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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田形 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/18/2012

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 大震災が発生した際の県職員OBの活用について
2 新たな津波被害想定に対応した施設整備に向けた取り組みについて
3 海岸防災林再生に向けた取り組みについて
4 ふじのくにICT戦略の推進について
 (1) CIOアドバイザーの活用方策
 (2) 次期ICT戦略の方向性
5 農業への企業参入の促進について
6 コミュニケーションスキルを身につけるプログラムの導入について


○議長(小楠和男君) ただいまから会議を再開します。
 ここで、あらかじめ会議時間を延長します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、五番 田形 誠君。
       (五番 田形 誠君登壇 拍手)
○五番(田形 誠君) 浜松市の田形でございます。
 私は民主党・ふじのくに県議団の所属議員として通告に従い、知事及び関係部局長、教育長に当面する県政の諸課題について伺います。
 初めに、大震災が発生した際の県職員OBの活用について伺います。
 東日本大震災から一年九カ月がたちました。被災地では一日も早い復興に向け各地で全力を挙げて頑張っているところですが、復興に向けた課題もあるようです。被災三県で計画されている災害公営住宅、いわゆる復興住宅は二〇一四年度末までの建設を見込んでいます。しかし建設におくれが生じ、計画の約四割が期限に間に合わないのではないかと言われています。原因の一つとして挙げられるのが担当職員の不足です。これは震災で多くの職員が不幸ながらお亡くなりになったことが、少なからず影響をしているように思います。被災地では、本県から派遣されている職員二十名のほか全国の自治体から多くの派遣を受け入れておりますが、復興業務に従事する職員がまだまだ不足しているそうです。そのため全国各地の自治体OB職員等を対象として岩手県が任期つき職員の募集を行うなど、被災地では震災から一年以上が経過した今でも必要な人材確保に向けた取り組みが行われています。被災後に復興への人材を確保することは極めて困難と言わざるを得ません。
 さて、本県に目を向けますと、南海トラフ巨大地震による甚大な被害が予想されており、その際多くの職員が被災し震災以降の業務につけなくなることは十分考えられます。防災先進県を自負する静岡県において、被災後の体制整備については着実に進められているものと理解をしておりますが、被災地に見られるような職員不足が復興のおくれを招くことにもなりかねません。本県で大震災が起きた際どのように必要な人材を確保するか、ふだんから検討しておく必要があると考えます。
 その一案として、本県を退職された職員の経験を生かすべきではないかと私は思います。OB職員に復興業務への御協力をお願いし、賛同いただけるような方については今のうちからリストアップをしておき、いざというときに連絡をとれるような備えをしておくことが必要ではないでしょうか。本県で大震災が発生した際の人材確保策の一つとして、本県OB職員の活用は有効な手段であると考えますが所見を伺います。
 次に、新たな津波被害想定に対応した施設整備について伺います。
 この議題は午前中にも出ましたけれども、沿岸域に住まう者として再度質問をいたします。
 地震・津波に対する県民の関心度については今さら言うまでもありません。来年六月、第四次地震被害想定とあわせて、新しい地震・津波対策アクションプログラムが策定、公表がされる予定です。また本格的な津波対策施設の整備に着手するとしております。県民に安心していただける施設整備の早期着工は県民の願いであります。特に浜松市の沿岸域十七・五キロメートルの整備については、一条工務店グループからの多額の御寄附があり、浜松市では整備に向けた機運が非常に高まっています。この一条工務店の寄附に関しては、知事の並々ならぬ御尽力があり心から評価をするところであります。
 私としましては、浜松市が防潮堤整備のパイオニアとなり全県への整備が着実に進められることを切に願います。しかし本県は総延長五百五・六キロメートルと非常に長い海岸線を有しています。新たな被害想定に対応した施設整備は膨大であり、事業実施についてもさまざまな課題が想定されます。
 そこで、来年六月の新しい地震・津波対策アクションプログラム策定後津波対策を遅滞なく進捗させるため、今後県としてどのような計画をお考えになっているのか伺います。
 次に、海岸防災林再生に向けた取り組みについて伺います。
 静岡県の海岸林は、クロマツを主として形成をされています。沿岸部では、厳しい自然環境からみずからの生活圏を守るべくクロマツが植林をされたそうです。加えてクロマツによる海岸防災林は、津波減災効果が評価をされています。多重防御の一環としての海岸防災林に対する期待はより一層高まっています。
 ところで、現在の防災林に目を向けますと、いまだ松くい虫被害が続いています。対策として毎年薬剤の空中散布が行われていますが、民家などの周辺では、健康被害に配慮するがゆえに空中散布を実施できないのが現状です。松くい虫への被害対策には限界があるようにも感じます。結果として本来持つ防災林の機能低下が懸念されるとともに、薬剤の空中散布ができないようなところでは景観が損なわれており目を覆いたくなるばかりです。景観を重んじる知事におかれましては、見過ごすことができないのではないかと拝察をいたします。
 さて、浜松市の遠州灘海岸では、津波対策として全長十七・五キロメートルの海岸防潮堤整備が計画をされています。整備に当たっては、防災林のかさ上げ、松の植えかえもあわせてなされることとしています。その際、松の植林については抵抗性クロマツを使用するとの答弁がさきの本会議でありました。抵抗性クロマツの使用が実現すれば、松くい虫被害の予防策になるとともに将来の管理に係る費用の低減が期待できると考えます。
 しかし、ここで課題となるのが苗木の供給体制です。平成二十二年度の抵抗性クロマツの生産については、全国的に見ると需要に供給が追いついていないのが実情だそうです。加えて東日本大震災では広大な海岸防災林が被害を受け、今後この復旧が予定をされています。さらに遠州灘海岸での使用を計画していることから需要はますます増加の一途をたどっていくものと思われます。
 そこで、苗木の需給がH迫していく中、どのような増産を図っていくのか伺います。
 次に、ふじのくにICT戦略の推進についてのうち、CIOアドバイザーの活用方策について伺います。
 現在、県庁内においては、二百以上の情報システムが稼働しています。コスト削減や行政運営の効率化など行財政改革を推進するため、クラウドによるシステムの集約に取り組んでいるところと伺っています。
 こうした中、今年度新設されたCIO制度により県庁内の情報化推進体制が強化をされました。CIOアドバイザーからの技術的な助言を受けながら情報システム経費のさらなる削減に取り組んでいるとのことであり、その成果を大いに期待しているところであります。その一方、私はある懸念をしています。CIOアドバイザーの職務が本県みずからの情報システムだけを対象としていることです。非常にもったいない気がしてなりません。県内市町にもう少し踏み込んだかかわり方を求めてもいいのではないかと私は考えます。
 例えば、県西部の市町において自治体クラウドの研究が既に始まっておりますが、そうしたクラウド利用についての助言であったり、県内自治体における一体的なICT利活用推進の主導、はたまた人材育成への積極的なかかわりなどアドバイザーに求められることは決して少なくないと思います。もちろんCIOである大須賀副知事がその専門知識を発揮されることが一番ではあると思いますが、やはり副知事としての総括的な立場もございます。
 こうした状況から、専門性の高いアドバイザーへの委託をしております。このことを踏まえ、来年度以降のCIOアドバイザーのさらなる活用方策について、県の所見を伺います。
 次に、次期ICT戦略の方向性について伺います。
 ふじのくにICT戦略は、計画期間が平成二十五年度までとなっておりますが、ICTを取り巻く情勢は目まぐるしく変化をしております。そのため不断の見直しが必要と考えます。現在の戦略では、自治体におけるコスト削減、災害対策、医療、教育など主に公共分野におけるICTの利活用推進に主眼が置かれています。一方その他の産業における利活用への視点は、ややおろそかになっているようにも感じられます。
 ICT産業が提供するサービスは、大企業中心に経営の合理化や新たなビジネスの展開にその活用が図られています。しかし中小企業においてはその利活用がまだまだ浸透しておらず、恩恵を十分に得られていないように感じます。また県内のさまざまな分野におけるICT利活用の推進には、県内IT企業そのものの成長があってこそ相乗効果が得られるものと考えます。
 加えて静岡県は、ICT産業にとって恵まれた立地環境にあります。IT企業の誘致やデータセンターを新東名沿線に設置するなど、内陸フロンティア構想の一環としても実現できる施策は多いと感じています。
 そこで、これらのことを踏まえ、次期戦略の方向性と具体的な施策についての所見を伺います。
 次に、農業への企業参入の促進について伺います。
 国内の農業については、さまざまな課題を抱えています。耕作放棄地対策については本県でも重要課題として挙げられています。また農業従事者の高齢化、後継者不足など担い手の減少もあわせて危惧をされています。県内農業の維持発展には、農地の有効活用、経営の継続的な発展、新たな担い手の確保が以前から重要視をされています。
 こうした中、平成二十一年農地法が改正をされました。一般法人でも農地を借りることが可能となりました。このことから県内では九十社の企業が農業参入を始めたそうです。私の地元浜松には、総菜や弁当を製造販売する企業があります。耕作放棄地を再生し総菜の原材料をみずから生産しています。消費者に安心・安全を提供することにより経営を伸ばしています。またこの会社は、新規就農希望者を多数雇用するなど雇用の受け皿にもなっています。このような農業参入は、耕作放棄地の解消とともに地域に新たな雇用を生み出しています。地域経済の活性化にも一役を担うものと言えます。
 しかし、参入した企業が直ちに利益を上げることが必ずしもできるわけではありません。多くの企業がさまざまな苦労をされているそうです。優良な農地の確保、安定的な生産などが挙げられ、農業部門への黒字化には多くの時間が必要と言えます。こうした課題への支援が必要ではないかと私は思うんです。
 そこで、県民に豊かな食材を供給し続けるためには優良農地の確保とともに、栽培技術、経営ノウハウの指導など企業の農業参入に対する支援が必要であると考えますが所見を伺います。
 最後に、コミュニケーションスキルを身につけるプログラムの導入について伺います。
 児童生徒のいじめ、不登校を背景とする自殺が社会問題として大きくクローズアップされています。この問題解決に向けたピア・サポート活動が今注目を浴びています。このピア・サポートとは他者支援を意味しており、生徒の悩みを自分たちで解決しようとの取り組みです。人の役に立ちたいと思う心は誰しもが持っているものです。しかしながら周囲と打ち解けるすべを持ち合わせていない生徒が非常に多いと聞きました。特に高校進学当初は、周りに顔なじみが少なく孤立してしまうことも少なからずあるようです。こうしたことからコミュニケーションスキル向上を目指したピア・サポート・トレーニングが全国各地の小中高等学校で徐々に実施されてきておりますが、ここでは県立の高等学校について取り上げます。
 本県では、浜松江之島高校においてこの取り組みが今年度から行われています。トレーニングでは、自己紹介から始まり、上手な話の聞き方、対立の解消方法などを学んでいます。先日浜松江之島高校に伺い、発起人の山口先生にお話を聞いてまいりました。困っている人の役に立ちたいという他者への関心がなければピア・サポートは成り立たないとのことであります。そのため参加者にはボランティア・スピリットを丁寧に説明しているそうです。参加者の中には困っている人を助けたいと思う生徒がいる一方、会話に苦手意識を持っている自分を変えたいと願う生徒もいるそうです。参加生徒からは、他人に関心を持てるようになったと大変好評とのことであります。
 また、山口先生は次のようにも語っています。悩みを誰かに打ち明けることはとても勇気の要ること。悩んでいる子の多くは、誰にも相談できず内にこもり最悪みずからを死に追いやってしまう。生徒にとって悩みの相談相手は同世代の友人がほとんどであり、先生に相談するケースは一割程度でしかないとのことであります。だからこそ、このピア・サポートを通じて生徒の問題を生徒同士で解決する力を身につけさせることができれば、いじめや不登校が未然に解決され最悪の事態についても当然防ぐことができるはずです。さらに協調性のある人材が求められている今、社会に出た後も、ここで実践したことが大いに役立つものと期待をしています。
 そこで、全県でのピア・サポート・トレーニングのプログラム導入が静岡県の将来を担う生徒にとって大変効果的な取り組みであると考えますが、教育長の見解を伺います。
 また、全県でプログラムを普及、実践していくためには、各高等学校で指導的な役割を担う教員の存在が欠かせません。このような指導的教員の育成について、教育長のお考えをあわせて伺います。
 以上で質問を終わりますが、丁寧かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田形議員にお答えいたします。
 初めに、ふじのくにICT戦略の推進についてのうち、次期ICT戦略の方向性についてでございます。
 「誰もが、いつでも、どこでも、情報でつながる“ふじのくに”づくり」が目標です。この目標のもとで、昨年三月ふじのくにICT戦略を策定いたしました。この戦略は三本柱から成ります。第一にICT利活用の促進、第二に情報通信基盤の整備促進、第三に安心・安全な情報利用環境の実現でございます。最近は、フェイスブックやツイッターに代表される新しい情報発信手段の登場やスマートフォンを初めとする携帯端末の急速な普及など、日々進歩する情報通信技術を効果的に使った情報の収集・発信が国内のみならず全世界に拡大しています。
 産業分野におきましても、マーケティングやすぐれた技術の開発、活用などの面で、ICTの効果的な利活用が新しいビジネスチャンスを生んで事業拡大につながっているという現状がございます。
 こうした中、本県の内陸部では内陸のフロンティアを拓く取り組みを推進中でございますが、この地域は新東名の交通利便性に恵まれ、また富士山を仰ぐ豊かな自然環境と美しい景観がございますので、ストレスの多いICT企業のサテライトオフィス、スモールオフィス・ホームオフィス、いわゆるSOHO、在宅ワークの拠点を置く適地でございます。さらにデータセンターなどを津波の心配のない地域に移転させる受け皿としての可能性も高まっております。またICT企業が、内陸部に立地してくる成長分野の物流関係等の企業の活動を支え、高度化する役割を担うことも期待されるわけでございます。
 次期戦略の策定に向けましては、ICT拠点の立地を誘導、促進するとともに、産業振興や危機管理などさまざまな分野でICTの一層の利活用を促進する効果的な政策について幅広く検討して盛り込んで前倒しで実施していくことで、高度情報化社会での地域産業の活性化、県民生活の向上を実現してまいります。
 次に、農業への企業参入の促進についてであります。
 静岡県では、これまで県農業振興公社や市町と連携いたしまして、農業への企業参入を支援してまいりました。平成二十一年十二月に農地法が改正され規制が緩和されました。まだ要件はございますけれども、一般法人のままで参入する方法が可能となったわけでございます。翌平成二十二年には、新規に参入した企業が二十四社、昨年の平成二十三年には三十四社と増加しました。その結果、平成二十二年は合計企業数五十六、平成二十三年九十となっています。これを法改正の前の平成二十年以前と比べますと、平成二十年では二十四社しかありません。また平成十七年から平成二十年、この時期における新規参入の企業は一桁です。ですから今多くの企業が、この法改正のもとで農業への企業参入に関心があるということでございます。
 そのうちの一つ、例えば浜松で参入した造園会社がございますが、剪定された枝葉とウナギ加工場の残渣を使ってサツマイモを栽培いたしまして、これを原料とした自社製プリンが県のふじのくに新商品セレクションで金賞を受賞しました。サツマイモはウナギの加工場での残渣を使うものですから「うなぎいも」という名前がつけられまして、新しいブランドとして六社で使用して八種類のお菓子が開発され、地域の農業者にも栽培が広がってきております。
 このように、企業ならではの視点とノウハウを生かして特徴のある経営を実現していくには、生産を安定させ、さらには規模を拡大していく必要がございます。また農地の確保と栽培技術の習得も不可欠です。
 このため私どもは、今年度から企業参入コーディネーターを県農業振興公社に配置しまして、耕作放棄地を含む一団の農地を紹介する現地見学会を開催するなど、市町、農業委員会と連携し農地のあっせんの相談を実施しています。
 また、県農林事務所が個別に営農計画の策定から栽培技術指導までを一貫して行うこととしています。伊豆の国市で農業に参入した建設会社に対しましては、露地野菜の作付計画や施肥、防除の方法などを指導しております。これによりまして栽培技術の向上等による生産の安定と地域の伝統的な野菜産地の再興が図られており、地域の活性化に貢献しているということでございます。
 県といたしましては、今年度、静岡県農業参入法人研究会が設立されましたので、この研究会を活用いたしまして、栽培技術、農地情報の共有、企業相互の連携、これらを強化することとともに高い栽培技術を持つ農業者との交流を促進することで、参入企業の生産技術の向上と農地の確保を一層支援してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 大震災が発生した際の県職員OBの活用についてお答えいたします。
 大震災が発生した際には、職員は直ちに登庁し災害応急対策業務に従事する必要があります。そのため職員みずからが被災しないよう日ごろから防災に対する意識を高めるとともに、住宅の耐震化や家具の固定など家庭内の安全対策に努めるよう指導してきたところでございます。
 また、南海トラフの巨大地震などの大規模災害により人員が不足した場合に備えまして、中部、関東ブロックの各都県を初め熊本県や鹿児島県とも職員の派遣を含めた相互応援協定を締結しており、これらの支援を受けることにより必要な人員を確保したいとまず考えております。
 議員から御提案のありましたOB職員の活用につきましては、本年九月に見直されました国の防災基本計画において、民間人材の活用とともに災害時の多様な人材確保策の一つとして言及されているところでございます。
 本県といたしましても、OB職員の活用は発災後の円滑な応急対策を進めていく上で有効な手法であると考えておりますので、本人の意向を把握する手法、任用する際の身分の取り扱い、具体的な業務など幾つかの検討課題につきまして、他県の事例なども参考にしながら検討してまいりたいと思ってございます。以上であります。
○議長(小楠和男君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 新たな津波被害想定に対応した施設整備に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県の津波対策につきましては、東日本大震災による津波被害の状況等を踏まえ、昨年九月に策定した津波対策アクションプログラム短期対策編に基づきできることから対策を実施しているところであります。
 また、来年六月の新たな地震・津波対策アクションプログラム策定に向け、海岸や河川の河口などにおける津波の挙動解析を実施するとともに、施設整備として防潮堤等の新設やかさ上げ、耐震化、液状化対策、粘り強い構造への改良など、県内の沿岸全域二十一市町における各海岸の現状に合わせた計画の検討を進めております。事業実施に当たっては調査や設計を速やかに進めることが必要であることから、対策が必要と考えられる東伊豆海岸や清水海岸、浜松五島海岸など八カ所において、第四次地震被害想定の公表を待つことなく地質や環境調査を実施しているところであります。
 さらに本年度は、九月補正予算として御承認いただきました津波対策関連調査事業費を活用し地形データの分析や液状化調査を実施するとともに、津波対策施設の基本設計などを進め来年六月以降の本格的な整備が円滑に推進できるよう事前の準備に万全を期してまいります。
 次に、海岸防災林再生に向けた取り組みについてであります。
 本県では、住民の生命、財産を守るため、これまで約一千百ヘクタールの海岸防災林を地域住民の皆様と連携し長い年月をかけて造成してまいりましたが、依然として松くい虫被害の根絶は難しい状況にあります。そのため海岸防災林の機能の維持には、松くい虫被害に強い品種である抵抗性クロマツに転換していくことが重要であると認識しております。しかしながら抵抗性クロマツの苗木は現在種から育てており、種の生産には豊作や凶作があることや苗木の抵抗性の有無を一本ごと検査する必要があるため、安定的に大量供給することが困難な状況にあります。
 一方、クロマツは挿し木による苗木生産が困難とされてきましたが、県森林・林業研究センターでは、国の研究成果を生かし抵抗性クロマツの中から挿し木に適した品種を選抜するとともに、土壌や散水方法などの最適な栽培条件を研究し、親木の持つ抵抗性を確実に引き継いだ挿し木による苗木の大量生産技術を確立したところであります。
 県といたしましては、増大する全国の抵抗性クロマツの需要に応えられる一大供給生産県を目指し、この新しい生産技術を苗木生産者組合に提供することにより、生産者が行う苗木の新たな供給拠点の整備を促し海岸防災林の再生に向けた増産体制づくりを促進してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) ふじのくにICT戦略の推進についてのうち、CIOアドバイザーの活用方策についてお答えいたします。
 現在、CIOアドバイザーには、庁内約二百の情報システムのうち統合可能なシステムのクラウド化に向け、システムの調達方法やサーバー集約等に関するさまざまな技術的助言をいただいております。引き続き既存システムからの移行に伴うセキュリティーの確保やコストの軽減などの課題にもアドバイスをいただいてまいります。
 一方、県内市町におきましても、情報システムの経費削減や効率的、効果的な運用が喫緊の課題となっており、議員御指摘のようにクラウド技術の利活用が解決策として有効と考えられております。
 このため県では、クラウド検討会を昨年六月に設置し先進自治体の取り組みを研究するなど県内全市町と情報を共有しつつ検討を進めております。また県西部地域の遠州広域行政システム共同利用研究会にも参加し、情報提供や支援に努めております。
 県内市町の情報システムの効率化は、県全体の行政機能の高度化、さらには県民や企業のICTの活用促進にもつながってまいります。CIOアドバイザーにも積極的にかかわっていただき、県システムのクラウド化によって得られた実践的な課題解決の手法や工夫などを踏まえ御助言をいただくなど、幅広い分野でCIOアドバイザーが有する知識や経験を活用してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) コミュニケーションスキルを身につけるプログラムの導入についてお答えいたします。
 県教育委員会では、平成二十年度臨床心理学の手法を活用して子供たちの人間関係に起因する問題行動の未然防止を図るため、小学生、中学生を対象とした人間関係づくりプログラムを作成いたしました。本年度は、新たに高校生を対象とした人間関係づくりプログラムを作成しております。これは高等学校のホームルーム活動等でクラスづくりや行事の場面などを想定し、生徒が直面するさまざまな課題に対処するスキルを身につけることを狙いとしております。議員から御紹介のありました浜松江之島高等学校のピア・サポート・トレーニングも、生徒みずからが良好な人間関係構築のためのコミュニケーションスキルを身につける効果的な取り組みであり、現在作成中の人間関係づくりプログラムに取り入れております。
 県教育委員会といたしましては、今後全ての高等学校にこのようなプログラム等を導入するよう働きかけるとともに、実践事例の発表等を通してより理解を深めるための研修会を開催するなど指導的役割を担う人材の育成に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 五番 田形 誠君。
       (五番 田形 誠君登壇)
○五番(田形 誠君) 御答弁ありがとうございます。一つだけ要望を申し上げます。
 ピア・サポート活動について要望させていただきたいんですけれども、済みません、まだ二分あるので御勘弁ください。
 これから全県にかけて、こうしたピア・サポート活動を取り入れていただけると今御答弁があったわけですけれども、この先駆的な行いということで、今浜松江之島高校で今年度この活動が行われています。そしてこの活動を経た生徒については、来年度から実は生徒カウンセラーとしての役割を担っていくそうです。といいますのは、生徒悩み相談室みたいな窓口的な役割を担っていくとのことでありますけれども、こうしたことで、やはり自分たちの問題解決に向けた取り組みを今後ずっと継続的にやっていくことで広がっていくものと私は思っています。
 これが全県に広がれば、やはりいじめとか不登校、そして最悪の自殺といったことも私は確実に防げると思っていますので、ぜひこの浜松江之島高校をモデル校みたいな形で認定をしていただければ非常にありがたいなと思いまして一つ要望をさせていただきます。
 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)

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