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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会

杉山 盛雄 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:03/04/2020番目)
答 弁 者知事


○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 杉山盛雄議員におかれましては肝が小さいとのことでございますが、今回の御質問にもございましたように亡き憲夫先生を常にみずからの鏡とされておられる親孝行がかなり肝を太くされているのではないかというふうに拝察しているところであります。
 さて、私はリニア中央新幹線についての御質問にお答えいたします。
 二十世紀が終わってほぼ二十年ということでございますけれどもどのように総括するかと、これは第一次大戦、第二次大戦があったりロシア革命等があってこれは戦争と革命の世紀というように総括できるのではないかと思います。
 二十一世紀になりまして各地で、現在もそうでございますけれどもさまざまな災害が多発しております。二十一世紀は環境と生命の世紀となると考えております。環境も生命ももとになっているのは水でありますので、したがって二十一世紀は水の世紀であるというように総括もできるのではないかとそういうように予想できるのではないかと思っております。
 南アルプスを源流とする大井川の水は流域六十二万人の生活用水です。一万二千ヘクタールの農地のかんがいをする農業用水です。地下水利用を含め約四百五十の事業所を支える工業用水です。加えて十五カ所の発電所により最大約六十四万キロワットを出力する発電用水でもあります。こうした多岐にわたった活用がなされておりまして、流域の住民生活や産業の発展に欠かせない大切な資源であります。命の水である大井川の水資源や世界の宝であるユネスコエコパークに登録された南アルプスの貴重な自然環境への悪影響が生じることは、決してあってはならないと考えております。
 一方リニア中央新幹線は我が国の大都市間を高速で結ぶ旅客輸送を実現するもので、また災害時の防災力強化にもつながり技術の発展の波及効果も予想されるところであり整備の意義には賛成しております。しかしそのような経済効率が高くなっても、本県の水が失われ南アルプスを中心とした生き物や生活が危機に瀕することは許されることではありません。
 リニア中央新幹線の整備を進めつつ、かつ大井川の水資源や南アルプスの自然環境をどう保全するかまさに整備と保全を両立させる必要があります。両立を図る上での着地点について考えるところはありますが、リニア中央新幹線工事は国の認可によるJR東海という事業者が行う工事であります。私はその意思決定権限がないということを踏まえております。
 では、私が何ができるかと。私のできることは着地点を見出せるように環境づくりをすることであります。すなわち環境影響評価制度に基づき設置した環境保全連絡会議の専門部会におきまして、関係各位が責任を持って主体的に科学的エビデンスに基づいて徹底的に対話を進めるということでございます。そこからおのずと現実がわかれば決定がしやすくなると。現状の分析がしっかりいたしますと現状を変革する運動になります。そのような意思決定者が実行可能な着地点を見出せる環境づくりをしているところであります。
 まずは、首長さんや利水者さんが納得できるように専門部会において徹底的な対話を進めていただくべきであると考えております。これを受けて国交省のほうはこの専門部会がいわば当事者であるという誤った判断をなされ、それを受けて有識者会議を設置するということでございます。有識者会議は、したがってこれは御用学者が入ってはなりません。この有識者会議を設置するに当たりましては五つの条件を提出いたしました。すなわち透明であること、公開であること、そしてJR東海に国がしっかり指導できること、そして専門部会で議論された四十七項目を全て議論すること、そして委員並びに委員長は中立であることであります。この間これに責任を持っている水嶋鉄道局長と何度も話をいたしまして、ポイントは工事ではなくて水循環であるということ、そして水循環基本法並びに環境大臣の国交大臣に対する環境評価意見、これは昨日小長井議員がかなり詳しく御紹介されたところでございますがこれらをベースにした委員会であること、こういうところで今人選を進められているところであります。いまや工事から水循環にテーマが軸足を移しているということでございます。
 そして南アルプスの水循環に影響を及ぼさない、影響を回避するにはどうしたらいいか。影響が回避できなければしからばどうするかということになりますれば、おのずと着地点は見えるのではないかというふうに私は思っております。尖閣諸島だとかあるいは首都機能移転だとか意見は持っておりますけれども、これはそれぞれ関係者がお決めになることだと。同じような意味でなるほどここの問題は我々は当事者の一人でありますから、できる限りこれはこの第三者の意見を尊重しながら影響を回避するためにはどうしたらいいかと、影響を回避する方法がなければしからばどうするかと。ここに焦点がやがてくればですね、おのずと着地点は見えてくるというふうに思います。その場合にどういう着地点であるのがいいかというところは、まだどなたもすなわち国のほうも事業者も念頭にないというのが現状であります。したがってまずはその現状をしっかり南アルプスの現状が十分に正確に認識されているとは到底思えないのでこれにかかわる、水循環にかかわる特に問題に関しましてしっかり議論していただくということだと存じます。
 リニア中央新幹線の整備と大井川の水資源、南アルプスの自然環境の保全の両立というこの挑戦に値する大きな課題に向けまして、引き続き県議会の各位の御支援、御協力を賜りながら私は全力で取り組んでまいりたいと覚悟を決めております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp