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本会議会議録

答弁文書

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平成23年6月静岡県議会定例会

小長井 由雄 議員(民主党・ふじのくに県議団)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:06/30/2011番目)
答 弁 者知事(再質問)


    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 浜岡原発にかかわることについての再質問、ありがとうございます。
     本県の最高顧問でございます梅原猛先生が同時にまた復興構想会議における最高顧問という職責を担われまして、そして第一回の復興構想会議において、原発問題は議論をしないという政府案に対して憤りを示されて、結果的に原発問題もあわせて考えるということになったのは御案内のとおりでございます。そして、梅原先生の哲学はこの原子力事故というものを文明災としてとらえ、日本におきましてはいわば空海の思想にのっとって、五大に響きありと言われるように、火とか風とか土とか水とか、さらに空――そらですね――そうしたところからエネルギーを得るという、そういう思想にのっとってエネルギーを考えるべきであると、こういうお考えであると存じまして私も深く共感をいたしております。そうした中におきまして、ただ空海の思想に基づきまして浜岡の原発をすぐにどうするということはできません。どうしても我々は科学的また技術的な最先進国でございますので、それに基づかなければならないというふうに思っております。
     そうしたことから、有馬先生という文化勲章を受章せられた原子核における最高権威のお一人ほか、その方面における専門家をお招きをいたしまして、浜岡原発の安全性について科学的、技術的観点から御検討をいただくということでございます。目下、これまでのところは原子力安全・保安院というのが、こうした科学的、技術的チェックにおける最高のよりどころであったと、最後のよりどころであったということでございました。先ほど小林危機管理監からも御答弁申しましたように、八月十一日の――八・一一のあの地震の後、低速度層というものが原因で五号機にのみ高いガル数を記録したと。これについてバックチェックを保安院がするということでございますが、その保安院が現在の福島第一原発においてしていることは東電の後追いでしかないということで、日本における事故のチェックと、あるいは原子力のチェックについて、三つございますね、原子力安全委員会それからこの保安院それから原子力委員会というものがございます。その原子力委員会の下に四十人ほどの作業員がいるということでございます。この間、辞任せられた東大の小佐古先生だったでしょうか――も、その作業員のお一人で、いわゆる文字どおりの専門家でございます。そのどこに一体責任があるのかわからないというのがアメリカ側の指摘でございました。
     アメリカにおきましては、御承知のように原子力規制委員会というのがございます。ニュークリア・レギュレートリー・コミッションというのがございまして、NRCとして知られていますが、そこのカウンターパートである日本がどこなのかわからないということがわかったわけです。そして実態としては事故については東電だけが責任を負って――責任といいますか、修復作業を今しておって保安院はその後追いをしているというのが今の実態ですから、もしこちらで事故が起こった場合には一体どこが最終的には責任を持つかというと、中電ということになります。しからば中電は東電よりも技術的、科学的なレベルが高いのかというとそれほど変わらないと思います。したがって、この点につきましては、私どもは日本における科学技術者の最高の英知をしっかりと集めて、これを見たいというふうに思っているわけです。ですから、保安院だから安心だというふうには全く思っておりません。第一、三年後に保安院が今のままで存在しているはずがありません。既に世界における原子力の最高機関でございます、そこにおいて日本の保安院というものを現在の経産省のところから独立させるということを明言しているわけですから、これは国際公約になりましたので、したがって、真にどのようなNRCに匹敵するようなものができるかどうかということが、これからの課題ではないかと。言いかえますと、チェックというものについてはいわば我々はスタートラインに立っていると言っていいと。もし事故が起こった場合に、だれが一体それを修復できるかといったときに、まだきちっとしたチームすらできていないというのが実態ではないか。
     したがって、この点については私は今のバックチェックが終わったら「はい、よろしい」というふうには到底言えないと。どこかの知事さんが「国が安全と言っているので安全です」と。「その国のどこが言ってるんですか」、「保安院です」と。保安院は既にその権威を喪失していると。したがって、それが安全性の担保にはならないということになるわけでございます。
     第二に、それと関係しますけれども、砂丘について御質問がございました。あの砂丘は浜岡原発の水谷所長によれば、七千年間安定した砂丘であると。しかし現場をごらんになりますと、そういう立派な砂丘が、そこの上に植物が生えております。その前に真っ白な砂浜があります。その向こうに海があって、その向こうにテトラポットがあると。じゃ、その真っ白な砂浜はなぜあるんですかと。それは彼らが入れたからです。砂がどんどんどんどんと削られるので取っては入れ、取っては入れ足したと。そうすると津波が来ますと、その砂は少なくとも巻き上げられて、もし防潮壁を越えたとすれば、砂と海水が一緒に入ってくることになります。そうした、かえって彼らがしたことが、その砂丘の人工的砂丘の部分が実際は危険であるということにもなっておって、そこも安心できないということでございます。今さらそれを取るといっても大変な作業であると存じます。
     それから五号機でございますが、五号機は一号機から五号機の中で一番新しいものです。一、二号機は一九七六年、七八年に稼働いたしました。それはまだ東海地震説というものが出たばかりでしたので、これはその想定東海地震に対して耐えられないということで廃炉になる運命はそのときからあったと思います。しかし、まだいわゆる使用済み核燃料が一号機と二号機、特に二号機に一千体以上あります。どうするのかと。そうすると、今回福島第一原発におきまして、一号機から四号機のうち一号機から三号機は稼働していました。四号機は稼働していませんでした。しかしながら一号機が十二日に爆発し三号機が十四日に爆発し、その間に四号機が火災を起こしたと。これはプールのところをやられたと言われていますけれども、これも水素爆発の可能性があるというふうに言われております。そうしますと、こういう使用済み核燃料も崩壊熱を出しておりますから、その冷却に失敗をいたしますと水素爆発になり得るということでございますね。
     実際上、一号機から四号機まで大小の違いはありますけれども、みな水素爆発の可能性が非常に高い。水素爆発が起こりますと、必ず放射能が出ます。ですからこの今とまっておりますけれども、とまっているから安心だというふうには言えないと。そしてこれが津波によってやられる場合もありますし、また地震によって、例えば配管の――沿岸から数百メートルのところに海の水を取り入れる取水口があります――そのパイプがやられてしまうと、仮に電源がすべてあっても、そもそも水が来ませんので冷却機能が失われるので、これは冷却ができなくなって事故になると。しからば電源が今までは一階に置かれていたと。これを二十五メートルの丘の上に置くということであったんですが、それで私はある程度安心かと思っておりましたらば、三、四、五の屋上に置くと。それじゃ今までどうして屋上に置いてなかったんでしょうか。屋上に置いておくと、もし大きな揺れがあったときにその発電機が使えなくなる、故障するからです。だから一階に置いてあったわけです。だから置けばいいというものでもないと。しかし置かないと、つまり臨時の、緊急のときの発電機がないとだめだということで、一番近接した屋上に置いていますが、それがそもそも安全といえるかどうかというふうに言えばですね、置かなかった理由がそういうことでございましたから、必ずしもそれでもって安全だとは言えないと。一つ一つ、論理的といいますか、実態に即して問題を立てていきますと不分明なところが出てくるわけです。
     そして最後にコストの面を言われましたが、この使用済み核燃料は六カ所村がもう受け付けてくれない可能性が非常に高いと。そうすると、これは定期点検というのは点検の名を冠した燃料棒の入れかえでございます。したがって、点検があるごとに今まで使われていた燃料棒を出して新しいものを入れるということでその都度使用済み核燃料というものがふえるわけです。これはふえ続けてきました。これがまた厄介な問題で、そのコストをどうするかということについて果たして議論したことがあったかというと、ないということがわかった。これが今の実態でもございます。そうすると、私どもはこの浜岡原発を今停止している状態の中で、そのいわば検体といいますか、分析対象はそこにあるわけですから、それをいろいろな観点から分析することができます。一つは理工学的観点、すなわち科学技術における分析で、それが今、有馬先生を顧問としてなされているところの防災学術会議です。一方……
    ○副議長(鈴木洋佑君) 知事に申し上げます。答弁は簡潔に願います。
    ○知事(川勝平太君) しかし、これはとても重要なことなのであえて申し上げますが、もう一つ、これは経済合理的という観点からも考えねばなりません。すなわち電力の安定供給ということは経済的、合理的観点からこれが一番いいと言われている。しかしながら本当に経済的、合理的にこれが安心で安全なものなのかというふうに言えるかどうか。これは社会科学的な観点からもしなくてはなりません。したがって、コスト面におきましてはこういう有馬先生ほかの自然科学的な形ではなくて、いわば経済学者とか、政策担当者とか、そういう人たちの委員会もあわせて持たねばならないと。我々は天の恵みとしてこの研究対象を与えられたということで、総合的に分析をするという決意をしております。以上でございます。時間超過して失礼しました。

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