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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成20年11月静岡県議会臨時会 質問


質問者:

渥美 泰一 議員

質問分類

質疑

質問日:

11/06/2008

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 知事の説明責任について                      
2 支障物件の原因について                      
3 地権者との交渉について                      
4 暫定運用について                         
 (1) 暫定開港の見通し                        
 (2) 就航表明航空会社の見通し                    
 (3) 新規路線開拓、 チャーター便運航への影響             
 (4) 進入方式変更による就航率                    
 (5) 開港延期による影響                       
5 追加工事の費用負担について                    
6 暫定開港に向けての取り組みについて                
7 完全開港に向けての取り組みについて



    ○議長 (天野 一君)  以上で説明は終わりました。
     知事の説明に対し、 質疑を行います。
     通告により、 四十五番 渥美泰一君。
            (四十五番 渥美泰一君登壇 拍手)
    ○四十五番 (渥美泰一君)  私は自由民主党所属議員を代表して本日上程されました第百四十一号議案に関して、 並びに去る十月二十九日の全員協議会において知事から富士山静岡空港の滑走路を短縮した暫定運用、 予定していた来年三月の開港が延期となる対応策の説明を受け、 以下数項目について質問いたします。
     初めに、 知事の説明責任について伺います。
     富士山静岡空港は、 平成十六年十一月に困難を極めた用地取得の見通しを確たるものとするため土地収用法に基づく手続を開始することとし、 開港予定も二年間延期しました。 これは平成八年七月の設置許可から二回目の変更でありました。 当時知事は、 空港開港の最終期限を定めることとしたと表現し、 広く県民等に対し理解を求めたところであります。 県民、 関係者、 我々県議会は、 この知事の表明により、 開港はさらに二年間おくれるものの開港にめどが立ったことを信じ、 平成二十一年三月開港を確信していたわけであります。 それが過日の知事の説明でもろくも崩れ去ったわけであります。 これはとんでもないことであります。
     しかも、 今回の航空機の運航に支障のある立ち木などについて、 知事は約一年前にはその存在を認識していたにもかかわらず、 結局は工事完成予定期日の三日前の全員協議会の場においてようやく対応策について説明されたわけであります。 訴訟への影響等を考慮する必要があったことはよく理解できるわけでありますが、 それにしても何とか手だてはなかったかと思うわけであります。 県全体に動揺を与えたその責任は極めて重大であり、 大変遺憾であります。 改めて知事の説明責任について伺います。
     次に、 支障物件が残った原因について伺います。
     土地収用法に基づく事業認定の申請のために行った航空レーザー測量等において測量誤差が生じたこと、 また測量データをもとに図面を作成する段階においてミスが発生したためとの説明でしたが、 県はこれらの誤りについては、 まず地権者や県民に対し謝罪することと、 それらの責任の所在を明らかにしておく必要があると思いますが、 所見を伺います。
     また、 本来ならば事業認定に必要な調査は現地に立ち入って行うものと思いますが、 今回は立入調査を行わずに航空レーザー測量を基本とした調査を行ったことが、 測量誤差やミスを生じさせる要因にもなったとのことでありますが、 なぜ立入調査ができなかったのか、 またあのような環境のもとでの航空レーザー測量の信頼性についてはどのように認識していたのか伺います。
     次に、 地権者との交渉について伺います。
     支障物件が存在する場所は地すべり防止区域内にあり、 県としては地域の防災上からも地すべり防止工事を行うこととし、 地権者と工事の話し合いの結果、 平成十九年七月に県と地権者の間で地すべり防止工事に関する同意文書が締結されたと聞きます。
     一方、 地権者は土地収用に基づき自己所有地の樹木伐採を自主的に進めてきたが、 当該支障物件の存在を知り、 さきに締結した地すべり防止工事を拒否し支障物件を温存していると思われます。 としますと、 測量誤差等によりたまたま収用から漏れてしまった立ち木ですが、 そうでなければ地権者はこれらの立ち木をまずさきに伐採した樹木と同様に自主的に伐採し、 地すべり防止工事も行われ地域の安全が整備されたものと思われます。 地権者が地すべり防止工事を拒否する理由と、 このまま地すべり防止工事を行わない場合の安全への影響等について県の所見を伺います。
     また地権者は、 県が地権者との協議に応じなかったと言っておられるようですが、 県は地元自治会等の協力も得て、 支障物件の除去に向けて取り組んできたとも聞いております。 地権者との交渉はどのように進めてきたのか、 また交渉がかみ合わず進展しない原因をどのように考えているのか伺います。
     次に、 暫定運用に関して伺います。
     早期の開港を待ち望む県民や、 開港に向けて準備を進めておられるさまざまな関係の方を思うと、 今回の対応はぎりぎりの選択であったと思います。 暫定とはいえ開港への道を開くことができたことは不幸中の幸いであったと思います。 そこで暫定運用に関して五点伺います。
     まず、 先日の全員協議会終了後、 直ちに国交省に変更許可申請を提出され、 十月三十一日には許可されたとのことであり、 開港に向けて視界は開けてきたと感じるわけでありますが、 現時点での暫定開港への見通し。
     二点目。 本来の二千五百メートル滑走路を前提として、 開港時から定期便の就航を表明している日本航空、 全日空、 アシアナ航空ですが、 現時点で既に表明されている路線・便数などの変更についての見通し。
     三点目。 滑走路が短縮されるのに伴い使用できる機材が二百五十人乗り程度になると思われますが、 今後の新規路線開拓やチャーター便運航への影響。
     四点目。 二千二百メートルの滑走路を確保するため、 今回、 非精密進入方式を採用しなければならなかったとのことですが、 気象状況等による就航率の低下の予測。
     五点目。 航空会社、 旅行会社、 空港運営会社などは三月開港に向けて既に準備が進められ、 職員の配置や開港を祝っての多くのチャーター便のフライトも計画されていたようです。 開港時期が延期されることによる経済的損失や財政負担も懸念されますが、 これらへの県の対応。
     以上、 五点について伺います。
     次に、 追加工事の費用負担について伺います。
     避けては通れない工事であることは認識しますが、 この一億一千万円の追加経費は、 支障物件が残ったという原因に由来し、 本来必要ではなかった費用であり極めて重く受けとめるべきものであると思います。 また完全開港のためには、 さらなる追加工事も必要になると思います。 知事は、 これら追加工事の費用負担についてどのように考えておられるのか伺います。
     次に、 暫定開港に向けての取り組みについてであります。
     暫定開港の影響は、 県内はもちろんのこと国内外のさまざまな関係者に、 富士山静岡空港のイメージダウンと静岡県政に対する信頼に大きな影響を与えることになったと思います。 しかし知事の説明のとおりであれば、 遅くとも来年七月には開港できるわけでありますから、 ここで落胆しているわけにはまいりません。 しかも期待していた中国便では、 中国東方航空が上海路線を開設するため、 中国民用航空局に対し運航申請中とも聞いております。 まずは一日も早い開港に向けて着実に準備を進めること、 そして大分しぼんでしまった開港への機運を改めて盛り上げていくことが肝要であります。 この八日、 九日に開催される開港記念イベントをより盛大に開催するなど、 これまで以上の奮起が必要でありますが、 暫定開港に向けて県の今後の取り組みを伺います。
     次に、 完全開港に向けての取り組みについてであります。
     今回の対応策はあくまでも当分の間の暫定運用であり、 富士山静岡空港は、 本来ジャンボジェット機も飛ぶことのできる機能を持った空港として既に整備が終わっております。 千九百億円という巨額を投じ整備してきた富士山静岡空港の機能を最大限に発揮しなければ、 県民を初め関係の方々に到底御理解いただけないと思います。
     今回、 支障物件の存在を聞かされ、 すぐに私ども党三役で現地を視察しましたが、 完成した二千五百メートルの滑走路を目の当たりにして、 多くの県民が期待している空港が完全開港できないことを、 本当に残念にというよりも情けなく思いました。 しかもこれらの支障物件があることによって開港ができないのではなく、 ただいたずらに開港をおくらせ多大な負担を生じさせるだけのことであります。 当局に改めて伺いますが、 支障物件さえなくなれば今からでも来年三月開港は可能なんですね。 地権者の方には大所高所に立った判断をしていただけることを切に願うものであります。
     一日も早い完全開港に向けて県の今後の取り組みを伺いまして、 ひとまず私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  渥美議員にお答えをいたします。
     初めに、 私の説明責任についてであります。
     私としては、 県民の皆様に対してしっかりと説明し、 県政への御理解と御支援をいただくことが重要であるとの認識に立ってこれまで県政に取り組んできたところでございます。
     しかしながら、 今般の支障物件の取り扱いにつきましては、 空港事業を進める上で重要な要素でありました土地収用の前提となる事業認定に係る取り消し訴訟の争点となることが見込まれる中で、 この問題をいろいろ考えていかなきゃいけない、 対応しなければいけないと、 そういう事情がございました。 また障害物件の地権者、 所有者は訴訟の原告でもあるわけでございますので、 その方との協議を行わざるを得ない、 そういう極めて特異な状況の中でこの問題に取り組んできたわけでございます。 皆様への御報告がなかなかできない状況にあったことについて御理解をいただきたいと存ずるわけであります。
     具体的には、 支障物件の存在を早期に明らかにすることで訴訟に影響を来し、 空港整備を進める上で重大な支障が生じないか、 また地権者との円滑な協議の障害にならないかなどという点を考慮して、 大いに悩んできたわけでございます。
     一方、 開港時期との関連でありますけれども、 支障物件除去のお願いと並行して、 航空機の運航の安全を確保するための方策を講じた上で開港できないか、 ずっと検討してまいりました。 検討に当たりましては、 まずは平成二十一年三月の予定どおりの開港を可能にする方策がないか、 ぎりぎりまで模索をいたしました。 その上で追加工事を行うならば、 開港延期という決断はしなければいけませんけれども、 滑走路を短縮してでの暫定運用も不可能ではないという判断に立ったわけでございます。
     暫定運用ではなくて開港できないと、 そもそも支障物件が除去されないと一切の空港としての機能を発揮できないということになれば、 これは最悪の事態でありますので、 それを何とか避けながら、 一方で開港をぎりぎり予定どおりできないかということを模索しながら、 それが不可能な場合でも暫定運用ということで、 多少のおくれはあっても事実上工事が完成したこの空港機能の発揮ができないか、 こういうことでぎりぎりまでいろいろ方策を練ってきたわけでございます。
     これまで富士山静岡空港につきましては、 二度にわたって開港延期をやむなくされるなど、 さまざまなハードルがありました。 これを何とか乗り越えてやってまいったわけであります。
     一度目の延期は、 平成十四年度末に事業再評価の実施を求められまして、 その実施に伴って平成十五年十一月の開港時期を平成十八年に延期をしております。 この時期は、 公共事業の見直し議論が全国的に高まり静岡空港への風当たりも強い中でしたが、 県民の皆様の御理解をいただいて新たな需要予測を公表するとともに、 事業の必要性やコスト縮減等を検討の上、 事業を継続することができたわけであります。
     また、 二度目の延期は、 平成十六年十一月用地取得の難航に伴い土地収用法に基づく事業認定申請を行わざるを得ないものと判断し、 賛否両論が渦巻く中ではありましたが、 県として最善を尽くしていることに御理解をいただいた上で、 工事完成予定期日を二年間延長し、 これに伴い開港時期も平成二十一年春と発表いたしました。
     こうした経緯を振り返りましても、 県議会を初め県民の皆様に対する説明責任が重要であるとの私の認識はいささかも変わっておりませんが、 結果として今回の事態については報告が先月末となり、 県議会を初め県民の皆様に大変な御心配、 御迷惑をおかけしたことについておわびを申し上げる次第であります。
     今般の事態についての私自身の責任は痛感しているところであります。 県としての対応策の実現に一定のめどがついた段階で、 改めて責任のあり方について明確にする考えであります。 私としては当面、 まずは暫定運用といえども早期の開港に全力を傾注していくこと、 そしてその実現を果たすこと、 またさらに早期完全運用へのめどもつけること、 これが私に課せられた目下の最大の責務であると受けとめて全身全霊をかけて取り組んでまいります。 今後とも変わらぬ御支援、 御指導、 御協力をお願いする次第であります。
     次に、 支障物件の原因についてであります。
     支障物件が残った原因については、 航空レーザー測量における誤差、 測量調査後の立木の成長という事情及び事業認定申請書に添付する起業地表示図を作成する際の修正ミス、 この三つがあるものと推定しております。
     特に、 この修正ミスにつきましては、 今回の事態を招いた大きな原因であると認識しておりまして、 机上での作業を余儀なくされていた等の事情はあったにせよ県の責任を感じているところであります。 県議会を初め県民の皆様に心からおわびを申し上げますとともに、 地権者にもこの件で大変御心労をおかけいたしましたことをおわびを申し上げます。 またこの旨もお伝えしつつあるところであります。
     また、 平成十五年の測量調査当時、 またそれ以降でも現地への立入調査ができていれば、 測量誤差を最小化することも、 また修正ミスを防止することも可能であったと考えます。 しかしながら当時、 空港反対運動に伴い、 西側制限表面部だけで百名を超える方による土地の共有化運動や立ち木トラスト運動が行われており、 県としては不測の事態を避けるべく、 やむを得ず現地への立入調査を回避せざるを得なかったという事情があったことも御理解をいただきたいと思います。
     ほとんどが整地された現状を見ますと、 測量も容易ではないかと、 何で誤差が生ずるんだという印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、 整地される前の状況を考えますと、 まだ林が全般に残っており、 しかも非常に急峻な地形が複雑に入り組んでいる、 そういう中で円満な測量調査ができない場合にはけが人の発生等不測の事態も容易に予想されたわけでございました。 そういう事情を勘案してやむを得ず代替手段による調査をした結果、 こういうミスが生じたということでございます。
     次に、 暫定運用についてのうち、 暫定開港の見通しについてであります。
     まず、 今般の暫定運用を実現するために必要となる工事完成予定期日等の変更許可を十月二十九日に国土交通大臣に申請し、 十月三十一日には国から変更の許可を得たところでございます。 これに当たっては、 県の暫定運用の方針につきまして速やかに国に対し報告したところであります。
     今後、 今議会にお諮りしております関係予算の御議決をいただき次第、 速やかに航空灯火等の追加工事に着手をいたします。 その後、 追加工事が完成次第、 工事完成検査申請を行い完成検査に合格しますと、 航空関係者等に周知するための航空路誌  航空関係の雑誌ですね、 機関誌、 いわゆるAIPへの登載手続を講じた上で開港できることとなります。
     県といたしましては、 こうした工事や手続等を迅速かつ的確に進めていくことに全力を挙げ、 今回の暫定運用による開港が滞りなく、 また開港を、 悪くすると四カ月おくれるというこの予想期間をできるだけ短縮するように全力を挙げて取り組んでまいります。
     次に、 追加工事の費用負担についてであります。
     今回、 制限表面を超える支障物件の存在によって開港できない懸念もあった中で、 追加工事を実施することによって、 暫定運用という形で開港するという苦渋の決断をしたところであります。 私といたしましては、 支障物件が除去できるまで開港しなかった場合は、 その間これまでに投資した経費が効用を発揮しないことになり、 整備した施設の一部であっても早期に効用を発揮させることが、 社会資本の効率的かつ効果的な運用を図ることにつながると判断したものであり、 ぜひ御理解を賜りたいと思います。
     しかしながら、 暫定運用であっても開港することが県民の利益につながるという苦渋の判断に基づくものとはいっても、 今回の追加工事に加え、 再び二千五百メートル滑走路による完全運用を果たす場合には再度の追加工事も想定されます。 その際に必要となる県の施設工事費として、 現時点ではおおむね六千万円から八千万円程度を見込んでおります。 厳しい財政状況の中、 多額の県民負担を生じさせることについては、 これまたまことに申しわけなく心よりおわびを申し上げる次第であります。
     次に、 暫定開港に向けての取り組みについてであります。
     今回の富士山静岡空港の開港延期は、 これまでエアポートセールスや交流促進の取り組みで培ってきた国内外の関係の皆様の期待に沿えない結果となり、 また県内においても、 関係諸団体の利活用促進活動や定期便、 チャーター便を利用した新たな旅行商品の造成など、 開港に向けた多くの団体や事業者の皆様の取り組みに水を差す結果になってしまいました。 大変申しわけなく心からおわびを申し上げます。
     県といたしましては、 皆様のこれまでの御支援や御尽力を無にしないためにも、 暫定運用という形で早期開港を目指すこととしたところであります。 今後、 県民の皆様にこのたびの対応について十分御理解をいただけるよう努めてまいりますが、 一方で、 開港に向けた機運を改めて盛り上げていくことも大変重要なことと考えております。
     このため、 今週末の十一月八日、 九日両日、 空港施設内でスカイ・レジャー・ジャパン&エアポートフェスタ二〇〇八in静岡を開催することになっておりますが、 これは予定どおり開催をいたします。 さらに開港までに地元や関係の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、 さまざまな開港記念行事を実施して開港への機運の醸成に取り組んでまいる考えであります。
     次に、 完全開港に向けての取り組みについてであります。
     今般、 やむを得ず暫定運用という形で開港するという判断をいたしましたが、 二千五百メートル滑走路としての施設が既に完成をしているわけであります。 さらに本来の機能である二千五百メートル滑走路としての機能を早期に発揮することが、 本県の発展にとっても必要であることを考えますと、 今後速やかに完全運用を実現することは喫緊の重要課題だと認識をしております。
     このため、 完全運用に向け一日も早い支障物件の除去が実現できるように、 引き続き地権者の方に誠心誠意お願いしてまいりますとともに、 地権者の方にも、 今後の静岡県の発展のためにも、 ぜひともこの事情の御理解をいただきたいと願っておるわけであります。 また速やかに支障物件が除去できた場合はともかくとして、 今後のスケジュールを勘案いたしますと来年の三月の開港は容易でないと想定しております。
     県といたしましては、 まずは引き続き地権者との協議に取り組むと同時に、 協議状況も踏まえ、 今後速やかに完全運用に向けての具体的な道筋を確立し明らかにしてまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  岩ア空港部長。
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長 (岩ア俊一君)  地権者との交渉についてお答えいたします。
     今回の支障物件のある地域は地すべり防止区域に指定されており、 空港整備に伴う地形改変に合わせ、 地域社会のための地すべり対策を講ずることが必要な場所であると考えておりましたが、 昨年一月ごろ県から地権者及び地元関係者に対し、 地すべり防止工事について提案したところ受け入れられたため話し合いが始められました。 そのころ既に現地の空港建設事務所では、 制限表面を超える立ち木の存在に危惧を持っておりましたが、 その後は地すべりの影響を直接受ける地権者に対しまして、 地域社会のために地すべり防止工事の実施が不可欠であり、 その結果として支障物件の除去はなされるとの考え方で地権者にお願いしたほうが、 地権者のほうでも受け入れやすいだろうというふうに判断をいたしまして協議を進めてまいりました。
     この結果、 一たんは昨年七月に地権者との間で地すべり防止工事に係る同意文書の締結がなされましたため、 支障物件の問題は解決され全面的な地すべり工事も進むものと認識しておりました。
     その後、 昨年九月から十月ごろにかけまして地権者の土地で行政代執行の対象となりました立ち木の自主伐採がなされました後、 県としては理由は明らかではございません、 はっきりはわかりませんけれども、 いずれにしましても支障物件がある箇所については工事を認めないとの御意向が示されました。
     しかしながら、 支障物件の残る地域を除いて地すべり防止工事は大部分が終了し、 地権者の方の土地約二ヘクタールを含めまして平坦な土地が生み出され、 今後の土地利用も可能となりましたが、 支障物件の残る地域は未施工であり、 県としては地域社会のためにも当初計画されました地すべり防止工事の完成が必要であると考えているところであります。
     また、 県と地権者の方との間の交渉は、 事業認定取り消し訴訟等との関係から進展が見られない状況でございましたけれども、 県では、 平成二十一年三月の完全開港のためには地権者の御理解を得て物件の除去を行うことが最善の方策と考え、 地元自治会等の御協力も得ながら協議を継続し、 今年度は空港部幹部も直接接触するなど、 ぎりぎりのタイミングまで協議を進めてまいってきておるところでございます。
     次に、 暫定運用についてのうち、 まず就航表明航空会社の見通しについてであります。
     開港時からの定期便就航を表明していただいている日本航空、 全日空及びアシアナ航空に対しましては、 去る十月三十日に花森副知事から今回の事態に立ち至ったことについておわび申し上げるとともに、 開港延期及び暫定運用の内容について説明の上、 開港時から予定どおりに就航していただくようお願いしたところでございます。 その際、 各航空会社とも基本的には引き続きの就航を前向きに検討していただけるとの感触でございましたが、 いずれにしても技術的な観点等からの検証を行った上で最終的に判断するとのことでありました。
     県といたしましては、 各航空会社に対し運航に係る詳細なデータ等を提示し、 予定機材による安全運航についての検証結果を待っている状況にございますが、 開港時から予定どおりの路線・便数で就航していただくことが十分に期待できるものと考えております。
     次に、 新規路線開拓、 チャーター便運航への影響についてであります。
     中国との新規路線開拓につきましては、 現在、 中国東方航空及び中国南方航空と具体的な協議を行っているところでありますが、 中国東方航空では既に中国民用航空局へ週四便の上海路線開設の許可申請を行ったとのことであり、 上海路線の実現は大詰めを迎えていると感じております。 両航空会社に対しましては、 過日、 今回の暫定運用の内容を説明したところでありますが、 中国東方航空の申請によりますと百六十人乗り前後の機材を使用する予定であるということでございますので、 引き続き開港時からの定期便就航が期待できるものと考えております。
     台湾、 香港などとのチャーター便運航につきましては、 基本的には小型機を想定して具体的な準備を進めてきたところでありますが、 今後、 暫定運用の内容を説明の上、 運航に支障がないよう航空会社と調整してまいります。
     また、 開港当初の特需や大型団体の利用などに対応するため、 大型機によるチャーター便運航も想定されていたところでございますが、 今回の暫定運用により運航に支障が生ずる場合もあると考えております。
     県といたしましては、 既に就航を表明されました定期路線及び今後期待される中国路線につきましては、 引き続きの就航が期待できると考えておりますが、 今後の中長期的な新規路線開拓や一部のチャーター便運航については支障が生ずる懸念がありますことから、 暫定運用による開港に万全を期すことと並行いたしまして、 できるだけ早期に二千五百メートル滑走路による完全運用が実現できるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、 進入方式変更による就航率についてであります。
     一般的に非精密進入方式の場合、 精密進入方式に比べまして滑走路面における見通し距離が長く必要となったり、 着陸態勢に入ったパイロットが着陸を続行するか取りやめるかを決定する高度も高くなるなど、 進入条件がより厳しくなるため就航率の低下が懸念されます。
     富士山静岡空港におきましては、 平成十七年から十八年の一年間、 現地で実施した風向き、 風速、 雲の高さ、 見通しなどの気象調査結果に基づき、 県が着陸可能な気象条件の割合を整理いたしました。 その結果、 小型航空機の場合、 着陸可能な比率が精密進入方式では九七・九%、 非精密進入方式では九七・八%と〇・一%の差、 中型航空機の場合、 精密進入方式では九七・九%、 非精密進入方式では九七・三%と、 〇・六%の差が生ずるという試算結果を得ておりますので、 就航率への影響はそれほど大きくないものと想定はしております。 なお県が提供いたしました気象データに基づき、 各航空会社も就航率について独自に精査を行っていると承知しております。
     次に、 開港延期による影響についてであります。
     航空会社、 空港運営会社等、 航空機の就航に直接関係する皆様におかれましては、 これまで来年三月の開港を前提として、 資機材の調達や職員の採用、 広告宣伝などに先行的に投資されたものと承知しております。 旅行会社や観光業界等の皆様におかれましては、 開港時からのチャーター便運航を計画し、 国内外からの誘客やその受け入れ態勢の整備など、 具体的な準備に取り組まれていたところであると承知しております。
     また、 県全体で開港により年間約五百五十六億円の経済波及効果を見込んでおりましたが、 開港延期により、 その効果が先送りされることになります。
     今回の対応策につきましては、 関係の皆様に対し個別に説明を始めているところでございますけれども、 引き続き十分な説明を行い御理解いただけるよう努めますとともに、 個別具体的な御要望につきましても誠意を持って対応してまいりたいと考えております。

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