• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成17年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

渥美 泰一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/29/2005

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (中澤通訓君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 五十五番 渥美泰一君。
            (五十五番 渥美泰一君登壇 拍手)
    ○五十五番 (渥美泰一君)  初めに、 このたびの衆議院選挙では我が自民党が空前の議席を得ることができました。 私としては手放しで喜ぶという心境にはなかなかならないわけでありますが、 いずれにしましても、 政府におかれましては少子・高齢社会をしっかりと見据えて真に国民の視点に立った構造改革をしっかりやってもらいたいと願うところであります。
     それでは自民党所属議員として当面する県政の諸課題につきまして、 知事並びに関係部局長、 教育長に質問いたします。
     初めに、 地震防災対策です。
     昨年十月に起きた新潟県中越地震はまだ記憶に新しいところです。 四十分間の間に震度七と震度六強の激しい揺れが続き、 死者四十八人、 負傷者四千七百九十四人、 全壊三千百七十三棟を含む家屋の被害十二万棟という大惨事でありました。 私は阪神・淡路大震災以来、 本県の地震対策について議論をしてきたところでありますが、 今回はこの中越地震に照らして新潟県と同じく中山間地を多く有する本県の防災対策について伺います。
     初めに、 急傾斜地対策について伺います。
     新潟県などによりますと、 台風による豪雨のわずか三日後に中越地震が発生し、 豪雨による地盤の緩みがあるところへ大規模な地震が発生したため、 急傾斜地の斜面崩壊が助長され住宅に甚大な被害を及ぼしたと考えられるとのことであります。 本県でも近年、 毎年のように各地で短時間に百ミリを超すような集中豪雨が起こっております。 新潟のように雨で地盤が緩んだところへ東海地震の発生ということは十分に考えられます。
     近年の宅地開発により、 住宅地における急傾斜地の崩壊の危険性はますます増大しております。 ハザードマップによると、 本県には約一万カ所にも及ぶ急傾斜地崩壊危険箇所があるとのことであります。 土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域では、 土砂災害のおそれのある区域についての危険の周知、 警戒避難体制の整備を行い、 土砂災害特別警戒区域では住宅等の新規立地の抑制、 既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進することになっております。
     県は土砂災害警戒区域の指定と土砂災害特別警戒区域の指定を行いその実現を図るとしておりますが、 その対策の現状はどうなっているのか、 また今後の取り組みについてあわせてお考えを伺います。
     次に、 山間部における道路の防災対策について伺います。
     新潟県中越地震では、 地域を結ぶ国道や県道などにおいて六千カ所以上にも及ぶ道路が損壊するなど壊滅的な被害をこうむりましたが、 その原因が中越地域の大部分の主要道路は起伏が多くその高低差をなくすため土地造成の際に盛り土をしており、 その部分が流動化したことによる陥没や決壊であったこと、 またマンホールの浮き上がりや埋設管破損の原因が液状化現象によることも判明いたしました。 今後道路の防災対策を講ずる上でこの盛り土と液状化対策が重要な課題になると思われます。
     今回特に山間部の地域においては、 交通路が遮断し長時間にわたり孤立した状況が生々しく報道され、 これを目の当たりにして本県でも災害に強い道づくりが重要であると改めて実感したところであります。 地震発災時における被災者の救援や避難のための緊急車両等の通行のためはもちろんのこと、 中越地震でもそうであったように電気やガス、 水等の供給がストップし、 これらライフラインの復旧には相当の時間を要することから、 他の地域からの救援物資の輸送のためにも命の綱とも言うべき通行路の確保がまさに最優先の課題になるのではないでしょうか。
     そこで本県としては、 山間部における道路の防災対策にどのような方針で臨んでいくのかお伺いいたします。
     次に、 災害時要援護者への支援についてであります。
     過疎と高齢化が進む中山間地を直撃した中越地震では、 高齢者や障害のある人などの要援護者をどう救うかという問題を私たちに問いかけました。 新潟県のまとめでは要介護高齢者のうち、 老人ホームなどの施設に八百人、 小学校などの避難所に三百人が避難、 しかし、 その後特別養護老人ホームなどの介護施設への緊急入所希望が殺到したため施設はパンク状態に陥ったということであります。 これらの経験から自治体と施設の間で、 また周辺自治体相互の間で受け入れ協議などの体制整備が求められると思います。
     また、 中越地震では被災地が集落の結びつきが強い中山間地いわゆる田舎であったために、 地域での救出活動は比較的円滑に行われたのではないかと考えられます。 しかし、 都市部など住民相互の結びつきが希薄化している地域では、 中越地震のような対応を期待することは現状では無理があると思われます。
     ちなみに、 平成十六年九月に消防庁が全国市区町村に対して実施した調査によれば、 「災害時に援助が必要な高齢者や障害者がどこにいるかを消防防災部局で把握している」 と回答した自治体はわずか二〇%、 本県においても二三%にすぎないというふうに聞いております。 そのうち 「避難誘導体制もできている」 というところは、 さらにこの率は一層下がるということであります。
     そこで、 予想される東海地震や台風などから地域住民の生命や健康を守るため、 災害時における要援護者支援の体制整備を急ぐ必要があると考えますが、 県としてはどのように対応していくのかお伺いいたします。
     次に、 市町村地域防災計画の見直しについて伺います。
     新潟県中越地震では、 防災対策の根本である市町村地域防災計画を長期にわたり、 見直し、 修正を行っていない市町村が多くあったとの指摘があります。 震度七を記録した川口町では一九九一年以降、 修正は全く行われておらず、 その内容も風水害、 雪害が中心であったとのことであります。
     災害対策基本法第四十二条によれば、 市町村防災会議は毎年市町村地域防災計画に検討を加え必要があると認めるときはこれを修正しなければならない、 また市町村計画を修正する場合、 県の計画と抵触するものであってはならないということが明記されております。
     ちなみに県にあっては、 阪神・淡路大震災や今回の新潟中越地震など大きな災害が発生するたびに得られた教訓を踏まえ、 毎年地域防災計画の修正を行い、 防災体制の強化や関係機関との連携強化を進めております。 この県の計画修正にあわせて、 県内の市町村は地域防災計画を速やかに修正しなくてはならないはずであります。 同時に私はこの法律に基づくまでもなく、 市町村はみずから考え計画を修正し平常時の準備を怠らず、 いざというときに行動できる体制を整えるべきであると考えますが、 本県における市町地域防災計画の状況並びにこれに対する県の指導について県の御所見をお伺いいたします。
     次に、 浜名湖花博の成果の活用について伺います。
     つい先日閉幕した愛知万博には、 予想を上回る二千二百万人余の観客が詰めかけ大盛況でありましたが、 「花・緑・水〜新たな暮らしの創造〜」 をテーマに昨年開催された浜名湖花博には県内外から五百四十五万人という多くの観客が訪れ、 また訪れた皆さんの評判も大変よく大成功をおさめたところであります。
     同時に、 この花博開催によって、 会場を彩った五百万株の花の八割余りが県内の花卉生産者によって供給することができ、 花飾り技術やリレー栽培などの多くの得がたいノウハウが本県花卉産業に根づいてきたこと。 国内外のトップクラスのガーデンデザイナーの作品を本県の造園業者が施工し最先端の造園技術を習得できたこと。 さらには花博に供給した幾つかの品目を全国に向けて販売していこうとする生産者の新たな取り組みも生まれてきていることなども聞いております。
     また浜名湖花博は、 事業全体の収支としても相当の剰余金を生むことができ、 本年三月に開かれた博覧会協会の理事会においてこの剰余金を県に寄附することが決議されたとのことでありました。
     そしてこのたびこの理事会の決議を受ける形で、 静岡県浜名湖花博開催記念基金の設置のための条例案と、 協会からの寄附金を財源とする四億三千万円の基金の造成等を盛り込んだ補正予算案が本議会に提案されているところであります。 この基金の使い道としては、 本県の花と緑に関する情報を国内外に向けて発信する事業等に活用していくとされております。
     私も花博を契機に、 県民の皆さんの心に芽生えた花を愛しその美しさを生活の中に生かしていく心の豊かさ、 あるいは美しい景観の大切さとこれを守り創造していく協働の心といったものをこの基金をうまく活用して育てていってもらいたいものだと考えております。 さらには花博の成功に大きな力となった県民ボランティアのように、 花を媒体とした県民の皆さんの交流や本県の花卉園芸産業の振興についてもしっかりと目を向けていく必要があると考えます。
     そこで、 この浜名湖花博開催記念基金を活用しながら、 浜名湖花博で得た成果をこれからの県土づくりにどう生かしていかれるのか御所見をお伺いいたします。
     次に、 環境行政のうち、 放置竹林対策について伺います。
     持続可能な社会の構築に向け、 私たちは地球温暖化防止や資源の再利用などさまざまな課題の解決に取り組んでいます。 また生物多様性の保全など自然との共生についても、 これまた早急に対応すべき課題の一つとなっております。
     ごく身近な問題として里山がありますが、 里山の自然がすばらしいのは、 そこにはふるさとの心を残す景色がありさまざまな動植物が生息してそれらに私たちはじかに触れ合うことができるからであります。 私も子供のころには近くの里山にカブトムシなどをとりに出かけたものです。 しかし、 その山は今は入っていくことも困難なほど荒れてしまっております。 人が里山を利用しなくなり放置されているからであります。 人との触れ合いの中で維持されてきた里山環境が今全く崩壊しつつあります。
     その象徴が放置竹林であります。 県の調査でも昭和六十三年から平成十二年の間でおよそ一・三倍に拡大しており、 現在ではさらに拡大しているはずです。 放置された竹林は住宅地や農地、 造林地に侵入し被害を与えるだけでなく、 竹が生い茂ると日照を遮り他の樹木はすべて枯れてしまい、 地域の景観や生態系にも悪影響を与えております。 また竹は根の張りが浅く土砂の崩落を招き、 人家近くであるがゆえに防災上の懸念も多分にあります。
     この竹林の整備はもちろん所有者の責任で行うことが原則でありますが、 現在の社会情勢のもとでは所有者にすべての竹林の整備を期待することは困難な状況であります。 膨大な費用を要すること、 そして所有者に法的な責任がないからであります。 近年、 放置された竹林を再生し地域の自然環境を守ろうと、 竹林の整備を目的としたNPOやボランティアが組織され活動を進め、 少しずつではありますが成果を上げております。 しかし個々の取り組みには限界があり、 このままでは竹林の暴走をとめることは到底できません。
     平成二十一年春に開港予定のエコ空港を売り物にする静岡空港、 ぜひ一番機に乗って空からの眺めを見てみたい。 しかし眼下に広がるのは竹に覆われて荒れてしまった山並みでは、 とてもいただけません。
     県では森林に関する条例の制定と森林新税の導入など森林整備に関する新たな取り組みを検討していると聞いております。
     そこで伺いますが、 竹林整備を着実に進め豊かな自然環境を再生するためには、 竹林所有者やNPO、 ボランティア、 行政が協働して竹林整備を進める仕組みづくりが重要と考えます。 また同時に、 竹材の活用についても研究する必要があると思います。 放置竹林に対する県の今後の取り組み方針をお伺いいたします。
     次に、 原油高騰に伴う農業対策について伺います。
     御案内のように本県では、 温室メロンを初めハウスミカン、 トマト、 イチゴ、 バラなど多種多様な施設園芸が展開されています。 この施設園芸の暖房用燃料として主にA重油が使われております。
     ここ数年、 アメリカや中国の好景気による石油需要の拡大あるいは不安定な中東情勢などに伴い原油価格が上昇傾向にある中で、 去る八月末にアメリカを襲った超大型ハリケーンの影響も加わって原油価格は過去最高値を記録しており、 今後も価格高騰の傾向が続くものと考えられます。 この原油価格の高騰によって県内のA重油もこの一年間で四五%も上昇しており、 本県農業に大きな影響を与えております。 こうした状況を受け、 JA中央会も去る九月七日に原油高騰対策会議を開催し今後の対策を協議したと伺っております。
     本県特産の温室メロンを見ましても販売単価は平成四年以降低下傾向にあり、 生産量も減少を続けております。 またバラなども安価な海外産の輸入により同様の傾向が見られます。 そこに今回の原油価格の急騰、 まさに農家にとってはダブルパンチであります。 これから秋以降、 施設園芸を中心に重油の需要期を迎えることから、 暖房費の負担増により農業経営は大きく圧迫されると予測されます。 さらに原油価格の高騰が続けば将来の本県農業に大きな打撃を与えること必定であります。
     私はこうした状況に対応するためには、 省エネルギー対策や代替エネルギーへの転換、 品種改良などの抜本的な対策が必要だと考えますが、 今回の原油価格の高騰を受けて、 今後県はどのような農業対策を講じていくのかその取り組みについてお伺いいたします。
     次に、 教育行政のうち、 学校の活性化について伺います。
     英国病と言われたイギリスの衰退を救ったサッチャー改革。 その改革の大戦略の根底に常に教育改革がしっかりと据えられていました。 なぜなら先進国の再生にとってその成否を決する最も重要なかぎは国民の価値観の転換にあり、 その転換に不可欠なのが教育改革だからです。 余談ですが、 私はこのサッチャーの教育改革はこれからの日本の教育改革を進める上で参考にすべき点が多いと考えております。
     さて、 次代を担う静岡の子供を育てるためには、 学校、 家庭、 地域社会がそれぞれに役割を果たすとともに、 互いに連携、 協力しながら取り組まなければならないことは言うまでもありませんが、 やはり教育の中心は学校であると思います。 子供の健やかな成長には学校のより一層の活性化が不可欠であります。
     現在学校の活性化に向けてさまざまな取り組みが行われています。 まず学校運営の面では、 学校評議員制度、 学校自己評価システムが本県でもほとんどの学校で実施されております。 学校の情報を積極的に公開するようになった、 地域の幅広い意見を聞くことで教育活動が改善されたなどの成果が聞かれる一方、 効果的な実施のためにはさらなる教職員の意識改革が必要であるなどの課題も報告されているところであります。
     教育委員会が目指す開かれた学校づくりを推進するためにも、 ぜひ全学校で実施するとともにさらに見直し、 改善に努めより実効性のあるシステムに育てていただきたいと思いますが、 今後の取り組みをお伺いします。
     次に、 学校の人事管理の面ですが、 教育は人なりとは言い古された言葉ですが私はこれは名言だと思います。 学校の活性化には教員一人一人の指導力と情熱が最も重要であり、 そのためには教員のやる気につながるような人事管理が必要であると考えます。
     教員評価制度は教員の評価と適正な活用によって教職員の資質の向上や学校組織の活性化を図るものであり、 東京都、 大阪府、 神奈川県などでは既に運用が行われております。 本県でもこの制度の構築に向けた取り組みが行われる旨、 一昨日の我が党の代表質問で教育長の御答弁をお聞きしたところであります。
     また、 教員の公募制は校長の教育理念や学校運営方針に基づき教員を公募するシステムであり、 FA制は一定の経験を有する教員がみずから専門性、 得意分野をアピールして転任先を募集するシステムであり、 本年四月の全国調査では十八の県や市で実施されております。
     また、 校長の民間人登用は平成十二年の学校教育法施行規則の改正で校長の資格要件が緩和されたことから全国で実施されており、 現在九十二人の民間出身の校長が登用されていると聞きます。 民間経営手法を導入した学校運営などさまざまな成果が報告されているところであります。
     私はこのような人事管理手法を導入することで仕事に対する的確な評価や適材適所を実現することができ、 何より一番大事な教員のやる気を引き出し、 必ずや学校の活性化に寄与するものと思います。
     そこで教育長に伺います。 学校の活性化に向けた人事管理について他の県で実施されている先駆的な取り組みをどのように評価しておられるのか、 また本県の状況と今後の取り組みについてお考えをお伺いいたします。
     次に、 教育委員会のあり方についてであります。
     現在、 中央教育審議会の教育制度分科会地方教育行政部会において、 この問題についての議論がなされております。
     教育行政には、 教育の中立性、 継続性、 安定性を確保するため、 首長からの一定の独立性、 中立的な意思決定を行うために複数の委員による合議制、 広く地域住民の意向を反映した意思決定といった点が求められると思いますが、 教育委員会制度はこれらの点の実現にこたえるものとして今日でも必要であると部会のまとめとして出されておりますが、 私もそのように考えます。 問題は教育委員会の実情、 中身であります。 例えば、 事務局案を追認するだけで実質的な意思決定を行っていない、 地域住民に対して教育委員会の役割や活動が余り認知されていない、 地域の実情に応じた施策が行われていないなどが指摘されております。
     こうした問題点が指摘されるのは、 現在の制度が自治体の規模等にかかわらず一律で自治体の実情に応じた工夫ができないこと。 またその活動面においても教育委員が地域住民と接する機会が少なく広報活動や会議の公開も十分ではないこと、 教育委員会と首長との意思疎通が十分に行われていないこと。 言うなれば教育委員会の形骸化であります。 そして、 やはり私は教育分野においてももっと地方分権が必要ではないかと思います。
     現在中央教育審議会の審議中ではありますが、 本県は本県としてよりよい教育行政が推進できるように教育委員会の活動を大いに生かせるようにすべきと考えます。
     そこで、 教育委員会の活性化に向けて本県の現状をどのように認識しておられるのか、 またどのような改革をしていかれるのか教育長にお伺いし私の質問を終わらせていただきます。 (拍手)
    ○副議長 (中澤通訓君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  渥美議員にお答えをいたします。
     初めに、 新潟県中越地震から見る防災対策についてのうち、 災害時要援護者への支援についてであります。
     災害時に援護を必要とする方々への支援につきましては、 災害対策基本法などによって一義的に災害対策を担う市と町が避難誘導、 救出救助や避難所での生活、 健康支援を行うことのできる体制を整備しておく必要があります。 そのため県では、 要援護者の所在を把握する要介護者台帳の整備や要援護者の生活に配慮した福祉避難所の設置などを市や町に働きかけてまいりました。 しかし半数近い市や町で対応が不十分な状況にあります。 中でも要援護者の情報につきましてはプライバシー保護の問題もあって、 情報の取得及び管理の両面から関係者の合意を得にくいという背景がありました。
     こうした中、 今年の三月、 新潟・福井の豪雨災害などを教訓に内閣府と消防庁が中心となって災害時要援護者の避難支援ガイドラインを策定いたしましたので、 これを踏まえて他の市や町の先進的な取り組みなどを参考にしてもらいながら、 援護の対象となる方々の理解の上に立って災害時支援対策の充実に取り組んでまいります。 その際には、 防災と福祉、 両部門が密接に連携して市や町での取り組みが進むように、 積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
     次に、 浜名湖花博の成果の活用についてであります。
     浜名湖花博の開催を通じて、 産業分野での新しい技術やノウハウの蓄積を初めとして、 ボランティアや関連事業者などの貴重な協働のネットワーク構築や国際交流の進展、 浜名湖ブランドのイメージ向上、 観光産業の振興などさまざまな分野で大きな成果を上げたところであります。
     また、 目標を上回る入場者を得ましたことなどから生じた剰余金等の残余財産につきましては、 財団法人静岡国際園芸博覧会協会からの寄附金をいただくことになりましたので、 これを財源として静岡県浜名湖花博開催記念基金の設置を今の議会にお諮りしているところであります。
     今後はこの基金を活用いたしましていろいろな事業に取り組みたいと思っておりますが、 当面決まってまいりましたのが来年の春からジャパンフラワーセレクションが開催されることになりました。 これは全国規模の花卉の新品種のコンテストでもありますし、 このセレクションは年間を通じて四季折々の花についての一種の展示機能も持つということでありますので、 浜名湖ガーデンパークの利活用と言いましょうか、 来園者の確保に貢献するものと期待をしているところであります。 あわせて、 本県内の花卉業者へも最新の新品種情報がここで得られるわけでありますので、 そういう面でも非常に効果があるものと期待をしているところであります。
     また、 花博で好評を博しましたワールドガーデンコンペティションは、 これは毎年開催するわけではありませんが、 二年とか三年に一遍の頻度でこれを継続開催していきたいというふうにも考え、 検討しているところでございます。 こういうような事業をこれからいろいろ取りそろえまして、 この基金を活用した国内外に向けた情報発信を推進していく考えであります。
     また、 花博の成果を全県域に広めるために、 創知協働の理念に基づいて、 県民と一体となった花と緑の景観づくりや潤い豊かな県民生活の定着、 花卉の生産振興など花と緑にあふれた県づくりに総合的に取り組んでいきたいと思います。 そういう中で、 浜松市も花を生かしたまちづくりに取り組むということを高らかに宣言し活動が始まったようでありますので、 これの成果も期待しているところでございます。
     なお、 その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (中澤通訓君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  新潟県中越地震から見る防災対策についてのうち、 初めに、 急傾斜地対策についてお答えいたします。
     本県の急傾斜地崩壊危険箇所のうち、 五戸以上の住宅に被害を及ぼすおそれのある三千三百五十四カ所に対し崩壊防止工事を推進してまいりましたが、 平成十六年度末の整備率は二七・六%といまだ不十分な状況にあります。 このため土砂災害の未然防止を図るソフト対策として土砂災害ハザードマップの配布、 外国語併記の危険箇所標示板の設置、 県ホームページ等による土砂災害危険箇所の周知を行っているところであり、 その効果事例として七月に発生した藤枝市滝沢地区の地すべりでは一市民からの通報が地域住民の早期避難につながったことを挙げることができます。
     さらに、 土砂災害から住民を守る対策を強化するため、 昨年度から土砂災害防止法に基づく区域指定を開始し、 住宅開発の進んでいる掛川市など四市において土砂災害警戒区域四十四カ所、 土砂災害特別警戒区域四十三カ所の指定を行ったところであります。 区域指定に当たっては、 市や町による警戒避難体制の整備の義務づけや特別警戒区域における開発行為の制限等について地元の理解と協力が不可欠であることから、 引き続き精力的に地元説明会を開催し地元の市や町及び住民の御理解をいただきながら指定を進めてまいります。
     次に、 山間部における道路の防災対策についてであります。
     本県では、 阪神・淡路大震災を踏まえ実施した平成八年度の道路防災点検の結果と、 平成十三年度に公表された東海地震の第三次被害想定等をもとに、 崩壊等の危険性が高い八百六十カ所について対策を講じることとし、 平成十六年度末までに三百九十四カ所の整備が完了いたしました。 また本年度からは継続中の道路防災事業に加え、 特に災害時に緊急車両等の通行に必要となる緊急輸送路の整備を図るため、 緊急交通環境改善対策事業により、 山側斜面の落石、 崩落防止や盛り土部の崩壊防止工事などの対策を重点的に実施し、 山間部の孤立化防止対策を進めているところであります。
     さらに、 新潟県中越地震では早期の救援、 復旧などに必要な山間部での道路の被災状況の把握がおくれたことから、 本県では退職技術職員等で構成する静岡県防災エキスパートから被災情報の提供を受ける協定を締結し、 また被災箇所の通行規制情報をインターネットや携帯電話で県民に提供するシステムを整備するなどソフト面での体制の充実も図っております。
     県といたしましては本年度新設した地域防災局の機能を十分生かし、 国、 市や町及び民間などとの情報連絡体制の強化充実に努めるとともに山間部を含む道路の防災対策を進めてまいります。
    ○副議長 (中澤通訓君)  白岩総務部長。
            (総務部長 白岩 俊君登壇)
    ○総務部長 (白岩 俊君)  新潟県中越地震から見る防災対策についてのうち、 市町村地域防災計画の見直しについてお答えします。
     市町村地域防災計画は市や町の総合的な防災対策の基本となるものであり、 災害に強い地域づくりや災害応急対策の実施に当たり極めて重要な役割を果たすものであります。 このため県では、 市や町の職員を対象に県の地域防災計画の修正事項の説明会や研修会を開催するなど市や町の地域防災計画の修正促進に努めてまいりました。
     本県の市や町の地域防災計画の修正状況は、 平成十二年度から十六年度までの五年間で見てみますと、 平成十六年度末時点で六十八市町村のうち静岡市、 藤枝市、 島田市、 旧浜北市の四市で毎年度修正しているほか、 五十二の市町村で必要に応じて修正を行っております。 市や町が地域防災計画を常に見直し必要な修正を行っていくことは万全な防災体制を確保する上で重要であると認識しておりまして、 今後とも地域防災局を中心に市や町へ個別に出向き、 具体的な修正作業について助言や作成支援をするなど市や町での取り組みが進むように積極的に働きかけてまいります。
    ○副議長 (中澤通訓君)  府川環境森林部長。
            (環境森林部長 府川博明君登壇)
    ○環境森林部長 (府川博明君)  放置竹林対策についてお答えいたします。
     放置竹林の拡大は早急に解決すべき重要な課題と認識しております。 このため県では、 これまで緊急竹林整備事業を実施してきたほか竹林整備のマニュアルを作成し、 昨年三月には地域での主体的な取り組みを促進していくため静岡県竹林整備方針を作成したところであります。 この整備方針に沿って森づくり団体、 森林組合、 行政から成る静岡県竹林対策推進会議を設置し、 議論を深め地域の特性に応じた放置竹林対策を行っているほか、 環境森林フェアにおける竹利用技術講演会、 製品の展示、 竹林所有者と竹需要者の交流会など竹の利用拡大に努めているところであります。
     現在県では森づくり百年の計委員会からの提言を踏まえ、 森林新税の創設や森林に関する条例案を策定作業中でありますが、 その中で放置竹林の整備を竹林所有者や地域住民との連携により進める方策を検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (中澤通訓君)  北村農業水産部長。
            (農業水産部長 北村正平君登壇)
    ○農業水産部長 (北村正平君)  原油高騰に伴う農業対策についてお答えいたします。
     本県のメロンやバラなどの農産物は全国の消費者に高い評価を受けておりますが、 小売段階での激しい価格競争の中で重油高騰による生産費の上昇分を販売価格に転嫁することが困難な状況にあります。 これに対応していくためには石油エネルギーへの依存度の低い生産構造に変えていくことが重要でありますが、 当面は基本的な対策を一つ一つ積み重ね省エネルギーを図っていくことが必要であると考えます。
     このため県といたしましては、 今月十五日にJAグループと連携して緊急の対策会議を開催し、 きめ細かな温度管理、 施設の保温対策など具体的な対応を示した省エネルギー技術対策指針と農家みずからが診断できるチェックシートを取りまとめ、 生産出荷組織や認定農業者に対しまして巡回指導により周知徹底を図っているところであります。
     また、 熱効率の高いフェンロー型温室は従来よりも三割以上の燃料節減が図られることから、 大規模低コスト経営を目指すビジネス経営体などへの導入を積極的に進めるとともに、 農業試験場で開発し現在実証段階に入っている低温でも栽培できる温室メロンの品種についても早期の実用化に努めてまいります。
    ○副議長 (中澤通訓君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  教育行政についてのうち、 初めに、 学校の活性化についてお答えいたします。
     教育改革が全国的に推進される中、 他県でも人事管理面でさまざまな取り組みがなされているところでありますが、 本県におきましても鋭意推進しているところであります。
     まず、 学校評議員制度と学校自己評価システムにつきましては、 昨年度の時点で実施率がそれぞれ九〇・七%、 九八・二%となっており、 一層の拡充を目指すとともに自己評価の公開を進めるよう指導してまいります。
     また、 教員の公募制につきましては、 本県でも校長が掲げる学校経営計画にこたえ教員が意欲を持って表明した異動希望を考慮して人事異動を行う希望表明制度を昨年度末人事異動から始め、 県立学校で四十九名、 小中学校で千三十八名の配置を実現したところであり、 学校活性化につながったものと評価をしております。
     さらに、 県立学校において民間企業の手法を生かした学校経営及び予算執行を行う目的指向型学校経営システムを導入し、 創意ある学校経営が広がりつつあります。 民間人の管理職登用につきましてもその導入成果や課題等、 さらに研究してまいりたいと思います。
     今後とも人事管理にかかわる各種の制度、 手法の改善を図り、 学校の活性化が一層推進されるよう努めてまいります。
     次に、 教育委員会のあり方についてであります。
     教育委員会の活性化のためには、 新たな教育課題や部局横断的事業の拡大などに対応するため、 今まで以上に教育方針や教育計画策定に審議を重ねたり、 定例教育委員会以外の臨機応変な委員会活動を積極的に実施していく必要があると考え取り組んでいるところであります。 また保護者や地域住民などとの直接的な意見交換を通じて県民の意向を幅広く伺うために、 新たに移動教育委員会を実施したり、 学校の視察や教職員との懇談を行っているところであります。 こうした取り組みを通し県民の願いや声が教育行政に反映されるよう努力してまいります。
     さらに、 地方分権が進展する中で、 市や町の教育委員会がより主体的かつ積極的に教育行政を展開できるよう地域の実情に応じて、 教育内容や学校運営等に関する指導、 助言、 援助を行っていくことが大切であると考えております。
     県教育委員会といたしましては、 こうした取り組みを通して今後とも教育委員会の活性化を図ってまいります。
    ○副議長 (中澤通訓君)  これで渥美泰一君の質問は終わりました。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp