• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伊丹 雅治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/26/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 海洋プラスチックごみ防止に向けた取り組みについて        
2 ユニバーサルツーリズムの促進について              
3 ラグビーワールドカップ二〇一九を契機とした観光振興に
 ついて                              
4 農福連携の推進について                     
5 県内の中小・小規模事業者に対するキャッシュレス決済の
 導入促進について                         
6 箱根西麓地域の農業振興について                 
7 県道三島停車場線及び県道三島裾野線の無電柱化について      
8 新学習指導要領におけるプログラミング教育の充実につい
 て     


○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五号から第百二十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、九番 伊丹雅治君。
       (九番 伊丹雅治君登壇 拍手)
○九番(伊丹雅治君) おはようございます。自民改革会議所属の伊丹雅治でございます。初めての一般質問ということで、質問に入る前に一言冒頭での御挨拶をお許しいただければと存じます。
 会派の一期生の先陣を切って登壇をさせていただきましたことに御礼を申し上げます。そして私をこの壇上に立たせてくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。静岡県議会議員という重責を担うことになり、改めてその責任の重さに身の引き締まる思いでございます。
 私の妻の実家は岩手県の山田町です。八年前の三月十一日、東日本大震災に被災をしました。家も流され身内も失い、妻の故郷は焼け野原のようになってしまいました。静岡に戻ってきた私は、今までどおりにそこにあった自分の故郷を見たときに勝手な使命感が芽生えました。この美しいふるさとを守りたい、そう志を立てました。愛する静岡県のために、私は自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、海洋プラスチックごみ防止に向けた取り組みについて伺います。
 海洋プラスチックごみについては、生態系や人体への影響が懸念されるなど、その解決が地球規模での喫緊かつ重要な課題となっております。政府は使用された資源を徹底的に回収し何度も循環利用することを内容としたプラスチック資源循環戦略を五月三十一日に策定しました。また去る十五日から十六日にかけて開催されたG20の関係閣僚会合においてプラスチックごみ対策の国際枠組み構築に合意し、二十八日から二十九日にかけて開くG20首脳会議でさらに議論を深める予定であります。
 本県は、五百キロメートルを超える長い海岸線を有し生物多様性に富んだ海と豊かな海産物に恵まれ食の都づくりに取り組んでいます。世界共有の財産である海の環境を守るために取り組むことは重要であると考えます。県は国の動きと並行して海洋プラスチックごみの発生抑制と流出を防止するため五月三十日に推進大会を開催したと聞いていますが、この大会を契機にどのように取り組んでいくのか、今後の展開について伺います。
 次に、ユニバーサルツーリズムの促進について伺います。
 伊豆半島は、去年のユネスコ世界ジオパーク認定やことしのデスティネーションキャンペーン、来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技の開催などを契機に国内外から観光客を取り込む絶好の機会を迎えていると期待をしています。
 そのような中で、伊豆半島の基幹産業であります観光産業にとって今後拡大が期待される観光需要を確実に地域に取り込むためには、宿泊者数の八割以上を占める国内観光客の少子高齢化を背景に高齢化する旅行者に対しても適切に対応できるユニバーサルツーリズムの促進が必要であると考えます。誰もが気兼ねなく旅行に参加できる環境を目指すユニバーサルツーリズムの促進は、高齢者自身の生活を豊かにするとともに健康な高齢者が増加することが期待されます。一方でユニバーサルツーリズムは高齢者の旅行市場を狙う上でも注目すべきものであり、今後期待ができます。
 平成二十七年三月に公益財団法人ちゅうごく産業創造センターが公表した調査では、ユニバーサルツーリズム市場の消費額は令和二年には三兆九千三百億円になると推計されています。国内旅行市場が縮小傾向にある中、拡大が見込める注目すべき市場であります。全国的にはまだまだ普及している地域は少ない状況にあるようでありますが、マーケットの視点で考えると他地域との差別化を図ることができるはずです。
 本県でも静岡県観光躍進基本計画にその推進を掲げていますが、改めて県のユニバーサルツーリズムの取り組みについて伺います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九を契機とした観光振興について伺います。
 ラグビーワールドカップ日本大会組織委員会の推計によりますと、本年九月から全国十二都市で開催されるラグビーワールドカップ二〇一九による全国への経済波及効果の総額は四千三百七十二億円とされ、地域の大きな盛り上がりや地元経済の活性化が期待されております。過去の大会実績から期間中は相当数の外国人観光客の訪問が予想され、ヨーロッパ、オセアニア等を中心に比較的高所得者層の方々が日本を訪れることになるため高い経済効果が見込まれています。また大会の開催期間が四十四日間と長いため外国人観光客の滞在も長期になる可能性があります。そのため日本らしい体験を求める需要は高まると考えられます。日本文化の体験や日本食の提供など、コト消費を用意できれば外国人観光客の満足度を高めることができるはずです。
 現在県では、静岡ツーリズムビューローが司令塔となり大会出場国を中心に誘客に取り組んでいます。しかし残念ながら地域によっては誘客への取り組みが盛り上がりに欠けるとともに、外国人観光客を受け入れる準備が十分でないように感じています。
 そこで、間近に迫った世界的なスポーツイベントを最大限に生かし観光交流の拡大や地域の活性化につなげるためにどのような取り組みにより訪日外国人観光客を本県に取り込んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、農福連携の推進について伺います。
 農業と福祉、両分野はそれぞれに問題を抱えています。農業分野は人手不足の課題に直面しています。また福祉分野は働きたくても働く機会の少ない人材を潜在的に抱えています。この両分野が連携し二つの社会課題を解決する政策が農福連携であります。
 昨年六月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一八や未来投資戦略二〇一八においても農福連携の推進が位置づけられており、全国各地で取り組みが広がりつつあります。農福連携は農業者の人手不足の解消や障害者の就労機会の拡大、工賃向上や障害者理解の促進、農産物の加工販売等を通じて地域コミュニティーの維持に貢献するなど、その役割を拡大する例も見られ普及が期待されます。
 本県は、京丸園株式会社を初め三島市とJA三島函南が連携した作業委託の取り組みなど全国屈指の先進地であると言えます。しかし本県でさえその広がりは全県的ではありません。ではどうしたらこの農福連携が普及するのでしょうか。
 私も時間をかけて全国各地の成功事例を調査してまいりました。先進事例を調査分析した結果、いわゆる先進地においては成功しているその現場を農業者や障害福祉サービス事業所等に実際に見ていただく見学会型のモデル事業に力を入れていたという共通要素が見つかりました。当たり前のような話でありますが、しっかりとしたエビデンスに基づいて議論をさせていただいております。
 農福連携を普及させるためにこのような見学会型のモデル事業を提案いたしますが、今後県としてどのように農福連携に取り組んでいくのか伺います。
 また、障害福祉サービス事業所等が農業分野に参入し工賃向上を実現させるためには新たな商品開発や販路拡大への支援が必要と考えます。県としてどのような支援を行っていくのか、あわせて伺います。
 次に、県内の中小・小規模事業者に対するキャッシュレス決済の導入促進について伺います。
 国は、二〇二五年までにキャッシュレス決済比率を現状の二割弱から四割程度にする目標を掲げ、令和元年十月一日の消費税率引き上げに伴いキャッシュレス手段を使ったポイント還元や決済端末等の導入補助などを支援することで中小・小規模事業者における消費喚起の後押しとキャッシュレス決済の導入を図る事業を実施する方針であります。キャッシュレス決済の推進は消費者の利便性向上といった利点だけでなく少子高齢化による人手不足への対応、IT、データの利活用による中小・小規模事業者の生産性向上や地域活性化といった社会課題の解決にもつながるものと考えます。
 現状は、三島商工会議所等が小規模事業所に向けてキャッシュレス決済に係るセミナー等を実施し導入に係る普及に取り組んでおりますが、個人経営の店舗ではまだまだ現金での取り扱いが多くキャッシュレス決済の導入が進んでいないようであります。キャッシュレス推進のためには、キャッシュレス支払いが使える場所とキャッシュレス支払い手段の利用者双方が拡大する必要があると考えます。
 これらを踏まえ、県は県内の中小・小規模事業者のキャッシュレス決済の導入促進に向けどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、箱根西麓地域の農業振興について伺います。
 箱根山の西側斜面に広がる箱根西麓地域は良質で肥沃な土壌に恵まれ、適度な傾斜による水はけのよい地形の特性を生かし古くから根菜類の栽培が盛んに行われてきております。三島馬鈴薯やニンジン、カンショ、レタス、セルリーなど、近年ではミニ白菜やロメインレタスといった新しい作物も栽培され多彩で高品質な箱根西麓三島野菜として首都圏の飲食店などからの人気も高く、ブランド化が進んでおります。とりわけ平成二十八年には三島馬鈴薯が県内で初めて国の地理的表示保護制度に登録されたほか、平成二十九年にはみしまコロッケが地域団体商標として登録されるなど箱根西麓三島野菜の知名度がより一層高まり生産者の所得向上にもつながっております。特に意欲のある若手農業者が中心となって地元野菜をPRし積極的に地域ブランドの普及拡大を牽引するなど、活気あふれた産地の形成を地域が一丸となって進めているところです。
 また、標高の高い丘陵地に広がる本地域は季節ごとの野菜が織りなすパッチワーク模様の畑が広がり、平成二十八年度に美しく品格のある邑の知事顕彰を受賞するなど農業生産活動を通じて美しい農村景観が形成される地域でもあります。さらには有機農業や自然農法など環境に優しい農業も盛んであります。
 しかしながら、農地に目を向けますと小規模な区画の圃場が傾斜地に分散しており、営農条件としては不利なところであると感じております。このため今後は農業者の高齢化により営農継続が困難な農地が急速に増加することが懸念されており、意欲ある担い手への円滑な世代交代が停滞し農地の荒廃化が進むなど地域農業の継続に支障を来すのではないかと大変危惧をしているところです。
 このような状況の中、箱根西麓地域の農業が将来にわたって持続的に発展していくためには意欲ある担い手に農地を集積、集約化し農産物の生産を拡大していくことが必要と考えております。
 そこで、県として箱根西麓地域の農業振興に向け今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県道三島停車場線及び県道三島裾野線の無電柱化について伺います。
 私の地元である三島市は、古くから東海道の交通の要衝として栄え世界文化遺産である富士山はもとより箱根西麓などの雄大な眺望、富士山などからの恵みである湧水、さらには三嶋大社を初めとする歴史的施設など自然的、歴史的景観を有した魅力的で美しい町並みを形成しています。
 このような中、県では良好な景観形成とあわせて安全で円滑な交通の確保等の観点から昭和六十一年度より電線類の地中化を順次進めており、三島駅南口周辺ではこれまでに三島市民文化会館から県道三島富士線との交差点までの区間や伊豆箱根鉄道の三島広小路駅から三嶋大社前までの区間の無電柱化が完了し、電柱や電線がなくなったことにより魅力的な町並みが形成され地元も大いに喜んでおります。
 しかし、三島駅南口の県道三島停車場線の一部と三嶋大社入り口の県道三島裾野線の一部においてはいまだ無電柱化がされておらず地元からも早期整備の声が上がっております。未整備となっている二区間については三島市の玄関口となる場所に位置するため、良好な景観であることに加え市の緊急輸送路にも指定されているため地震等の災害時に電柱が倒れ緊急車両等の通行に支障を来すことがないよう無電柱化を進めていく必要があると考えますが、県の取り組み状況と今後の見通しについて伺います。
 次に、新学習指導要領におけるプログラミング教育の充実について伺います。
 新学習指導要領では、二〇二〇年度から新たに小学校においてプログラミング教育が必修化されます。プログラミング教育の推進を担う者は市町教育委員会及び学校であり、文部科学省の調査においては既に半数以上の市町がプログラミング教育の授業を先行して実施するなど着実に準備を進めています。
 しかし、同調査においては一方でプログラミング教育の基本的な考え方がまだ十分に周知されない実態も明らかになっています。またICT機器の整備状況は市町により格差も見られます。さらに非常に重要となるのがその機器をよりよく活用し児童生徒に授業を行う教員のスキルでありますが、教員の活用能力は一様ではないと考えられます。全ての教員がプログラミング教育やICT機器への十分な理解を持つことが児童生徒の学習の質を高めることにつながるものと考えます。
 そこで、今後のプログラミング教育の充実を図るため県教育委員会としてどのように環境整備に取り組んでいくのか、教育長に伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 伊丹議員におかれましては、令夫人が山田町御出身の由、御実家が被害に遭われたということで心からお見舞いを申し上げます。
 平成二十三年以来私も何度か山田町に入っておりますけれども、つい最近もこの春に参りました。山田町役場は遇々残りましたのでその屋上に町長さんと御一緒に上りまして、その復興を見てまいりました。遅々としてではありますけれども確実に復興が進んでおります。さらにまた三陸鉄道も宮古から陸前高田の盛まで開通いたしまして、陸前高田の駅もオランダとの御縁があって風車を入れた駅ができ上がり、そこに子供たちが遊べるような空間もつくられていました。
 その昔、山田町のあの美しい湾にオランダ船が迷い込みまして難破してそれを村の人が助けられたという、そうしたことが今の国際的なオランダとの縁にもつながっているというすばらしいところでもございますので、このえにしを大事にしてまたふるさとを守る、そういうような力をつけていただきたいと存じます。
 さて、伊丹議員にお答えをいたします。
 農福連携の推進についてであります。
 農業活動は、障害のある方に精神面の安定や体力向上など心身ともによい影響を与えてくれます。また障害福祉サービス事業所にとりまして、農作物の栽培から加工販売までを手がけることにより工賃の向上につながります。このため県では平成二十八年度から障害のある方への支援として農福連携の取り組みを推進しております。
 具体的には、障害のある方の雇用に関心を持つ農業生産者と農業活動を希望する方との就労のマッチングに取り組んでおります。今後は農業生産者やJAに障害福祉サービス事業所を見学していただくことで障害のある方や障害ごとの特性を十分に理解していただき、それぞれに応じた作業内容の検討を働きかけてまいります。
 また、農業分野への進出を目指す障害福祉サービス事業所につきましては県内外の先進的取り組みの視察や農業の専門家による技術的支援を行っております。さらに、生産品の付加価値を高めるため調理専門学校やデザイナーの助言により製品改良やパッケージデザインの制作を支援して、すぐれた商品をしずおか授産品ブランドとして認定し大規模商業施設等での販売機会を提供しております。
 県では、これまで障害のある方が育てた三島カンショあるいはニンジンを使って生産したジャム、あるいはジュースなど十二品目の農産加工品を授産品ブランドとして認定いたしました。授産品ブランドを生産する事業所の平成二十九年度平均工賃は月額二万三千円と低いとはいえ県全体の一万五千円を大きく上回っており、本年度も新たに五品目の認定を目指しているところであります。
 広く我々は県庁内で一人一品運動を繰り広げております。授産所でおつくりになられた産品を一つは持とうではないかと、私も一番高価なものを持っておりまして、古くなれば買いかえるということでございます。また本庁内にも東館の二階にカレーライスとかパスタをいただけたり、また授産品も売っているところがございますのでぜひ御利用いただければと存じますが、これを踏まえまして新たに県職員等による授産品の一人一品運動協力隊を結成し、農福連携によるしずおか授産品ブランドを含めた製品の計画的な購入のほか授産品を広く知っていただくための親しみやすいネーミングの公募に取り組むこととしております。
 農業分野における障害のある方の受け入れは、平成二十六年度の七十六人から三十年度は百八十四人に拡大しております。県内各地で農福連携が広がりを見せ、多くの障害のある方が活躍されています。
 県といたしましては、今後も農福連携を通じ障害のある方の社会参加を促進し住みなれた地域で安心して豊かに暮らせる共生社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) ユニバーサルツーリズムの促進についてお答えいたします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を控え、高齢者のみならず国籍や年齢、性別、障害の有無にかかわることなく本県を訪れる誰もが安心して旅行を楽しめる環境を整備することは、観光産業の活性化を図るとともに将来を見据えた旅行需要を喚起する上で大変重要であると認識しております。
 このため、県では県内の旅行事業者や団体等から成ります静岡県ユニバーサルツーリズム推進連絡会を組織し課題の把握や情報共有等に取り組んできたところであります。その中で高齢者、障害者及びその家族に対するアンケート調査を実施いたしましたところ健康上の不安や周囲に迷惑をかけたくないなどの理由により過去三年間で旅行を諦めた方が約六五%もおられました。その一方で約半分の方、五〇%の方は旅行への意欲がありニーズの高さが明らかになったところであります。
 このため、旅行者の受け皿となる宿泊事業者等の観光関係事業者等を対象にユニバーサルツーリズムのマーケットとしての可能性、国内外の先進事例等を紹介する研修会を県内三カ所で開催するなどユニバーサルツーリズムへの実践に向けた取り組みを進めております。
 また、国におきましても昨年度に旅行会社に対するアンケート調査を実施し、その中で障害のある方等の旅行においてはサポート体制の確保、バリアフリー情報提供機関の不足、専門知識の習得・人材育成に加えまして受け入れが可能な観光施設の確保が主な課題であるということが把握されたところであります。
 このため、宿泊施設や観光施設等のバリアフリー化を促進するため国の施設改修への補助制度に加えまして今年度から備品等を整備するための県単独補助制度を創設し、きめ細かな支援により受け入れ環境の整備に取り組んでいるところであります。
 なお、議員の地元であります本県の宿泊者数の約六割を占める伊豆半島におきましては和風建築物が多くバリアフリーの改修がなかなか難しいことがあるということに加えまして、ユニバーサルツーリズム事業者の方々からは受け入れ施設の理解あるいは情報提供の不足、受け入れ調整等を行うトラベルヘルパーの不足などの課題が挙げられております。
 県といたしましては、来年に迫った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが開催される伊豆地域を初めとする本県がユニバーサルツーリズムの先進地となるよう地域と連携した取り組みを進め、本県を訪れる誰もが多彩な魅力に触れ最高の感動や体験が得られるための受け入れ体制を整備し「住んでよし 訪れてよし」の観光地域づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 海洋プラスチックごみ防止に向けた取り組みについてお答えいたします。
 地球規模で喫緊の課題となっている海洋プラスチックごみ問題を解決するためには、県民一人一人がこれまで以上にプラスチックごみの発生抑制や海への流出防止に取り組んでいく必要があります。
 海洋プラスチックごみを防止するための推進大会におきまして、ごみ削減に必要なリデュース、リユース、リサイクルの3Rにレジ袋などを断るリフューズ、ごみを持ち帰るリターン、海岸や河川を清掃するリカバーの三つのRを加えた本県独自の6R県民運動として取り組むことに各界を代表する団体や企業から御賛同をいただきました。現在、賛同いただいた団体を通じ構成員の皆様に6R県民運動への参加を呼びかけていただいております。
 さらに、県民運動の輪を広げるために専用ウエブサイトに清掃活動の予定やトレーの回収を行う店舗等を掲載するとともに、取り組みに対し地球温暖化防止アプリ「クルポ」のエコポイントを付与することとしております。また七月の海の日を前に富士市で県主催の海岸清掃を、十月の3R推進月間には実践事例発表会を、十二月の不法投棄撲滅月間には街頭キャンペーンを実施してまいります。
 県といたしましては、6R県民運動への機運を高め県民一人一人の実践を促し海洋プラスチックごみの防止を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) ラグビーワールドカップ二〇一九を契機とした観光振興についてお答えいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九の開催まで残すところ九十日を切りましたが、海外から四十万人もの観戦客が訪れる絶好の機会を捉え本県に多くの外国人観光客を呼び込み地域の活性化を図っていくことが大変重要であります。
 このため、県では静岡ツーリズムビューロー  TSJと連携し多くの観戦客が見込まれるイギリス、オーストラリアにTSJの営業代行を設置し現地旅行社への働きかけやテレビCMの放映、商談会でのPRを行うなど効果的な広報営業活動を展開しております。また地域が取り組む魅力的な旅行商品の企画を支援するとともに、外国人旅行者向け予約サイトマウントフジトラベルに体験プログラムを掲載、販売することで本県滞在の促進と地域での旅行消費額の増加につなげてまいります。
 さらに、七月には大会組織委員会と連携して飲食施設や宿泊施設等を対象とした外国人観戦客受け入れセミナーを開催するとともに、八月からは十カ国語、二十四時間対応で通訳等のサービスを無料提供する多言語コールセンターの運用を開始するなど地域における受け入れ体制の充実とおもてなしの機運の盛り上げを図ってまいります。
 加えまして、大会期間中はファンゾーン及びエコパ周辺のおもてなしエリアにおきまして市町等と連携して日本文化の体験や食の都にふさわしい食を提供するほか、文化プログラムに基づく伝統芸能フェスティバルなども開催し県内各地で本県の持つ多彩な魅力を発信してまいります。
 県といたしましては、地域の皆様とともにラグビーワールドカップ二〇一九を契機とした誘客活動を全力を挙げて展開し、来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにつなげてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 県内の中小・小規模事業者に対するキャッシュレス決済の導入促進についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、キャッシュレス決済は消費者の利便性向上や中小・小規模事業者の生産性向上等に寄与するものと捉えております。
 このため、県では国によるキャッシュレス・消費者還元事業の実施に合わせまして六月中旬から七月下旬まで、県内九会場で昼と夜の部を合わせて延べ十八回キャッシュレス決済の導入を促進するためのセミナーとキャッシュレス決済事業者が参加する個別相談会を開催することといたしました。
 キャッシュレス決済とは何か、導入に向けての課題は何なのか、どんな決済サービスを選んだらよいのか現在導入を検討しつつも悩んでいる事業者のためにキャッシュレス決済導入のメリットや注意点、決済事業者の選び方のポイントを専門家がわかりやすく解説するとともに決済事業者が個別相談に乗る内容といたしました。既に開催したセミナーの参加者からは、よいタイミングでセミナーを開いていただき助かった、この機会にキャッシュレス決済の導入を決めたなど導入に前向きな声をいただいております。
 これに加えまして、県では商店街が魅力ある買い物環境を創出するためキャッシュレス決済に必要なWiFi環境などインターネット環境を整備する場合には市町と連携してその事業費を助成してまいります。
 県といたしましては、消費税率引き上げの時期までに中小・小規模事業者が戸惑うことなく最適なキャッシュレス決済サービスを選択できるよう正確な情報の提供などきめ細かな支援を行い、キャッシュレス決済導入を後押ししてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 箱根西麓地域の農業振興についてお答えいたします。
 多彩で高品質なブランド野菜が生産されている箱根西麓地域の農業が今後とも持続的に発展していくためには、意欲ある担い手への農地の集積と集約化を進め市場のニーズに対応した農産物を安定して供給できる体制を構築することが必要であると考えております。こうした課題の解決には集落ごとに将来の人と農地のあり方を明確にする人・農地プランの策定が有効でありますことから、まずは三島市、JA、農林事務所などが連携して農地集積に関する連絡会を開催することとしております。今後地域内での話し合いを進め農業者の意向を踏まえた実効性の高いプランの策定を支援し、農地中間管理事業を活用した集積と集約化を推進してまいります。
 また、急傾斜で小区画の農地につきましては本プランに基づく担い手の営農戦略や地域のニーズを踏まえ、集積度合いに応じて農家負担が軽減される中心経営体農地集積促進事業なども活用しながら地形条件に応じた区画整理や農道などの基盤整備を進めるとともに、野菜の選別や包装等の出荷作業の省力化を図る集出荷施設の整備を支援することなどにより生産性の向上を図ってまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みにより意欲ある担い手が将来の地域農業の中核となって新鮮で高品質な農産物の生産を拡大できるよう箱根西麓地域の農業振興に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 県道三島停車場線及び県道三島裾野線の無電柱化についてお答えをいたします。
 県では、これまでに良好な景観と歩行空間の確保並びに防災対策を目的に市街地の幹線道路で無電柱化を進めており、三島市中心部におきましては県道三島停車場線や三島裾野線等、三路線の整備を進めてまいりました。中でも三島市民文化会館から三嶋大社を経て市役所に至る市の顔となる経路につきましては、周辺の水辺空間の修景など住民参加の景観づくりが積極的に行われていることから、重点区間として整備を進め平成二十七年度までに無電柱化を完了しましたことにより三島市中心市街地における景観形成が図られてきております。
 このような中、三島駅から市民文化会館までの区間と三嶋大社の西側の百五十メーター区間につきましては、地元関係者から早期着手を求める声が高まり御協力もいただけましたことから、昨年度末に国土強靱化のための三カ年緊急対策を活用し事業に着手したところでございます。現在設計を進めているところであり、早期の工事着手を目指しております。
 県といたしましては、富士山を背景に湧水が街中を流れ三嶋大社、楽寿園など自然と歴史・文化の資源に恵まれた三島駅南口周辺がさらに魅力ある地域となるよう引き続き無電柱化を着実に推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 新学習指導要領におけるプログラミング教育の充実についてお答えいたします。
 社会が大きく変化しており、将来予測が困難な時代の中で子供たちに求められるのはみずから課題を発見し解決に向けた道筋を考え行動する力であります。そのために必要な論理的思考力や判断力を養うためには小学校段階からプログラミング教育を着実に実施する必要があります。市町教育委員会では、プログラミング教育の全面実施に向けて準備を進めております。しかし議員御指摘のとおり一部の市町や学校からは知識や情報の不足、授業の指導方法、機器の整備等について不安の声が聞かれております。
 このため、県教育委員会では市町教育委員会の指導主事を対象にプログラミング教育の手法に関する研修会を継続的に実施しております。また新たに小学校の教員向けに授業実践に関する研修を実施し、さらに研修内容をeラーニングサイトに掲載して校内研修への活用を促すなど基本的な考え方の周知と教員のスキルの向上を図っております。
 ICT機器の整備につきましては、市町によりばらつきがありますことから繰り返し国の財政措置や各市町の整備状況を伝えており、本年八月に開催する教育情報化推進ワークショップにおいて県内の先進的な実践事例を紹介しプログラミング教育が円滑に実施できる環境の整備を働きかけてまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも市町教育委員会と連携し子供たちが生きる力を身につけ、みずからの夢と希望を実現できるようにプログラミング教育の充実に向けた教育環境の整備に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 伊丹雅治君。
       (九番 伊丹雅治君登壇)
○九番(伊丹雅治君) それぞれ御答弁をいただきました。
 要望を一点、再質問を一点させていただきます。
 まず要望についてでありますが、箱根西麓地域の農業振興についてであります。
 先ほどもお話にありましたけれども、三島市とJAと東部農林さんと協議会をつくってくださるということですので、ぜひとも期待をしたいところであります。特にこの農地の基盤整備についてはさまざまな補助制度がありまして、その中で地元にとって一番使いやすい制度であることが重要だと思っていますので、ぜひとも国等に対しましてもしっかりとさまざまな働きかけをしていただければと思っておりますのでぜひそちらをお願いします。要望させていただきます。
 再質問のほうですけれども、農福連携の推進についてであります。
 知事からも御答弁をいただきました。静岡県の農福連携というのは本当に非常に進んでいます。私もいろいろな事例を見ていますけれども、本当に先進的な取り組みができているというふうに感じております。そういった中で見学会というのもですね、実際に今後行ってくださるという御答弁をいただきましたので前向きな御答弁に評価させていただきますけれども、具体的にはどのようなところをその見学先として考えていらっしゃるのかその辺をお伺いしたいと思います。
 また、静岡授産品ブランドの取り組み、これも私大変評価をしております。トレーニングといった枠組みを超えて本当に商品としてそれぞれが自立したすばらしい取り組みであります。ですからこそ私は個人的にこの静岡授産品ブランドという、やっぱり名前に少し違和感を感じていまして、できればネーミングを変えたほうがいいんじゃないかということで実は再質問をする予定でありましたけれども、今その名前もですね、ネーミングも公募されるということでありましたので、具体的にどのようにその授産品のネーミングですね、この辺を公募して進めていくのかその辺をお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 農福連携についての再質問にお答えいたします。
 まず、どういったところを視察先として考えているかというお話でございました。他県の先進事例といたしまして、まず農業生産者でございますけれども、茨城県のつくば市にHATAKEカンパニーというのがございます。ここは主に葉物野菜をつくっていらっしゃるんですけれども、障害者の個性に応じて役割、業務を与えて一般従業員とともに共同作業を実施しているということで、しかもこのパッキング作業についてはほかの障害福祉サービス事業所に発注をしていて全部で十名程度の障害のある方を受け入れているという事例がございます。
 それから、一方社会福祉法人の事例でございますけれども、福島県に社会福祉法人こころんという法人がございまして耕作放棄地を開拓した農場で無農薬野菜を栽培しております。それでこのできた野菜をですね、車による移動販売を行っておりまして、外出が困難な住民にとって買い物支援にもつながっているという事例がございます。ここでは三十名の障害者が農業に従事されていると、こういった県内外の農福連携の成功事例を参考にいたしまして県内の農業と障害のある方を結びつけていくような参考にしていきたいと考えております。
 それから、もう一点静岡授産品ブランドの名称変更ということでございますけれども、私どももちょっと特に授産品という言葉が別の言葉に置きかえられないかという問題意識を持っておりまして、ことしですね、授産品にかわる親しみやすいネーミングを県民だより等で公募を今後する予定でおります。皆さんも御応募をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 伊丹雅治君。
       (九番 伊丹雅治君登壇)
○九番(伊丹雅治君) 御答弁をいただきました。
 最後に、農福連携について要望をさせていただきます。
 農福連携といいましても、先ほどつくば市のHATAKEカンパニーですとかこころんさんとか、いろいろな取り組み御紹介いただきましたけれども、農福連携といってもさまざまな類型が存在をします。農業法人が障害者を雇用する場合ですね。京丸園さんみたいなパターンですけれども、そういった場合や農業者が福祉施設に作業委託をする場合、これは三島市とJA三島函南が取り組んでいる事例であります。さらには障害者を雇用している特例子会社が農場を開設する場合というのもありますし、福祉施設がみずから農作業を行って六次産業化までもっていくというような、農福連携といっても幾つもパターンがあります。その辺をですね、普及させたいケースや地域を想定した上でぜひその見学会というのを選定していただけますよう要望させていただきます。
 私の携わります三島市の農福連携では、利用者の皆さんが太陽を浴びて土に触れることで笑顔になっています。そしてその利用者の皆さんと一緒に畑で働いている農家さんはですね、本当に最初は不安があったけれども、利用者の皆さんが予想以上に戦力として御活躍してくださっているということで障害者理解が進んでおります。富国有徳を掲げる本県だからこそこの農福連携の輪を広げることができると私は信じています。静岡県が農福連携の聖地となりますことを御期待申し上げまして、私の一般質問を終わります。(拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp