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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

勝俣 昇 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/27/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技開
 催と静岡県自転車活用推進計画との関係について                  
2 ひきこもりに対する自立支援について                     
3 生活困窮者に対する食料支援について 
4 北駿地域における水田農業の強化に資する基盤整備の推進        
について                             
5 交通系ICカードのエリアをまたいだ利用について         
6 県道沼津小山線の整備について                  
7 高等学校におけるキャリア教育の推進について


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五号から第百二十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、八番 勝俣 昇君。
       (八番 勝俣 昇君登壇 拍手)
○八番(勝俣 昇君) 皆さんおはようございます。
 自民改革会議の会派所属、勝俣昇です。さきの統一地方選において、皆様の御支援をいただき初当選をさせていただきました。本日こうして議場の演壇に立ち緊張の中にも改めてその重責をかみしめるとともに、皆様の信任にしっかりと応え今後の県政発展、また県民の福祉向上のために全力で取り組んでまいる所存であります。
 そのような中、今般県議一期生として質問の機会をいただきました。早速通告に従い当面する県政の諸課題について一括質問方式により知事、副知事、関係部局長及び教育長、教育部長に質問を行います。
 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技開催と静岡県自転車活用推進計画との関係について伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開幕まで残すところ一年余りとなりました。オリンピックの大会チケット販売では多くのアクセスが集中しサイトにつながりづらい状態が続いたように、国民の注目も日に日に高まりを見せております。本県では東部・伊豆地区において自転車競技が開催されますが、そのテストイベントとして、ことし七月には私の地元である富士スピードウェイにおいてロード競技が行われます。また伊豆市の伊豆ベロドロームにおいて十月にマウンテンバイク、来年四月にはトラック競技が行われるなど大会の成功に向け着々と準備が進められております。
 あわせて、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技のレガシーとして、県や市町と民間団体などが一丸となり本県をサイクルスポーツの聖地とするため自転車競技の振興、サイクルスポーツの推進、愛好者の裾野拡大、安全利用の推進、走行空間の整備などの取り組みも進められております。
 県では、オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催決定を機に、既に平成二十八年度から本県をサイクルスポーツの聖地とするため官民が連携した取り組みを進める中、本年三月サイクルスポーツの聖地づくりに向けハード・ソフトの施策を総合的に進める指針となる静岡県自転車活用推進計画を取りまとめたと聞いております。私はオリンピックの開催を一過性のものにするのではなく、その後の県内の地域振興にしっかりとつなげていくことが非常に重要であると考えることから、同推進計画が有効に活用されることを期待するものであります。
 そこで、県が策定した今回の計画に関しその内容と具体的な取り組み、目標や目指す姿について伺うとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技のレガシーを生かした誘客への取り組みに今後どのように対応していくのか、県の所見を伺います。
 次に、ひきこもりに対する自立支援について伺います。
 内閣府が昨年三月二十九日に公表しました生活状況に関する調査によれば、四十歳から六十四歳のひきこもり中高年者数が推計約六十一万三千人、そのうち七割以上が男性、またひきこもりの期間も七年以上が半数近くを占めているとのことで、平成二十七年に内閣府が調査を行いました十五歳から三十九歳までの推計約五十四万一千人を上回り中高年者の多さが明るみとなっております。
 中高年のひきこもりが多い背景としましては、就職氷河期世代と言われるようにバブル崩壊後の雇用環境の悪化、また希望する職業につけなかったこと、また人間関係がうまくいかないことや職場になじめないことなどをきっかけに退職、若いころからひきこもりを続けた人々が高年齢化しているという事情があり、社会から隔絶された期間が長くなるにつれ社会復帰が難しくなり問題を深刻化させているとの指摘がされております。特に最近は八十代の高齢の親が収入のない五十代の子の生活を支える、いわゆる八〇五〇問題が顕在化し、先月以来立て続けに起きた殺傷事件においても動機についてはいまだ解明されておりませんが社会的孤立やこの八〇五〇問題が背景にあるとも言われております。
 ひきこもり支援の現状について、NPO、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の調査報告によりますと全国のひきこもり地域支援センター及び市町の生活困窮者自立支援窓口千三百九十三機関のうち有効回答がありました五百三十九機関の約半数で、ひきこもりの相談対応や専門スキルを持った職員、スタッフがいないとの回答がされたところであります。孤立した本人や家族がせっかく勇気を出し相談の声を上げても、支援につながらず絶望し諦めざるを得なくなるケースもあるとの報告がされております。
 そのような中、私の地元御殿場市においては、ひきこもりの自立支援に取り組む民間法人が地元自治体や就労を受け入れてくれる企業や福祉事業所などと連携し自立に導く仕組みづくりに先進的に取り組んでおります。手厚い伴走型のサポート支援によりひきこもり状態から脱却し、就職を機に自立へ導くなどの実績を上げております。同法人では御殿場市内のひきこもりゼロを目標に精力的に取り組みを行っております。
 今後、県としましてもひきこもりの解消を図るため有効な対策を講じていく必要があると考えます。
 そこで、静岡県のひきこもりの現状及び現在実施している支援施策とその評価について伺います。また官民が連携して取り組んでいる御殿場市の成功事例を含め、県はひきこもり削減に向け今後どのように取り組んでいくのか具体的な方策について伺います。
 次に、生活困窮者に対する食料支援についてお伺いします。
 本年五月、新潟市で開催されましたG20農相会合の場において、世界の食料廃棄が年間十三億トンに上る一方で八億人を超える人々が栄養不足で苦しんでいる状況を踏まえ食品ロス削減を各国が足並みをそろえて取り組む必要性が閣僚宣言に盛り込まれたところであります。また昨日閉幕となった通常国会において、食料廃棄を減らすための食品ロス削減推進法が成立したところであります。
 食品ロスの現状について、農林水産省の公表では二〇一六年度の国内の食品ロス量、六百四十三万トンと推計をされております。これは同じ年に飢餓に苦しむ人々に対し国連の世界食糧計画が援助した年間食糧三百五十万トンの約二年分に相当するものです。また国民一人当たりに換算しますと、全国民が御飯茶わん一杯分、約百三十六グラムの食べ物を毎日廃棄している計算になるということです。
 こうした状況を踏まえ、食品ロス削減推進法は食品ロスの削減を国民運動として捉え政府には基本方針の策定、自治体には推進計画の策定、事業者には施策の協力、また消費者にも自主的な取り組みを促す内容となっております。
 今回私が特に注目したのは、この法律に生活が困窮し食べ物に困っている方々に対し食料を提供するフードバンク活動への支援が盛り込まれたことであります。現在日本国内においては多くの食料廃棄がある一方で、食品メーカーなどから余剰食品を無償で譲り受け食事に困っている人たちに配布するフードバンク活動がボランティア団体やNPOなどにより進められております。私の地元においても、社会福祉協議会などが中心となり地域との連携によりフードバンク活動を展開しております。加えて最近では、企業のみならず一般家庭においても余った食品を学校や職場などに持ち寄り慈善団体やフードバンクに寄附するフードドライブという活動も広まりを見せております。
 二〇一七年六月に厚生労働省が公表しました日本の子供の貧困率は一三・九%と、七人に一人が貧困状態にあるとされております。私は、今般制定された同法が単に食品ロスの削減にとどまらず生活困窮世帯などへの食料支援活動に対する支援が盛り込まれたことに大変にすばらしい意義を感じております。
 そこで、生活困窮世帯に対する食料支援の動きが今後活発になっていくことを大いに期待する中で本県におけるフードバンク活動の現状と県の取り組みについて伺います。
 次に、北駿地域における水田農業の強化に資する基盤整備の推進について伺います。
 本県の代表的な米の生産地であります北駿地域や中遠地域では、「ごてんばこしひかり」や「にこまる」などがおいしいお米として高い評価をいただいております。また「ごてんばこしひかり」は、静岡県で開催されるお米日本一コンテストを初め数々のお米コンテストで輝かしい賞を受賞するなど全国的にもその知名度は高まっております。
 ちなみに、私も「ごてんばこしひかり」を栽培する農家の一人であります。霊峰富士の湧水が育んだ「ごてんばこしひかり」は自然の恵みの産物であり、非常においしいお米であります。皆さんにもぜひ食していただきたいと思います。
 私の地元である北駿地域では、昭和五十九年から実施されている十二地区での県営農業基盤整備事業によりまして小区画で不整形であった農地が大区画農地に生まれ変わり農作業の効率が格段に向上し、あわせて地元農協の熱心な営農指導により地域としておいしい米づくりに取り組んで来た結果「ごてんばこしひかり」を初めとする北駿産米の評価が高まり、今後もさらなるブランド力の向上を目指しているところであります。
 しかし、近年では農業者も高齢化が進み、加えて後継者不足などから農業離れが進み、さらには基盤整備が実施されていない狭隘で不整形な農地などでは耕作放棄による荒廃化が進み、産地としての農業生産の低下と景観面や防災面などで悪影響が懸念をされております。加えて北駿地域は傾斜地であることから圃場整備後のり面が大きく用水配分が難しい箇所も多く、結果として草刈り、水管理など管理作業に多くの時間と労力を要することから営農意欲を減退させる要因となっております。また農地の中間管理事業による担い手への農地集積においても、これらのことが阻害要因となっております。
 県では、こうした背景を踏まえ北駿地域において関係機関と連携し除草作業や水管理の負担を軽減するため試験的な取り組みを始めていただいております。農業者から一定の評価をいただいておりますが、まだまだ普及の拡大には至っておりません。水田農業の強化を図る上で基盤整備事業は非常に重要であり、引き続き事業の推進を望むものでありますが、北駿地域においては地形的な特質を考慮いただき基盤整備後の管理作業面の省力化に資する整備を求めるものであります。
 そこで、県は北駿地域における基盤整備、今後どのように進めていくのかを伺います。
 次に、交通系ICカードのまたぎ利用について伺います。
 JR御殿場線は、通勤通学、買い物など沿線地域住民の日常生活における交通手段として広く利用されているとともに、世界遺産富士山を背景に観光ポテンシャルが高く本県と首都圏との交流を支える東部地域の重要な公共交通機関であります。また来年開催されます東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックでは自転車ロードレースが富士山を眺望するコースで行われることから、御殿場線沿線地域では今後ますます国内外から関心や注目が集まり、さらなる交流の拡大が予想をされております。
 そのような中、首都圏などからの来訪者に対する本県の東の玄関口となる東部・伊豆地域においては鉄道の利便性に大きな課題を抱えております。それは交通系ICカードであるSuicaやTOICAなどの利用可能エリアが限定され、エリアをまたいで利用することができないということであります。具体的に申せば東海道線の熱海駅から東側はJR東日本のSuicaエリアで、また函南駅から西側はJR東海のTOICAエリアであり、熱海駅、函南駅間をまたいで利用した場合、自動改札機を通ることができず駅の窓口に行って精算しなければなりません。これは御殿場線の国府津駅を過ぎ下曽我駅以降の各駅においても同様であります。
 東部地区での東海道線や御殿場線の各沿線では、大型商業施設や観光施設が立地することで多くの観光交流客数を有しておりますが、土曜日や行楽シーズンには駅の精算窓口、大変に混雑することから利用者の不満が噴出しており、地元自治体、また利用者からはエリアをまたいで何とかして使用できるようにしてほしいとの切なる声が上がっております。
 さらに、東部地区で開催されます東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技での会場アクセスについては競技会場周辺の交通渋滞を避けるために最寄りの鉄道駅から公共交通機関を利用しての来場呼びかけを検討しており、駅の改札口での混雑は明々白々であります。
 昨年九月、県民の鉄道交通の利便性向上、福祉向上などを目的としてJR東海とJR東日本交通系ICカード相互利用促進に係る静岡県議会議員連盟が発足し国や関係団体へ要望が行われました。このように、関係する地元自治体や議員連盟での要望に加え県としても鉄道事業者へ必要な措置を講じるよう要望していくべきと考えます。県の所見を伺います。
 次に、県道沼津小山線の整備について伺います。
 私の地元である小山町では、現在静岡県のふじのくにフロンティア推進区域の指定を受けたエリアにおいて工業団地の整備が進められ企業からの引き合いも非常に旺盛の中、進出企業が決まるなど着実に事業の伸展が図られております。その中にあって同推進区域の一つであります駿河小山駅周辺では大手食品メーカー、飲料メーカーが生産拠点を構え活発な営業活動を行い、小山町中心部の県道沼津小山線ではセミトレーラーなどの大型車両の交通量が増大をしております。現在、県道沼津小山線は地域の生活を支える道路であるとともに小中学生の通学路にも指定されており、大型車両の通行による地域住民の生活環境の悪化や子供たちの安全の確保が課題だと認識をしております。
 こうした中、茅沼地区には急な勾配のS字カーブの場所があります。大型車両はセンターラインをはみ出し通行していることから大変危険な状態が続いております。このことに関して既に県ではS字カーブの改良に着手をしていただいており、このことは地域住民ともども大変にありがたいと思っておりますが、地域の思いとしてはまずは着実かつ早期の完成を望むところであります。
 そこで、茅沼地区における事業の進捗状況について伺います。
 また、沼津小山駅周辺へアクセスするには幹線道路であります国道二百四十六号から神奈川県県境の生土交差点を経由し県道の沼津小山線を通るコースが、市街地を通過することもなく安全で効率的だと考えます。しかしながらこの生土交差点は鮎沢川と山に囲まれ大変狭い区域で、かつ両方の道路が鋭角に接続していることから、神奈川方面にかけての出入りはできますが静岡方面にかけての出入りができず車両の通行が非常に不便な状態が続いております。この交差点は形状が複雑であり、地形的にも厳しいことから交差点の改良が簡単ではないことは承知しておりますが、地域経済の振興を図るためには静岡方面に対する出入りについてもできるような改良が必要だと考えております。
 そこで、生土交差点の改良に向けた県の取り組みについて伺います。
 以上、県道沼津小山線の整備について二点お願いします。
 最後に、高等学校におけるキャリア教育の推進について伺います。
 若者の首都圏への一極集中が歯どめがかからない中、先月地方創生を検討してきました政府の有識者会議の報告書が公表され、人口減少を初めとする地域の諸課題に対し中長期にわたる対策の一つとして高校を舞台に次代を担う人材を育成するよう提言がされております。提言では人材の育成確保に重点を置き、高校生を対象に地域の産業や文化への理解を深めるキャリア教育の推進が重要であると述べられております。
 現在、県立高校においては職業観の醸成などを目的にキャリア教育を推進しているところであり、私の地元の御殿場南高校でも地域社会で活躍する卒業生から講話をしていただいたり御殿場高校や小山高校では地元の中小企業を訪れ工場見学や企業説明を聞いたりするなど、各学校において地元企業や地域の魅力について再認識できるような学校独自のキャリア教育の取り組みを行っております。平成三十年度の県内の高校を卒業した生徒の就職内定率については九八・五%で、そのほとんどが地元に就職をするなどキャリア教育が有効に生かされております。しかし高校卒業と同時に県外の大学などへ進学した生徒に目を向けますと、大学卒業後に静岡県にUターンして就職する割合は三〇%程度しかないという現実もあります。
 県では、その対策の一環として三十年度から高校を卒業した生徒にふじのくにパスポートを配付し、本県の魅力や就職情報の発信など取り組みを始めており事業の効果を大いに期待していますが、今後さらなるUターンの促進や地域活性化につながるキャリア教育の推進を積極的に行っていく必要があると思います。
 そこで、今後県としてどのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺います。
 以上七項目について答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 勝俣議員におかれましては、公僕御出身らしく身だしなみをきちんとお整えになりまして、地元に立脚し、また地元に密着した数々の御質問をいただきましてありがとうございました。私、御答弁申し上げる服装はかなりラフに見えるのではないかと思いますが、これはこの議場で認められている正装であります。皆様方がお召しになっているワイシャツと違いますのは、ここに扇子が入るようにつくられているということでございます。このようにして涼をとると。かなり品を崩さずにできるということで、この扇子を使ってセンスを上げるということで、これは西部のほうでつくられておりますけれども御殿場の有名なアウトレットで販売されているのかどうか気になるところでございます。
 さて、勝俣議員にお答え申し上げます。
 生活困窮者に対する食料支援についてであります。
 議員におかれましては、御殿場でコシヒカリをみずから栽培されているとのことであります。静岡県には食材が四百三十九あります。そのうち三百三十九が農作物でありまして、「ごてんばこしひかり」はそのような農作物の中で農業芸術品  農芸品の一つであります。これをみずからつくり、みずから食することはまことにもって幸せと思います。
 一方、世界には十億を超える方たちがその日の食にも困る、飢餓状態の方たちがいます。国連のSDGsの十七の目標の中には飢餓と貧困を克服するということがうたわれております。この飽食の日本におきましても日々の食費を捻出することにも苦労されている方がいらっしゃる。そうした中でフードバンク活動というのがございまして、これは企業や家庭等から提供を受けた食料を生活困窮などで必要とする人々に配分するボランティア活動であります。
 ことし五月に食品ロス削減の推進に関する法律が公布されました。そこには食品ロスの削減と分かち合いや助け合いの心をつなぐ重要な活動ということがうたわれております。県内では早くも平成二十六年五月に、NPO法人フードバンクふじのくにが設立されております。幅広い分野の団体が協力をされておりまして、初年度、平成二十六年度に約十四トンであった取扱量は五年後の平成三十年度には約六十トンに拡大しております。また一般の家庭で余った食料の寄贈を受け付けるフードドライブは県内二百三十一拠点で実施されております。
 県では、生活に困窮する方々への相談事業等を実施いたしておりまして、食料の提供が必要と判断された場合に速やかに提供できるようフードバンクにつなげてまいります。また健康福祉部、経済産業部、くらし・環境部及び危機管理部が県庁内の部局横断的な連絡会議を設置いたしまして、フードバンク関係者との意見交換会を実施するなど連携を図っているところであります。私も毎年定期的にフードバンク関係者との意見交換会に参加しております。現場の皆様の生の声を伺っておりまして、地に足がついたよい事業だと感じております。
 フードバンクでは、各市町の社会福祉協議会と協力して支援食料の配布先登録や配布活動を行っております。昨年八月、意見交換会で御要請を受けました。そこでフードバンク活動の新たな拠点として静岡県総合社会福祉会館の一部を提供することといたしまして、今年度中を目途に入居する運びとなりました。喜んでいただいております。静岡県総合社会福祉会館には市町の社会福祉協議会を統括する静岡県社会福祉協議会を初め多くの社会福祉関係団体が入居しておりまして、関係機関との一層の連携強化や支援活動の円滑化につながることが期待されます。
 県といたしましては、これからも経済的に困窮されている家庭に寄り添いながら希望や自立につながるセーフティーネットの構築に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技開催と静岡県自転車活用推進計画との関係につきましてお答えいたします。
 県では、関係団体の皆様方と連携しながら東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催に向けて万全の準備を進めるとともに、開催効果を一過性のものとせず終了後もレガシーとして本県をサイクルスポーツの聖地とすべく官民協働で取り組んでおります。議員からも御紹介いただきましたように静岡県自転車活用推進計画をこの三月に策定いたしました。サイクリストの憧れを呼ぶ聖地ふじのくにの実現、これを目指す姿として定め世界中から多くのサイクリストが本県を訪れ、温かくもてなしながら交流できる地域の形成に向けた取り組みを進めることとしております。
 その実現に向けまして、二〇二一年度までの計画期間に取り組む四つの目標を定めました。
 まず一つ目は競技の振興であります。二つ目はサイクルツーリズムの推進。三つ目に愛好者の裾野拡大と安全利用の促進。四つ目には走行空間整備であります。この目標の達成に向け四十八の措置を盛り込み自転車の魅力、楽しさの周知啓発、自転車が安全に走行できる環境整備などについて官民が連携して取り組むこととしております。
 具体的には、競技振興につきましては自転車競技のアジアの中心地への成長と自転車アスリート育成体制の構築を目標といたしまして大会後の利活用を見据えた競技会場の整備を進めるとともに、国際的大会の誘致、世代や障害の有無を問わず幅広くサイクルスポーツに親しみ学び体験できる場としての活用を進めてまいります。
 また、サイクルツーリズムの推進につきましては富士山や伊豆半島ジオパークなど世界クラスの資源群を自転車でめぐるオンロード、オフロードの多様なコースの整備と発信、新たなツールでありますe−バイクのレンタサイクルシステムの構築、さらには宿泊・観光施設のサイクリスト受け入れ体制の向上等に取り組みオリンピック・パラリンピックのレガシーを生かした誘客を進め、地域の観光やスポーツ産業の振興を図ってまいります。
 県といたしましては、残り一年ほどに迫りましたオリンピック・パラリンピック自転車競技の成功と自転車活用推進計画の具体化に取り組むことでレガシーの継承を図り、サイクルスポーツの聖地づくりを市町、民間団体の皆様方と一体となって進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) ひきこもりに対する自立支援についてお答えいたします。
 本県のひきこもり支援センターにおける平成三十年度の相談件数は千八百五十一件となり、支援センターを開設した平成二十五年度の二・一倍に増加しております。相談者のひきこもりの期間は一年以上三年未満が最も多いものの、十年以上の方も約四分の一を占めており、ひきこもりは長期化するほど社会とのかかわりを持つことが困難になることから早期発見、早期対応することが課題となっております。
 ひきこもりの方にとってはみずから相談に出向くことが難しいため、県では東部、中部、西部の健康福祉センターにコーディネーターを配置して、窓口相談に加え各家庭を訪問するアウトリーチ型の支援を実施しております。また家庭内の緊張を軽減し御本人の状態の改善につなげるため、昨年度御家庭に支援方法等について学んでいただく家族教室を二十九回開催したほか、悩みを語り支え合う家族交流会を実施するなど御本人と御家族の良好な関係づくりを支援しております。
 さらに、こうした取り組みにより外に目を向けることができるようになった御本人が自宅以外でも安心して過ごすことができる居場所を民間法人と協働して県内五カ所に設置し、社会参加の第一歩を踏み出していただけるよう支援を行っております。加えて、県では市町や社会福祉協議会等の関係者にひきこもりに関する基本的な知識や支援方法等を学んでいただくため、平成三十年度からひきこもりサポーター養成研修を県内四カ所で開催し百二十人が受講されました。
 国の調査によるひきこもりの推計数から、多くの御家族が相談機関と距離を置き必要な支援を受けていないことが推測されます。
 県といたしましては、そうした御家族を支援機関につなげていくため市町と相談、連携し支援情報の提供や実情の把握を行うほか、御家族の行政に対する意見や要望に耳を傾け官民が連携し個々の事情に寄り添った支援ができるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 北駿地域における水田農業の強化に資する基盤整備の推進についてお答えいたします。
 北駿地域では、これまで御殿場深沢地区など十二地区六百二十三ヘクタールで実施してきた水田の基盤整備により生産性の高い優良農地の確保と新たな担い手農家の育成が進んでおります。しかしながら、傾斜地であることから生じるのり面の草刈りの手間や経営規模拡大によりふえる用水管理の手間が新たな負担となりますことから、管理作業の軽減がさらなる規模拡大を進める上での課題となっております。
 このため、県では基盤整備工事を進めるに当たり草刈り作業がしやすいようのり面に平地となる小段を設けるなどきめ細かな整備手法の改良を行ってまいりました。また用水管理の省力化に向け整備済みの水田で実証試験を進めてきました自動給水栓の普及にも、今後積極的に取り組んでまいります。
 さらに、農家と地域住民が農地や農業用水路などの保全活動に取り組むふじのくに美農里プロジェクトを活用いたしまして、のり面の雑草を抑える効果のあるカバープランツの植栽や共同で行う草刈り作業などを支援し担い手農家の負担軽減を図る体制づくりを進めてまいります。
 県といたしましては、基盤整備の推進と管理作業の負担軽減対策を一体的に行うことにより経営規模拡大を目指す担い手農家が農業に専念できる体制を構築し、北駿地域における水田農業の強化に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 交通系ICカードのエリアをまたいだ利用についてお答えいたします。
 これまで、県や市町、経済関係団体等は鉄道の利便性向上を図るため毎年さまざまな要望を実施してまいりました。特に昨年度は鉄道事業に係る課題を県と市町が協力して解決を図る連絡会議を設置したところであり、課題を集約した上で県が代表してJR東海静岡支社との意見交換を実施してまいりました。この意見交換では、現段階のICカードの利用可能エリアは人口が集中する地域で先行しており利用できない地域もまだまだ多いとのことでありました。またエリアをまたいだ利用に関しましては運賃計算が大変煩雑となり、従来の自動改札機では処理速度に関し技術的課題の解決が必要であると伺っております。
 このため、JR東海では当面の対応策としてSuicaエリアから乗車した場合にも精算が可能となる新型の自動精算機の導入を進めており、本年五月末時点で御殿場駅など県内の主要な十一駅へ設置が完了し、今後他の駅へ増設を計画しております。
 県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催を見据えた精算処理能力の向上やエリアをまたいだICカードの利用が早期に可能となるようICカード相互利用促進議員連盟や市町、関係団体と連携しJRや国に対して粘り強く要望をしてまいります。
 次に、県道沼津小山線の整備についてであります。
 県道沼津小山線は、沼津市から小山町中心部を通り神奈川県境に至る古くからの幹線道路であり、地域の生活道路として重要な役割を担っております。本路線の沿線では工業系の土地利用が進行したことにより大型車の交通量が増加し、安全性の向上を求める声が強くなってまいりました。
 茅沼地区の百五十メートル区間のS字カーブにつきましては、この路線の中でも最も線形が厳しい区間でありますことから平成二十九年度から改良事業に着手し、現在約五割の用地を取得しております。本年度は工事に着手するとともに引き続き用地取得を進め、早期の完了を目指してまいります。
 また、国道二百四十六号に接続する生土交差点につきましては狭隘な地形であることに加え至近距離に町道との交差点も存在し改良を進めるためには制約が多い区間となっております。加えて国道の車線数が減少している区間でもあり、これまでにも国、県、町の関係三者で構成する勉強会におきまして交差点形状等の検討を進めてきたところであります。
 県といたしましては、茅沼地区の早期完成に向け事業を推進し安全性を高めるとともに、生土交差点につきましては関係三者で課題解決に向けた具体的な対策の議論を進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 高等学校におけるキャリア教育の推進についてお答えいたします。
 近年、少子化の進行やグローバル化の進展など社会情勢が大きく変化する中、学校教育には子供たちの生きる力を育むことが求められております。特に高校は社会人としての基礎知識・能力など自立に向けた力を養う場であることから、キャリア教育は大変重要であります。
 各高校では、これまでも地元企業へのインターンシップや企業から講師を招いて行う職業講話、地域資源の探求を通じて地域の魅力を再確認する地域学などさまざまな工夫を凝らしてキャリア教育に取り組んでおります。こうした地域の特色を生かしたキャリア教育により、議員御指摘のとおり本年三月の高卒就職者のほぼ全てが県内企業に就職しております。
 一方、進学希望者が多い高校につきましては自立的な進路選択や将来計画が希薄なまま進学する者が増加していると指摘されており、今後社会人としての自覚や職業観の醸成を図ることが課題となっております。
 このため、県教育委員会では外部コーディネーターを活用してインターンシップの充実を図っているほか、新たに榛原高校と熱海高校におきまして自治体や産業界等の協力を得ながら地域課題の解決を通して探究的な学習に取り組むこととしており、この成果を他の高校にも周知しさらなる取り組みを推進していくこととしております。
 県教育委員会といたしましては、ふじのくにパスポートの取り組みがより効果的なものになるよう専門高校だけでなく普通科高校におきましても本県の魅力や地域産業、企業の理解を深めるキャリア教育を充実させ、ふじのくにに誇りを持ち社会で活躍できる人材の育成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 勝俣 昇君。
       (八番 勝俣 昇君登壇)
○八番(勝俣 昇君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは要望二点、再質問を一点お願いいたします。
 まず、北駿地域の農業整備についてであります。
 私の近所でもですね、受託農家の皆さんがそれぞれ農地の集約ということで行っておりますがやはり日常の管理が大変だということで、もう限界にきているというふうな声を聞いております。何としてもですね、その北駿の現場目線に合った形での整備を今後推進していただけるようにお願いを申し上げます。
 あと一点、生土交差点についてであります。
 これも勉強会を通してこれから検討というようなことであります。着実にですね、事業の伸展が図られるように前向きに検討いただければなと思っております。
 それでは、再質問でお願いします。
 交通系のICカードであります。これについても連携をして交通事業者に取り組んでいくというふうなことでありますが、もうこれ長年やってるんですよね。本当に現場、私たちこの東部地域、静岡県においても経済的なマイナスがかなり多いと思います。大きな交流客数を抱えるこの東部地域において鉄道交通が、輸送力が脆弱だとこれは本当に静岡の恥ではないかと、そのぐらいであります。やはりもっと人口を呼び込むにもですね、この交通の利便性が上がってくれば、私の娘もその友達もですけれども帰ってきてなかなか使い勝手が悪いと、将来的にはやはり移住して例えば首都圏に通うにあってもですね、こういうところが大きな地域振興の阻害要因になっています。これについては知事が本当にみずから先導役となって、本当に交通事業者のみならず監督官庁である国土交通省にも本当にしっかり、働いていただいているんでしょうけれどもさらに強く要望を強めていただきたいと、改めてこの部分での取り組みに県の思いを確認をさせていただきたいと思います。よろしく答弁をお願いします。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 交通事業者への働きかけの再質問についてお答えいたします。
 議員おっしゃるようにですね、長いことこれ一生懸命頑張ってまいっているところでございます。
 ICカードの利便性は、その沿線の住民の方々のみならずここを訪れました観光客の方に対しても大変大きなメリットがあるということは認識しております。このようなことから、まずは新型の精算機のいち早い増設をお願いするとともにですね、エリアをまたいだ機械の開発に関しましてはまだまだ技術的に多少時間がかかるということもお伺いしておりますが、これがしっかり本格運用できるようにあらゆる機会を捉えましてJRや国に対して粘り強く要望していきたいと考えてございます。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 篠原知事戦略監。
○知事戦略監(篠原清志君) JRとの利用者の利便性の向上に関する県のいろいろな課題はございます。ICカードのまたぎの使用ばかりではなくてですね、いろんな市、町からJRに対しての要求を聞いております。
 県としましては、昨年度知事からの指示で私が総合的な窓口になってJRと交渉する体制を組んでおります。私が県の窓口となっておりますけれども、JR東海からは私に対応するような方の窓口をいまだ連絡していただいていないという状況ですけれども、今、先ほど交通基盤部長が答えましたように担当レベルでは粘り強くJR東海に対して必要な利便性の向上に対する対応を求めておりますので、またこれからも県としては今議員の御指摘のような思いと同じ思いを持って対応していきますので、また御協力をよろしくお願いいたします。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 勝俣 昇君。
       (八番 勝俣 昇君登壇)
○八番(勝俣 昇君) それでは、この点について改めて要望させていただきます。
 今、御殿場沿線では利用促進協議会というようなことであります。また伊豆地域においてもそういう交通利便を向上する組織があります。これからそれぞれ分散するのではなく一体となって、また県が主導してですね、この要望していただけるように、今おっしゃられたようにJRは本当になかなか聞いてくれないというかそういうことをずっと繰り返しているわけであります。
 オリンピックを控えそのレガシー、先ほど聞かせてもらいましたがこんなことで本当にできるのかなという思いであります。これは本当に静岡のみならず日本の観光のロスであります。こういうところにしっかり取り組んでまいりたい、県を中心に取り組んでいただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。以上で質問を終わります。(拍手)

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