• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

深澤 陽一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 世界文化遺産登録を目指す富士山の環境保全等のための財源確保について
2 山の州連合の創設について
3 新エネルギーの利用について
 (1) LNG(液化天然ガス)冷熱の有効利用
 (2) バイオマスの有効利用
4 清水港新興津地区の整備について
 (1) コンテナターミナル第二バースの整備
 (2) 人工海浜及び小型船だまりへの取り組み
5 知事の目指す現場主義について


○議長(小楠和男君) これで阿部卓也君の質問は終わりました。
 次に、九番 深澤陽一君。
       (九番 深澤陽一君登壇 拍手)
○九番(深澤陽一君) 本日最後に登壇させていただきます。私は自民改革会議の所属議員鳥澤、中沢に続く深澤でございます。本日少々ざわざわさせるかもしれませんけれども、少々の間おつき合いのほどよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長に御質問させていただきます。
 まず初めに、世界文化遺産登録を目指す富士山の環境保全等のための財源確保についてお伺いいたします。
 知事は、本年の年頭記者会見の場におきまして富士山の環境保全を目的に入山料を導入するお考えがあるとの発言をされました。それを受けて関係部局ではどのような徴収方法が適当か、またそれにより確保された財源をどのようなものに活用するべきかといった検討をされておると認識をしております。
 そして、先日二月二十三日の富士山の日に東京で開催された富士山の日フェスタの場で、早ければこの夏にも入山料の徴収を行うとの考えを川勝知事、横内知事ともに表明されたと伺いました。ただ横内知事の発言からは若干導入に慎重な姿勢も見られ、今後山梨県側では入山料導入について県民の理解を確認しながらの導入検討になるようであります。また川勝知事も「あまり強制する形にならないほうが望ましい。お気持ちをいただくということから始まるかもしれない」とお話しされたと伺っております。そういった点で入山料導入に関しては若干課題が残っているという認識の中で、私からはほかの財源確保についてお伺いをさせていただきます。
 富士山の環境保護活動に対して、恐らく財源は幾らあっても足りないのではないかと想像いたしますが、その財源確保の一つの方法として例えば赤い羽根の共同募金や緑の羽根の募金のように、白い羽根あるいは富士山の羽根の募金といったものを創設してはいかがでしょうか。
 募金であればお気持ちをいただくことになりますし、必然的に広くいただくことになりますので、比較的多様な施策に対して財源を充てる計画を立てられるのではないかと想像いたします。白い羽根と言ったのは青や水色の羽根といったのは既に存在しているのでイメージで私が申し上げただけで、その色にこだわるわけではございません。
 まずは、私の申し上げたこの財源確保策についてどのようにお考えになられるのか、県のお考えをお伺いいたします。
 引き続きまして、通告の二点目、知事のマニフェストの項目の一つ、山の州連合の創設についてお伺いいたします。
 知事は、およそ三年半前の御自身のマニフェストの中で、既存の県の枠にとらわれず隣接県と仮称東海連合や山の州連合等を立ち上げ、広域的な課題に取り組むと表明されておられます。また今までさまざまな方が山の州連合についての質問をされたのに対し御答弁もされております。
 例えば、昨年九月の田口議員の質問に対しては、「本県が仮に広域で連携するとすれば隣県ということになります。そうした中で富士山の世界遺産、これを一つの突破口にできるならば、例えば富士の山の州というものを山梨県と協働して考えるということができるでしょう」と御答弁されておられます。
 あるいは、平成二十二年七月の山田議員の質問に対しては、わかりやすいように中略をさせていただきますが、ふじのくにのあるべき姿を目指し、「富士山連合というような地域間関係をつくることもできますが、それは国の権限、財源、人材の受け皿となるであろう山の州づくりに向けての突破口というように思いまして」というように御答弁され、そこでは体系についても申し上げておられました。
 先ほどの質問で、財源確保についてお伺いをいたしましたが、現在入山料導入について既に検討が進められている中で、それら財源を受けるための静岡・山梨両県による協議会を設けるといったこともできたと思われるのですが、私の聞く限りでは提案や協議さえされておるのかわからず、いまだ知事の申されている国の財源、権限、人材の受け皿となるようないわゆる山の州連合、あるいはその突破口と言われた富士の山の州といった組織の創設には至っていないと認識しております。
 そこで質問ですが、知事のマニフェストにある山の州連合が、間もなく富士山が世界文化遺産に登録されると見込まれているこの時点でもいまだ実現されていないことについての知事の御見解をお伺いいたします。
 続きまして、通告の三点目、新エネルギーの利用についてお伺いいたします。
 まずは、LNG――液化天然ガス冷熱の有効利用についてお伺いをいたします。
 静岡県では、これまで新エネルギーの施策に関して太陽光発電の導入を中心に進めてこられましたが、最近では天然ガスコージェネレーションやいい成果は得られませんでしたが温泉熱による温度差発電、そして今後は潮力発電や温度差のエネルギーをそのまま利用する取り組みも検討されていると承知しております。
 このように、県における新エネルギーの取り組みが進展していると感じる中でお伺いをいたしますが、平成二十三年の三月に策定されたふじのくに新エネルギー等導入倍増プランには、潜在的エネルギーとして具体的に清水エル・エヌ・ジー袖師基地があることを挙げられて、「LNG冷熱利用に向けて、具体的な利用方法やインフラ整備に要するコストの低減方策等を検討します」と記載されております。
 この冷熱利用に関しては、以前からさまざまな方が利活用に関する話をされておりますが、コストが合わないという理由から実現には至らず県も同様に積極的に取り組むことができなかった面があったと想像いたします。
 しかし、最近は原発問題、さらには原発停止に伴い必然的に化石燃料によるエネルギー供給に頼らざるを得ない現実の中で未利用の自然エネルギーの研究開発への期待も高まり、先ほど挙げた温泉熱のエネルギー利用が進められているならばその反対の冷熱を利用した取り組みも進めるべきものと考えております。
 特に、LNG基地がある江尻港周辺は、市場や冷凍倉庫といった冷熱を必要とする施設が多く存在し、また駅前という好条件や今後目的によっては利用可能と思われる広い土地も存在し、さまざまな冷熱利用の取り組みが考えられると思います。利用する仕組み自体はそれほど複雑ではなく、それを誰が主体的になって行うかということが一番の課題であります。未利用ですぐにでも利用可能なエネルギーではありますが、初期投資が大きいという課題があるものとしてこれからはまずは県が主体的にかかわって利用の実現に向けて取り組んでいただくことが必要だと感じております。
 そこで質問ですが、すぐにでも利用可能なLNG冷熱を地域の産業や観光施設等に有効利用すべきと考えますが、このことについての県のお考えをお伺いいたします。
 新エネルギーに関する二つ目、バイオマスの有効利用についての質問をさせていただきます。
 静岡県は広大な森林資源を有し、三・一一以降の日本のエネルギーの供給のあり方を考えると、それらは有効な資源であると一般的によく言われております。
 さて、国土交通省では、今年度地球温暖化への対応や災害時に必要なエネルギーを自立して供給できる都市の構築が重要との観点で、都市の公園等から発生する未利用の植物廃材を地産地消型再生可能エネルギーとして活用する小規模ガス化発電技術の開発に取り組まれ、間もなく結果が出ると伺っております。そしてその結果によってはその技術を今後全国に普及していくとのお考えをお持ちのようであります。
 先ほどのLNGもそうですが、バイオマスガス化発電施設にしても建設にかかるコスト、初期投資が共通の課題でありますが、コストがかかることを前提としてもこのように国が導入を検討している今こそが県においてもバイオマスエネルギーの研究支援に取り組んでいく好機だと感じております。
 一方、県は県産材利用の促進のために平成二十五年度には年四十五万立米の木材生産量を実現するよう取り組んでおられますが、それ以降も安定して間伐材利用等が進められていけば次は安定した木材需要の創出が課題になってくることが想像できます。それらのうち等級の低い木材の利用という点でもこのバイオマス利用は有効と考えられますし、県内で生産されている木質ペレットやコーヒーかすを利用したペレットの利用も伺っている話ではまだまだ不十分のようで、それらを利用するという考え方ができる点でも有効と考えられるのではないでしょうか。
 そのほかにも、東名、新東名で発生する剪定された草木なども多くは焼却処分されていると伺っておりますので、農林業など産業の振興や県内のバイオマス資源の利活用という面からも検討に値するものと想像しております。
 そこでお伺いいたしますが、今述べたような考え方から地産地消のエネルギー活用の観点でバイオマスの有効利用を図るべきと考えますが、県のお考えをお伺いいたします。
 続きまして、通告の四点目、清水港新興津地区の整備についてお伺いいたします。
 まずは、コンテナターミナル第二バースの整備についてお伺いいたします。
 昨年六月に、清水港の地域経済への貢献について質問させていただいたときの御答弁では、平成二十一年度実績で清水港の県内経済への波及効果はおよそ三兆円であり、県内経済総生産額が十五兆円なのでそのおよそ二割に相当すると清水港のポテンシャルの高さを御説明いただきました。またリーマンショックで一時落ち込んだ取扱量も、例えばコンテナ取扱量でいえば平成二十三年度、二十四年度と二年連続で五十万TEUを超えるなど回復の兆しが見えております。
 清水港は、ものづくり県として発展してきた静岡県にとって欠くことのできない国際海上輸送の重要な拠点として発展してまいりました。そして現在世界の海上輸送では輸送船の大型化が進められていく中で、それらに対応すべく岸壁の延伸やさらに深い水深岸壁の整備を進められていることと認識をしております。
 そこで質問でありますが、現在整備中の新興津コンテナターミナル第二バースは、岸壁などの施設が完成間近であると伺っておりますが、その供用開始はいつごろになりますでしょうか。そしてその岸壁の供用開始によって港湾機能がどのように向上する見込みなのか、県の見通しをお伺いいたします。御答弁をお願いいたします。
 次に、清水港新興津地区の整備についてのうち、人工海浜及び小型船だまりへの取り組みについてお伺いいたします。
 平成二十三年六月の一般質問でもいたしましたように、新興津コンテナターミナルとその隣接地に計画している人工海浜と小型船だまりはそもそも一体整備であると県は地元に対して御説明されてこられましたが、民主党政権時に人工海浜と小型船だまりの予算だけが削られ、そのため整備がおくれてしまったことについては残念でなりません。
 しかし、安倍政権発足後は一転この二月の補正予算と来年度予算を合わせたいわゆる十五カ月予算の要求額においては、人工海浜と小型船だまりに関しても以前の計画に近い事業規模になりそうな様子で地元の期待も高まっております。
 そこで質問でありますが、人工海浜と小型船だまりの国の整備予算が削られた結果、県の事業計画もいつの間にか削減案に合わせたものに変更されておりましたが、さきの補正予算が組まれて以降事業予算が以前の水準に戻る予測が成り立つ中で、事業計画も以前のように一体整備を掲げていたころの予算要求のペースに当然変更していただけるものと期待いたしますが、今後のこれらの事業に対する県としてのお考えについてお伺いをいたします。
 次に、知事の目指す現場主義についてというタイトルで質問をいたします。
 川勝知事は、現場主義に基づく発想と実践を掲げ、今まで知事広聴の実施や現場の声を県政に反映させる機会創出に努めてこられたものと思います。そして平成二十四年度に知事の執務の拠点を県の出先機関に置き、県内各地域における政策課題や県政への要望などを直接確認し対応を図っていき、さらに現場主義を推し進めていこうという目的で移動知事室という事業を実施されたものと伺っております。
 さて、現場主義という点に絡めて一つお話をさせていただきますが、私の地元静岡市清水区の駒越地区にある県の果樹研究センターが清水区の茂畑地区に移転されるという計画がございます。そのため果樹研究センターの移転後の駒越の土地はいわゆる県の未利用財産になる予定であります。その駒越の現場は知事も実際にごらんになっていただいていると伺っております。
 この駒越の土地に関して知事は久能山の頂上とロープウエーで結ぶ案を挙げられ、あわせて「それは田辺静岡市長がやってくれる」と商工会議所の賀詞交換会を初めさまざまなところで御発言をされていると伺っておりますし、実際私もお聞きいたしました。この駒越の土地については県有地ですから、市が事業主体となれば県とのさまざまな手続や交渉が出てくる可能性があると予想できます。仮に市が主体的にこれを進めた場合に実際県として事業の実現にどのようにかかわっていくお考えがあるのか、今までの知事の御発言からは想像することができません。
 また、このロープウエーの話についてですが、静岡市にとっては実際寝耳に水の話で、静岡市長自身も公の場でこのことについて触れたことはまだ一度もないと伺っております。また県内部でも私の聞く限りでは事務方で検討しているとは伺っておりません。そして御存じのことと思いますが私が一番気にしている点でもありますが、この駒越の土地の地域の方々の要望は津波に襲われたことを想定しての緊急避難を兼ねた防災公園であります。
 今回の知事の御発言は、地元の要望を含んでのものなのかあるいは知事独自のアイデアのみのものなのか、非常に不安を感じるのが本心であります。仮に今回の御発言が地元の要望を含まないものであれば、知事の掲げる現場主義の実践は地元の声を課題に反映せず実際にかかわる当事者、関係者らを戸惑わせるだけのものとなってしまいます。
 ですから、知事という立場での現場での御発言には多くの方々が聞いているという意識をお持ちいただき、さまざまな要望を含めた丁寧なお話をしていただけますようお願いいたします。
 もう一つ、現場主義という点でお話をさせていただきますが、例えば先ほど触れましたが、県の所有する財産で未利用のものあるいは将来未利用になると予測されるものに対しその周辺地域の方から利活用に関する要望書が県に提出されたとしても、現在県では要望書を受け取らないケースがあります。もし検討してもらいたい場合には、市町を通して県に上げてくるようになっているのであります。
 そうなると、要望書を受け取った関係市町も、県有財産ですから県から購入ならばそれらのための予算組みが必要になり、その予算の確保にある程度見通しがついた後に県との交渉を始めるといった手続になり、例えば借りるとしても同じように予算の見通しがついた後県との調整というようにそこに至るまでの作業が非常に手間のかかるものになり、スピード感のない対応になっているのが現実であります。結果、地域の方々の要望の検討さえ進まない現状が生まれております。知事の目指す現場主義の実現に対し、住民がみずから役所に赴いても声を聞かない現実があるのです。
 以上、二つのお話をさせていただきましたが、ここで質問をさせていただきます。移動知事室を初め現場主義を推進する知事のお考えと現場、地域の要望を酌み取れていない現実があることを知事はどのようにお考えになりますでしょうか。お答えください。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 深澤議員にお答えいたします。
 ざわざわした質問どころか、議場もざわつかず非常にいい御質問であったと存じます。
 初めに、世界文化遺産登録を目指す富士山の環境保全等のための財源確保についてであります。
 富士山には夏山シーズンに毎年三十万人以上が登山しておりますが、世界文化遺産登録後は登山者がさらに増加することが予想されますことから、登山者の安全確保や環境保全に必要な財源を確保するためにも利用者負担の導入を検討しております。
 根拠の一つは、ことしの一月五日から一月十五日ヤフーニュースでの意識調査六万四千票弱のうち八八%、九割弱が賛成であるというふうに言われています。また一昨年八月の山梨県の吉田口における富士登山者意識調査というのがございます。母数は一千八十でございますけれども全体賛成者は六四%、ただし「わからない」という人が二四%いますのでそれを除き賛成・反対だけで見ますれば賛成者が八六%となります。そしてまた昨年の夏に静岡新聞と山梨日日新聞がアンケートを共同実施しました。登山者計、母数はわずか二百人でございますけれども七五%の人たちが賛成、ただし「どちらともいえない」という人を除きますれば、「反対」、「どちらかといえば反対」というそういう賛成・反対ということについてのレベルで言いますれば八三%が賛成というそういう数字が出ております。したがって、大方の人たちの賛成意見というのがベースになっております。
 ただ、導入に当たりましては使途を明確にしなければなりません。対象者を明確にしなくちゃなりません。また徴収額を決めねばなりません。徴収方法も明確にしなければなりません。こうした課題がございます。加えて土地所有者や観光事業者など多くの関係者との調整が必要となります。昨年夏以降山梨県と協議を進めておりまして、先月にも富士山世界文化遺産協議会の作業部会におきまして関係者の御意見を承ったところでございます。
 議員御提案の一般の方から広く浄財をいただく白い羽根募金は、富士山を守る意識の醸成にも寄与いたしますし、さまざまな活動の財源とすることが可能である点など利点もございますけれども、実施に当たってはどのような組織が主体となるのか、どのような配分をするのかなどの課題もございます。
 今後は、山梨県と一体となって専門家の御意見も伺いながら、国、市町村、観光事業者など富士山に関係する多くの方々と協議をし、財源確保の仕組みについて合意形成を図ることとしております。
 次に、私の目指す現場主義についてであります。
 私は、知事に就任して以来現場主義を基本姿勢としてまいりました。県政の諸問題を――諸問題は現場にございます――ですからその諸問題をそこで解決するという姿勢でございます。その方向で全力を傾注してまいりました。課題の解決に当たりましては、実際に現場において見聞を広めその核心となる事実を知ることが何より肝要です。まさしく今年度の移動知事室というのはこうした現場主義を一層徹底するために実施したものでございます。
 ちなみに、知事就任以来ことしの一月三十一日まで、県内における公式出張数は一千六十二回にわたっております。県内各地、行っていない市町はございません。
 現場でいただいた御意見は、先ごろ国の総合特区に指定されました内陸のフロンティアを拓く取り組みを初め浜松沿岸地域での津波防護施設の整備、ふじのくに型福祉サービスの促進、施設園芸への太陽光発電の普及、県産材の供給体制の強化と利活用の促進など、これらスピード感を持って具体的な施策へ反映してまいったところでございます。
 議員御指摘のとおり、現場や地域の要望を酌み取ることは重要です。こうしたことの積み重ねが総合計画の目指す県民幸福度の最大化につながると考えております。もし地域の要望を酌み取ることができないのであれば、地元市町とも協議しながらしっかりと検討すべきであると考えています。このため県民のこえ意見箱を全市町に設置しておりまして、四月には百四カ所に増設いたします。
 知事広聴、部局長等による広聴、事業仕分け、パブリックインボルブメント、パブリックコメントの実施など、これまでにも増して県民の皆様の声を県政に反映する機会の充実に努めてまいります。
 議員の御紹介いただきましたロープウエーの件でございますが、これはこのたびの総合特区に静岡市のほうも要望されていたわけでございますが、それはエレベーターをもって頂上へ上げるという案でございました。これはなかなかに――最終的にこれは蹴られたわけですけれども――お金もかかるし自然破壊のこともありますし、そして頂上は久能山ではありませんで、日本平のほうは私どもの県有地でございます。したがってそうしたところに市のつくられている計画があるわけですけれども、これは一緒に共同してやるべき筋のものです。それでいかにして市がつくられたその特区構想などを形を変えて県と一緒に実現するかということは、市と県の共通の課題ということでございます。
 ちなみに、市町とのいわゆる全体会議もございます。同時に浜松市と静岡市とはいわゆるサミットと称して公式の会議がございます。それ以外にも浜松市長、静岡市長とはもう数限りなくインフォーマルな意見交換をしております。そういう情報交換の中で、自然破壊を伴わずにまた風景博物館としての日本平ホテルができかつ久能山も国宝になりまして、そして夏の混雑時に車以外に公共の方法で上のほうに来れる方法はないかという中で市長さんがお考えになったのはエレベーターだったわけですけれども、それ以外にも方法があると。そうした中で私どもも実は事務局と相当に検討を重ねまして、またいろいろなところと比較考量をしてまいりまして、先ほど言われました果樹研究センターというのが移転いたしますのでそこをどのように活用するかということについて、一案としてそこからリフト、何といいますかゴンドラとかあるいはロープウエーとか方法があります。それがまた景色をだめにしたらだめですから、ですからホテルからの景色がだめにならないようなそういうことも可能であるというふうなことを紹介したわけですね。ですから久能山ではありませんで日本平です。はい。
 そのように県民の意見を酌み上げるとともに、同時にそうしたことを考えるのが県民の幸福を考えるのが我々の仕事でございますから、御提案を申し上げてそれを議論していただくというそういうスタイルも必要です。リーダーシップをとってそしてその御提言に対して御意見を賜って現実なものにしていくと。こういうやり方ですね。ですから必ずどこかでプロポーザルをしなくてはなりません。それで県民の意見を聞きながら市民の皆様の御意見を聞きながら形にしていくと、こういう手法でございます。皆様のアンケートのことだけを全部実現するということではなくて、こちらは全体のことを考えながら何らかのプロポーザルをする。それについて議論をしていただいてそして一番いいところに着地点を見つけると。こういう方法をとっております。
 今後とも、みずから現場に赴き現場で学び現場で解決する現場主義を貫きまして、県民の皆様とともに理想郷ふじのくにづくりに邁進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げますが、一点、山の州に関してですけれども、これはもう十年以上提言しているものでございます。山の州のみならず北海道・東北を森の州、関東地域は平野ですから平野の州、野の州、そしてこの地域は山の州、そして西日本は瀬戸内として海の州というのがよろしいということで、この富士山州などにつきましてはたまたま国会議員の先生――塩谷先生と山梨県の小川先生、御同席の中で両先生から出たもので、私はそれを横内知事に投げかけたのですがほとんど御関心を示されませんでした。それから阿部長野県知事ともサミットを日本平でいたしましたが、そのときにも似たような提案をいたしました。南アルプスを共有していますので。そのときにもほとんど御関心を示されませんでした。
 そして、こういう府県制を最終的にはなくして市町の基礎自治体に権限・財源・人材をおろし、かつ広域の道州に人材を上げていくというこういう方法によって大きく四つの州くらいに分けるのが日本の力を大きくする方法だというそういう意見は、先ほど申しましたように年来の持論でございます。
 この持論、これまでこの県政を預かる前にほとんどの県の方々にお招きを賜ってお話をしたときには大変好意的にしていただいたと。しかし知事になりましてこれを実際に申し上げていきますと、知事職を廃止するとか府県制を廃止するなどということをお考えになったことがほとんどない知事先生で、四十七都道府県中これを言ってるのは恐らく私一人でしょう。
 しからばこれは空論かと言いますれば、私は一九九六年に国土審議会の委員に任ぜられました。今度また新たに再任されました。ですから九六年からもう既に足かけ十六年、十七、八年になっています。この間このことを主張してきているわけです。ですから中長期的に考えるとその方向に行くという確信がございます。国土審議会の委員になるということはそこでの資料をもらえるということです。国のありとあらゆる資料を手に入れることができます。担当の国交省の役人さんはかわります。そもそも当時は国土庁もありました。今はそれもありません。そうしたときの資料も含めてそれを勉強すれば、全体日本の行く末というものはある程度見通すことができます。そうした中での発言をし続けておりまして、そうしたものがなかなかに共感を得られないというのが現状でございます。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) 山の州連合の創設についてお答えいたします。
 行政課題が広域化する中、隣接県と情報を共有し、それぞれが抱える広域的な課題に対して共通のテーマを持って取り組みを進めることが期待されております。
 このため、本県ではこれまで神奈川県、山梨県と山静神サミットを開催し観光振興や防災対策、環境対策などに連携して取り組み、また長野県、愛知県とは三遠南信地域連携ビジョン推進会議に参加して、三遠南信自動車道などの地域の基盤整備促進や産業振興などに一緒になって取り組んでおります。
 こうした中、富士山を共有する山梨県とはこれまでも両県合同会議を通じまして富士山の世界文化遺産登録に向けた取り組みを続けており、またともに南アルプスを抱く長野県とは知事懇談会の開催といった形で知事が直接顔を合わせ、共通の課題について意見交換し連携を深めてきております。
 先ほど知事からお話がありましたように、山の州への関心は少なかったわけでございますが、本県からの山を象徴とする広域的な連携の提案に対しましては、山を中心に協力できる県が問題意識を共有して取り組むことが重要との御意見もいただいているところであります。
 今後とも、既存の県の枠にとらわれずさまざまな機会を捉え隣接する県との意見交換や交流を積極的に進め、県境を越えた広域的な課題解決や地域振興などに連携を密にして取り組んでまいります。こうした取り組みの積み重ねがまだ形に見えるまでには至っておりませんが、山の州連合につながっていくものと考えております。
 次に、新エネルギーの利用についてのうち、LNG――液化天然ガス冷熱の有効利用についてであります。
 LNG冷熱につきましては、全国に三十七カ所あるLNG基地の約三分の一において冷熱発電やドライアイスの製造、冷凍・冷蔵倉庫の冷却等に利用されてきております。清水エル・エヌ・ジー袖師基地が立地する清水港におきましても、周辺に冷凍施設や魚市場など冷熱を利用する施設が多くありますことからこれまでLNG事業者や地元関係者が中心となり利用の検討がされてきましたが、実現に至っておりません。
 課題といたしましては、配管距離が長くなるほど冷熱利用効率が低下することや設備等に多額の費用を要することなどがあると伺っております。採算性を確保するための需給に関する基礎的な調査に加え事業の担い手の確保などについても十分に検討を重ねていく必要がありますが、議員御指摘のとおり東日本大震災以降こうした未利用エネルギーの有効利用が重要性を増しております。
 県といたしましても、LNG冷熱の有効利用を促進する観点から、地元の静岡市を初めLNG事業者、倉庫事業者など関係する皆様の御意見を伺いながら地域の産業振興や観光振興に生かす方策について検討を進め、地域資源を最大限活用したエネルギーの地産地消を目指してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) 新エネルギーの利用についてのうち、バイオマスの有効利用についてお答えいたします。
 県では、平成二十四年三月にバイオマス活用推進計画を策定し食品残渣や木質バイオマスの利用に取り組んでおります。
 木質バイオマスの利用を拡大するためには、木質ペレット製造設備の整備と供給先であるボイラーなどの導入が重要であります。県では平成二十三年度に小山町内のペレット製造施設の整備に助成を行い曲がり材など原料としたペレットの県内供給が可能となり、県産材の活用にもつながっております。来年度も森林整備加速化・林業再生基金を活用し工場や医療施設のペレットボイラー導入を支援いたしますとともに、県森林・林業研究センターにペレットを活用した冷暖房施設の導入を図ることとしております。
 また、県の試験研究機関におきましてはバイオマス発電について研究を進めておりまして、食品工場の廃棄物を利用して熱と同時に電気を発生させるシステムを開発し共同研究企業が実用化をしております。
 さらに、県内企業や大学等が連携をして取り組むバイオマスエネルギー等を活用した新技術、新製品の開発に対し助成をすることとしております。現在県内の企業が簡易型木質バイオマスガス化発電装置の開発にも取り組んでおります。
 今後も、木質バイオマスなどを活用したエネルギーの地産地消を推進しバイオマスの有効利用に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 清水港新興津地区の整備についてのうち、初めにコンテナターミナル第二バースの整備についてお答えいたします。
 清水港は、ものづくり県静岡の港湾物流の中心的役割を果たしており、国際拠点港湾として船舶の大型化に対応した機能の強化が求められております。平成二十年度から整備を進めてまいりました第二バースにつきましては、水深十五メートルの耐震強化岸壁及び免震機能を備えた高規格コンテナクレーン二基の設置が完了することから本年五月中の供用開始を目途としております。
 第二バースが供用されることにより、第一バースと合わせ七百メートルの連続した大水深の岸壁が一体的に利用できるようになることから、世界の主要航路で主流となる十万トンを超える超大型コンテナ船の荷役が可能となります。また大型コンテナ船が二隻同時に接岸でき貨物の積みかえ作業が同じ埠頭内で行われることから、荷役の効率化やコストの縮減が図られます。
 第二バースの完成により、現在清水港全体で年間約六十万TEUのコンテナ取扱能力は約百万TEUへと大幅に向上することから、ポートセールスを一層推進し航路の拡充と取扱貨物量の拡大に取り組んでまいります。
 次に、人工海浜及び小型船だまりへの取り組みについてであります。
 県では、海浜の復元や水産業の振興を目指し、コンテナターミナル第二バースとともに平成二十年度に人工海浜及び小型船だまりの整備に着手いたしました。
 人工海浜につきましては離岸堤及び突堤の一部が完成しており、同じエリアに整備する他目的広場は工事の進捗に応じて順次御利用いただきながら平成二十五年度の完成を目指しております。また小型船だまりにつきましても、昨年用地造成に必要な公有水面の埋立免許を取得し岸壁の設計に着手するとともに、さらに現在防波堤の延伸工事を鋭意進めているところであります。
 これまで、厳しい財政状況の中限られた事業費で効率的な整備に努め確実に事業を進めてまいりましたが、本年度は国の緊急経済対策に合わせ前年度の約二・五倍となる事業費を確保できたことから、より一層整備を推進してまいります。
 県といたしましては、今後とも必要な財源の確保に努めるとともに、コスト縮減を図りながら早期の完成を目指してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 九番 深澤陽一君。
       (九番 深澤陽一君登壇)
○九番(深澤陽一君) それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは再質問を二点させていだきます。
 まずは、知事が最後に御答弁いただきましたけれども、山の州連合について今の知事の御説明の中でのことに触れさせていただきますけれども、十年以上知事が提言されているということでそれは存じ上げております。その中で今お話がありましたように、長野・山梨両県知事にももう既に伺っていただいていると。ただ関心を示さなかったということでそれは非常に残念なことでありましたけれども、今回の質問の私の趣旨は、要は山の州連合やあるいは先ほども申し上げましたけれども富士の山の州といった知事が要は山の州への突破口にしようというようなことも含めて、隣県と協力していく何か広域連合のようなものを御発言されたので、特に今財源が集まってくる、それをどういうふうに扱おうかということも検討しなければいけない中ではその受け皿となるやはり組織というものが必要じゃないか。そのためにも山の州連合あるいは富士の山の州というものをどんどんどんどん積極的に具体的に説明して実現しなきゃいけないじゃないかというふうに思ったので、理解してくれないだけではちょっと何か弱いなというふうに思いましたので、そういった財源の受け皿あるいは人材、権限、そういった意味で、もう一度このいわゆる隣県との協力体制というものを実現する意志があるのかどうか。その点をもう一度質問をさせていただきます。
 もう一つ、最後の知事の目指す現場主義についての御答弁をいただきました。現場で積極的にさまざまなことを御提案していただいて、特に先ほど済みません、私間違えましたけれども、日本平と駒越を結ぶということでございましたけれども、その中で御説明の中の言葉として例えば積極的に県で地元の意見とか地元の要望とかを酌み取っていく。酌み取れないのであれば市町と協力していくというような発言をされましたけれども、現実、今回のこの駒越の部分もそうなんですけれども、地元の要望が県の土地ですので県に上がってきた。しかし県は、地域のことなのでそれは受け取れませんということで受け取っておりません。そんな中で、今知事がいろんな事務方と相談をしながら検討しながら提言をしたかもしれませんけれども、実際これは市のほうには行っていたとしても市から県には財源の問題があって上がっておりません。ですからその検討の中には地元の要望というものも含まれていない。要は地元の要望が宙に浮いてしまっているという現実もあります。
 そういった意味でも、いろいろとやっていただいているかもしれませんけれども、現実には地元の要望が途中でとまって宙に浮いているようなこともありますので、そういった現場の声を漏らさずにできるだけ聞いていただくということについて、もう一度御見解をお伺いいたします。
 最後に一つ要望で、バイオマスの有効利用、さまざまな御支援をいただけるということで御説明がありましたけれども、実際に非常に事例が少ないという意味でも実用化に向けてもそれを生かすために御支援をいただけるようこれは要望させていただきます。以上です。
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 深澤議員、再質問ありがとうございました。
 二点目の件に関しましては存じ上げませんでしたので、部長のほうから御答弁を申し上げます。
 まず、一点目の隣県との協力の意志があるかと。非常に強くございます。私は理解は得られていないというのは現実ということで、それを御説明申し上げました。しかしながら一貫してその努力をしております。そして広域災害というものに県同士での協力関係というものが必ずしもうまく機能しないというそういう現実が、この三・一一で明らかになりました。三・一一の後七日目になってようやく全国知事会のほうから、我々は岩手県を、長野県、大阪府、和歌山県とともに助けるべしと言ったわけですが、大阪と和歌山と長野と我々がどのように協力してできますか。ですから私は自分でやったわけですけれどもそれを誰が決めたのか、答えることができないということがございまして、さすがに全国知事会のこの体制では広域的な大災害には即座に対応できないという認識ができ上がりまして、それで地域主権改革のプロジェクトチームがございますが、そこに府県制のあり方についての検討が初めて設けられたのです。これもそういう形で私自身のほうから提言を申し上げましたことが実ったものだと思っておりますが、しかしそれはこれから検討するという段階でございます。
 それから、富士山の世界遺産登録を契機にいたしまして、お越しになられる方はこちらが山梨、こちらが静岡と関係ありませんので、ですからできる限りそういう行政の壁を低くしようということでは横内知事と完全に一致しております。
 ですから、これを突破口にしながら住民のため、県民のため、そして国民のためになるような行政のあり方を協力してつくり上げていくというその姿勢は一貫しております。最終的な落ち着きどころというのはこれしかないというふうに、つまり四つくらいに分けるというくらいしかないなというのが私の資料を分析しての意見です。
 ちなみに、現場主義というのは、現場を知ってそこから現実を知るということ、それから資料を読むということ、そこからしか発想しません。何を提言するかというのは、私は作家ではなくて社会科学者ですから、ですから文書資料、それからいわば文書にならない資料もございます。そこから概念を組み立ててその現実を説明するという手法です。ありがとうございました。
○議長(小楠和男君) 出野知事戦略監。
       (知事戦略監 出野 勉君登壇)
○知事戦略監(出野 勉君) 深澤議員の地元の要望の受け入れの話についての再質問についてお答えいたします。
 一般論としては、当然地元の声というのは知事広聴あるいは移動知事室等で承って、それを県と市が、あるいは県が、あるいは市が対応していくというのを原則として行っているわけでございます。
 このたびの柑橘試験場の跡地につきましての地元の要望でございますけれども、具体的には私もちょっと承知しておりませんが、地元の要望としてきちんと受け取るべきものは受けとめ、特に現在静岡市と県は、副知事、副市長をトップにいたしまして各部局長が静岡市のいろんな課題について検討する会議を設けております。そういった中でも地元の要望をきちんと受けとめ効率的な、あるいは静岡市あるいは静岡県の将来に使えるような跡地利用としてきちんと受けとめていきたいと思います。以上であります。
○議長(小楠和男君) これで深澤陽一君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp