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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田形 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2014

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 緊急消防援助隊の活動について                  
2 浜松市沿岸域の防潮堤整備における植栽木の保育と維持管理について                            
3 地域外交の推進について                     
4 環境に配慮した住宅政策について
5 新ふじのくにICT戦略について                 
6 ユニバーサルデザインの推進について               
7 健康長寿日本一に向けたふじのくにの挑戦について


○議長(中谷多加二君) これで落合愼悟君の質問は終わりました。
 次に、二十五番 田形 誠君。
       (二十五番 田形 誠君登壇 拍手)
○二十五番(田形 誠君) 先ほど落合議員から浜名湖花博二〇一四への応援エールをいただきました。一人の浜松市民といたしましては、多くの方にこの花博に訪れていただいて、ぜひ皆様方には地元に帰っていただいて、ぜひこの花博のPRをしていただきますことを心からお願いをいたします。
 それでは、ふじのくに県議団の所属議員として当面する県政の諸課題について、知事、関係部局長に分割方式で質問をいたします。
 初めに、緊急消防援助隊の活動について伺います。
 先月は大変記録的な大雪に見舞われました。こうした大雪に象徴されるように近年の自然災害は、大規模化、複雑多様化の傾向にあると私は感じています。東北地域に未曽有の被害をもたらした東日本大震災は言うまでもなく、ここ数年夏の局地的豪雨や多発する台風の被害など今までの経験からは想定できない災害となっています。
 こうした災害から県民の生命や財産を守るためには、防災組織のより一層の強化を図る必要があります。日ごろからの地域住民による自助、共助の体制づくりが有効であることは言うまでもありませんけれども地震による家屋の倒壊や大雨による土砂災害といった場面で直接住民の救出救助に当たるのは、高度な装備を持って訓練を積んだ消防本部や自衛隊、警察といった機関にほかなりません。東日本大震災においては、消防組織法に基づき各都道府県単位の緊急消防援助隊が編成され長期にわたって懸命の活動が行われました。また昨年十月の台風二十六号による伊豆大島の土砂災害におきましては、静岡県内七つの消防本部と県消防防災航空隊が静岡県緊急消防援助隊として、十月十六日から三十一日までの十六日間、献身的な救助活動を行ってまいりました。
 さて、本県で想定される大規模災害といえば東海地震及び南海トラフ巨大地震が挙げられます。本県が被災したときには、東日本大震災のときと同様県内の消防本部と連携した各県の緊急消防援助隊によるさまざまな活動、具体的には災害現場での救助作業や火災発生時の消火活動、負傷者の病院搬送など一人でも多くのとうとい命を救う活動が不可欠となってまいります。
 地震のほかにも自然災害の大規模化、複雑多様化が進む中、被災した他県への応援や本県が被災した場合の対応について高度な装備を持って訓練を積んだ消防職員による緊急消防援助隊の役割は、今後ますます重要になると考えますけれども、県としてはこの緊急消防援助隊の他県への応援と被災した場合の受援について、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、浜松市沿岸域の防潮堤整備における植栽木の保育と維持管理について伺います。
 私が幼いころの海岸防災林は、白砂青松、風光明媚なクロマツが東西に広く生い茂っていた記憶があります。今では残念ながら風で折れてしまっているもの、松くい虫によって枯れてしまっているもの、こうしたものが多く見られるようになってしまい、防災林の機能が低下をしているように感じています。
 ところで浜松市の沿岸域では、皆様方御承知のとおり約十七・五キロメートルの防潮堤整備が進められています。計画では整備に係る防災林を一旦伐採した後、防潮堤本体の工事完了後、のり面に樹木を再度植栽することが明らかになっています。この植栽につきましてはクロマツと高木性の広葉樹、そして低木性の広葉樹、これらを組み合わせて植えられることが地元住民を交えた検討会でも既に提案されています。またクロマツについては、以前の一般質問でも取り上げましたが、抵抗性クロマツの苗木を挿し木して使用するとの答弁をいただいています。ここで課題となってくるのが植栽木の保育と維持管理についてです。特にクロマツについては、苗木から育成していくことになりますので防災林の機能を発揮させるためには、十年、二十年、あるいはそれ以降といった中長期的な管理が必要になってまいります。
 この海岸防災林の植栽木の保育や維持管理については、行政と地元住民が手を携えていくことが重要だと考えますけれども、県の所見を伺います。
 次に、地域外交の推進について伺います。
 平成二十五年、我が国を訪れた外国人旅行者数は過去最高となる一千万人の大台を初めて記録いたしました。国では平成三十二年までに訪日旅行者数を二千万人にふやす目標を掲げています。六年後に控えた東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けても、今後海外への門戸をさらに広げ積極的に諸外国との協調体制を築いていくことがますます重要となってまいります。
 こうした中、我が国を取り巻く諸外国との関係を見ますとお隣の中国や韓国とは依然として厳しい状況が続いておりますけれども、両国の早期の関係改善に向けてはさまざまな取り組みが望まれるところです。
 さて本県では、川勝知事は就任以来地域外交を県政の主要施策の一つと捉え、海外との独自の交流を全国に先駆けて進めてこられました。友好提携から三十有余年にわたり緩むことなく継続してまいりました中国浙江省との交流はもとより、新たにモンゴルのドルノゴビ県、韓国の忠清南道と友好協定を締結し、これまで以上に多面的な広がりを持って友好関係を築いてこられました。また台湾とは以前から良好な関係が続いておりまして本日も嘉義県から張花冠知事を初め、嘉義県の訪問団にお越しをいただいておりますが、先月日華友好議員連盟の一員として嘉義県に訪問いたしましたけれども、その際にも張知事から本県との交流への意向が示されるなど今後の手応えを私自身感じることができました。
 昨今のさまざまな国際情勢を踏まえた上でこれまでの交流実績に基づき、地域レベル、民間レベルで培われた信頼関係を絶やすことのないよう交流を深めていくことが大事だと思いますけれども、今後この地域外交をどのように進めていくのか所見を伺います。
 次に、環境に配慮した住宅政策について伺います。
 県内の温室効果ガス排出量の状況を見ますと平成二十三年度現在、国際的な基準となる平成二年度と比較して約一六%の減少となっています。この温室効果ガス排出量の約九七%を占めるCO2――二酸化炭素について産業、家庭、それぞれ各分野別に見てみますと、産業部門が一八・一%減少しているのに対し、住宅など家庭の分野では二五・六%の増加となっています。この家庭における増加の要因といたしましては、世帯数が増加したこと、あるいは家電製品の大型化や多様化、ライフスタイルの変化などが考えられ、現在の生活水準を維持しながらそのエネルギー消費量や二酸化炭素排出量の削減を図ることは容易ではありません。県内全てのCO2排出量の約二割が家庭から排出されていることを考えますと住宅の省エネ化は、低炭素社会の実現に向けて大きな役割を担っていると考えます。
 平成十一年に定められた次世代省エネ基準に基づいて断熱性、気密性が確保された住宅につきましては、光熱費の削減や快適性の向上のみならず年間死亡者が約一万人とも言われるヒートショックの防止、また住宅の耐久性にも効果があると言われています。しかしこうした住宅については、高額でありますことから一般にはなかなか手が出しづらく、比較的新しい住まいについても導入が困難であったと言わざるを得ません。このことから考えますと、より築年数の長い既存住宅においては十分な対策がとられていないのは仕方のないことかもしれませんけれども、低炭素社会に向けての一つの対策として既存住宅の省エネ化は、今後非常に重要な課題になると私は考えます。
 これからの新築住宅につきましては、平成二十四年度に低炭素住宅の認定制度が設けられ、省エネ化の取り組みが始まったところです。さらに国においては省エネのリフォーム工事をした際、所得税などの減税を受けられる制度を拡充したところですけれども、県内の既存住宅の省エネ化に向けて県ではどのように取り組んでいくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田形議員にお答えいたします。
 地域外交の推進についてであります。
 現在の中国、韓国との関係を憂慮しております。本県ではこうした国家間の関係がぎくしゃくしている時期におきましても、例えば中国との関係で尖閣諸島問題で揺れておりますが、そうしたときにも浙江省との友好提携三十周年事業をお互いの協力によりまして見事に実現し、重要な歴史の一ページを残したと存じます。また韓国とでは竹島問題やその他の問題で揺れておりますけれども、こうした中で我々は忠清南道との友好提携の締結を実現いたしました。
 何より大切なのは信頼であります。顔の見える関係をつくり上げて、お互いに友人として信頼をするということが大切です。こうした相互信頼関係によって培われる地域の人々の間での交流が国の利益にもかなうというふうに考えております。地域外交の展開に当たりましては常に善隣外交。誠意を持って友好的互恵・互助というのを柱に据えるわけでございますが、今、大きくは三つを柱にして取り組んでおります。一つは観光の交流、二つ目はアジアの経済発展を取り込む、第三は人材の育成であります。
 まず第一に観光誘客や民間を主体とする交流を促進するということでございまして、具体的には浙江省との友好交流卓球大会をこの八月に開催いたします。あるいは台北マラソンへ県民がランナーとして参加するという、そうしたスポーツ交流。忠清南道あるいは釜山市における民間団体間の交流促進支援を通じまして交流人口の拡大を図ろうとしております。
 二つ目のアジアの経済を取り込むということでございますが、経済成長が続いておりますアジアの活力を取り込みまして、それを本県の発展につなげるということでございます。ビジネスサポートデスクを活用した東南アジアへの企業展開支援や県産品の販路拡大、またモンゴル工業・農牧業省との経済分野における覚書の交換なども恐らく一、二カ月内に覚書が結ばれると存じますけれども、これなども国と地方が、いわばたすきがけの形で国と国、地方と地方ということだったんですけれども、モンゴル国と静岡県とが協定を結ぶという恐らく歴史上画期的なことがこの一、二カ月の間に起こると存じますが、そうしたものもこれは経済交流を促進するという明確な目的を持って行うものであります。
 第三に人材育成ですが、将来の交流を担う世代を育成していくために台湾への教育旅行を促進しようと考えています。少なくとも高校生、中学を卒業すれば――このたび銀メダルを取った十五歳の少年がいましたけれども――義務教育を終えれば高校の間にどこか一国は外国を見た経験がある。あるいは少なくとも最低限パスポートは皆持つようにしていただきたいというふうに思っておりますけれども、台湾などは親日的でもありますし時差もほとんどありませんし食事もおいしいし、安全面では他国よりも高いというふうにも存じます。そうしたことできょうも嘉義県から友人が来ておられますけれども、そうしたこともございますのでぜひ台湾への教育旅行を中心にした形でこれを促進したいと思っております。その他モンゴルや韓国などとの高校生の相互交流も進んでおりまして、この拡大を通じまして中長期的な視点からの人材育成を図ってまいります。
 これらの三つの柱を持った取り組みを推進するために来年度は東南アジア駐在員を一名増員いたします。また韓国語を母国語とする職員を地域外交課に配置することにいたします。またモンゴル連絡員を現地に合計二名配置いたしますなど推進体制の強化を図ってまいります。静岡県は小さな県でございますので全世界を相手にするというわけにはまいりませんで、重点国や地域を中心に経済や観光、文化、教育などの幅広い分野で安定的かつ友好的な地域間交流の継続と拡大を図ろうと考えております。
 一方、静岡県下三十五の市町がございますが、それぞれの市町もいろいろな姉妹提携関係を結ばれております。民間交流も活発化しているということでございます。目下のところ市町のこうした地域間関係と県のやっているものとが必ずしも一体的ではありません。そろそろ県と市町のこの地域外交といいますか、国際交流というのを統一してやるべき時期に来ているかなというふうに思っています。
 ただ、本県の地域外交局もまだ十分にその組織力、人材力というものが発揮できる段階にはなっておりませんで、恐らく市町においても似たようなことがあるのではないかと思いますが、市町と県とが一体的にこういう国際交流、地域外交を続けていきますと明らかに力をもっとつけることができるということで、こうした市町と連携した地域外交というものにも取り組んでまいろうと考えている次第であります。
 次に、環境に配慮した住宅政策についてであります。
 もはや大量生産、大量消費、大量廃棄の時代ではありません。特に住宅につきましてはこれからの時代、よりよい住宅をつくってきちんと手入れをして長く大切に使うというようにしていかねばなりません。快適性の向上、長寿命化等が図られるリフォームを推進することを通してこうした住宅の大量廃棄の風潮を打破してまいりたいと考えております。昨年度から高齢者のいる世帯や子育て世帯を対象にいたしまして、さまざまなリフォームへの助成を実施して需要を喚起してまいりましたところ、多くの県民の皆様に身近な制度として浸透いたして大いに御活用いただくことができました。
 一方、議員御指摘のとおり温室効果ガス排出量の削減には、家庭部門からの二酸化炭素排出量を削減することが重要です。住宅の省エネルギー化を加速させることが喫緊の課題です。このため来年度は耐震性を有する住宅の屋根、壁への断熱材の設置など省エネルギー性能を向上させるリフォームに対し助成するということといたしまして、そのための予算を今議会にお諮りしております。
 こうした取り組みを通して低炭素社会を実現し良質でかつ環境にも配慮した住宅に転換を促してまいりたいと。そして県民の皆様に真の豊かさを実感していただくことで、住んでよしの理想郷ふじのくにづくりを進めてまいりたく存じます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 緊急消防援助隊の活動についてお答えいたします。
 緊急消防援助隊は、消防活動の広域的な応援を目的としまして現在、全国で四千五百九十四、うち本県で百二十一の部隊から編成され災害時には消防庁の求めに応じて出動することとなっております。本県からは平成二十三年の東日本大震災及び昨年十月の伊豆大島の台風による土砂災害発生時に出動した実績がございます。
 応援に際しましては、広域的な対応がスムーズにできますよう関東や中部の各都県と毎年訓練を実施いたしまして一層の連携強化に努めております。国が平成三十年度までに緊急消防援助隊を六千隊に増強する方針を示しておりますので、県といたしましても増強に必要となる市町などの消防本部の車両整備につきまして助成をしてまいります。
 受援につきましては、例えば東海地震の発生時には東京都を初め十八都府県の緊急消防援助隊が出動し消火や救急救助、航空などの各部隊が県内各地で活動することとなっておりますので、毎年九月の県総合防災訓練や一月の大規模図上訓練におきまして、自衛隊や警察などとの連携を含めた緊急消防援助隊の受援訓練を実施し連携の強化を図っているところでございます。
 今後南海トラフ巨大地震などの大規模災害を踏まえて、国の支援計画の見直しが想定されますことから、県といたしましても緊急消防援助隊を初めとする応援部隊が現地で速やかに活動できますよう受援計画の見直しを図ってまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 浜松市沿岸域の防潮堤整備における植栽木の保育と維持管理についてお答えいたします。
 防潮堤整備により伐採されるクロマツ林は、強風や砂、塩の被害から人々の生活を守るため昭和四十年代から県が植栽し、今では地域の方々の生活になくてはならない重要な海岸防災林となっております。この防災林では、遠州灘特有の強風による倒木被害などが発生することから地域の方々がみずから見回りするなど、地元自治会、浜松市、県がそれぞれの役割に応じた協働により適切な維持管理に努めてまいりました。
 しかし、今回の計画のように約四十ヘクタールと広大な区域で抵抗性クロマツと広葉樹を用いた津波被害軽減効果などが高い防災林を再生することは、県内では初めての試みであります。この防災林を長期にわたって適切に管理していくためには、地域との協働がこれまで以上に重要であることから、植栽計画検討会において公募により広く住民の方々に植栽と保育に参加していただく基本的な枠組みを取りまとめたところであります。
 県といたしましては、この枠組みに沿って地域の方々が保育や維持管理に積極的に御参加いただける実効性のある協働体制を構築し、今回再生する海岸防災林が地域の方々に愛され地域共有のかけがえのない財産となるよう適切に管理してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 二十五番 田形 誠君。
       (二十五番 田形 誠君登壇)
○二十五番(田形 誠君) 植栽木の保育と維持管理について、そして地域外交について要望をいたします。そして環境に配慮した住宅政策については再質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、植栽木についてでございますけれども、先ほど管理について御答弁があったわけですが今回のこの防災林にかかわらずどんな施策もそうだと思うんですけれども、やはりこういった長期的な視野に立ってくると、だんだん世代の交代が進んでいくことで風化していくということが多分に考えられるんじゃないかなというふうに思いますので、そうした視点から例えば地元の自治会長さんがだんだん交代していきますけれども、そうしたことで途切れることがないような、ぜひ何ていいますかね。啓発といいますかそういったことをできればお願いしていきたいなと。これは要望させていただきます。
 次に、地域外交についてでありますけれども、先ほど知事からも御答弁がありましたように、三つの柱ということで一つ、観光というものがありますけれども、私自身はこの地域外交がやはり観光に大きく寄与していると思っています。とりわけこうした観光誘客もさることながら静岡空港の利活用といった観点からも大きな役割を担っているんだと思っています。
 今度、夏ダイヤから、中国の上海・武漢便については、これまで週二便であったものから週四便ということで増便されます。先ほども申しましたけれども中国については、こうした国交が非常に厳しい中で上海・武漢便が増便されると。やはりこれは、これまでの地域間交流の私は成果のあらわれだったんじゃないかなというふうに思います。一方で大韓航空については運休ということで、非常に今回残念な結果となってしまったんですけれども先ほどの上海・武漢便の事例を見ても、まだまだ挽回の余地というのは大いにあると思いますし、これまで以上にそういった顔の見える関係と知事からも御答弁がありましたけれども、そうしたことを続けることで、やはり復活を目指していっていただきたいなというふうに思います。
 さらに、来年度の次期総合計画では八十五万人という目標を掲げられております。そのためにはやはり静岡県に一人でも多くの人にお越しいただく。来てみたいなというふうに思っていただくことも私は大事だと思っておりますので、そうした観点からもまたこれまで以上に地域外交、強く推し進めていただきたいなということを要望させていただきます。
 次に、再質問に移ります。
 これは先ほど知事から御答弁いただきました。ちょっと私自身大変ありがたいなというふうに思ったところなんですけれども、やはりこのCO2の排出削減というのが国際的に当然求められてきています。実際、平成十一年にこの次世代省エネ基準というのが設けられたんですが、やはりこの基準自体が、国際的に見るとなかなか何ていうんですかね。非常に緩やかだった。またこの基準自体が法的な拘束力がなかったというのも私は一つの要因としてあると思いますけれども、こうしたことから何ていうんですか、基準を満たしてきた住宅というのが三割にも達していなかったというような現実からも、やはりこの日本という国が国際的に正直おくれをとっていたんだと言わざるを得ないんだと私は思っています。
 本県でも、エネルギーの地産地消ということでさまざまな施策が展開されているんですけれども、こうしたCO2の排出削減につきましては、大いに議論の余地があると思います。今回は住宅政策ということで質問をさせていただいておりますので、そうした観点、環境に配慮した住宅政策ということで質問をさせていただきたいんですけれども、先ほどリフォームについて断熱性は基準を満たしていくものについて助成をする。非常にありがたいなというふうに思っているんですけれども一方で私は気密性能の確保というものも非常に大事だと思います。ただこの気密というのは空気の流れということになるのでやはり目にはなかなか見えづらい、見えないです。ただそうは言っても今では気密測定といった技術がしっかりと確立をされておりますから、せっかく省エネリフォームを目指そうと、ある程度高額なお金をかけてされるわけですから、こうした一つ何ていうんですかね。御自宅の気密性能がどういったものなのかというのを私は知っていただくのもありなんじゃないかなというふうに思いますし、こうした支援というものも県としてやっていくことが必要ではないかと思いますけれども、その点について見解があればお聞きしたいのが一点。
 もう一つお伺いしたいんですけれども皆さん、エネルギーパスといった言葉があるんですけれども御存じない。恐らく皆さん御存じないと思いますけれども、これは住宅の燃費性能を示す指標なんです。例えば車ですとリッター何キロ走るとか、あるいは家電製品ですと年間の消費電力について今はもう明示されている時代なんですが、こと住宅についてはこういったものの記載というものが一切ないんです。こうしたCO2削減についての先進国といいますかヨーロッパ――EUでは、このエネルギーパスというものが実は義務化をされていまして、例えばどこそこの住宅では平米当たり何キロワットの電力が消費されますといったことを明示することになっています。私としては、こうしたエネルギーパス――日本にはなかなかこの制度というこれから導入されていくのかもしれませんけれども――まだまだ浸透していないということで、ぜひ県でもこうしたエネルギーパスの制度というものを試験的に設けてみてはどうかなというふうに思うんですけれども、もし見解がございましたら御答弁をお願いいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 伊熊くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 環境に配慮した住宅につきましての再質問を二件お答えさせていただきます。
 まず、断熱性を担保するためには気密性の確保が重要だとおっしゃっており、その内容につきましては確かにおっしゃるとおりだと思います。ただ現状におきましては、このリフォームによる既存住宅の断熱性、あるいは気密性につきまして確認する方法がまだ確立されていないという状況にありますので、現在国が策定を進めております既存住宅のリフォームによる性能向上、長期優良化基準。これをつくられるようでございますので、この取り組みの内容につきましてこれを注視していきたいと思っております。
 二点目でございます。議員御指摘いただきましたエネルギーパスにつきましては、その内容は議員から説明あったとおりでございますが、ヨーロッパにおいてはこの表示を義務づけられているという状況です。ただ議員も御指摘されましたとおり、まだ我が国におきましては、この内容についてあまり知られていないという状況があります。ただ二〇一一年、一昨年に一般社団法人の日本エネルギーパス協会が設立されまして、ここにおいて二〇一二年の一月から認証を行っているというところで緒についたような状況にございます。現在、建築物の燃費性能を示す共通の指標として国においてこの活用の検討も進めていただいていると伺っております。その検討状況につきまして関心を持っていきたいと思っております。答弁、以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 二十五番 田形 誠君。
       (二十五番 田形 誠君登壇)
○二十五番(田形 誠君) 次の質問に移ります。
 新ふじのくにICT戦略について伺います。
 本県では、平成二十三年度からの三年間、静岡県高度情報化基本計画ふじのくにICT戦略を進めてきました。災害時における避難情報などの緊急速報メールの配信や医療機関同士による患者の診療情報の共有など県民の安心・安全や県民生活の向上に寄与してきました。
 こうした情報提供が可能になった背景には、その目覚ましい情報通信技術の発達が挙げられますけれども、その変遷について見てみますとADSLによるインターネット普及が進んだ一九九〇年代中盤以降、光ファイバー網の整備などインターネットの社会基盤化が進んできました。また携帯電話につきましては、当初は通話機能のみであったものがメール機能が加わって、またさまざまなさま変わりを繰り返し、ここ数年はタッチパネル式のスマートフォンが広く普及しております。さらにiPadなどのタブレット端末も一般的になっているように利用者にとっては、いつでもどこでもネットでの情報検索が可能となっています。
 こうした社会環境の変化、とりわけ急速に進展を遂げている情報通信技術や利活用の変化におくれをとることなく対応する必要があります。来年度からは新たなICT戦略が実施されますが、どのような視点でこれを策定し、どのような取り組みによってふじのくにづくりを進めていくのか伺います。
 次に、ユニバーサルデザインの推進について伺います。
 本県では、平成十一年度、全国で初めてユニバーサルデザインを県政推進の基本方針として位置づけ、平成十二年度から平成二十五年度まで三期十四年間にわたる行動計画を策定して総合的にユニバーサルデザインを推進してきました。結果、駅、道路、公園など公共施設のUD化やわかりやすい行政情報の提供、民間企業によるさまざまな利用しやすい製品の投入などUDは次第に生活の中に浸透してまいりました。しかし実際に利用してみると使いづらい部分が見えてきたり、車椅子使用者用駐車場や多機能トイレの利用マナーが問題になるケースも見受けられます。違いを認め合ってお互いを尊重し、できる限り全ての人が利用しやすく配慮された環境づくりを行うといったユニバーサルデザインの考え方をハード・ソフトの両面においてさらに浸透させていく必要を感じます。
 現在、日本の高齢者人口は約四人に一人となり、少子高齢化の急速な進行がいよいよ現実のものとなる一方で外国人県民の国籍の多様化や定住化など国際的な人、物、情報などの交流が活発化しております。また富士山の世界遺産登録や二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定などを受けて、今後さらなる交流の活発化が予想されます。
 このような中、誰もが暮らしやすい社会づくりは今一層求められておりますし、現在策定中の次期総合計画においてもユニバーサルデザインの推進が掲げられております。来年度以降のユニバーサルデザインの推進について、指針となる次期行動計画の施策の展開方針と特徴について伺います。
 次に、健康長寿日本一に向けたふじのくにの挑戦について伺います。
 少子高齢化社会への突入とともに、団塊の世代は高齢期を迎え医療・介護などの社会保障費が増大する一方現役世代の減少による経済基盤の脆弱化が懸念されてから、時は随分と経過をしてまいりました。社会構造の抱える問題に対処するため、医療・介護費をいかに抑制していくのか我が国が当面している大きな課題の一つだと思います。
 こうした状況のもと平成二十四年度に厚生労働省が、健康寿命をのばそう!アワードを創設いたしました。これは健康増進や生活習慣病の予防に関するすぐれた啓発や取り組みを表彰する制度ですが、本県が取り組んでいるふじのくに健康寿命プロジェクトが、厚生労働大臣最優秀賞を受賞いたしました。また平成二十四年六月に厚労省が発表した都道府県別健康寿命において、本県は男性が二位、女性が一位と輝かしい結果であったほか生活習慣病予備群の数が二年続けて全国一少ない状況にあります。先ほどの表彰に加えこれらの状況から現在の本県が、日本で一、二を争う健康長寿県であると言えると私は思います。
 しかし、課題がないわけではありません。五十三万人分に関する特定健診データの分析結果をいただきましたけれども、この中から気になるデータが二つ出てまいりました。一つはメタボの該当者及びその予備群が前年と比較して増加しているということ。もう一つは血圧、血糖値、尿たんぱく値等の数値が要医療レベルに該当する――いわゆるハイリスク者が対象者の約八・六%に相当するおよそ十五万人にも上るということです。先ほども述べたとおり本県は全国に誇る健康長寿県ではありますけれども、現状に満足することなく生活習慣病の予防などに加えさらなる健康づくりに向けた取り組みが必要になってくると思います。
 そこで、県は県民の健康状態をどのように把握、分析し、健康課題の解決や県民のさらなる健康長寿に向けてどのように対策を講じようとされているのか、県の考えを伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 池谷静岡県理事。
○静岡県理事(池谷 廣君) 新ふじのくにICT戦略についてお答えいたします。
 近年のICT――情報通信技術の発展は目覚ましく、今や我々の経済社会活動は高度な情報通信技術なしには成り立たないと言っても過言ではありません。県の情報政策も医療福祉、産業、教育などさまざまな分野でICTを効果的に活用し豊かで快適な県民生活を実現するかが重要となります。また想定される南海トラフ巨大地震に備え、ICTを活用した安全・安心で災害に強い社会を実現することも急務であります。新しい戦略では、こうした点を踏まえながらICTの利活用による安全・安心で快適な暮らしや地域や産業の活性化など四つの施策展開の柱のもとに全計画の九十五を上回る百十七の施策、事業を今後四年間で進めていくこととしたところであります。
 具体的には、災害発生時に情報を関係機関で共有しクラウド化する防災情報インフラの構築、外国人観光客のための無線インターネット接続環境の整備、行政機関の情報を民間が活用するオープンデータや自治体クラウドの推進、さらに喫緊の課題である社会保障・税番号制度への適切な対応など新たな施策、事業を積極的に展開してまいります。
 また、伊豆半島などにおいて超高速ブロードバンド整備を引き続き推進するなどICTを活用して富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりに全力を挙げて取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 伊熊くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(伊熊元則君) ユニバーサルデザインの推進についてお答えいたします。
 急速な少子高齢化の進行や国内外の交流機会の増大等によりまして、ユニバーサルデザインの理念は、さまざまな分野でますます重要とされておりますことから次期行動計画では、快適に移動できるまちづくり、多言語による情報提供、心のユニバーサルデザインなどの涵養などハード、ソフト、ハートの多方面にわたって施策を展開しております。
 施策の実施に当たりましては、市町や大学、企業、NPOと連携して、それぞれが持つ組織的、人的ネットワークを最大限に活用しユニバーサルデザインの理念の一層の普及・浸透を図るとともに、県内外の先進事例等の実践に役立つ情報の効果的な提供などにより多様な主体による多様な取り組みを促進してまいります。
 次期行動計画の特徴といたしましては、東日本大震災の教訓を踏まえ避難から復興に至るさまざまな局面で全ての人が尊重されるよう、わかりやすい防災情報の提供、災害時要援護者の支援の充実、避難所や仮設住宅の快適環境の向上など災害時における安全・安心の視点での推進施策を積極的に取り込んだところであります。
 また、四十六の指標により的確に計画の進捗管理を行い、引き続きユニバーサルデザインを推進していくことで、お互いを尊重する精神が行き渡り誰もが暮らしやすい社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 健康長寿日本一に向けたふじのくにの挑戦についてお答えいたします。
 健康は、全ての人々にとって幸せの源であり高齢化の進展の中で長くなった人生を健康で生き生きと暮らせるように健康寿命の延伸を図ることが大切であります。第三次ふじのくに健康増進計画の策定に当たりましては、議員も御提案いただいておりますとおり、まず県民の特定健診データや各種調査結果等の分析を行ったところであり、治療を必要とするハイリスク者、痩せ過ぎの若い女性、足腰の痛みを訴える高齢者等の割合が高いことなどの課題やメタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病などの地域による特徴が明らかになりました。
 そこで、今後の方針と戦略を明示した基本計画を実現すべく県民、市町、企業等と連携し達成すべき改善目標と取り組むべき具体的な対策を盛り込んだ食育、運動、身体活動といった五つの領域別計画に加え、七つの健康福祉センター単位の地域別計画から成るアクションプランを作成しております。
 県といたしましては、市町や企業における健診データ分析のさらなる支援を強化するとともに、ふじ三三プログラムを取り入れた健康づくり教室や県民の自発的な健康づくりを促す健康マイレージ事業を柱とするふじのくに健康長寿プロジェクトを着実に推進し、県民総ぐるみで健康長寿の都を目指してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) これで田形誠君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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