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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2015

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 女性の活躍について                       
 (1) 現状認識と今後の取り組み                   
 (2) 農業分野における促進                     
2 がん患者の就労継続に向けた支援について             
3 新たな果樹研究センターによる生産振興の支援について       
4 子供の暴力行為について                     
5 ESD(持続可能な開発のための教育)の推進について       
6 警察施設の充実について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十五番 岡本 護君。
       (六十五番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十五番(岡本 護君) 私はふじのくに県民クラブの所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 質問に入る前に、一言申し上げます。昨日、二〇二〇年の東京オリンピックの自転車競技大会の会場が本県伊豆市に決定いたしました。大変喜ばしいことであり関係者の皆さん方の今日までの御努力に敬意を表したいと思います。そして今後は成功に向け県民挙げて準備に取り組んでいかれるように期待をしたいと思います。
 それでは本題に入ります。
 初めに、女性の活躍についてのうち、現状認識と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 経済のグローバル化や急激な情報通信技術の発達は、産業、雇用環境に大きな変化をもたらしました。また少子高齢化の進展に伴い家庭や地域社会の構造も大きく変わってきております。こうした環境変化は個人の価値観やライフスタイルそして働き方の多様化をもたらしております。しかしながら実はそうした変化や多様化が不安定感につながり、人々に将来に対する漠然とした不安をもたらしているのではないでしょうか。変化の波にもまれる時代だからこそ行政には人々がみずからの希望に基づいて仕事をし、生活を安定させ自立できる見通しを立てられる社会の構築が求められていると考えます。
 例えば、平成二十四年の国の調査によると本県の女性の有業率は全国七位ですが育児世代の女性の有業率では全国三十一位となっております。このように女性が育児や介護などの役割を期待され仕事と家庭の二者択一を迫られて自分の気持ちを抑えて仕事を諦めてしまう傾向が本県では強いと言わざるを得ません。よってこうした状況を変えていくことが不可欠であります。
 女性がさまざまな分野で持てる力を十分に発揮し活躍できることは、とりもなおさずさまざまな立場の人々の生き方や働き方が尊重され、おのおののライフスタイルと仕事のバランスをとって生き生きと活躍できる環境をつくることにつながるものと思います。またさまざまな人々が活躍している姿こそが多くの人を引きつけ憧れを呼び、人口減少を克服して本県の豊かな未来を切り開くことにつながるものではないでしょうか。
 そこで、女性の活躍の推進について現状認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、農業分野における促進についてお伺いをいたします。
 農業就業人口を見ると、男性三万五千二百五人に対して女性は三万五千六百六十二人とほぼ同数です。しかしながら本県の農業経営基盤強化法に基づく認定農業者五千四百二十三経営体のうち、女性の認定者数は八十経営体と約一・五%にとどまっております。農業従事者の七割以上が六十歳以上と高齢化が進む中、これからは農業分野での女性の活躍がより重要になるのではないかと思います。
 例えば、私の住む浜松市にはサボテン等の多肉植物を取り扱う農業生産法人の代表取締役を務める女性農業者がおります。彼女は代表取締役についてからみずから全国のホームセンターを回り売り場に立って寄せ植え体験を提供する営業活動や女性ならではの観点や感性を生かした事業の展開に取り組んでおられます。このように農業分野において多くの女性が農産物の加工品製造、直売所での農産物や加工品の販売など女性の特徴を生かして活躍をされております。これらの活動はまさに六次産業化の先駆けであると言えるでしょう。
 また、国では女性農業者と企業が共同で行う新たな商品やサービスの開発や農業で活躍する女性の姿を情報発信する農業女子プロジェクトを推進しております。しかしながらこのような農業分野で活躍する女性の姿を見て農業に魅力を感じ就農を希望する女性があらわれても農地の確保や地域農業者とのネットワーク形成など解決すべき課題が多くあるのが現状であります。
 県は、このような状況をどのように捉え、今後農業分野における女性の活躍をどのように進めていくのかをお伺いいたします。
 次に、がん患者の就労継続に向けた支援についてお伺いいたします。
 がんは、今や日本人の二人に一人が生涯のうちに経験すると言われており誰もが無関係ではいられない身近な疾病となっております。私自身も二度にわたりがんを経験しているので大変高い関心を持っているところであります。
 さて、平成二十二年の地域がん登録の集計結果によりますと本県のがんの罹患者数は約三万人で、そのうち二十から六十四歳までのいわゆる働く世代の方々が九千人強とその約三割を占めております。また医療技術の進歩により入院期間は短縮され治療と仕事の両立が可能なケースがふえているにもかかわらず、平成二十六年度に県が行った調査ではがんと診断された時点で勤めていた方々の三分の一が依願退職または解雇によって仕事をやめているとのことであります。ただでさえ治療について大きな不安を抱えるがん患者とその御家族の皆さんにとって、仕事をやめ、これまで得ていた安定した収入を失ってしまうことの不安ははかり知れないものがあります。こうした状況は治療そのものにも影響を及ぼしかねません。
 仮に、ぎりぎりの生活をしている方ががんに罹患してしまった場合には仕事をやめた時点で即生活保護になってしまう可能性があります。仕事についているがん患者が不安を感じることなく極力治療に集中するためには主治医や雇用主などの協力のもと可能な限り仕事を続けられること、あるいは治療後に職場に復帰できることが必要であり、このためにはみずから退職することがないようがん患者の意識を変えていくことが最も重要であると考えます。
 また、雇用する側の事業者に対しては従業員のニーズに合わせた休暇制度の整備や治療状況に応じた配置がえなど、がんに罹患した従業員が仕事を続けられる環境づくりをしてもらえるよう、がんと就労に関する理解の促進を図っていく必要があると考えます。例えば県では職員ががんに罹患した場合に最大百八十日の特別休暇を有給でとれることになっておりますが、このような事例を事業者に紹介するというのも一つの方法ではないでしょうか。
 県では、平成二十五年三月に策定した第二次の静岡県がん対策推進計画及び昨年十二月に制定した静岡県がん対策推進条例においてがん患者の就労支援に取り組むことが規定されております。
 そこで、がん患者の就労継続に向けて、県としてどのような支援を行っていくのかをお伺いいたします。
 次に、新たな果樹研究センターによる生産振興の支援についてお伺いをいたします。
 TPP交渉の大筋合意の結果、農林水産物に関してはこれまで日本が関税を維持してきた八百三十四品目のうちほぼ半分に相当する三百九十五品目の関税が撤廃されることになりました。オレンジについても現在最高三二%の関税率が段階的に引き下げられ、八年目には全ての関税が撤廃されることになります。
 本県は、産出額と生産量とも全国三位のミカン生産県であり十二月から翌年三月まで出荷する温州ミカンが主力の産地であります。このため国産と競合する十二月から五月まで高い関税率を設定していたオレンジの関税撤廃により生産者への影響も将来的には出てくるものと懸念され、県内の果樹産地は危機感を強めております。
 こうした中、平成二十三年度から県が静岡市清水区に移転整備を進めてきた果樹研究センターの新しい研究施設と圃場が完成し、去る十月一日から新庁舎での研究業務が始まりました。そして去る十一月二十七日には開所式が行われたところであります。同センターは全国初の柑橘試験場として昭和十五年に創設され、これまで病気に強い品種の育成や作業がしやすく品質が向上する果樹台木の開発などさまざまな研究成果により本県果樹産業の発展に貢献してきました。本県の果樹は独自の品種と高い生産技術により全国的にも高い品質が評価され高単価で取引されていますが、傾斜地での手作業が多く機械化や規模拡大が進んでいないことが課題になっております。このためTPPを一つの契機として意欲ある生産者が攻めの農業に転換するチャンスであると同時に安心して果樹栽培に取り組めるよう対策を講じる必要があります。
 そこで、新たな果樹研究センターでは果樹生産の振興に対して研究面からどのような支援に取り組むのかをお伺いいたします。
 次に、子供の暴力行為についてお伺いいたします。
 過日公表された平成二十六年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によると、本県公立小中学校の暴力行為の発生件数は小学校が五百六十六件、中学校が一千二百六十六件で小学校はここ数年で最も多い数値であったと報告されています。この小学校の暴力行為のうち対教師暴力は七十二件で前年度の約一・七倍に増加しており、問題行動の低年齢化が大変心配されているところであります。社会環境の変化に伴い小学生が起こす暴力行為が増加している要因も多様化、複雑化していることは承知をしておりますが、その中でも親の価値観や家庭環境の変化が子供の健全な育成に大きな影響を与えているのではないかと考えております。
 近年、全国的に離婚率やひとり親家庭が増加する傾向にあることは皆さんも御承知のことと思います。また政令都市を含む県内の児童相談所で対応した児童虐待の件数は前年度と比べ四百七件増の二千百三十二件と過去最多を更新したと聞いております。このように親の価値観や子供の家庭環境の変化に起因すると思われる暴力行為の増加はただでさえ忙しい教員の多忙化に拍車をかけております。暴力行為が発生した場合、学校は児童の指導はもちろんその保護者への対応にも多くの労力を割き、対応にも苦慮しているのではないかと思われます。
 そこで、暴力行為を起こした児童の保護者に対する小学校の対応の現状とその支援策について、教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、ESDの推進についてお伺いいたします。
 ESDすなわち持続可能な開発のための教育が、今日注目されております。連日のように新聞等で報道される環境問題、経済格差、紛争などの問題は深刻さを増しているように感じます。今の子供たちが大人になる二十年後、三十年後を考えると何とかしなければという思いに駆られます。
 近年、こういった地球規模の問題を解決し全ての人が豊かに暮らせる世の中をつくるためにはESDが有効だと言われております。日本ユネスコ国内委員会によればESDとは環境や平和、貧困など地球規模の課題を自分のこととして捉え、その解決に向けてみずから行動を起こす力を身につけ持続可能な社会を創造していくことを目指す教育ということであります。持続可能な社会の創造というと難しく感じますが、ESDでは人や自然の触れ合いを通して感受性や人間性を高めること、調べ探究する活動を通して課題に対する理解を深め、みずから解決する能力を身につけることなどを大切にしていると聞きます。知識を得るだけでなく身近な体験を通してこれからの社会を生き抜く力を実践的に身につけることを目指すESDは、未来を切り開く子供たちに求められている力をつける教育であると言えるのではないでしょうか。
 ユネスコでは、一九五三年からユネスコの理想を実現する活動を行う学校をユネスコスクールとして認定しており、現在世界百八十以上の国・地域で九千九百校以上が認定されております。一方文部科学省と日本ユネスコ国内委員会は二〇〇八年からユネスコスクールをESDの推進拠点として位置づけ普及啓発を行っております。現在ユネスコスクールに登録している学校数は全国で九百三十九校であるのに対して静岡県内では十二校と決して多いとは言えません。
 現代社会が抱える課題は、我々大人が解決するよう努めていかなければならないと思いますが、子供たちがみずから課題を見つけ解決することができるよう十年後、二十年後につながるESDやユネスコスクールの取り組みを進めていくこともこれからの静岡を創造するために必要な教育であり、県としても積極的に推進すべきと考えます。
 そこで、県内のESDの推進について教育長のお考えをお伺いいたします。
 最後に、警察施設の充実についてお伺いいたします。
 県警察においては、平成十七年に策定した警察署再編計画に基づき袋井警察署や裾野警察署の新設とあわせ警察署の耐震工事などを行い、現在は決定している下田警察署松崎分庁舎の移転建設と仮称浜松西警察署の新設に向けて取り組みを進めているものと承知をいたしております。引き続き治安維持、災害対策等の拠点として計画的かつ確実に整備を進めていただきたいと思います。
 さて、今回特にお伺いしたいのは警察施設の充実についてであります。先般文教警察委員会において視察させていただいた長野県の上田警察署は平成二十五年に老朽、狭隘化により移転、建てかえた警察署であり、そこには拳銃射撃場が併設されておりました。長野県警ではこれまで警察学校と茅野警察署の二カ所に射撃場が設置されていた状況でしたが警察学校での射撃訓練が飽和状態にあったこと、さらに遠隔地にある警察署から射撃場への往復に長時間を要し警察署の治安維持体制の確保に問題があったことなどから上田警察署の建設にあわせて三カ所目の射撃場を設置し、課題の解決を図ったとの説明がなされました。
 一方、本県でありますが西部や伊豆方面の遠隔地にある警察署では射撃訓練のためほぼ一日をかけて藤枝市の警察学校に出かけていると聞き及んでおります。必要であるとはいえ事件事故等に即時に対応しなければならない警察署の治安体制が手薄となることは望ましいものではなく、こうした状況から訓練時間の確保が困難になっているのではないかと危惧しているところであります。まさに先ほどの長野県警と同様と言えるでしょう。
 先日、パリで同時多発テロ事件が発生し多数の命が犠牲となりました。日本をテロの標的にするとの声明が出されている中、伊勢志摩サミット、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックなどを控え我が静岡県内においても同様の事件の発生が懸念されるところであり、警察官の射撃能力の向上は喫緊の課題であると考えます。
 とりもなおさず、警察署に課せられているのは管内の治安維持、それに悪に対する執行力であり、そのためにも警察活動を支える施設を充実強化することは至極当然であると思います。視察した長野県警察のほか全国の警察ではこうした問題を解消するため警察署等への射撃場の設置が進められていると聞き及んでおり、本県の状況を鑑みますと少なくとも東部、中部、西部それぞれに射撃場を整備する必要は大変高いものと考えます。
 そこで、警察署の建設が決定している仮称浜松西警察署にこの際拳銃射撃場を併設すべきであると考えますが、警察本部長の御所見をお伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 岡本議員におかれましては、質問に入られる前に伊豆市で二〇二〇年の東京五輪の種目の一つサイクリングが開催されることが決まったということにつきまして祝意を表していただき、その祝意は県会議員全員の方々の代表としておっしゃられたものと受けとめておりまして、まことに御同慶の至りでございます。この一報、昨日六時に森元総理と橋本聖子議員から多家一彦本県の県会議員に届けられ、そして公になったものでございます。県外では森元総理と橋本聖子議員が直接ベロドロームを御視察され、さらに内外のトップクラスの方々がそこを視察することへの配慮もなさいまして今回の結果に結びついたものだということで、その三名の方々のお名前をあえて申し上げまして感謝の意を表したく存じます。来年はアジア大会さらにまたプレ五輪とそしてそれ以外にも自転車関係の大会が続きます。これを契機に静岡県をサイクリングのメッカとして育てていきたいものでございます。
 さて、岡本議員にお答えいたします。
 愛妻家であられ、かつまたフェミニストとして知られる先生らしい、女性の活躍についてのうち、農業分野における促進についてであります。
 本県の女性農業者は農業就業人口の約五割を占めておりますが、まだみずから農業を経営する女性は少数でございます。一方県内で新たに農業経営を始める女性が近年増加しておりまして、この三年間で四十人を数え全体の約一割を占めております。例えば御前崎市でイチゴの経営を始められた女性は県の経営講座でみずからのビジネスプランを作成し都内のデパートや地元菓子店への販路を開拓なさいました。この結果就農後三年で栽培面積を十五アールから二十二アールに拡大されました。このような活躍が認められ本年度ふじのくに未来をひらく農林漁業奨励賞を受賞されています。
 また、県農林大学校の女子学生の割合はこのところ、平成十年代は一割台だったんですけれども今は三割を超えるようになっておりまして、多くの学生は非農家出身者です。そしてまた卒業後農業法人等に就職する人が多うございます。来年三月卒業予定の女子学生のお一人は卒業後ドイツで落葉果樹の先進技術や経営を学ぶ志をお立てになっていまして、帰国後は浜松市の果樹産地で経営を開始するという御希望をお持ちです。
 県は、このような先駆的な女性農業者をモデルとして次世代の女性リーダーを育成するために、本年九月に浜松市でつながる農業女子会を開催するなど若手女性農業者のネットワークづくりに取り組んでおります。また菊川市におきまして異業種から農業分野に参入した女性経営者がいらっしゃいます。最近女性農業者の六次産業化が進んでいるわけでございますが、平成二十四年度には女性による農産物の加工品製造や販売などにおける起業活動数は百八十七件でした。二年後の平成二十六年度は何と二百五十八件と大幅に増加しているわけでございます。こうした異業種から農業分野に参入した女性経営者はものづくり企業と共同で農業ロボットの開発を手がけたり生産者と消費者をつなぐ新たなビジネスを起業したり、品質と価格に見合った販路の開拓やレストランが求める食材の品質を生産者にフィードバックするなど事業を展開されています。
 県といたしましては、今後こうした異業種の女性経営者と女性農業者が協働して取り組む六次産業化を支援するとともに、若手女性農業者のネットワークを県内全域に拡大し農業分野における女性の活躍を促進してまいりたいと。古来、母なる大地と申しますから、女性と農業とのかかわりはこれは促進するに値するということでもございます。
 次に、新たな果樹研究センターによる生産振興の支援についてであります。
 果樹研究センターは、温州ミカンを初めとするかんきつ類や柿、梨などの落葉果樹につきまして消費者ニーズに合った安全で安心していただける高品質な果実を効率的に生産するための研究開発の強化を目指す施設でございます。このセンターは大規模な畑地造成が行われました清水区茂畑地区への新規移転を機に大区画の平坦な圃場を整備いたしました。これにより旧施設ではできなかった大型機械を導入した大規模経営を実現するための作業しやすい垣根仕立てのミカン栽培あるいは乗用型機械導入などの研究を進め、経営規模の拡大を強力に推進するための新しい技術開発に取り組んでいくこととしております。
 また、地球温暖化などの気候条件の変化にも対応した高品質で新しい品種の開発にも取り組みます。またLED光や紫外線を用いたミカンの新しい腐敗対策などの品質維持を図るための研究も行います。静岡県はこれまで温州ミカンをカナダ、ニュージーランド、タイなどに船便で輸出してまいりましたが輸送中の腐敗発生が問題となっております。そこでこれからは台湾、香港、シンガポールなどアジアの富裕層に向けた高品質のミカンの輸出拡大を目指す上で、輸送中の果実の腐敗防止技術の開発は実は急務なのでございます。
 さらにまた、柿の木を作業しやすい程度まで小さくする台木の開発などにも取り組みます。こうしてさらに生産者や食品会社も利用できるオープンラボ施設を設置し共同研究も進める予定でございます。このほか機械化に制約のある傾斜地の樹園地で農薬散布作業を省力化するために小型無人ヘリコプターやドローンを利用した技術開発にも取り組む予定をしております。
 本県の果物の品質は高うございまして、農芸品と称されるゆえんであります。これはひとえに先人の進取の精神と高い技術、たゆまぬ努力のたまものでございます。こうした先人の残された成果を維持していくために、どのような農産物も果物も含め価格と品質が問題でございますけれども決して粗製乱造に陥ることなく、本県におきましては消費者の嗜好や市場の動向に対応しながらもやはり高品質の農芸品をつくり、それをブランド化して高くても消費者に安心していただいていただけるという、そのようなよい果物をつくってまいりたいと思っております。もとより外部環境の変化にも動じない足腰の強い産地づくりも進めなければなりません。こうしたことを通しまして食の都づくりを支える本県の果樹産業を発展させるように努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 女性の活躍についてのうち、現状認識と今後の取り組みについてお答えいたします。
 人口減少や高齢化が進展する中で、女性の個性と能力が政治、経済、社会、文化などあらゆる分野で生かされることが本県の活力につながるものであります。しかしながら議員御指摘の有業率に加え企業等における管理職に占める女性の割合も八・三%で全国四十五位と女性の登用も進んでいない状況にあるなど、女性が持てる力を十分に発揮できる環境づくりが喫緊の課題となっております。
 こうした中、本年八月には女性活躍推進法が成立しました。今後は企業等における女性に対する昇進等の機会の積極的な提供や仕事と家庭の両立を図るための環境整備など、女性活躍のための取り組みを加速化させるよう取り組んでまいります。具体的には女性管理職同士のネットワークの構築等を目指し、これまで二回開催し好評だったさくや姫サミットの継続開催を初め二月には男性企業経営者の意識改革を図るためのサミットを予定しております。
 加えて、女性リーダー育成セミナーの拡充、子育てをしながら働くことを希望する女性のためのマザーズジョブ相談やセミナーなどニーズに対応したきめ細かな取り組みを推進してまいります。さらに子育て中の人を初め誰もが働きやすい職場環境づくりを目的としたイクボス養成プロジェクトの推進、保育施設の整備等による子育て環境の充実などさまざまな角度から施策を積極的に展開してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) がん患者の就労継続に向けた支援についてお答えいたします。
 県では、昨年十二月に制定いたしました静岡県がん対策推進条例においてがん患者が辞職せずに安心して治療を受けることができる環境の整備をがん対策の重要な施策として位置づけております。がん患者の相談支援と企業の就労継続に関する理解促進の両面から取り組みを進めているところでございます。
 がん患者の相談支援につきましては、県内に二十二カ所あるがん相談支援センターにおきまして、がん患者の治療に伴う休暇や出張への配慮などについての勤務先への働きかけや県が養成するピアサポーターが就労を継続する上での悩みの解決に一緒になって取り組むなど、治療を受けながら仕事を続けることができるよう一人一人の状況に応じたきめ細かな対応を行っております。
 企業の就労継続への理解促進につきましては、企業経営者や管理職の方を対象にがん患者が働き続けるために配慮すべき点と有効な取り組み事例などを紹介する講演会の開催や、患者にとって利用しやすい休暇制度の創設を企業に促すなど就労と治療の両立ができる職場環境づくりを支援しております。
 県といたしましては、これまでの取り組みをより一層効果的なものとするため患者団体や企業の経営者などから成るがん患者就労支援協議会を設置し、就労継続に必要なさまざまな提案を具体化するなどがん患者の就労支援策の充実を図ることにより、がんにかかっても不安を感じることなく治療に集中できる環境の整備を進め、生涯にわたって健やかに安心して暮らせるふじのくにづくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 子供の暴力行為についてお答えいたします。
 平成二十六年度の生徒指導上の諸問題に関する調査によると、本県の小学生の暴力行為の件数は過去最高となっていますが、これは中学生の暴力行為の件数と比べて半数以下であり、その内容も軽微なものがほとんどであります。とはいえ小学生の暴力行為の件数が増加傾向にあることは憂慮すべき状況であると認識しております。こうした傾向の原因としては議員御指摘のとおり家庭の問題を初め子供の発達や心の問題等さまざまな要因があると考えております。
 そこで、県教育委員会では専門性のある対応を行うためにスクールカウンセラーを全ての小学校に配置し、子供たちだけでなく保護者や教員からの多様な相談も受けられる体制を整備しております。特に保護者からの相談は年間約一万三千件にも上り、これは全体の約三二%を占めています。またスクールソーシャルワーカーの配置を含め問題を抱える児童の家庭環境に働きかけ、医療や福祉などの関係機関と連携して組織的に対応できる体制づくりに努めております。
 県教育委員会といたしましては、今後もスクールカウンセラー――これは児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識、経験も有する人を示しますが、このスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー――こちらは成育歴やあるいは家庭環境を含めた児童生徒に対する包括的な見立てとプランニングをする方ですが、このスクールソーシャルワーカーの配置を拡充し効果的に活用するとともに、福祉部局や家庭教育支援団体などの関係機関とも連携し、学校を支援してまいります。
 次に、ESD――持続可能な開発のための教育の推進について説明をいたします。
 議員御指摘のとおり、ESDこれはエデュケーション・フォー・サステーナブル・ディベロップメントといいまして持続可能な開発のための教育という意味ですけれども、このESDは現代社会におけるさまざまな課題の解決に向けて子供たちのみずから行動する力を育むために今後ますます大切になると考えております。既に現行の学習指導要領や国の教育振興基本計画にもESDの観点が盛り込まれており、全ての学校で社会や理科などの教科においてESDの考え方に沿った教育が小学校から高校まで発達段階に応じて行われております。
 ユネスコスクール加盟に当たっては、ESDの取り組みだけでなくユネスコの理想の実現に向けて組織的かつ継続的に取り組むことやユネスコスクールの活動に合わせた学校経営方針や学校評価、教育課程等を見直すことも必要となります。
 県教育委員会といたしましては、県内のユネスコ協会やユネスコスクール支援大学間ネットワークに加盟している静岡大学と連携しながら、学校においてESDの意義がより理解されるようユネスコスクールの実践やその成果を広く紹介してまいります。
 今後も、学習指導要領に基づきESDに取り組むことにより、ESDの愛称であるきょうよりいいアースへの学びを進めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 警察施設の充実についてお答え申し上げます。
 初めに、仮称浜松西警察署の進捗状況についてお答え申し上げます。
 平成十七年に策定いたしました警察署再編整備計画の最後の新設警察署となっております仮称浜松西警察署につきましては、ことし二月に浜松市西区大人見町の民地に建設地が決定したところであります。平成三十一年春の開署を目指しまして現在土地の測量や用地買収交渉等、建設に向けた作業を着々と進めているところであります。引き続き計画に沿った整備ができますよう努めてまいります。
 次に、警察署への拳銃射撃場の設置についてお答え申し上げます。
 まず、本県の現状でございますが警察学校に二十二的の射撃場が設置されているのみでありまして、同所において警察学校の学生に対する拳銃訓練授業のほか第一線の警察官や機動隊の隊員に対する射撃訓練など全ての射撃訓練が実施されているところであります。このため同射撃場の使用スケジュールが大変過密となっておりまして訓練時間の確保に苦慮している状況にございます。また拳銃射撃場への往復に時間を費やさなければならない警察署も多いことから重大事件発生時などの警察署における警戒体制の維持についても懸念があるところであります。全国的に見ますと既に半数を超える県におきまして警察学校のほかに複数の警察署に射撃場を設置しておりまして、訓練に係る移動時間を短縮するとともに、効率的かつ充実した訓練を実施している状況にございます。
 今後、当県ではラグビーワールドカップの試合が開催され、またオリンピック等国を挙げた重大イベントも開催されるところでございますので、国際的なテロ情勢等を鑑みれば本県警察官の射撃能力の維持向上は大きな課題だと承知しております。
 射撃場の整備は、新設あるいは建てかえの際に整備することが最も効率的でございますことから、今後建てかえが予想される警察署の地理的状況などを勘案し、現在整備について検討を進めているところでございます。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 岡本 護君。
       (六十五番 岡本 護君登壇)
○六十五番(岡本 護君) 要望を申し上げて質問を閉じたいと思いますが、まず一つは女性の活躍についてであります。
 再来年放送される井伊直虎、そしてきのう世界の人で選ばれましたドイツのメルケル首相。昔も今も結構女性が活躍している場面というのはあると思うんですね。ですからこれからの社会を見たときに女性のこのソフトなタッチと、しかし一面では大変芯が強くて主張すべきことは主張して決めることは決めるという、この女性独特の進め方というのは意外と事業を含めてもろもろのことに成功する率が高いというふうに私は感じております。その意味でぜひこの女性の活躍、さらにそれを後押しするような、そんな政策をお願いしたいと思いますし、農業分野等ではもっともっと活躍できる場所があるだろうと思っていますので、期待をしたいと思います。
 とにかく、女性がリードをするというのは我々の一般の家庭でもそんなふうに思います。ですから奥さん方がリードしている家庭は円満だろうと。もちろん私のところもそれでございますが、そんなことを考えますと女性はこれから大いに期待できると思いますので、御支援をいただきたいと思います。
 二つ目に、がん患者の対策、支援でございますが先ほど申し上げましたように私もがんの経験がございます。そのときに子供たちは私の体の心配もしないわけではありませんが、私が治療のため入院して休んでいるその姿を見て給料はどうなるんだろう、私の学校はどうなるんだろうとこういう心配を実は子供たちは三人しておりました。これが現実だと思うんですね。ですから先ほど申し上げましたようにそのために仕事をやめてしまう。そして場合によっては生活保護を受けることになるかもしれない。しかし一旦そういう状態が続くとそこからなかなか抜け出せないのが現実だと思うんです。したがって生活保護というこの措置をとって多くの財源をそこに費やすならば、逆にそうなる前に行政もその前段階で同様の財源をそこに活用すればもっともっとこれはすばらしい状況が生み出せるのではないだろうかとこんなふうに思いますので、このことについてもぜひこれは力を入れてこれからの推進をお願いをしたいと思います。
 最後にもう一つ、西警察署の射撃場でございますがぜひここは聞くところによると上田のほうは大体二億円かかるんだそうですね。なんでそんなにかかるかというふうに聞いてみるとやっぱり鉄砲の弾の鉛の処理にお金がかかるということですので、これも大変だと思いますがせっかくの機会ですからこの際ぜひこれが実現できますように要望しておきたいと思います。以上で私の質問を終わります。(拍手)

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