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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伊藤 和子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/29/2022

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 民俗芸能の継承に係る取組について
2 医師確保のさらなる取組について
3 持続可能な介護保険サービスのための人材確保について
4 森林空間を活用した「森林サービス産業」の推進について
5 南アルプスの魅力を次世代につなぐ取組について
6 子どもと本をつなぐ取組について


○議長(藪田宏行君) 次に二十四番 伊藤和子君。
       (二十四番 伊藤和子君登壇 拍手)
○二十四番(伊藤和子君) 皆様、こんにちは。
 質問に先立ち、このたびの台風十五号の大雨により犠牲となられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災されました多くの皆様方に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。
 私の地元袋井市、森町でも大きな被害を受け、本日地元から傍聴においでになられる予定でした方の自宅も被災され私も大変つらい思いをしているところでございます。今なお不便で御不安な生活をしていらっしゃる県民の皆様が安心して生活できますよう、私も頑張りますが当局の皆様も一日も早い復旧のために御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に基づき知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式でお伺いいたします。
 初めに、民俗芸能の継承に係る取組についてお伺いいたします。
 県は、令和元年度の末に静岡県文化財保存活用大綱を策定し文化財の未来への確実な継承を基本方針に掲げ保存活用が着実に進んでいると感じております。しかし文化財の中で民俗芸能につきましては、長い時間をかけて地域の風土や食などに育まれ地域の豊かさを守るためには欠くことのできない次世代に継承していくべき地域共通の財産でありますが、人が演ずるという特徴から過疎化や少子高齢化が進む中その存続が懸念されているのも事実でございます。
 私の地元森町や袋井市にも国指定の小國神社、天宮神社、山名神社の舞楽や県指定の法多山の田遊祭など多くの民俗芸能が地域の皆様の御尽力により地域の誇りとして継承されてきましたが近年では担い手不足が課題となっております。
 森町では、県立高校の統合前の平成の八年から周智高校、森高校に郷土芸能部が設置され、両校が統合して遠江総合高校になった今でも郷土芸能部は引き継がれ地元の保存会の指導を受けながら地域の伝統芸能を守ってまいりました。しかし当時二十名近くおりました部員が現在ではたった一人になりこのままでは郷土芸能部の存続が危ぶまれ、顧問の先生は郷土芸能部を絶やさないためにも部員の確保に努め地域の子供たちがもっと民俗芸能に興味関心を持ってもらえるような活動の展開が必要ではないかとおっしゃっておりました。
 さらに追い打ちをかけるような新型コロナウイルスの感染拡大によって県内には数年間にわたり取りやめとなっているものも多く、このまま再開されずに長年育まれてきた貴重な行事がなくなってしまったら、静岡県が誇るべき民俗芸能の鑑賞の機会がなくなることで県民がより深く静岡県の文化を知り地域への愛着を育む機会が失われてしまうのではないかと危惧しております。
 このような厳しい状況の中で民俗芸能を担っている保存会の方々には継承に向けて大変な努力を続けていただいておりますけれども、高齢化によりその人数も年々減少し継承に大きな不安を抱えており、ぜひとも御支援をお願いしたいと考えております。
 国民共有の財産であります民俗芸能が地域の誇りとして大切に次世代に継承されるために、今後県としてどのように支援していくのかお伺いいたします。
 次に、医師確保のさらなる取組についてお伺いいたします。
 本県の令和二年度の人口十万人当たりの病院勤務医師数は全国四十位であり、依然として医師不足は解消されておりません。
 県では急速に進む少子化や高齢化に伴う医療需要の変化に対応するため、医師確保計画に基づき医師不足や地域偏在の根本的な解消に向けふじのくにバーチャルメディカルカレッジによる医学修学研修資金の貸与などの施策を進めており、修学資金の貸与を受けた医師が勤務を行うなど一定の成果は出ておりますけれども、医師不足解消という目標達成にはまだ時間がかかるのではないかと思われます。
 私の地元であります中東遠医療圏は、家庭医療養成プログラムなどの成果が出ているすばらしい取組もある一方で、厚生労働省の医師偏在指標では全国三百三十五の圏域中二百二十七位と医師少数区域となっております。私が長年勤務しておりました公立森町病院では、医師の募集をしていてもなかなか集まらず、常勤医師が少なくなり非常勤の医師に来てもらい診療科を何とか維持しているのが現状です。院長の話では、今の若い医師たちは自分の知識や技術の習得に意欲を持っており勤務先は将来のキャリアを重視して選ぶということでした。実際に医師である私の弟も森町で生まれ育ちましたが勤務先を選ぶ時には他県を希望した経緯もあり、やはり魅力的な環境が整っている病院は医師が勤務先を選ぶ時の条件の一つであると考えます。
 県医学修学研修資金の利用者など若い医師が各地域においてやりがいを持って勤務し定着していくためには、指導医の確保、魅力的な研修活動が重要であると考えます。
 安定した医療提供体制を構築するために、県は重要課題の一つである医師確保のさらなる取組についてどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、持続可能な介護サービスのための人材確保についてお伺いいたします。
 介護保険制度は社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして始まりました。創設から二十年を超え県民に定着している一方で、総費用、保険料ともに当初の予測よりもかなり速いペースで増え続けております。厚生労働省の資料によりますと制度が創設されて以来二十年で六十五歳以上の被保険者は一・六倍に増加しており、さらにそのうち介護サービス利用者は三・三倍となっております。要介護認定者数も二十年で約三倍となり大きく増加し、六十五歳以上の高齢者が二〇四二年に約四千万人となりピークを迎える見込みとなっております。認知症にかかる高齢者が増加すると予測され、このような背景からも介護の重要性は増す一方であります。
 国では、二〇二四年度の制度改正に向け制度の持続可能性を確保するため、給付と負担、地域における介護予防の充実や介護サービスの基盤整備、介護人材の確保や介護現場の生産性の向上について議論がされております。私が住んでいる地域でも特にグループホームなどの小規模事業所では、従来から人員確保が難しいところに数年にわたるコロナ禍の影響で人材不足は深刻化し運営が厳しいところもあると聞いております。
 団塊の世代が全て後期高齢者になる二〇二五年以降高齢者は増加する傾向にあると予測され、一方で生産年齢人口は減少するとされています。限られた人口の中で介護人材を確保する必要があり、外国人材の採用も含めた様々な施策を検討する必要があると考えます。今後はこれまで以上に多くの人材が必要と見込まれていますが、このままではいざサービスを利用する段階になった時に必要なサービスを受けられなくなってしまうのではないかと危惧しているところでございます。
 超高齢社会における持続可能な介護サービスを提供するためには、介護ニーズの増大に限られた労働力でいかに対応させていくかが問われており、新たな介護人材の確保や定着のための介護現場の生産性向上を図ることが重要であると考えますが、県の取組についてお伺いさせていただきます。
 次に、森林空間を活用した森林サービス産業の推進についてお伺いいたします。
 私の地元森町は町の七割の約九千五百ヘクタールが森林であり、以前は林業と農業の兼業農家などがこの地域を支えておりました。しかし高齢化が進み後継者不足などから農林業が衰退したため、間伐等の手入れが行き届かなくなった森林が増加するなど人と森林との関わりが薄れているように感じます。その一方で昨今のコロナ禍により、都会から離れて自然豊かな中で過ごすことができる森林内でのアクティビティーに目が向けられるようになりました。この大きな流れを受け止める新たなビジネスを創出すれば、地域の雇用だけではなく長い目で見れば森林の保全にもつながるのではないかと考えます。
 このような中、地元森町のヤマザクラ、コナラなどが広がる森林でマウンテンバイクの愛好家が令和三年一月から手作業でマウンテンバイクコース造りに着手し、この春にマウンテンバイクパークとしてオープンいたしました。パーク運営者が常時コースや周辺の森林を管理するため森林の機能を維持することができるとともに、多くの人が訪れるきっかけとなり中山間地域のにぎわいづくりにもつながるすばらしい取組であると感じています。私が訪れた日も多くの子供連れのファミリーや遠方からお見えになられた方が豊かな森林空間を楽しまれ、森林活用の新たな在り方を肌で感じました。全国的に見てもこれまでの木材生産に加え、マウンテンバイクやキャンプなど様々なアクティビティーによる森林空間を活用した森林サービス産業への取組が進められています。
 森林サービス産業とは二〇一九年二月に林野庁が提唱した新しい取組で、人口減少や高齢化社会を迎え山村の活性化や関係人口拡大のために新たな森と人との関わりの創出を目指すものでございます。世界有数の森林国ならではのライフスタイルが実践され人も環境も健康で持続可能となる、そんなポテンシャルを持った新しい成長産業として現在期待が高まっております。
 県土の六四%を森林が占める本県におきましても、中山間地域の新たなビジネスチャンスとして森林サービス産業を推進する必要があると考えますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、南アルプスの魅力を次世代につなぐ取組についてお伺いいたします。
 県は昨年度から南アルプスの自然環境の保全と魅力発信の取組を強化しております。南アルプスは長野、山梨、静岡県の三県にまたがる三千メートル峰の山々が連なる日本有数の山岳地帯で希少な高山植物が多く生育し、広大なお花畑、尾根から見える眺望は登山者の心をつかんでやみません。北アルプスのような華やかさはありませんが南アルプスの南部を占める赤石山脈は、本県にとって大井川が流れる貴重な山域でもあり氷河期の生き残りとされる高山植物やライチョウなど貴重な動植物をはじめ豊かな生態系を有しています。
 南アルプスの魅力や価値を知っていただくには実際に足を運び体験するのが一番効果的なのですが、アクセスが不便であるため北アルプスと比べて登山客も少ないと聞いております。南アルプスに行く方は山が本当にお好きな方が多く、私の知人は年に数回南アルプスを登山しSNSで魅力を発信しております。南アルプスは緯度が高く森林限界点が上昇しているため標高二千七百メートル前後まで森林が形成され、山頂付近にまで広がる緑と登りつめた後の雄大な景色はとてもすばらしいそうです。
 このような世界の宝である南アルプスの自然環境をよりよい形で未来につないでいくことを目的として令和三年七月十四日に南アルプスを未来につなぐ会が設立されました。私もその趣旨に賛同し入会しておりますが、定期的に配信されてくる南アルプスの美しい自然の動画をより多くの方に御覧になっていただきたいと思い、微力ではございますけれどもSNSや私が発行している県政報告の書面においても南アルプスを未来につなぐ会の会員募集の情報発信をさせていただいております。南アルプスの自然環境を次世代に引き継いでいくためには県民の理解と参画が不可欠であると考えますが、残念ながらまだまだ南アルプスに対する認知度が低いのではないかと考えます。
 先日、高校生の皆さんと南アルプスについてお話をした時に大人の方々よりも興味関心を持ってくださり、次世代につないでいくためには子供たちに南アルプスの魅力や守っていく大切さを伝えることがとても重要ではないかと感じました。南アルプスを子供たちに身近に感じてもらえるような取組が必要であり、まずは南アルプスを知ってもらう、認知度を高めていくことが大切ではないかなと思います。
 南アルプスの魅力を次代を担う子供たちに伝えていくための県の取組と今後の展開についてお伺いいたします。
 最後に、子供と本をつなぐ取組についてお伺いいたします。
 令和四年三月に県教育委員会では第三次静岡県子ども読書活動推進計画―後期計画―が策定されました。この計画では県民一人一人が生涯を通じて読書を楽しむ習慣を確立する読書県しずおかの構築に向け、子供の読書活動推進を生涯にわたる読書習慣の基礎づくりと位置づけております。本県ではこの計画に基づき、全ての子供が自主的に読書活動を行うことを目指し本に親しむ機会の提供や読書活動の啓発、そして学校図書館の充実等に取り組んでいるところであります。朝読書、読み聞かせなどの活動は子供と本をつなぎ読書のよさを知ってもらうことができ、この取組を大変評価しております。
 聞くところによりますと、川勝知事は御幼少の頃は読書の習慣はなく十七歳の前後に人生観を一変させる運命的な本との出会いがあったそうですね。現在では御多忙な日々を送っていらっしゃるにもかかわらず、早朝に起きて朝食前まで読書をなさっていられるとお聞きしております。読書の大切さをよくお分かりになっていらっしゃるお一人だと私は思っております。
 読書は子供が言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かにするなど人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠かすことができないものでありますが、最近ではスマートフォンの所持率の増加、それからネット動画の視聴時間の増加など子供の余暇時間の減少により子供の読書離れが懸念されております。また新型コロナ感染症の拡大が図書館の休館や利用制限など子供の読書活動に影響を与えているとともに、学校での読書活動の時間の確保も困難になっております。
 一方で、ICTの進展に伴い学校においてはGIGAスクール構想の下、児童生徒に一人一台情報端末の貸与が進むなど子供たちを取り巻く読書環境も変化しております。こういった社会の変化があったとしても読書の大切さは変わらないと考えますが、県教育委員会は子供と本をつなぐために今の時代に合った読書活動をどのように推進していくのかお伺いいたします。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 伊藤議員にお答えいたします。
 南アルプスの魅力を次世代につなぐ取組についてであります。
 ユネスコエコパークに登録されている南アルプスは世界の南限とされるライチョウ、あるいはハイマツなどの動植物、あるいは氷河期からの遺存種であるタカネマンテマなど守るべき希少な生態系が残る世界の宝であります。これを次世代に確実に引き継いでいくことは今を生きる私たちの責務であります。
 県では、多くの方に南アルプスの持つ魅力を伝え身近に感じていただけるようにユーチューブなどのSNSを活用し、ドローンによる高画質の映像やあるいは有識者による動植物、地質などに関する講座の配信などを行っているところであります。
 認知度を上げる取組に当たりましては、特に次代を担う子供への理解を広げていくことが大変重要であると考えます。県では絶滅の危機にある高山植物の種子増殖を高校生が担う高山植物種子保存プロジェクトを開始いたしました。また南アルプスを未来につなぐ会のイベントに高校生を招き、南アルプスの将来像について会長の山極壽一先生らと思いを交わすなど機会を設けてまいりました。伊藤議員におかれましては南アルプスを未来につなぐ会の会員になっていただいて、精力的に魅力を発信していただいているとのことで頼もしく存ずる次第であります。
 現在、今年度中の運用開始を目指して南アルプスに関する環境学習アプリの開発を進めております。この環境学習アプリの完成後は出前講座や学校等で活用してまいります。このアプリの開発に当たりましては複数の小学校、中学校、高等学校の授業、課外活動で御協力を賜りまして、そこで得た知見を盛り込むなど教育現場の声を反映したものとなるように取組を進めております。さらに南アルプスの登山者の拠点である椹島などにおきまして体験学習などを提供し、子供たちの環境学習の拠点としても機能するよう体制を整えてまいります。
 私どもといたしましては、次代を担う子供たちに南アルプスのすばらしさを伝え南アルプスの自然環境がよりよい形で引き継がれるように努めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 民俗芸能の継承に係る取組についてお答えいたします。
 御紹介のありました森町の重要無形民俗文化財小國神社の舞楽をはじめ、県内には全国に誇るべき民俗芸能が数多く伝承されております。これらは見る者、参加する者が一体となって楽しむことができる芸能であり、地域への愛着やコミュニティーの重要な基盤として地域の方々が大切に守り伝えてきた貴重な文化資源であります。
 一方、進行する過疎化や少子高齢化の影響により活動意欲の減退や後継者不足、維持のための資金不足等が大きな課題となっております。加えて三年近く続くコロナ禍によって多くの民俗芸能が休止を余儀なくされ存続を諦める方向につながりかねない危機的な状況にあることから、様々な面からその継承を支援していくことが必要であります。
 まず、担い手である保護団体の活性化が不可欠でありますので、一昨年民俗芸能を含む文化財の保存や活用を進める団体を認定する制度を創設し令和二年度から三年度の二年間で六十一団体を認定し、うち十五団体が民俗芸能関連団体となっております。あわせて団体相互の連携のためのネットワーク会議を開催し課題や情報の共有を図るなど保存に向けた活動意欲の醸成につなげることとしております。
 また、資金面や人材面での課題に対応するため文化庁や市町と連携し芸能の発表に必要な衣装や道具等の修理に対する財政的支援を行うとともに、継承が危ぶまれ存続に不安を抱える団体に対し専門知識を持つふじのくに無形民俗文化財保存継承アドバイザーを派遣し複数年にわたり個々の保護団体が置かれた状況を聞き取り保存継承に向けた助言を行う体制を整えております。
 さらに、人口減少が進む中地元だけではなく多くの方々が芸能のすばらしさを理解し保存に協力していただくことが重要であります。このため地域で大切に継承されてきた神楽や盆踊りなどを披露する民俗芸能フェスティバルを毎年度開催するとともに、各地域の芸能を記録映像として保存、公開しその価値や魅力を広く発信する取組を進めており、今後は体験できる文化財という特徴を生かし民俗芸能を間近に見て参加できる機会づくりにも取り組んでまいります。
 県といたしましては、地域が誇る多彩な民俗芸能が県民の皆様に親しまれる貴重な文化資源として絶えることなく着実に次世代に継承されるよう様々な観点から支援を強化してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 医師確保のさらなる取組についてお答えいたします。
 県では、県内外の大学と連携し在学中から本県の地域医療の魅力を学ぶふじのくにバーチャルメディカルカレッジを運営することにより、これまでに千五百十三人に医学修学研修資金の貸与を行いました。現在六百二十七人の医師が県内の公的病院等で勤務し、このうち七十七人が中東遠圏域で御活躍頂いております。
 さらに、今年度磐田市立総合病院のロボット支援手術センター整備を支援するなど各病院の研修環境の魅力向上に努めるとともに、これまで浜松医科大学に四つの寄附講座を設置し専門医養成のための指導医を確保するなど指導体制の強化を図り若手医師の定着に取り組んでおります。中でも地域家庭医療学寄附講座は、森町家庭医療センターなど中東遠圏域の六か所の研修施設がそれぞれの魅力を生かし、これまでに全国から四十人以上の研修医を集めるとともに研修を修了した医師が指導医として地域に定着するなど大きな成果を上げております。
 こうした取組に加え、魅力ある教育・研究環境を整えることにより医師を全国から呼び込み県内に定着していただくため、仮称医科大学院大学の設置を目指し基本的な方向性や研究分野など基本構想の策定に向けた準備委員会を開催しております。委員には本県の医療、教育、経済関係の皆様や医学界を代表する皆様に御就任頂き多くの貴重な意見を頂きながら検討を進めております。
 県といたしましては、研修環境の魅力向上の支援、医師が専門的知識や技術を習得するための体制確保などを通じ若手医師のキャリア形成を支援するとともに、地域偏在の解消や定着の促進に努めてまいります。
 次に、持続可能な介護保険サービスのための人材確保についてであります。
 県では、介護保険施設で働きながら介護資格の取得を目指す方への支援や介護福祉士を目指す外国人留学生に対する学費等の支援などにより介護分野への新規就業を促進するとともに、離職した有資格者に対する復職支援、食事の配膳、清掃などの周辺業務を担う介護サポーターを元気高齢者を対象として育成することにより介護の担い手の裾野拡大を進めております。
 また、介護職員の精神的・身体的負担を軽減するため介護業務の効率化を図る見守りセンサーなどの介護ロボットや介護記録入力のためのタブレットなどのICT機器の導入費用を助成するとともに、職員の収入を三%程度引き上げる処遇改善費用も助成し職場定着の促進を図っております。さらに今年度から新たに専門のコンサルタントの支援を受けながら、モデル介護事業所において業務の洗い出しや見える化を行った上で介護サポーターとICTを活用した業務改善の実践に取り組んでおります。今後この取組成果の普及を図ることにより県内介護事業所の生産性の向上を推進してまいります。
 県といたしましては、将来にわたって県民の皆様が必要な時に必要な介護サービスを受けられるよう現場を支える人材の確保と生産性の向上に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 森林空間を活用した森林サービス産業の推進についてお答えいたします。
 人々の暮らし方や働き方が見直される中、森林を木材生産の場としてだけでなく新たに環境教育、観光、健康づくりなど様々な側面から活用する森林サービス産業への関心が高まっています。
 県内では、議員御紹介の森町における取組をはじめNPO法人による森林空間を活用した環境教育や林業家によるキャンプ場を核とした林業経営の六次産業化の取組なども進められ、県立森林公園では指定管理者が企業の健康経営のための体験プログラムの開発などに取り組んでおります。
 今後はこうした流れを加速するため森林活用の取組を広く情報発信し利用者の関心に応えるとともに、意欲のある森林所有者と企業等との森林活用に向けた橋渡しや国の支援制度に関する情報提供などを行い取組を後押ししてまいります。あわせて県有施設における森林空間の多面的活用について検討を進めます。
 県といたしましては、森林活用の多様なニーズを的確に捉え市町や関係団体と連携しながら森林の適正な保全と地域の活性化にもつながる森林サービス産業を積極的に推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) 子供と本をつなぐ取組についてお答えいたします。
 子供の頃の読書量の多い人は大人になっても非認知能力が高いなどの調査結果が国の機関から報告されており、子供の時の読書習慣の確立は知識を高め心を豊かにするなど子供の成長にとって大変重要であります。このため県教育委員会では幼児期には本との出会いを大切にし、就学期には読書習慣を身につけることに力点を置いた子供と本をつなぐための施策に取り組んでおります。
 具体的には、読書ガイドブック「本とともだち」を発達段階に応じて作成し乳幼児の保護者や小中学生に行き渡るよう配布しております。また静岡県子ども読書アドバイザーの養成を図り読み聞かせボランティア等の支援を行うことで読み聞かせ、親子読書、学校での朝読書等の普及に努めているところであります。
 議員御指摘のとおりGIGAスクール構想で子供の情報環境が大きく進展したことを踏まえ、今後は読書ガイドブック「本とともだち」のデジタル化を進めるなどタブレット等を活用しより多くの読書に関する情報を手軽に入手できる環境づくりに努めてまいります。加えて読書習慣がなくデジタル機器に慣れ親しんでいる子供たちが読書の楽しさを知るきっかけづくりとなるよう電子書籍の活用やオンラインによる読書の普及にも努めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、自発的に読書に親しむ子供がより一層増えていくよう手で触れられる本のよさに便利な電子書籍等を上手に組み合わせて子供と本を積極的につなぎ今の時代に合った読書活動を推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 伊藤和子君。
       (二十四番 伊藤和子君登壇)
○二十四番(伊藤和子君) それぞれに御答弁を頂きまして、ありがとうございました。
 私からは、三点要望を申し上げます。
 最初に、民俗芸能こちらのほうの継承にかかる取組についてでございます。
 本日、地域で民俗芸能に御熱心に関わっていらっしゃる方が森町からおいでになっていらっしゃいます。大変本日の御答弁は励みになったのではないかなというふうに思っております。ありがとうございました。ぜひ静岡県のこの民俗芸能が県内だけではなく全国各地の保存団体の皆様と連携をしながらですね、交流を目的として皆さんとつながってそのすばらしさを披露できるような取組というのを積極的に推進していただければと思います。こちらは御要望でございます。
 二つ目に、森林空間を活用した森林サービス産業の推進についてでございます。
 こちらのほうは、森林サービス産業は今本当に全国的に注目をされておりますので、ぜひ先進事例を参考にしていただければと思います。やはり県土六四%が森林を占める本県におきましては、この森林サービス産業を推進していく中で森林を豊かな財源として捉え、先ほどの質問の中でも申し上げましたように森林サービス産業は中山間地域の新たなビジネスチャンスとして積極的に推進していただきたいと思います。
 最後にですね、南アルプスの魅力を次世代につなぐ取組についてでございますが知事の南アルプスに対しての熱い思いが伝わってまいりました。その魅力をですね、子供たちにつないでいくためには写真とか動画だけではなくてやっぱりバーチャルで体験できるようにしたりとか、それから実際に足を運んでいただくことがやっぱり大切であって親子で南アルプスを楽しめるような、そういった企画を積極的に考えていただいて南アルプスが持つ魅力を見つけてですね、子供たちからもその魅力を発信できるような事業の展開をしていただきますよう私からの要望でございます。
 これで質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで伊藤和子君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。
 再開は二時五十分とします。

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