• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

池谷 晴一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/23/2007

会派名:

KEN−MIN


質疑・質問事項:

1 県東部北駿地区の市町合併について  
2 F1日本グランプリについて  
 (1) 交通対策   
  ア 道路整備  
  イ JR御殿場線の利便性向上   
 (2) 世界に発信する地域振興策   
3 公共交通施策と都市計画制度について   
4 富士山の火山防災対策について   
5 富士箱根伊豆交流圏への外国人観光客誘致について   
6 これからのまちづくりについて   
 (1) 都市計画法の運用   
 (2) 市街化調整区域の持続的発展   
7 ハンセン病に係る施策について   
8 教育行政について   
 (1) 学校部活動の活性化   
 (2) 学校評議員制度   
 (3) 生涯学習の推進施策



    ○議長 (芦川清司君)  これで大石哲司君の質問は終わりました。
     次に、九番 池谷晴一君。
            (九番 池谷晴一君登壇 拍手)
    ○九番 (池谷晴一君)  私は会派KEN−MIN所属議員として当面する県政の諸課題につきまして、知事及び関係部局長並びに教育長に質問いたします。
     まず、県東部北駿地区の市町合併についてでありますが、県市町村合併推進審議会において中核市を目指す東部三市三町の枠組みについて答申がなされました。しかしながら通勤、通学等生活に密着した指標や交通基盤から生活圏の一体性が見られるとしたこの組み合わせは、北駿地区――御殿場市、小山町、そして裾野市の各市町長の公式発言で否定されています。それは北駿地区が抱える東富士演習場、米軍キャンプ富士、富士山ナンバーなどの課題や山梨県、神奈川県とのさまざまな交流、そして、駿東郡としてかつて同じ枠組みの中で刻まれた歴史や本質的生活圏を考慮せずに、東部三市三町と御殿場市、小山町を切り離した枠組みを示したことにも要因があると考えます。
     極論を言えば、この地区は富士山と箱根、芦ノ湖、そして首都圏を結ぶ結節点に位置しており、過去の歴史や本審議会答申に示された指標、すなわち生活の密着性、交通基盤からの生活圏の一体性から判断すると、神奈川県箱根町や山梨県山中湖村等も取り込んだ広域合併が検討されてもおかしくない地域であり、例えば日本じゅうに多大なインパクトを与えるでありましょう「富士・箱根市」などのネーミングも似合う地域ということもあると思います。
     東部地区の拠点都市創造、都市機能の充実のための合併という方向性は否定しませんが、順序を誤った性急な対応は失敗を招くと思います。示された枠組みに基づく合併構想について住民説明会などを通じて意見を聞くという総務委員会における答弁もありましたが、答申に異議を表明している北駿地区の市町長は既に示された枠組みがおかしい、言いかえれば、もっと違う住民が理解できる枠組みがある、すなわち北駿地区に南駿を加えた二十万都市――特例市づくりが先と言っているわけであります。
     改めて県東部北駿地区の合併の枠組みに対する関係市町の理解が進まない要因をどうとらえておられるのか御所見を伺うとともに、住民に理解され支持される枠組みに対する対応、言いかえますと答申に沿わない合併への対応について知事に伺います。
     さらに合併新法において、知事が市町村合併構想を作成し合併協議会の設置や協議の推進を勧告できることとなっていますが、この勧告への対応について伺います。
     次に、F1日本グランプリについてであります。
    F1グランプリはシーズンを通して世界十数カ国を転戦する世界選手権レースで、二〇〇六年は三月のバーレーンから十月のブラジルまで世界十六カ国で全十八戦が開催されました。そして、この模様は世界約百七十カ国でテレビ放映され、年間で延べ約二十八億人が視聴している人気スポーツであります。
     この日本グランプリは今まで鈴鹿で開催されていたものが、本年九月二十八日から三十日まで富士スピードウェイ――コース全長四千五百六十三メートル、レース距離三百キロメートルで開催されることとなりました。三日間のレースで約二十八万人、最終日には十四万人が来場すると予想されており、このチケットは鉄道及び指定駐車場と無料シャトルバスとのセット、あるいはツアーバスなど交通手段とセットのチケット・アンド・ライド方式で、四月二日から販売されることとなっていますが、この間当地域の交通は麻痺状態となり、地域経済活動は停止、生活道路も遮断される状況が想定されています。
     知事は本レースの名誉総裁となりましたが、この交通対策は重要課題であり、お考えを伺いたいと思います。
     まず、道路交通面では東名高速、中央自動車道、国道、県道、市町道との有機的連結、さらに足柄サービスエリアへのスマートインターチェンジ設置等、交通網の再構築及び緊急道路整備も必要と考えますが、御所見を伺います。
     また、公共交通面からはJR御殿場線の輸送力増強、利便性向上対策が必要であると思います。県東部地域は首都圏からのアクセスにすぐれていると言われますが、南北の交通軸は脆弱で結束が悪く、とりわけ鉄道路線であるJR御殿場線は電車運行本数が少なく首都圏と有効に結ばれていません。
     そこで、これまでも県東部及び神奈川県西部の各市町はJRや国土交通省などに陳情を繰り返しているところでありますが、今回のF1日本グランプリを契機に、県としても関係市町と連携しJR御殿場線の輸送力増強、利便性向上に積極的に取り組む必要があると考えますが、御所見を伺います。
     一方、本レースは自動車のワールドカップとも言える世界的なスポーツイベントであります。モナコグランプリのように地域ブランドとして静岡県、そして富士山静岡空港を世界に発信できる絶好のチャンスととらえることもできます。本レースを核とした地域振興策にどのように取り組むのか伺います。
     次に、公共交通施策と都市計画制度についてであります。
     一昨年二月の京都議定書の発効により、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や弗素等温室効果ガスの排出量について、日本においては一九九〇年比六%の削減を二〇一二年までに行うこととなっていますが、環境省は昨年十月に二〇〇五年度の温室効果ガスの総排出量が一九九〇年比プラス八・一%になったと発表し、増加傾向に歯どめがかかっていない状況が明らかとなりました。
     このような状況を打開するためには環境に優しい車の開発、普及はもちろんですが、自動車交通重視施策から電車、バス等公共交通重視施策への転換が必要であると考えます。現在、国道から市町村道まで都市計画決定され、道路交通網の将来計画を国、地方が策定していますが、なぜ一方の交通手段である鉄道やバス路線等が都市計画決定されないのか疑問があります。
     公共交通事業は民間事業者が国土交通省の認可を得て実施している現状でありますが、このようないわば受動的、民間任せ、利益優先の公共交通制度を国そして地方がコントロールする制度に転換する必要があると考えます。公共交通については路線や運行本数等を都市計画決定し網をかけてから、PFIや指定管理者制度的な手法により民間事業者の参入を行うというような形で国、地方がリードするという制度が確立されなければ、いつまでたっても都市計画上、また環境保全上、地域振興上必要であっても必要な鉄道駅もできず、電車運行本数も増加せず、また適切なバス路線網なども構築できません。
     パーソントリップ調査がどの程度具体的に都市計画や交通施策等に反映されているのか疑問がありますが、この調査に若干の工夫を加えれば企業や個人の自動車保有台数、勤務先、通学先、手段、トリップ経路等のデータをもとに都市間の流出入の状況を把握した上、公共交通への移行、パーク・アンド・ライド方式の導入についてシミュレーションできると考えます。そして、これらをもとに国、地方みずから道路と公共交通を一体化した都市計画決定が行われるように都市計画制度そのものを見直し、そのレールに沿って各自治体の主導権のもと都市計画事業として事業化していくという法的なスキームも検討すべきであると思います。知事の御所見を伺います。
     次に、富士山の火山防災対策についてであります。
     国は、世界文化遺産暫定リスト追加候補に富士山を選定しました。富士山は人々が信仰や芸術の対象として畏敬の念と身近な親しみを共有する日本の象徴であり、世界文化遺産にふさわしいものであると思います。富士山のふもとに暮らす地元の皆様との連携調整を的確に図り、課題を解決しつつ、本登録に向けた県の一層の努力を期待するものであります。しかしながら、一方富士山は過去に大きな噴火を繰り返しいつかは噴火する可能性を持っている活火山であり、地下のマグマの動きと思われるごく小規模な地震も観測されています。
     ことしは富士山中腹の宝永噴火が起きて三百年目となります。宝永四年――西暦一七〇七年十一月二十三日の昼前に始まったこの噴火は十二月九日まで十六日間にわたって続き、地元では火山灰が二メートル積もり火山弾による住宅火災も発生し、大変な被害となりました。降灰は遠く江戸、千葉まで飛散し、住民の生活は困窮、餓死する者も数十人に上ったとされています。
     地元では、この宝永噴火三百年をとらえ本年十一月二十三日を中心に噴火防災シンポジウムや噴火防災講座、資料展等を計画し、富士山の噴火に係る住民への啓発を予定しています。また、十一月十九日から二十三日まで第五回火山都市国際会議がアジアで初めて島原市で開催され、この大会の前後には関係者の富士山、箱根への視察も予定されていると聞いています。
     国土交通省や静岡県、山梨県において、富士山火山防災ハンドブックや富士山噴火防災ハザードマップを作成、そして御殿場市においても富士山火山防災マップを作成したところでありますが、富士山の噴火は噴火する場所によって噴石や降灰の方向、溶岩流、火砕流等の状況が異なるため、防災対策、避難対策は難しいものとなります。いたずらに県民を刺激することはありませんが、長期的な視野に立てば富士山の噴火に係る緊急避難対策や早期復旧対策及び噴火予知体制の構築強化、そして県民意識の啓発も必要と考えます。どのように対応されるのか伺います。
     次に、富士箱根伊豆交流圏への外国人観光客誘致についてであります。
     山梨、静岡、神奈川三県の知事による第一回サミット――山静神サミットが昨年十月二十六日に開催され、三県知事により初の山梨・静岡・神奈川三県サミット宣言が採択されました。この宣言においては、富士山静岡空港の開港や羽田空港の再拡張、国際化、さらにリニア中央新幹線の整備など国家規模のビッグプロジェクトの進展を受け、三県は圏域市町村と協力して貴重な資源を守り次世代に継承することや国内外の観光客誘致に努めること、広域連携施策を検討すること、また防災、環境対策、交通体系整備などを連携協力して行うこととされたところであります。
     さらに、このサミット宣言を受け、十一月三十日に圏域市町村ネットワーク会議は圏域の活性化に向け国、県との連携を図りながら観光交流を促進することを宣言し、富士山静岡空港と羽田空港を結ぶ周遊コースの設定や道路及びJRの利便性向上、広域連携で行うスケールメリットを利用した取り組みなどについて協議がなされました。
    富士箱根伊豆交流圏域は日本の表看板であります。国、そして三県、圏域市町村が連携を図ることにより、外国からの観光客をターゲットとした日本有数の広域観光交流圏の実現が可能であると考えます。また、外客誘致法に基づく国際観光テーマ地区の指定を受けた三県三十二市町村をエリアとする富士箱根伊豆国際観光テーマ地区外客来訪促進計画について、昨年度計画改定がなされたと聞いています。国及び三県、そして圏域市町村が連携してどのように外国人観光客の増加を図り、世界に名立たる観光地としていくのか対応を伺います。
     次に、これからのまちづくりについて伺います。
     まず、都市計画法の運用についてでありますが、中心市街地に住宅、商業、福祉、文化などの都市機能を集積し、人口減少、少子・高齢社会に対応する歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを推進するため、まちづくり三法のうち改正中心市街地の活性化に関する法律及び改正都市計画法が昨年六月に制定され、中心市街地活性化法は昨年八月に施行、都市計画法は順次施行されることとなりました。
     市街化調整区域は従前、大規模であれば開発審査会を経て、また小規模であっても既存宅地制度の適用により用途指定なしで無秩序な建築が認められてきた経緯があります。このためモータリゼーションの進展と相まって、比較的地価が安くまた自然環境もよい市街化調整区域に住宅建築が進み、あわせて大規模集客施設も立地し、その結果、中心市街地の衰退が進んできたとも考えられます。都市計画法自体、もともとコンパクトシティを目指し制定された法律であると思いますが、日本の風土、歴史を考慮せずに机上の理想論を展開、運用した結果、現在の日本の都市構造は法の目指してきたものと乖離してしまったとも考えます。
     極論を言えば、現状で中心市街地の活性化を図るためには中心市街地に不動産取得税や固定資産税、住民税の減免などのインセンティブを付加しつつ、環境対策も絡めモータリゼーション社会から公共交通中心社会への政策転換や公共施設の集中化を図るなど、都市計画と税体系及び交通対策、環境対策などを連携させた抜本的な対応及び地元市町村、商業者の自助努力を誘発する施策が必要であると思います。これからのまちづくりに係る都市計画法の運用について基本的な考え方を伺います。
     また、一方で現状の住民生活を考えると、市街化調整区域の大型店や公共公益施設等は都市住民も含め生活者にとって大変便利であり、自然環境にすぐれかつ生活基盤も整備された静かな市街化調整区域に住みたい、田舎がいいということを考えている人も多く、市街化調整区域の建築制限の緩和、住環境、生活環境整備、持続的発展策も必要であると考えます。人口減少に悩む地方の既存集落では小学校存続の危機に陥り、人口減少を食いとめるため線引きの廃止を叫んでいるところもあります。
     香川県においては、モータリゼーションの進展に伴い住民の社会活動範囲が広がり、都市圏も拡大してきたことから、都市計画区域を拡大再編しあわせて線引きを廃止しました。大変勇気ある判断であったと思いますが、現状を勘案すれば宅地の質的水準の確保策を講じつつ開発許可制度の見直しをあわせて行うことなどにより、県全域にわたる良好な居住環境の創出も可能であると考えます。団塊の世代の大量退職も控える中、地域そして住民の期待にこたえる市街化調整区域の持続的発展策について御所見を伺います。
     次に、ハンセン病に係る施策についてであります。
     現在、日本には十三の国立ハンセン病療養所と二つの私立療養所があり、約三千百人の皆様が入所されています。県内では御殿場市の国立駿河療養所に百二十四人、神山復生病院に十一人が入所されていますが、皆様の高齢化が進み介護を必要とする人も増加している状況にあります。
     ハンセン病の問題につきましては、平成十三年五月の熊本地裁判決を受け国は過去の隔離政策や偏見、差別を助長したことについて謝罪をし、名誉回復や福祉増進、啓発事業に努めることとなりましたが、過去のらい予防法による強制収容、隔離政策の歴史は入所されている皆様の社会復帰や交流を今なお妨げています。先月二十四日には、生まれていれば我々と同年代となっていたであろう、何の罪もなくまた目的もなく標本とされ、放置、保存されていた胎児十体を供養する慰霊祭が国立駿河療養所で行われました。国の施策の誤りがもたらした悲劇の重大さに改めて強い憤りを覚えたところであります。
     地元及び施設においては、毎年慰霊祭などのほか盆踊り、花火大会、カラオケ大会等の交流事業を行い、そして子供たちの施設訪問や高校生の奉仕活動なども行われ、入所されている皆様と地域住民との交流を積極的に行い、また昨年にはらい予防法廃止十年、熊本地裁判決五年をとらえた全国的な事業の展開を受け、国立駿河療養所において交流会の開催や機関誌の発行を行いハンセン病に対する理解促進を図ったところでありますが、このような人権侵害を風化させず歴史を後世に残すための資料の保存及び施設の将来計画への対応について伺うとともに、入所されている皆様が孤独、孤立に陥ることなく幸せな余生を送ることができるための県の施策について改めてお尋ねします。
     次に、教育行政について教育長に伺います。
     まず、学校部活動の活性化についてであります。
     国、そして県、市町において子供たちを地域社会が育てるという重要性を認識し、さまざまな取り組みや支援がなされていますが、このような状況の中、中学校の運動部活動については、教員の異動に伴い指導力にばらつきを生じることやより高度な技術取得を図りたいということから、部活動よりも地域のスポーツクラブを選択する子供たちが増加しています。
     しかしながら、地域のスポーツクラブについては指導者の資質あるいは組織体制に疑問を持つ場合があり、スポーツによっては子供の所属をめぐって学校側とクラブ側で摩擦を生じているケースもあります。社会教育も教育委員会の範疇であり、これら課題解決のためには教育委員会の積極的な対応が必要であると思います。そして、学校部活動については教員の過重負担という課題はあるものの、子供たちの人間性の醸成、道徳心の涵養等に大変効果があり促進すべきという根強い意見があります。また、子供たちのより高度な技術取得を図るため学校部活動を補完するトレセン制度を導入しているスポーツもあります。
     私は、次代を担う子供たちの成長を図るためには学校部活動の有為性を高める必要があると考えます。そのためには、教員の異動に伴う指導のばらつきを抑え子供たちの技術習得の期待にこたえることが大切であり、教員の技術取得、向上研修や社会教育サイドと連携融合した指導体制の構築が必要であると考えます。教育長の御所見を伺います。
     次に、学校評議員制度についてであります。
     学校評議員制度は、学校外からの新鮮な活力を吹き込み社会教育との融合を進め、子供たちの教育に多大な効果をもたらすことができると考えますが、制度が形骸化しており効果的な活用がなされていないという声があります。学校評議員制度の現状と課題、問題点をどうとらえているのか、そしてどのように制度の効果を上げていくのか伺います。
     最後に、生涯学習の推進施策についてであります。
     生涯学習社会とは人々が生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価されるような社会であり、学校教育、社会教育、文化、スポーツ、レクリエーション活動、ボランティア、趣味等さまざまな場、機会の学習が含まれるものとされています。そして、生涯学習社会の構築は、学習者の自己実現のみならず地域社会の活性化、高齢者の社会参加、健康保持なども図ることができ、社会経済の発展にも寄与するものであります。
     生涯学習振興法によれば、都道府県教育委員会においては生涯学習の推進のため学習機会や情報の提供及び研究、指導者等の研修、関係機関・団体への援助などを行うこととなっています。少子・高齢化、都市化等に伴う社会環境の変化の中で、豊かな人間関係を構築し自己実現を図るとともに、社会参加、地域課題の解決などに積極的に取り組む人材を育成するための生涯学習推進施策について伺い、私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (芦川清司君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  池谷議員にお答えをいたします。
     初めに、県東部北駿地区の市町合併についてであります。
     市町村合併推進審議会においては、これまで審議を進めるに当たっての基本的な考え方として、人口一万五千人未満の町を含む地区、これをまずは審議をして合併の枠組みを決める、それから生活圏が一体化しているにもかかわらず合併していない地域もその対象にする、そして最後に中核市を目指した合併を検討する、こういう三つの視点から審議をされておるわけであります。
     東部地域につきましては、将来的な目標と目されている政令指定都市へのステップとして沼津市など三市三町による中核市を目指した組み合わせが答申されるとともに、北駿地区については、生活圏の一体性が高い地区として御殿場と小山の組み合わせが作業部会案として示されてきているところであります。
     つい先ごろ御殿場の市長の方から、この合併推進審議会の考え方とは違う組み合わせとして、北駿地区の二市二町の合併による特例市ですかね、これの意見の発表がありました。いろんなこの東部北駿地域については、この御殿場の市長さんに限らず、沼津・三島地区についても覚え切れないくらいの各種の組み合わせの発言が相次いでおります。それぞれこの地域は財政的に比較的に恵まれているということやそれぞれのまた市や町のいろいろこれまでの歴史的な背景から、このようないろんな意見が出てくるのかなというふうに受けとめております。
     一方で、地域の経済界――東部北駿地区の経済界が主催をした広域都市シンポジウムでは、三市三町による五十万都市づくりという議論もかなり濃厚に出てきたようにも承っておりますし、今後この地域の自治体関係者、そして住民の皆さん方のいろんな考え方、これがどういう行動に結びついていくのか注目していきたいと考えております。
     一方、今回の新しい合併推進法によりますと、知事の勧告権は規定されておりますものの勧告を実現する強制的な手段、これについては何ら用意されておりませんので、勧告してもそれが聞き入れられなければそれまでというような非常に中途半端な仕組みになっております。したがって、聞いてももらえないものを勧告しても何の意味もないと私は思っているわけです。ですから、この合併推進法に従ってどうこうなんていうことを、この東部北駿地区については考えるだけむだであると。それよりも、私はむしろ現実にそういう方向へ行かざるを得ないような、いろいろ県として誘導する施策がないか真剣に考えてそれを実行する、これのみではないかというふうに思っておるところでございます。そういうことで御理解をいただきたいと思います。
     次に、F1日本グランプリについてのうち、世界に発信する地域振興策についてであります。
     F1日本グランプリは、モータースポーツの最高峰でありますとともに、池谷議員の御紹介のように世界で幅広くテレビ放映されて海外からもマスコミ関係者を初め多くの人々が訪れる大変大きな世界的なスポーツイベントだと私も聞いております。F1の開催は、したがって全世界に向かって富士山や伊豆を初めとする本県の魅力を発信し本県の知名度を高める絶好の機会でありますとともに、富士山静岡空港の開港をアピールする上でも大きな効果があると期待しております。このため昨年十月に富士スピードウェイを訪れた外国人記者団に対し鈴木副知事が本県の魅力や富士山静岡空港の開港をプレゼンテーションしたところでありまして、今後もF1の開催に伴うさまざまな機会をとらえて本県の魅力を国内外にアピールしてまいりたいと考えております。
     F1の開催はビジネスチャンスとしても活用できるものと期待をするわけでありまして、宿泊観光客の誘致や県産品の販売、地産地消の推進など、県東部地域や伊豆地域の活性化に結びつくよう経済団体や市や町とともに取り組んでまいります。
     しかし、ことしの開催に関係して県の東部地域に大量の宿泊を実現するとか、地域の何か物販がですね物すごく期待されるということについて見ると、余りにも準備期間が短かったのではないかという印象もありますし、このF1については来年以降の開催についてまだどうなるということは公表されておりませんけれども、一たん開催されたものが一回限りということではないという気もいたしますので、今後に向けて今のようなF1の開催が継続されるならば、そのメリットをこの地域に最大限呼び込むように、そういう意味で努力をしていきたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (芦川清司君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  F1日本グランプリについてのうち、交通対策についてお答えいたします。
     道路整備についてでありますが、県ではF1日本グランプリ開催に伴う地元要望を受け、本年度から県道足柄停車場富士公園線や須走小山線など四路線、六カ所において道路拡幅や交差点改良工事を重点的に進めているところであります。また、一時的に集中する交通の緩和策として採用されたチケット・アンド・ライド方式の実効性を高めるため、駐車場への誘導方策等についても、今後主催者などと連携して実施してまいります。
     議員御指摘の有機的な道路網の整備につきましては、F1開催時の交通円滑化だけでなく御殿場、小山周辺の行楽期の渋滞緩和を図る上で効果が大きいものと考えております。このため県といたしましても、国や市町などと役割を分担して、新東名、国道百三十八号御殿場バイパス、国道二百四十六号の四車線化、県道山中湖小山線などの整備を初め足柄サービスエリアを活用したスマートインターチェンジ構想の具体化に努めてまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  花森企画部長。
            (企画部長 花森憲一君登壇)
    ○企画部長 (花森憲一君)  F1日本グランプリについてのうち、交通対策についてお答えいたします。
     JR御殿場線の利便性の向上についてでありますが、これまでも輸送力増強や利便性の向上について沿線自治体とともに国や事業者に対して働きかけを続けてきたところであります。ことし開催されるF1日本グランプリでは、主催者によりますとJR御殿場線を含め約四万人の方が鉄道を利用する計画になっており、これを契機に恒常的に人が訪れる仕組みづくりを進めJR御殿場線の輸送力増強や利用促進につなげていくことが何よりも重要であると考えております。
     県といたしましては、現在国や沿線の市や町などと協力してJR御殿場線の利用状況や沿線の観光資源等について調査を進めているところであり、こうした調査結果などをもとに地元とともに事業者に対し運行本数の増加など利便性の向上について引き続き働きかけてまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  山村都市住宅部長。
            (都市住宅部長 山村善敬君登壇)
    ○都市住宅部長 (山村善敬君)  公共交通施策と都市計画制度についてお答えいたします。
     議員御指摘のとおり、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減対策として自動車から電車、バスなどの公共交通への利用転換を図ることなど、公共交通施策との連携が都市計画としても重要であると認識しております。
     県においては、国、市や町の行政とバスや鉄道の交通事業者が参画する協議会で、自動車や公共交通などさまざまな都市交通が相互に補完し合理的に機能するよう道路網計画のほか、公共交通ネットワークや新交通の導入構想などの公共交通計画、パーク・アンド・ライドや時差出勤などの交通需要管理計画を提案するパーソントリップ調査を実施しております。この調査で提案した道路や公共交通のネットワーク形成の基本的な方針を都市計画区域マスタープランに定め、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための指針としております。
     公共交通の路線や運行本数を都市計画決定してはどうかという点についてでありますが、都市計画は都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用や都市施設の整備などを定めるものであります。このため鉄道高架などの都市高速鉄道や自動車ターミナルなどは都市施設として都市計画に位置づけることとしておりますが、運行本数など事業経営にかかわる事項については民間事業者として事業収支を踏まえた上で判断となるため、都市計画で定めることはなじまないものと考えております。
     次に、これからのまちづくりについてのうち、まず都市計画法の運用についてであります。
     中心市街地の活性化の実現のためには、議員の御意見にもありますとおり都市の利便性向上を図る道路を初めとした基盤施設の整備や街中居住を推進するなど、都市機能の増進、経済社会の活力の向上のための各種施策を総合的かつ効果的に推進することが重要であると考えております。
     その中での都市計画法の運用でありますが、昨年五月に改正された都市計画法では、社会経済の変化に対応するため、人々の暮らしやすさの確保やインフラ投資効率の低下や都市運営コストの増大から、さまざまな都市機能をコンパクトに集積した都市構造を実現する手法として市街地外の無秩序な開発による都市機能の拡散を抑制するための規制誘導が強化されたところであります。
     本県においては、市や町と連携して改正法の適切な運用を図ることで市街化調整区域における都市機能の無秩序な拡散に歯どめをかけ、中心市街地の衰退の要因となっていた大規模集客施設の立地についても、今後は地域の判断を反映した適切な立地が図られるよう対応してまいります。
     次に、市街化調整区域の持続的発展についてであります。
     市街化区域と市街化調整区域の区域区分制度――いわゆる線引き制度は、無秩序な市街地の拡大による環境悪化の防止、計画的な公共施設整備による良好な市街地形成、都市近郊の優良な農地との健全な調和等を実現する都市計画の根幹的な制度であります。
     線引き制度の運用につきましては、地域の実情に即した適正な権利制限を行う観点から地域の人口及び産業の動向や新たな都市的土地利用の需要を見据え、道路、下水道等の住民生活に直結する公共施設整備の進捗状況や農林業政策との調整に配慮し対応してきているところであり、今後も線引き制度については維持する必要があるものと考えております。
     なお、市街化調整区域の開発でありますが、小規模な住宅開発については、良好な宅地水準が確保されている既存集落地域内や適正な公共公益施設を備えている地域において従前どおり可能となっており、地域の事情を勘案した適切な運用を図ってまいります。
     また、大規模開発については、今回の都市計画法の改正により原則として市や町が定める地区計画制度によることとなりましたので、県といたしましては市や町と連携して実効性のある地区計画が定められるよう努力してまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  白岩総務部長。
            (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長 (白岩 俊君)  富士山の火山防災対策についてお答えいたします。
     県及び富士山周辺の四市一町では、国の関係機関等も参加する富士山火山防災対策に関する連絡調整会で火山防災対策の検討を進め、平成十七年度に気象庁が発表する火山情報に応じて、段階的に住民等が避難することなどを盛り込んだ富士山の火山防災計画を策定いたしました。また、国においても広域的な防災対策について検討を進め、平成十八年二月の政府の中央防災会議で富士山火山広域防災対策基本方針を定めたところであります。
     こうした取り組みとあわせ、富士山周辺四市一町では富士山の火山防災マップを全戸に配布するなど、富士山で想定される噴火現象の理解や避難対策の周知、啓発に努めております。また、住民等が確実に避難を行うためには噴火前に的確な火山情報が発表されることが必要であり、県といたしましては、今後とも国に対し予知監視体制の整備、充実を働きかけてまいります。
     来年度からは火山防災計画の実効性を高めるために、火山情報に応じた具体的な交通規制方法などを検討し、周辺住民などが円滑に避難できる体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。
     なお、復旧対策につきましては、火山活動の形態や推移を事前に予測することが困難でありますことから、噴火後の活動状態に応じ関係機関との連携を図りながら迅速に対策を講じることとしております。
     現在、富士山の火山活動は静穏な状態でありますが、県といたしましては引き続き県民意識の啓発に努め万一の火山活動に備えてまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  大村生活・文化部長。
            (生活・文化部長 大村義政君登壇)
    ○生活・文化部長 (大村義政君)  富士箱根伊豆交流圏への外国人観光客誘致についてお答えいたします。
     国立公園でもある富士箱根伊豆地域は、世界的に知名度の高い富士山を初め多くの魅力的な観光スポットを有するとともに、地理的優位性もあり周遊ルートとして多くの外国人観光客を呼び込める可能性の高い地域であります。このため、富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会では、国のビジット・ジャパン・キャンペーンとも連携して二〇一五年に外国人観光客を百五十五万人誘致することを目標に、富士山静岡空港を起点とする周遊型観光ルートなどを盛り込んだ新たな外客来訪計画を定めさまざまな誘客対策を展開しております。
     具体的には、これまでの国際観光展への共同出展、ウエルカムカード――これは外国人に対する割引カードですが――こういったものの発行などに加え、本年秋に開催されるF1日本グランプリや二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会を活用した地域の魅力の発信、外国人観光客誘致に向けたキャンペーンの共同実施などに、国、県、交流圏の市町村が連携して取り組んでまいります。
     また、富士山静岡空港の開港を控える本県は、地域限定通訳案内士の育成や観光案内看板の多言語表記など受け入れ態勢の整備に力を入れておりますので、この点でのリーダーシップを発揮し、富士箱根伊豆交流圏が満足度の高い観光地として多くの外国人観光客に認められ、誘客拡大が図られるよう努めてまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  藁科健康福祉部長。
            (健康福祉部長 藁科一仁君登壇)
    ○健康福祉部長 (藁科一仁君)  ハンセン病に係る施策についてお答えいたします。
     これまで入所者の方々を対象とした厚生事業の実施やハンセン病に対する正しい知識の普及を図るとともに、ハンセン病回復者の方々との話し合いの中で御要望のあった住宅や医療などの事柄について実現に取り組んでまいりました。
     御質問にある資料の保存につきましては、施設や回復者の方々の意向を伺いながらその意向に沿って検討してまいりたいと考えておりますし、施設の将来計画につきましても、国立駿河療養所については、開設者である国の動向等を注視し県としての立場から必要な対応をしてまいります。
     また、県といたしましては、療養所入所者の方々に、平成十五年に本県で開催した国体の開会式、翌年の浜名湖花博、さらには昨年開催したねんりんピック静岡二〇〇六総合開会式に御招待をし、多数の参加をいただいたところですが、今後とも入所者の方々が孤立、孤独に陥ることなく幸せな生活を送れることができるよう、その意向を伺いながら里帰り事業などの厚生事業に積極的に取り組んでまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  教育行政についてのうち、初めに学校部活動の活性化についてお答えいたします。
     現在、生徒数の減少やそれに伴う教職員の減少などにより従前の部活動を維持することが困難な状況もあり、一部の種目においては地域のスポーツクラブに活動場所を求める生徒がいる実態もあります。しかし、議員もその有用性を認められているとおり、学校における運動部活動は、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で運動の楽しみや喜びを味わい、子供たちの心と体を大きく成長させるものであり、学校における教育活動の大切な柱の一つです。
     県では、中学校・高等学校の一貫した指導法やハイレベルな指導力を身につける指導者養成事業のほか、若い指導者や指導経験の浅い教員を対象にした運動部活動指導者研修会の開催、さらには地域の有能な外部指導者の活用などを通して、指導者の資質の向上を図っております。今後とも運動部活動の一層の活性化に向け、地域との連携の促進を図りながら生徒が豊かな価値ある学校生活を送ることができるよう努めてまいります。
     次に、学校評議員制度についてであります。
     学校評議員制度は県立学校においては一〇〇%、公立小中学校では九三%が実施しており、その成果としては学校が積極的に情報公開を行い始め説明責任を果たすようになったり、地域住民の声が学校運営に反映されたりするようになるなど、そういう声が届いておりますが、一方では評議員の学校訪問回数が少なく学校の実情がつかみにくい、評議員間の連携がとりにくいため評議員の声を結集しにくいとの意見も聞かれます。
     今後、県といたしましては、この制度を一層充実させるために、評議員の学校訪問回数をふやしたり、相互に連携を深める場を設けることにより学校の実態を十分に把握できるようにすることや、評議員による外部評価の仕組みを整えるよう市や町の教育委員会や学校に対して指導してまいりたいと考えております。
     次に、生涯学習の推進施策についてであります。
     本県では、第二次静岡県生涯学習推進計画に基づき、教育委員会と知事部局が一体となって生涯学習社会を生きる人の育成を目指したさまざまな施策を展開しているところです。
     議員御指摘のとおり、地域課題の解決に積極的に取り組むことができる人材育成等は喫緊の課題であり、県ではしずおか県民カレッジにおける地域学講座などを通して地域のリーダー養成を行っており、それらの一層の充実を図ってまいります。また、現在県内で広範に実施されている通学合宿は、子供たちはもちろんのことボランティアとして協力する大人たちも含め、地域における豊かな人間関係の構築に大きく寄与しており、来年度は箇所をふやして実施することとしています。
     さらに、本年一月から学習機会の一層の充実を図るため、企業やNPOなどの持つ学習資源を活用するシステムを稼働させており、それらも含め、今後とも生涯学習社会を生きる人の育成に積極的に取り組んでまいります。
    ○議長 (芦川清司君)  これで池谷晴一君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp