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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

植田 徹 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山を眺望する岩本山を核とした観光地づくりについて      
2 オリンピック・パラリンピック文化プログラムについて       
3 ファルマバレープロジェクトの推進について            
4 新々富士川橋の整備について                   
5 児童虐待の対策について                     
 (1) 関係機関との連携体制の充実                  
 (2) 児童養護施設入所児童への自立支援  


○副議長(杉山盛雄君) これで佐野愛子君の質問は終わりました。
 次に、五十四番 植田 徹君。
       (五十四番 植田 徹君登壇 拍手)
○五十四番(植田 徹君) 皆さんこんにちは。午後のひととき、睡魔の訪れる時間帯ではございますがもうしばらくの御清聴をお願いをいたします。
 私は自民改革会議の所属議員として通告に従い、一括方式で知事及び関係部局長に当面する県政の諸課題についてお伺いをいたします。
 まず初めに、富士山を眺望する岩本山を核とした観光地づくりについて伺います。
 私の住む富士市の西に位置する標高百九十三メートルの岩本山の山頂には、一年を通して自然に触れ合うことができる憩いの場所として住民に愛される岩本山公園があります。そしてこの公園には富士山のすばらしい眺望というほかにはない魅力が備わっており、知事には現場の眺望のすばらしさは御理解いただいていると思いますが、目の前に広がる表富士の両袖に裾野を広げたような絶景はあたかも優雅な着物を着た女性、木花開耶姫命をイメージさせるものがあります。日本一の富士山を望むビューポイントは県内外に富士見坂や富士見台などの地名も数多くあることに象徴されるように各地にありますが、目の前に遮るものがなく稜線を一望できるさまは、ひいき目を抜きにしてもどこよりもすばらしいと感じております。また山頂の展望台からの眺望は富士山のみならず西に富士川、南に洋々たる駿河湾や後方にたたずむ伊豆半島を一望することができます。さらに夕方から夜にかけては満天の星空のもと富士から富士宮、さらには清水港まで広がる夜景の絶景スポットとして数多くの市民、県民に広く知られ、愛されているところであります。
 しかしながら、どこを向いても絶景である世界に誇るこのビュースポットが十分に観光スポットとして活用されていないのが現状であります。こうした中、岩本山を愛する地元に住む女性が岩本山公園に温泉施設、スポーツ施設、観光ホテル、キャンプ場、地場産品のアンテナショップ等を整備するとともに、岩本山の周辺に広がる茶畑を活用したツアーなどの構想を企画し、地方創生に実績のある地域経済活性化支援機構――REVICに提案しているとも聞いております。残念ながら地元の富士市においてこうした提案を含め富士市ひいては本県の宝である岩本山を活用しようという動きは具体化しておりません。宝の持ち腐れのような状態でありまことに残念でなりません。
 そこで、兄貴分である県には世界遺産富士山を眺望する絶景の地、岩本山を核とした観光地づくりについて県としての取り組みや富士市への支援をお願いするものでありますが、知事の所見を伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック文化プログラムについて伺います。
 オリンピズムは、スポーツを文化、教育と融合させ生き方の創造を探求するものである、オリンピック組織委員会は文化的な幾つかのイベントを計画し、プログラムを作成しなければならない。これらはオリンピック憲章にうたわれていることであります。つまりオリンピックは単なるスポーツの祭典であるだけでなくスポーツと文化、教育の融合の重要性を説いており、文化の祭典でもあるわけであります。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては、国としては二十万件の文化イベントを全国各地で展開していくことを表明しているところであり、多彩な文化イベントを開催する文化プログラムも重要となってまいります。ロンドンオリンピックでは北京オリンピックが終わった二〇〇八年九月から開催期間を四年間とするプログラムが始まり国内各地で大小さまざまな文化プログラムが展開され、その後交流人口の拡大に寄与したと伺っております。川勝知事は国が表明する以前の昨年十一月の全国知事会議において東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて全国各地で文化プログラムを展開することを提案し、また本年二月には県職員を英国に派遣して調査を行うなど、国に先駆けた取り組みを進めているところであります。
 また一方、競技大会組織委員会においては東京オリンピック・パラリンピックにおける文化プログラムの展開について枠組みや方針を定めていないため、いつからどのような形で行うのかを明らかにしておりませんが、本県は本県で独自に準備を積極的に進めていくべきであると考えております。
 昨年十一月、するがのくにの芸術祭富士の山ビエンナーレが私の地元である富士市の鷹岡や富士駅前の商店街、富士川、蒲原、由比の旧東海道の町並みを会場に開催されました。富士山の裾野に住む作家が世代を超えて取り組む「フジノワ展」を初め、商店街の空き店舗や歴史的な町並みを生かして作家が地域に滞在して作品を制作する「富士の山アーティスト レジデンシープログラム」など多彩な催しが行われ県外からも多くの人が訪れ、かつてにぎわった地域の歴史をほうふつとさせるものでありました。
 富士の山ビエンナーレは、住民の有志による実行委員会が商工会や観光協会、市と連携して開催されており、こうした地域の取り組みはオリンピック文化プログラムの重要な柱になるものと確信をしております。また県内の各地でも地域の文化資源を活用したさまざまな活動が行われており、オリンピック文化プログラムとしての展開を契機に国内外の人々が地域の文化活動に参加し交流することは、さらなる文化の振興はもとより地域の魅力づくりや観光振興にも大きく寄与するものであります。
 そこで、静岡県としては県内各地で文化プログラムが展開されるよう地域の取り組みを促進していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
 次に、ファルマバレープロジェクトの推進について伺います。
 静岡県は、世界一の健康長寿県の形成を目指し、日本トップレベルの高度がん専門医療機関である静岡がんセンターを中心に、産学官金のネットワークによる地域経済の振興と成長産業である医療健康産業の集積を図るファルマバレープロジェクトを推進しております。本年七月には推進計画である第三次戦略計画を改定し、さらなる集積と拡大を進めているところとのことであります。県民や産業界から地域経済の活性化や新たな成長産業分野の創出が嘱望される中で、ファルマバレープロジェクトを推進する県の姿勢や取り組みについては期待を持って評価しているところであります。現在プロジェクトの新たな拠点施設となる静岡県医療健康産業研究開発センターを長泉町の静岡がんセンターの隣接地に整備しており、この十二月議会には公益財団法人静岡県産業振興財団を指定管理者に指定する議案が上程されております。
 また、来年九月の新拠点施設の全開所に当たっては、プロジェクトの中核支援機関である同財団のファルマバレーセンターが静岡がんセンターから新拠点内に移転すると伺っており、地域企業を支援する体制も強化されるものと期待をしております。これまでもファルマバレーセンターの支援のもと、私の地元富士市の企業も国の開発支援事業を活用したにおいセンサーによる病臭測定診断装置や総合特区利子補給金制度を活用したシリンジポンプテスターの開発などプロジェクトに参画してまいりました。これらの企業のように医療健康産業分野に参入できた企業はまだまだごく一部の企業にとどまっております。この新拠点施設の本格稼働を契機として県東部地域における地域企業の医療健康産業への参入促進と地域産業の振興が一層期待されるところであり、そのためには新拠点施設の役割は非常に重要であると考えております。
 そこで、この新拠点施設を活用し、県東部地域の企業に対して医療健康産業分野への参入と成長促進をどのように展開をしていくのかお伺いをいたします。
 次に、新々富士川橋の整備について伺います。
 一昨年六月に富士山が文化遺産に登録をされたことにより、本県の知名度は大いに高まり誘客を図る絶好の機会となったことから、本県を訪れる観光交流客数は統計調査開始以来二年連続で過去最高を記録しております。
 富士山への玄関口となる富士地域においても同じく過去最高を記録しており、これまでにも増して人々を引きつけ憧れを呼ぶ地域となることが期待されており、歴史・文化、自然など多彩で魅力的な地域資源を生かした広域的な観光交流を促進するためには何より安全で利便性の高い道路の整備が必要となってまいります。
 中でも、新々富士川橋は長年の懸案である県道富士由比線富士川橋の慢性的な交通渋滞を解消し静岡・山梨両県にわたる富士川流域地域の交流の活性化を図るとともに、予測される南海トラフ巨大地震により大規模な災害が発生した場合には避難路や緊急物資の輸送路としての役割も期待されております。新々富士川橋は平成十四年度に事業着手しておりますが、生活道路の分断や通行車両による環境悪化への懸念などから沿道住民の理解が得られず長年にわたり本格的な着手ができない状況が続いておりました。課題の解決に向け地権者や地元の方々を中心に富士市及び県と粘り強く知恵を出し合った結果、平成二十四年度に三者での合意形成が図られ本格的な着工に向けて大きく動き出し、今では大型物件の撤去が完了するなど進捗状況が現地でも確認できることから早期の工事着手、そして一日も早い完成に地元の期待も高まっているところであります。
 そこで、新々富士川橋の整備について、現在の状況と今後の見込みについてお伺いをいたします。
 次に、児童虐待の対策についてのうち、関係機関との連携体制の充実についてであります。
 児童虐待相談対応件数が急増していることが報道されております。平成二十六年度の本県の虐待相談対応件数は過去最多の二千百三十二件となり、特に富士児童相談所管内の相談対応件数は三百件と、富士児童相談所が設置された平成二十二年度と比較すると二倍以上に急増しております。また虐待を受けた子供の年齢別では学齢前が九百八十件で最も多く全体の半数近くを占めています。また実母及び実父を合わせた実親による虐待が千九百十八件で、実に九割近くとなっております。
 昨年度、県内では生後間もない嬰児の死体が遺棄され母親が逮捕される事件や幼児に暴行を加え死亡させたとして母親や同居男性が逮捕されるといった重大事件が相次いで起こり、私の地元富士市でもことしの九月に父親が五歳の我が子にやけどを負わせた痛ましい事件が発生するなど、児童虐待の深刻さが増しております。憂慮すべき状況であると考えております。この少子化の時代に社会の宝である子供の危機との観点から子供の安全を守ることは大変に重要なことであります。平成十六年度の児童福祉法の改正により児童虐待を含む児童相談については第一義的に市町が対応し、児童相談所はより困難な事例への対応や市町への専門的助言を行うこととされております。
 急増する虐待の予防や早期発見のためには、地域全体で子供を守るという観点から児童相談所と関係機関の連携体制の充実が必要であると考えますが、こういった体制の整備について所見を伺います。
 最後に、児童養護施設入所児童への自立支援についてであります。
 先日、私は虐待を受けた子供などが暮らしている富士市内の児童養護施設を訪問し施設運営や子供の自立の現状、課題について施設の職員の皆さんから直接お話を伺ってまいりました。職員の皆さんから施設で暮らしていることによる不利益をなくし、子供が施設で暮らすことを恥じることがないようにしたいなど子供の視点に立ち養育している声を多くお聞きしました。
 その中で、最も懸念したことは入所児童の大学、専門学校等への進学状況であります。平成二十五年度末卒業の全国の高校生の進学率が七六・九%であるのに対し、平成二十六年度末卒業の富士市内の児童養護施設に入所している子供の場合は一六・七%にとどまっております。これは虐待等のさまざまな理由により親元に帰ることができずに親の支援も受けられない環境で、子供みずからが大学等の入学金、授業料等の学費や施設等を出てひとり暮らしをする場合の生活費等を確保することが極めて困難なためであり、子供の自立の選択肢を狭め、その結果として貧困やみずからの子供への虐待など負の連鎖につながる問題だと考えております。
 さらに言えば、希望しても大学や専門学校等への進学がかなわないこの状況は当事者の子供への影響にとどまらず、そうした先輩の姿を見ている施設内の年少の子供たちのやる気をそいでしまうというもう一つの負の連鎖につながりかねない問題であります。また児童養護施設に入所している子供はそれまでの家庭での学習習慣が身についておらず学習面での出おくれが見られることが少なくないとお聞きしました。児童虐待等のさまざまな理由により児童養護施設に入所している子供にとって児童養護施設は最後のとりでであります。また進学できるかどうかは入所児童の今後の人生を左右すると言っても過言ではありません。
 施設で暮らしている子供が、みずから希望する将来を実現することができるよう支援策を充実させる必要があると考えますが、県の所見をお伺いいたします。以上、答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 植田議員にお答え申し上げます。
 オリンピック・パラリンピック文化プログラムについてであります。
 文化プログラムは、その推進を通じて形成される文化芸術とさまざまな分野とのネットワークや交流が地域の文化力として定着し、感性豊かな地域社会の実現に寄与していくことが期待されるものであります。
 私は、先ほど植田議員御紹介のオリンピックの精神並びにロンドンオリンピックにおける文化プログラムの大成功に照らしまして、全国知事会で日本でも東京五輪が決まった。それを受けまして文化プログラムを全土で開催したらどうかと御提言申し上げたところ全会一致で御賛同賜わり、さらにまた国もその動きを推進してくださるということでまことに慶賀にたえないところでございます。
 そしてまた、これを受けまして言い出しっぺでございますので静岡県といたしましては多彩なプログラムを県内全域で展開してまいりたいと思っております。それを受けまして去る十月に国がまだ準備ができていないということでございますので、私ども国に先駆けまして文化、観光、産業、国際交流、福祉など各界の代表者で構成する準備委員会を発足させたところでございます。実践的な専門家の御協力を得てプログラムの方針やテーマ等の検討を開始いたしました。
 植田議員御指摘のとおり、文化プログラムの展開を図る上で分野や地域の垣根を越えた住民の方々の自主的な取り組みが重要です。現在文化プログラムの企画につながる可能性のあるさまざまな活動とその担い手、交流の場等といった文化資源を把握いたしましてプログラム推進に活用するための調査事業の提案を公募中でございます。
 来年三月には、文化プログラムの担い手となる各界各層の関係者が集うフォーラムを開催いたしまして公募した調査結果の発表と関係者の交流の機会を設け、これを契機として県内各地域の取り組みの具体化を図るとともに、来年度は各界を挙げてオール静岡県の体制を強化し、地域の取り組みを五年後の東京五輪に向けまして積極的に支援してまいります。
 次に、ファルマバレープロジェクトの推進についてであります。
 本県は、医薬品、医療機器の合計生産金額が約一兆円を記録しておりまして四年連続で全国一でございます。成長産業であります医療健康産業を集積し地域経済をさらに活性化させていくためには、議員御指摘のような地域企業の参入と事業化、製品化を加速させる必要があります。
 来年三月に一部開所を予定し、また九月には全面開所を予定しておりますが、新拠点施設静岡県医療健康産業研究開発センター。これは旧長泉高等学校の跡地でありまして、すばらしい地の利を持っているところでございます。道路を隔ててがんセンターの向かいでございますが、これは戦略的な拠点になるものとみなしておりまして、研究開発や交流連携、人材育成などの機能を充実させ、地域企業を積極的に支援してまいります。
 具体的には、新拠点施設にレンタル工場として使用できる地域企業のための開発生産施設を設けます。また研究開発室を二十三室設けます。そして地域企業に研究、開発、生産の場を提供をいたします。また地域企業が抱える製品の開発から販売に至る各段階での課題解決のために、ファルマバレーセンターが中心となりまして静岡がんセンターを初めとする医療機関との連携やリーディングパートナー、また入所の決まっておりますテルモ株式会社のような企業、専門家による地域産業を支援する体制を構築いたします。加えて施設内にラボマネジャーを配置いたしまして入居する中小企業の経営戦略の策定から資金調達、製品開発、販路開拓まで一貫して支援していこうと考えております。さらにこの施設におきまして医療従事者やものづくり企業などが参加する異業種交流会や薬事法令と製品開発の両面に熟知した高度な産業人材を育成する講座を開催してまいります。
 先ほど御案内のように、平成十四年から第一次戦略を立てまして、第二次戦略、平成十九年から平成二十二年。これらが全てうまくいっております。山口総長のもとで既に東京工大、東京農工大、早稲田、慶応義塾、このような研究教育機関との連携が実を結びつつありまして、当初の予定をしておりました県産生産額一兆円を前倒しで実現したということでございます。そこで今第三次計画でございますが、ものづくり、人づくり、まちづくり、そして世界展開ということでございますが二兆円の目標額を公にいたしまして取り組んでいるところであります。
 御案内のように、この医薬品、医療機器というのは輸入超過であります。平成二十五年度の医薬品、医療機器輸出入差額でございますけれども合計二兆五千億円を記録しております。その中で医療機器は七千七百億円ほどの赤字ということです。医薬品は一兆七千億円を上回っておりますが、医薬品はなかなかに輸入代替をするのが難しゅうございますけれども、ものづくりに関しましては我が県の得意とするところでございますので、こうした医療機器の輸入代替を踏まえてかつ輸出産業にしていくと。そういう戦略を立てているということでございます。
 県といたしましては、今議会に指定管理者としてお諮りしております公益財団法人静岡県産業振興財団との連携を強化いたしまして、新拠点施設が有する機能を最大限に発揮、活用することで地域企業の参入と成長を促し東部地域を中心とする地域経済のさらなる発展と医療健康産業の集積を進め、健康寿命世界一の県にふさわしい産業組織を充実してまいりたいと思っております。
 なお、岩本山の観光拠点としてのすばらしさは郷土愛にあふれた植田議員と私も共有するところでありまして、これに対する積極的な答弁を担当事務局からすることになるよう期待して、さらに新々富士川橋も先生方の御協力、なかんずく党派を超えて早川議員が地権者のところに私を案内してくださって、そして今御紹介になられましたように工事が着々と進んでいるのはまことに御同慶の至りでございます。
 こうしたことも含めまして、これから関係部局長に御答弁をさせます。ありがとうございました。
○副議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山を眺望する岩本山を核とした観光地づくりについてお答えいたします。
 岩本山は、梅や桜、一万株以上のアジサイなど一年を通して四季折々の花が咲き誇り、富士山と梅、富士山と桜が一緒に撮影できる名所として写真愛好家を初め年間約二十三万人が訪れる人気の公園であり、さらに県外に向けて広くPRを行うことで観光地としてまだまだ伸びる可能性があります。
 県では、このすばらしい眺望のスポットを広く県外の皆様にも知っていただくため、今月三十日に開催する富士山女子駅伝のテレビ中継においてコース周辺の見どころを紹介する中で岩本山を取り上げてもらえるよう、このたびテレビ局へ素材として提供したところであります。さらに今後開催する首都圏等での観光商談会において、山部赤人の歌で有名な田子の浦やフード・アクション・ニッポンアワード二〇一五インバウンド賞を受賞したシラス丼、ブルーベリーやイチゴ狩り等の農業体験、ロケ地としても活用されている岳南鉄道など富士市が有する多彩な観光資源と岩本山を組み合わせたPRを展開してまいります。
 また、山頂部の公園整備につきましては県ではこれまで観光施設整備事業補助金により遊歩道や駐車場の整備に当たって助成してまいりましたが、今後も公園管理者である富士市の意向を踏まえ、岩本山の魅力がさらに向上し県内外からより多くの方々が訪れる観光地となるよう積極的に支援してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 新々富士川橋の整備についてお答えいたします。
 新々富士川橋の整備は、県道富士由比線富士川橋周辺の渋滞解消や富士川流域の交流促進を目的とした長さ七百四十二メートルの長大橋を含む延長約一・四キロメートルのバイパス事業であり、平成十四年度から着手しております。
 事業実施に対する地域の懸念を払拭するため、これまでに沿道にお住まいの方など多くの方々と六百五十回を超える意見交換会を重ねた結果着工に向けた環境が整ったため、平成二十五年度から本格的に用地買収に取り組んでおります。これまでに地権者数ベースで約四割の用地契約が完了しており、また橋梁本体についても河川管理者である国との協議が終了し、橋梁下部工二基の年内での工事契約締結に向け現在入札手続を進めているところであります。
 県といたしましては、新々富士川橋の建設は地域交通の円滑化に加え山梨県峡南地域との交流人口の拡大にも大きく寄与することから、関連道路を整備する富士市と連携し平成三十年代中期の開通を目指して引き続き整備推進に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 児童虐待の対策についてのうち、関係機関との連携体制の充実についてお答えいたします。
 急増する児童虐待への対応は喫緊の課題であり、児童虐待の予防や早期発見のためには児童相談所と市町や警察などの関係機関との連携を強化していくことが大変重要であります。中でも子供の生命に危険を及ぼすことのある重大事件等については迅速かつ円滑に対応する必要があるため県警察本部との間で連絡基準を定めたほか、家庭への強制介入を想定した実地の合同研修を毎年開催しております。
 また、健診や診療の場が虐待発見のきっかけとなることが多いことから県医師会や県歯科医師会と連携し虐待を見分ける要点や発見したときの対応方法をまとめた手引書を作成し、これを活用した研修会を開催することで確実に虐待予防や早期発見につながるよう取り組んでいるところであります。
 県では、児童相談所を初め市町や教育委員会、警察署、医療機関などから成る要保護児童対策地域協議会を県内全市町に設置していただき、各協議会では地域における被虐待児等に関する情報共有や対応方針の検討を行い、課題解決に向けた意見交換を積極的に行っております。
 また、市町の職員を対象に育児不安などの虐待の要因を抱える家庭への相談と支援の進め方や関係機関の役割分担について理解を深める研修を開催するなど、児童虐待についての早期の対応と関係機関への円滑な通報が図られるよう児童相談所と地域の連携体制の整備に努めております。
 今後とも、児童相談所と関係機関との連携体制の充実を図り、児童虐待の予防、早期発見、早期対応に全力で取り組んでまいります。
 次に、児童養護施設入所児童への自立支援についてであります。
 全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会を築いていくことは大変重要であります。虐待などにより親の養育が得られず、やむを得ず児童養護施設や里親のもとで生活している子供たちに対しては社会全体でその自立を支援していく必要があります。このため本年度、児童養護施設に入所している子供たちが安心して大学等に進み、二十を超えて卒業するまでの間、引き続き施設や里親の支援を受けながらみずから希望する将来を目指すことができる全国で初めての制度を創設したところであります。
 また、本県では入所児童一人一人に寄り添った個別学習指導の取り組みを独自に行い、子供たちに学習意欲の向上や学習習慣の改善が見られました。この事業は静岡型の自立支援事業として本年度から国の助成制度の対象として新たに加えられ、全国の入所児童にも学習支援を広げることができました。
 児童養護施設や里親の方々からは、これら県独自の制度ができたことにより学習することのとうとさを知り、諦めていた進学を前向きに考えようとする子供がふえ日々の生活態度が向上したといった声が多く寄せられるなど、施設での生活の充実につなげることができました。
 県といたしましては、今後とも子供たちがいかなる境遇にあっても自分の可能性を信じて前向きに挑戦し幸せな未来を切り開いていけるよう、子供たちの自立に向けた支援にしっかり取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) これで植田徹君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月九日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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