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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成14年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小楠 和男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/01/2002

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (西原茂樹君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 二十三番 小楠和男君。
            (二十三番 小楠和男君登壇 拍手)
    ○二十三番 (小楠和男君)  私は、 自由民主党所属議員として、 知事、 関係部長、 教育長に伺います。
     まず、 国と地方のかたちについて何点か伺います。 系統立てて質問をしていきたいため、 今議会での質疑と一部重複する点があることをお許しいただきたいと思います。
     今、 国と地方自治体との関係が大きく変わろうとしている予兆が感じられ、 ごく近い将来現実のものになることを私は大きく期待しています。 五月二十一日の政府の経済財政諮問会議は、 片山総務大臣による五兆五千億円に上る地方への税源を移譲する試案の発表の場となり、 続く六月七日の経済財政諮問会議は、 首相指示の形で福祉、 教育、 社会資本などの国庫補助負担事業の廃止、 縮減の結論を年内に出すとともに、 交付税見直しと税源移譲を三位一体で検討し一年以内に取りまとめることとしました。
     この動きに歩調を合わせるかのように、 昨年七月に地方分権推進委員会の後を受けて発足した地方分権改革推進会議では、 六月十七日に発表したその中間報告で地方を国の関与、 規制から解放し、 権限と責任を大幅に拡大するなど国と地方の適正な役割分担をすべきとして、 目玉には経済財政諮問会議と同様に国庫補助金、 交付税、 税源移譲を検討することが盛り込まれています。
     さらに本日、 二十一世紀の地方自治のあり方を検討している第二十七次地方制度調査会は総会を開き、 基礎的自治体のあり方、 大都市のあり方、 都道府県のあり方、 地方税財政のあり方など五項目を今後審議していき、 来年十一月までに答申を取りまとめることを決定すると聞いています。 国と地方とのあり方が大きく変貌していくことでしょう。 そこで何点か伺います。
     まず、 地方分権一括法と中央省庁の再編についての評価です。
     地方分権一括法は、 大騒ぎをして計四百七十五本もの法律改正を行ったものの、 ふたをあけてみれば機関委任事務が自治事務と法定受託事務に整理されたことと、 地方事務官制度がなくなったことが目立つ程度で、 期待された税財源の移譲は見送られ、 全くの期待外れに終わりました。 中央省庁の再編については、 その数が一府二十一省から一府十二省庁へと減りましたが、 その持つ巨大な権限も人もポストも温存され何ら変わっていないのが現実であり、 私は中央官庁が本気で地方分権を進める気はないのだと、 このとき理解をいたしました。 この地方分権一括法と中央省庁再編についての評価をまず伺います。
     次に、 国と地方との関係について伺います。
     これまでさまざまな行政サービスを支える税収の配分は、 国六に対して地方四、 一方で行政サービスに使われる支出は国四に対して地方六と全く逆になっています。 このギャップを埋めることが地方の悲願だったと言ってもよいでしょう。 国の財源を握ることによって他の事業官庁ににらみをきかせてきた旧大蔵省と、 地方自治体の代表と言っておきますが、 旧自治省の争いであったとも言えます。 地方自治では票にならないため国会議員の応援を望むべくもない自治省と、 配下にある事業官庁と組んで予算というおいしいえさで国会議員を籠絡、 洗脳してしまう大蔵省とではもともと勝負になり得ません。
     私たちの同僚で県議会から国会へ転身した方々も幾人かおられますが、 国会議員になった途端、 地方の代表でなく国と中央官庁の擁護者に変わってしまうのを見れば、 今日までの国と地方の関係が、 上下主従の関係であり続けたのもさもありなんであります。 私たち地方議員こそ声を大にすべきです。 そこへ地方への追い風が吹いたのは、 大蔵省から始まった中央官僚の不祥事の数々でありますが、 それより何より危機的な状況にある国と地方の財政への国民の不安が、 この国のかたちを変えようという動きを後押ししたと言えると思います。 そこへ登場したのが片山試案であり、 経済財政諮問会議の首相指示となってあらわれております。 そこで、 税財源から見た国と地方の関係についての考えと片山試案に対する評価について伺います。
     次に、 都道府県と市町村との関係、 特に政令指定都市との関係について伺います。
     今議会に静清合併の承認の議案が提案されており、 議決されれば来年四月の新静岡市の誕生、 そして平成十七年四月をめどに政令指定都市移行に向けた取り組みがなされます。 まずそこで警察や高校教育などを除き、 ほぼ静岡県と同等の権能を有する政令指定都市が誕生するのに伴い、 児童相談所の設置や国県道の管理などのさまざまな権限の移譲が行われます。 このときに県の歳入への影響をどの程度と試算しているのか、 さらに県職員定数と県庁組織の変更をどのように想定しているのか伺っておきます。
     さて、 私の住む浜松市でもおくればせながら経済界から、 政令指定都市を想定した市町村合併の案が提示されました。 今後の議論の高まりを期待しているところですが、 都道府県と大都市との関係については古くは明治時代から論争が続き、 幾度かの制度の変遷を経て現在の東京都二十三区と政令指定都市となっていますが、 一言で言うなら、 大都市を都道府県の中に置くのか独立させるのかとの議論でありました。 例えばお隣の神奈川県では、 八百四十九万人の人口のうち五五%、 つまり県民の半分以上が政令指定都市である横浜市と川崎市に住んでおり、 大県である神奈川県もこの二つの政令指定都市が独立すれば人口でも静岡県とさほど差はなくなりますし、 各種の経済指標では我が県の方が上位に位置する分野が多くなることは明らかです。
     議会の視察で政令指定都市を訪問させていただくとき、 私は非公式の場で若い職員の方に道府県と政令指定都市の関係について聞くことにしています。 ほとんどの方は就職先として道府県と政令指定都市の両方を受験し、 両方合格したけれども政令指定都市を選んだ、 それは転勤の煩わしさがないのはもちろんだが、 政令指定都市の方が住民の身近なところでしかもダイナミックな仕事ができると答えています。 このことは、 国と地方の関係以上に都道府県と市町村の関係も上下主従の関係が根強いと言われている中で、 都道府県と政令指定都市の間ではこの関係が既に逆転していることを実証していると思います。 道府県の役割は政令指定都市以外の小規模市町村を補完するのが役目であり、 政令指定都市は自分たちでやっていくんだという強い意気込みを感じるところです。
     都道府県と政令指定都市における文化施設やスポーツ施設の二重投資の問題は、 現在の静岡市内でも多く見受けられますが、 新市の建設計画には美術館や博物館、 オペラハウスなどの計画がメジロ押しであり、 二重投資が一層進む懸念がありますし、 道府県の事務が限定されているにもかかわらず、 人口配分の多い政令指定都市の道府県議会議員の必要性などの課題は、 課税あればサービスあり、 課税あれば代表ありという現在の制度によるものであり、 政令指定都市が道府県から税財源を持って独立すればおおむね解消されるのではないでしょうか。 今、 新静岡市が政令指定都市になることを目前に控え浜松地域もそれに続こうとしているとき、 都道府県と政令指定都市の関係についてお考えを伺います。
     この問題の最後に、 国と地方の望ましいかたちについて伺います。
     私は現行法の仕組みが今後も続いていく、 つまり国が権限も税財源も手放さないのならば、 住民サービスは住民の一番身近な市町村で行われるのが望ましいことを考えると、 現在の国、 都道府県、 市町村の三層構造を最も効率的にするならば、 中間つまり都道府県がなくなってしまうことが究極の行政改革だと考えてきました。 また道州制や連邦制の議論についても、 もし導入するにしても必要最小限にとどめるべきだと思っております。 我が国は強大な官業国家です。 言いかえれば統制下にある社会主義国家とも言えるでしょう。 民の力を大いに発揮できる仕組みをつくるとともに、 国と地方の新しいかたちをつくり上げる動きがやっとスタートしたと思います。 さまざまな抵抗を乗り越え、 この国の将来にふさわしい国と地方のかたちを実現したいものです。 望ましい国と地方のかたちをどのように考えておられるのかお伺いします。
     次に、 浜名湖ガーデンパークの整備状況と浜名湖花博後の利用について伺います。
     ワールドカップも無事終了し、 来年の国民体育大会の後には本県主催の大規模イベントの集大成とも言える浜名湖花博が開催されます。 過日の質疑でもアクセスやイベントの準備状況について答弁がありましたが、 開幕まで二年を切った今、 会場となる浜名湖ガーデンパークそのものの整備の状況をまず伺います。
     また、 会場となる五十六ヘクタールのうち東側区域の三十四ヘクタールは平成十一年に都市計画決定を受け、 恒久的な公園施設を含む都市公園として整備が進んでいますが、 西側区域の二十二ヘクタールは民間の活力を導入させていただくとして最低限度の基盤整備にとどめ、 花博開会中も終了後にすぐに撤去可能な仮設施設のみの利用としています。
     私は欧州海外事情調査団の一員として、 オランダで十年に一度開催されているフロリアード二〇〇二を視察させていただきました。 ここで会場の跡地利用について質問をしたところ、 もともと牧草地であった場所を市が借りて園芸博覧会を開催しているが、 終了後は記念となるモニュメントを残して、 その他は牧草地に戻すとのことでした。 また一九九七年に視察したドイツの花博、 ブンデスガルテンショーの会場は有名なルール工業地帯の製鉄所の跡地を利用し、 終了後は公園と住宅やオフィスビルが建つ市街地へと再開発されるとのことでした。
     浜名湖花博の翌年に開催される愛知万博の会場選定に当たって明らかになったように、 博覧会等の大規模イベントの開催には、 周辺の環境への十分な配慮が必要であります。 幸いにして浜名湖花博の会場整備はもともと埋立地であった平坦地で、 畑や耕作放棄地となっていたところですので、 環境への大きな負荷は避けられましたが、 環境への配慮とは終了後の跡地利用まで考えるべきだと思います。 二〇〇四年に浜名湖花博に訪れる五百万人の人々に、 この会場の跡地がどのように利用されるのか自信を持って説明していただきたいと思います。 西側区域二十二ヘクタールの利用をどのように考えておられるのかお伺いします。
     次に、 廃棄物の対策について伺います。
     私が役員をしております天竜川漁業協同組合では、 毎年アユの解禁日である六月一日の前に組合員総出で天竜川の河川清掃に取り組んでいます。 漁業者も遊漁者も生活やレクリエーションとしての魚の捕獲をするだけでなく、 川とともに生きていることを清掃活動により実感することで、 河川の環境にも高い意識を持つための貴重な場であります。 毎年ごみの山ができるわけですが、 天竜川などの大河川は上流に治水と利水のためのダムが建設された影響で、 大規模な出水、 洪水などがなくなったかわりに、 日常の表流水の減少により河道が狭まり、 広大な川岸や多くの中州が出現し、 そこには大木が生い茂り植物が繁茂するという、 まあ皮肉を込めて申し上げるんですが、 豊かな植生が見られるようになりました。 無残な天竜川の姿でもあると思います。
     さて、 この豊かな植生の中へは私たち組合員も簡単に入っていくわけにはいかないのですが、 ごみや廃棄物を不法に投棄しようとするやからにとっては大変好都合な天然のごみ箱なのです。 家庭ごみはもちろんのこと、 家電や家具、 自動車まで捨てられているとともに、 明らかに事業所から出たと思われるごみまで、 さながらごみのデパートであります。
     そこでお伺いします。 一つは昨年四月、 特定家庭用機器再商品化法いわゆる家電リサイクル法の施行により、 エアコン、 テレビ、 冷蔵庫、 洗濯機の四品目のメーカーによるリサイクルが義務づけられ、 消費者にもその費用負担が義務づけられることになったわけですが、 この法律により川岸に捨てられていたこの四種類の家電については、 捨てられた場所から第三者により移動させることが事実上難しくなり、 私たちの目の前にありながら、 あることがわかっていながら、 手出しができなくなりました。 そして、 ことしは昨年よりも多くの不法投棄された家電品が見受けられました。 そこで、 家電リサイクル法が施行されて一年が経過した今、 県として使用済み家電品のリサイクル及び不法投棄の状況をどのように把握しておられるのか伺います。
     二つ目は、 国が直接管理をしている直轄河川は、 天竜川のほかにも県内には西から菊川、 大井川、 安倍川、 富士川、 狩野川の六河川があり、 それぞれ不法投棄には同じ悩みを抱えていることと思います。 社会問題にもなっている富士山ろくのごみの不法投棄に比べれば小さな話かもしれませんが、 治水、 利水はもちろんのこと、 水に親しむことにより環境問題を一番身近で感じることができるはずの河川のごみの問題は、 放置しておけないと思います。 直轄河川のごみ対策について、 今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
     次に、 遠州灘海浜公園篠原地区の整備について伺います。
     遠州灘海浜公園はほぼ整備が整い、 サッカー、 ラグビー場などの球技場やたこ揚げ会場として利用されている中田島地区約六十ヘクタールと、 全く手をつけられていない篠原地区約四十ヘクタール、 地元の方々にもわかりやすく言うならば三方原病院の西側の部分のことですが、 これを白砂青松の遠州灘海岸や保安林で結んだ約六百七十ヘクタールに及ぶ広大な都市計画公園です。
     篠原地区につきましては、 これまでに基本構想の策定のための調査が済んでいることと思いますが、 去る五月二十日、 浜松市がかねてより候補地を選定中でありました新清掃工場と、 余熱を利用するため一体的に整備することが望ましいとされた新水泳場を、 国道一号浜名バイパスの東側で、 しかも遠州灘海浜公園篠原地区の西側に近接する場所に約十ヘクタールの土地を確保して建設することを発表いたしました。
     建設基本計画によれば、 新清掃工場は約七ヘクタールの土地に焼却溶融方式の日量処理能力四百から四百五十トンの規模を見込み、 平成十七年から四年間で完成させ、 新水泳場は約三ヘクタールの土地に国際大会が可能な五十メートルプールを中心に飛び込みプール、 二十五メートルのサブプールのほか、 レクリエーション施設として流れるプールなども計画されており、 平成十九、 二十年の二年間で建設し、 稼働はともに平成二十一年の予定とのことです。
     浜松市の発表では、 この約十ヘクタールの土地は具体的に特定されておりません。 しかしながら遠州灘海浜公園篠原地区に近接しているのは確実であり、 とりわけ新水泳場は都市公園内の施設としてこれほどふさわしい施設は見当たらない、 まさに願ったりかなったりの施設であると思われます。 中田島地区の整備につきましても、 県と浜松市が協力分担して進めてこられました。 浜松市の新水泳場の建設を契機として、 遠州灘海浜公園篠原地区の整備に着手すべきだと思いますが、 お考えを伺います。
     次に、 完全学校週五日制への対応について伺います。
     まず、 学校教育における部活動のあり方についてです。
     月曜日、 きょうもそうですが、 朝刊に県下各地で開催されたスポーツ大会の結果が掲載され、 自分の母校の名前を探したりしているのは私だけではないでしょう。 また一昨年、 本県で開催された全国高等学校総合文化祭の記憶はいまだに新鮮ですし、 ことし四月には静岡県中学校文化連盟が設立されたとのことで、 文化部の活動も一層活発になっていくことが期待されます。
     さて、 現在部活動はどんな状況にあるのでしょうか。 県下の国公立の中学校のうち約七割が全員加入制をとり、 残る三割の中学校は任意加入制をとっていますが、 事実上ほとんどの中学生が部活動に加入しています。 運動部が八割、 文化部が二割の内訳です。 高等学校では全生徒の約八割が部活動に加入し、 運動部、 文化部の比率は半々です。 数字の上では多くの中高生が部活動に参加していることがわかりますが、 毎日練習、 土・日も休みなく練習や対外試合といった部活から、 ほとんど活動の実態のない部活まで中身はさまざまだと思います。
     このような状況の中、 学校五日制が導入されるのと時を同じくして、 中学、 高校の運動部に対して一定の休養日を取ったり、 土・日の活動や試合を制限する申し合わせがなされたそうです。 休養日の必要性については一定の理解をしますが、 一方で目標に向かって努力している子供たちの部活を全県一律で制限するのが正しいとも思えません。 今からでも遅くありませんので、 今後十分な検討をしていただきたいと思います。 ほかにも少子化による生徒数の減少により部活動の維持が困難であるとか、 指導に当たる教員の数が不足しているなどの課題も指摘されています。 が、 それより何より部活動の学校教育の中での位置づけが不明確な点が最大の課題だと思われます。 部活動は重要であると言いながら教育課程外の活動に位置づけられており、 自主的に実施するとされているのです。
     部活動の顧問を持たず、 定時でお帰りになる先生がいることも結構です。 しかしながら、 みずから進んで、 あるいは不本意ながらとはいえ、 放課後や休日の部活動に取り組んでおられる先生には正当な評価をすべきだと思いますが、 休日出勤の手当や代休も名ばかりの制度でお茶を濁していると言わざるを得ません。 学校五日制になりせっかくの土、 日を部活動に充てるのなら、 生徒、 教員がお互いに納得した上で、 同じ目標に向かっていってほしいものです。 そこで、 部活動の学校教育における位置づけと、 指導に当たる教員への正当な報酬や代休についての考えを伺います。
     最後に、 学校五日制に伴う社会教育の充実について伺います。
     土、 日に部活動に参加していない子供たちは、 どのようにこの二日間を過ごしているのでしょうか。 学習塾や習い事、 あるいは地域のスポーツ団体に参加している子供たちもいるでしょう。 しかし、 かなりの数の子供たちが休日の過ごし方の目的や目標を持てず、 ただ家で時間を浪費しているのではないでしょうか。 このような子供たちにこそ社会教育の場を提供していく必要があると思います。 地域の公民館活動やその他の社会教育施設における活動、 あるいは図書館活動の充実などが考えられます。 学校五日制導入でますますその機能の充実が求められる社会教育の充実についてお伺いをして、 私の質問を終わります。 (拍手)
    ○副議長 (西原茂樹君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小楠議員にお答えをいたします。
     国と地方のかたちについてでございますが、 御質問の途中でいろいろ述べられた御意見とか現在の地方制度についての批判的なお考え、 これについては私も大変共感を持って拝聴いたしました。 大変そういう観点で同じような思いの方がいらっしゃるということで、 心強く思った次第でございます。 逐次お答えをいたします。
     まず、 地方分権一括法と中央省庁再編への評価についてであります。
     このまず地方分権一括法でありますが、 大きく掲げられた看板の割には実態を伴わない期待外れといいますか、 拍子抜けの結果であったというふうに私は感じております。 権限を国から地方、 それも都道府県、 それから都道府県から市町村へおろすということは形式上は大変な改革をやったように見えるわけでありますけれども、 実際に地方行政を推進する上で権限の行使についてさほどの不自由は感じてなかったというのが実態であります。
     法律に基づく行政を執行する場合は、 法律はできるだけ基準を明示しております。 しかも昨今の風潮として、 いわゆる行政指導に対する厳しい批判があります。 行政指導の名のもとに何が出てくるかわからないような格好で基準が決まるのはおかしいという、 そういう国民の批判といいますか、 見解をもとにできるだけ基準は明示をするという方向へ昨今は動いておったわけでありますので、 そういうことを前提に考えますと、 法律で地方の権限がいろいろ規定されておっても、 あらかじめ明示されておるわけでありますので、 その権限の行使に当たって分権の観点から不自由があるというようなことを実感するケースは少なかったわけであります。
     主務大臣の制度としては、 主務大臣のいろいろコントロールが及ぶという建前になっておりますけれども、 国会でいろいろな入念な審議をもとにさまざまな執行に当たっての基準、 これが法律とか政令でかなり具体的に明示されてくる限り、 地方において制約を感ずるということは少ないわけでありまして、 ならば、 なぜ地方自治の観点から国の中央省庁のいろいろな規制や関与について批判があったかといいますと、 これはほとんどのケースが財源の大半を、 あるいは地方にとってほぼ決定的と思われる財源の付与が国からされてくると、 毎年、 毎年の国の予算編成でされてくると、 そこに問題や不平不満の原因があったわけでございます。
     この地方分権一括法の施行に当たりましては、 そこの一番の本丸にはほとんど手がついてなかったわけでありますので、 そういう点で地方分権一括法が華々しく分権に資するというような取り上げられ方をした割には、 実感がなかったというのが正直なところでございます。 機関委任事務の廃止とか、 さまざまな国の関与の仕組み廃止という制度上の問題はそういうことであったというふうに思います。
     そこで二番目の片山試案への評価にも関連するわけでありますが、 今回、 やっと本丸でありました税財源の配分の問題に具体的に踏み込んだという点で、 この片山試案は評価をすべきものだと思います。 理論上は仕事と税源の配分が一対一に対応する、 仕事が地方六、 国が四であれば、 地方に財源も六、 国に四というのがこれは理論的にはその方が正しいかもしれませんが、 一方で我が国の税源の地域偏在ということを考えますと、 現在の交付税、 将来はどういう名前の財源偏在調整機能ですね、 これをどういう名前で呼ばれるかわかりませんが、 少なくとも国において財源の地方間の偏在の是正の財源、 最終的にはこれ、 地方に行くわけでありますんで、 これを持っておくっていうことは避けられないと思います。
     そういう意味でいきますと、 かなり腰だめ議論にはなりましょうけれども、 国と地方の税財源の配分が一対一というのも、 かなりいいとこを突いてるのではないかというふうに思うわけでございます。 今後は、 せめてこの片山試案の国、 地方一対一の配分決定に向けて、 政府が具体的な政策決定していくことを期待しているところでございます。
     それから都道府県と政令指定都市の関係でありますけれども、 これは小楠議員がいろいろ具体的な事例なども踏まえてお取り上げいただいたように、 都道府県の中におきます政令指定都市の存在は、 非常にどう評価していいのかわかりにくい制度になってることは事実であります。
     私は、 その後でお触れになりました国と地方の望ましいあり方との関連で、 この際この政令指定都市の制度についても国と地方の望ましいかたち、 すなわち我が国の内政の統治構造、 統治機構のあり方、 これをこの際再設計をするという観点で、 政令指定都市の問題も議論をすべきではないかというふうに思います。 その際に実はこの国の統治機構のあり方については、 もう長い議論の歴史、 積み重ねがあるわけでありまして、 理論的な面でいいますと何を選択したらいいかという、 もう選択肢はそれぞれにいろんなもっともらしいというか、 らしいって言ったらちょっと語弊がありますね、 もっともな論拠をもとにさまざまな考え方が提示をされております。
     小楠議員の御紹介のような都道府県という中間団体をやめてしまって、 国と市町村、 その市町村もできたら三百ぐらい、 あるいは三百から五百の都市にまとめてしまうという案から道州制まで、 いろいろな議論がございます。 問題はもう既にこれからその議論を蒸し返しにするんではなくて、 これまでもさんざっぱら議論がされてまいっておりますので、 それらを整理をしてその中でどれを選択するか、 もう選択の段階に来てるんじゃないかというふうに私は思うのであります。
     そこでそういう観点で私は考えますと、 国と基礎的自治体である市町村、 これもできるだけ自治能力の高いような形式にすべきだと。 その上に立って中間の広域的な行政組織統治機構が要るか要らないかということを考えますと、 私は必要ではないかと。 それがいわゆる道州という名前になるのかブロックというふうに呼びならわすのか、 これは人によってさまざまでありますけれども、 私はある一定の範囲の国内を幾つかのブロックに分けて、 そのブロック単位にある程度地域のあり方を構想し、 それの実現の手段をそれに合わせて組み合わせて実行していく、 それは必要ではないか。 そういう必要性がもしあるというふうに国民が感じるならば、 これは政令指定都市がいかに大きくなろうともその範囲を越えた行政ということになってくるわけであります。
     その意味の広域行政をどういうスタイルでこれを実現するのか、 中央省庁の出先機関タイプであるのか、 地方分権タイプであるのか、 二つの選択肢があると思いますが、 私は分権タイプでやるべきだと。 それが都道府県制の拡大した私が提唱しております政令県のようなスタイルでやるのか、 道州制でやるのか、 その選択の問題ではないかというふうに思います。
     静岡県からは少なくとも政令県タイプの議論を巻き起こす私は立場で、 県内では政令指定都市をたくさん誕生させ都道府県が事実上空洞化をして、 さあどうしてくれると都道府県をどうしてくれると、 都道府県制を考え直さなきゃいけないじゃないかという状況をつくっていくべきではないか、 その最先端に今あるというふうに私は感じまして、 政令県構想を提唱しながら一方で県内の政令指定都市誕生を期待をし、 そういうことを公にいろいろ述べておるところでございます。 この地方自治のあり方、 あるいは国内の統治構造のあり方についても私はもう論よりも実践の段階に来てるというふうに思います。 ぜひ小楠議員におかれましてもいろいろふんまんやる方ない思いで御発言がございましたが、 ぜひもう実践的にどうしたらいいかという観点からまたお力添えもいただきたいと思います。
     その他の御質問につきましては、 関係部長、 教育長からお答えを申し上げます。
    ○副議長 (西原茂樹君)  望月総務部長。
            (総務部長 望月圭二君登壇)
    ○総務部長 (望月圭二君)  国と地方のかたちについてのうち、 都道府県と政令指定都市についてお答えをいたします。
     新静岡市の政令指定都市移行と県の歳入及び組織定数についてでありますが、 新静岡市が政令指定都市に移行した場合、 県から市へは指定区間外の国道や県道の管理、 児童相談所の設置、 管理事務などが法定移譲されますが、 そのほかに県独自の権限移譲についても積極的に検討してまいりたいと考えております。 このような事務事業が県から市へ移譲されることに伴い、 その財源となる地方道路譲与税や国庫支出金等の減が予想されるとともに、 事務を所掌する出先機関の組織体制などについても影響があるものと考えております。 このため県といたしましては、 本年四月に設置した静岡県行政経営会議において、 新静岡市の政令指定都市移行を視野に入れた出先機関のあり方などについて検討することとしております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  福山企画部長。
            (企画部長 福山嗣朗君登壇)
    ○企画部長 (福山嗣朗君)  浜名湖ガーデンパークの整備についてのうち、 初めに現在の整備状況についてお答えいたします。
     平成十一年度に基盤造成工事及び公園樹木の植栽工事に着手し、 これまでに会場内の橋梁、 園路などの土木工事、 展望塔の建築工事などを進めてきております。 このうち基盤造成工事はほぼ完了しております。 植栽工事も順調に進んでおります。 今年度は残る主要施設である屋外ステージ及び園芸文化館の建築工事などを発注してまいります。 また、 その後は会場施設として各種パビリオン、 庭園、 花壇などの整備に順次着手することとしており、 いずれの施設も平成十五年度までに完成する予定であります。
     次に、 跡地の利用についてであります。
     浜名湖ガーデンパークについては、 浜名湖の自然を生かす中で園芸や庭園などに親しめる快適空間の整備を目指しております。 西側区域の跡地利用につきましてはこうしたことも踏まえながら、 その有効な利用のあり方を検討しているところでありまして、 地元の市や住民の皆様の御意見を伺うとともに民間活力の導入も視野に入れながら検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  花岡環境森林部長。
            (環境森林部長 花岡志郎君登壇)
    ○環境森林部長 (花岡志郎君)  廃棄物対策についてのうち、 初めに家電リサイクルの状況についてお答えいたします。
     天然資源の消費を抑制し環境への負荷をできる限り低減していく上で、 家電製品のリサイクルを徹底していくことは大変重要なことと認識しております。 県内における家電四品目のリサイクルは、 販売店と市町村を通して行われておりますが、 法施行前の販売店による取り扱い状況が把握されていないため、 全国のリサイクルプラントに持ち込まれた数量で推計いたしますと、 平成十三年度は約八百三十七万台となっており、 これを法施行前の一年間にリサイクルされた数量と比べると約三倍に増加しております。
     また不法投棄につきましては、 本県では全市町村の協力を得て毎月不法投棄された家電品の品目、 投棄場所、 メーカー別など具体的な状況把握を行っておりますが、 その結果によりますと、 全国では平成十二年度と比較して約六%増加したと推計されているのに対し、 本県では市町村による不法投棄防止パトロールの強化などにより約九%減少しております。 今後も引き続き県民への家電リサイクル法の普及啓発を行うとともに、 市町村と連携して不法投棄の防止に取り組んでまいります。
     次に、 直轄河川のごみ問題についてであります。
     河川は人々に潤いを与える貴重な生活空間であり、 良好な環境を保つことが大変重要であります。 県はこれまで毎年市町村やボーイスカウトなどの協力を得て、 環境美化キャンペーンやごみ一斉回収をしておりますが、 特に河川においては河川愛護団体や地域住民の参加のもと、 各河川の雑草の草取り、 ごみや空き缶拾いなどの清掃活動を展開してまいりました。
     河川への不法投棄につきましては、 河川監視員や河川管理協力員によるパトロールが実施されておりますが、 今後は天竜川を初めとする流域単位で設置されているさまざまな協議会の協力も得ながら、 不法投棄の防止と早期発見に努めてまいります。 なお、 これらの団体等が発見した河川内のごみの情報につきましては、 速やかに河川管理者や市町村へ報告される情報連絡網を整備し、 河川のごみ問題が適時適切に対処され、 良好な河川環境が保全されるよう努めてまいります。
    ○副議長 (西原茂樹君)  佐藤都市住宅部長。
            (都市住宅部長 佐藤侃二君登壇)
    ○都市住宅部長 (佐藤侃二君)  遠州灘海浜公園篠原地区の整備についてお答えいたします。
     遠州灘海浜公園は、 県が中田島地区のうち約二十ヘクタールについて整備を行い、 平成三年に県営都市公園として開設しております。 県営公園としましては、 その後開設した富士山こどもの国やエコパなどのほか、 現在整備を進めております浜名湖ガーデンパークを含め七カ所となりますことから、 県では既存の公園も含め広域的に利用するための役割や機能など、 県営公園全体のあり方について検証しているところであります。 遠州灘海浜公園につきましても県営公園全体の中で検証することとしており、 篠原地区についてはその中で浜松市の水泳場などの計画にも配慮しながら検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  完全学校週五日制への対応についてのうち、 初めに学校教育における部活動についてお答えいたします。
     部活動は学校教育活動の一環として位置づけられており、 より高い水準の技能や記録に挑戦したり文化活動に励む中で、 その楽しさや喜びを味わい、 時に悔しさや挫折を経験しながらおのれを高め、 仲間を思いやるなど子供の健全な成長、 育成に大きく貢献できるものと考えております。
     本県においては、 指導に当たる教員の負担を考慮して、 休日等に部活動の指導業務に従事した場合には、 条例に基づき特殊業務手当を支給しているところであります。 また昨年の六月より土曜日、 日曜日に県大会以上の試合などに生徒を引率した場合には、 授業等を勘案した上で平日に休みが取れるよう基準の改正をしたところであります。 生徒数の減少や完全学校週五日制の実施など、 部活動を取り巻く状況は大きく変化してきておりますが、 このような教員の負担への配慮のほか、 生徒の能力・適正、 興味・関心などに応じた適切な活動がなされ、 また効果的な休養日を設けるなど、 柔軟な運営にも配慮しながら部活動の円滑な実施に向け指導してまいります。
     次に、 社会教育の充実についてであります。
     完全学校週五日制が実施される中で、 県教育委員会では社会教育の重要な課題として、 地域の子供は地域ではぐくむという考え方のもとに、 昨年度より子供をはぐくむ地域教育推進事業に取り組んでおり、 地域の各関係団体、 組織による協議会を小学校区単位で設置し、 総合的に子育てを支援する地域コミュニティーづくりを推進しております。 特に学校週五日制に移行する中で、 公民館や図書館などの社会教育施設を学びの場として活用するとともに、 子供の遊び場づくりや子育ての相談体制づくりなどに各地域で着実な成果が上がってきており、 本年度は県内六十三小学校区にコミュニティー事業を拡充しております。 またしずおか県民カレッジにおいては、 地域の教育力の向上を志す人材養成のため地域学講座をモデル的に実施することとしました。
     今後とも子供たちの実態を見守りながら、 子供たちが学校週五日制を有意義に過ごすことができるよう、 これらの事業を継続的に推進していきたいと考えております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  二十三番 小楠和男君。
            (二十三番 小楠和男君登壇)
    ○二十三番 (小楠和男君)  再度質問させてもらいます。
     まず、 知事の答弁はまさに我が意を得たりでございまして、 これから地方から大きな声を知事そして私たち議会も発信していく必要がある、 そういうふうに思った次第です。
     教育長に部活動についてお伺いをします。 特殊勤務手当という言葉が出ましたが、 具体的な数字がありませんでしたので、 あえて御披露します。 勤務時間外の放課後の部活動については、 すべての教員に四%の教職調整額が支給されております。 これもちょっと疑問はありますが問題にはしません。 休日については、 八時間以上拘束をされると千八百円の手当がつきます。 八時間で千八百円であります。 これが妥当でしょうか、 と思っております。 この金額の問題もそうなんですが、 もう一つこの支給をしていただくための請求の手続が面倒なために、 私は請求しないんだという先生方が非常に多い。 金額の問題はともかく、 すぐに手をつけることのできるこの手続の簡素化、 簡略化などについてどのような考えか伺って終わります。
    ○副議長 (西原茂樹君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  今の御質問についてでありますが、 手続等につきましては、 いつ、 どこで、 どのような試合にどんな生徒を引率したかというようなことで、 基本的には大変必要な事項だと思いますけれども、 もしその中に規制が緩和できたり簡略化できるところがあったら研究していきたいと思っております。 子供を扱う仕事ということで、 現在そういった手続でやってることを御理解いただきたいと思います。
    ○副議長 (西原茂樹君)  これで小楠和男君の質問は終わりました。

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