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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成14年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉山 盛雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2002

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (西原茂樹君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百四十号から百六十七号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 十四番 杉山盛雄さん。
            (十四番 杉山盛雄君登壇)
    ○十四番 (杉山盛雄君)  おはようございます。
     私は自由民主党所属議員として、 当面する県政の諸課題について、 通告に従いまして、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に質問をいたします。
     初めに、 中国浙江省との交流について伺います。
     本年は日中国交正常化三十周年であるとともに、 静岡県と浙江省の友好提携二十周年の記念の年であります。 先般、 知事を団長とした静岡県友好代表団がチャーター便二機を仕立て、 浙江省で開催された記念式典や交流会に出席をし、 二十周年をお祝いするとともに各地でさまざまな交流を行い友好を深めたと伺っております。
     代表団は県や議会、 日中友好団体など幅広い分野の交流団と一般公募による県民の方々、 総勢八百人を上回る大規模なものでありました。
     浙江省側も初めての経験であり受け入れもさぞ大変だったと思うわけでありますが、 万全の態勢を整え、 チャーター便が直接乗り入れた杭州蕭山空港での歓迎式典や、 代表団が出席した記念式典や交流会も盛況のうちに行われたと伺いました。 また、 今回の訪問では、 多くの若者の参加したユースウイングや観光の交流、 あるいは中国で初めて浜松の大だこを揚げた友好たこ揚げ大会を初め多くの特色のある交流が行われ、 それぞれの参加者からは二十周年の記念の訪問団に参加してよかったなあという声が多く聞かれるわけであります。
     静岡県と浙江省との友好交流は、 二十年前にさかのぼるわけでありますが、 当時のいわゆる井戸を掘られた方々、 そしてその後も井戸を掘り続けた方々の尽力により今日を迎えており、 二十周年の記念事業がこのように盛況に行われたことは、 関係者の一人として大変にうれしく思うわけであります。 私も県議会議員に当選以来、 三回浙江省を視察いたしました。 行くたびに変わっていく中国を目の当たりにして、 高度成長期の日本と同様、 もしくはそれ以上の速いスピードで発展していく様子を見て、 この国は日本と同じようにすばらしい国になるなということを感じた次第であります。 製造業や農業において規制を緩やかにしながら、 他国との交渉、 また他国のよいところを吸収しながら、 自国でブレーキをかけ進化をしている、 そんなことを感じたわけであります。
     そこで、 まず知事として、 今回の浙江省訪問を通じこれまでの二十年の交流の成果をどのようにとらえているか伺います。
     また今回の訪問で、 知事は、 初めて浙江省の実質ナンバーワンである中国共産党浙江省委員会の張徳江書記や新しく就任した習近平省長代理と会談を行い、 今後の交流について話し合いをされたとも聞いております。 静岡県と浙江省が友好提携を締結した二十年前と現在とでは、 両県省をめぐる経済、 社会環境は大きく変化をしております。 特に、 中国経済はマスコミでもたびたび報道されておりますように依然として好調であり、 本年も八%の成長率が見込まれているようであります。 浙江省もまた、 経済、 貿易の伸びが著しく、 外資導入にも積極的であり中国でも有数の省に発展していると聞いております。
     知事も今回の訪問で、 中国並びに浙江省の発展ぶりを間近に見て大変驚いたようですが、 今後どのように交流を進めていくのか考えを伺います。
     次に、 競争社会における教育についてであります。
     中国への視察の際ある高校を訪れたときのことですが、 生徒数が約二千名、 先生の数は約二百名、 生徒の進学率は一〇〇%、 うち七〇%は中国一、 二の大学へ進学するそうであります。 その学校は、 科目別の先生が数十名の部屋に分かれて、 常に自分たちが勉強し向上するための努力をしています。 年に何回か先生が試験を受けて合格点に達しない先生は退職をさせられるとのことで、 ある意味、 大変にいい緊張感を持ち、 また責任感と誇りを持って仕事をしているわけであります。 所得にしても中国全土の格差は大変に大きく、 北京、 上海などは初任給は既に二万円近くになっています。 私を案内してくれた方々は、 手当を含め十万円くらいの月給を取っているそうであります。 しかし、 中央部にある人口一千万人の都市、 成都あたりの給料はまだ一万円にも届きません。 また、 その奥地は数千円で働いていると聞いております。 その金額で生活のできる地区だとは思いますが、 日本では考えられないことであります。 給料が初任給において十倍、 二十倍、 仕事の内容によっては百倍ももらえる、 そのために努力をする、 考えてみれば大変に競争の激しい国であります。
     さて、 日本の教育に目を向けますと、 私の中学一年生の娘が小学六年生のときに持久走で二番になって意気揚々と帰ってきたわけであります。 その賞状を見て私は愕然となったわけであります。 そこには、 「あなたは千五百メートルを何分で走りました」 と書いてありました。 つまり、 記録を書いて、 順位はつけていないわけであります。 人は競争して勝ちたいと思うから努力をするのです。 大人になってその賞状を見て、 また今の自分を反省し、 子供のころのように頑張らねばと努力をいたします。 しかし、 優勝も準優勝も書いていない賞状では感激も少ないのではないでしょうか。 これは一つの例にすぎません。 今後もっと激しい国際競争社会になることが予想されるわけでありますが、 昨今の学校教育は、 そんな状況に逆行しているような気がいたします。
     私は、 今の子供たちが大人に成長し、 競争社会で挫折しない人間になるため、 義務教育のときにこそ勉強やスポーツにおいて競争することを体験させ、 その厳しさや目標を達成した喜びを味わせるべきと考えますが教育長の所見を伺います。
     次に、 政令指定都市誕生に伴う県の姿について伺います。
     去る九月九日、 静岡市と清水市の合併についての総務大臣による告示が行われ、 また十一月一日には合併後の新静岡市を中核市として指定する政令が公布されました。 これにより、 新静岡市は平成十五年四月一日に中核市として誕生することが決定をし、 さらに二年以内をめどに政令指定都市に移行することを目指して取り組んでいくことと思います。 これも知事を先頭に関係の方々が、 政令指定都市の指定要件の緩和を総務省に働きかけ、 国の合併支援プランに政令指定都市の指定の弾力化が盛り込まれた成果であると思うわけであります。
     政令指定都市になれば、 さまざまな権限の移譲や財源の移譲により自治能力が飛躍的に向上し、 市民のさまざまな行政ニーズに市独自でこたえていくことができますし、 都市間競争が激しくなる中で、 世界に通用する魅力ある都市を築いていくことも可能となります。 一方で、 県内に政令指定都市が成立すれば、 県行政は権限や財源の移譲に伴い業務内容や業務量が大きく変化をし、 組織体制や職員数、 歳入歳出それぞれの予算などにも大きな影響があると思うわけであります。 例えば道路行政に関しては、 我が党の牧野議員の代表質問に対する土木部長の答弁にあるように、 国道、 県道合わせて三十四路線、 四百五十キロメートルが新静岡市に移管をされ、 その財源も新市に帰属することとなります。 その結果、 これまでその職務にかかわってきた県の職員は不要となり、 道路予算も大幅に縮小されることとなります。 また、 こうした法定の権限移譲のほかに本県独自の事務権限の移譲や委任が加われば、 県行政すべての分野への影響が想定されるわけであります。
     県内市町村の政令指定都市を目指す動きは、 中部地域だけでなく西部、 東部地域にも広がりを見せようとしております。 さらに、 県自身も、 市町村が政令指定都市を目指し行財政基盤整備を図ろうとするように、 都道府県段階でも政令県をつくり、 地方分権の受け皿としていくことを知事は先駆的に提唱をされているところであります。
     そこで、 本県に政令指定都市が成立した場合、 県はどのような考え方で独自の権限移譲を進めていくのか。 また、 こうした権限移譲を進めていった場合、 県はどのような姿になると考えておられるのか知事の所見を伺います。
     次に、 ボランティアへの参加促進について伺います。
     私は議員として、 また一市民として、 さまざまなボランティア活動にかかわり参加をしております。 それぞれ行っていることはささやかな内容ではありますが、 こうした活動を通じお年寄りや子供たちの笑顔や仲間たちのさわやかな表情に触れると、 活動に参加してよかったなあと改めて感じるのであります。 また一方で、 活動を通じ、 さまざまな方から直接話を聞き時には大いに議論する中で、 今、 社会で何が求められているのか、 また県や市の行政に何が欠けていて、 何が必要となっているか学ぶ大切な機会であるとも考えております。
     そんな折、 ある方に指摘をされたのは、 その参加者に県や市の行政マンが大変に少ないということであります。 もちろん熱心にボランティア活動に取り組み、 その活動をリードされている方がいることも承知をしておりますが、 私が提言いたしますのは、 行政マンこそ積極的にボランティア活動等に参加をしていただきたいということであります。 市民や県民の声を直接聞き、 その声を行政に反映していくことは大変に重要なことですし、 さらに一人一人が行政の広報マンとして、 県や市の政策を伝えていく貴重な機会となるわけであります。 こうしたことから、 職員にボランティア活動などさまざまな地域活動に参加することを積極的に促すとともに、 活動に参加しやすい環境を整備することが大変重要になってきていると考えます。
     そこで、 職員のボランティアへの参加促進に向けて、 県としてどう取り組んでいかれるのか所見を伺います。
     次に、 県立静岡がんセンターについて伺います。
     多くの県民が期待をしていた静岡がんセンターが開院してから三カ月が過ぎました。 昨夜もテレビで紹介をされていたように、 陽子線治療装置などの最新の機器を設置をし、 優秀なスタッフが集まり、 患者本位の世界一のがんセンターに向けて取り組んでいると、 マスコミ等で報道されているのを聞き大変に心強く感じております。
     ところで私事で恐縮でございますが、 本年一月に私の身内が倒れ左半身の自由がきかなくなりました。 リハビリも大変な努力をして行いましたが、 まだまだ思うようにならないわけであります。 そんな折、 九月初めに尿の出が悪くなり、 検診をしてもらったところ前立腺がんの疑いがあるとのことで、 九月十七日に私も同行してがんセンターに行きました。 正面玄関に着くなり、 エプロンを着たボランティアの方々が来て、 つえを持つ姿を見てすぐに車いすを用意し、 予約の有無やどこの担当かを聞いて親切、 丁寧に対応をしてくださいました。 また、 後日、 本人に医師の対応を聞いたところ、 結果的にがんではなかったわけですが、 症状等についても大変にわかりやすく説明をしてくれたと最高の評価をいただきました。 私は県議会議員として少し鼻が高くなった次第でございます。
     このように、 あらゆる面で評判のよいがんセンターでありますが、 評判のよさや期待の大きさを反映し、 県内だけでなく全国からも患者は来院し、 当初の想定を大きく上回る速さで患者がふえ、 その結果、 特に入院患者が多いと聞いております。 さて、 受け付けが終わり、 時間も昼前でしたから、 食事をするために十一階の展望レストランに足を運んだところ、 十二時の三十分も前にもかかわらず、 ほぼ満席でちょうど一テーブルあいていたので座れたのですが、 その後すぐに二、 三組の人が来て待っている状態でした。 まだ患者が百数十名しか入院していないにもかかわらず、 この混雑では、 今後満床になったときには大変な状況が想像されるわけであります。
     そこで、 三点伺います。
     一点目は、 現在の病床の利用状況と、 今後ますます入院希望者が増加した場合にどう対応をしていくのか。
     二点目として、 すばらしい対応をしてくれたボランティアは、 どのように募集をしまた研修をされたのか。 今後もボランティアを募集する予定はあるのか。
     三点目として、 今後、 患者が多くなれば当然レストランの利用客もふえるわけですが、 フルオープン時にも対応できるようにスペースを広げる必要があると思いますが、 その予定があるか所見を伺います。
     次に、 WAZAフェスタの成果と技能五輪国際大会についてであります。
     八月の六日、 七日の両日、 私の地元沼津市で開催をされましたWAZAフェスタ二〇〇二inぬまづには、 猛暑の中、 一万五千人を超える参加者、 来場者があったと聞いております。 私は特にこのイベントに子供たちが多数参加し、 技能競技大会はもとより各種の体験教室に参加をし、 日ごろ経験のないものづくりに親しんでいたことを評価し、 また、 このイベントの将来に大きな期待を持つものであります。 小中学生が机を離れ自分自身でものづくりに取り組んでいる姿勢は、 大変なエネルギーと将来への期待を感じたわけであります。 ものづくりだけがすべてではありませんが、 現代の子供たちには、 さまざまな経験を通して自分の将来への夢と希望を抱かせるとともに、 働くことの意味を感じさせることが大切なのではないでしょうか。
     平成十九年には沼津で技能五輪国際大会が開催をされることとなっております。 今回のWAZAフェスタもこの点を意識して沼津市で開催をされたようですが、 この国際大会には、 世界各国から若い技能者とそれを支える企業、 指導者が訪れ、 技能競技大会が展開されると聞いております。 平成十一年に本県で開催された全国の技能競技大会においても、 茶髪の若者たちが真剣に競技に取り組む姿勢が県民に大きな感動をもたらせたところであります。 ワールドカップサッカーに見られるように、 大規模イベントの効果の一つは、 参加者はもちろん、 それを見る人、 支える人が得る感動であり、 次につながるエネルギーであります。 若い技能者たちの国際大会は、 本県の同世代の若者にとって、 ものづくりやそれを支える技術・技能の重要性とともに、 挑戦することのかっこよさを知ることができる大会であると期待をしております。
     そこで質問をいたしますが、 県はWAZAフェスタの成果を生かし、 そこに参加した子供たちが成長し、 全国大会や国際大会へ出場できるような道筋を開けないものか。 そのための支援策は考えられないか伺います。
     また、 平成十九年の技能五輪国際大会に向けて、 WAZAフェスタを会場予定地である沼津市で継続して開催していくことが、 地元市民や産業界とのつながりを深め、 ハードだけでなくソフト部分でも大規模イベントを支えることができる地域を育てることになると考えますが、 県の所見を伺います。
     最後に、 総合的な暴走族対策の推進について警察本部長に伺います。
     先月二十四日にテレビを見て大変なショックを受けたわけであります。 本年四月に全国に先駆けて、 懲役刑をも含む厳しい罰則を盛り込んだ暴走族追放条例を施行し、 問題が沈静化してきたと伝えられていた広島市で、 この条例を適用した初の逮捕者を出した暴走族のニュースであります。 深夜の町を爆音が襲い、 不法改造車やバイクが道いっぱいに広がり蛇行運転などを繰り返す大規模な暴走行為は、 共同危険行為処罰規定の整備や警察の取り締まりにより余り姿を見かけなくなりました。 しかしながら、 相変わらず小規模のグループが昼夜を問わず出没し、 爆音をとどろかせ県民生活に危険や迷惑をかけております。
     この小規模化は、 先輩、 後輩といった縦の人間関係を嫌う最近の若者気質を反映したものだとのことでありますが、 最近では暴力団を背景とした暴走族が出現し、 ますます凶悪化してきているとのことであります。 これは、 暴対法によって組員の活動が制限をされたため、 暴走行為を許可制にしたり、 少年にシンナーを販売させるなどの資金源として影響下に置こうとしているためであります。 このため、 これらの子供を持つ親がグループをやめさせたくても脅威を感じ、 子供をやめさせられないケースもあるとのことであります。 まさに最近の暴走族は、 悪質な犯罪にまで手を出し、 暴力団の予備軍化しているのが実態であり存在そのものが社会問題となっております。
     また、 最近では暴走行為を目的とした不法改造車の車検を不正に申請し、 車検証の交付を受けていた車検代行業者が逮捕されたり、 自動車の不法改造業者が道路運送車両法違反で逮捕される事件も発生をしております。 社会の大多数が暴走族の根絶を望んでいるにもかかわらず、 依然としてなくならないばかりか、 増長させている大きな原因に、 暴力団を初めとする少年を利用する大人たちの存在があることは、 怒りを感じると同時に非常に残念なことであります。
     県警では、 強力に暴走族の取り締まりを行い、 昨年一年間に共同危険行為等の禁止違反で百六十六名を逮捕をしておりますが、 これは広島県に次ぎ全国で二番目に多いとのことであります。 そんな折、 本県においても静岡県暴走族等の根絶に関する条例が上程され、 徹底した対策がとられようとしておりますが、 広島市における事件は、 この問題の根深さを改めてクローズアップしたものであります。
     そこで、 本県条例案の特徴点、 またグループからの離脱や少年の居場所づくりなどに、 官民一体で取り組む必要があると思いますが、 条例が制定された場合における総合的な暴走族対策をどのように推進をするのか所見を伺います。
     以上で質問を終了とさせていただきますが、 おのおのの質問に対し、 的確なる御答弁をお願いいたしまして終了とさせていただきます。 ありがとうございました。 (拍手)
    ○副議長 (西原茂樹君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  杉山議員にお答えをいたします。
     初めに、 中国浙江省との交流についてであります。
     まず、 本県と浙江省との二十年の交流の成果でありますけれども、 今回四年ぶりに浙江省を訪問して、 その急速な変貌ぶりを目の当たりにし、 今後の発展の可能性をひしひしと感じたところであります。 特に、 省都であります杭州市などの高層ビルが陸続として建ち上がっている様子などを見ますと、 日本のバブル経済華やかなりしころをしのぐような勢いを感じるわけでございますし、 またいろいろ伺いますと、 西湖の周辺は古来から大変リゾート地として評価の高い場所であったわけでありますけれども、 今日段階では、 発展著しい上海市の地価よりもこの西湖の周辺の地価の方が高いと言われるぐらい、 大変な成長ぶりをうかがうことができました。
     今回の訪中団では、 一般市民から実業界まで大変大規模でかつ幅広いメンバーによる訪問が実現いたしまして、 現地での交流も大変成功裏にそれぞれの分野で行われました。 このようなことを通じて、 いよいよ浙江省と本県との友好交流も、 友好親善から相互補完関係へ変貌をしつつあるというような実感を持ったところでございます。
     本県からは、 経済の面でいきますと、 既に十月末現在で三十二社の企業が浙江省内に進出をして大変業績を上げております。 その後さらに私がこちらへ帰ってきてから、 浙江省に進出を決定したかなり有力な企業もありますので、 今後ますますそのような傾向に拍車がかかっていくのではないかということがうかがえます。 それからまた、 農業関係につきましても今回訪問団に加わっていただきました方々が、 従来ともすれば中国から日本に低廉で品質の高い農産物が日本市場に持ち込まれると脅威だという、 そういう受けとめ方をしておりましたのが、 現地の様子を見まして、 今度は逆に、 日本の高い生産技術を持って中国市場に輸出するなり、 あるいは向こうへ行って事業を展開する、 そういう可能性もありそうだなというような感想を持ってお帰りになっておられます。 帰ってこられても、 そのような観点からいろいろ農業関係者の間で議論が出ておるようでございます。
     今後どのような形でそれが実現するか、 まだ今の段階では不明確でありますけれども、 少なくとも従来の中国浙江省に対する見方と随分変わってきている。 こちら側の受けとめ方も変わってきている。 そういう印象を持った次第でございます。 そういうことを背景に、 今後単純な友好親善からもっともっと深い相互の補完関係へ進んでいく、 そういう予感を持った次第でございます。
     また、 今回の訪問で特徴的だったことは、 杉山議員に御紹介いただきましたように、 中国の共産党浙江省委員会の書記――張徳江という方でありますけれども――この方との会談も実現いたしました。 過去二十年の間に本県との交流の過程で、 共産党の浙江省の代表者が会談、 会見をしたと、 こちらの関係者と会ったということはなかったわけですけれども、 今回初めてそういうことが実現いたしました。 これは何を意味するか、 いろんな見方があると思いますけれども、 二十年間浙江省と静岡との交流をずっと観察をして、 やっと今後末長く交流を積み重ねていくに値する地域であるということを、 向こう側が感じたということもうかがえるわけであります。 それならばこちらも、 何もいつもいつも知事が出かけることもなかったかなとも――まあこれは冗談でありますけれども――そんなふうにも思ったりしたわけでありますけれども、 向こう側のこちらへの評価とか受けとめ方ですね、 これも格段に、 何と言うか、 試験的な段階からいよいよ本格段階に入ったということを向こう側も感じているんではないかというふうにうかがえた次第でございます。
     今後はこの厚い信頼関係を十分に生かしまして、 巨大消費市場を見据えた経済交流や団体観光旅行解禁が予測されますので、 今後相互の観光交流も期待をされます。 それからまた、 浙江省側も大変期待をかけておりますのは青少年の交流であります。 今回の静岡からのユースウイングの方々も、 私なんかの世代と比べると、 中国に対する見方とか感覚、 受けとめ方は随分違ったものを持っている感じがいたしまして、 私なんかの世代でありますと、 どうしても日中戦争のことをどういうふうに考えるのかということが常に頭の片隅にあるわけでありますけれども、 お互いにそのような感覚に余りとらわれない若い世代の交流、 これがしかも非常に対等といいますか、 わだかまりのない気持ちの上での交流、 これは大変見ていてさわやかな感じがいたしました。 今後これらの若い人たちの交流がもっと拡大をすれば、 一層両省県の交流も濃密なものになり、 お互いにとって本当にメリットを感ずるようなものになってくるのではないかという気もした次第でございます。 そういう点で、 今回の浙江省の訪問、 大変収穫も多いし将来にも期待が持てたものでございました。
     次に、 政令指定都市誕生に伴う県の姿であります。
     政令指定都市――静岡・清水の合併後、 政令指定都市への昇格といいますか指定が実現いたしました際には、 法律で定められている移譲事務のほかに、 法律に違反をしない法律が少なくとも許容する範囲ぎりぎりまで、 県が実施をしております業務をできるだけ政令指定都市に移譲するという方向で現在検討しておるところでございます。
     そうした結果、 県と市町村の関係はどういうことになるかといいますと、 県は大型の社会資本整備、 それから広域にわたる、 どうしても広域にわたらざるを得ないような産業経済振興政策、 それから高度の教育、 学術研究機能の充実、 あるいは高度医療など広域的、 戦略的な観点から取り組むべき分野に県の機能は特化していくということになると思います。 一方で、 政令市あるいは中核市とか特例市にまでいかないような小規模な市町村への支援も、 さらに重要なものになってくると考えております。
     一方、 そのような姿が想定されますけれども、 この姿は今現在の県の姿と比べると随分身軽になったというのか、 空洞化したという評価をするのか、 表現によってはどちらとも言えると思うんでありますけれども、 少なくとも現在の県の役割とは随分変わってまいりますので、 改めて静岡県のみならず各県とも似たような現象が発生しておりますので、 都道府県のあり方が問われてくるということになると思います。
     現在、 政府で諮問しております地方制度調査会への諮問も、 都道府県のあり方についての議論も諮問しているような状態でありますので、 都道府県のあり方について、 今後この地方制度調査会の議論にとどまらずに幅広い各分野でいろんな議論が出てくるものと思います。
     私はこの平成大合併後の都道府県のあり方として、 かねてより政令県という名におきます都道府県の合併と機能強化、 これを提唱しているわけでありますけれども、 その合併による政令県の誕生のみならず、 もう少し我が国の内政構造全般について幅広く研究して、 静岡県からの提案もする時期に来たなあというふうに感じております。 その際には従来の発想にとらわれないで大胆な発想が必要かというふうに存じます。
     現在大まかに考えておりますところをちょっと申し上げますと、 首都圏とか関西圏、 中京圏、 あるいは一部九州の福岡あたりですね、 あそこらの地域は、 国家的に日本の国のいろいろな成り立ちを考えた場合に、 国としてこの地域を戦略的にいろいろ仕掛けを用意し力を注いでいかなければならない。 特に国家的見地からそういう取り組みが必要な地域になるのじゃないかと。 したがって、 そういうところは全国民に影響いたしますので、 そういう圏域の広域行政は地方自治にゆだねるのはいかがかという感じがするわけです。 したがってそこは、 かつて首都圏整備委員会などという組織があって国が一定の役割を果たす、 そういう制度がありましたが――これは現在廃止されております――このような仕掛けをもう少し現代版に置きかえて、 国が例えば首都圏地域については国務大臣がキャップになって首都圏の広域行政を展開する、 一種の国直轄領です。 その中は政令市とか中核市とか広域連合とか、 そういう基礎的自治体で構成される。 それから、 そういう何とか圏  大都市圏ですね、 首都圏とか関西圏とかそういうところに属さない他の地域は都道府県合併を積極的に進めて、 これを政令県というのか、 州という名前にするのかこれは呼び名の問題でありまして、 そういう大都市圏を除いた地域は、 現在国が行っておりますいろんな出先機関に与えている機能がありますね、 これをすべて広域県に渡して――政令県に渡して、 ここは地方自治タイプでそこの行政を行う、 そういうイメージを持って今後我が国の内政を再構築すべきではないか、 このようなことを整理をして提案をしてまいりたいと考えているところでございます。
     そういういろんな方面からいろんな議論が出ると思いますので、 国民の幅広い分野からいろんな議論をし、 政府において適切なところへ収れんをさせて、 二十一世紀の豊かな我が国、 国際社会からも尊敬されるような日本国の構築の体制を確立していただきたいと願望しているところでございます。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長 (西原茂樹君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  競争社会における教育についてお答えいたします。
     変化の激しいこれからの社会においては、 自信を持って自分の目標を目指し、 主体的に努力することができる志を持った子供の育成が何よりも大切であります。 この志は、 議員御指摘のように、 厳しい競争社会において挫折せずにたくましく生きていくことにもつながるものであると理解しております。 このため、 学校教育全体を通して子供の志をはぐくむよう努力を重ねているところでありますが、 具体的には、 子供の興味、 関心や習熟の程度に応じたきめ細かな少人数指導、 また体験的な学習やスポーツ活動などを、 子供たちの発達過程を配慮しながら積極的に取り入れております。
     今後とも教育の目的、 目標を踏まえながら、 学校生活のいろいろの場で一人一人のよさや、 自分らしさを引き出す教育に努めていきたいと思っております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  望月総務部長。
            (総務部長 望月圭二君登壇)
    ○総務部長 (望月圭二君)  ボランティアへの参加促進についてお答えをいたします。
     職員が地域社会活動の一員として、 ボランティア活動を初めさまざまな分野で地域活動に参加することは、 行政とは異なる側面から、 県民の生活に直接触れる機会になるなど視野を広めることになり、 ひいては行政面においてもよりよい効果をもたらすものと考えております。 こうしたことから、 平成九年度からボランティア休暇制度を導入したところでありますが、 さらに職員の社会参加や社会貢献活動を一層支援するため、 本年度からは休暇の対象となる活動範囲を拡大したほか、 職員の地域活動情報のデータベース化や地域社会活動参加促進セミナーの開催など、 制度の充実や仕組みづくりに努めているところであります。
     本年十月に職員を対象に行った地域活動アンケート調査によると、 多くの職員が自治会活動や環境、 自然活動などの地域活動に参加している状況ではありますが、 今後とも、 さまざまな機会を通じて県の広報マンとして地域活動に積極的に参加するよう呼びかけるとともに、 活動に参加しやすい職場環境づくりを進めてまいる所存であります。
    ○副議長 (西原茂樹君)  植田がんセンター局長。
            (がんセンター局長 植田勝男君登壇)
    ○がんセンター局長 (植田勝男君)  県立静岡がんセンターについてのうち、 初めに、 現在の病床利用状況についてお答えいたします。
     病床の利用状況は、 開院した九月には約三七%でございましたが、 十月上旬に八〇%を超えまして、 下旬からは九〇%を超える日が大変多くなってきております。 また、 患者さんは依然として県内の方が九〇%を占めており、 改めましてがんセンターの重要性を認識したところでございます。
     増加する入院希望者への今後の対応につきましては、 各患者さんの病状に応じて計画的に外来、 入院治療を行いますとともに、 地元医療機関との連携を密にすることにより入院期間の短縮を図るなど、 病床の効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。 また、 平成十五年度の早い時期に約九十床の増床を行うため、 現在、 これに必要になります職員の確保に最大限の努力を払っているところでございます。
     次に、 ボランティアの募集と研修についてであります。
     がんセンターでは、 現在七十五人の病院ボランティアの方々が、 全国でも数少ない専任のボランティア・コーディネーターと病院スタッフとの協働により、 外来患者さんの御案内を初め入院患者さんへの支援や各種催し物の開催などの活動を行っており、 多くの患者さんやその家族の皆様から感謝の言葉をいただいております。 現在活躍中のボランティアの方々は、 本年六月に募集を行い、 七月から二カ月をかけて計八回、 延べ三十時間余にわたる密度の濃い研修を重ねてまいりました。 現在も毎月一回の割合で研修を行い、 病院ボランティアとしての技術や知識の研さんを図っているところでございます。
     このように好評をいただいているボランティアにつきましては、 患者さんの希望にこたえるため、 今後とも計画的にボランティアの募集を実施しまして充実に努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、 一人でも多くの県民の皆様が病院スタッフとともに、 患者さんと家族の方々を支援する病院ボランティア活動に参加していただければ幸いと考えております。
     次に、 食堂の拡張についてであります。
     がんセンターのレストランは約五十席を確保してスタートいたしましたが、 予想以上の利用客の増加に対応するため、 併設されております職員食堂のスペースを転用するとともに、 一階の軽食コーナーも利用していただけるよう積極的な案内を行いました結果、 最近では利用客の混雑は大幅に改善されてきております。 また、 待ち時間を少しでも快適に過ごしていただけますよう、 レストラン入り口に景色を眺望できる待ち合い用のいすを配置するなどサービスの向上にも努めております。 今後とも利用客の増加に合わせて施設の弾力的な運用により、 お客様への対応を考えてまいりたいと思っております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  谷商工労働部長。
            (商工労働部長 谷 和実君登壇)
    ○商工労働部長 (谷 和実君)  WAZAフェスタの成果と技能五輪国際大会についてお答えいたします。
     技能五輪国際大会の開催予定地である沼津市で開催した本年のWAZAフェスタは、 来場者が一万五千人を超え、 中でも技能競技への参加者は前年に比べ二五%増加し、 参加者の技能も格段に向上するとともに、 国際大会に向けて地元との連携体制づくりにもつながったものと考えております。 こうした実績を今後につなげていくため、 教育委員会との連携を密にして、 全国レベルの中学生、 高校生の技能競技大会への参加者の拡大等に努め、 さらなる技能、 技術の向上を目指してまいります。
     しかしながら、 技能五輪の全国大会や国際大会へ出場し活躍するためには、 選手の努力はもとより、 所属する企業や団体の資金面も含めた後押しが不可欠でありますことから、 県といたしましては選手の育成や大会への派遣について、 どのような支援が可能か検討してまいりたいと考えております。
     WAZAフェスタの沼津市での継続的な開催につきましては、 技能五輪国際大会と国際アビリンピックについて、 県内全体への周知や機運の醸成を図っていく必要がありますことから、 他の市町村の要望も踏まえて総合的に検討してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  水田警察本部長。
            (警察本部長 水田竜二君登壇)
    ○警察本部長 (水田竜二君)  総合的な暴走族対策の推進についてお答えいたします。
     本条例案は、 一点目に、 暴走族を許さない社会環境づくり、 二点目に、 暴走行為等の防止、 三点目に、 暴走族への加入  これは結成も含めますが  の防止と離脱の促進を柱に据え、 構成しております。 他県条例と比較した場合の大きな特徴点は、 暴走行為の助長行為を禁止して青少年を保護し、 暴走族への加入の防止と暴走族からの離脱の促進を図ることとした点でございます。
     御指摘のように、 本県暴走族は、 その大半が暴力団や暴力団と関係の深い暴走族OBの支配を受けておりますから、 加入の勧誘や離脱の妨害、 暴走族結成の指示を受けた場合にはその圧力に屈することは想像にかたくありません。 このため、 これらの行為に懲役刑を付して厳しく禁止し、 暴力団等と暴走族の関係断絶を図り青少年を保護することとしたものであります。
     次に、 総合的な暴走族対策について申し上げます。
     警察といたしましては、 暴走族を根絶するため、 本条例のほかあらゆる法令を適用し、 積極果断に日夜取り締まりに努めてまいりますが、 新旧交代が激しく毎年新人が台頭する暴走族に対しましては、 取り締まりと並行し加入防止や離脱促進などのソフト面の対策も極めて大切であります。 したがいまして、 県、 県民、 保護者、 学校、 職場、 事業者、 道路や公園等の管理者が、 それぞれ主体性を持って暴走族を許さない社会環境づくりを推進するとともに、 運輸支局や保護観察所への協力要請、 あるいは暴走族少年の保護者に対する助言など官民一体となった対策が講じられるよう努めてまいりたいと考えております。
    ○副議長 (西原茂樹君)  これで杉山盛雄さんの質問は終わりました。

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