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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 裕之 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/27/2007

会派名:

民主党・無所属クラブ


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港について                      
 (1) 騒音問題                            
 (2) 交付金制度の創設                        
 (3) 空港アクセスとしての新交通システムの導入            
 (4) 旅客の確保対策                         
 (5) 海外からの観光客への対応                    
2 東海地震対策について                       
 (1) 住宅の耐震化                          
 (2) 避難所対策                           
3 浜岡原子力発電所について                     
 (1) 耐震重要度分類                         
 (2)  「超」 東海地震                         
4 県職員の心の病の現状と対策について                
5 環境対策について                         
 (1) 温室効果ガス排出状況と削減対策                 
 (2) バイオディーゼル燃料の普及促進                 
6 土地利用型農業の振興について                   
7 商工会、 商工会議所の中立性について                
8 社会資本整備の進め方について                   
9 校庭の芝生化について



    ○副議長(吉川雄二君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、一番 大石裕之君。
            (一番 大石裕之君登壇 拍手)
    ○一番(大石裕之君) 私は民主党・無所属クラブを代表して当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長に質問いたします。
     石川知事におかれましては、今月一日の記者会見の報道で知るところでは、手術後一カ月の療養が必要になるとのことで九月議会の閉会日までに間に合えばというお話でございました。ですから、この代表質問の場に知事がおられないと考えておりましたので、新人議員の私といたしましてはお体のことですから仕方のないこととはいえ、初めての本会議での質問ということもあり非常に残念に思っていたところでございます。その後、無事手術も成功し順調にしかも医師の予想を上回る回復ぶりで、このように元気なお姿で公務復帰を果たされましたことを心よりお祝い申し上げます。
     それでは初めに、富士山静岡空港についてお伺いいたしますが、その前に富士山静岡空港に対する私の立場を少しお話しさせていただきたいと思います。
     私は、富士山静岡空港を飛び交う航空機の飛行航路直下の町になってしまう吉田町に生まれ育ってきた人間です。ですから空港建設の話が世間で出始めた昭和六十二年ころから、この問題には関心を持ってまいりました。この場所が本当にベストなのかという建設場所の問題や甘い需要予測の問題、また一千九百億円という余りに巨額な建設コストの問題、そして地元地権者に対する県の対応の問題等多くの諸問題があり、県議会議員となるまでは一住民として空港建設には反対の立場でありました。
     しかしながら、本体工事も着々と進められ開港が目前に迫る中で、既に賛成反対を論じている状況にはありません。私のように反対していた人間が考える富士山静岡空港の懸案事項を少しでも取り除くことができたなら、反対していた立場だからこそできる必要なことがあるのかもしれないと考えております。楽観的な考えではなく、現実を踏まえ問題点を指摘しながらより慎重に、しかし前向きに考えなければならない立場だと思っております。ですから、そのような立場で開港に向けてのハードとソフトの両面から新しい課題なども含めて幾つかお伺いいたします。
     ただ一つだけ、この場にいらっしゃる県議会議員の皆様、県の職員を初め関係部局の皆様、そして何より静岡県民の皆様にお伝えしておきたいことは、現在でもまだまだたくさんの反対の声が地元にあること、そして静かな住みよい町から開港とともに飛行航路直下の町になってしまい、これから起こるであろう騒音問題等に対して町民、市民が大きな不安を抱いているということを、地元選出の県議会議員としてしっかりと申し述べさせていただきたいと存じます。
     では、富士山静岡空港についてのうち、騒音問題について伺います。
     富士山静岡空港は、現在二〇〇九年の三月の開港を目指し着々と工事が進められております。また空港の設置許可が出されたときの知事と運輸省――現在の国土交通省との約束事でありました用地取得に関しましても、非常に残念なことでしたが強制収用という形で必要なすべての土地を確保するに至りました。本年度からはターミナルビルの建設にも入ると聞いております。
     空港本体の建設にあわせて路線・便数の確保を最大の課題として取り組まれておりますが、この空港開港に伴って航空機騒音の発生や居住環境、自然環境の変化などにより空港建設地周辺の生活環境や生活生業に大きな影響を与えることとなります。このため、県では生活環境への影響を大きく受ける地域を対象とし、地元市町が実施する隣接地域振興事業への助成や建設用地に存在した茶畑を中心とする農地の代替農地確保を初めとする生活生業対策などの対策を進めてきたと伺っております。
     このような中で、去る八月に二市一町、地元団体と県との間で、航空機騒音対策事業に係る協定書に調印がなされたところであります。この協定書では、うるささ指数――W値七〇以上の区域において住宅防音対策を講じるなど五つの補償を実施するといった空港開港に伴う航空機騒音対策の基本的事項を定めたもので、今後またこれとは別にこの協定書の運用方法を定める環境監視計画に基づき運用していくことになります。今回の協定書での環境基準に照らし合わせますと騒音対策の対象となる戸数はわずか九戸にしかならず、また実際に航空機が飛行した際の騒音測定場所等については今年度以降決定していくものとなっております。その運用方法に地元からは心配の声が上がっています。
     私は、この騒音問題については、将来にわたってこの空港地域に居住する住民にとって航空機の運航により発生する騒音の生活への影響が一番の心配事であり不安でもあると感じていることから、特に地元住民の意見を酌み入れた対応が必要であり、開港後も地元住民の声がいち早く町や県などの行政に届く仕組みづくりが非常に大切で、協定書に基づくその運用方法が重要だと考えております。
     そこで、今回の航空機騒音対策事業の協定書の実効性を確保するため、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、交付金制度の創設について伺います。
     富士山静岡空港は、大井川の西側、旧榛原町――現在の牧之原市と島田市との山合いに建設されております。そして、現在空港所在地である牧之原市と島田市にはもちろんのこと、空港周辺自治体であります私の地元吉田町にも空港対策関連事業として各種さまざまな事業が実施されております。そして、先ほども申し上げましたが、先般八月には空港所在地の牧之原市、島田市、周辺自治体の吉田町の二市一町と地元団体と県との間で航空機騒音対策の協定書が調印されたところであります。
     このように空港の所在地であります牧之原市と島田市と周辺自治体の吉田町は、富士山静岡空港の影響をよくも悪くも大きく受ける自治体として同じように歩んでまいりました。しかし、吉田町は富士山静岡空港が開港し航空機が飛ぶようになり飛行航路直下の町となって、航空機騒音の影響や落下物の危険性がどれだけあっても、空港所在地でないばかりに空港からの税収が見込まれないことで、空港に関連する社会資本の整備や地域対策などの施策を実施することに苦慮するような事態があってはならないと考えます。
     そこで、空港周辺自治体である牧之原市、島田市と同様に空港と調和ある発展を図り、地元住民が不利益や不公平を招くことのないように継続的な交付金制度を創設するなどの対策が必要ではないかと思われますが、どのようにお考えかお伺いいたします。
     次に、空港アクセスとしての新交通システムの導入について伺います。
     富士山静岡空港の開港まであと一年半と間近に迫ってまいりましたが、空港を利用する方々にとって便利で利用しやすい空港とするためには、空港へのアクセスとりわけ公共交通による空港アクセスの整備は大変重要であると考えます。
     富士山静岡空港へのアクセスの中で空港直下を通過する東海道新幹線への新駅設置に関し、去る六月に開催された富士山静岡空港就航促進協議会の総会において、知事から再び実現に向けて歩んでいきたいとの発言がありました。今後も空港新駅実現に向けて粘り強く取り組んでいく姿勢を示されたものと受けとめております。私自身も、新幹線新駅が設置された空港ということになれば、利便性も格段に向上し将来的におもしろい可能性を秘めた空港になるかもしれないと思います。しかしながら、JR東海は新駅の設置は困難であるとの方針に転換はないとし、暗礁に乗り上げている状況にある中で現実的には早期の実現は厳しいのではないかと感じております。
     こうした状況下ではありますが、そうはいっても空港の利便性を向上させるためには、新幹線は難しくてもせめて東海道線との連絡は不可欠であり、まずは空港と近隣の東海道本線の駅、主要都市などとを結ぶ公共交通による利便性の高いアクセスルートの確保に取り組む必要があると考えます。空港への公共交通によるアクセスとしてはシャトルバスが中心として考えられているようですが、さらに利便性の高いアクセスネットワークの構築を目指すには、新しい交通システムの導入が考えられるのではないでしょうか。環境負荷を考慮し高齢者などの利用に配慮した、世界的にも今また見直されている次世代型路面電車――LRTや、鉄道と道路の両方を走行可能で幅広い利用方法や可能性が考えられているDMVなど便利な新しい交通システムの導入が実現すれば、空港利用者の増加につながり、さらに利用実績を積み重ねることができれば、JR東海も空港と鉄道の連結性の必要性を認め将来の新駅実現に向けて動き出すことにもつながると考えられます。
     かつて志太地域から榛南地域には大正から昭和にかけて活躍した軽便鉄道駿遠線があり、高度経済成長の始まりとともにモータリゼーションの波に押され一九七〇年に全線廃止されるまで、地域の貴重な足として親しまれました。今は自転車専用道路等として残っている線路の跡地を利用するなどしてこのような新交通システムが空港駅から東海道線につながったとしたならば、将来的には御前崎港までの交通網を整備し、東海道線や富士山静岡空港から御前崎埠頭や牧之原市の静波海岸への観光客のアクセスとして、また渋滞の緩和や地域の身近な足として、さらには地域の経済発展、経済効果も考えられる環境への配慮にも適した交通ネットワークが構築できると考えております。
     今後、LRTやDMVなどの新しい交通システムの導入を検討すべきであると考えますが、県の考えを伺います。
     次に、旅客の確保対策について伺います。
     海外路線についてはアシアナ航空から、静岡とソウルとの間で週七便の国際定期便を就航すると表明されました。新聞報道によれば、アシアナ航空の表明では、静岡から韓国への出国者数から見て年間四万八千人の旅客は見込まれるとのことであり、韓国からの旅客を踏まえれば県が需要予測で見込んでいたソウル便六万人は達成できる可能性が出てまいりました。さらに、アシアナ航空の就航表明を受けた大韓航空では「昨年九月に県に伝えた富士山静岡空港への就航方針は変わらない」との姿勢であると聞いており、韓国路線には何とかめどがつきそうな状況であると思われます。これは本年六月には韓国との交流促進の拠点としてソウル事務所を開設し、路線確保に取り組んでいることなどが実を結んだのではないかと思います。
     また、台湾、香港、中国などの航空会社にも、過大な期待は慎むべきですが、一様に就航に前向きで関心を示しているようであり、県の見込んだ需要予測どおりの旅客を確保できるよう今後さらに、より一層の積極的な取り組みが必要であると思います。
     一方、国内路線では全日空が新千歳と那覇の二路線を開設する方針を固めたことは喜ぶべきことだとは思いますが、これだけでは県が見込んでいる需要予測にはまだまだ対応することにはなりません。特に需要予測の最大路線である札幌の五十万人には対応しておりませんので、この地域との需要を拡大し路線を確保することが大変重要であると思います。
     県ではこれら就航要請先との交流拡大を図るため、去る五月には北海道に観光・産業交流団を、さらに九月には福岡にも交流団を派遣し本県の魅力をPRしてきたと伺っておりますが、これらの成果やこれらの展開が大変重要なところであります。
     そこで、現時点での感触で需要予測どおりの旅客確保が可能となると確信されているのか、また海外を含めて見通しはどうなのか伺います。
     次に、海外からの観光客への対応について伺います。
     富士山静岡空港の国際線の路線については、八月に韓国のアシアナ航空が開港時からの定期便の就航を表明しましたが、そのほか上海、香港、台北などにも路線就航が実現すれば東アジアからの観光客が増えることが予想されます。これら地域の観光客が県内各地を観光する場合、今でこそ団体旅行が主流ですが、いずれフリーで行動する観光客も多く出てくるものと思われます。このようなことを考えると、外国人観光客の受け入れ策として、観光案内や道路案内などの各種サインについて英語表記のほかにも、ある程度韓国語や中国語に対応したものが必要となるのではないでしょうか。
     また、ハード面の整備のみならず、観光地における外国語によるパンフレットの作成、配布、ホームページによる情報発信、外国語による通訳案内などソフト面での受け入れ策も視野に入れなければ、満足度の高い観光サービスは提供できないものと思われます。
     外国人観光客の受け入れには、計画づくり、案内機能の強化、ホスピタリティーの向上など、観光地が一体となって魅力づくりの向上に努める必要があります。中でも、外国語で観光案内ができる人材の育成は地域にとってはなかなか難しい問題であると思われます。案内する人が単に外国語が堪能であればいいというわけではありません。観光地に関する情報に精通しているのはもちろんですが、その地域の文化や伝統なども理解した上で御案内できることも必要とされる資質の一つではないかと思われます。そして何よりも最も大事なことは心のこもった対応ができるか否かであり、これにより静岡県への印象が決まると言っても過言ではありません。おもてなしの心を大事に、そして忘れずに海外からのお客様に接していただきたいと思います。そのようなレベルの高い観光案内ができれば、またリピーターとして次につながると思います。
     このように富士山静岡空港の開港を間近に控え、外国人観光客の受け入れについてハード面とソフト面の両方での対応が急務であると思われますが県の所見を伺います。
     次に、東海地震対策について伺います。
     初めに、住宅の耐震化について伺います。
     七月十六日に発生した新潟県中越沖地震では、死者十一名、負傷者千九百九十人、住宅の全半壊四千八百七十六棟などの大きな被害を受け、建物倒壊により九名の御高齢の方のとうとい命が奪われました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。
     さきの中越沖地震の例を見るまでもなく、本県で想定されております東海地震などの大規模地震から一人でも多くの県民の命を守るため、住宅などの耐震化は急務の課題となっております。県内には昭和五十六年五月以前の旧耐震基準で建てられた古い木造住宅が約三十八万戸あり、そのうち約三十二万戸が東海地震において危険な状態にあると推定されております。
     このため、県では平成十三年度から市や町と協力して、木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI―0」を実施し、住民の経済的負担なしで行える専門家による無料耐震診断や耐震補強工事への助成などの事業を実施してこられました。これにより、平成十九年七月末までの累計で耐震診断は約四万九千戸、耐震補強工事は約六千八百戸で実施され、無料の耐震診断から耐震工事へと結びついたのは約一四%となっております。
     また、平成十八年度には三千六百九十戸が耐震診断を実施しておりますが、このうち耐震評点一・〇未満の住宅が約九割であり、そのうち約三割は倒壊する可能性があると判断され、残り約六割はそれよりも劣る倒壊する可能性が高いという結果でありました。耐震診断を実施された方の多くは、自宅の耐震性に不安を感じながらもさまざまな事情により、特に金銭的な事情から耐震補強工事に踏み切れないものと思われます。そのような方には家全体を守るという考え方でなく、命は守るという面から防災ベッドなどならば比較的安価でしかも補助制度もありますから、効果的であると考えられます。
     十月一日からは強い揺れが到達する数秒前から数十秒前には地震情報を知らせる緊急地震速報の運用が開始され、もし数秒前にでもわかればもちろんのこと、ぐらっとした瞬間でも防災ベッドに飛び込むことで命が救われることにもなりますから、各家庭の事情に応じて対応する必要があると考えます。また住宅の耐震化を進めるためにはまず気づいてもらうことが必要ですから、できれば耐震診断だけでも一人でも多くの方に受けていただくよう啓発するとともに、より直接的には耐震診断から耐震補強工事実施へと誘導するための施策も重要であると考えています。
     今回の中越沖地震を契機として県民の生命財産を守るため、耐震診断の結果、倒壊の危険性などを指摘されながら耐震補強工事を実施していない住宅の所有者に対して、積極的な働きかけが必要であると考えます。また各家庭の状況に応じて個々にアドバイスすることも大切であると考えますが、住宅の耐震化について県の所見を伺います。
     次に、避難所対策について伺います。
     今回の中越沖地震では、本県からも多くの自治体職員やボランティアが現地支援活動に取り組み、その活動報告がされております。その中で、避難所においては暑さ対策やプライバシー保護、水道が使えずふろなどの衛生面の課題が多くあったと報告されております。
     文部科学省の調べによると、小中高等学校や特別支援学校など三万七千七百九十五校の八九・一%が地震のときに避難所に指定されておりますが、避難所運営マニュアルを定めている地方自治体は全体の三分の一であることがわかりました。その上で、現状では避難所としての機能が十分にできないとして、都道府県教育委員会を通じて市町村に避難所となる学校施設の防災機能の向上について通知したと伺っております。
     被災者名簿の作成や物資の受け入れの手順、自治体と学校との役割分担など、詳細を地震が起きてから決めていたのでは、特に初動が大切だと言われている地震直後の対応には間に合いません。中越沖地震を教訓に各市町の指定する避難所の再検証をする必要があると思いますが、避難所対策について県の所見を伺います。
     次に、浜岡原子力発電所について伺います。
     初めに、耐震重要度分類について伺います。
     新潟県中越沖地震における東京電力柏崎刈羽原発の被害状況を見ると、原発施設内に地割れが走り耐震設計上の重要度分類の境界線には各所で段差が生じました。これが変圧器からの出火など想定外とされた多くの被害の原因で、ランクが低い施設に被害が集中しているようです。原子炉建屋など施設の重要な部分だけを最重要とランクづけし、その周辺施設は重要度を低く設定している現在の耐震設計の考え方で果たして発電所全体として安全が確保されるのか、住民に対して安心を提供できるのか疑問に思いました。
     八月二十四日には、御前崎市及び御前崎市議会から「浜岡原子力発電所の安全確保と耐震対策に関する申し入れ書」として経済産業省への申し入れがされています。重要度分類の見直しも含めた内容で、発電所全体としての安全・安心の確保を目指した国の監督指導を要請したものです。このような状況の中で原子力発電所の耐震重要度分類の見直しに対する県の考え方を伺います。
     次に、超東海地震について伺います。
     九月四日のマスコミ報道によれば、日本第四紀学会において国が想定する東海地震の約三倍もの地殻変動をもたらす超東海地震が千年周期で起こっている可能性があるとの調査研究発表があり、次に来る東海地震はこのタイプになるのではないかとの見方もあります。
     浜岡原発の三号機、四号機については、現在経済産業省の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会において耐震安全性の議論がされているところですが、現時点ではまだこの超東海地震に対しての安全性は検証されておりません。
     これまで地震で原発は壊れないという前提により、国や静岡県は東海地震で浜岡原発が事故を起こす可能性を否定してきました。しかし、中越沖地震による原発被害を受けて、九月一日の総合防災訓練では政府本部訓練の緊急参集チーム協議に原子力安全・保安院長も参加するなど、国の地震防災に対する姿勢は変わりました。今後、県として地震による原発被害や超東海地震をどのように取り扱っていくべきとお考えかを伺います。
     次に、県職員の心の病の現状と対策について伺います。
     近年、生活環境の変化や就労形態の多様化等の社会情勢が急激に変化する中、労働者の受けるストレスは拡大する傾向にあると言われており、厚生労働省が実施している五年ごとの調査でも、仕事に関して強い不安やストレスを感じてる労働者が六割を超える状況にあることが報告されております。また自殺者も九年連続三万人を超えたことが報告され、自殺を図る者はストレスの影響が大きいとされるうつ病などの精神疾患の割合が高いと言われております。
     このような状況下にあって、このたび財団法人社会経済生産性本部による初めてのメンタルヘルスの取り組みに関する自治体調査が行われました。その結果によりますと、自治体の最近三年間における心の病は約半数の四七・七%が増加傾向にあると回答しており、また職員数が千名を超える規模の自治体ではむしろ企業を上回る割合になっています。このうち職員三千人以上の自治体では実に七八・六%が増加傾向にあると回答しております。また心の病で一カ月以上休んでいる職員がいる自治体は、規模が大きいほどその割合は高くなっている状況にあります。
     本県においては、二つの政令指定都市の誕生や市町村合併の進展など県内自治構造が大きく変化する中で、簡素で効率的な生産性の高い行政運営が求められていますし、住民の行政を見る目はますます厳しくなっておりますから、それを担う職員の負担はこれまでにも増して大きく、ストレスを感じる度合いもまた大きくなっているものと考えます。
     職員の健康は体はもとより心の健康が大変重要であり、仮に第一線で働く職員が精神疾患により思いもよらぬ長期の休養が必要となった場合は公務遂行や職場関係者、家族等に与える影響がはかり知れず大きくなることを考えますと、みずからのストレスに気づき対処するための啓発やカウンセリングが受けられる等のより積極的な心の健康づくり対策が必要であると考えます。
     そこで、本県においても心の病で一カ月以上休んでいる職員がどれほどいるのか、いるとすればどのような状況か、またその状況を踏まえどのような対策に取り組んでいるのかについて伺います。また職員に対しそのような心の病になる前のメンタルケア、予防策についての対応もあわせて伺います。
     次に、環境対策について伺います。
     初めに、温室効果ガス排出状況と削減対策について伺います。
     京都議定書の第一約束期間が二〇〇八年からスタートいたしますが、我が国の温室効果ガス排出量は、平成十七年度時点で議定書で定めた基準年度に比べ七・八%も上回っており、目標である六%削減達成が相当厳しい状況にあります。六月にドイツで開催されたサミット――主要国首脳会議でも地球温暖化問題が主要テーマとして取り上げられ、日本は二〇五〇年までに世界全体で現状の温室効果ガス排出量を半減させることを提案し各国の合意を得たところであります。そうした経緯からも、京都議定書の約束である六%削減は是が非でも達成しなければならないところであります。
     こうした中、本県では温暖化対策としてストップ温暖化しずおか行動計画を二〇〇六年に策定し、県内の温室効果ガス排出量を二〇一〇年度までに基準年度に比べ一二%削減するという独自の目標を掲げ、その達成に向けて全国に先駆けて昨年度から、全県民を対象としてSTOP温暖化アクションキャンペーンを展開するとともに、本年三月静岡県地球温暖化防止条例を制定し事業所等に温室効果ガスの削減のための計画書の作成、提出を求めることとするなど、全国的に見ても先進的な取り組みを行っております。
     また、全国単位では産業界の抵抗があるという中で、県内では大規模な天然ガスコージェネレーションシステムを導入し大量の二酸化炭素の排出削減を実現した事業所や、環境負荷の少ない二輪車通勤や徒歩通勤を従業員に奨励するエコ通勤活動を展開する事業所など、積極的にさまざまな取り組みをされているほか、地域の中小企業もエコアクション21を積極的に取得するなどの行動があらわれてきております。
     一方、県内の市町に目を向けますと、二酸化炭素の排出削減を実現するには具体的な数値目標が不可欠であると思うのですが、県全体の数値目標は示されているものの市町についてはほとんどの自治体がどのくらいの排出量があるのかさえ調査がされていない現状にあるとも聞いております。エコアクション21を取得するなど、この問題に積極的に取り組んでいる自治体もありますが、それぞれの自治体が排出量の削減についての具体的な数値目標を定めて取り組む必要性もあるのではないかと思います。
     いずれにしても、温室効果ガスの削減目標を達成するためには、国の取り組みとともに地方自治体レベルの取り組みも大変重要であると考えますが、本県における温室効果ガス排出量の現状はどうか、また何か本県の特色のようなものがあるのか、それらを踏まえ今後の削減対策についていかが取り組まれるのか伺います。
     次に、バイオディーゼル燃料の普及促進について伺います。
     地球温暖化防止対策の一つとして、新エネルギーの導入促進も有効な手段であるものと考えます。中でも、最近はバイオマスに対する関心が高まりつつあり、政府が六月に発表した21世紀環境立国戦略においても、今後一、二年で重点的に着手すべき戦略として燃料用バイオエタノールの生産利用の拡大、廃棄物系バイオマスの活用等が位置づけられていることから、今後具体化に向けた取り組みが推進されるものと思われます。
     バイオマスの利活用を進めることで二酸化炭素の排出を削減することができ、地球温暖化の防止につながるものと考えます。化石資源は何億年もかかってつくられたものであり、それを利用することは一方通行の使い捨てとも言えます。バイオマスは化石資源と異なり、繰り返し利用することができるので循環型社会の形成に役立ちます。なるべくごみを出さず、ごみをできるだけ資源として使い、どうしても使えないごみはきちんと処分することで天然資源の消費を抑制し、またバイオマス等による循環システムをつくることで環境への負荷をできる限り低減した社会をつくる、それが私たちの義務ではないでしょうか。
     伊豆市湯ヶ島の天城放牧場では牛ふん尿や生ごみからバイオガスを取り出し、電気や温水などのエネルギーに変換する実証モデル施設が稼働しております。この施設から得られたエネルギーは場内で利用し、最後に残る消化液は液肥として場内の牧草の肥料に利用し、固形残渣については堆肥化して場内外で広域的に有効利用されております。特に近年の原油の高騰により温室栽培農家が採算割れを起こしつつある現状を考えますと、農業分野への普及は県内農業の生き残り策として緊急の課題ではないかとも考えます。
     こうしたバイオマスの活用のうち、私は再生産可能な原料からつくることができ環境にも優しい燃料としてのバイオディーゼル燃料いわゆるBDFの動向に注目しております。BDFは植物油由来の軽油代替燃料のことで、ディーゼル燃料で動く車であれば特に改造しなくても動かすことができます。菜種などの植物油やてんぷらなどに使用した後の廃油から精製できます。ディーゼルエンジンの燃料として使用すると黒煙やSOXの排出が少なく、燃費もパワーも軽油とほとんど変わらないと言われています。
     県内におきましても、トラック業界ではディーゼル車が排出するガスに対する社会的規制が強まる中、環境に優しいBDFに注目してトラックの走行試験などに取り組んでおります。国内の取り組みでは、京都市が学校給食から出る廃油や一般家庭から集められた廃油を精製し、BDFとしてごみ収集車や市バスの燃料として先進的に採用しているものと承知しております。今後BDFの一層の普及を図るためには、その取り組みの端緒として京都市の例のように公用車における燃料活用をモデル的に推進していくことにより、一般の利用につなげていくことが必要ではないかと考えています。
     そこで、県内の公用車へのバイオディーゼル燃料の普及の状況と今後の県としての取り組み方針について伺います。
     次に、土地利用型農業の振興について伺います。
     本県では温暖な気候と東西交通の要衝という立地条件を生かし、温室メロンやバラなどの施設園芸に加え、茶、ミカン、野菜、米等の畑や水田を活用した土地利用型農業が盛んに行われています。農業は県民の豊かな暮らしにとってなくてはならない産業であります。魅力ある農業経営を実現し、将来にわたって安全で安心な農作物を安定的に供給していくことが、県民の期待にこたえていくことにつながるものと考えております。
     県では農林水産業新世紀ビジョンを策定し、認定農業者等が本県農業の七五%を担う農業構造を目指し取り組みを行うとともに、企業的感覚で農業経営を展開するビジネス経営体を核とした農業の構築を目指し取り組みを行っていると聞いております。私の地元であります吉田町は夏には米、冬にはレタスと、水田を二倍活用した土地利用型農業が行われていますが、一戸あたりの経営規模は小さく、農家の高齢化に伴うリタイアなどにより管理できなくなる農地も発生するのではないかと危惧されています。
     本年度、本県の主要作目である茶、ミカン、露地野菜、米の規模拡大を目指し検討を行う土地利用型農業規模一〇倍プロジェクトが立ち上がったとの報道がありました。私は、本県の土地利用型農業については、海外の輸入農産物にも対抗できるような生産性の高い農業経営を構築していくことが何よりも重要であると考えており、本プロジェクトに大変期待しているところであります。
     県は、今後プロジェクトの成果などをどのように生かし、土地利用型農業の振興に取り組んでいくのか伺います。
     次に、商工会、商工会議所の中立性について伺います。
     商工会、商工会議所は、地域の総合経済団体として巡回指導や窓口相談、記帳指導、地域特産品の開発等の事業を通じて中小企業等の経営改善に大きな役割を果たしております。また近年では地域のイベント等にかかわり、地域の活性化にも貢献しております。一方、商工会、商工会議所は会員の多くが小規模事業者であるなど財政基盤が確立されておらず、会費及び手数料の自己財源では運営に必要な収入が賄えないため県及び市町から補助金が交付されております。
     商工会、商工会議所は、中小企業等協同組合や商工組合等とは異なり、特定の業種のための組織ではなく、地区内の商工業全般の振興を目的としており公共性が強い団体であります。このため、商工会、商工会議所には中立性が求められており、特定の個人または法人等の利益を目的とした事業を実施すること、特定の政党のために便宜を図ることはその性格上、問題があると考えますが、いかがお考えか伺います。
     また、この中立性を遵守させるため、商工会、商工会議所に対しどのような指導を行っていくのか伺います。
     次に、社会資本整備の進め方について伺います。
     本格的な人口減少社会が到来し急速に高齢化が進む中、経済社会の投資余力は低下し財政の制約もますます強まることが予想されます。国の公共事業投資については、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」の中では示されなかったものの、平成二十年度の国の概算要求基準では昨年度の三%減となり、重点化、効率化によるさらなる公共事業改革が求められている状況にあります。
     そのような中、国土交通省の概算要求では、国際競争力の強化、地域の活性化、地球環境問題、少子・高齢化への対応、国民の安心・安全の確保などの課題に的確に対応し、重点化、効率化を図りながら社会資本整備の着実な整備と総合的な交通政策の推進を図ることとしています。本県においても、企画部、県民部、建設部、空港部の公共事業関連部局が連携して策定した魅力あるしずおか創造プラン――静岡県社会資本整備重点計画に基づき、重点的、戦略的に整備を進めていると伺っているところであります。
     先日、静岡県社会資本整備重点計画策定委員会が開催され、平成十八年度末の評価結果が取りまとめられ発表されました。全体の達成度は四段階評価の下から二番目のBマイナス−−ある程度進んでいるが十分でないという評価でありました。
     達成度の低い理由として事業費の確保の困難などが挙げられておりますが、昨年の県政世論調査結果において、近年頻発している地震や台風、豪雨などの自然災害への関心の高まりを反映して、地震や風水害などの防災対策の推進が二年連続で県に望む施策の第一位となっていることなどを見ましても、災害対策や交通事故対策などの県民生活の安心・安全の確保や陸・海・空の交通ネットワークの整備を初めとする産業活動や交流を支える社会基盤整備などまだまだ不十分であり、その整備が求められているところであります。本県が持続的に発展していくためには活力ある県土づくりと県民が安心・安全に暮らせる社会が必要であり、社会資本の整備は今後も重要なものと考えます。
     そこで、今回の評価を踏まえ、それをどう短期的、また長期的に今後の本県における社会資本整備に生かしていくのか、また今後どのように効率的、効果的に進めていこうとするのかお伺いします。
     次に、校庭の芝生化について伺います。
     スポーツは人生を豊かにし充実したものにしてくれる、人間にとってかけがえのない活動です。明るく豊かで活力に満ちた社会を築き上げていく上で、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは極めて重要な意義を持つと思います。私もこう見えて、小学生のころからサッカーを一生懸命やり、大学までずっと何かしらのスポーツに取り組んでまいりました。
     現在我が国では、年間労働時間の短縮などに伴い自由時間がふえるとともに、仕事中心から生活重視といった国民の意識変化などにより、精神的に豊かなライフスタイルを持とうとする要望が高まってきています。一方、徹底した合理化の推進や人間関係の希薄化などにより精神的なストレスが増大したり、日常生活において体を動かす機会が減少し体力が低下するなどの問題が生じています。特に未来を担う子供たちの体力が低下傾向にあることは、極めて憂慮すべきことであると考えます。
     こうした状況の中、文部科学省はスポーツの振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためスポーツ振興基本計画を策定しており、その中でスポーツの振興を通じた子供の体力の向上のための具体的施策展開の一つとして、学校や地域の実情に応じて屋外運動場の芝生化を積極的に促進することが示されています。転倒したときの衝撃が芝生により和らげられることから子供がけがを怖がらずに体を動かすことが促されることとなり、体力の向上を図る上で極めて効果的であるとともに学校生活等に大きな潤いをもたらすことがその理由ですが、私も全く同感であります。
     最近の子供は、野原や空き地の減少に伴い以前に比べ外で遊ぶ機会が少なくなっています。それが子供たちの体力低下の一つの原因になっていることは想像にかたくありません。また野山の中を駆け回るような遊びをしなくなったことで、自然との触れ合いや仲間との人間関係の築き方を学ぶ場も失っており、豊かな精神性をはぐくむ上でも影響が出ているのではないかとも思います。
     校庭を芝生化することで、子供が緑の中ではしゃぎ、転げ回れる環境が生み出され、こうした状況を改善するためには大きな効果があると考えています。さらに近年深刻な問題となっている地球温暖化対策としても期待が持てると思いますし、またほとんどの公立の小中学校は災害時の避難所にも指定されているということもその理由の一つです。
     以上のことから、私はすべての学校の校庭が芝生になることが理想であると考えますが、現状を見ると芝生の校庭を有する学校は県立で十数校程度、小中学校ではほんの一部しかありません。学校の校庭の芝生化を推進する上でまだまだ超えなければならないハードルは幾つもありますが、まずは県が率先して県立学校における取り組みを進め、その効果を周知し全県に普及させていくことが大切だと考えますが、教育長の御所見を伺います。
     明瞭かつ積極的な御答弁をお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(吉川雄二君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 大石裕之議員にお答えいたします。
     初めに、富士山静岡空港についてのうち、空港アクセスとしての新交通システムの導入についてであります。
     LRTやDMVなどの新しい交通システムは高齢者や障害者に優しく、環境面でもすぐれ、さらににぎわいの創出や地域の活性化の観点からも全国各地で注目されております。平成十八年に開業した富山市のLRTは既存の鉄道を有効に活用し、中心市街地へ到達する便利な交通手段として沿線の活性化に大きく寄与していると伺っております。またDMVにつきましても、まだ技術的、制度的な課題は残されておりますが、富士市を初め全国各地で導入に向けた検討がなされております。
     県におきましては、現在国や交通事業者などの関係団体とともに空港アクセス検討会を設置をして、利用者にとって便利で地域の活性化をもたらす交通ネットワークの構築を目指しているところであります。そういう中で、DMVにつきましてその導入可能性調査も実施をすることとしております。
     LRTについては、既にこういうものを導入しているところの例を見ますと、新たにレールを引いて車両を走らせるというようなことになりますと非常にコスト高になってくるので、相当多量の需要がないと採算に合わないということで、この空港の場合、非常に難しいのではないかというふうに思われます。今後、このLRTの建設コスト等の低下、こういうこともあるかもしれませんので、そういう面にも気を配りながら、今後周辺の市や町、事業者などと連携をして新しい利便性の高い交通アクセスの整備について努力をしてまいる考えであります。
     次に、旅客の確保対策についてであります。
     富士山静岡空港の需要予測についてはこれまでもいろんな議論がございましたが、もはや今日ではそれの是非についての議論にエネルギーを使うよりは具体的に路線・便数を確保していくということが大事であるという観点に立って、目下そのための努力を傾注しているところであります。
     この路線・便数の確保に当たっては安定的な旅客需要が非常に重要であるということでありまして、その一番手になるのは業務需要いわゆるビジネス客ですね、これがまず筆頭に掲げられますし、また観光客の場合でも、非常に観光資源に恵まれて観光旅客動向が非常に濃密な地域においては当然ビジネス客に次いで観光客の航空需要、これも大事な要素になってくるわけであります。
     そこで、県におきましては富士山静岡空港就航促進協議会などと連携をして、国内外の就航要請先への交流団の派遣による多様な分野での交流拡大や新たな旅行商品の開発・販売の促進、教育旅行における利用促進などに精力的に取り組んでいるところであります。
     こうした中で、先般全日空及びアシアナ航空から開港時からの具体的な就航表明をいただいたことは、これまでの取り組みの成果のあらわれであると考えておりまして、今後ともこのような旅客確保の取り組みを強化をしてまいります。
     特に、国内線の旅客の確保につきましては、北海道及び福岡への交流団派遣を踏まえて札幌、福岡から中部国際空港を利用して本県を訪れる旅行商品をJALグループとの連携によって開発をして、九月から販売を開始したところであります。さらに来年の三月には現地の旅行エージェントを招いて、本県の観光業者と具体的な商談を行う販売促進会議を開催することとしております。
     富士山静岡空港は、県内企業の競争力を強化し県民生活の利便性向上につながる産業、生活インフラでありますことから、開港まで一年半となった現在、その機能を最大限に発揮することができるよう今後とも国内外の就航要請先へのエアポートセールスを精力的に進め、より多くの路線・便数と十分な旅客の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
     次に、環境対策についてのうち、温室効果ガス排出状況と削減対策についてであります。
     本県の温室効果ガス排出量は、平成十六年度において基準年度の平成二年度と比べて二・七%増加しております。このことから一二%削減の目標を達成するためには今後相当の努力が必要であると考えております。
     排出量の九五%以上を占める二酸化炭素の排出内訳を見ますと、製造業を中心とする産業部門のシェアが四六・七%と全国を一〇ポイントほど上回っております。これが本県の特色でありまして、ものづくり県であることの反映と理解をしております。また平成二年度に比べ、産業部門の排出量は横ばい状態であるのにもかかわらず家庭やオフィスなどの民生部門の排出量は著しく増加をしております。こうしたことから、地球温暖化防止条例による事業者の計画的な取り組みの促進やSTOP温暖化アクションキャンペーンによる家庭やオフィスにおける対策の普及啓発、これが重要だと考えて、これに力を入れているところであります。
     今後、工場やオフィスにおける省エネルギー対策のモデル的な事例を事業者に情報提供するとともに、積極的な広報によりアクションキャンペーンへの参加者の拡大を図るなど、事業者や県民と一体となった温室効果ガスの排出削減対策をさらに一層推進してまいります。
     次に、土地利用型農業の振興についてであります。
     本県の土地利用型農業は農業産出額の五四%を占める重要な農業でありますが、農家の平均経営規模は約一ヘクタールと小さく、かつ農地が分散していることなどから生産性の低さが課題であります。
     このため、ことし七月に大規模経営を目指す農業者や大規模農業経営の研究者、先端技術を取り入れた農業機械開発の専門家で構成をいたします土地利用型農業規模十倍プロジェクトを立ち上げたところであります。このプロジェクトは、経営規模を現状の十倍に拡大するための農地集積の仕組みや作物及び品種を組み合わせた農地の効率的な利用方法、大規模経営にふさわしい機械の開発などについて、年内に取りまとめるよう現在検討を進めております。
     県といたしましては、このプロジェクトの成果に基づき関係団体と一体となって意欲的な農業者への農地集積を強力に進めるとともに、地域に合った農地の効率的利用方法の現地実証にも取り組みます。加えて、大学や民間企業などに対し生産性の大幅な向上を実現する新たな農業機械の開発を働きかけることによって、大規模な土地利用型農業の振興に積極的に取り組んでまいる考えであります。
     要は、農地の集積がいかにできるかということが大変大きな要素になりますが、最近もこの関係で農業関係の、この農地集積を進めるリーダーの方から聞きましたお話は、大変、何というか将来なかなか難しいなあと思わせる深刻な問題だというふうに私は受けとめました。すなわち、自分はもうこれから農業を継続していく予定はない、後継者もいないし早晩やめようと思うと。しかし、隣のうちに貸すのはいやだと。こういうお話が地域では一般的でなかなか集積が進まない。これをどうやって乗り越えるか。
     考えてみますと、これは私が物心ついたころから自分の田舎で話されておったことだなと、もう五十年、六十年たっても同じ状態だと。結局これをもたらしている背景には、やはり土地に対する非常な執着、それもさらに過去、高度経済成長時期の中で見られた一種の土地神話ですね。これが非常にそれを根強くしておりまして、その後バブル経済の崩壊によって土地神話が崩壊したかに見えましたけども、昨今の何となく全国的なまた地価が戻ってくるんじゃないかと、地価が上昇していくんじゃないかというような気配もありますので、なかなか土地への執着やあるいは特に農村地域に見られる隣近所へのライバル意識と言いましょうか、何とも言えないそういう気風というのは非常に、この規模拡大によるとか、あるいは農地の集約化による合理化を通じての生産性の向上、これを阻む大きな要因になっていると。これをどういうふうに乗り越えていったらいいのか、各方面のまたいろいろ知恵とか何かをもとにしながら、啓発もあわせて努力をしていかなきゃいけないと感じた昨今でございます。
     次に、社会資本整備の進め方についてであります。
     県では、平成十六年度に静岡県社会資本整備重点計画を策定し、これに基づいて効果的、効率的な社会資本の整備に取り組んできたところであります。計画の推進に当たりましては、PDCAサイクルを活用し前年度の評価結果を踏まえ、翌年度に進捗の遅れている分野への重点化を図ることとしております。
     例えば、今年度は交差点の改善や歩道整備を重点的に行う緊急交通改善事業。これはこれまでにこの種の事業を行うことによって、少ない経費で交通円滑化とか渋滞解消が場所によっては劇的に、そうでないところにもそれなりの効果を上げて短期間で効果を上げられるということから、緊急交通改善事業のスタートをさせましたし、風水害対策の推進として緊急的に浸水対策を行う緊急河川改善事業などを新たにスタートさせたところであります。
     また、社会資本整備は県の将来の姿を見据えて取り組んでいくことが必要であります。それだけに、例えば富士山静岡空港事業のようにこれについての賛否が非常に大きく分かれるようなものもありますが、将来必要とあらば多くの反対の方々にも積極的に理解を求めて多数派を形成していかなければいけないと思っておるところでありますが、この平成十六年度に策定したこの社会資本整備重点計画、これは今年度で一応の最終年度を迎えますので、次期計画は長期的な視点とそれから現行計画の評価検証結果、これを反映させながらその目的達成に向けて着実に施策や事業に取り組んでいく考えであります。
     県といたしましては、引き続き整備効果の高い事業へ投資を集中化することはもとより、以前にも増してコストの縮減、事業評価の厳格な実施、住民との協働といった改善、改革のきめ細かな取り組みを継続し、効果的、効率的な社会資本の整備を進めてまいります。
     コストの縮減に当たってよく話題になりますのは、一般競争入札の導入によって落札単価が下がる、劇的に下がると、これはこれで一つもっともっと我々も追求すべき分野であって、その範囲――一般競争入札の拡大範囲ですね――拡大については積極的に取り組んでおるところでありますが、それ以外のコスト縮減効果についてはやはり創意工夫というものも非常に重要な要素になります。
     先ほど緊急交通改善事業をスタートさせたということを申し上げましたが、例えば昨年ひとり一改革で優秀事例を取り全国の交通工学研究会で特別賞を、大賞を取ったものがこれに当たると思うのでありますが、大石議員も御案内の、大井川にかかる旧国道一号の金谷―島田にかかる橋ですね、あれの東向きの路線が慢性渋滞状況でありましたものを、左岸側の島田の信号のところが、渋滞の原因は右折車両が原因であるということを突きとめて、その対策として従来であればやったであろう右折レーンの増設という方法をとらずに右折車両を逆に左折させて上流へ行って四、五百メートル先で回転部分をつくって回転して下流に行かせるということによって、見事もう長年の懸案であったその場所の渋滞を解消してしまった。
     これにかかった経費分析をいたしますと、実際に実現した手法は約五千万で実現したわけでありますけども、万が一、従来ともすれば採択しておった路線の拡幅ということになりますと、橋梁の拡幅でありますから見積価格で十四億五千万円、約三十分の一の価格で実現したと。土木関係の技術者の職員もそういう点にもいろいろきめ細かく工夫をこらしながら、実効の上がる事業の選択をしておりますことを御報告して、御参考に供していただきたいと思います。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(吉川雄二君) 岩ア空港部長。
            (空港部長 岩ア俊一君登壇)
    ○空港部長(岩ア俊一君) 富士山静岡空港についてのうち、初めに、騒音問題についてお答えいたします。
     航空機騒音対策事業に係る協定については、住宅防音工事を初め、学校等防音工事、電波障害対策、共同利用施設の整備などの補償対策や騒音測定等についての環境監視計画策定に係る住民への協議を主な内容として、県と空港周辺二市一町及び空港関係団体等との間で去る八月二日に締結したところであります。
     県といたしましては、騒音測定の時期、回数、場所等を定める環境監視計画の作成に当たっては、協定締結当事者たる地元住民の代表から成る地元空港関係団体等と協議し十分に御意見を伺うとともに、広報誌や二市一町のホームページを通じた情報提供により住民意見が適切に反映されるよう配慮してまいります。また住宅防音工事や共同利用施設の整備については地元との調整を十分図った上で実施することとしており、開港後に対策を講ずる必要が生じた場合には、地元空港関係団体等及び周辺の市や町を窓口としながら地域の住民の方々と十分に連携を図りつつ着実に実施してまいります。
     次に、交付金制度の創設についてであります。
     空港と地域の調和ある発展を図ることを目的とし、県では平成七年度にあらかじめ全体額や助成期間を定めた隣接地域振興事業費補助金制度を創設し、空港周辺自治体である牧之原市、島田市及び吉田町等が行う地域振興事業に対して助成を行ってまいりました。この制度により、県と周辺の市や町が一体となって道路、集会施設、さらには図書館や健康福祉センターなど生活環境の向上に必要となる社会資本の整備を積み重ねてきたところであり、開港後五年間についても引き続き、同制度による助成を行うことにより市や町の財政負担に対して必要な手当てを行ってまいります。
     新たな交付金制度の創設については、開港後も実施される隣接地域振興事業費補助金制度の実績、効果等を見つつ、関係自治体の公平性確保の観点も踏まえながら検討を行うことが必要であると考えております。
    ○副議長(吉川雄二君) 杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長(杉山栄一君) 富士山静岡空港についてのうち、海外からの観光客への対応についてお答えいたします。
     富士山静岡空港の開港により海外からの観光客の増加が見込まれますことから、受け入れ態勢の整備が重要であると考えております。このため、英語、中国語、韓国語等多言語表記による観光案内看板や標識の整備のほか、県内観光地の歴史や文化などを外国語で通訳案内できる地域限定通訳案内士の試験を全国に先駆けて実施しております。また静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合と連携し、受け入れハンドブックや指さし会話集の作成、配布など、外国人観光客に安心して滞在してもらうことができるよう宿泊施設における受け入れ態勢の整備に取り組んでおります。
     さらに、伊豆東海岸地区、富士山静岡空港周辺地区など五地区を外国人観光客受け入れモデル地区として指定し、地域ぐるみで取り組む外国語観光ボランティアガイドの育成や地域内の観光資源の発掘など、地域の魅力向上に向けた取り組みを支援しております。
     今後とも、海外からの観光客が安心して快適な観光ができるおもてなし満足度日本一の観光地づくりを目指して、引き続き市や町、観光関係者と連携して取り組んでまいります。
     次に、商工会、商工会議所の中立性についてであります。
     商工会、商工会議所は地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、あわせて社会一般の福祉の増進に資することを目的に設立された法人であり、商工会法及び商工会議所法により営利を目的としたり特定の者の利益を目的として事業を行ってはならないとされております。
     また、商工会、商工会議所に対する指導監督権限については、商工会、商工会議所が地域における総合経済団体として地域経済の発展のため重要な役割を担っておりますことから、平成十一年七月の地方自治法の改正に伴い、本県においては平成十二年度から団体の所在地である市町村に移譲しております。また県においては商工会、商工会議所が行う小規模事業者の経営改善事業に対して補助金を交付しており、この補助事業が適正に執行されているかについて調査をしております。
     県といたしましては、商工会、商工会議所が今後とも地域の総合経済団体として商工業者の経営改善や地域経済の発展に貢献できるよう、市や町、関係団体と連携を図りながら支援に努めてまいります。
    ○副議長(吉川雄二君) 稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長(稲津成孝君) 東海地震対策についてのうち、住宅の耐震化についてお答えいたします。
     県では予想される東海地震に備え、平成十三年度からプロジェクト「TOUKAI―0」事業を推進し、木造住宅の耐震補強や建てかえ等、耐震化の促進を図ってまいりました。これまで耐震診断を実施した件数は約四万九千戸、そのうち耐震補強助成制度を活用して耐震補強を行った木造住宅は約七千戸であり、残りの住宅の耐震化をより一層進めることが重要であります。
     このため、耐震診断を行っていない住宅の所有者に耐震診断の実施を働きかけるとともに、耐震診断実施済みの所有者に対しては市や町と連携して戸別訪問や相談会を行い、耐震補強に係る補助制度や税の優遇措置、費用負担の軽減化などについてきめ細かく説明することにより耐震化の実施を促してまいりたいと考えております。また現在、国においては耐震改修等の助成を行う地方公共団体に対し地方交付税措置を検討していると伺っており、これらの動きを注視しながら、引き続き市や町に対して上乗せ助成制度拡大の働きかけを行うなど住宅の耐震化の推進に努めてまいります。
     次に、環境対策についてのうち、バイオディーゼル燃料の普及促進についてであります。
     県では、昨年六月から県庁内の食堂等から廃食用油を回収しバイオディーゼル燃料として公用車のマイクロバスに使用しており、本年八月末までの使用実績は約二キロリットルで二酸化炭素約五トンの削減効果となっています。また現在、十四の市や町でごみ収集車やマイクロバスなどに使用しており、年間使用予定量は約九十キロリットルと昨年度の約一・五倍となる見込みであります。こうした取り組みをさらに充実させバイオマスを活用した資源循環システムの構築を図るため、本年六月関係部局や関係団体、民間企業から成るバイオディーゼル燃料推進部会を設置し、施策の連携や県民の理解促進に努めているところであります。
     バイオディーゼル燃料は化石燃料と異なり、再生可能なエネルギーとして地球温暖化の防止に大きく寄与するとともに廃食用油の回収を通して循環型社会を促進するものでありますので、今後とも市や町、関係団体にバイオディーゼル燃料の積極的な活用を働きかけるなど一層の普及促進を図ってまいります。
    ○副議長(吉川雄二君) 藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長(藤原通孝君) 東海地震対策についてのうち、避難所対策についてお答えいたします。
     県内の市や町では住民が災害により自宅で生活できなくなった場合に備え、当面の避難生活を送る場所として千三百十四カ所の避難所を指定しております。先般の新潟県中越沖地震におきましては、あらかじめ指定されていた避難所が被害を受け使用できないというケースもございましたので、県では各市や町に対して避難所として指定している学校、体育館、公民館などの建物について耐震性の有無を改めて確認するよう通知し、指定の見直しなど必要な措置をお願いしたところであります。
     また、いざ発災時に各避難所の立ち上げや運営がスムーズに行えるよう、県では本年三月に自主防災組織向けの避難所運営マニュアルというのがあるんですが、それを改訂いたしまして市や町を通じて各自主防災組織が早急に避難生活計画書を作成するよう働きかけているところであります。さらに本年度は県において、避難所生活における環境の改善に向けましてハード・ソフト両面からの検討を進めており、能登半島地震や新潟県中越沖地震の被災地を調査した結果などもこの検討に反映してまいりたいと考えております。
     次に、浜岡原子力発電所についてのうち、まず耐震重要度分類についてであります。
     柏崎刈羽原子力発電所では新潟県中越沖地震に伴い、原子炉の安全を確保する基本的な機能である、とめる、冷やす、閉じ込めるという機能は的確に働き、原子炉は安全に停止したところであります。しかながら、耐震設計の重要度分類ではBにランクされるクレーンの破損以外はCランクの変圧器など、あるいはランク外の施設に多くの被害が発生し、それが結果として周辺住民の不安につながり、原子力発電所の耐震性に対する国民の懸念を招くこととなったことも事実であります。
     本県といたしましても、耐震設計の重要度分類が現在のままでよいのか、ランクの引き上げや対象とする施設の拡張など見直しの必要性について国にただしたところでありますが、国からは、新潟県中越沖地震に関する調査・対策委員会におきまして議論がされることになっていると、それを踏まえて検討していくという回答を受けているところであります。
     今後、我々としてもこの委員会での検討を注視し、必要があれば重ねて国に対して見直しの必要性をただしてまいりたいと考えております。
     次に、超東海地震についてであります。
     御前崎周辺において、千年から千五百年間隔で通常の東海地震とは異なる大きな隆起を伴う地震が発生してきたとする専門家の調査研究が先ごろ学会で発表されました。これに関しましては、原子力安全・保安院では「浜岡原子力発電所については、新耐震指針に照らした耐震安全性の評価が既に報告され、現在、耐震・構造設計小委員会において、報告内容の検討を行っているところであるけれども、このような大きな隆起をもたらす地殻変動を考慮することも検討項目の一つとなっている」という見解を示しております。
     県といたしましては、この検討を注視し、その結果についての国からの説明を受け、改めて耐震安全性を確認してまいりたいと考えております。
     次に、県職員の心の病の現状と対策についてであります。
     メンタル疾患によりまして一カ月以上療養した職員数は、平成十三年度からの三年間では年平均三十六人でございました。これが平成十六年度は六十六人、十七年度は八十三人、十八年度は七十六人と、本県におきましても近年増加傾向にあるということは事実でございます。このような状況を踏まえて、長期療養中の職員に対してはまず医師の指示に従って治療に専念するということを指導しますとともに、当該職員の主治医あるいは県の相談医と連携いたしまして円滑な職場復帰ができるよう、きめ細かな助言、指導などの支援を行っているところであります。
     また、メンタル疾患の予防策としては、職員一人一人が心の健康について正しく理解し自分自身のストレスに気づくことが重要であると考えておりまして、こころの健康診断や階層に応じたメンタルヘルス研修、いわゆる新人であったりあるいは管理職であったり、さらには子育て世代、あるいは親の介護といった課題を抱えるような職員の階層に応じて、きめ細かい研修を実施することによりまして対応するとともに、ストレスカウンセリング等相談体制の整備充実にも取り組んでいるところであります。
     メンタル疾患に陥る要因は人さまざまでありまして、またすべての年代にわたっておりますけれども、男女別あるいは年代別の要因をできる限り分析をして、予防と早期発見に向けたメンタルヘルス対策の充実強化に努めてまいります。
    ○副議長(吉川雄二君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 校庭の芝生化についてお答えいたします。
     学校を子供たちが一日の大半を過ごす生活、学習の場として、温かみと潤いのある教育環境に整備していくことは大変重要なことであり、校庭の芝生化は自然との触れ合いや環境教育にもつながり子供たちの心身豊かな成長に効果があると考えております。しかしながら、校庭の芝生化には初期費用のほか、芝生の持つ効果をいつまでも保つための維持管理などの課題に加え、校庭の利用実態として授業やサッカー、野球、陸上の部活動など多目的で複合的に使用していることから、その運動内容により活動に支障が生じるなど利用面からも課題があり、芝生化が進んでいないのが現状であります。
     現在の県立学校における芝生の整備状況についてでありますが、十校の高校で砂じんの飛散防止として、五校の特別支援学校において児童生徒の安全対策などのために芝生化を実施しておりますが、今後は各学校における校庭の利用形態や維持管理体制などを研究し学校や地域の実情を踏まえながら、校庭の芝生化を検討してまいりたいと考えております。
     また、小中学校の校庭の芝生化につきましては、設置者である市や町に対しまして実践事例や国の助成制度等を周知するなど、学校や地域の実情を踏まえた整備を促してまいりたいと考えております。
    ○副議長(吉川雄二君) これで大石裕之君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     九月二十八日午前十時半会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれにて散会といたします。

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