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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成16年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

佐野 愛子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/05/2004

会派名:

平成21


質疑・質問事項:



    ○副議長 (小野健吾君)  質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 二番 佐野愛子さん。
            (二番 佐野愛子君登壇 拍手)
    ○二番 (佐野愛子君)  私は平成21に所属する議員として、 当面する県政の課題につきまして、 知事並びに関係部長及び教育長にお伺いいたします。
     冒頭、 先ほど県警本部長から報告とおわびがありました。 かかる不正な支出は憲法と法律を擁護し、 公平、 中立にその責務を遂行する警察においての不祥事、 まことに遺憾であります。 徹底した真相の究明と責任の明確化を初めとした厳正な対応及びかかる事態を再び起こさないための再発防止策を強く要請して、 質問に入ります。 よろしくお願いいたします。
     初めに、 市町村合併推進における課題と県の役割についてお伺いします。
     県内各地で、 「平成十七年三月」 を合い言葉に、 市町村合併が進められています。 私の地元、 志太地区も合併重点支援地域の指定を昨年九月に受け、 二市二町の合併協議を進めてきました。 各市町議会の議決がされ法定協議会を開催し、 順調にいくかに見えた合併は今、 暗礁に乗り上げています。 昔から 「志太は一つ」 という意識が強い土地柄、 地理的にも文化的にも経済的にも何の支障もないと思われていただけに残念です。
     その後、 「合併は白紙に戻すべきだ」、 「もう一度枠組みを見直して考えよう」、 「残りの二市一町で進めるのが順当だ」 など、 さまざまな議論が飛び交いました。 合併を結婚に例えて、 お互いの町の持参金や器量、 容姿を値踏みしたり、 婚姻届を出したら離婚は許されないのが合併だなど大変な論争になりました。 各市町で説明会を開催し、 住民の意見をもとに今後の方向を決定しようとしています。
     昨年の十一月以来のこの合併論争、 私なりにこの数カ月間を振り返ってみますと市民にとっては行政に関心を持つきっかけになったと思います。 「自分の市の財政は借金が多くて危ないんだって」 とか、 「これからの住みよい町はどうやってつくっていったらいいんだろう」 など、 スムーズに知らないところで合併してしまったのではなく、 自分たちの町の将来について立ちどまって考えるいい機会だったと思います。
     しかしながら、 もちろん多くの弊害がありました。 その一つは、 二市二町の職員が出向して設けられた合併協議会は全く休止の状態、 新市構想や電算化への準備もストップしたままであることです。 これまで任意合併協議会として約一年、 十二回にわたる協議がなされてきましたが、 その内容も生かされることができなくなってしまいました。
     もう一つの問題は、 住民に起こった大きな行政不信です。 合併問題を通して政治に興味は持ったものの、 すっきりとした説明がない。 住民として、 なぜ合併ができなくなってしまったのか納得できる理由がわからないままなのです。 「どうやら何か説明できない思惑があるらしい」、 「自分たちのわからないところで動くのが政治の世界らしい」、 「もっとわかりやすいビジョンを示してもらえないのか」 など、 昨今の情報公開、 説明責任の行政とは全く逆の思いを住民に与えてしまっていることは非常に残念だと思います。 静岡産業大の大坪学長は、 このてんまつを見て、 「憤りを通り越えて、 もはや寂しささえ覚える」 とコメントしていましたが私も同感です。
     志太地区を例に私なりの考えをお話ししてきましたが、 県内各地で合併の枠組みについて、 さまざまな問題が起きているように見受けられます。 県知事が市町村合併推進に関する構想を策定し、 あっせん、 勧告をするという合併新法案も成立するようですが、 合併をめぐる課題に対して、 県はどのような支援を考えているのでしょうか。 地元では、 県が口を挟む問題ではないという、 少し逃げ腰の発言もあったと聞いています。 合併を推進するという大きな目標があるのですから、 大局に立っての支援を進める必要があると考えます。 県としての姿勢、 対応をお伺いいたします。
     次に、 男女がともに生きる社会の構築の観点から二点質問します。
     初めに、 静岡県男女共同参画基本計画の推進について伺います。
     静岡県議会の議場にも、 「七人の侍」 ならぬ七人の女性議員が誕生しました。 これは女性の比率九%、 全国から見て第十位になります。 前年までの三・九%から大変な飛躍だと、 注目を浴びた一年でもありました。
     さて、 静岡県男女共同参画基本計画ハーモニックしずおか二〇一〇が策定されて、 一年がたとうとしています。 これは二〇〇一年に策定された静岡県男女共同参画推進条例に基づく取り組みの実効性を高めるための計画です。 私も参画会議の一員として基本計画の作成にかかわり、 働く女性や教育の視点から提言をしてきました。 県下各市町村においても推進が図られています。 条例は四市一町、 基本計画は十八市二十三町において策定されています。 これは全国的にも高い水準であります。 藤枝市では、 「ぱりて」 という名前の男女共同参画推進センターが設置され、 行政と女性団体が連携を図りながら、 市民への啓発活動を行う拠点となっています。
     しかしながら、 静岡県の実態といえば、 男は仕事、 女は家庭という固定的な役割分担にとらわれていない人は三九・七%と昨年の四〇・七%から後退している状態であり、 意識改革は進んでいるとは言えません。 家庭生活に至っては、 男性の家事時間は一日平均二十四分と、 これも全国平均以下であります。 加えて市町村職員の働く実態はどうかといいますと、 女性管理職の割合は七・二%とほぼ全国平均ですが、 女性の管理職がゼロという市町村が何と三十四もあります。 住民にかかわりの深い市町村の政策決定の場に女性が参加していないというのは大変残念であり、 住民本位の行政とは言えないのではないでしょうか。 また審議会委員への女性登用率も一七・九%で全国三十二位と、 進捗状況は依然として低迷していると思います。 このような実態に対して県はどのような対応をお考えでしょうか。
     また、 基本計画が実効あるものとなるために私は子供たちへの教育が大切だと考えます。 このたび小学五年生対象に、 男女共同参画を啓発する副読本が作成されたと伺いました。 県内全学校で有効に利用されるよう、 教育委員会と連携を図りながら推進していくことが重要であると思います。 いかがでしょうか。
     また、 今年度より女性総合センター 「あざれあ」 が、 男女共同参画センター 「あざれあ」 と名称を変更しました。 このことによっての効果はいかがだったでしょうか所見をお伺いいたします。
     二つ目に、 少子化と働く女性の環境整備について伺います。
     日本は少子・高齢化をたどり、 このままでは将来的に労働人口が不足していくことは明らかです。 私は静岡県の経済の活力を維持し向上を図るために、 男性だけでなく女性もその個性や能力を十分に発揮できるようにすることが必要だと考えます。
     男性が家族を支えて会社中心の生活を送り、 家庭や地域を顧みる余裕が失われがちのライフスタイルは、 徐々に見直されてきました。 労働者のイメージは、 これまでの 「男性、 中高年」 から 「女性、 派遣」 へと変化してきています。 しかし、 現状は仕事と育児・介護など家庭との両立に大きな負担を感じて、 やむを得ず中途退職する女性が多くいます。 実際、 働きながら子育てをするということは私もそうでしたが、 本人にとっても家族にとっても大変なことです。 子育てが一段落したらまた働き始めるという、 日本特有のM字型曲線と呼ばれている現象に象徴されています。 最近の興味ある調査では、 フランス、 北欧諸国、 英米などの家族政策が進んでいる国は、 女性の社会進出度や労働力率、 そして出生率もともに高く、 日本や南欧では女性労働力率、 出生率のどれも低いという結果が出ています。
     子供を産み育てやすい環境を整え少子化に対応するために、 国は昨年七月に次世代育成支援対策推進法を成立させました。 仕事と子育ての両立支援のために、 一定規模以上の企業等の事業主に行動計画の作成を義務づけて女性の雇用環境を整えるものです。 この行動計画には父親、 母親ともに育児休業や家族休暇を取りやすくしたり、 超過勤務の縮減を図ったりするなどの具体的な内容を盛り込むこととなっています。 そこで県としてはどのような支援、 指導をしていくのか伺います。
     そしてさらに、 女性を取り巻く就業環境を正確に把握し、 女性が元気に活躍できる場をつくっていくことが大切であると考えます。 県として働く女性のための環境整備についてどのように進めていくのか、 また安心して十分に働けるようにするためにどのような支援を行おうとしているのか伺います。  次に、 豊かな里山を保全する取り組みについて伺います。
     私は藤枝市の北部、 瀬戸谷という地区に住んでいます。 茶畑、 雑木林、 ミカン畑、 竹林など美しく手入れされた里山が残っている地域です。 山から沢が流れ小川となり、 メダカや小ブナが泳ぐ。 夏には蛍が飛び交う。 このような日本の里山は瀬戸谷だけでなく長い間ふるさとの原風景として生き続けてきました。
     しかし、 二十一世紀を迎えた現在、 里山をいつまで見ることができるか不安を感じます。 恐らくあと十年、 二十年後、 今の姿はないと思います。 専業農家は減り続け後継者は余り育っていません。 今の農業を支えているのは六十代、 七十代の高齢者がほとんどだからです。 この人たちが山に入ることができなくなったとき里山は荒れたままとなって、 日本じゅうの景観は一変してしまうと思われます。  こうした中で、 最も深刻なのは放置竹林です。 竹は地下茎で繁殖力が旺盛で、 ほかの植物が植わっているところにもどんどん入っていきます。 かつて、 たわわに黄金色の実をつけたミカン畑も、 青々とみる芽が出そろったお茶畑も、 手入れをする人がいないと竹に侵食されて荒れ果てた竹林と化していくのです。
     放置竹林の問題は県としても除草剤による駆除、 竹の若いうちに伐採する運動、 NPOや緊急雇用対策による伐採作業などに取り組み、 成果も上がっています。 また今ブームを呼んでいる竹炭の吸湿、 脱臭効果や竹酢液の殺菌効果が注目されて竹炭の生産も盛んになってきています。 これも大いに奨励していきたいものです。 しかし、 まだまだふえ続ける竹を抑止するほどの抜本的対策にはなりません。  このような状況を踏まえて、 県として放置竹林に対してどう取り組もうとしているか伺います。
     一方、 私はある試みを知りました。 竹を粉末にして家畜の飼料に使うというものです。 竹はもちろん植物でありミネラルや繊維質が豊富です。 草食動物である牛や雑食動物の豚、 鶏がえさとして食べても不思議はありません。 浜松の機械会社が、 竹をそのままパウダー状にする機械を開発しました。 畜産試験場、 中小家畜試験場において最近、 より研究がなされて飼料としての効果や配分など実現に向けて実証を積むということです。
     邪魔者扱いで、 伐採、 駆除だけを強いられていた竹に付加価値をつけることこそ抜本的対策につながると考えます。 このような前向きな研究にこそ力を入れて取り組むべきです。 加えて九州、 宮崎県では杉の間伐材を加熱、 蒸して繊維状にし、 牛の飼料にするという例もあります。 県として、 このような竹材の飼料化について今後の取り組みを伺います。
     次に、 児童虐待防止の取り組みについてお伺いします。
     ことし一月、 大阪府岸和田市で中学三年生が両親からの虐待のため衰弱し、 重体の状態で発見されるという痛ましい事件がありました。 親が我が子を虐待し命まで奪うことになる児童虐待は、 大変な社会問題となっています。 静岡県においても平成十二年、 富士市で、 父親から虐待を受けた五歳の双子の子たちが死亡するという事件が起こっています。
     児童相談所に寄せられた虐待相談件数は、 平成十一年度に三百二十二件だったものが、 平成十四年度には五百四十二件と急増しています。 なぜこのようなむごい事件が起きてしまうのでしょうか。 虐待をする加害者は、 圧倒的に実の母親が多いのが現状です。 核家族化が進んで閉鎖された密室の中で子育てをしているストレスやゆとりのなさが、 虐待につながるのだと思います。 地域の中で声をかけ合ったり、 悩みを相談し合ったりするコミュニケーションもとりにくくなって、 虐待に気づいても無関心で踏み込もうとしない社会関係の希薄さにも原因があると思います。 子供たちを虐待の悲劇から守るシステムづくりをしていかなければなりません。
     また、 私の経験からいって子供の異常に気づくのは保育園、 幼稚園、 学校などで日々子供たちを見ている保育士や教師です。 「このごろ何か忘れ物が多いな」、 「この子何かちょっと暗い表情が気になるな」 など、 ほかの子に比べて気になる変化が必ずあります。 そのような異常に気づいたら、 担任だけで悩んでいないで、 素早い対応をしなければなりません。
     市町村の関係機関で、 虐待防止ネットワークづくりをいち早く進める必要があります。 児童相談所、 小中学校、 保育園、 警察、 医師会などの関係機関が手を結び合う、 きめ細かい対応が必要です。 しかし静岡県の児童相談所では、 児童福祉司など専門的な知識を持った職員が絶対的に不足しているということを聞きました。 複雑な家庭状況に立ち入り、 時には体を張って子供を保護しなければならない、 二十四時間体制の事例を一人で幾つも抱えている現状です。 また児童虐待防止法が改定され、 虐待のおそれのある児童の通告義務が加わることによって、 相談件数はますます増加していくものと思われます。
     十六年度には、 東部児童相談所に一時保護所を創設する事業が決定しました。 これはふえ続けている虐待児への対応として、 大変ありがたいことであります。 さらに育児ストレスを抱え育児が困難になっている家庭に、 保育士や保健師などを派遣し指導を行う育児支援家庭訪問事業が新たに始まると聞きました。 これも専門家として一歩踏み込んだ、 虐待防止につながる事業だと思います。
     そこで質問しますが、 児童虐待から何にもかえがたい子供の命を守るために、 県として未然防止や早期発見への対策と、 その解決に対応する専門職員の充実について、 どのように取り組んでいくのかお伺いします。
     次に、 教育行政について二点お伺いします。
     初めに、 確かな学力育成のための放課後学習支援について伺います。
     昨年、 県では確かな学力育成会議が立ち上がり、 中間まとめが公表されました。 子供たちに確かな学力をつけてあげたい、 それはすべての保護者、 教師の願いです。 子供たちは無限の可能性を持っています。
     縄跳びの練習をしている子に、 「何々ちゃん、 その調子、 上手だねえ、 ポンポンって足を上げてごらん」 と声をかけてあげると、 一回しか跳べなかった子がその次の日には三十回も跳べるようになることがあります。 計算練習をしている子に、 「何々ちゃん頑張ってるねえ、 タイムはかってあげるから、 本気出してやってみよう」 と声をかけると、 十分かかっていた計算が三分でできるようになることもあります。 一人一人を認め、 その場その場でその子に合った指導をして、 最大限の力を引き出していくことこそ、 学校の役割だと考えます。
     今回のまとめを受けて、 来年度予算に多様な人材活用支援事業をスタートさせる方針が盛り込まれていました。 これは退職教員や大学生、 地元の方々から希望を募って人材バンクとして登録し、 学校の放課後の補習などに生かすものとされています。 一斉の授業では、 なかなか自分から質問ができない子、 繰り返しの指導が必要な子へ対応するもののようですが、 具体的にはどのように進めていくのでしょうか。 指導方法や内容は各学校に任されるのか、 また担任との連携など課題は多いと思います。 確かな学力育成に向けて、 どのようにつなげていくのか県としての方針を伺います。
     次に、 食育と栄養教諭制度について伺います。
     子供たちが食事の大切さに気づき、 食物や栄養に対する知識、 食事の仕方などを身につけさせる食育が今注目されています。 成長過程の子供たちにこそ、 正しい食習慣を身につけさせるため、 学校、 家庭、 地域と連携を図っていかなければなりません。
     県の平成十五年度の調査によると朝食をとってこなかった児童生徒の割合は、 全体の四・四%にも及びます。 そんな中、 学校で一律にバランスのいい食事をする学校給食は、 成長期の子供たちにとって大事な位置を占めています。 子供たちの中には給食が学校へ行く唯一の楽しみだという子もいます。  県内の公立小中学校と学校給食センターには、 二百八十人の学校栄養職員が配置され、 おいしく安全な食品を使った献立の作成や衛生管理、 食品の注文、 調理の指導などの仕事に携わっています。 さらに食の専門家として子供たちへの指導も行っています。 しかし現在の学校栄養職員は絶対的人数が足りない上に、 共同調理場で複数の学校を担当していることから、 学校へ出向いて実態に応じた食育をすることはとても難しい状況です。
     今回、 中教審のまとめを受けて、 国では次期国会において、 栄養教諭制度の成立を目指すと聞いています。 栄養教諭は、 肥満など生活習慣病が小学生にも及んでくる中、 食に関するカウンセラーとして個別に指導助言をしたり、 家庭へも働きかけたりします。 また学習の場においても学級担任とともに専門性を生かした授業を行い、 地域、 家庭と連携して食に関する教育のコーディネーターとしての役割を持つとされています。 まさに、 今必要とされている食育を担う重要な仕事であると思います。 しかしながら、 この栄養教諭の設置は必置――必ず置かなければならないのではなく、 地方公共団体の判断にゆだねるものとされています。
     そこで質問ですが、 県として食育の充実と栄養教諭制度について、 どのように推進していくのか伺います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。 (拍手)
    ○副議長 (小野健吾君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  佐野愛子議員にお答えをいたします。
     初めに、 市町村合併推進の課題と県の役割についてであります。
     現在、 全国で進められておりますいわゆる平成の大合併は、 地方分権の担い手である市町村が、 みずからの判断と責任において、 自立した行財政基盤の確立を目指して取り組むことに意義があると考えております。 したがって合併の枠組みについては県主導で進めるのではなく、 関係市町村及び地域住民がどのような地域の将来像を目指すのか十分議論を深め、 自主的に判断することが重要であります。
     県といたしましては相談窓口の設置、 合併協議会への職員の派遣、 合併特別交付金制度の創設など、 環境整備のための各種支援策を講じているところであります。 佐野議員の地元の志太地域を初め、 県内の一部の地域において、 合併協議会の解散や合併協議の中断が生じておりますことは、 大変残念でありますけれども、 今後の方向性について改めて調整や検討も進められていると伺っており、 一日も早く合併に向けた協議が再開されることを期待しております。
     紛糾をきっかけにですね、 一般の住民の方も大変行政に関心を持ち始めたということは、 これは今後に大変期待できる現象だと拝聴いたしました。 「雨降って地固まる」 の例えどおりになることを期待しているところでもありますし、 今後、 特にあの志太地域、 考えますと空港とか第二東名自動車道、 あるいはそれらに関連したさまざまな社会資本の整備が進んでまいりますと、 より今まで以上に一体性も出てまいりますし、 また地域の一元的な視野のもとでの整備、 振興、 これの重要性はますます高まってくる地域であります。 よい結果を期待しているところでありますので、 佐野議員におかれましても、 お力添え、 御奮闘を心からお願いする次第でございます。
     次に、 豊かな里山を取り戻す取り組みについてのうち、 放置竹林対策についてであります。
     竹は古来より日本人の生活に密接に結びつき、 日本文化の形成に大きな役割を果たしてまいりました。 本県は富士市が 「竹取物語」 の本家と、 自他ともに任じているような地域でもあります。 しかし、 その竹が今や放置されて、 かつての豊かな里山と、 それを支えた文化崩壊の原因であるというように迷惑視されていると、 そういう状態はまことに残念でありますし里山の景観も大きく変貌しつつあります。
     県といたしましては、 これまで竹林の持つ繁殖力に対抗する竹林拡大防止対策として、 伐採などにより竹林の成長を抑制する方法や、 あるいはもう駆逐をしてしまうというような実証実験に取り組んできたところであります。 その成果を生かして、 本年度――十五年度は、 竹林整備のためのマニュアルを作成するとともに竹林の利用と保全及び拡大防止に関する竹林整備方針を策定しております。
     さらに来年度には、 重点的な取り組みとして、 藤枝市を初め四地域の地域協議会と連携いたしまして、 放置竹林を整備利用すべきものと、 伐採して彩り豊かな森林などへ誘導すべきものとに区分をいたしまして、 美しい景観形成や、 だれもが森林と触れ合える豊かな里山づくりを積極的に推進していくということにしております。 加えて県民の皆様方にも大いに呼びかけて、 タケノコの消費も大いにやっていただくと竹林放置にも大変大きな成果につながると思います。 いろいろな方法を組み合わせながら対処してまいりたいと思います。
     その他の御質問につきましては、 関係部長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (小野健吾君)  後藤生活・文化部長。
            (生活・文化部長 後藤和英君登壇)
    ○生活・文化部長 (後藤和英君)  男女がともに生きる社会の構築についてのうち、 静岡県男女共同参画基本計画の推進についてお答えいたします。
     市町村の取り組みは、 県からの市町村長への要請などによって条例や計画策定など、 男女共同参画社会実現に向けての枠組みづくりは着実に進んでいるものと認識しておりますが、 参画の実態は十分とは言いがたいため、 県といたしましては今後とも市町村の主体性に配意しつつ、 市町村計画への数値目標の設定など実効性を高めるための取り組みを働きかけてまいります。
     子供たちへの教育については、 本年度新たに作成した副読本の四月からの有効活用を図るため、 パイロット校での授業を実施し、 その声を反映させた活用の手引もあわせて作成し提供いたしますとともに、 八月には教職員を対象とした活用セミナーの開催を予定するなど、 教育委員会と緊密な連携を図っているところであります。
     また、 「あざれあ」 の名称変更に伴う効果でありますが、 男女共同参画団体の利用や男性の参加がふえるなど、 変化が少しずつ出てきております。 今後はこれまでの主として女性からの相談の受け付けに加えて、 男性からの相談を新たに実施するなど、 機能の充実に努め、 なお一層の利用促進を図ってまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  谷商工労働部長。
            (商工労働部長 谷 和実君登壇)
    ○商工労働部長 (谷 和実君)  男女がともに生きる社会の構築についてのうち、 少子化と働く女性の環境整備についてお答えいたします。
     まず、 次世代育成支援対策推進法により、 行動計画の作成を義務づけられた事業主への指導、 支援についてでありますが、 県といたしましては計画に盛り込むべき内容や作成に当たっての留意点等をわかりやすく解説する企業向けの説明会を静岡労働局や県内経済団体と共催しますとともに、 各種のセミナーや県職員による企業訪問等の機会を活用して、 県内企業に対する働きかけと情報提供に努めてまいります。
     また、 女性の働く環境を整備し安心して十分働けるようにするためには、 仕事と家庭生活の両立に伴う負担の軽減が重要でありますので、 育児等を相互に支援するファミリーサポートセンターの機能の充実を図りますとともに、 シルバー人材センターにおいて高齢者の豊富な経験や知識を活用した子育てサポートに取り組んでまいります。
     同時に、 育児や介護のため離職された方や勤め先の経営不振等により離職を余儀なくされた方を支援するため、 個人の実情に即したキャリアカウンセリングの実施、 再就職活動のノウハウについてのセミナーの開催、 県内各地域における離転職者訓練の実施など、 きめ細かい雇用対策の展開に努め、 こうした女性の一日も早い再就職を目指してまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  栗原農業水産部長。
            (農業水産部長 栗原 績君登壇)
    ○農業水産部長 (栗原 績君)  豊かな里山を保全する取り組みについてのうち、 竹材の飼料化についてお答えいたします。
     竹材を家畜の飼料や畜舎の床に敷く資材へ利用する技術については、 これまで各地で検討されてきましたが、 従来の粉砕方法では針状の竹が家畜の胃腸を傷つけたり、 足に刺さるなどの課題があり実用化に至っておりませんでした。 しかし、 超微粉末に粉砕する竹パウダー製造機が開発されたことにより、 本年度から畜産関係の試験場で稲わらや牧草等飼料の繊維成分の代替利用を目的に、 竹パウダーを牛や鶏が好んで食べるかの嗜好性や最適なえさとして与える方法、 生産された畜産物の品質等について研究を行っております。 さらに、 来年度から竹に含まれるアミノ酸等の機能性成分に着目し、 付加価値の高い鶏肉や卵の生産を目指した研究に着手することとしております。
     今後は、 これらの研究成果を踏まえ関係部局や民間と連携しながら、 採算性などを含め実用化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
    ○副議長 (小野健吾君)  川口健康福祉部長。
            (健康福祉部長 川口正俊君登壇)
    ○健康福祉部長 (川口正俊君)  児童虐待防止対策についてお答えいたします。
     児童虐待の未然防止や早期発見のため、 県は市町村と協力し育児に不安や悩みを持つ家庭の把握に努めるとともに、 指定の場所に母子を集めて育児相談するなどの支援を行っております。 しかし、 このような支援では効果が限られるため、 来年度から家庭に出向く訪問型の育児支援を実施することとし、 事業主体となる市町村への助成制度を創設することといたしました。
     また、 虐待防止ネットワークについては、 既に五十六市町村で設置されておりますが、 十七町村が未設置となっています。 ことし一月に発生した救急病院から市を通じて児童相談所へ虐待通告があったケースでも、 関係者の連携により、 深刻な事態に至る前に児童を保護することができたなど、 効果を上げておりますので、 今後とも未設置町村へのネットワークの設置を働きかけてまいります。
     専門職員については、 児童相談所において平成九年度以降、 児童福祉司などを二十一人増員し、 その充実を図ってまいりましたが、 東部一時保護所の整備に伴い、 今後さらに七人の増員をすることとしております。 また児童福祉業務に関し経験豊富な職員を虐待対応部門に優先的に配置するよう努めるとともに、 事例研究や実務研修の充実などにより、 職員の専門性の向上に引き続き積極的に取り組んでまいります。
    ○副議長 (小野健吾君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  教育行政についてのうち、 初めに確かな学力育成のための放課後学習支援についてお答えいたします。
     学校外の人材をより積極的に活用することの重要さにつきましては、 確かな学力育成会議の中間報告でも強調されているところであります。
     県教育委員会といたしましては、 全県立高校及び盲・聾・養護学校高等部において、 放課後に週二回、 二名の退職教員や教員を志す大学生などの皆さんに御協力をいただき、 基礎的基本的な内容の確実な定着を図ったり、 より深く知ろうとする子供たちの質問に応じたりする機会を提供できるよう、 計画を進めているところであります。 また県内全市町村においても、 小学校、 中学校各一校ずつパイロット的に同様の取り組みをし、 その成果を他の学校にも広く普及できるよう支援してまいりたいと考えております。
     この放課後学習支援は、 各学校の実態や実情に応じて教員と学習状況の情報交換を行うなどの連携を図りながら、 子供たちの新たな学びの場を設けるものであり、 そこで得たわかる喜びや学ぶ意欲の高まりは学校における平素の授業の充実にもつながるものと考えております。
     次に、 食育と栄養教諭制度についてであります。
     食育を通して食生活についての正しい知識と望ましい食習慣を身につけることは、 児童生徒の生きる力をはぐくむ上で極めて重要であり、 各学校では多くの教職員がかかわる中で、 給食の時間を初め教科や学級活動、 総合的な学習の時間など、 教育活動全体を通して食育の推進を図っております。
     県教育委員会といたしましても、 親子で楽しみながら朝食の大切さを学ぶ親子料理教室や県牛乳協会との共催による、 朝食クイックメニューコンクールを開催するなど、 家庭や地域、 関係団体などとも連携を図りながら、 子供たちの望ましい食習慣を形成しております。 今後も児童生徒の健全な心と体の育成を目指し、 食育の一層の充実を図ってまいります。 また栄養教諭制度につきましては、 資格の取得やその職務、 配置など多くの検討課題を伴うことから、 法案提出など国の動向を注視しつつ、 望ましいあり方について研究してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (小野健吾君)  二番 佐野愛子さん。
            (二番 佐野愛子君登壇)
    ○二番 (佐野愛子君)  御答弁ありがとうございました。
     教育行政について、 少し再質問させていただきます。
     小中学校への放課後学習支援配置、 ありがとうございました。
     確かな学力育成会議ですが、 それで話されていた論点や中間まとめを見ますと私が受けとめるところでは、 主に小中学校の義務教育についての学力について論議が交わされているように思いました。 そこで小中の義務教育の子供たちにどのように学力をつけていったらいいのか教育長としての所見を少し伺わせてください。
     また、 栄養職員の配置にもかかわってまいりますが、 静岡県全体の子供たちに地域格差がないように教育機会均等を保障するのが県教委としての務めだと思いますが、 それにつきましても教育長の御所見をお伺いいたします。
    ○副議長 (小野健吾君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  お答えをいたします。
     一点目の、 確かな学力を小中学生にどうつけるかという大変大きな課題でありますが、 これは確かな学力育成会議でもいろいろ議論されまして、 ここにきょう最初答弁させていただきました放課後の学習支援、 これも小中学生を対象にしたものでもあります。 ただ、 これは全市町村の各一校ずつパイロット的にやって、 その成果をぜひ広げていただきたいとこのようにも考えております。 それからそのほか大学生を既に活用させていただいたり、 地域の方々が小中学校に入って学習支援などもやっていただいていて、 この数を私たち約一万人の方々を推定しているわけですが、 多くの方々に放課後学習支援に準じた活動もしていただいております。
     何よりも私たちは、 学校の教員が指導力を高める必要があるということで、 その新たな研修とか、 あるいは、 例えば今度大学にお邪魔をして夏休みに大学の実験の手法なども学んで、 理科嫌いの子供にも、 ぜひ先生方に対応していただきたいと、 きめ細かい研修などを実施して頼もしい先生になっていただきたいと、 このようにも考えておりまして、 先生と、 そして地域の方々にサポートしていただきながら、 きめ細かい小中学校の学力対策を講じていきたいと。
     あわせましてもう一点だけ、 それらの学力をきちっと何をどう教えるかということにつきまして、 カリキュラムセンターでカリキュラムを本県にふさわしいものを策定して、 授業支援も図っていきたいとこのように考えております。
     それから二点目は、 栄養職員のことでありまして、 このことにつきましては先ほども申し上げましたけれども、 まだ国会で内容がよく定まっていないということもありまして、 現在いらっしゃる栄養職員の方々のお仕事と、 それから、 それをさらに専門化するこの栄養教諭制度を、 いかに役割分担やあるいはより高いものにしていくかということを、 私たちぜひこの一年研究していきたいと。 法案の見込みでは十七年から栄養教諭制度ということを国は考えているようですので、 この一年かけて、 学校における食育の指導とか、 栄養教諭、 栄養職員のあり方などについて研究していきたいとこのように考えております。
     非常に大事な課題ですので、 取り組んでいきたいと思っています。
    ○副議長 (小野健吾君)  これで佐野愛子さんの質問は終わりました。

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