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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成11年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 洋佑 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/06/1999

会派名:

県政クラブ


質疑・質問事項:



    ○副議長 (鈴木 尚君)  ただいまから会議を再開します。
     あらかじめ会議時間を延長します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 三十一番 鈴木洋佑君。
            (三十一番 鈴木洋佑君登壇 拍手)
    ○三十一番 (鈴木洋佑君)  私は、 県政クラブを代表し、 当面する県政の諸課題について、 知事、 関係部局長、 教育長並びに警察本部長にお伺いをいたします。
     本県の財政は、 二年にわたる大幅な税収の落ち込みと、 バブル崩壊後、 継続した景気対策等のための県債発行額の増加によって厳しい状況下にあるとする知事の財政危機宣言が、 記者会見で明らかにされました。 九六・四%という経常収支比率、 一五%を注意信号とする公債費負担比率が、 既に一六・六%に達したという現実の姿を見れば一目瞭然であります。
     そこで、 まず、 財政問題についてお伺いいたします。
     最初は、 地方税財源の研究についてであります。
     政府税制調査会が外形標準課税を法人事業税に導入するよう求めた報告や、 この問題に言及した全国知事会議における首相発言をもとに、 九月議会で我が会派の須藤議員が、 外形標準課税導入に対する知事の所見を伺ったところ、 「導入に当たっては、 景気動向や中小法人に対する配慮、 税源配分のあり方などについて、 全体的、 総合的見地に立った議論を経た上での国民的な合意が前提である」 と答弁されております。 他の大都市圏と同様、 本県の税収の主要な柱となっている法人二税は、 景気の動向に敏感に左右されるという構造になっていますから、 長期に低迷する景気が回復しない限り、 税収が伸びないということは当然のことであります。
     本県では法人超過課税を実施していますが、 外形標準課税導入論議を国にゆだねるだけでなく、 地方自治体として、 導入可能な税財源確保を研究する必要があるのではないかと考えるものであります。 超過課税や法定外普通税など、 現行制度の中で実施可能な税源や、 現行の地方税財政制度の再点検など、 景気に左右されず、 安定した財政運営を目指すことが必要だと考えられます。
     そこで、 地方税制や財政全般に詳しい専門家等から成る、 仮称地方税財源研究会を設置するなど、 県独自の方策を研究してみる必要があると思いますが、 知事の御所見を伺います。
     次に、 資金管理について三点お伺いをいたします。
     平成十年度の一般会計決算は、 歳入決算額一兆四千四百四十八億四千二百万円、 歳出決算額は一兆四千三百五億八千万円でありました。 一時借入金は年間延べ日数百八十八日間、 延べ借入金額は七兆四千八百十九億円、 年度当初に実行された制度融資等による資金需要が増加した第一・四半期、 県税収入の徴収見込み額が当初見込み額を大きく下回った第四・四半期など、 資金繰りについては相当な御苦労があったことと推察をいたします。 その結果、 一般会計分の預金利子収入一億二千五百七十二万円に対して、 支払い利息は一億七千八百十万円であり、 受け取った利息と支払った利息の差額は五千二百三十八万円であります。 資金管理は、 財務規則及び資金管理実施要領に基づいて行われておりますが、 一時借り入れをする場合は、 指定及び指定代理金融機関との取引になっていると思われます。
     そこで、 まず第一点、 当該金融機関との間に交わしている当座借越契約における、 借入金額に応じた利率がどのようになっているのか、 お伺いをいたします。
     二点目は、 仮に基金をすべて取り崩してしまった場合、 つまり、 積立基金がゼロとなった場合の借入金利は、 基金の残高がある場合と比較してどうなのか、 伺うものであります。
     最後に、 世はまさに金利自由化の時代を迎えています。 そこで、 一時借入利息の軽減策として、 指定及び指定代理金融機関以外の金融機関からの見積もり合わせをするなどの方策は考えられないか、 伺うものであります。
     次に、 糸魚川静岡構造線について伺います。
     一八七五年に来日したドイツの地質学者のナウマン博士は、 弧状山脈を形成する一帯の陸地が、 伊豆七島山脈の接近により誘発された横断裂け目の痕跡であるとして、 大地溝帯という意味のラテン語で、 フォッサマグナと命名したと聞いております。 一九一八年になって東北大学の矢部博士が、 この西の端の断層を糸魚川静岡構造線と名づけました。 この後も、 フォッサマグナの成因や、 地溝帯の位置についての諸説が展開されていますが、 フォッサマグナは日本列島の中央部を横断して、 姫川から静岡に至る二百五十キロメートルの大横断地溝帯であることに異論はありません。
     去る十八日、 仙台市で開かれた地震学会で、 科学技術庁の地震調査課の技官は、 全国に約四百ある大きな活断層の中で、 この糸魚川静岡構造線の地震発生の危険度が一番高いという説を発表したと報じられました。 この活断層は、 約千年置きに動いて大地震を起こしていたが、 約千二百年前を最後に活動していないというものであります。 阪神・淡路大震災の震源域となった野島断層はおよそ二千年目に動いたとされています。 阪神・淡路大震災の後に、 総理府に設けられた地震調査委員会も、 昨年、 糸魚川静岡構造線が、 今後三十年以内にマグニチュード八以内の大地震を起こす確率は一〇%から三六%であるという数字を公表しています。
     この構造線のほかに、 本県には富士川河口断層帯もあり、 これらに対する防災体制の有無と東海地震との連動の可能性も含めて、 どのように考えておられるのか、 伺うものであります。
     次に、 大型観光キャンペーンの取り組みについて伺います。
     全国屈指の観光資源を有する本県にあっても、 景気の低迷、 旅行形態の多様化などにより、 観光を取り巻く状況は大変厳しさを増しております。 平成十年度の観光入り込み客数は一億一千六百十五万人で、 過去最低だった前年度をさらに〇・七%下回って、 二年連続の減少傾向を示しました。 こうした中、 静岡県では、 今後、 二〇〇四年に開催されるしずおか国際園芸博まで継続されるビッグイベントと連携して、 観光キャンペーンが行われることになっています。 皮切りとなる伊豆新世紀創造祭は、 いよいよ十二月三十一日から二〇〇一年一月までのロングランとなり、 また、 来年一月からは、 NHKの大河ドラマ 「葵〜徳川三代〜」 の放映が始まり、 これにあわせて静岡 『葵』 博が開催されることになっています。
     こうしたイベントと連動し、 二〇〇〇年四月から六月まで、 JR六社、 県下市町村、 観光事業者等と一体となったデスティネーションキャンペーンが繰り広げられるわけですが、 観光を取り巻く状況が厳しい中で、 こうしたキャンペーンを全国に向け、 統一的に集中的に展開していくことは、 特に必要なことであると認識をしております。 ちなみに、 前回平成四年に実施された、 本県最初のデスティネーションキャンペーンの成果としての観光客の入り込み客数は、 対前年同期比二一%の増であったとされています。
     もちろん、 当時と現在とでは時代背景が異なりますので、 同様の成果を求めることは難しいことかもしれませんが、 減少を続けている入り込み客数の回復に大いなる期待をかけたいと思っております。 二十一世紀に向け、 知事が主要なテーマとして掲げている 「交流人口の増大」 を実現するためにも、 こうしたキャンペーンを通して、 本県の魅力ある観光素材を積極的に情報発信し、 戦略的な誘致拡大を図っていくことが重要であります。
     そこで、 本県が計画しているそれぞれのビッグイベントを成功させるため、 このデスティネーションキャンペーンを初めとする観光宣伝を、 どのように推進し、 実効性を高めていこうとしているのか伺うものであります。
     次に、 遺伝子組みかえ食品への対応について伺います。
     安全である権利、 知らされる権利、 選択の権利、 意見反映の権利を、 消費者の四つの権利であると喝破したのは、 ケネディ・アメリカ大統領でありました。 つい先ごろ、 農林水産省は、 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、 いわゆるJAS法の改正に伴い、 来年四月一日から施行するすべての加工、 生鮮食品に対する品質表示基準案を公表し、 生鮮食品は名称と原産地表示が義務づけられることになっております。
     また、 遺伝子組みかえ農産物を主原料に使った商品について、 二年後の平成十三年四月から、 その表示の義務づけを決めていますが、 同時に公表された今回の案では、 遺伝子組みかえ食品は分別流通がされ、 遺伝子組みかえでないことが確認された原料を使った場合、 表示をしてもしなくてもいいことになりました。 何かトーンダウンをした感じがいたします。
     食品の安全性が規制強化されるのは、 人々の健康に対する意識変化に伴う時代の流れであり、 世界的な流れでもあるように思われますが、 遺伝子組みかえ作物の表示をめぐっては、 欧州連合が真っ先に表示の義務づけに動いたのに対し、 遺伝子組みかえ農産物の輸出を主力とするアメリカが、 表示義務化は新たな貿易障壁であるとして、 消極的なまま推移していたという経過があります。
     日本の大手スーパーでは、 この秋から表示義務の対象となった二十四品目について、 「本商品の主な原料は遺伝子組みかえではありません」 などの表示を初め、 ファミリーレストランなどでも、 遺伝子組みかえ大豆などの食材をメニューから外すなどの動きが活発になっています。 これに関係する食品製造業者は二万三千五百社で、 中小零細事業者であることを考慮すると、 平成十三年度からの新表示制導入が果たして円滑に正しく実施できるのかといった危惧もあり、 この辺に消費者の心配もあるのではないかと考えます。
     そこで、 遺伝子組みかえ食品に対する法施行前の過渡的な段階においては、 難しい問題だとは思いますが、 既に表示食品が市場に出回っているという現況があるだけに、 遺伝子組みかえ食品に対する県の消費者行政はどのように行われるべきか、 伺うものであります。
     次に、 環境行政についてのうち、 産業廃棄物処理施設設置への公共支援について伺います。
     過日、 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正後、 全国的に産業廃棄物処理施設の新設許可件数が激減中で、 特に最終処分場は一、 二年の埋立容量しか残っていないという衝撃的な新聞報道がありました。 これは、 近年、 廃棄物処理施設、 特に、 最終処分場やごみ焼却施設から多く排出されるダイオキシン類等の環境問題に加え、 法改正後は施設の設置許可に関して、 住民等の意見を反映する仕組みができてきたことが影響しているように思われます。 今日の経済社会を維持し、 発展させていくために、 産業活動を停滞させるわけにはいきません。 産業活動に伴って排出される廃棄物をゼロにすることができない以上、 廃棄物処理施設は欠くことのできない施設ということになります。
     昨年度策定した第三次静岡県産業廃棄物処理計画では、 廃棄物発生量の抑制と最終処分量の三〇%減量を目標に定めると同時に、 処理施設の確保については事業者処理責任という現行法の趣旨を認識しながら、 一方で、 公共支援についても検討することとしています。 産業廃棄物処理施設を設置するに際しては、 住民の信頼はもとより、 何よりも安全性の確保が極めて重要であると考えます。 国は、 都道府県に一個に限り、 地方公共団体と民間事業者が共同で整備、 運営する廃棄物処理センター方式を導入することに対し、 積極的に支援する方針であると聞いております。 しかし、 本県は、 東西に長い圏域を有するという地理的な特異性を持っていることから、 県内に一カ所の処理施設方式では、 収集、 運搬等のコスト面からも非効率的であると思われます。
     そこで県は、 産業廃棄物の処理施設の設置に当たっての公共支援について、 どのように考えているか伺うものであります。
     次に、 一般廃棄物ごみ処理広域化計画について伺います。
     平成九年度末における県下の処理能力一日五トン以上の焼却施設は五十三施設、 処理能力は一日五千五百十トンで、 耐用年数十五年を超えている施設は二十四施設、 四五%であります。 処理能力一日五トン以上の中間処理施設三十六施設、 処理能力は一日一千百五十七トン、 既に耐用年数を超えている施設は四二%に当たる十五施設であります。
     これらのごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類の量は、 総排出量の七〇%に達することが確認をされています。 ごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類の速効性のある削減対策としては、 現在あるこれらの焼却施設の改修を進めることでありますが、 恒久的な削減策を講ずるためには、 焼却炉の大型化と連続運転化が可能な施設への転換が必要とされています。 施設を連続運転させるためには、 一日当たり百トン以上のごみが必要になるわけですが、 浜松、 静岡、 富士、 沼津、 清水、 伊東、 三島、 藤枝の各市を除く市町村においては、 この量を単独で確保することは難しいという状況にあります。
     そこで、 従来のごみ処理体制の枠組みにとらわれず、 ごみ処理施設を集約化し、 広域的な視点で取り組むことが課題となっています。 昨年三月策定した静岡県ごみ処理広域化計画は、 県内を七つの広域処理圏に設定をし、 各圏域市町村の協議によって計画を定めることといたしました。 ごみ収集の方法や既存施設の更新時期の違い、 財政力など、 市町村ごとにさまざまな問題があることは十分承知をいたしておりますが、 策定後一年半を経過した現時点で、 県内七つの圏域の進捗状況と課題、 あわせて、 今後、 県としてどのようなスケジュールで具体化していくのか、 伺うものであります。
     次に、 福祉行政について伺います。
     長寿社会の到来による介護者の高齢化や、 核家族の進行に伴う家族内の保護介護機能の弱体化、 国民医療費に占める老人医療費の急増、 さらには、 現行の個別の対応による保健、 医療、 福祉の負担の不公平感などの現状を見据えて、 介護を社会化するための制度が、 来年四月から始まる介護保険制度であると認識しております。 この制度が出発進行するについて、 今なおさまざまな問題点が各方面から指摘されていますが、 ここでは、 県が直接的にかかわる部分についてお伺いをいたします。
     まず、 高齢者保健福祉計画と介護保険事業支援計画についてであります。
     平成二年の老人福祉法の改正に伴い、 都道府県及び市町村は、 老人保健福祉計画の作成が義務づけられました。 そして、 平成九年十二月の介護保険法の成立に伴い、 介護保険給付を円滑に実施し、 趣旨及び目的を確保するために示される国の基本指針に基づいて、 都道府県は介護保険事業支援計画、 市町村においては市町村介護保険事業計画を定めることとされ、 特に、 この計画は本年度中に策定することが義務づけられました。
     これらの計画策定に当たっては、 高齢者が地域において必要な質と量の両面において利用できる介護サービスを確保することがまず大事なことであります。 しかし、 高齢者が、 できる限り健康で自立した生活が送れることを保障し、 要介護の状態にならないようにする介護予防という観点は、 さらに大事なことであります。 高齢者保健福祉計画は、 すべての高齢者を対象として、 介護保険給付の対象にならない老人福祉サービスの整備目標を盛り込む必要があるとされています。
     県は、 適切な介護措置が図られるよう、 市町村高齢者保健福祉計画の策定に当たって、 技術的な助言を行うことになっていますが、 市町村には、 それぞれの財政規模、 人口規模、 高齢化率などで大きな格差が存在しています。 高齢者の健康づくり、 予防医療の徹底、 生活習慣の改善や生活環境の整備、 地域のリハビリテーション対策など、 介護予防は、 市町村ごとに実施するサービスに偏りがないようにしなければならないと考えます。
     県の高齢者保健福祉計画においては、 市町村の老人福祉政策の全般に対する支援が必要でありますが、 県も市町村も財政が困窮の度合いを深めている中で、 計画の実現に必要な財政措置が着実に図られるのだろうかと考えますが、 それぞれの計画の策定の現状と、 財政措置が十分に図られるのか、 伺うものであります。
     次に、 先ほども質問でありましたけれども、 介護保険に係る利用者の不服や苦情処理に関して設置される二つの機関について伺います。
     まず、 介護保険審査会についてであります。
     介護保険法第百八十四条は、 保険者である市町村が行った行政処分に対する不服申し立ての審理、 裁決を行う機関として、 都道府県に介護保険審査会を設置することを義務づけています。 本県においても、 この十月に、 要介護認定、 被保険者証の交付請求、 給付制限などの処分と保険料の賦課徴収、 不正利得に関する徴収金等に係る賦課徴収、 滞納処分など、 保険料その他の徴収金に関する処分についての、 被保険者からの審査請求を処理する機関としての審査会が設置されたと聞いております。 杞憂に終わればいいのですが、 この保険制度は紆余曲折を経て、 試行錯誤的な形で始まっていくわけでありますから、 執行に当たって、 多くの疑問や苦情が殺到するのではないかと思われます。
     認定結果などへの不服は、 介護保険審査会が所管することになっているわけですが、 指定基準違反についての裁決、 指導、 命令は都道府県の管轄となっていて、 わかりにくい内容のように思われます。 一般的な苦情については、 身近な市町村に対して寄せられることが多くなるのではないかと心配する声も聞こえてまいります。
     不服処理を取り扱う介護保険審査会と保険者である市町村との間の苦情処理事務分担の徹底と、 被保険者に対する制度の周知徹底が必要であると思いますが、 どのように考えているか、 伺うものであります。
     次に、 国民健康保険団体連合会の職務と県の対応について伺います。
     介護保険法は、 利用者に提供されるサービスの質の確保のため、 サービス事業者に対する報酬支払いや審査とは別に、 事業者のサービスの質に対する苦情の受け付け、 調査や指導と助言を行う機関として、 県国民健康保険団体連合会にその職務を分掌させることにしています。 利用者あるいはその関係者からのサービスに対する苦情は、 当然、 居宅介護サービス事業者、 施設介護サービス事業者、 居宅介護支援事業者に対して行われた場合、 各事業者は迅速、 適切に対応することとされていますが、 将来的に施設サービスへの入所競争率が高まると予測される中で、 現に入所している施設に対する不服や苦情が言えるのだろうかと、 甚だ疑問に思われます。
     国保連の守備範囲となる指導対象は、 県が指定したサービス事業者の保険事業であって、 市町村が独自に許可する基準該当サービスは含まれていないということであります。 国保連は、 法に基づく調査業務と指導、 助言の権限がありますが、 指導には強制力が与えられていないことから、 その実効性が懸念されているところであります。 サービスの質の内容に係る不服処理について、 利用者の主張が本当に認められるのだろうか、 心配であります。
     そこで、 市町村と県と国保連との間に、 事務処理や手続などに関する諸問題についての執行前の意思統一が必要だと思いますが、 国保連の苦情事務処理業務に対する県の対応はどのようになっているのか、 伺うものであります。
     福祉行政についての最後は、 ホームレス対策についてであります。
     バブル崩壊以降、 駅のコンコースの隅や地下道の一角、 あるいは公園などの公共施設内や橋の下などに、 段ボールやビニールシートなどで囲って生活するホームレスの姿を多く見受けられるようになりました。 その後も、 長期低迷する経済と、 それに伴う企業の大量の人員整理によって、 ホームレスは確実に増加の一途をたどっております。
     川崎市や横浜市、 大阪市などでは、 人道的見地から食料支給などを行っていると聞いていましたが、 過日の新聞では、 最も先進的なホームレス対策を実施していた川崎市のホームレスへの食料支給予算が約二億八千万円にまで膨れ上がり、 見直しを余儀なくされていると報道されていました。 政府は、 昨年とことしの二回にわたって行った調査で、 東京、 大阪などの大都市を中心に、 およそ一万六千人のホームレスの数を把握していたようであります。
     本年五月、 内閣内政審議室、 厚生省、 労働省、 自治省や関係地方公共団体で構成するホームレス問題連絡会議において、 自立支援体制の確立、 雇用の安定、 保健・医療の充実などについての施策をまとめ、 具体的には、 ホームレス自立支援センターの設置などを進めていこうとしているようであります。 川崎市が独自に行ったホームレス調査によれば、 ホームレスになった理由は、 失業が圧倒的で、 八六%を占めているということであります。
     政府は、 さきのホームレス問題連絡会議の取りまとめを受けて、 人数、 施策の状況などについて早急に調査し、 報告するよう求めたということであります。 大企業を中心とする潜在的失業者はいまだ百万人程度いるだろうとも言われており、 ホームレスは今後もさらに増加すると考えた方がいいように思われます。
     県においては、 この調査結果を単に政府に報告するだけでなく、 国の施策に迅速に対応するため、 ホームレスを抱える県内の該当市とともに、 何らかの自立支援策等を検討する必要があるのではないかと思いますが、 御所見をお伺いするものであります。
     次に、 商工労働行政について伺います。
     まず、 離転職者訓練の今後の方向性についてであります。
     東京商工リサーチの調査によると、 この一年間に、 社員数で約一割以上をリストラした企業は百八十二社で、 前年度の二倍に達したということがわかりました。 この秋、 政府が補正で対応した緊急雇用・就業機会創出特別事業は、 事業化から予算化まで二カ月間しかなかったため、 各自治体ともに準備不足もあり、 雇用も六カ月間だけという事業だっただけに、 本当の意味の雇用対策にはつながらなかったと思っております。 労働省自身も、 「この事業は、 まず、 失業者に職についてもらうのがねらいであって、 長期的、 安定的雇用の創出につながることは期待していない」 と言っていますから、 何をか言わんやであります。 新規雇用対策には、 新規産業の育成が大きなかぎを握っていると思いますが、 中小企業国会と銘打った本国会のもたつきが、 失業者にはひどく気になるところだろうと思います。
     さて、 中高年者の再就職が非常に厳しい中でも、 とりわけホワイトカラーの失業者にとっての転職、 就労は全く展望が開けません。 県はそうした人たちを対象に、 この二年間、 雇用能力開発機構とともに、 造園、 情報ビジネス、 パソコン事務、 コンピューター会計など、 新たな就労のために必要な基礎的技能を付与し、 再就職を容易にするための訓練を実施してきました。 また特に、 再就職が困難な、 非自発的理由による中高年離職者を対象にした中高年緊急就職促進訓練事業として、 物流サービス、 福祉ヘルパー、 OA機器操作などの訓練を実施しています。 一家の大黒柱である中高年者の再就労促進は、 景気対策としても大事なことであると思います。
     そこで、 これまでの訓練の中では、 パソコン関係のコースの要望が強かったと聞いていますが、 その成果並びに再就労の実態、 そして、 それらの実態を把握した上で、 今後の離転職者訓練事業はどのような内容、 方向性が望ましいと考えているのか、 伺うものであります。
     次に、 商業活性化のための街づくり支援策について伺います。
     中心市街地を含めた中小・小売商業を取り巻く環境は、 消費者志向の変化に伴い、 大型の郊外型ショッピングセンター、 ディスカウントショップ、 コンビニエンスストアなどの新たな業態店の台頭によって、 厳しさを増しています。 このような状況を受け、 昨年、 いわゆるまちづくり三法が制定され、 商業政策において都市計画や街づくりの視点がより重視されることとなりました。 大型店の出店に当たっても、 現在は、 大規模小売店舗法で大型店の事業活動の調整を行っておりますが、 来年六月からは、 大規模小売店舗立地法により、 環境や交通等の観点から出店が審査されるわけであります。
     これにより、 中心市街地の活性化や商業振興は、 単一的な縦割り行政では解決できない状況になり、 郊外地域の土地利用、 生活環境の保持などを含め、 街全体をどのようにしていくかという総合的なビジョンが求められることになったのであります。 県内十四の市町において、 中心市街地活性化基本計画が策定、 あるいは策定中であると聞いておりますが、 計画策定後の実際の事業の立ち上げや事業を運営していく組織づくりに当たって、 利害調整など大変な作業と忍耐が必要であると言われております。 商業者や住民の意識には、 街づくりは行政の役割という、 ある意味では甘えの意識が残っており、 主体的な参加意識が低いという実例が各所で見受けられます。
     こうした現状を踏まえて、 中心市街地の再活性化や中小商業者の振興と育成を図るためには、 行政がリーダーシップをとることではなく、 街中にいる人材の育成や住民の参加意欲を引き出すための支援者となることが必要ではないかとも考えます。
     そこで、 TMOなどの制度を活用した市町村の商業の活性化を目指した街づくりを支援する中で、 住民の意識改革と住民参加意欲を高進させるため、 どのような支援策を考えているのか、 伺うものであります。
     次に、 農業行政について伺います。
     まず、 中山間地域等直接支払い制度についてであります。
     中山間地域は、 著しい人口減少、 急速な高齢化の進展などにより、 一部では、 地域社会の維持、 存続すら危ぶまれています。 しかし、 中山間地域は、 農林産物や豊かな自然環境の提供、 水資源の涵養、 洪水防止等の国土保全、 大気の浄化等々、 いわゆる公益的機能を有しています。
     こうした地域において、 農業生産活動を維持しながら、 こうした多面的機能を確保することを目的とした直接支払い制度が、 平成十二年度から開始されようとしています。 対象とされる地域と農地は、 特定農山村法等の指定地域であって、 傾斜等によって生産条件が不利で、 耕作放棄される可能性が高い農用地区域内の農地で、 指定は、 国の基準に基づいて市町村長が行うことになっています。 対象者は農業活動を行っている農業者等で、 五年以上の生産活動が条件となっています。 支払われる金額は十分とはいかないまでも、 我が国の農政にとっては、 画期的な転換であると言えるものであると思います。
     しかし、 この制度に該当する市町村は、 傾斜度百分の一から二十分の一の水田や、 八度から十五度の畑、 草地、 採草放牧地をどのような尺度で決めていくのか、 あるいは担い手や新規就業者はともかくとして、 例えば、 七十歳を過ぎた高齢者などに五年間の農業生産活動が保証できるのかといった難しい問題を抱えていると聞いております。
     この制度の中で、 県は、 市町村に対し指導、 助言することになっていますが、 来年度の実施を控えて、 県内にどの程度の指定地域ができるのか、 それに対する総支払い額はどの程度になるのか、 伺うものであります。
     次に、 土地改良区の組織強化と施設管理についてお尋ねをいたします。
     戦後農政の抜本的な改革を図るため、 三十八年ぶりに農業基本法が改正されました。 これまでの基本法は、 農産物の価格安定など生産者サイドに立ったものでありましたが、 新法では、 消費者の需要喚起や国土保全対策としての農村の役割の重要性を強調するなど、 総合的な農業振興策を打ち出しております。
     我が国は極めて雨が多く、 国土は急峻で、 河川は短く、 流れも急であります。 水田や森林はこうした厳しい自然条件を緩和し、 私たちの生活に不可欠な水をはぐくみ、 豊かな国土を形成してまいりました。 このような国土の基本的な構造を形成してきたのは、 水田や森林を守り、 水を維持管理してきた人々の営みの中から生まれてまいりました。 稲作が伝播されて以来、 二千年もの長い間、 私たちの祖先は、 農業用水を確保するために、 その開発と保全に腐心をしてきました。 そして、 古来より連綿と受け継がれてきた技術は、 農業用水の安定供給や生産性の向上などに大きな役割を果たしております。
     私の住んでおります浜松市におきましても、 先人の大変な尽力と県や国の支援により、 三方原用水や天竜川下流用水などが整備され、 飛躍的に農業の生産基盤整備が進展いたしました。 また、 都市部に比べおくれておりました農村地域の社会資本の整備も、 土地改良事業の活発な実施により著しく進み、 農業振興はもとより、 農村地域の発展に大きな貢献を果たしてきました。
     こうした土地改良事業を実施するための推進団体として、 また、 事業により造成された土地改良施設の維持管理などの実施主体として、 土と水を一体的に管理する土地改良区の持つ役割は重要であり、 これまで我が国農業の発展に大きく貢献をしてきました。
     近年、 農業用排水路などの土地改良施設は、 公共・公益性も高く、 地域社会全体にとって大変重要な施設として見直されてきております。 しかしながら、 施設の老朽化による修繕費の増大や各種土地改良施設の大規模化、 操作管理の高度化等による管理費の負担が増大をし、 恒常的に経費がふえている一方、 農産物価格の低迷により農家収入が伸び悩んでいるため、 賦課金の引き上げが難しく、 適正管理の確保にふぐあいが生じている地区が少なくありません。
     こうした状況を踏まえ、 県として、 今後、 土地改良区の事業運営基盤の強化と土地改良施設の維持管理に対して、 どのような支援を図っていくのか、 お伺いをいたします。
     次に、 教育行政についてお伺いいたします。
     中高一貫教育と新学習指導要領について伺います。
     最近は、 何か色あせた感じがいたしますが、 明治維新で取り入れて成功したものとして大変評価されているものの中に、 近代教育制度の導入がありました。 豊かな社会が実現するにつれ、 高校への進学率が高まり、 小学校六年、 中学校三年の義務教育期間を経て、 今では一〇〇%に近い生徒が高校進学を果たしています。 中学校における三年間は、 義務教育の完成を目指す期間であると同時に、 高校進学への道を開く期間でもあることから、 教育内容が窮屈なものになっているという指摘が従来よりなされてきておりました。 このような中において、 中・高の六年間を通したカリキュラムを編成することができるとすれば、 ゆとりある学校生活の中で、 計画的、 継続的な指導を展開する教育が可能になるのではないか、 このような立場に立った考え方に立って、 中高一貫教育に向けた研究がモデル校で行われているところであります。
     また一方、 文部省が二〇〇二年度から始める新学習指導要領に基づく教育は、 学校五日制とも重なり合って、 児童・生徒の拘束時間は相当量減るものと推測されています。 大学生の学力低下が大きな話題になっておる今日、 従来の詰め込み教育からゆとり教育へと大きくかじ取りをする中で、 児童・生徒の保護者から、 学力低下に対する大きな心配の声が上がっているということであります。
     そこで、 中高一貫教育という新たな制度と、 ゆとりを重んじる新しい学習指導要領に示された教育内容は、 どのような教育を目指しているのでありましょうか。 相互の関連性について伺います。 また、 将来懸念されている学力低下について、 どのように考えておられるのか、 教育長にお伺いをするものであります。
     最後に、 警察行政について、 犯罪被害者対策の推進状況と今後の課題についてお伺いをいたします。
     よく最近、 「トラウマ」 という言葉を聞きます。 「トラウマ」 って何だいなと、 そんな感じを受けたわけです。 今、 はやりの遺伝子操作によるトラと馬のあいのこのことかなと、 こんな思いもしたわけですが、 これは心の傷という意味だそうであります。 最近よく使われる 「トラウマ」 という言葉は、 みずからが、 あるいは家族などが、 殺人や傷害、 交通事故、 あるいは性犯罪などに巻き込まれた後に残される心の傷を指しているということを知りました。
     犯罪が発生した場合、 警察による捜査、 そして裁判という刑事手続が進められることになりますが、 現行の刑事手続は、 犯罪被害者やその遺族などの関係者に対する配慮が盛り込まれていないように思われます。 従来から、 被疑者や加害者の人権は保護されてきたのに対し、 犯罪被害者などの人権については、 どうも関心が薄かったということであります。
     本県警察においても、 昨年八月より犯罪被害者対策室が設置され、 組織的に犯罪被害者などに対する各種のサポート、 相談業務が開始されたと聞き及んでいるところであります。
     そこで、 現在の相談業務などの被害者対策の推進状況と、 今後、 これをどのように充実させていこうとしているのか、 警察本部長にお伺いして、 一たん質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 (拍手)

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