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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田内 浩之 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/29/2012

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 外郭団体の見直しについて
 (1) 県の取り組みに対する認識
 (2) 静岡県土地開発公社
 (3) (財)静岡県文化財団
2 県内医師不足解消のための医師支援について
3 公共交通政策について
4 徳川家康顕彰四○○年に向けた観光誘客の取り組みについて
5 都市計画について



    ○副議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、三番 田内浩之君。
           (三番 田内浩之君登壇 拍手)
    ○三番(田内浩之君) 私は民主党・ふじのくに県議団の所属議員として当面する県政の諸課題について、知事及び関係部局長に伺います。
     初めに、外郭団体の見直しについて伺います。
     県は、平成二十三年度末で二兆五千四百九十九億円もの借金を抱え、財政は大変苦しい状況にあり、行財政改革を早急に進める必要がありますが、外郭団体の改革は不十分ではないでしょうか。知事もマニフェストの中で「四年間で五〇%の統廃合を目指します」と宣言をされています。そこで静岡県土地開発公社、静岡県文化財団、二つの外郭団体を改革が必要な例として挙げさせていただきます。
     まず、他県では廃止が進んでいる土地開発公社です。
     外郭団体の自己評価であります点検評価表には、土地の先行取得が可能な唯一の法人で、県の用地取得を安定的に推進していく上で今後もその必要性は非常に高いとありますが、土地の値段がどんどん高くなる時代においての土地の先行取得のためにつくられた地方三公社のうちの一つであり、現在は役目を終えているのではないでしょうか。準備金約二十一億円を抱えており外郭団体として抱える額としては大きく、今後県全体の行財政改革を進めていく上でも県本体に組み込むことが望ましいのではないでしょうか。またこの議論になりますと、専門性を有する人員の確保が県に必要になるので行政のスリム化には逆行するとの反論がありますが、県には用地の先行取得業務ができる職員がいないのではないでしょうか。神奈川県では、新たに専門的な職員を雇うことなく既存の職員で対応したそうです。浜松市では、平成二十五年に解散が決まっており、全国に先駆けて初めて土地開発公社を廃止した神奈川県では、都市用地対策事業特別会計を使い用地取得には特段支障はないとのことです。
     また、静岡県文化財団ですが、業務の内容は、指定管理を受けグランシップの運営と文化振興政策を行っているのですが、文化振興一億八千万円の主催事業に問題があります。まず一つ目は県の事業との重複です。例えば県では、ふじのくに芸術回廊創出事業において音楽文化振興事業を行い、文化財団では音楽鑑賞の自主企画事業を行っています。二つ目は事業に長期的なビジョンがありません。これからの文化政策は、ほかの地域にはない特色を出していく必要があり、文化振興は明確な理想と長期的な計画において初めて実現されるものではないでしょうか。その点SPAC――静岡県舞台芸術センターには、芸術総監督の宮城聰さんをリーダーとして明確な理想があり、県の職員も一体となり事業が進んでいます。三つ目はPDCAが行われている様子がありません。主催事業の改廃を含めた事業ごとの効果をしっかり検証されていますでしょうか。私は、主催事業は県に任せ、静岡県文化財団はグランシップの運営に特化したほうが、貸し館事業一本になり目標も明確になっていると考えます。その場合、財団の名前から文化という文字が取れるのも妥当だと思います。もちろん主催事業が、税金を使わず独自で行い、事業ごとに利益を出せるものに限定して行われるというのであれば大いに賛成であります。この二団体を含め私は本県の外郭団体に対する改革は、まだまだ不足しているのではないかと感じています。
     先日、行財政改革推進委員会が意見書を知事に対し提出されたところではありますが、改革に向け一層のスピードアップが必要と感じています。また改革を進めるためには、県組織、外部団体組織がみずから考えるのでは限度がありますので、外部からの意見、視点というものが有効ではないかと考えます。
     そこで、三点質問をさせていただきます。
     一点目、県の外郭団体に対する取り組みが十分だと認識をされているかどうか。また行財政改革推進委員会のほかに専属の外郭団体を評価する部会が必要と考えますが、県の所見を伺います。
     二点目、土地開発公社ですが、本格的に廃止を検討するべきと考えますが、県の所見を伺います。
     三点目、静岡県文化財団ですが、主催事業は県に任せ、静岡県文化財団はグランシップの運営に特化したほうがいいのではと提案させていただきましたが、県の所見を伺います。
     次に、県内医師不足解消のための医師支援についてであります。
     現在、全国的に医師不足が叫ばれている中、我が静岡県でも医師不足が問題になり、市立湖西病院においても産科で出産の対応ができなくなっております。しかし十万人当たりの医師数は、平成二十年末には百七十六・四人で全国順位が四十二位であったものが、平成二十二年末には百八十二・八人となり、それに伴い全国順位も四十位に上がるなど徐々にふじのくに地域医療支援センターなどの県の取り組みの効果があらわれてきております。この流れを一層進めるためにも研修医を県内はもとより県外からも呼び込むような政策が必要です。そして研修医が求めるのはいい指導医だと思われますが、現在県内の病院にお勤めの指導医、そして県外から招く指導医に対する県の取り組みを答弁お願いいたします。
     また、私が指導医の先生にお話を伺ったところ、「指導医といっても研修医を呼べる指導医と呼べない指導医がいる。研修医を呼べるような日本でも有名な医師が求めているものは、個人の報酬ではなく、みずから望んでいる仕事ができる医療チームとハード面の環境整備。指導医に対する助成も指導医に対して一律にするのではなく、指導医の中で県に対する貢献度で選別をして重点的に助成するべき」とおっしゃっていました。私もそのとおりだと思い、県でも実施するべきと考えますが、所見を伺います。
     さらに、若手の研修医を本県に呼び込むために必要な指導医を県外から招くだけではなく、県内に勤務する医師を指導医として養成していくことも必要です。現在鳥取県では、医師の六カ月以上二十四カ月以内の海外研修に対して留学資金を貸与する制度があります。将来静岡県の指導医として活躍していただくために、県内の四十歳以下くらいの若い医師には海外研修を奨励する仕組みを提供する必要があるのではないでしょうか。海外に行くことは、技術を習得する以外にも苦労して人間的にも成長を促します。
     しかし、海外での研修中は経済的に不安定になるので、留学への資金面での支援が必要であります。また、よりよい指導医となって活躍していただくためには、だれにでも支援するものでなく、病院の推薦や専門の医師による審査を経て支援対象者を決定していく制度をつくるべきと考えますが、県の所見を伺います。
     次に、公共交通政策についてであります。
     モータリゼーションの進展等に伴い、我々の日常生活における移動手段として自家用車の果たす役割が拡大する一方、県内の鉄道やバスなどの公共交通の利用者は減少傾向にあります。特に乗り合いバスの利用者は大きく減少をしております。このためバス事業者だけの努力では維持できない路線の廃止がふえており、車を運転ができない高齢者や障害者、学生等にとって非常に不便な社会になっております。車を使える者と使えない者との間で大きな格差が生じ、今後多くの方の社会参加が制約されてしまうものと懸念されます。
     このような交通弱者の方々が、買い物や通院、通学など日常での移動に支障が生じないよう地域の公共交通を確保し、シビルミニマムを維持するためには、もはや民間事業者の経営努力だけにゆだねるのではなく、地域が主体となり国や県が積極的に関与して生活交通を維持していく体制を整えていくべきと思いますが、所見を伺います。
     また、バス事業者が撤退した路線を維持するため、県内の市町においては自主運行バスを運行しており、県はその運行経費の一部を助成しています。しかしながら廃止した路線を単純に引き継ぎ、住民の要望に振り回されて、結局は空気だけを運んでいるバスも見受けられます。生活交通確保のための市町の役割が重要であることはもちろんですが、一方で貴重な我々の税金を何の工夫もなく浪費することも大きな問題です。財政難の市町においてバス路線維持のための財政負担が増加する中で、より効率的な生活交通手段の確保を図るように促すことが県の役割として非常に重要であり、ひいては県財政の効率的な執行にも寄与することになると考えます。
     そこで、県では、効率的な自主運行バスの運行と路線の維持を促進するために、どのような方策をとろうとしているのか、あわせて伺います。
     次に、徳川家康顕彰四百年に向けた観光誘客の取り組みについてであります。
     二〇一五年は徳川家康顕彰四百年であり、県も二〇一五年に向けて準備をされていることだと思います。家康公に対する評価は、いろいろ分かれるところではありますが、私は、山岡荘八さんや山本七平さんの肯定的な評価のほうが正しいと考えます。山本七平さんの著書「徳川家康」の中から引用させていただくと、家康は、あらゆる面で有能な人間と見られていたことは否定できないとあります。そして本の中では、家康公は最も有能な第一線の指揮者であり、彼の統治能力と部下への統率力、そして財務能力の高さを褒めたたえています。またもう一文引用させていただくと「そしてこれらを培ったものが彼の学問であった。いわば、決して当時のいわゆる教養主義的な学問にとらわれず、学ぶべきことと、それを学び取りかつ活用する方法を探求していった点、ここに彼の特質があり、この点では確かに天才と言える」とあります。静岡県は、家康公が幼少から青年期と大御所時代を過ごした地であり、静岡を知っていただくいい機会だと思います。
     私が住んでいる湖西市にも、徳川を象徴するような主要街道の関所建物として現存する唯一の建物である新居の関所があります。箱根関所は元和四年――西暦一六一八年の設置と推定されるので、新居関所は箱根関所に約二十年も先行しており、家康公が新居関所を特に重要視していたことがうかがえます。また関所がある湖西市新居町には、家康公が武田軍に追われたとき新居町の住民が家康をかくまった言い伝えもあります。県内には、この新居関所のほか久能山東照宮などの家康公ゆかりの代表的な名所があります。それらの名所を指定して、近江八景に倣い、徳川八景のような提案をすることや、浜名湖周辺の家康ゆかりの地を船で回るようなことも方策の一つであると考えますが、さまざまな手法を用いてこれらの資源の魅力を発信し、顕彰四百年を盛り上げ観光誘客につなげていくべきではないでしょうか。そのためにも、県内の市町には、これらの代表的な名所以外にも、たくさんの家康ゆかりの場所があることから、市町と連携していくことも重要であると考えます。
     そこで、県では、新居関所を初め久能山東照宮や浜松城など家康公ゆかりの代表的な拠点を活用しながら、顕彰四百年に向けた観光誘客について、どのように取り組んでいくのか伺います。
     最後に、都市計画についてであります。
     東日本大震災による被害により住宅地を高台につくる必要性が出てきましたが、現状の規制のままでは不可能です。国でも、将来を見据えた津波災害に強い地域づくりを推進する必要があるため、津波防災地域づくりに関する法律を制定しました。各市町の宅地の開発も高台に対する需要が一層高まってくることが予想されます。県も、内陸部を中心とした土地利用を調整する県内市町との協議機関を二〇一二年度に新設する方向を明らかにされています。また地方自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図ることを目的として、地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律が平成二十三年五月二日に公布され、その中で都市計画法の一部が改正されました。その中には、「市町村は、都市計画区域又は準都市計画区域について都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議しなければならない」とあります。つまり市町が決定する都市計画には、今まで県の同意が必要であったものが協議に改められることで、都市計画の主体が市町に移っています。しかし現状の運用面では、以前と変わらず県が指導して、市が訂正してまた県に伺いを立て、市町の思うようにはいかないことがあると耳にします。また平成二十四年四月一日に施行される権限移譲により、十ヘクタール以上の公園等の都市計画も市町が定めることとなります。
     そこで伺います。地方分権の動きの中での今回の改正だと思いますが、都市計画に係る県の同意が協議に改められたことによって、市町とのやりとりがどのように変わったのでしょうか。また都市計画の面において、これから県は国の動きに追随するのか、それとも市町の要望に応じて権限移譲の枠拡大を国に求めていくのか伺い、また日ごろ御指導いただいている諸先輩方、そしてレクチャー等していただいている職員の方々に感謝を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 田内議員にお答えいたします。 
     初めに、外郭団体の見直しについてのうち、県の取り組みに対する認識についてであります。
     県の外郭団体に対する取り組みが十分だと認識しているか答弁せよということでございます。不十分であると認識しております。外郭団体につきましては、これまでの静岡県外郭団体改革計画や集中改革プランに加えまして、昨年度には改めて団体の必要性を検証し、統廃合を含めた団体ごとの見直しの方向性につきまして、静岡県行財政改革大綱に盛り込むなど不断の見直しを進めております。こうした中、既に役割を終えた団体は解散することにいたしました。外郭団体の数は、平成二十一年度には二十九団体あったのですが、平成二十四年度当初には二十五団体に削減する予定です。常勤役職の人員数は平成二十一年度には四百九十人でしたが、二十四年度には三百八十三人まで百七人の削減を見込んでおります。すべての外郭団体で定期的な点検評価を行い、事業内容や経営状況等を検証いたします。
     また、役職員の採用に当たりましては、公募によりまして広く人材を求めるように各団体に要請しておりますが、公募によらない場合でも、民間ですぐれた手腕を発揮された実績のある方に就任していただくなど組織の活性化に向けた取り組みにも努めております。例えば静岡県地域整備センターの理事長は矢野弘典さんでありますが、矢野さんは中日本高速道路株式会社の前の会長です。彼のおかげで新東名も前倒しになったところが非常に大きいと思っております。こうした方をお迎えして組織の活性化に努めたいと思っております。
     今年度は、外部有識者から成る静岡県行財政改革推進委員会におきまして、八回にわたって相当に激烈な熱心な行財政改革に関する御議論をいただきました。その中で外郭団体につきましては、統廃合に係る御意見だけでなく、団体によっては事業の見直し等により一層の活用を図っていく旨の御提言もいただいております。この十三団体につきまして一つ一つ見ていきますと、かなり厳しい意見も入っております。こうしてさまざまな取り組みを実施しているところではございますけれども、社会経済状況の変化や県の施策の展開にスピード感を持って的確に対応していくには、今後もさらに外郭団体にメスを入れて改革を進めていかなければならないと認識しております。
     具体的に、文化財団と土地の公社につきましては各部長のほうから御答弁を申し上げますが、来年度以降も行財政改革推進委員会におきまして、これまでより踏み込んだ議論が行われるように審議方法の見直しも検討しながら、改革の歩みをとめることなく外郭団体の見直しに取り組んでまいります。
     続きまして、徳川家康顕彰四百年に向けた観光誘客の取り組みについてであります。
     この点につきましても認識を同じくしております。歴史戦国ブームの高まりの中、本県とのかかわりが大変深く国内外で、例えば中国や韓国で人気のある徳川家康公をテーマとした観光誘客は、静岡県の観光にとって非常に大きな効果が見込まれます。平成二十七年――二〇一五年には、家康公が亡くなられてから四百年目の節目を迎えます。亡くなられたのは一六一六年なので、その年から数えると二〇一五年がちょうど四百年目に当たるということでございます。
     そこで、昨年七月に経済界が中心となって、徳川家康公顕彰四百年記念事業推進委員会が設立されたところです。家康公の御遺徳を県内外に発信する多彩な事業展開を図ることとしており、この事業に県としても参画いたしまして、積極的に推進していこうと決めております。来年度は、家康公をテーマとした誘客プロジェクトを立ち上げるための第一歩として、新居の関所や久能山東照宮など既に文化財として登録されている家康公ゆかりの史跡はもとより、これまであまり知られていなかった史跡や、食、伝統工芸、言い伝えなど県民や市町、観光関係団体などと連携して発掘してまいりたいと考えております。そして歴史研究家等の評価をもとに、仮称ですけれども「しずおか家康公観光事典」としてまとめてまいります。既に、郷土史家で、すぐれた家康公にかかわる御本も出ておりますけれども、より簡便に使いやすい事典をまとめていこうということでございます。この事典は、地域の方々にみずからの地域の家康公ゆかりの資源を再認識していただくとともに、商談会や観光展、ファムトリップ等で幅広く活用することによって、旅行会社への観光ルートの提案等を行い、具体的な旅行商品の開発を働きかけてまいります。県内市町や観光関係団体、商工会議所などと連携いたしまして、家康公ゆかりのお土産品、食材、料理なども開発し、イベントの開催などを通して全国に発信することにより、地域と一体となった家康公誘客プロジェクトを展開してまいります。さらに家康公の足跡は、本県のみならず愛知県はもとより多数存在いたしますので、家康公にゆかりのある自治体や民間団体などとの連携体制を構築していくつもりです。そして家康公をテーマとした広域観光ルートを提案するなど日本を代表する観光資源として、国内外に向け積極的に発信してまいります。
     私は、家康公顕彰四百年がイベントに終わってはならないと思っております。そこで、例えば家康公を主人公にした大河ドラマを――NHKのですね――それを取り上げていただくように運動することも一つでしょう。さらにまた駿府城も大体外観がわかっていますので、駿府城を避難城、籠城し得るところということで、防災との観点から、もともとお城というのは攻められたときに、そこに籠城して、それなりの長い期間生活できるようにつくられているものであります。ですから本県の防災とのかかわりで避難城にもなると。避難所ではありません、避難城。そして、平時には観光にも使えるということで、静岡市が進められているとすれば、それにも積極的に御協力を申し上げていきたいと思います。
     さらにまた、家康公の事績は、それ以前の戦国時代を終えて、元和偃武、平和な時代。パクス・トクガワーナという時代をつくり上げました。このパクス・トクガワーナという命名は、私はつい最近初めて知ったのですけれども、本県の県立美術館の館長である芳賀徹先生がつけられた名前だそうです。ただ、自分がつけたと言った――故人になられましたけれども――梅棹忠夫文化勲章受賞者がおられまして、どちらが先につけられたのかは知りませんけれども、芳賀徹先生によればパクス・トクガワーナという名称は先生がおつけになられたということで、やはり徳川二百七十年間の礎を築かれたパクス・トクガワーナ、天下太平の礎を築かれた。これはヨーロッパ地域、特にイギリスを中心にした西ヨーロッパ地域は、もうほとんど毎年のように戦争をしています。そうしたことをしり目に、しかもその戦争の主人公の一つであったオランダとの交流において、極めて平和であったと。これは徳川の力によるものだと存じます。
     そうした意味で、これを契機に徳川家康公を日本の平和の哲学の発信にもつなげていくべきだという御提言もちょうだいしているところでございます。そのようにして、この家康公顕彰四百年を契機といたしまして、本格的に、学術的に文化的に、また観光面でもこの事業を推進してまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 外郭団体の見直しについてのうち、静岡県土地開発公社についてお答えいたします。
     公社による用地取得は、土地価格の動向にかかわらず、県はもとより国、市町を含めた県内の社会資本整備に係る用地取得を計画的に進め、道路等の完成時期を早めることを可能にし、県民の安全・安心を確保する上で大きな役割を果たしております。公社は、民間の低利の資金を活用した効率的かつ機動的な手法によりまして資金調達を弾力的に行うことができ、また専門的知識を有します公社職員による円滑な用地取得も期待できます。公社を廃止している県では、長期保有土地の含み損を抱えるなど将来的に当該県の財政に負担になることが懸念されるため廃止せざるを得なかったものと理解しております。一方、本県の公社におきましては、事業規模に応じて絶えず組織体制を見直しており、長期保有土地等の問題がないこと、国からの業務を積極的に受託していること、さらに県からの補助金を受けていないことなどから、健全な経営を維持しているものと考えております。
     県といたしましては、安定的な社会資本整備を行う上で、引き続き用地の先行取得が必要であると考えておりますが、行財政改革推進委員会の御意見や準備金、特別会計等に関する議員の御指摘も踏まえながら、今後の公社のあり方を検討してまいります。
     次に、都市計画についてであります。
     都市計画法の権限につきましては、地域の自立性及び自主性を高めるため、平成十一年の地方分権一括法から今回の二次にわたります地域主権改革一括法まで、多くの権限が市町に移譲されてきており、市町が決定する都市計画に関する県の同意を要する業務につきましても、昨年八月より同意を要しない協議に改められたところであります。市町との協議につきましては、従来より広域の見地からの調整や県が定める都市計画等との整合を図る観点から行っており、今回の改正によりましてこれらの観点が変わるものではありませんが、改正の趣旨を踏まえ、市町の自主性を尊重し、県といたしましては、可能な限り柔軟に対応していくこととしております。
     また、議員御指摘のさらなる市町への権限移譲につきましては、県土が県民のために限られた共通の資源であり、その土地利用は総合的かつ計画的に行われるべきものであるとの前提のもと、権限移譲を可能な限り進めてまいります。さらに国に対し都市計画に関する権限の一層の移譲を求め、地域の事情を踏まえた都市計画になるように努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 外郭団体の見直しについてのうち、財団法人静岡県文化財団についてお答えいたします。
     県の文化振興施策は、静岡県文化振興基本条例に基づき、平成二十年三月に策定いたしました文化振興基本計画において、今後十年間を見据えた基本目標である「みる」、「つくる」、「ささえる」人を育て、感性豊かな地域社会の形成を目指すを達成するため、子供が本物の文化に触れる機会の提供や、県民の文化活動のすそ野と文化交流の拡大など六つを重点的に推進しております。この中で県の役割は、県全体の文化振興施策を立案するとともに、県全域を対象とするふじのくに芸術祭やふじのくに子ども芸術大学の開催など広域的視野に立った施策を担うこととしております。
     一方、文化財団の役割は、設立以来培ってきた文化振興に係るノウハウや、県内はもとより全国に広がるネットワーク等を最大限に活用して、新たな文化の創造と交流のための施設であるグランシップを拠点に、質の高い音楽公演、県民参加の音楽の広場や能、文楽の伝統芸能等、多彩で多様な自主企画事業を展開し、本県の文化力の向上に努めているところであります。なお文化財団では施設稼働率などの数値目標を設定し、催事ごとの利用者アンケートの実施等を通じた自己評価と指定管理者評価委員会による外部評価の結果や提言を受け、それらを次年度以降の運営や催事などに反映しております。
     県といたしましては、文化振興基本計画の具現化に向けて、今後も文化財団と一体となって本県の文化振興を図ってまいりますとともに、行財政改革推進委員会の御議論を踏まえ、文化財団の見直しにつきましても引き続き検討してまいります。
     次に、公共交通政策についてであります。
     本県の乗り合いバスの年間輸送人員は、昭和四十三年の三億四千三百万人をピークに年々減少し、平成二十一年度には八千四百万人と、ピーク時の約四分の一にまで落ち込んでおります。こうした利用者の減少から民間バス事業者は不採算路線を維持することができず、平成十三年度から二十二年度までの十年間で百五十一系統が廃止され、都市の中心部以外に居住の方々の暮らしに大きな影響を与えております。学生や高齢者など自家用車での日常的な移動が困難な方々等に対し、地域のバス、鉄道などの公共交通をいかに確保するかは、もはや民間事業者だけにゆだねるのではなく、行政も責任を持って参画していくべきと考えております。そのために、地域住民の行政サービスを一義的に提供する市町がまず主体となり、県、国がそれぞれの役割分担のもとに共同して生活交通を支えていくことが重要であります。こうした考えのもと、国におきましても、本年度から地域公共交通確保維持改善事業として制度を改正し、補助要件の緩和や対象の拡大を図り支援を強化したところであります。
     県におきましても、同様にバス運行対策費補助などの要件を緩和し、市町や交通事業者の負担の軽減を図るなど市町、県、国が一体となって生活交通の確保に努めております。県が助成しております市町の自主運行バスについてでございますが、市町と県双方の財政負担を軽減し効率的な運行を促進するため、補助制度を見直し、来年度から補助金積算のための運行経費単価に上限を定め、効率運行のための努力を引き出す仕組みを取り入れるなど改善を図ったところであります。また協力金を提供した病院や企業の広告をバス停に掲出する富士宮市のバス停オーナー制度や、運行経費の三分の一を運賃収入で賄えない場合には、不足分を地元が負担する富士市の地元協賛金制度など自治体の財政負担を軽減するとともに、自主運行バスを地域が支える先進的な取り組みが県内市町に広がりつつありますので、こうした先進的な取り組みを県内全域に普及してまいります。
     県といたしましては、今後ますます重要性が高まる地域公共交通を維持確保するため、関係機関と協力して支援してまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 県内医師不足解消のための医師支援についてお答えをいたします。
     専門医の資格取得を目指す研修医が研修先病院を選択する際の大きな決め手は、研修プログラムの内容の充実やよい指導医のもとで研修ができることであります。このため県では、数多くの専門医研修ネットワークプログラムを作成するとともに、本年度、プログラムに取り組む指導医への助成制度を創設し、多数の研修医を受け入れる指導医や県外からの新たな指導医に対しましては特に手厚い支援を設けております。またハード面の研修環境を充実するため、地域において研修医や指導医が共同で利用することができる内視鏡のシミュレーター等の訓練機器を整備する研修病院に対する支援にも取り組んでおります。さらに現在研修医や指導医に対する短期の海外研修を支援する制度を設けておりますが、議員御指摘のとおり長期的な視点で優秀な指導医を養成していくことも重要でありますことから、今後、ふじのくに地域医療支援センターを中心に海外留学を経験された医師等の意見もお聞きしながら新たな制度を検討するなど、研修医にとっても指導医にとっても魅力のある研修環境を整備し若手医師の確保に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 三番 田内浩之君。
           (三番 田内浩之君登壇)
    ○三番(田内浩之君) 御答弁ありがとうございました。私のほうからは二点再質問をさせていただきたいと思います。
     まず、静岡県土地開発公社に対する御答弁の中で、含み損があるところはつぶしたほうがいいというようなお答えがあったと思うんですけれども、例えば群馬県の土地開発公社。こちらは平成二十一年の八月に解散をしておるんですけれども、こちらの土地公社は、いわゆる塩漬け土地も不良債権も存在しなかったと私は聞いております。なので静岡県も、要は群馬県にできたのであれば静岡県もなくすことが私はできると思うんですけれども、そのことと整合性のほうを御答弁をいただければと思います。
     あとは文化財団なんですけれども、外部評価をしっかりしていますとの御答弁がありましたけれども、しっかりと各事業ごとに評価のほうもされていますでしょうか。もしされているとしたら、費用対効果みたいなものもしっかりと検証されていますでしょうか。
     その以上二点、再質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 田内議員の再質問についてお答えいたします。
     公社の解散の件でございまして、先ほど、ほかの県とかで含み損等あるようなところは解散しているということを申し上げましたが、また先生のほうからは、群馬県ではそういったものがないにもかかわらず解散している例もあるという御質問がございました。私、以前群馬のほうに勤めてございまして、これは各県の社会基盤の整備状況によるというふうに考えてございます。群馬の場合には、基本的な高速道路は全部完成し、そういったこともございまして新たに大規模に用地買収することがなくなったのかもしれません。そこは推測でございますが、やはり各地域地域でどういった社会資本整備が残っているのか。その手法として土地開発公社というものがあると。そのときに公社自身が経営上問題があれば、これは解散するべきでありますけれども、現状うまく機能しているのであれば、それは活用していこうと。ただ、これは常によいことばかりではございませんので、行財政改革推進委員会の御意見をもらいながら、絶えずチェックしながら、使えるものは使っていこうというふうに考えてございます。以上でございます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 文化財団の指定管理者評価委員会の評価についてお答えいたします。
     指定管理者評価委員会では、毎年の事業についてすべて洗い出しをしていただいております。その中の評価では、自主企画事業、例えば歌舞伎教室とか能楽入門公演など新しい取り組みに意欲的に取り組んでいるというようなことを高く評価していただいたり、運営体制の強化のために、職務の幅を広げるいろんな内部的な管理の強化もやっているということ。そういった評価もいただいているわけでございます。
     グランシップにおける自主企画事業でございますけれども、これは指定管理者業務として、県が委託して文化財団の、先ほども御答弁申し上げましたけれども、ノウハウあるいはネットワークを活用して実施していただいているわけでございます。文化財団の自主企画事業の企画運営に当たっては、「上質を身近に」というこれを基本理念に掲げて、学生料金の設定、あるいは無料招待など県民が上質で多彩な文化芸術に触れる機会をより安価に提供しているわけでございます。県立の文化施設として、伝統芸能、あるいは地域の文化団体との共催事業など地域の文化力の向上に努めるためにも、採算性や集客力だけでは評価できない催事についても積極的に取り組んでおりまして、こういった自主企画事業をチケット収入あるいは文化財団の自主財源だけで実施することはなかなか難しい状況にあります。しかし一方で、効率的かつ効果的な運営というのは必要不可欠でございまして、今まで以上に広報・営業活動を展開しまして、チケットの売り上げを伸ばす、あるいは協賛企業の拡大など収入確保にも努めながら、費用対効果がより高いものになるように努めてまいりたいと思っております。以上でございます。

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