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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 哲司 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/27/2017

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 県税の収入率向上対策について
2 指定管理者制度の導入に対する今後の取り組みについて
3 河川との共生について
 (1) 天竜川ダム再編事業と流域環境
 (2) 馬込川中流域の治水対策
4 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック文化プログラ
 ムの推進について
5 健康長寿日本一に向けた取り組みについて
6 交通ネットワークを生かした観光振興について
7 IoTを活用した農業用水の遠隔管理について


○議長(杉山盛雄君) これで深澤陽一君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、二十二番 大石哲司君。
       (二十二番 大石哲司君登壇 拍手)
○二十二番(大石哲司君) 皆さんこんにちは。私はふじのくに県民クラブの所属議員として、当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事並びに関係部局長に一括質問方式にて質問いたします。
 最初に、県税の収入率向上対策について伺います。
 平成二十九年度当初予算を見ますと、人件費や扶助費などの義務的経費が歳出総額の五〇%を占めており前年度当初予算との比較では一・六%の伸びです。このうち子育てや高齢者等の支援に必要な社会保障関係費が四・四%増と最も伸びていて、今後もこうした義務的経費の増加が懸念されるところです。一方今年度当初予算の歳入を見ますと県税収入が歳入の四〇%を占めていて、地方消費税の都道府県間の清算金による収入を加えますと五〇%を超える額となっていますのでとても貴重な財源ではないかと思っています。義務的経費の増加が懸念される中、安定的に県税収入を確保し歳出の増加に対応していくという観点から県税の収入率向上と収入未済額の縮減を図っていくことはとても重要なことと考えています。また納税者である県民の立場から見れば、生活状況が厳しい中でも決められた納付期限内に納めている方がいらっしゃる一方、督促や催告を受けても納めようとしない人がいるということは税負担の公平性という観点から許されないことだと思っています。少子高齢化の進展等将来的な財政見通しが厳しいことを踏まえて全国の自治体では県税等の地方税や保険料の徴収対策を強化する動きが広まっています。複数の自治体が連携して徴収業務を行う共同処理組織の設立や民間サイトのインターネット公売の導入など広域連携や民間ノウハウを活用した取り組みにより地方税の滞納額は減少傾向にあると伺っていますが、それでも平成二十七年度で一兆二千億を超える滞納残高があります。貴重な財源である県税を確保することはこれからの施策展開や財政運営に欠かすことができないことと認識しています。
 そこで、県税の収入率向上に向けたこれまでの取り組み、その成果そして今後の対応方針についてお伺いいたします。
 次に、指定管理者制度導入に対する今後の取り組みについて伺います。
 地方自治法が改正され、公の施設の管理を民間事業者に委ねていくことができる指定管理者制度が創設されてから十五年近くが経過しています。公の施設の設置目的を達成するために最も効果的で効率的な管理運営ができる団体を選任していく本制度は、それまでの業務委託に比べて民間事業者等の創意工夫が発揮されやすく利用者に対するサービスの向上が図られ施設管理に要する経費の削減も期待できるものです。本県でも制度の導入が進められ、現在、文化・教育施設、スポーツ施設など四十四の施設が指定管理者制度によって管理運営がなされています。その中にはサービスが向上して利用者の増加に結びついた施設、管理運営に要する経費が縮小した施設も存在すると伺っておりますので、導入された施設では期待していた効果が十分に発揮されている。
 しかしながら、平成二十七年に総務省が実施した調査結果によりますと本県の導入率は一八・〇%、全国四十七都道府県の中で下から四番目、四十三位と他の都道府県に比べて著しく低い導入実態が明らかになっています。厳しい財政状況の中でも公の施設は質の高いサービスの提供を求められますので、本県においても本制度の導入を積極的に検討すべきではないかと考えます。
 そこで、これまでの指定管理者制度導入に対する評価と今後の導入率向上に向けた取り組みについて、県の所見を伺います。
 次に、河川との共生についてのうち、天竜川ダム再編事業と流域環境についてお伺いいたします。
 私が暮らしている浜松市東区は国が管理する一級河川の天竜川の西側に位置しています。この天竜川は古くは暴れ天竜として恐れられるなど、流域では土砂や洪水により幾度もの災害をこうむってきた歴史があります。その一方で天竜川の豊富な水量はかんがい用水を初め近代では発電などにも活用され、遠州地域の産業発展の礎となってまいりました。そして天竜川の広大な水と緑の空間が持つ恵まれた自然環境と景観は良好で多様な生態系を育むとともに、私たち地域住民に憩いと安らぎを与えてくれています。
 現在、この天竜川では国土交通省による天竜川ダム再編事業が行われています。この事業は発電専用の佐久間ダムに洪水を調節する治水機能を確保し、天竜川の中下流部の洪水被害の軽減を目的としたものです。さらにこの事業においては、佐久間ダムの洪水調節機能を維持するためにダムの上流側にたまった土砂をしゅんせつしてダムからの放流水で河川に還元することも計画されています。浜松市の沿岸部に広がる中田島砂丘はかつては比較的気軽に砂丘の風景が撮影できるロケ地として、また例年五月のゴールデンウイークに開催される浜松まつりたこ揚げ会場にほど近い観光地としてにぎわいを見せていましたが、近年は離岸堤の整備等砂丘復元の成果により少しずつ若干ではありますが砂浜は回復しつつあるとはいうものの、やせ細った砂丘の現状を見ると日本三大砂丘の一つとはとても恥ずかしくて名乗れません。このやせ細った遠州灘海岸がもとの雄大な砂丘の姿を取り戻せるよう、海岸侵食に対する本事業の効果に大いに期待しているところです。
 ところが一方で、この天竜川ダム再編事業によりダムが流す土砂の影響でアユの餌となるコケが生育しなくなるのではという心配の声も聞こえてきました。私自身は釣りはやりません。でも冷えたビールとアユの塩焼き、てんぷら、これはとてもすばらしい組み合わせだと思っています。天竜川のアユ釣りは文化だと言って六月一日の解禁日を待ち望んでいる太公望、釣り愛好家は周りに大勢いらっしゃいます。リニア新幹線の整備工事による大井川への影響が話題になっていますが、このダム再編事業でアユ釣りができない天竜川になっては困りますので本事業の流域環境への影響についても大いに関心を払っていく必要があると思っています。
 そこで、国が実施する天竜川ダム再編事業による河川環境への影響に関して県はどのようにかかわっていっていただけるのか、県の認識を伺います。
 次に、馬込川中流域の治水対策についてお伺いいたします。
 本年七月には、九州北部の福岡県から大分県にかけて観測史上例を見ないような記録的な大雨により甚大な被害が発生いたしました。これまで想定できなかった局地的で記録的な短時間集中豪雨による被害が近年全国各地で発生しておりますので、本県においても氾濫危険箇所の緊急対策にかかわる補正予算の確保について我が会派ふじのくに県民クラブとして要望させていただいたところでございます。
 本年の六月二十一日、浜松観測所で時間雨量三十九ミリを記録した大雨の際には、浜松市の馬込川に設置されている水位観測所の数値が氾濫危険水位を上回ったということで市内の広範囲にわたって避難勧告が出されました。このように馬込川の水位が上がり流量が増した状態になると、馬込川に注ぎ込む染地川や貉川等といった浜松市が管理する中小河川からの流入がせきどめされたようになってしまいます。そうするとこれらの中小河川につながる浜松市や土地改良区が管理する農業用排水路の水も行き場を失ってしまいます。降雨のたびに道路の冠水被害が発生している地域の住民は、それこそやりきれない思いで一刻も早い効果的な治水対策を求めています。
 このような浸水被害を解消するために馬込川の流下能力を高める必要があります。河口部から上流に向かって抜本的な河川改修工事の施工、さらには流域における雨水貯留施設やポンプの整備など総合的な治水対策が求められます。現在県当局におかれましては二十年から三十年先を見通した馬込川水系河川整備計画の策定が進められていると聞いておりますが、早期に整備工事が着手されたとしても懸案となっている馬込川中流域に工事が差しかかるのははるか先になってしまいます。
 そのような中、頻発する局地豪雨によって発生する浸水被害を軽減するためには、河川の適切な維持管理を県と市が連携して行うなど流域全体で取り組むことが必要な対策ではないかと考えています。
 このような状況をしんしゃくしていただく中で、県が管理する馬込川中流域での浸水被害を抑える対策を今後どのように進めていっていただけるかお伺いいたします。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック文化プログラムの推進について伺います。
 この文化プログラムについては、川勝知事が平成二十六年十一月の全国知事会において前々回のロンドンオリンピック開催時に実施された文化プログラムによりロンドンだけでなくイギリス全土での観光客の増加につながった先行事例を紹介され、我が国においても全国各地で文化プログラムを展開することを提案され賛同いただいたと聞いています。
 このように、知事が文化プログラムに対して積極的な姿勢をお持ちのことでありますので、本県は全国に先駆けて文化プログラムの推進に取り組んでいることとは思いますが、残念ながら多くの県民はオリンピック・パラリンピックが二〇二〇年に開催されることは承知していてもオリンピックがスポーツの祭典と同時に文化の祭典という別の姿があることは知らない人が多いのではないでしょうか。文化プログラムが県内の各地域で展開されるためには、まず文化プログラムの周知を図り、そして文化プログラムを実施していく担い手、あるいは鑑賞していただく側として多くの県民に参画してもらうことが必要です。そして私はこの文化プログラムの展開を通して本県の魅力を国内外に発信していただくことを期待しています。
 東京オリンピック・パラリンピックが開催される前年の二〇一九年には、ラグビーワールドカップそして国内最大級の観光キャンペーンと言われていますJRのデスティネーションキャンペーンも開催されるなど国の内外から多くの方々が訪れる時期でもあります。文化プログラムは東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れて展開するのは当然ではありますが、先ほど申し上げたさまざまなイベントとも連携することでより多くの人が本県を訪れていただくきっかけとなっていただきたいと考えています。
 そこで、文化プログラムの推進についてこれまでの取り組みを踏まえ、今後どのように展開を図っていくのかお伺いいたします。
 次に、健康長寿日本一に向けた取り組みについて伺います。
 厚生労働省から発表された平成二十七年度の健康長寿日本一は山梨県で、静岡県は二位に後退していました。油断していたら健康長寿日本一の座を隣の山梨県に奪われていました。
 先日、健康寿命をテーマにしたテレビ番組の中で抗加齢医学――加齢に抵抗する医学という字で書きます。片仮名で言うとアンチエイジング医学の第一人者、白澤先生が山梨県が健康長寿日本一になれた理由を三つ挙げていました。
 一つには、海のない県ですが魚への憧れが強く魚中心の食生活であること。
 二つには、食事にかける時間が日本一長いということを挙げていました。以前食事の内容や食事の量よりも早食いの方が肥満のリスクが高いと聞いたことがありましたが、健康寿命にも影響してくることがわかり早食いの私にはとても耳の痛い話でした。
 三つ目には、平均日照時間がこちらも日本一長いことを挙げていました。紫外線の働きでビタミンDがつくられる、そして免疫力向上に効果があるとの解説でしたが、食事時間の長さを除けば本県も大差はないのではないかと考えました。
 そこで、本県の健康課題を考えてみますと脳血管疾患による死亡率が全国的に高いことが挙げられます。最近私の周囲には脳梗塞で倒れた方が複数人いらっしゃいます。地域分析の結果では県西部よりも東部や伊豆地域のほうが脳血管疾患により亡くなられる方が多く、高血圧の患者も他の地域に比べて多いとのデータがございます。その要因として伊豆地域は干物や漬物、東部地域は揚げ物や総菜パンなど塩分の高い食事を好む傾向にあるなど、食生活の地域性にあるのではないかと言われています。
 一方で、脳梗塞の発生率が全国で最も低いのが沖縄県でその理由として沖縄県は塩分の摂取量が日本一少ない、かつおぶしの消費量が全国で一番という統計があります。ソーキそばやゴーヤチャンプル等の沖縄料理の味つけはかつおだしが基本と言われているように、調味料として塩を使わない食生活が一般的なのだそうです。
 脳梗塞の原因の一つである動脈硬化は、多くの場合自覚症状のないまま時間の経過に伴い高血圧や脳梗塞、心筋梗塞を発症するなど深刻な病気を引き起こしますが、運動や食生活などの生活習慣を改善することで動脈硬化が起こりにくい健康な血液に変えていくことができると言われています。国民医療費が九年連続で前年度を上回っているとの報道がつい先日ありました。健康寿命の延伸を図ることは、高騰する医療費や介護費用といった社会保障費の抑制にも大きく貢献してまいります。
 今回の質問では、脳血管疾患と動脈硬化を取り上げさせていただきましたが、健康長寿日本一の座を取り戻すためにも静岡県民が食生活の改善をみずから行動を起こすように食育の大切さを大いに啓発していくことが重要と考えますが、県の所見を伺います。
 次に、交通ネットワークを生かした観光振興についてお伺いいたします。
 静岡県は、首都圏と関西圏のちょうど中間点にあり古くから東西の基軸である東海道に沿って道路や鉄道などの交通ネットワークが形成され、人・物・文化の交流が図られ発展してきた地域です。近年は新東名高速道路や圏央道などの高規格道路の開通により本県への交通アクセスが従来にも増して向上しております。また本年七月に港湾法に基づく国際旅客船拠点形成港湾に指定された清水港は、今後クルーズ客船会社のゲンティン香港と連携協力して北東アジアに向けた海の玄関口となるよう旅客ターミナルの整備を進めていく計画と伺っています。さらに空の玄関口である富士山静岡空港は一足先に旅客ターミナルビルの増築・改修等を進めているところですが、こちらも本年七月に国から訪日誘客支援空港の認定を受けましたので、今後は国の支援を受けながら訪日客誘致の拡大に取り組んでいくと聞いております。
 このように、本県の陸・海・空の交通インフラが整いつつあることに加え、先ほど来お話ししているようにラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど世界規模のスポーツイベントが本県での開催が決定しています。さらには世界遺産富士山、世界で最も美しい湾クラブに認定された駿河湾そしてそれに引けをとらない浜名湖、来年春のユネスコグローバルジオパークの認定が待ち遠しい伊豆半島ジオパークなどそれこそ本県には多彩な観光資源があります。こうした豊かな観光資源と陸・海・空のさまざまな手段で本県を訪れる観光客を有機的に結びつけていく取り組みが非常に重要となってまいります。
 そこで、交通事業者等の民間企業とも連携して本県が持つ利便性の高い交通ネットワークと多彩な観光資源を生かした取り組みを進めていくことが必要だと思いますが、県の所見を伺います。
 次に、IoTを活用した農業用水の遠隔管理について伺います。
 最近は、医療や福祉、教育、土木、防災などさまざまな分野において生産性や利便性の向上を図るため、あらゆるものがインターネットにつながるIoT、AIと呼ばれる人工知能を活用した取り組みが進められています。こうした技術革新はさまざまな分野の競争力の強化に大きく貢献しており、農業分野においてもその活用がさまざまな課題の解決や農業の成長産業化に向けた大きな推進力となることが期待されているところです。農業従事者の高齢化や後継者の不足、農業を取り巻く環境が大変厳しい中で農業を魅力ある産業として発展させ担い手がその意欲と能力を存分に発揮できるような環境を創出していくためには、栽培技術の情報化や省力化などの視点から農作業の革新を図っていくことが重要であります。
 私は、地元の浜松市において小規模な稲作栽培を営んでおります。ことしの新米ができ上がりまして、今倉庫に入りました。水田の保水力を高める代かきや田植え直後の水張り等、その場その場に応じた水の管理には大変苦労してまいりました。そのような中、静岡県と大手IT企業が連携して水田の水量などを遠隔で管理するシステムの研究開発を開始したとの報道を拝見いたしました。自宅の居間にいながら水田の水量を遠隔管理できる技術が導入されれば、よく台風や豪雨時に水田の見回りに出かけて事故に遭ったという報道もなくなります。このように水田の見回り作業に要する労力を軽減し、水管理に係るコストの大幅な削減が可能となるシステムの開発は私たち稲作農家にとってまさに夢のような取り組みです。
 そこで、このIoTを活用した農業用水の遠隔管理技術の導入拡大に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大石哲司議員にお答えいたします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック文化プログラムの推進についてであります。
 オリンピック・パラリンピック文化プログラムは、その推進を通じて形成される文化芸術とさまざまな分野とのネットワークや交流が地域の文化力として定着し、感性豊かな地域社会の実現に寄与していくことが期待されるものであります。そのため本県では昨年五月に他県に先駆けまして市町、文化団体、観光協会、産業界、教育界、福祉従事者などオール静岡の体制による文化プログラム推進委員会を設立いたしました。テーマは「地域とアートが共鳴する」というものであります。このテーマのもとに県内各地でさまざまな文化資源を生かしたプログラムが展開されるように取り組んでいるところであります。
 本県の文化プログラムの特徴は、多くの方々の参加と協力を得て本県らしい多彩な事業を重層的に展開する点にあります。具体的にはプログラム全体の中で中核をなす、推進委員会と文化芸術団体等が連携して実施する共創プログラムを走らせております。また県内の各団体から地域に根差した文化振興の取り組みを募る提案プログラムも走らせております。さらに県立美術館の企画展、SPACによる舞台公演など既存の県事業や市町独自のプログラムを加えた展開も考えております。あるいはグランシップは静岡県の文化力の拠点の一つでありますけれども、さまざまな自主事業を展開されております。その中でもこの夏に十回目を迎えました音楽の広場は満員の観客を感動の渦に巻き込みました。こうした自主事業も、文化プログラムと連携をすることを通しまして県内外の方々に静岡県の文化力の拠点の地域についての魅力も発信していくということも入っております。
 文化プログラムの周知に関しましては、その一環としてより多くの県民の皆様の関心を呼び込むため、十月二十九日に国の重要文化財に指定されております掛川市の大日本報徳社大講堂におきまして前文化庁長官の青柳正規先生をお迎えし東京オリンピック・パラリンピック千日前フォーラムを開催いたします。今後も引き続き観光や産業などの他分野の協力を得て、市町と連携を図りながら二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け年々プログラムを充実させていき、国内外から多くの方々が静岡県を訪れていただくきっかけとなるように努めてまいります。
 オリンピック・パラリンピック終了後におきましても、文化プログラムの展開で培った文化芸術振興の支援に係る仕組みや人材、地域のネットワーク等のオリンピックのレガシーが本県の目指すいつでもどこでも多彩で魅力的な文化の花が咲き国内外から憧れを呼ぶふじのくに芸術回廊、あるいは回遊式庭園の実現に資するように取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 交通ネットワークを生かした観光振興についてお答えをいたします。
 県では、今後の観光政策を従来の観光事業者を中心とした観光地づくりから地域ぐるみ、社会総がかりによる観光地域づくりに転換をいたしました。観光振興による地域活性化においては訪問旅行者数の多さに加えその質が重要です。地域の魅力を高め少しでも長く何度も滞在していただく、そして地域の文化や地元の食を楽しんでいただく、このことにより域内でお金を回し経済波及効果を高める、こういったことが重要であります。これを進めることがまさに観光地域づくりと言えます。
 このため、県全体のDMOであるTSJや地域のDMOを核として地域の魅力ある観光素材を発掘し磨き上げ、訪れたくなりまた訪れた人に満足いただける滞在メニューを提供し地域の稼ぐ力を引き出す、そういう取り組みを進めてまいります。
 また、本県の強みは議員御指摘のとおり多彩で魅力ある観光資源とともに交通ネットワークの充実です。古くから道路や鉄道が発達し近年は高規格道路網がますます充実し、さらに全国の地方管理空港の中で入国・出国外国人数が最も多い富士山静岡空港そして国際旅客船拠点形成港湾に指定された清水港を有します。この交通ネットワークを活用した新たな取り組みが求められます。
 例えば、国際クルーズの拠点になりますと飛行機で来てクルーズ船に乗りかえるというフライアンドクルーズも期待できます。また走りやすい道路網を活用したレンタカー利用の個人旅行も大きな伸び代があります。
 このように、マーケット分析に基づく取り組みにより旺盛なインバウンド需要を取り込みながら国内外から訪れる観光客に長く何度も滞在していただけるように、本県の強みである地域資源と陸・海・空の交通ネットワークを活用し交通事業者も含め社会総がかりで観光振興を進めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 県税の収入率向上対策についてお答えいたします。
 県では、滞納者に対する徴収対策の強化と納税者の利便性向上などによる納期内納付率の向上の両面から県税の収入率の向上に取り組んでまいりました。
 まず、徴収対策の強化につきましては、県税の収入未済額の八割以上が市町が賦課徴収する個人県民税でありますことから、県内全市町と連携して個人住民税徴収対策本部会議を組織し収入率等の目標を設定して徴収対策を強力に進めるほか、県職員を市町に派遣し差し押さえや公売を支援するなどの取り組みを進めております。その他の税目につきましても、現年課税分の早期催告や差し押さえなど滞納整理の早期着手を重点的に取り組んでいるところであります。
 また、納税者の利便性の向上に向けて平成十七年度からコンビニエンスストアでの収納を、平成二十六年度からは自動車税でクレジットカードによる収納を導入いたしました。そのほか県民の皆様に口座振替の活用を呼びかけるなど納税広報を充実して納期内納付率の向上に向けて取り組んでいるところであります。
 これらの取り組みにより、平成二十八年度の個人県民税の収入率は九四・九%と平成二十二年度に比べて六ポイント向上し、県税全体では収入率が九八・二%となり過去最高の数値となっております。
 また、収入未済額は平成二十八年度末で七十九億円となり、平成二十二年度の百九十七億円から六割縮減いたしました。
 今後の方針でありますが、個人住民税徴収対策本部会議の取り組みをさらに三年間延長して平成三十二年度までとし地域の特性や市町の実情に応じたきめ細かな対策を実施するとともに、県内八つの財務事務所において、各税目の数値目標とこれを達成するための取り組みをまとめてPDCAサイクルを回すことにより徴収対策をさらに強化してまいります。これらによりまして収入率の向上をさらに図ってまいります。
 次に、指定管理者制度の導入に対する今後の取り組みについてであります。
 本県では、公の施設の管理運営に当たりましてはサービス水準や利用者の利便性など県民サービスの向上の観点から最も適切な管理形態を選択するよう努めており、民間活力の活用はその有効な手段であると考えております。特に指定管理者制度の導入に当たりましては利用日時の拡大や企画催事の充実、利用料金の見直しなど民間事業者のすぐれた提案を取り入れた施設運営に取り組んでまいりました。
 導入施設の利用者は、指定管理者制度を導入し始めた平成十七年度の年間四百三十万人から平成二十八年度は七百六十六万人と約一・八倍に増加し利用者満足度も高い水準で推移しております。また制度導入前と比較して平成二十九年度当初予算ベースで九億円余の経費削減効果が得られるなど、利用者サービスの向上と効率的な運営の両立が図られているものと考えております。
 なお、二百四十二の公の施設のうち百四十二を占める公営住宅につきましては、指定管理者制度では対応できない入居・退去の決定などを行うことができる管理代行制度を導入し利用者にとってより利便性が高いワンストップサービスを提供しております。本制度を含めますと民間などによる管理運営制度の活用は七六・九%と全国でも高い導入率となっております。
 また、県の直営がふさわしいと判断した施設におきましても、現状の管理形態を固定的に考えることなく毎年度最適な運営手法を検討しております。本議会では浜松学園への指定管理者制度導入に向けた条例改正をお諮りするほか、県教育委員会所管の青少年教育施設におきましても現在運営手法の検討を行っているところであります。
 今後とも、民間事業者の創意工夫の発揮により利用者満足度の向上と効率的な運営が見込まれる施設には指定管理者制度の積極的な導入を図るなど、官民の役割分担や適性を踏まえた行政サービス提供主体の最適化に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 河川との共生についてのうち、天竜川ダム再編事業と流域環境について、お答えいたします。
 国が実施する天竜川ダム再編事業では、佐久間ダムの恒久的な堆砂対策として貯水池のしゅんせつ土砂をダム直下流に運搬し洪水時の放流水によって河口周辺まで還元することが計画されていることから、大量の土砂の流下による治水や河川環境への影響が課題であると認識されております。
 このため、国は土木、生物、環境分野の学識経験者から成る天竜川ダム再編事業環境検討委員会の意見を踏まえ、ダム貯水池から運搬した土砂を河川敷に置き洪水により流下させる置土実験やアユの生息環境を含む河川環境への影響調査を進めております。また内水面漁協に対しても毎年事業説明を行っており、これまでのところ環境への影響を指摘する意見はないと聞いております。県ではこれまでも事業の進捗状況や地元関係者への説明状況等を確認してまいりましたが、今後は置土実験において土砂量の段階的な増加が見込まれることから、実験結果の公表や内水面漁協との継続的な意見交換の実施など地域の声を聞きながら事業を進めるよう国に働きかけてまいります。
 県といたしましては、天竜川下流部の治水対策だけでなく遠州灘の海岸侵食の抑制に大きな効果が期待できるダム再編事業が天竜川の豊かな環境に十分配慮し推進されるよう国と連携して取り組んでまいります。
 次に、馬込川中流域の治水対策についてであります。
 馬込川の治水対策については、今年度交付金事業により河口部から抜本的な改修に着手したところでありますが、改修が中流域に達するまでには長い年月を要することから現在の流下能力を十分に発揮させる適切な維持管理が重要であります。馬込川は平常時も河口閉塞防止のための掃流用水が流れるため土砂の著しい堆積は見られませんが、出水期前の定期的な巡視や出水後の点検を行い維持工事等が必要な箇所を確認しており、先般染地川合流点周辺で確認された局所的な堆積土砂の撤去を予定しております。今後も支川への影響を考慮しながら堆積土砂の撤去や局所的な掘削による流下能力の維持向上を図ってまいります。
 また、流域に数多く設置されている雨水貯留池等の機能の維持や強化及び支川における局所的な浸水被害の原因分析と対策などについて、これまで県内各地で効果を上げてきた総合的な治水対策の手法を活用しながら浜松市とともに取り組んでまいります。
 県といたしましては、局地的豪雨等の頻発に対して馬込川の抜本的改修を着実に進めるとともに、浸水被害が発生している箇所への効果的な対策が早急に実施できるよう浜松市と一層連携し流域の皆様が安全で安心して暮らせる水害に強い地域づくりを推進してまいります。
 次に、IoTを活用した農業用水の遠隔管理についてであります。
 農業者人口が減少する中、地域農業を支える多様な担い手が将来にわたって力強い農業を持続的に展開するためには、圃場を大規模化する区画整理等に加えて水管理を省力化する最先端の情報通信技術の導入により大胆な生産コストの削減を図ることが重要であります。本年三月に県や国の研究機関、民間IT企業等で設立したコンソーシアムが国の新規事業の採択を受けて今年度は圃場への用水供給を遠隔で制御するシステムの研究開発に取り組んでおり、来年度からは袋井市等の圃場で実証試験を行うことにより操作性にすぐれたシステムの実用化を進めてまいります。また本事業の成果を踏まえ、開発された遠隔制御システムについて区画整理等が実施された圃場への導入拡大を図ることにより担い手の需要に対応したきめ細かな用水供給を実現してまいります。
 県といたしましては、営農の省力化や収益性の向上を図る基盤整備とあわせてIoTの活用を推進することにより多様な営農形態に応じた経営戦略の実現を促進し、本県農業の競争力を強化してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 健康長寿日本一に向けた取り組みについてお答えいたします。
 健康寿命の延伸には運動、食生活、社会参加の三要素が重要であります。特に食は生きていく上での基本であり、全ての年代の県民一人一人が適切に食事をとることが重要であります。
 県では、生涯にわたり健康で生き生きと生活できるように幼少期から食についての正しい知識を身につけ健全な食生活を実践する食育に力を入れております。幼児から中学生までを対象に静岡県健康づくり食生活推進協議会の協力を得て食育教室を開催し、減塩や野菜摂取の大切さを伝えるなど子供のころから食育の取り組みを始めているところでございます。
 また、全国に比べて脳血管疾患による死亡が多いという本県の健康課題につきましては、働き盛り世代などを対象にして適正な塩分摂取を進めるため五年間で五%の減塩を目指す減塩五五プログラムを展開し全ての市町で実践されております。またお塩のとり方チェック表を開発し普及にも努め身近なところから減塩に取り組むなど、健康課題の解決に向けた県民の食生活の改善につながっております。今年度からは健康経営の視点を取り入れたしずおかまるごと健康経営プロジェクトを開始し、ふだんの生活の中で食生活の見直しや健康づくりに取り組むことの大切さなどを直接県民の皆様に伝える健幸アンバサダーの養成や社員食堂におけるヘルシーメニューを提供する支援など働き盛り世代に対する取り組みを強化し、全県において地域、事業所、家庭における食を通じてのさまざまな健康づくりを推進しております。
 今後は、日本一の食材数四百三十九品目を誇り食生活が豊かである本県の特性を生かし、全ての年代の県民の皆様に対しみずからが進んで食生活の改善を実行していただけるように食育の大切さを啓発することで健康寿命日本一を目指してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 大石哲司君。
       (二十二番 大石哲司君登壇)
○二十二番(大石哲司君) 真摯な御答弁、ありがとうございました。
 まずは要望を二点、一つはIoTを活用した農業用水の遠隔管理についてですが、以前若いときはそれこそ田植えから刈り取って天日干しという一連の米づくりをやっておりましたが、加齢とともにですね、刈り取りは任せたり、もう脱穀も任せたりという話で米づくりの前半の部分だけ、それこそ水の管理だけをやっているような状態ですので私が田んぼに入れる間にぜひ実用化に向けて早期にお願いしたいと思います。
 それと健康長寿ですが、九月は敬老会が各地で行われました。少し前までは静岡県は日本一だよという切り出しでいったんですが、今は上位、トップクラスということでちょっと位置的な部分を濁しているんですね。ぜひこれ胸を張って日本一と言えるような静岡県につくっていただきたいと思います。
 一点、再質問させていただきます。
 馬込川中流域の治水対策です。県と市が連携してやっていただけるという話ですがすごいすばらしい言葉で、総合的な治水対策でという夢のような言葉に聞こえるんですけれども、これ総合的な治水対策の例示というのを二、三挙げていただけますか。これが対策の一つだよというのがありましたら。よろしくお願いします。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
○交通基盤部長(鈴木克英君) 再質問ありがとうございます。
 県下、現時点で一番有名なのは静岡市を流れます巴川の総合治水対策ということでございますが、これは遊水地だけではなくて放水路、こういった河川整備だけじゃなくて学校の校庭ですとか公園、こういったものに雨水を一時貯留する施設をつくる、あるいは例えば家の軒下に各戸貯留をするといった、そういった要は河川だけではなくて流域全体で雨水を受け持って河川に流れ出る水の量を減らしていこうというような取り組みを総称して総合的な治水対策というふうに呼んでおりまして、これは県内各地で行われておりまして馬込川につきましてはかなり過去に昭和の時代から特に浜北市のエリアで学校あるいはため池を利用した雨水貯留池等が整備されておりますものですから、それらの機能を改善した上で治水対策に生かしていくという考えは今後浜松市と連携して進めていきたいというふうに考えてございます。以上です。
○議長(杉山盛雄君) これで大石哲司君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩をいたします。再開は十五時といたします。

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