への期待は非常に大きいものがあると思われます。また東日本大震災において発生した福島第一原子力発電所の事故や一七〇七年の宝永地震の四十九日後に発生した富士山噴火などの過去の事例からも、原子力災害との複合災害や富士山噴火が地震の前後に発生する連続災害の可能性なども見据え万全な備えを進めることが重要なことは改めて申し上げるまでもありません。
 本県で想定される危機事案は地震・火山ばかりではありません。近年は短時間で局地的な豪雨が頻発するなど全国各地で大きな被害が発生しており風水害への対策の強化も欠かせません。他方我が国を取り巻く安全保障環境に目を向けると大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織等の活動など県民の平和と安全に影響を与える多様な事態への対応が差し迫った課題になりつつあり、治安だけでは対応できない住民の避難等の観点からの危機管理体制の充実が求められております。
 このような状況からも、知事が公約の柱に掲げた命を守るは県民の豊かな暮らしの基礎となるものであり県政の最重要課題であることは論を待ちません。今後四年間引き続き県民の命を預かる知事として命を守る危機管理の充実に全力で取り組んでいかれることを大いに期待しておりますが、改めて知事の決意と意気込みについてお伺いいたします。
 また、今後ラグビーワールドカップ日本大会や東京オリンピック・パラリンピック大会などが開催されます。こうした国際的な行事においては犯罪対策だけでなく交通・輸送、観客の安全確保、異常気象時の対応などのさまざまな危機事案にも迅速、的確に対応できるよう体制を強化していくべきと考えます。
 そこで、万全な危機管理体制の構築に向けて今後どのように取り組みを進めていこうとしているのかあわせてお伺いをいたします。
 次に、全国に先駆けた静岡モデルの防潮堤整備についてお伺いいたします。
 平成二十五年六月の静岡県第四次地震被害想定では、あらゆる可能性を考慮した最大クラスすなわちレベルツーの地震として南海トラフ巨大地震を想定し、これによる犠牲者約十万五千人の九割に当たる約九万六千人が津波によるものであることから津波対策が最重要課題であることは言うまでもありません。
 午前中の渡瀬県議からは、レベルワン津波を防ぐ防潮堤整備を不安視した御質問がありましたが、県や沿岸市町では減災のためそれぞれアクションプログラムに熱心に取り組んでいることがわかりました。このアクションプログラムはさまざまな施策の集合体であることから、ハード対策とソフト対策が一体となった減災効果の発現が期待できると考えております。
 こうした中、私の地元の浜松市沿岸域防潮堤についてはレベルワンを超える津波に対する安全度向上を図るいわゆる静岡モデルの整備が着々と進められております。この取り組みは津波に対して不安を持っている県民にとって心強いものになると確信しており、また平成二十七年三月にはジャパン・レジリエンス・アワード二〇一五において金賞を受賞するなど国土強靭化や津波対策の先進的な取り組みとして全国的にも評価されていると承知しております。
 想定される津波への対策については、整備可能な箇所をできるだけ早く進捗させる必要があると考えますが、整備が順調に進む浜松市沿岸域以外の静岡モデルの取り組み状況及び県の支援についてお伺いをいたします。
 次に、総合的ながん対策の推進についてお伺いします。
 がんは今や日本人の二人に一人が生涯のうちに経験し三人に一人が亡くなっており、本県では昭和五十七年以降死亡原因の第一位となっている誰もが無関係ではいられない身近な疾病です。
 私ごとで恐縮ですが、私自身二度にわたりがんを患いました。当初は死への恐怖と家族の将来を心配する毎日でした。おかげさまで現在はこうして健康を取り戻し元気に活動できることに感謝し、同時に少しでもがん患者への手助けになればと思っているところであります。
 さて、日本経済新聞が全国千七百四十一の市区町村を対象に行ったがんの死亡率の調査によりますと、他県では同じ県内であるにもかかわらず市区町村で二倍を超える格差が生じていました。このような格差は住民のがん予防への意識やがん検診の受診状況、医療人材も含めたがん医療の提供体制、さらには生活習慣や地理的な環境などのさまざまな要因が重なっているものと考えられます。今後がんから命を守るための医療技術が急速に進んでいく一方で、超高齢社会の進行によりがんに罹患し命が危険にさらされる方がさらにふえてくることが予想されます。こうしたことからがん対策にはがんを早期に発見するためのがん検診の受診促進、高度な医療も含めた適切ながん医療の提供、治療中の生活支援や治療後の円滑な社会復帰支援、がん研究の促進などさまざまなステージや分野においてのトータルの取り組みが必要であります。
 そこで、健康寿命の延伸の観点も踏まえて総合的ながん対策を県としてどのように考えているのかをお伺いいたします。
 次に、観光立県しずおかの実現に向けた今後の方向性についてお伺いします。
 我が国の観光を取り巻く動向は引き続いて好調であります。静岡県においても直近の数字となる平成二十七年度観光交流客数は過去最高の一億四千九百十三万人、また観光庁の調査による平成二十八年の本県の延べ宿泊者数は二千百二十四万人で全国五位になるなど有数の観光立県であります。我が会派ふじのくに県民クラブでは、以前から観光が本県に活力を生む重要分野であることを捉えておりました。そして平成二十六年十月、我が会派から提案した観光振興条例が制定されたところであります。
 川勝県政の二期目には、富士山及び韮山反射炉が世界文化遺産に、また和食が無形文化遺産に、静岡の茶草場農法が世界農業遺産に登録されるなど世界水準の観光資源が顕在化してきております。そして本年十二月の富士山世界遺産センター開館、さらに来春には必ずかなうと信じておりますが、伊豆半島ジオパークのユネスコグローバルジオパークの認定など新たな観光資源が誕生いたします。さらにはラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えております。川勝県政三期目には、こうした世界水準の観光資源群を初め本県が持つ場の力を最大限に生かした観光振興を図ってもらいたいと考えております。県では新しい総合計画を本年度中に策定するとともに観光分野の計画策定準備に入っているとのことであります。
 そこで、将来を見据え観光振興の今後の進め方をどのように考えているのか、県の御所見をお伺いいたします。
 次に、ものづくり県静岡の再生に向けた次世代産業の育成について伺います。
 先月六日に公表された二〇一七年版ものづくり白書によると、日本経済は着実に上向いてきており製造業を中心とした収益の改善が見られ、雇用の拡大や賃金の上昇につなげることにより経済の好循環が生まれ始めているとのことであります。先月東京ビッグサイトで開催された世界最大級のものづくり専門展示会である第二十八回日本ものづくりワールドには、世界中から二千四百二十社もの出展者が集まり活発な商談が行われました。本県からも切削加工や表面処理などの分野で多くの企業が出展しておりましたが、こうした展示会を見ていて懸念されるのが最近ものづくり県静岡のお株が奪われてきているのではないかということであります。
 産業のデパートとも称される静岡県は、全国有数のものづくり県でありますが、平成二十年のリーマンショックや二十三年の東日本大震災の影響により製造業は大きな打撃を受け、十九年に十九兆四千百三億円あった製造品出荷額は二十三年には十四兆九千四百九十七億円まで激減しました。近年は回復基調が続いており二十六年には十六兆五百億円まで回復しておりますが当時のレベルには至っておりません。これは輸送用機器、電気機械など本県製造業を牽引してきた機械金属加工業種の業績が落ち込んだことが原因と考えられております。製造業の復活は本県経済の発展のために不可欠であり、そのためには県も進めている次世代自動車、光電子関連技術、医療健康産業などの今後成長が見込まれる産業、次世代産業の育成が重要だと考えております。
 静岡県の未来を見据え、このような次世代産業の育成にこれまで以上に積極的に取り組む必要があると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。
 次に、食を活用した本県の海外戦略についてお伺いいたします。
 本県は、全国トップの食材品目数を誇り高品質な農林水産物が生産される食材の王国であります。昨今の世界的な和食ブームを追い風に二〇一六年における日本の農林水産物、食品の輸出額は七千五百二億円に達しており、国ではあらかじめ掲げておりました二〇二〇年の輸出額一兆円の目標を一年前倒しで達成することとしております。知事が三期目を迎えるに当たり掲げておられる世界最先端の静岡県の実現という目標達成のためには、本県の食が有するポテンシャルをもっと強力にPRし食を使って世界に打って出ることが極めて有効な手段であり近道であると考えます。
 世界にPRする有効な手段としては、例えば木材につきましては環境保全と経済活動を両立させた森林管理を国際的な第三者機関が評価、認証する制度としてFSC――森林管理協議会やSGEC――緑の循環認証会議による認証があり、本県の認証面積は全国第四位であります。
 そこで改めて食に目を向けて見ますと、国は高い品質が生産地と結びついている農林水産物や食品の名称を知的財産として保護する地理的表示――GI――保護制度を平成二十七年から導入いたしました。本年六月には二十六道府県の三十八産品が登録されており、県内では昨年登録のみしま馬鈴薯に続き田子の浦しらすが登録されたところであります。本制度は既に百カ国以上で導入されており海外で出回る模倣品と差別化する手段として有効であると考えられることから、特に海外販路の拡大が期待されるお茶、ワサビなどを積極的に登録するべきであると考えます。
 このような国内外での動きがある中、県は本年二月にふじのくにマーケティング戦略を取りまとめ、プロダクトアウトからどこの誰に売るのかを明確にした上で生産するといったマーケットインの考え方に転換することを明確にされたところであります。
 そこで、県は今後海外市場への販路拡大をどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、持続可能な公共事業の推進について伺います。
 平成二十九年度の社会資本整備は平成八年度のピーク時の約四四%まで減少しています。また県予算全体に占める投資的経費の割合も平成八年の一九%から一〇%まで減少しました。一方で近い将来、高度経済成長期を中心に建設された多くの社会資本が更新期を迎え施設の更新などに多額の費用が必要となります。また県の試算によれば、維持管理・更新費は将来的には現在の約二倍に膨らむことが予想されています。
 このようなことから、社会資本を資産としての視点で管理するアセットマネジメントによる長寿命化やファシリティマネジメントによる施設投資・運営費の効率化を図る必要があると考えます。また限られた予算の中で最大限の事業便益を上げるためには住民合意形成・協議プロセスの改善、計画、設計、施工の適正化、入札、契約など調達の見直し等総合的なコスト構造改革が必要となってくると考えます。公共事業やそれを支える建設産業は地域のインフラの整備やメンテナンス等の担い手であると同時に、地域経済、雇用を支え、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担う地域の守り手として県民生活や社会経済を支える大きな役割を担っております。
 しかし、平成二十八年の建設業従事者は平成八年のピーク時の約三四%まで減少しており、また就労者の年齢別の内訳は五十歳以上が約四六%である一方、若手就労者は約一〇%となるなど将来の担い手不足が懸念されています。
 今後老朽化するインフラの更新、補修、災害時の復旧・復興など公共事業の重要性はますます高まっていくと思われますが、持続可能な公共事業の推進に向けてどのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。
 次に、教育行政についてのうち、教員の多忙化対策についてお伺いいたします。
 本年四月、文部科学省が公表した平成二十八年度教員勤務実態調査の速報値によれば、小学校教諭の約三四%、中学校教諭の約五八%が月八十時間、いわゆる過労死ラインに相当する時間数を超えて勤務している実態、加えて十年前の調査と比較して教諭や教頭、校長等の全ての職種で勤務時間が増加していることが明らかとなりました。六月二十二日に文部科学大臣は、教員の長時間勤務の要因を見直し意欲と能力を最大限に発揮できる勤務環境を整備することで教員が誇りを持って働くことができ、ひいては子供の教育にもよい影響として還元できるとの認識のもと中央教育審議会に新しい時代の教育に向けた学校における働き方改革に関する総合的な方策について諮問しました。
 県教育委員会は、教員の負担軽減を図り心身の健康を維持するためにも、教員がみずからを研鑚できる機会や子供と向き合う時間を確保することができ意欲と能力を最大限発揮し本県教育の質をさらに向上させるためにも、また教員の仕事を魅力あるものとして再認識してもらうためにも多忙化解消に最優先に取り組むべきであると考えます。
 県教育委員会は昨年度より未来の学校「夢」プロジェクトなど各校種ごとに多忙化解消のための具体的かつ実効性ある方策を研究、実証するためのモデル校事業に取り組んでいますが、その一年間の取り組みでどのような成果と課題が明らかとなったのか、またそれらを踏まえ今後どのように取り組んでいくのか、教育長のお考えや意気込みをお伺いいたします。
 次に、幼児教育の推進についてであります。
 平成二十九年三月に、国から幼児教育、小学校、中学校、高校までの新学習指導要領等が一斉に公示され、その中で平成三十年四月には先陣を切って幼児教育が施行されることになりました。児童教育には幼稚園、保育所、認定こども園も含まれ文部科学省、厚生労働省、内閣府が所管しています。これまで幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育保育要領といった三種類の指導方針が示されてきました。しかし今回の改正により三歳以上の教育にかかわる内容については共通になり、特に今回の要領に掲げられた幼児期の終わりまでに育ってほしい姿は省庁を超えて定められた画期的な改善内容であると思います。
 しかし、このような新しい教育、保育要領施行の前に急ぎ解決の方策を打たなければならない問題があります。それは小一プロブレムと呼ばれる、小学校入学後間もない児童の小学校生活への不適応の問題です。児童は小学校入学前には遊びを中心に活動してきた生活から入学後は教科書による学習へと変化する体験をしています。これにより児童が授業中席についていられないことや話が聞けないことなど、さまざまな問題が学校現場で生じています。このような小一プロブレムの要因を小学校入学後のさまざまな環境変化の中から見定め、改善策を打っていかなければなりません。昨年度小一プロブレム解消の施策の立案に向け、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続に関する調査を行ったと聞いております。
 そこで、調査の結果幼児教育の推進や小一プロブレム解消に向けた課題等について明らかになったことや、現在及び今後の取り組みについて教育長にお伺いします。
 最後に、サイバー空間の脅威への対処について伺います。
 日常生活において、インターネットが国民生活や経済活動に不可欠な社会基盤となりネットワークへの依存が日々高まるとともに、情報通信技術の進歩や社会情勢の変化によりサイバー空間は急激な変容を続けています。一方でコンピューターを対象とした犯罪やコンピューターネットワークを手段として利用する犯罪、いわゆるサイバー犯罪は昨年全国で約八千三百件、県内では百十七件を検挙しているとのことです。また警察本部に寄せられる相談件数は年々増加し、昨年は二千二百件を超えるなどサイバー空間の脅威は深刻化しています。
 これに加え、いわゆるランサムウエアと呼ばれる金銭を目的とした不正プログラムにより世界約百五十カ国において政府機関、病院、銀行、大手企業等のコンピューターが感染させられる被害が発生、とりわけイギリスでは病院の医療業務がストップするなどの極めて深刻な事態に陥りました。海外ではこのような不正プログラムやサイバー攻撃により重要インフラ事業者等を機能不全に陥らせる事態が発生しているほか、我が国においても民間企業等においては同様の被害が確認されています。まさにサイバー空間に国境はないのであります。
 そこで万全を期さなくてはならないのが大規模な国際イベントなどへの対策であります。昨年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは、サイバー攻撃が多数確認されたとの報告があります。我が国では二〇一九年にラグビーワールドカップ、翌二〇二〇年には世界が注目するであろう東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、いずれも県内での競技が行われます。
 警察では、政府の戦略とあわせサイバーセキュリティー戦略を策定の上、全国警察が一丸となり取り組みを進めていると承知していますが、県警察ではこうしたサイバー空間の脅威に対処するためどのように取り組みを進めているのか警察本部長にお伺いします。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 岡本議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、三期目に臨む私の県政運営方針についてであります。
 まずは、三期目の知事就任に対しまして御祝辞を賜りましてありがとうございました。
 私は、知事就任以来静岡県をよくするために静岡県についてはもとよりふじのくに静岡県の持てる可能性を日本の中で探る、また世界の中で探るということでしっかり勉強いたしまして、いわゆる座学をするとともに現場に赴き現場から学び現場に即した政策を構築するという現場主義を基本姿勢といたしまして、善は急げをモットーに前倒しを、そしてまたスピード感を持って県政運営に取り組んでまいったところでございます。
 今回の選挙では、二期八年間の県政運営が評価され信任をいただいたものと考えております。選挙期間中、県内各地の現場を訪れ多くの県民の皆様からさまざまな御意見をじかに伺う機会を得ました。寄せられた声の一つ一つをしっかりと受けとめまして、世界に誇れるふじのくに静岡県を築くべく全力で邁進していこうと改めて決意を固めたところであります。県民の命を守る安全な地域づくりはまずは第一でございます。それとともに誰もが健やかに暮らせるように福祉の充実を図り、暮らしの豊かさの実現に取り組んでまいろうと考えております。
 中でも、暮らしの豊かさを実現することは必要条件ではありますが、極めて重要なことでございます。私に期待することとして経済対策や雇用対策を望む声を数多くいただきました。特に結婚し子供を持ちたいと思う若い世代にとって安定した雇用や収入は切実な問題であります。若者の人口流出の要因にもなっているものと認識しております。
 このため、今後の県政運営に当たりましては富をつくる経済政策に力を入れたいと考えております。立脚する経済学はシュンペーターの経済発展の理論であります。シュンペーターという人はマルクスが死んだ年に、ケインズと同じでございますけれども一八八三年に生まれました。日本では戦前期にはいわゆる古典派の経済学という自由主義の経済を軸に経済政策が立てられました。戦後は一部マルクス経済学も採用されんといたしましたけれども、これは社会保障あるいは社会福祉に貢献をしたという認識を持っております。しかしマルクス経済学による経済運営というのはソ連におきましても中国におきましても実質失敗いたしまして、人々の自由を阻害するということで市場経済というものに今戻ってといいますか、市場経済に立脚せんとしております。
 そうした中で、私はもうケインズの政策も今回のアベノミクスに見られますように金融はだぶだぶでございますけれども投資に結びつかないということでございまして、経済発展の理論というのは新素材に着目する、新素材の供給地に着目する、新素材をどのように生産するか生産方法に着目する、また生産方法に即した生産組織に着目すると。そしてまた新商品それ自体に着目する。新商品の市場に着目すると。そしてまたそれらを担う人に着目すると。もうこうしたもの一連の枠組みの中で考えるという考え方でございます。
 現在我々、具体的な産業部門としましては医療、健康、食品、セルロースナノファイバーいわゆるCNFと言われているものでありますが、こうしたものは世界水準の次世代産業として捉えておりまして、当然本県経済を力強く牽引するであろうと期待しているところであります。また地域の産業や雇用を支えるのは中小企業であり、また小規模企業でございます。そこに対するきめ細やかな対策は言うまでもありませんけれども、そこに眠っている匠の技を引き出すことも仕事でございます。そしてまた先端技術の活用による農林水産業の競争力の強化、深刻な人手不足への対応、産業人材の育成、また県民一人一人が働きがいと生きがいを持って働くことのできる働き方改革などに強力に取り組んでまいります。
 私は、富士山という山に日本人が富と士という字を当てたことに改めて思いをいたしております。富は豊かさを意味しますし、士という字は有徳の人を意味するものでございます。そのような富士の名を体した富国有徳、美しいふじのくにづくりの富づくり、人づくり、これを県政運営の基本理念に掲げ「生まれてよし 老いてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「住んでよし 訪れてよし」の理想郷の実現に全力で取り組んでまいりますので県議会の先生方の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、地域外交の推進についてであります。
 本県では、国や地域による文化の違いを理解して友好的に互恵・互助をしていこうと、いわゆる善隣外交の精神に基づき他県に先駆けて地域外交を展開してまいりました。本年友好提携三十五周年を迎えた中国浙江省との地域外交というのが成功をおさめているのは先生方のおかげもございまして御案内のとおりでございます。モンゴル国とはドルノゴビ県との友好協定締結に始まりましたけれども、今やモンゴル国政府またウランバートル市との交流に発展をしております。韓国忠清南道とは友好協定締結を結ぶことができ、何と忠清南道の知事は前回の大統領候補にもなった人でございまして、そうした人的な信頼関係というものも育っております。まさに経済、教育、文化、観光等幅広い分野において交流は深化しております。
 その結果、現在の総合計画がスタートした平成二十二年と昨年の二十八年とを比べてみますとこの六年間でございますが、観光分野におきましては県内の外国人延べ宿泊者数が六十万人から百五十七万人へと二・五倍ほどの増加をいたしました。これらは海外でのプロモーション等が効いたと考えております。経済分野におきましては同じ六年間で海外事業所数が九百六十二事業所から千二百九十一事業所に三分の一の増加を見ております。これなどは海外ビジネスサポートデスクの設置が効いていると考えております。教育分野でも高校生の海外への修学旅行の推奨を初め中国浙江省との青年交流や友好交流卓球大会、モンゴル、台湾の高校生との相互交流、民間外交への積極的支援などを通じまして青少年の国際化や県民の異文化への理解の促進が図られているところでございます。
 世界が混迷している今、本県が進めてきた海外の自治体との相互の信頼関係に基づく揺るぎない交流は平和の礎づくりであるということでございますが、加えまして地域の、ひいては国の利益にもつながるという大きな意義があると考えております。いわば海外の力を借りてふじのくにの国益を伸ばすというところにも狙いがございます。
 世界に門戸を開いた取り組みを進めてきた結果、最近ではイタリアやブラジルなど従来の重点国、地域以外との交流がふえてきております。さらに新たな分野として中国浙江省とは食、健康長寿、スポーツの交流が始まったところであります。防災分野でも本県の先進的な取り組みを学ぶために台湾や中南米などから数多くの視察団が訪れ、いわば防災観光とも言える交流が広がってきております。
 このような状況を踏まえまして、新たな総合計画の策定に合わせ現在進めている地域外交基本方針の見直し作業の中で重点的に取り組む分野や交流を進める国、地域などについても検討をしているところでございます。今後、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックや二〇一九年のラグビーワールドカップなど本県の魅力を世界に向けて発信する機会が数多く控えています。本県がこれまで培ってきた海外とのネットワークを生かして観光誘客や事前キャンプの誘致、これなどは今日本のトップクラスといいますかトップを走っておりますけれども、こうしたことによりまして交流人口の拡大を一層図ってまいりたいと考えております。
 さらに、戦略的な海外需要の取り込みやマーケティング戦略に基づく海外展開を通じて地域経済を活性化する通商促進など、新たなステージでの実のある関係構築を進めてまいります。県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるように幅広い交流分野について部局横断的に緊密に連携し、積極的に地域外交を促進し国際的に一層存在感のあるふじのくにづくり、地域づくりを目指してまいります。
 次に、地方創生の推進についてのうち、真に実効性のある地方創生の取り組みについてであります。
 本県では、人口減少を克服し地方創生を実現するため、県民の皆様からのアイデアを初め県議会、県民会議、地域会議など各界各層の御意見、御提言を踏まえ美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しオール静岡で施策を展開している最中であります。
 一方、全国の各地域が工夫を凝らし特色ある地方創生に全力で取り組んでおりますが、東京圏の人口は増加の一途をたどっております。東京一極集中はむしろ加速しているのが現状で、この現状を憂いております。この現状を打破し実効性のある地方創生を進めるためには、これまで以上に効果的な施策を立案し強力に推進することが必要であります。
 しかし、大上段に振りかぶるのではなくて、例えば川根本町と連携し光ファイバー網を生かして条件不利地域とされる過疎地域にIT企業のサテライトオフィスを誘致し、川根本町における雇用や産業の創出につながりました。あるいは合計特殊出生率が県内トップの長泉町を中心に駿東郡三市三町が連携した保育料の支援をしております。あるいは神奈川・静岡県境地方創生連絡会による県境の無い観光地図の作成にも援助をしておりまして、こうした新しい発想や創意工夫による地道な取り組みも進めているところであります。
 また、進学等で東京圏等に流出した若者が故郷である本県に戻り活躍できる環境づくりが極めて重要であります。誰もが活躍できる多様な雇用の場の創出、静岡U・Iターン就職サポートセンター、しずおか就職ネットなどを通じた企業情報の発信、県外の十六大学との就職支援のための協定による県内企業への学生インターンの受け入れなどに取り組んでおります。これは議員の御指摘のとおり、情報戦略が極めてこれらの施策が奏功するかどうかの鍵であると考えております。
 それと同時に若者がテーマであります。我々は次代を担う若者たちによる県民会議を組織しておりますが、この若者たちからいただく若者が望む社会のあり方に関する意見を施策に反映させていくほか、地方創生に関する包括連携協定を締結した民間企業を初め多様な主体から現場に即したアイデアを伺いながら実効性のある施策の推進に努めてまいろうと考えております。
 地方創生の実現には静岡県の個性を最大限に活用した独自性のある取り組みが重要です。これまで以上に新しい国づくり、地方創生の先導役を担うという気概と使命感を持ち、志を同じくする県外地域との連携も見据えながら、国土のシンボル富士山を擁する本県の地に誰もが希望を持ち、みずからの夢を実現して物心ともに幸せを実感できるドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点、世界に誇れるふじのくにを築くべく全力で邁進してまいります。
 次に、危機管理行政についてのうち、命を守る危機管理の充実についてであります。
 本県では、東海地震説が提唱されて以降四十年以上にわたり地震対策等を進め、大規模な災害などが起こるごとにこれを教訓として対策の充実や拡充を図り県民の生命財産を守るためにさまざまな施策を実施してまいりました。南海トラフ巨大地震が想定内になりまして、今それにかかわる大震法の審議が行われておりますけれども、この会議におきましても我々の知見が役立っているということを実感しているところであります。
 私は、知事就任直後の地震以来、これは平成二十一年八月十一日のことでございますが、その地震以来防災対策の必要性を痛感し県政の最重要課題として危機管理を掲げてまいりました。このたびの選挙の政策ビジョンにおきましても、基本理念である富国有徳の基盤は命を守る危機管理体制の充実であるとしたところでございます。現在世界一安全・安心な地域づくりを進めるために地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を着実に推進しているところでございまして、今後も平成三十四年度までに想定される犠牲者を八割減らすとする目標の達成に向けて全力で取り組んでまいります。新たな災害等による知見が得られた際には、迅速に対策の見直しを図るなど県全体の災害対応能力の向上を強力に推進してまいります。
 また、御指摘の国際的な行事であるラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの開催に向けましては、国と連携したテロ対策訓練として昨年十一月にベロドロームでのテロ事案発生を想定した図上訓練を実施いたしました。今年度はエコパスタジアムでの実動訓練を予定しております。さらに先月には弾道ミサイルの発射時を想定いたしまして下田市を会場に住民避難訓練を行いました。等々さまざまな事案への対応能力の強化に努めているところでございます。
 県としましては、多様な危機事案に対し迅速、的確に対応できるよう事案発生時には国、警察、消防などの関係機関と十分に連携するとともに、平時には訓練を重ね自衛隊等と顔の見える関係を築くことによる受援体制の強化、市町の危機管理能力の向上のための支援などにより万全な危機管理体制の構築に努めてまいります。
 さらに、県民の安全な生活を確保するためには防犯や治安の視点も大事であります。そこで警察本部とも連携をとりながら、命を守る安全な地域づくりに取り組んでまいります。
 次に、食を活用した本県の海外戦略についてであります。
 県は、本年二月に本県農林水産物の販路拡大を図るため市場を明確にいたしました。県内市場、国内市場、海外市場であります。それぞれに対しまして県内戦略、国内戦略、海外戦略と、県産品のブランド力を強化する横断的戦略から成るふじのくにマーケティング戦略を取りまとめたところでございます。本県が強みを持つのは、私は価格もさることながら品質であるというふうに考えております。御指摘のGI、地理的表示も品質が高いということが原点になって地理的表示の許可を賜ったというふうに考えております。
 特に海外戦略におきましては、強みを持つ農芸品としましてお茶、ワサビ、温室メロンの三つを重点品目と位置づけ、お茶は米国やEUを、ワサビと温室メロンはアジア地域を中心に販路を拡大するということにいたしました。海外市場への販路拡大を進めるためには、県産品を海外で販売する意欲を持った事業者の商品力と販売力を高める商社機能の強化が必要です。
 このため、今年度から新たに県産品海外販路拡大チャレンジ事業といたしまして、みずからマーケティング調査とそれに基づいた商品選定を行った上で仕入れから流通、海外での商談、販売により販路拡大を図るチャレンジプランを実施する事業者に対して支援をいたします。まさに原料供給地から販路まで一体的に捉えるということで、それをやってくださる事業者に支援をするということでございます。この事業ではマーケティング・アドバイザリー委員会を設置いたしまして、各分野の専門家から販路拡大の取り組みに対してアドバイスをすることにしております。こうした取り組みを積み重ねることで、将来的には本事業により成長した事業者を核に県産品の海外輸出の商社機能を担うプラットホームを構築し、県産品の流通販売ルートの拡大を図っていきたいと考えております。
 県としましては、沖縄県物産公社というのがございます。そこはアジア地域を中心にイチゴやサツマイモなどの輸出拡大に実績がありイチゴについては本県の産品を扱っていただいておりますが、今回のチャレンジ事業の実施によって生まれるさまざまな流通ルートを活用しましてマーケットインすなわち販売市場の研究をすると、需要構造、市場構造の研究をするということでございますが、その考えのもとで本県の高品質な農林水産物の海外販路を拡大していこうと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(山田 誠君) 佐藤県理事。
       (静岡県理事 佐藤典生君登壇)
○静岡県理事(佐藤典生君) 知事の政治姿勢についてのうち、次期総合計画における圏域づくりの方向性についてお答えいたします。
 ふじのくにを支える地域づくりを進めるためには、県と関係市町が地域づくりの方向性を共有し連携を図りながら取り組みを推進することが重要であることから、後期アクションプランでは都市機能の集積メリット等を考慮した五つの地域圏を設定し市町と連携して世界レベルの魅力を備えた地域づくりに取り組んでおります。
 一方、人口減少の進行や超高齢社会の到来など地域を取り巻く環境が大きく変化する中、持続可能な行政サービスを提供するためにはこれまで以上に市町間のさまざまな形での連携の重要性が高まっております。県内においても連携中枢都市圏や連携協約などの制度を活用した取り組みや東部地域三市三町の連携による子育て支援、観光振興における地域別DMOの形成など地域の実情に応じた多様な広域連携が進められており、今後は中部横断自動車道の開通を踏まえた山梨、長野県との連携を初め県境を越えた広域的な連携も重要となってまいります。
 次期総合計画の策定に当たり、こうした地域連携の実情を十分に考慮した上で圏域の設定の考え方を明らかにし、各地域の特色や課題を踏まえた地域の将来像などについて市町や地域住民の皆様からさまざまな御意見をいただきながら議論を深め、将来にわたって安心して物心ともに豊かに暮らすことのできる圏域づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 地方創生の推進についてのうち、移住・定住促進についてお答えをいたします。
 平成二十七年四月に設置いたしましたふじのくにに住みかえる推進本部は、市町、地域団体、企業など八十九団体へと構成員が拡大し、官民一体となって情報発信、相談対応、受け入れ体制の充実の三本を柱として取り組んでおります。
 首都圏から近く温暖な本県は、移住先としてセカンドライフ希望者の人気が根強くあります。最近では二十代から四十代の相談者が増加しており、本県の地域ごとに有する歴史や文化、自然環境、産業集積の魅力に加え仕事や住まいに関する情報や相談者の年代、希望に応じたより丁寧な対応などが重要となってきております。
 このため、東京有楽町の移住相談センターにおける就職情報の充実、年二十回程度開催しています本県の移住相談会などでの転職相談の実施、さらには産業人材の確保事業との連携などを進めてまいります。また住まいについては生活と自然が調和し景観に配慮した豊かな暮らし空間創生住宅地の拡大や人気の高い古民家情報などを提供する空き家バンクなどを強化してまいります。
 現在静岡県は、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の放映によりまして西部地域を中心に注目を集めており全国にPRする好機でありますことから、新たに東京で県内全ての市町が参加予定の移住相談会を開催するとともに、西部地域を念頭に名古屋市や大阪市で開催される全国移住フェアへ出展するなど情報発信を強化してまいります。
 県といたしましては、市町や団体、企業などと連携し移住希望者一人一人の意向にきめ細かく対応しながら、「移ってよし 住んでよし 働いてよし」の本県への移住促進を積極的に進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 危機管理行政についてのうち、全国に先駆けた静岡モデルの防潮堤整備についてお答えいたします。
 本県は、津波の到達が早い沿岸低平地に人口、資産が集中していることから、レベルワンを超える津波に対してもできる限り津波の侵入を防ぐ、いわゆる静岡モデルの防潮堤整備を推進することとし、地域との合意形成や国、県、市町の役割分担などが整った地域から順次整備に着手しております。
 中東遠地域では、塩害等により枯れた海岸防災林において市が盛り土を行いその上に県が治山事業により防災林を再整備するふじのくに森の防潮堤づくりを進めており、今年度から県の予算を大幅に増額して事業進捗を図っております。また志太榛原地域の駿河海岸では、国が行う粘り強い構造の防潮堤整備と連携し市町が防潮堤と一体となる盛り土及び樹林帯の整備に取り組んでおります。県ではコストを要する盛り土材の確保について県発注工事による残土を可能な限り提供するなど市町の負担軽減を図っているほか、整備した施設の法的な位置づけや管理上の役割分担に関する国との調整にも主導的に取り組み、市町を支援しているところであります。
 県といたしましては、引き続き国、県、市町で構成する静岡モデル推進検討会において事業実施における諸課題の解決を図ることにより先進的な取り組みである静岡モデルによる津波対策を推進し安全で安心な県土づくりに努めてまいります。
 次に、持続可能な公共事業の推進についてであります。
 安全・安心で魅力ある県土づくりを実現するためには、社会資本の老朽化による維持管理経費の増大や将来の担い手不足など公共事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、社会資本を着実に整備し維持管理していくことが重要であります。
 このため県では、施設の維持管理や更新を戦略的に推進するため、予防保全の考え方を取り入れた中長期管理計画を策定し長寿命化を図るとともに、新たな整備に当たっても計画段階から将来的なメンテナンスを考慮した設計とすることによりライフサイクルコスト全体の低減を図り、効果的、効率的な事業への選択と集中を徹底してまいります。また将来の担い手不足に対してはICT技術の導入や新技術の活用を促進するなど生産性向上を図るとともに、現場体験会の開催やSNSを活用した情報発信などにより建設産業の魅力ややりがいを広くかつ戦略的にPRしてイメージアップに官民を挙げて取り組んでいるところであります。
 県といたしましては、社会経済情勢が大きく変化する中、既存インフラを適切に管理し最大限に活用するとともに、道路事業におけます事業着手準備制度の導入や津波対策における地区協議会開催などにより県民や市町、民間など多様な主体との連携をより一層強化し未来に向けて持続可能な社会基盤づくりに積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 総合的ながん対策の推進についてお答えいたします。
 県では、これまでも第二次静岡県がん対策推進計画に基づき、がん検診の受診促進を初めたばこ対策や生活習慣の改善や県内どこにいても専門的ながん治療が受けられる医療体制の整備など、がんの予防やがんに罹患した方々のさまざまな状況に応じた総合的な対策を行っております。
 がん対策には早期に発見し治療につなげることが重要であることから、現在課題ともなっております乳がん及び子宮頸がんの検診受診率の向上を目指して女性のプロジェクトチームによる受診啓発を行うとともに、がん検診の質の向上に向けたがん検診精度管理委員会を設置し多くの県民の方々が早期発見、早期治療が行える環境を整えるなど、がん対策の強化についても取り組んでいるところでございます。また今年度は第三次がん対策推進計画を策定し、これまでの総合的ながん対策に加え世代に応じた適切な対策やがんゲノム医療などの新たな取り組みを進めることとし、一人でも多くの方ががんを克服できるように努めてまいります。
 県といたしましては、今後も健康寿命の延伸にも寄与できるように日常生活におけるさまざまながん予防の取り組みや適切ながん治療を提供する医療環境の整備など総合的ながん対策を進め、全ての県民が生涯にわたって健やかに安心して暮らせるふじのくにづくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 観光立県しずおかの実現に向けた今後の方向性についてお答えいたします。
 人口減少が今後一層進んでいくことが見込まれる中、県勢を発展させていくためには観光分野においても旺盛なインバウンド需要の取り込みなど交流人口の一層の拡大とともに、移住・定住の増加にも寄与する「住んでよし 訪れてよし」の理想郷の実現に向けた取り組みが必要となっております。そのためには住民みずからが地域の魅力を実感できる地域ぐるみの観光地域づくりの推進が重要であります。
 このため、県におきましては県内各地で設置に向けた動きが進んでいるDMOを核として観光業を初め農林水産業、商工業など地域の多様な関係者の連携による持続的な推進体制が構築されるよう積極的に支援してまいります。さらに来訪される方々が本県のファンとなり住んでみたいと思っていただけるようマーケティングに基づき各地域の観光資源を一層磨き上げ価値を高め、静岡県ならではの高品質な体験を提供していくことで何度も訪れたくなる旅行目的地としてのブランド力を高めてまいります。
 県といたしましては、住民の地域への誇りと愛着の醸成や旅行者の満足度の向上などこころの豊かさと、地域の稼ぐ力の向上を通じた所得や雇用の増加などの経済的豊かさを実現することで住民、旅行者、観光事業者など全ての方々が幸せになる観光立県しずおかの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 渡辺経済産業部長。
       (経済産業部長 渡辺吉章君登壇)
○経済産業部長(渡辺吉章君) ものづくり県静岡の再生に向けた次世代産業の育成についてお答えいたします。
 県は、本県経済を持続的に発展させるために本年二月に策定した産業成長戦略二〇一七に基づき官民が一体となって次世代産業の創出に取り組んでおります。
 具体的には、ファルマ、フーズ、フォトンの三つの産業集積プロジェクトをさらに推進するためにプロジェクトを実行する支援機関の機能強化を図ることとし、本年四月に浜松地域イノベーション推進機構にフォトンバレーセンターを新設したほか、専門性の高い事業を機動的に行えるよう静岡県産業振興財団からファルマバレーセンターを独立させ新法人を設立いたします。さらに次世代自動車、航空機、CNF、先端農業などの成長分野に関するプロジェクトを積極的に進め、技術相談から研究開発、販路開拓までの一貫した支援や産業技術総合研究所が有する高度な技術シーズを活用した先端企業の育成事業などを通じ地域企業の成長産業分野への参入促進を図ってまいります。
 県といたしましては、本県企業が高い技術力を生かし成長分野に果敢に挑戦することに対しこれまで以上に積極的に支援し静岡県の未来を見据えた次世代産業の創出に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 教育行政についてのうち、教員の多忙化対策についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、教員の多忙化解消は早急に取り組むべき優先的な課題と認識しており、平成二十八年度から校種別にモデル校を指定し新たな取り組みを実施してまいりました。
 小中学校を対象とした未来の学校「夢」プロジェクトでは、各学校に取り組みの推進組織を設置し加配教員やスクールカウンセラー等を配置するとともに業務の見直しや退勤時刻の設定などの取り組みを実施いたしました。その結果業務の効率化や教員の時間管理意識の向上が図られました。しかし、さらに効果を高めるためには保護者や地域と連携した取り組みが必要であると考えております。
 また、高校や特別支援学校においては退勤時刻の設定やICTを活用した効率的な業務の推進、会議の開催回数の減少など学校の実情に応じた取り組みを実施したところ勤務時間外に従事した時間数や業務量、負担感が減少するなどの成果が出ております。
 これらの取り組みをさらに進め、また実効性のある取り組み事例を全ての学校で共有化するとともに、特に従事する時間が長い部活動については今年度休養日や活動時間等を内容としたガイドラインを策定し適切に運用するよう指導してまいります。
 今後とも県教育委員会といたしましては、保護者を初め県民の皆様の御理解を得ながら学校現場の教員がよりよい勤務環境の中で働くことができるよう多忙化解消に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、幼児教育の推進についてであります。
 県教育委員会が昨年実施した調査では、多くの幼児教育施設が小学校入学への準備を意識したプログラムに取り組んでおり、またほとんどの小学校が新生活になれない児童に配慮した教育を行っていると回答しているものの、小一プロブレムを抱える児童のいる小学校が五四%に上るとの結果が出ております。この背景には幼児教育施設において集団生活になじめないなどの課題を抱える子供への対応が難しいことに加え施設ごとに対応にばらつきがあり、一方小学校においては児童に関する就学前の情報が十分に得られず児童が持っている能力を引き出すまでに時間を要していることが考えられます。
 このため、県教育委員会では地域の幼児教育施設と小学校が一堂に会する場に幼児教育専門員を派遣しお互いの教育、保育の状況に係る理解や一層の連携を促進しております。特にモデル地区である賀茂地域には専任のアドバイザーを常駐させ幼児教育施設や小学校を個別に訪問し助言、指導を行うとともに、校種間の連絡会等を通じて情報の共有を進めております。
 また、幼児期から小学校への円滑な接続ができるよう入学前から小学一年生を対象とした静岡県版モデルカリキュラムを作成し現場への周知を図っていくこととしているほか、保護者の子育てに関する不安解消のため気軽に情報を得られるスマートフォン向けのアプリを開発し広報に努めているところであります。
 幼少期は人間形成にとって極めて大切な時期であります。県教育委員会といたしましては、今後も幼児教育センターを中心に小一プロブレムの解消に向け幼児教育と小学校教育の円滑な接続体制の整備に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) サイバー空間の脅威への対処についてお答えいたします。
 サイバー空間の脅威は日々深刻化していることから、県警察では一昨年サイバー犯罪対策課を新設し、本年四月にはその体制を増強したところであります。昨年四月には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会等の開催を見据え静岡県警察サイバーセキュリティ戦略推進要綱を策定し、これに基づいて取り組みを推進しているところであります。
 主な取り組みとしては、サイバー犯罪捜査検定制度に基づき警察職員個々の対処能力の底上げを図っているほか、サイバー犯罪捜査の即戦力となり得る情報処理国家試験の有資格者、システムエンジニア経験者等を警察官として採用しております。また捜査員を最先端の情報セキュリティー技術を有する民間企業に派遣し先端技術を習得させるなど、より高度な能力を備えた捜査員の育成に努めているところであります。
 さらに、県内の情報通信事業者等で構成するNPO法人ふじのくに情報ネットワーク機構との間でサイバー犯罪捜査の協力等に関する協定を締結するとともに、サイバー犯罪のうち特に専門的かつ高度な技術を要するものに的確に対処するためテクニカルアドバイザーとして委嘱した専門家の高い知見を活用した共同対処を推進しているところであります。これらに加え平成二十二年に設立した静岡県サイバーテロ対策協議会を通じて電力、ガス、金融等の重要インフラ事業者との情報共有を図っているほか、セキュリティー対策の脆弱性が懸念される中小企業等を対象にサイバーセキュリティー研修会を開催し最新の脅威への対処方法等の共有に努めています。さらに県民の皆様に対しては、県警ホームページ上でセキュリティー情報を掲載し注意喚起を図るなど、被害の未然防止と拡大防止に向けた取り組みの拡充に努めているところであります。
 県警察といたしましては、さらに官民連携を深化させるとともに、警察の総合力を発揮してサイバー空間の脅威に対する取り組みを推進してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 岡本 護君。
       (六十四番 岡本 護君登壇)
○六十四番(岡本 護君) ただいま、大変丁寧な御答弁をいただきました。
 そこで、要望一点と再質問を一点させていただきたいと思います。
 まず要望ですが、これは知事の政治姿勢のうち、実は選挙期間中に愛知県知事がこちらに出向かれまして、その時点で地域連携について触れられておりました。その後会見におきましても知事のほうから、いわゆる地域住民ファーストの政治をやるべきじゃないかとこんな発言をされておりました。したがって今後の一つの課題として、行政の長としてこれから行政のいわゆる運営、効率的な運営がそこで見込まれるならばここは慎重な中にもまた大胆に検討してもいいんじゃないだろうか、こんなことを思いますのでここはぜひ検討されるように要望しておきたいと思います。
 さて、一点の再質問ですが、地方創生の推進のうち真に実効性のある地方創生についての中の、今あらゆる各方面からの御答弁もいただきました。大変幅の広いそしてまた今までなかったような項目も入っていると思います。しかしもっと幅の広い実はアイデアといいましょうか、もっとユニークなものがあってもいいような気がするんですね。これはやはり仕事ですからもちろん真剣に真面目に取り組まなきゃいけませんが、しかし同時にそのアイデア等の中にはもっともっとおもしろいものというとおかしいかもしれませんが、そういう分野があってもいいんじゃないだろうか。こんなことから実は私は前々から考えていましたように、この静岡県にいわゆる静岡版イグノーベル賞を創設してはいかがかと、こう思ってるんです。イグノーベル賞は細かく説明するまでもないと思いますが、一九九一年にスタートした内容でノーベル賞のもう一方のノーベル賞と言われることであります。これはつまりおもしろいことだとか考えさせるようなこと、こういったものに対する賞でございまして、こういうものを設けることによって全国のみならず世界各国からそれぞれのアイデアをいただくということと同時に我が静岡県がやはり世界に注目される一つのいってみれば材料にもなるのではないか、こんな思いを持っておりますのでぜひイグノーベル賞静岡版をつくられたらどうだろうかと、こんな思いを持っていますので改めて御所見をお伺いしたいと思います。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 佐藤県理事。
○静岡県理事(佐藤典生君) 真に実効性ある地方創生の取り組みについての再質問にお答えいたします。
 今、イグノーベル賞の静岡版ということで御提案をいただいております。政策をより実効性の高いものにするためには幅広い意見、提案をいただき、それを施策にしっかりと反映していくことが重要であります。従来の枠組みにとらわれない、物の見方を変える、発想を転換する、そのような提案、意見も生かしていきたいというふうに考えております。議員の御提案を参考にさせていただき、真に実効性ある地方創生に努めていきたいと考えております。以上であります。
○副議長(山田 誠君) これで岡本護君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

○副議長(山田 誠君) 次会の議事日程を申し上げます。
 七月十九日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会いたします。

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