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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成22年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

阿部 卓也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2010

会派名:

平成21


質疑・質問事項:

1 ふじのくにブランドの創造について                
   「工業版ふじのくにブランド」の創設及び「ふじのくにブランド創造課」の設置                     
2 NP(ナースプラクティショナー)の養成について         
   県立大学等への専門コース設置と実習病院の確保         
3 DIG、HUGを使った防災人材育成について           
   企業・団体・労働組合等の研修での実施による県民防災意識の向上                           
4 ふじのくに芸術街道への提言について               
 (1) 静岡文化芸術大学を拠点とした「ふじのくにこども芸術大学」の設置                          
 (2) ふじのくに遺産                        
 (3) 民俗芸能の拠点づくり                     
5 浜北の県立森林公園のあり方について               
   新規利用者をふやすための取り組み               
6 ふじのくに高校教育のあり方について               
 (1) 都市部以外の公立高校への支援のあり方と教育委員会のスタンス                            
 (2) 私学のあり方



    ○議長(浜井卓男君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第一号から第四十五号まで、第四十七号から第四十九号まで、第五十一号から第五十六号まで、第五十八号から第六十七号まで、第七十号から第九十号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十六番 阿部卓也君。
           (十六番 阿部卓也君登壇 拍手)
    ○十六番(阿部卓也君) 皆様おはようございます。平成21の阿部卓也です。
     私は、現在の日本は地域主権への幕あけというよりも動乱が始まったところであると認識しています。この動乱の中で、いかに静岡県が勝ち組になるか、そのためのキーワードはローコスト、アイデア、資源を生かす、そして人材育成と意識改革だと思います。また地域主権というのは、地方から発案して時代に合っていない国の法律や制度を変えることでもあります。提案をしワールドワイドの視野で戦略も考える、それが地域主権をかち取るための道だと思っています。そんな観点から、以下六項目について提言を主とした質問をさせていただきます。
     初めに、ふじのくにブランドの創造についてお伺いいたします。
     静岡県がものづくり県であることは衆目の一致するところでありますが、そのものづくりの現場を支えてきたのは中小零細町工場の皆さんです。今このものづくり現場が瀕死の状況に追い込まれています。毎月のようにコストダウンを迫られ仕事を受ければ赤字になってしまう、でも仕事がないよりましという悲惨な状況が県内でも起きています。この静岡県の宝である技術力、特に工業技術をどうやって守っていくか、そして次の静岡県を支える新産業に応用し育てていくか、それが喫緊の課題です。
     そこで提言いたします。工業版ふじのくにブランドを構築したらどうかと。これは県内中小企業、特に町工場や個人経営の零細企業群にスポットを当て、彼らにない発信力、セールス力などをふじのくにブランドとして静岡県がかわりに広く広報するのです。
     わかりやすく言うと、株式会社良品計画という会社がありますが、あの会社の創業当時のコンセプトは、ノーブランドでもよいものがたくさんあります。品質は西武・西友グループが保証します。だから信用して買ってくださいと、信用をバックボーンに使ってノーブランド製品を「無印良品」というブランドに仕立て上げました。まさにそれです。無名でも本当に良質な工業製品を静岡県が保証する、静岡県の信用を使ってふじのくにブランドとして世界に売り出すのです。
     また、別の形の実践例として、新潟県に燕三条地域という金属製品を中心としたものづくりの盛んな地域がありますが、ここの地場産業振興センターでは地元零細企業の皆さんが企業情報を登録をし、全国からの仕事をインターネットなどを通じて受注し、わずか三人の事務局で仕事内容を精査し、会員の特性に応じて振り分けるシステムをとっています。
     実際に見てきましたが、事務局の伊藤専務は言います。「メーカーの系列にこだわらず、適正な価格で技術力を評価してもらう。でないと中小零細企業はいつも調整弁になってしまう。技術が継承されないばかりか、次の技術をつくり出す活力も生まれない。プライドを持ってこのプロジェクトを進めています」と。こうして実際、燕三条ブランドという信用に全国から仕事が舞い込んでいる姿こそ、まさに知事が言うものづかいの一つの形ではないかと思います。
     また、あわせて農林水産品も含めたふじのくに産品のものづかいをすべて所管するふじのくにブランド創造課の設置も提案いたします。
     先日、一村一品運動などでブランドづくりには一日の長がある大分県のおおいたブランド推進課に勉強に行ってきましたが、ここでは「口コミを使った広報システム」、「会員制クラブによる大分産品のファンの取り込み」、「思わず食べたくなる写真のつくり方」――写真をじゃないですよ、この写真に写っている産品がです――、「ストーリー性のある製品づくり」などなど、思わずなるほどとうなってしまうような発展的なブランド化の段階に到達していました。これらも学び取り入れつつ、総合的なふじのくにブランドの創設を平成二十二年度の中小企業施策の具体策の一つとして検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。キーポイントは技術と創造力と新たな資本の新結合です。
     次に、ナースプラクティショナーの養成についてお伺いいたします。
     ナースプラクティショナーとは、完全な定義はありませんが、看護系大学院において専門的教育を受けた高度な能力を持つ看護師のことです。一九六五年アメリカで始まった制度で、具体的には比較的安定した状態にある患者を対象に医者の業務を代行し、問診や簡単な検査や診療、薬剤処方などを行います。世界の主要国では既に導入されており、医師の負担軽減、医師のいない郡部や過疎地域でも大活躍し、医師不足の解消に大きな力となっています。日本での法制化は医師会の反対もあり、まだなされていません。完全に世界の潮流に乗りおくれているのです。
     しかし、ここへ来て昨年の政権交代によって法改正への動きが急速に進み始めました。先月二月十八日、厚生労働省は従来よりも幅広い範囲の医療行為のできる特定看護師制度の導入を法制化を含めて検討することを発表、今月三月十九日の厚生労働省、チーム医療の推進に関する検討会での議論を経て最終決定される見込みとなっています。ナースプラクティショナー業務すべてというわけにはいきませんが大きく前進が始まったことだけは事実です。
     また、近年日本では、このナースプラクティショナー養成の動きが法制化を見越して始まっており、平成二十年四月に大分県立看護科学大学大学院に専門養成コースが創設されたのを皮切りに、平成二十一年四月に国際医療福祉大学、聖路加看護大学、今年平成二十二年四月からは聖マリア学院大学、北海道医療大学、東京医療保健大学に養成コースが設置されます。
     このうち、大分県立看護科学大学については県立ということもあり、昨年十二月に佐野愛子厚生委員長、大塚善弘議員とともに会派としての緊急視察を行いました。ナースプラクティショナーの有用性を実感するとともに、日本初の取り組みということもあり準備段階からかなりの御苦労があられたようですが、医師不足解消のために全国に先駆けてと、知事を初め大分県議会が一丸となってこれを支え設立にこぎつけたとのこと。
     私は、静岡県もこのナースプラクティショナーの養成に、現実的な医師不足解消策の一つとして一丸となって早急に取り組むべきであると考えます。幸いにして静岡県にはこのナースプラクティショナー養成コースを設置できる可能性のある大学が四校あります。静岡県立大学看護学部、浜松医科大学医学部看護学科、聖隷クリストファー大学看護学部、順天堂大学保健看護学部の四校です。このうち特に静岡県立大学については県が主導的な働きかけが速やかにできるはずです。この際ぜひこのナースプラクティショナー養成に積極的に乗り出すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
     また、ナースプラクティショナーの実習についてですが、県内に養成コースが設置されれば当然必要になりますし、現在、養成に乗り出している全国六校の実習先としても県立三病院、がんセンターでの実習受け入れも可能であります。あわせてこちらの検討も早急にいたすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
     次に、DIG、HUGを使った防災人材育成についてお伺いいたします。
     DIGとは、災害図上訓練ゲームの略称です。参加者は大きな地図を囲み、災害の発生したことを想定して被害想定をし、対処の方法を議論したりして災害の危険性を実感します。HUGとは、静岡県が開発した避難所運営ゲームの略称です。もしあなたが避難所の運営をしなくてはならない立場に立ったときどうするか。殺到する人々をどうするか、救援隊、救援物資の扱いをどうするかなどなど問題が山積していることを実感できます。
     この二つのゲームは、手軽に防災意識の向上につながる非常によいものだと私は認識していますが、県民の皆様には広く周知されているとは言えない状況です。二十二年度予算案の中で防災関連予算は重視されています。しかしながら地域防災のかなめとなる防災人材の育成は大きな課題のままです。そこで企業、団体、労働組合の研修などでDIG、HUGの実習を進めることによって、参加者の皆様に何らかの気づきや災害時の状況を想定できることによって、県民の防災意識の向上につながるのではないかと考えます。
     私は、防災対策の一番は意識づけだと思いますが御所見をお伺いいたします。
     次に、ふじのくに芸術街道について三点の提言をさせていただきます。
     私は、知事の提唱するふじのくに芸術街道について大賛成です。人間の感性はさまざまな幸福感を人間に与えてくれますが、その感性をはぐくむものは文化芸術や雄大な自然によるところが大きいと考えるからです。
     そこで、一つ目の提言ですが、感性が最も敏感なのは子供です。その子供たちの感性が刺激される場をもっとつくってあげられないか。そして子供たちを将来のふじのくに芸術街道の担い手として育てていけないか。そう考えて静岡文化芸術大学を拠点としたこども芸術大学の設置を提言いたします。
     愛知県にあいち子ども芸術大学がありますが、これは県内各地で五十余りのさまざまな文化芸術に触れる機会、体験できる機会を一年間の講座として開いています。都市部だけでない全県での開催です。人気もあるようです。これのよいところを取り入れ、ふじのくにの各地でさまざまなメニューで開催する。また文化芸術大学では、こども芸術大学にかかわりながら将来的に教員や学生たちが芸術街道の中心的な役割を担えるように爛熟をしていく、そしてそこかしこでさまざまな形でコミットメントしていく。それこそが川勝知事が学長時代に目指された地域力をつくる、場の力をつくる開かれた大学の完成形ではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
     二つ目は、ふじのくに遺産についてです。
     これは「九州遺産」というテレビ番組がヒントですが、一九九七年から二〇〇二年まで九州、沖縄のJNN各局が持ち回りで、それぞれのエリアに残るかけがえのない自然、文化、民俗芸能、遺跡、遺構などを毎年各局一本、五年間で合計三十五本がつくられました。かけがえのない遺産をアーカイブ化して残すだけでなく、その地域の人たちは改めて地域の宝の大切さを知り、他地域の人たちはあこがれと畏敬の念を持って遺産を見に来るというような効果もあったようであります。余りの好評ぶりに今度はTBSが制作に乗り出し、現在BS―TBSで毎週火曜日「新九州遺産」として続編が放映されています。
     この際、さまざまな魅力があふれるふじのくにですから、県内民放各局にも協力を働きかけ、「ふじのくに遺産」を制作してみたらいかがでしょうか。改めて映像で見る身近な「ふじのくに遺産」は、きっと県民の皆様の心をとらえて離さないでしょう。観光面を初めさまざまな形で静岡県のPRになること受け合いです。ぜひとも具体的に取り組むべきと考えますが御所見を伺います。
     三つ目は、次世代に受け継ぐ地域文化継承事業の一環として、民俗芸能の拠点と伝統芸能バンクをつくったらいかがでしょうか。
     民俗芸能の拠点といっても何も新たに箱物をつくれというわけではありません。県内各地には多くの民俗芸能がありますが、その中でも特に、ちょうどけさの新聞にも水窪の西浦の田楽の記事がありましたが、民俗学の宝庫と言われる天竜川流域は特に多いので、浜松市天竜区にある天竜材を豊富に使って建設された壬生ホールに併設をさせていただき、そこで常設展示や年に何回か各地の民俗芸能公演が行われるようにできたらどうでしょうか。
     そこには、新たな民俗芸能の広がりと担い手が育っていく可能性が生まれてくるはずです。また壬生ホールの隣接地には秋野不矩美術館もあり、天竜川の自然とも相まってすばらしい文化拠点が形成できると私は感じています。今後流域自治体とも連携して、天竜川流域のグランドデザインを描く一助にもなろうと思いますので、検討の価値は十分にあると思いますが御所見を伺います。
     次に、浜北にある県立森林公園のあり方についてお伺いいたします。
     通称県立浜北森林公園は年間入り込み客が百万人ありますが、この多くはリピーターであるとされています。森林公園には各種の親と子供の触れ合いを進められるようなメニューや自然を満喫できる事業、例えばムササビ観察ナイトツアーとか、子供の感性を大いに刺激するすばらしいメニューがそろっています。私は子供たちにもっとこの公園を知ってほしいとかねがね思っています。でも公園においでいただかない限り、このすばらしさはわかりません。まずは一人でも多くの方においでいただくこと、これが第一義ではないでしょうか。
     ゆえに、もう少し地元の声を聞き、どうしたら入っていただけるか工夫をしていく努力、例えば子供たちとその親たちの興味をそそるツールとして、自然素材の滑り台や映画「となりのトトロ」に出てくるトトロのねぐらへと続く木立のトンネルをつくったりして、まずは「おもしろそうだ、ちょっと行ってみようかな」と思ってもらうことが大切だと私は思います。御所見をお伺いいたします。
     最後に、ふじのくにの高校教育のあり方についてお伺いいたします。
     最初に私の公共サービスについての考えを申し述べますと、公立高校を含む税金を主たる財源として行われる公共サービスは、もともと営利ベースに乗らないものが多いから、公共セクターで税金をちょうだいしてサービスを提供していくものだと理解しています。ゆえに我々公共セクターの使命は、はからずも弱い立場に立たされている人たちや地域のために優先的に税金を使い、権限も使うべきだと認識しています。
     さて、その観点から見て公立高校のあり方でおかしいと感じるのが、今、教育委員会の進めている高校の統廃合の対象校のセレクトです。統廃合自体は生徒数の減少が長期的に予測されているだけに了としますが、例えば大仁高校と修善寺工業、天竜林業高校と二俣高校、引佐高校と三ヶ日高校と気賀高校などなど、過疎地域や都市部以外の高校ばかりをねらい撃ちにして統廃合を進めているように見えるのは私だけではないはずです。
     それらの地域の高校生が減少率が高いことはよくわかっています。しかしながら生まれ育ったところが都市部でない子供たちは、自分の居住地域での教育機会をますます奪われていると言っても過言ではありません。そして子供の教育機会を奪われた親はどうするか。いたし方なく子供の教育のために家族で都市部へ引っ越しをする、これはひいては過疎化の進行に拍車をかけているとも言える重大なことと私は考えます。
     また、教員配置についても、周辺校と言われる高校では全教科の担当者がそろっていない状況が多々見受けられます。これも県内の高校生にあまねく均等な教育機会を提供せねばならないはずの公立高校のあり方としていかがなものかと思います。一方で都市部はどうか。私立高校の大部分は都市部に立地しています。これは経営を考えなければならない私学の立場としていたし方ないことと理解しますが、ゆえに都市部では高校が飽和状態となっています。これ高校の立地を考えたときに矛盾していませんか。
     また、私学側のスタンスも、毎年十月に公私立高等学校協議会という会合が持たれますが、平成二十年、二十一年の議事録を読ませていただく限り、ここで議論されているのは大部分が定数配分の話と私学助成の話ばかり。これでよいのでしょうか。本来同じ静岡県の高校生をお預かりする者同士、どうしたらよりよい高校教育ができるか、どうしたら豊かな心を持った高校生を育てられるかというようなことをまず論ずべきではないかと私は思います。初めに経営ありきではなく初めに教育ありきではないでしょうか。また議事録によると、せっかく公私の教員の切磋琢磨、情報交換のための人事交流も平成十二年からはないとのこと、何かがおかしくはないでしょうか。
     そこで教育長にお伺いいたします。今後の統廃合についてどのように考えるのか。また教員配置はどのような方針で考えていくのか。そして都市部以外の高校の地理的ハンディーにどのように対処し支援を考えていくのか。そして私学も含めた静岡県の高校教育のあり方についても今後どうお考えになるのか、御所見をお伺いいたします。
     また、知事及び私学を所管する県民部にもお伺いいたします。今後静岡県は高校教育を一貫性をもって考え、私学、公立の特性を生かして、ふじのくにの高校教育を高めていくために、助成のあり方も含めて私学の皆様にどのようなスタンスで臨んでいくのか。また公私立高等学校協議会などの場においては、定数や経営の話ばかりでなく、もっと教育の本質論を議論すること、もちろん一元化論も排除することなく、さまざまな議論を深めていくことが大切と痛感いたしますが、御所見をお伺いいたします。
     以上申し上げて、とりあえず私の質問を終わります。(拍手)
    ○議長(浜井卓男君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 阿部卓也議員にお答えいたします。
     数々の建設的な御提言をいただきましてありがとうございました。
     まず初めに、ふじのくにブランドの創造についてでありますが、工業版ふじのくにブランドというのはまことによいアイデアであると思います。それをつくり上げるためにふじのくにブランド創造課を設置せよということですが、すぐにはできませんけれども、本県にはオンリーワンの製品を生み出すことのできるすぐれた技術を持つ中小企業がたくさんあることは御承知のとおりであります。
     こうした中小企業の技術や製品が顧客に認められて新しい取引につながるように、県内外でこれまでも展示会への出展に対して支援をしてまいりました。差し当たってこのブランドをつくっていく上で、こうした取り組みに加えまして商工会議所などと連携いたしまして、小規模でも高い技術を持って特色のある製品をつくっている中小企業が、新しい事業分野でも付加価値の高い仕事ができるように、インターネットを活用した仕組みを検討してまいりたいと存じます。
     阿部議員は燕三条に行かれて、そこで地場産業振興センターを見学されたとのことですが、燕三条は金属工業で有名です。しかし本県におきましては、そうした技術だけでなく光あるいは健康、医療、食品等かなり分野が広うございまして、そうした多くの分野において県内中小企業が新しく事業展開ができるようにしなければなりません。
     こうした企業の多くは輸送用の機器や電気機械などの産業を支えているわけですけれども、しかしほかにもそれが使えるはずだと。まさに新結合です。ものづかいというような観点から、自分たちのつくっているものが新しいどういう分野で活用可能かということを考えていただくような、そういう支援をしてまいりたいということで、独自の技術や製品を持つ中小企業を新しい分野に導くためのホームページを作成してみたいと思っております。このホームページを作成するにつきましては予算措置もできますので、県議のアイデアなども活用させていただいて、顧客の視点に立ったわかりやすい魅力のあるものとしたい。掲載企業の受注の増加に結びつくように専門家を活用してやってまいりたいと思っております。
     工業版ふじのくにブランドというのは、もちろん農芸品としてのブランド、要するに一次産業から三次産業全部含めたふじのくにブランドの推進ということの一環として取り組んでまいりたいと思います。
     次に、ナースプラクティショナーの養成についてであります。
     アメリカで始まりましたので片仮名語になっておりますけれども、あえて訳すれば診療のできる看護師さん――診療看護師ということだと思いますが、これはまだ日本では制度化に向けた議論がなされていませんが、医師が不足している、同時に病院での勤務医の仕事が極めてきついというような観点から、この点は前向きに検討に値すると思っております。
     我が国におきましては、医師や看護師などから成るチーム医療の推進の中で、看護師の自律的な判断や実施できる行為の範囲の拡大が必要であるという観点から、これに近い職種として特定看護師についての議論が始まりました。ただこのことに対しましては責任所在があいまいになることへの危惧や、患者を危険にさらすおそれがあるなどという医師会からの意見も強く出ております。しかしながら本県が直面しております医師不足、勤務医の仕事の過剰というようなことに照らしまして、全体のこうしたナースプラクティショナーの養成に向けての動きにさおを差すと、それを積極的に推進していくという観点から関係機関の意見などを聞くとともに、時期を見ながらといいますか、時期が来たという観点に立って、養成コースの設置につきまして前向きに検討してまいりたいと思います。
     県立大学には前向きに検討してくださるように働きかけてまいります。他の看護系大学につきましては、もちろんおのおのの大学の御判断によるわけでございますけれども、前向きの御判断をお願い申し上げたいというふうに思います。
     仮に県内に養成コースが設置された際でございますけれども、もう既に大分県では平成二十年から大分県立看護科学大学でそのコースが設けられているということで、実習をどうするかということが必ず問題になってまいります。したがいましてそういうようなところから具体的な要請があった場合どうするかということがまずあります。それから本県でそうした特定看護師ないしナースプラクティショナーの養成機関をつくりますと、それを病院がどう受けとめるかということですが、県立がんセンターと三つの県立病院の受け入れ態勢についても、これは検討していただかねばなりません。こうしたがんセンター並びに県立三病院においても、検討をしていただくように進めてまいりたいと考えております。
     DIG、HUG、いわゆる災害想像力並びに避難所運営の図上訓練、これにつきましては大変重要だと思いますので、正確には危機管理監のほうからお答えをしていただくようにいたします。
     次に、ふじのくに芸術街道への提言のうち、静岡文化芸術大学を拠点としたふじのくにこども芸術大学の設置についてであります。
     これはあいち子ども芸術大学と言ってもこれは愛知県立大学ですね、したがってその実態をよく調べなくちゃなりませんけれども、これも大変重要なことなので前向きに検討してまいりたいと思います。将来の文化を担う人材を育てていくためには、感受性豊かな子供の時期に感動し刺激を受けるような本物の文化に数多く触れる経験が重要であります。
     本県におきましても文化振興基本計画をつくっておりまして、子供が本物の文化に触れる機会の充実を重点施策として掲げています。そうした施策を受けまして県の文化施設で子供たちの文化芸術鑑賞事業を実施しておりますが、しかしそれでは不十分だという、そういう御指摘でもありますので、そしてまた静岡文化芸術大学は、いわば地域におけるそういう文化政策を担う大学でもございますので、そこが拠点になりまして、名称はともかくといたしまして、子供たちの好奇心を刺激するようなさまざまな芸術に関するメニューを提案していただくように働きかけてまいりたい。
     特にこれはいろいろな文化祭ですね、学生さんがいろんな学校であるとか養護施設とかいろんなところへ出かけていかれて、そして現場でいろいろな話を聞きながらそれをまちの人に見せるという、そういうことをやっているわけですけれども、必ずしも体系性を持った形でされているというふうには思いませんので、それをどのようにするかにつきましては文化芸術研究センターというものがございまして、そこに静岡文化芸術研究センターという大学の中に設置されているセンターですけれども、そのセンター、三枝成彰先生とほかにもう一人ぐらいプロの方をお呼びいたしまして、本格的に政策的に、子供に対して本物の文化芸術に触れる機会をふやしていくという、そういう仕組みをつくってまいりたいと思います。
     その他につきましては関係部局からお答えいたしますけれども、一、二のコメントだけしておきますと、「九州遺産」に応じた「ふじのくに遺産」のつくり方ですね、これは非常に重要だと思います。「九州遺産」の動きが出てきたのは、あれは九州の産業遺産というものを世界文化遺産にしようという動きがあったことと関係しています。しかしこれは例えば九州の南の鹿児島におきまして集成館事業というのがあります。あるいは長崎の造船所があり、あるいは高島炭鉱があります。それから八幡――北九州市の製鉄所があります。非常に広い範囲にわたって産業遺跡があるということから、それをネットワークでつなげようという、そういうことから始まったと認識しております。
     したがいまして、こういうふじのくにの遺産ということになりますと、今は伊豆半島ではジオパークのような形で遺産認定をしていただく、そして東部におきましては富士山がございます。
     天竜川のことを言われましたね。私は天竜川というのは、おっしゃるようにいろいろな民俗芸能、伝統的な文化がいわば残っているのが不思議なくらいです。恐らく京都から流れてきたものが天竜川をさかのぼっていくうちに、そこで関係の方々が居ついたりして残っているので、まさに民俗芸能の宝庫とも言えるところだと思いますが、例えば天竜川をそのような文化性を持った川として、本県でも一番長い川でありますが、例えば世界文化遺産とするという運動をしてもいいですね。
     川としての世界文化遺産はまだありません、世界じゅうに。しかし日本における川というのは、ローマにおける道に匹敵するような文化文物を運んできたものであります。そういう意味におきまして、民俗芸能を集積するような、壬生ホールのようなものを活用するというのも一つの、これは地元の方々の意向にもよりますけれども、そうした運動が起こってきますと上流から下流まで一体として、いわば生活の川、産業の川、文化の川として世界文化遺産と。名前もすばらしいですから、天竜に匹敵する名前の川を探すのは難しいくらいです。富士川は富士山には負けます。安倍川とか大井川に比べると天竜というのは世界性を持った――ヘブンリードラゴンですから――と思いますので、そういう言霊を活用するということも一案ではないかと思うわけであります。
     森林公園につきましても、これは百万人で安心してもらうというのはよくありませんね。何かもう少し大きく取り上げる、この公園のよさを広める知恵を必要としているんではないかと思います。
     高等学校教育につきましては議員の御心配は私も共有しております。人口が少なくなって都心に運んでくるというのは、都市化というのは近代の流れであったと思っておりますが、この流れを逆転させるという、あるいは逆転しつつあるんだという認識をもって逆転させるという思考を持つほうが重要だと。私は東京で今起こっておる自然回帰というのは、これは本県におきましてはいわゆる過疎地域というものの可能性をもう一度見直して、そこには家・庭一体のいわば生活空間が都会と比べて倍増するような、そうしたものを魅力あふれる定住空間をつくっていくということが結果的に人口増になり、そして高等学校のいわば整理統合というものに対しまして歯どめにもなるのではないかと思っております。
     そんなことで補足的なコメントいたしましたけれども、他の今申しましたことにつきまして、もう少し詳しく関係部局のほうからお答えをいたします。
    ○議長(浜井卓男君) 小林危機管理監。
           (危機管理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機管理監(小林佐登志君) DIG、HUGを使った防災人材育成についてお答えいたします。
     企業、団体、労働組合等の研修での実施による県民防災意識の向上についてでございますが、お尋ねのDIG――ディザスター・イマジネーション・ゲーム、この頭文字を取った略語ですが――につきましては、図面上において被害の発生をイメージすることができますので、事業所における防災計画や事業継続計画の作成、施設設備の改善、こういったことなどにも役立つものと考えております。
     また、HUG――避難所運営ゲームの略称ですけれども――これにつきましても、県が避難所の運営訓練に役立つように開発したものでございますが、事業所におきましても、被災後に発生するさまざまな事態への迅速な対応や解決能力の養成などに応用できるのではないかと考えております。
     今年度、家庭内における防災対策や防災意識の向上を図るため、DIGの家庭版を作成し、今その普及に努めておりますが、なるべく早い時期にDIGやHUGに工夫を加えまして事業所版を作成し、事業所が職場研修などで活用していただくことで防災対策の強化や従業員などの防災意識の向上に役立つものと考えております。
     なお、県全体の防災意識を高めるためには、そのリーダーとなる人材を育成することが大変重要でありますので、県が地震防災センターなどで実施する研修につきましては受講者の利便性を図るため、その一部を夜間や休日に開講できないか検討を進めております。また事業所版の普及や従業員などの防災意識の向上に向けて、事業所への出前講座などにも引き続き積極的に取り組んでまいります。
    ○議長(浜井卓男君) 松浦県民部長。
           (県民部長 松浦敏明君登壇)
    ○県民部長(松浦敏明君) ふじのくに芸術街道への提言についてのうち、ふじのくに遺産についてお答えいたします。
     昨年開催された国民文化祭では、神楽や田楽などの伝統芸能や多くの文化財が地域の人々にとって郷土愛や誇りを生む源泉になるととともに、地域の魅力を高め交流を生み出す重要な文化資源となっていることを再認識することができました。
     このため、これまで十一月上旬を中心にしずおか文化財ウイークを設定し、伝統芸能や文化財に気軽に触れ合える機会を提供してまいりましたが、こうしたことに加え来年度は、県内の伝統芸能の動画をホームページ上で公開したり、本県の発展の先駆けとなった産業遺産を紹介する冊子を作成するなど広く県民の皆様に情報提供してまいります。また伝統芸能や文化財以外にも民芸品、農芸品、工芸品などの文化資源もありますことから、現在それらを調査しているところでありまして、今後ふじのくにの文化遺産として取りまとめ、県民の皆様にその存在や意義を知っていただけるよう効果的に情報発信してまいります。
     次に、浜北の県立森林公園のあり方についてであります。
     新規利用者をふやすための取り組みについてでありますが、県立森林公園は自然に親しみながら森林や自然の効用、大切さについて理解を深めるための自然触れ合い施設として開園から四十五年を迎え、自然散策やウオーキング、さらには多彩な自然体験学習の場として幅広い年齢層の方に利用していただいております。「住んでよし 訪れてよし」の理想郷を目指す本県といたしましては、より多くの県民の方々に自然との触れ合いや体験学習を通じて、森林や自然に対する理解を深めていただくことが重要であると考えております。
     これまで県では、森林公園の利用者拡大に向けて、ビジターセンターの改善や利用者のニーズに合わせた体験プログラムの開発、実践に取り組むとともに、周辺施設と連携した情報発信なども行ってまいりました。今後は、さらなる利用者拡大に向けて人気の高い幼児向けの体験プログラムの回数をふやすとともに、公園の魅力向上策や地域と連携した運営の仕組み等について地域の皆様などから御意見を伺う場を設けてまいります。
     次に、ふじのくに高校教育のあり方についてのうち、私学のあり方についてであります。
     平成十八年に施行された改正教育基本法に掲げていますように、私立学校が公の性質を有し学校教育において重要な役割を果たしているものと認識しております。
     本県におきましては、現在私立高校に県内高校生の三一%が在籍し、本県の教育に大きな比重を占めているところであります。また生徒や保護者の選択肢をふやすという観点からも、私立高校と公立高校が各学校それぞれの特色を生かし、切磋琢磨しながら教育環境を充実していくことは意味あるものと考えております。これまでも教科指導や生活指導などで実践した成果を共有したり、スポーツや芸術部門で実績のある指導者が公私の別なく研修会講師を務めるなど、私立高校と公立高校の間でお互いを高めるために連携してまいりました。
     今後は、私立及び公立高校の設置者や学校長、行政関係者で構成する静岡県公私立高等学校協議会などを、これからの高校教育の水準向上について、私立、公立の教育関係者が協議する場としていくことで、ふじのくにの高校教育が発展していくものと考えております。
    ○議長(浜井卓男君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君)ふじのくに芸術街道への提言についてのうち、民俗芸能の拠点づくりについてお答えいたします。
     県西部地域には天竜川領域を含め神楽やおはやしなどふるさとに根づいた貴重な民俗芸能が豊富にあり、これらを大切に保存、継承していくことは、子供たちや地域の人々の郷土愛をはぐくみ地域の魅力、文化力を高めていく上で大変重要なことと考えております。地元の天竜林業高校では、生徒が実習で製作した太鼓を活用し、郷土芸能部が卒業式などの学校行事や地域に出向いて、若杉太鼓の名のもと演奏活動を行い、見る人、聞く人の感動を呼び、地域の活性化に一役果たす活躍をしております。
     県教育委員会といたしましては、これまで全県的な調査による伝統文化の掘り起こしのほか、無形民俗文化財の用具や衣装等に対する補助事業などを行ったり、本年度はしずおか民俗芸能マップの作成に協力するなど、その地域ならではの大切な文化を守るための支援や保護に努めてきたところであります。今後ともこうした取り組みを積極的に継続し、民俗芸能保存会等に静岡県文化財団のホームページしずおかの文化情報への登録を呼びかけるなど、ふるさと文化の拠点づくりと幅広い県民に支えられた民俗芸能の振興に努めてまいります。
     次に、ふじのくに高校教育のあり方についてのうち、都市部以外の公立高校への支援のあり方と教育委員会のスタンスについてであります。
     県教育委員会では、平成十七年三月に策定した静岡県立高等学校第二次長期計画に基づき、五地区十二校の再編整備を平成二十七年度までに完了し、その後は再編完了時の八十七校体制を当面維持していきたいと考えております。
     私も十数年前、過疎地域の校長を務めておりました。生徒の数に比して教員が多く配置されている利点を生かし、一学年二学級のところを三学級として運営をいたしました。当時は定員割れなどは起こしておりませんでしたので、一学級の生徒は四十人から二十六、七人となり、細かいところまで目の行き届いた手づくりの教育の実践が可能でありました。今でもその伝統は引き継がれていると聞いております。
     ただ、生徒の絶対数が少ないため、部活動の選択肢は限られていたものの生徒は若手の教員とともに汗を流し、充実した高校生活を過ごすことができ、当時校長として小規模校に対する県の手厚い支援には感謝の気持ちでいっぱいでありました。しかし今後生徒数の大幅な減少が続きますと、単独の学校での部活動も困難になることが予想されますので、教育委員会といたしましては、新たにしずおか型部活動検討委員会において、近隣の学校が合同で部活動を行う場合のあり方等について検討するほか、過疎地域の小規模校への学校経営予算の加算配分の仕組みについても研究していきたいと考えております。
     また、平成十九年度末の人事異動から、教員に対して遠隔地の学校への希望表明制度を新たに設けましたので、意欲のある経験豊かな教員の配置が促進され過疎地域の教育の充実につながっております。
     なお、私学も含めた本県の高校教育のあり方につきましては、ふじのくにづくりの基盤となる有為な人材を育成するため、同じ公教育を担う立場から、公立、私立が一層の魅力化を図るとともに、今後も公私協調のもと公立と私立の教員が一緒に研修するなど、お互いが連携し切磋琢磨することで発展、充実していくことが必要であると考えております。
    ○議長(浜井卓男君) 十六番 阿部卓也君。
           (十六番 阿部卓也君登壇)
    ○十六番(阿部卓也君) 知事初め皆様、前向きな答弁を多々ちょうだいしましてありがとうございます。ただ、何点か再質問をさせていただきます。
     まず、工業版ふじのくにブランドについてですが、ホームページというお話でしたが、私が言っているのは、ホームページ、インターネット、パソコンなんてさわったことないよという町工場のおやじさんたち、こういう人たちのちゃんと現場に行かないとだめなんです。だからこれを構築されていく皆さんにはぜひ現場に行っていただきたいと思います。「無印良品」というのを引き合いに出したのは、あれは消費者の目の前にあるから、それと同じような感覚で工業部品、ねじ、ばね、こういうのが本当にいいものなんだというのを実感していただきたいと思います。ぜひもう一度これは御所見をお願いします。
     ナースプラクティショナーについてですが、これ、作業を急げば来年、平成二十三年四月にはスタートができる話であります。それを目指されるのかどうなのか、それをお聞きしたいと思います。
     それから実習についてですが、がんセンター局長。がんセンターではこれ実習受け入れられるかどうか、まずそれをお聞きしたいと思います。もしこれ受け入れられれば看護師不足に悩むがんセンターの一つの、別途がんセンターで実習させてもらっているからそこに行かそうというようなこともできるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
     それから、「ふじのくに遺産」ですが、これもテレビを持ち出したのはホームページや冊子では触れられない人がいっぱいいるからです。テレビ、テレビほど普遍的なものはありません。これは先ほど言及されませんでしたがテレビ局に協力を仰ぐのかいかがか、それを聞きます。
     それから、民俗芸能、壬生ホールは検討するのかどうか。
     それから、教育についてですが、県民部長、通り一遍のお答えをいただきましたが、「きょういく」というのは鏡の育つと書く、「鏡育」の意味、みずからそういう熱意を示していただきたいと考えています。
     それと天竜川の遺産の話に戻りますが、知事、天竜川を世界遺産にとおっしゃいましたが、これ天竜川世界遺産目指すためには、まず天竜川文化プロジェクトとして、もろもろ天竜川がどういう川なのかというのを関係自治体とまとめていくのは、グランドデザインを描くのはいかがかと思いますがいかがでしょうか。
     以上お聞きして質問を終わります。
    ○議長(浜井卓男君) 堀川産業部長。
           (産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○産業部長(堀川知廣君) ふじのくにブランドづくりの中のホームページに関してでございますけれども、現在ホームページをしずおか産業創造機構の中に県が支援して持っていまして、ビジネスパークしずおかというのを持っています。この中に登録されているのは現在十四万社ある中小企業の中で約三千ということであります。これを膨らめていこうということで今作業を進めようとしていますが、今議員御指摘のように現場に出ることが大変大事だというふうに私も思っています。私を筆頭にして現場に出て現場の声を聞きながら、できるだけたくさんホームページに登録していただいて、役に立つ、利用されるホームページにしていきたいというふうに考えています。
    ○議長(浜井卓男君) 石川厚生部長。
           (厚生部長 石川俊一君登壇)
    ○厚生部長(石川俊一君) ナースプラクティショナーの養成コース、急げば二十三年度にも間に合うんじゃないかということなんですけれども、先ほど知事からも御答弁申し上げましたように、現在国のほうで、特定看護師……。失礼しました、ナースプラクティショナーではございません、特定看護師でございます。この制度については国のほうで現在検討が進められていて、早ければ三月にも方針が出されるだろう。法制化についてはもう少し先になると思います。
     そうしたことから仮にそういう法制化に間に合ったとしても、新設するに当たっては例えばカリキュラムの組み立てをどうするか、それに伴って教員や教室の確保をどうするかと、そういった個々の大学で対応しなければならない課題というものはたくさんあると思います。ですから、まずは事業実施主体の今の課題に対応できる体制がきちんと整わない限り、私どものほうではこれを二十三年度にすぐにでも開設させろというふうなことはなかなか難しいのではないかと思います。基本的には大学の御判断を尊重してまいりたいというふうに考えております。
     二点目の実習生の受け入れでございますけれども、現実、今、実習生を受け入れるにはどうしているかというと、各病院では前年度から受け入れスケジュールを決定するために、あらかじめ各大学のほうから申請をいただきまして綿密に調整をしております。そうしたことで出てきた段階では当然指導教員等も必要になります。そうした指導体制をとることが可能であるかどうか、また現在実際に他大学から実習生を受け入れておりますので、そうした受け入れの人数とか時期とか期間とか、そうしたものも可能なのかどうかということもございます。そういったことも具体的に検討する必要がございますので、最終的には先ほど申し上げたように現場である病院の考え方を尊重したいと思いますけれども、ただ看護師の確保という点を考えた場合に、今までの実態を見ますと、その後の看護師の採用状況からの実績等々、確保に一定の効果が期待できるということもございますので前向きに検討していきたいと存じます。
    ○議長(浜井卓男君) 斉藤がんセンター局長。
           (がんセンター局長 斉藤民夫君登壇)
    ○がんセンター局長(斉藤民夫君) ナースプラクティショナーの研修について、がんセンターでの受け入れについてお答えをいたします。
     静岡がんセンターにおきましては、これまでも全国の看護系大学等から専門看護師等の実習を受け入れるとともに、昨年の六月からは病院立では全国初めての認定看護師教育課程をみずから開講するなど、専門性の高い看護師の人材育成につきまして積極的な取り組みを行っております。
     そのような中で、仮称特定看護師の法制化に向けての議論が始まったところでございます。制度の仕組みなど今後の検討状況を踏まえまして、その実習病院としてのあり方や実習の受け入れにつきまして検討を行ってまいりたいと考えております。
     また一方、現行のナースプラクティショナー養成コースについてでございますが、仮に実習受け入れの要請があった場合、現状では制度としても医療の現場としましても不明な点が多く、具体的に患者さんを対象とした実習を行うことの可否など課題がございます。カリキュラムの内容等をよく見て対応につきまして慎重に検討させていただきたいと、このように考えております。
    ○議長(浜井卓男君) 松浦県民部長。
           (県民部長 松浦敏明君登壇)
    ○県民部長(松浦敏明君) それでは「ふじのくに遺産」について、初めにお答えいたします。
     現在、先ほども申し上げましたように、民芸品、農芸品、工芸品などの文化資源について調査をしているところで、これを今後取りまとめに入るということであります。そのあとの情報発信の仕方については現在はっきりと決めてはおりませんけれども、テレビ局を通じての情報発信も含めながら発信の仕方については検討してまいりたいと考えております。 
     次の私学のあり方でございますけれども、先ほど静岡県公私立高等学校協議会について答弁いたしましたけれども、これからの高校教育の水準向上について、私立、公立の教育関係者が協議する場として、そういう場になりますように、私自身、関係の皆様に働きかけてまいりたいと考えております。
    ○議長(浜井卓男君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 天竜川の世界文化遺産についてのビジョン、これはそうすぐにはいきません。しかしながら西側にはそうした壮大なビジョンがまだありませんね。ものづくりにおいて掘り出していこうというのはこれまでどおりでございます。しかしふじのくにの景観と文化交流を促進するには、東にはジオパークとしての伊豆半島があり富士山があると。そして西には何があるかと。私は大井川のほうはガーデンシティーとしていける。そして天竜川は自信を持って二百十三キロ、本県で一番長いものです。そして最上川で一度世界文化遺産の動きがありましたけれども、知事がかわってそれがぺしゃんこになったということがありました。私が知事である限りにおいては、関係の皆様方が自分たちの持っているいろいろな文化遺産、そうしたものを洗い出されて、そうしたものを上手に発信できるように準備されて、そして天竜川の周辺をきれいにしていくというふうにしてまいりますと、これは可能だというふうに僕は確信しております。そういう方向をぜひ阿部県議あたりが中心になって運動をしていただければと思っております。
     それから、ナースプラクティショナーの話ですけれども、これは答えたとおりでございますが、私のほうは木苗県立大学の学長、それから山口県立がんセンター総長、それから本県に病院がございます国際医療福祉大学理事長の高木さんとそれぞれお話をいたしまして、設置側の問題それから受け入れ側の問題というのを精査しまして、できる限り可能な方向に、できる限りナースプラクティショナーという名前になるかどうかは別としまして、勤務医の先生方の負担が軽減され、そして今一般の看護師さんがやっていらっしゃるいわゆる世話という感じでの仕事から、もう少し専門性を高めていただいて大学院でしっかり勉強して、先生の補助的な仕事ができるということで、既に海外でそれが功を奏しておりますから、そうしたことを踏まえて国に対しても積極的に働きかけてまいるという、そういう前向きな姿勢を持っていることだけはここで言明しておきたいと存じます。
    ○議長(浜井卓男君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 壬生ホールの活用についてでありますけれども、地元の方とよく協議をさせていただきながら、どのような活用方法があるのか検討させていただきたいというふうに思います。
    ○議長(浜井卓男君) これで阿部卓也君の質問は終わりました。

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