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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

相坂 摂治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/25/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1) 知事ブレーンの活用効果
(2) JRとの交渉の効果的な進め方
2 東静岡駅地区における文化力の拠点の整備について
3 地震発生直後の道路交通対策について
4 西日本豪雨災害を踏まえた水害・土砂災害対策への取り組
みについて
5 駿河湾フェリーを活用した海産物流通について
6 学校における防犯対策について


○副議長 (落合愼悟君)  これで諸田洋之君の質問は終わりました。 (拍手)  
 ここであらかじめ会議時間を延長します。
 次に、 五十番 相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇 拍手)
○五十番 (相坂摂治君)  通告に従い、 分割方式で効率よく質問をしてまいりたいと思います。
 初めに、 知事の政治姿勢について知事ブレーンの活用効果を伺います。
 富国有徳の美しいふじのくにづくりリーディング・アドバイザー設置要領は、 県政の重要課題に関し知事に対し意見、 提言などを行う者について規定しており知事の委嘱に基づいて現在二十五名の方々がこの職を担っております。 報酬は一回の会議への出席に対し旅費とは別に一律三万三千六百円、 依頼による文面回答もこれと同額であり口頭での意見表明については一万一千百円が支払われることと定めております。 提出された意見や提言等は政策の企画立案過程等において使用され必要に応じて公開されると規定されております。 このアドバイザーこそ県庁職員を除くいわば知事のブレーンであります。
 国際日本文化研究センター顧問の梅原猛氏を最高顧問に置くアドバイザーの中には、 著名なところでは明治大学副学長の牛尾奈緒美氏、 ジュビロ監督の清宮克幸氏、 さらには作曲家の三枝成彰氏や地方創生の提言者でもある増田寛也氏などが名を連ねております。 さまざまな影響を世に与え日本の社会形成、 文化形成に多大な御貢献をされてこられたまさに日本を代表する有識者の方々と拝察いたします。
 こうした方々が本県行政を見守り必要に応じて知事に意見具申をしてくださっているということは大変心強いことではありますが、 一方でこれまで国や市町との意見そごや関係悪化がなぜ起きてきたのか不思議でならず、 知事に対し本当に必要に応じた適切なアドバイスをしてくださっているのか、 あるいは知事はこうした方々からの御意見を真摯に政治姿勢に反映なさっておられるのか私などはやや疑問を感じてしまいます。
 さて、 行政のあらゆる取り組みの途中経過や結果について毎年議会では決算特別委員会で報告を受けておりますが、 これらアドバイザーとの会議や議事録、 意見や提言なるものをこれまで目にしたことがありません。 知事が意見を求めた時期やテーマ、 いつ誰にどの程度の報酬が支払われたのか不明であるばかりではなくこうしたアドバイザーの存在すらほとんど認知されてこなかったのではないかという印象であります。
 平成二十一年に設置したこのアドバイザー制度についてこれまでの活用実績と知事がその政策的意思決定にどのような影響を受けてこられたのか、 また県行政当局の企画立案段階におけるアドバイザーのかかわりの有無について伺います。
 次に、 JRとの交渉の効果的な進め方について伺います。
 ことし六月十九日の定例記者会見で、 知事はオール静岡でJRと交渉することを示し県内市町や県行政から要望してきたあらゆる事項について篠原知事戦略監を中心に交渉の体制を編成しその窓口を一本化することを表明されてきました。 これまでJRには新幹線の県内停車本数の増加を初め安全可動柵の設置や待合室、 授乳施設の整備に加え御殿場線あさぎり号の沼津駅までの運行延伸や中継駅での乗継時間の改善、 ラッシュ時の車両増設、 ICカードサービスの向上などの要望が各種団体、 市町から寄せられておりましたが、 その対応はなかなか前進していないものも見受けられます。
 例えば、 県内駅への新幹線停車本数の増加については御存じのとおり静岡駅及び浜松駅には 「のぞみ」 は停車せず 「ひかり」 も一日当たり三十二本のうち最大で二十本の停車にとどまっており、 基本的には一時間に一本しか停車しないという状況のまま十年間増便がはかられておりません。 今後はこうした案件や知事が提唱する静岡空港の新幹線新駅の整備も含め、 要望と回答という関係から双方による協議の場が必要と感じているところであります。
 一方、 JR東海は二〇二七年の開業を目標にリニア中央新幹線の整備を進めておりますが、 本県では大井川水系への影響や新たなダイヤ再編、 工事に伴う環境への影響等について懸念が示されてきました。 こうした課題に対しJR東海はこの数カ月窓口を一本化しようという県の意図とは別にむしろ個別に各自治体への接触を始めているとの話もあり、 県とJR双方の協議の進め方そのものに方針の違いがあるように感じられます。
 JRの要望案件の一つ一つは、 利用する県民の安全性、 利便性に直結するものが多く交渉窓口を一本化して公然と協議の場が設置されれば公共交通に関する県民への情報発信も効果的に進めることができ要望事項への県民からの後押しも広く獲得できるものと考えます。
 そこで、 知事が先日表明したオール静岡体制とは具体的にどのようなものなのか、 またこの体制のもと今後の交渉をどのように効果的に進めようとされているのか、 知事の御所見を伺います。
 次に、 東静岡駅地区における文化力の拠点の整備について伺います。
 これまでの我が会派からの本会議における質問に対し、 知事からは文化力の拠点の先行施設について図書館を中心としつつ多目的情報発信スペースや大学コンソーシアムの拠点、 本県の食、 お茶の魅力を発信するレストランやカフェなどのほか、 新たな民間機能の可能性を検討しているとの答弁をいただいておりました。 また新たな県立中央図書館については知のインフラの機能とともに多くの県民が出会い、 交わり、 静岡県の新しい文化を創造する場となる図書館を目指すことが示されました。
 私も、 かねてよりこの事業を単なる移転改築で済ませるのではなく、 駅前の立地を生かし最新の技術を駆使した全国的な注目を集めるような空間として生まれ変わるよう求めてまいりました。 文化力の拠点のコンセプトは、 創造・発信、 学ぶ・人づくり、 出会い・交わると定められましたが、 これを体現する施設の中核が書籍であり図書を通じて多目的な他のゾーンの魅力を一層引き立てるような工夫が必要であります。
 平成二十八年八月に東静岡駅南口県有地基本計画を取りまとめてから二年、 東静岡地区の区画整理事業が始まってから既に二十年以上が経過しています。 今年度は民間事業者のアイデアやノウハウをどのように活用すべきかを見定めるためヒアリング調査が実施されてきたと思いますが、 そろそろ整備方針を固め活力を失いがちな人口減少社会に刺激を与え地方創生による厳しい都市間競争から本県が大きく先行すべきであります。
  文化力の拠点の早期形成に期待を込めてこれから導入する機能やにぎわいを生む仕組みや工夫など現在の検討状況と今後の進め方について伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  川勝知事。
        (知事 川勝平太君登壇)
○知事 (川勝平太君)  相坂議員にお答えいたします。
 東静岡駅地区における文化力の拠点の整備についてであります。
 この文化力の拠点の整備につきましては、 高階秀爾先生を会長とする有識者会議で基本構想をまとめていただきました。 これを受けまして伊藤滋先生を会長とする専門家会議で基本計画案を取りまとめていただいたところであります。
 これらを踏まえまして、 新たな県立中央図書館を中心とした知の拠点として整備する方針のもと導入機能などについて検討を進めているところであります。 先行導入機能としてはこの県立中央図書館、 多目的情報発信スペース、 食の都、 茶の都、 花の都、 言いかえればレストラン、 緑茶カフェ、 屋内外の装飾等、 大学コンソーシアムの拠点、 そしてまた新たな民間機能というようなものでございますが、 この拠点の中心となる県立中央図書館につきましては図書館機能を一層充実強化するために豊富で多彩な蔵書の収集、 活用、 利用者のさまざまな問い合わせに対応するいわゆるレファレンスの充実、 高度化、 子供図書館の設置など多様な県民のニーズに応える時代に合ったサービスの提供によって知のインフラとしての機能を確実に果たしてまいります。
 また、 拠点への導入を予定してございます多目的情報発信スペースにつきましては単なる情報発信にとどまらず、 図書等を活用し体験、 学習などを通じて新たな静岡の文化を創造する知的空間として県立中央図書館と一体的に整備してまいります。 この空間では静岡県を知るをキーワードといたしまして食、 健康、 模型、 ICTなどのテーマごとにスペースを設置し、 大学、 企業の研究者や学生さんなどさまざまな立場の方々が自由に議論できる場とすることで活発な交流を生み出し本県の将来を担う人材の育成や新しい文化の創造、 発信につなげてまいる所存でございます。
 さらに、 大学コンソーシアムの拠点をこの空間に整備することとしておりましてグローバル人材の育成や学生と地域の交流を効果的に進めてまいります。 また食の都、 茶の都、 花の都につきましては地域の食材や花を生かしたレストラン、 カフェを設け本県の魅力を発信してまいります。 整備に当たりましては民間活力の導入は大変重要なことであると認識しております。 このため本議会でお諮りしている補正予算によりまして東静岡駅南口エリアの魅力的な将来イメージ図を作成し、 これを提示することで民間事業者の参画を最大限に引き出し拠点の価値の向上やにぎわいづくりに取り組んでまいります。
 今後は、 引き続き民間事業者とのヒアリングを重ねていくとともにプロジェクトチームでの検討を進め、 本年度内を目途に導入機能の規模、 施設配置、 事業手法等を盛り込んだ施設整備計画を策定することとしております。
 県としましては、 県議会の皆様の御意見を伺いながら本県の高い文化力を発信し多様な交流やにぎわいを創出する文化力の拠点の早期形成に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長 (落合愼悟君)  佐藤政策推進担当部長。
        (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長 (佐藤典生君)  知事の政治姿勢についてのうち、 知事ブレーンの活用効果についてお答えいたします。
 国内外で活躍するリーディング・アドバイザーの皆様には、 平成二十一年十二月の制度創設から昨年度末までにそれぞれの分野における高度な見識に基づく九十四件の御提言をいただくとともに、 延べ百三十五名の方々に県の重要施策を検討する審議会等の委員に御就任いただき政策形成の段階から貴重な御意見を伺っております。 これらの御提言や御意見を積極的に県政へ反映してまいりました。
 具体的には、 株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所の松田久一代表取締役社長からは本県農芸品の首都圏における供給拡大に向けた御提言をいただき、 本年度新たに認定農業者等が整備する園芸施設への助成制度を創設したところであります。 また清宮克幸ヤマハ発動機ジュビロ監督には地域自立のための人づくり・学校づくり実践委員会の委員として、 部活動の環境が整わない中学、 高校への支援やラグビーワールドカップ二〇一九の本県開催に向けた機運醸成などスポーツ王国実現に向けた御意見をいただき、 地域スポーツクラブの設置などの具体的取り組みにつなげております。
 こうしたアドバイザーの御意見については、 それぞれの審議会の議事録等で公表しているところでありますが、 議員の御指摘も踏まえ今後ともリーディング・アドバイザーの皆様の審議会委員への就任状況やいただいた御意見、 御提言などを県民の皆様にわかりやすく情報発信をしてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  篠原知事戦略監。
        (知事戦略監 篠原清志君登壇)
○知事戦略監 (篠原清志君)  知事の政治姿勢についてのうち、 JRとの交渉の効果的な進め方についてお答えいたします。
 これまでも、 JR各社とはデスティネーションキャンペーンを初めさまざまな事業に連携して取り組んでおり、 ともに地域づくりの担い手として協力、 連携の強化を図ることが重要であると考えております。
 一方、 JR東海とは御殿場線や身延線、 三島駅の利便性の向上、 新幹線停車本数の増加等さまざまな課題について市町や地域の協議会が長年にわたり要望を繰り返し行ってきておりますが、 思うような進展が見られない状況にあります。 このため市町が個別に行ってきた要望を地域の総意として県、 市町が一体となってオール静岡の体制でJR東海の意思決定のできる経営層に対し直接働きかけていくことで前に進むようにしていきたいと考えております。
 具体的には、 リニア中央新幹線建設工事に係る事項とは別に庁内の各部局が一丸となり、 各市町とも連携して現在JR東海に関する要望や利用者の立場に立った課題の整理を行っております。 これを受け今後につきましては市町や協議会等が行う要望活動に県職員も同席してまいりたいと考えております。
 加えて、 先日設立されたJR東海とJR東日本交通系ICカード相互利用促進に係る議員連盟の皆様などとも連携を進めるとともに、 JR東海と県、 市町が課題を共有する場の設置を図っていくなど県、 市町等の求める課題の解決に向けて積極的に取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  要望を一点、 再質問を二点いたします。
 まず、 要望はJRとの関係についてでありますが、 先ほど篠原知事戦略監の御説明ですと市町の要望の段階で同席をしていくというようなお話がありましたけれども、 先ほど私が申し上げたように県がついていくのではなく、 やっぱりリードする立場でかつ中央リニア新幹線が二〇二七年に敷かれていくことを考えますと東海道の太平洋ベルトから移動人口が激減することになります。 それまでにこの新幹線の停車する周辺のまちづくりをやはり県が主体的に進めながら人を確保していくという決意の中で、 先ほども申し上げましたが県が声を上げながら協議の場をやはりつくっていく、 あるいは国に働きかけをしながらそうした協議の場を用意していただくような働きかけをお願いしたいと思います。 それが要望です。
 再質問ですが、 文化力の拠点について大変知事から御丁寧な御説明をいただきました。 早くこのイメージ図を見てみたいなという気がいたしますけれども、 知事に再質問したいのは知事がどこか見本にしているあるいはこういう空間利用になるといいなとお考えになられているお手本のようなところはありますでしょうか。 というのは経済産業部でもこれまではつくったものを売ろうという現場サイドの支援から売れるものをつくろうということで現場に指導をするような形に政策の方向がかじを切られてきました。 これはつくるものも同じだと思うんです。 地元でつくったから呼ぶのではなく来たくなるようなものをつくる。 その発想に立って知事が今モデルにしているようなものがもしあれば御紹介をいただきたいと思います。
 それから、 知事ブレーンで再質問ですが先ほどの御説明、 佐藤政策推進担当部長の御説明でしたけれども、 それだと審議会委員と知事ブレーンあるいはリーディング・アドバイザーの違いがよくわからないもんですから、 その審議会委員として審議会の中でこういう発言をしたのを公表するのではなくもっと別な担いを受けているからこそ設置要領がつくられて報酬が定められているはずなんです。 リーディング・アドバイザーの役割、 審議会委員の役割の違いを明確にしてください。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長 (渡邉眞一郎君)  文化力の拠点についての再質問にお答えをさせていただきます。
 東静岡の駅、 残された貴重な空間でございましてここはまさに県の顔となるべき空間かなというふうに考えているところでございます。 そういったものを前提にこれまで各地視察をしてきてございますけれども具体的にここというところが限定されているところではございません。 ただ既にグランシップがありそして駅前の有効な空間が十分広がっておりますので、 ここにおりた方がここがおりてすばらしいところだというふうに思っていただけるような、 そしてそのエリアにまさに民間の方々、 こういったところであれば投資をしたいと思っていただけるような地域づくり、 施設づくりを整備を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、 この補正予算で計上させていただいております予算を用いましてそうしたイメージ図を作成してまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  佐藤政策推進担当部長。
○政策推進担当部長 (佐藤典生君)  知事ブレーンの活用効果についての再質問にお答えいたします。
 まず、 リーディング・アドバイザーということで設置要綱がございまして、 知事に対して県政の重要課題に対して高度な見識に基づいて意見をいただくということで今、 二十五名の方を任命しております。 そういった方の中で我々県が設置する審議会、 それぞれありますけれどもそういった中の委員として非常に重要な方、 また意見がいただける方についてはリーディング・アドバイザーの中の方でも審議会の委員ということで任命している方が何名かございます。 そういった意味でそれぞれの場面に応じてリーディング・アドバイザーとして知事が意見をいただく場合、 そして審議会の委員として意見をいただく場合と両方ございますので、 それぞれをですね有効に活用しながら県政への反映を進めているところでございます。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  要望を申し上げます。
 文化力の拠点でありますけれども、 斬新で長く使われても飽きないような静岡市の方々に県庁所在地でよかったと思っていただけるような施設整備を望みたいと思います。
 リーディング・アドバイザーについてですが、 せっかくこれだけの方々にかかわっていただいているわけですからもっと公明正大にどのようなかかわりがあったのかをきちんと定期的にというか、 一定の時期がきたらきちんとつまびらかにしてどのような本県の方向性になっているのかということを県民の方々にも広くこの英知を活用していただけるように、 かかわり合いについて取りまとめをぜひしていただきたいと思います。
 それでは、 次に地震発生直後の道路交通対策について伺います。
 ことし、 六月十八日には大阪北部で震度六強、 九月六日には北海道胆振地方で最大震度七の地震が発生しました。 死傷者はそれぞれ四百三十名以上、 七百二十名以上となっており北海道では全域で停電となるなど被害は甚大であり震災後の避難者は約千六百名と伝えられております。
 また、 六月末から相次いで発生した台風と集中豪雨も西日本に甚大な被害をもたらしました。 被災された皆様には改めてお見舞いを申し上げますとともに一日も早い生活の再建と経済活動の復興をお祈りいたします。
 さて、 大阪北部地震が発生した当日、 私は九州からの帰り道で家族とともに震源地におりました。 朝食の最中に携帯電話のアラートがけたたましく流れたのと同時に強い揺れに襲われましたが、 精神的な不安というものは実は揺れている最中よりもむしろその後に襲ってきたことを今も覚えています。 食事もそこそこに私たちは一刻も早く震源地を離れることを考えたわけですが、 既に高速道路は通行どめとなっておりインターチェンジからは多くの車両がおろされ、 同じく運行停止のために電車やバスを利用できなくなった方々が町にあふれており大阪では極度の交通渋滞が発生、 私たちも全く身動きがとれないという状況になりました。 恐らくこの渋滞の中には学校に子供を迎えに行く車両もあったろうと思います。
 揺れがひどかった大阪北部や京都を避け進路を南にとり奈良県から中京圏を抜けて帰宅したわけですが、 地震発生から帰宅したのは十時間後であり震源地付近の渋滞に巻き込まれ身動きが全くとれなかった三時間余りの間は子供が一緒だったこともあり、 まさに生きた心地もしませんでした。
 阪神大震災以来、 幾つかの震災を教訓としながら我々はさまざまな制度をつくりかえ建物の耐震や防潮堤の整備、 避難場所の明確化等努めてきましたが、 私が今回体験した発災直後の情報伝達、 安全な避難の確保についてはこれまで見落とされてきたのではないかと今、 痛切に感じています。 特にどこに安全な避難場所があるかもわからず次の危険が何であるのかも予測もままならない来訪者にとっては、 発災直後の行動として何が適切なのかが判断できる迅速かつ有効な情報の入手は何よりも必要な判断材料です。 また移動手段を失った方々が大量にあふれた都心部で本震以上の余震に襲われた場合、 その被害はさらに拡大することは明らかであり一刻も早く安全な場所に誘導する仕組み、 自宅への迅速な移動手段と経路の確保、 さらには高速道路を利用できなくなった際の速やかな広域移動経路の確保はその後の被害を最小限にとどめるために必要不可欠であると感じています。
 特定の限られた区域に自動車や移動手段を失った方々があふれることは、 緊急車両の通行にも支障を来すことになります。
 そこで、 地震発生直後に限られた区域に滞留する車の仕分けや速やかな情報提供など自動車利用者等への対応を検討していく必要があると考えますが県の御所見を伺います。
 次に、 西日本豪雨災害を踏まえた水害、 土砂災害対策への取り組みについて伺います。
 我が会派の代表質問でもことし七月の豪雨を教訓とした今後の対策について質問がありましたが、 私からは水害、 土砂災害への対策として今回の補正予算の内容や現在の県内河川の整備状況、 土砂災害危険箇所への対応について伺います。
 県が管理する河川の数は五百十九であり、 昨年度は当初予算で約百七十六億円がその整備と維持管理等に充てられました。 時間雨量五十ミリに対する河川整備率は平成二十九年度末で五三・七%、 近年の集中豪雨の多発によって一層の河川整備と同時に既に整備された河川護岸の老朽化についても不安の声が寄せられるようになりました。
 一方、 県内には施設整備が必要とされる土砂災害危険箇所が五千七百五十三カ所にも上り昨年度末の整備率は約三二%にとどまっており、 住民からの土砂災害対策の実施要望書は多数提出されておりながら今年度の新規着手率は四割程度にとどまっています。 土砂災害対策は一カ所当たりの事業費が多額に上ることに加え、 土地の相続によって所有者不明土地の発生も深刻化しており年を経るごとにますます実施が困難になっています。
 今夏の西日本豪雨では、 護岸の決壊や内水氾濫による浸水被害が十九道府県九十五市町村と広範囲で発生し土砂災害も一道二府二十八県、 千五百十五件が報告されました。 死者二百二十名、 行方不明者九名、 家屋の全半壊九千七百八十六棟、 家屋浸水三万六千三十八棟を数えるなど被害は甚大なものとなりました。 逃げおくれが原因で亡くなった方が多く、 地震対策同様改めて住民の避難行動につながる情報の重要性が指摘されています。
 こうした状況を踏まえ、 我が自民改革会議ではこの九月議会の補正予算に緊急対応を要望したところであり関連費も合わせて十三億円を計上していただくことになりました。 今回の補正予算の内容と今後の水害、 土砂災害対策への取り組みについて伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  難波副知事。
○副知事 (難波喬司君)  西日本豪雨災害を踏まえた水害・土砂災害対策への取り組みについてお答えをいたします。
 西日本豪雨災害の特徴は、 被害が広範囲に及んだことに加え河川の氾濫や山地等の崩壊が同じ地区で発生した箇所や河川の合流点付近で氾濫した水が堤防に囲まれた地区に流入した箇所で被害が甚大となったことであります。
 こうした状況を踏まえ、 県では緊急パトロールを実施し集落に近く堤防を有する河川や土砂が堆積しやすい合流点付近及び住宅地の直上流にある砂防堰堤等につきまして重点的に点検を行いました。 この結果洪水の流下を阻害する堆積土砂や樹木の除去、 砂防堰堤の堆積土砂の撤去等の緊急的な対応が必要な箇所につきまして速やかに対策を行うための経費を補正予算案でお諮りしております。
 さらに、 県民の皆様が洪水の危険性をふだんから認識し迅速な避難行動につなげていただくよう既に避難勧告等の発令目安となる水位を設定している四十六河川に加えて、 災害拠点施設等が近傍にある十五河川につきまして最大規模の降雨に対する洪水浸水想定区域図の作成等に要する経費を盛り込んでおります。
 県といたしましては、 ますます激甚化する豪雨に対して河川や砂防施設の計画的な整備と維持管理に加え大規模氾濫減災協議会において国や市町と連携しながらハザードマップの作成やタイムラインの導入を支援してまいります。 さらに避難を促す情報が避難行動に確実につながるよう有識者、 行政、 自治会役員等による住民避難実効性向上検討委員会において方策を検討するとともに防災総合アプリを構築するなど、 実効性の高い防災・減災対策を推進し水害、 土砂災害から命を守る災害に強い地域づくりに邁進してまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  金嶋危機管理部長。
○危機管理部長 (金嶋千明君)  地震発生直後の道路交通対策についてお答えいたします。
 南海トラフ地震等の大規模地震の発生により、 県内道路では橋梁の損傷、 山・がけ崩れ、 液状化、 津波浸水などが多数発生し通行どめや著しい渋滞が生じることが予想されております。 地震発生直後は、 救出救助など命を守る応急活動を実施するため、 緊急車両の通行確保を最優先とする必要があります。 このため県地域防災計画では自動車運転者に対し車両を道路の左側に停止させる、 停止後は災害情報や交通情報を聴取し状況に応じて行動する、 避難のために車両を使用しないなどの行動を求めておりますが、 必ずしも十分に周知されていないと認識しております。
 県といたしましては、 災害応急活動が円滑に実施できるよう日ごろから運転者のとるべき行動について周知を図るとともに、 発災直後には道路交通の混乱を防ぎ運転者の不安解消を図るため市町や道路管理者、 報道機関等と連携し県内の被害状況や通行規制、 帰宅困難者用の避難所開設等の情報をラジオやSNS、 インターネットなど多様な広報手段を用いて的確に提供できるよう努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  要望を二点申し上げます。
 発災直後の避難についてでありますが、 都心部で交通渋滞が発生するばかりでなくやはり高規格道路の通行が停止をされてしまうといった場合の県内に遮断をされて交通が不可能になってしまうエリアの洗い出し、 これは早急にやらなければならないだろうと思いますし発災直後に被災を受けた方々が次に何をするかという行動に焦点を絞ってぜひ対策計画の中に位置づけてその方々の次の行動に移れるような計画も必要かと思いますので御検討をお願いします。
 それから、 河川、 土砂についてですがぜひ一段もう少しステージを上げて、 補正予算ですから今回は土砂掘削等で構わないと思いますが、 やらなければいけないと思いますが、 護岸の強度についての調査を徹底的に行って今、 まだ進捗率五十数%にとどまっていますが、 やはり整備したところも川が流れている最中に弱くなっていくところもありますから、 やはり今まで進めてきたところも含めてステージを上げて河川の対策に臨んでいただきたいと思います。
 それでは次に、 駿河湾フェリーを活用した海産物流通について伺います。
 ことし五月二十五日、 運行会社の株式会社エスパルスドリームフェリーとこの出資会社である株式会社鈴与から運行経費の赤字状況が示され駿河湾フェリーの運航中止が表明されました。 その後は関係の三市三町の行政及び関係諸機関から航路存続の要望がなされ、 先月には株式会社鈴与がフェリー及び関連施設等の寄附を表明し、 目下県を中心に今後の運行のあり方について検討がなされています。
 その一環として、 今議会の補正予算では乗客確保、 運航継続へ向けた団体旅行商品の造成促進や運営体制検討とこれに必要な予算四千五百万円が上程されています。
 一方、 本県経済産業部ではかねてより県内海産物のブランド化を支援する事業を展開しつつ漁業の六次産業化についても漁協食堂等を応援し県内漁業の活性化に向けて取り組んでいます。
 私はかねがね、 この駿河湾フェリーを活用して伊豆半島で水揚げされる海産物を県内中心部の静岡市内へと直接流通させることができないか本会議でも取り上げてまいりました。 県内海産物の多くはいまだ仲介業者によって東京の市場へと運ばれており県内流通に直接回るものは全体で見れば微量にとどまっています。
 私の地元でもある用宗漁港では早朝からシラス漁の船舶が出港しておりますが、 その漁獲量は日によってばらつきが大きく若い漁業従事者の多くは漁業以外の仕事にもついており漁業という産業の中で生計を立てているとは言えない状況にあります。 今年度は特に由比のサクラエビの禁漁によって相互に人材交流することもできなくなり一層厳しい状況に直面しています。 由比や用宗に限らず今後は漁獲の許された魚種だけでなく県内で生産されるあらゆる海産物に対し加工、 販売、 流通などでかかわる機会を創出し、 漁業からの収入だけで生計を賄い得る同一産業内でのビジネスチャンスが必要であります。
 そこで、 改めて今回その運営形態が模索されている駿河湾フェリーを活用し新たな海産物の流通手段を構築することはできないかお尋ねいたします。
 また、 県内の新たな流通網が構築されれば県内飲食店や宿泊施設、 輸送業者、 そして漁港や漁村における経済効果についてもどのような期待を描くことができるのか、 御所見を伺いたいと思います。
 最後に、 学校における防犯対策について伺います。
 わずか二カ月足らずの間に、 私たちは痛ましい事件に直面しました。 防犯カメラで犯人を捉えながら捜索願から五時間を経て線路上に遺棄された新潟市の事件、 小学校からわずか二百メートルの通学路で卒業生に襲われた本県藤枝市の事件、 そして富山市では交番署員が急襲されて命を落とし学校敷地内で犯人が逮捕されるという事件も起こりました。 偶然にも事件発生は夕刻に集中し残念ながら子供たちの身辺で発生しています。
 この時期、 重なり合う報道のために私たちは毎日胸の痛くなるニュースに接することになりました。 公的に設置された防犯カメラはいまだ極めて少なく、 事件発生後に大急ぎで民間所有のカメラを探し出し所有者の了承のもとに確認作業が始まります。 新潟の事件で私はその抑止力にも限界があることを知りました。 多くのボランティアが見守る通学路でも現行犯を防げない突発的な犯罪があり、 交番すらひとたび襲撃されればその機能を失うことがあるという事実に焦燥感を覚えます。
 その後、 私は駿河区内の小学校を訪ね防犯への取り組みについて実情を教えていただくことにしました。 七月二日の長田西小学校をスタートに区内全十九小学校のうち十七校にお時間をいただき、 学校の防犯体制、 通学路の危険箇所、 そして交番その他外部との連携体制等について実情を把握することができました。 毎朝の登校時に校門で出迎える教職員や自治会長、 子供たちの登下校を見守るボランティアの皆さん、 警察へ出向いて防犯訓練を受けたり中には経験を生かして竹刀を置いてある校長室もありました。 さらに複数の防犯カメラを設置したPTA、 児童の下校時刻を保護者に知らせ自宅前での出迎えを要請し監視の目をふやすとの取り組みもありました。 学校と地域の防犯の現場では限られた人員と予算の中で熱心な取り組みが進められていました。
  裁かれることも逮捕されることもいとわない者の突発的な行為をとめることはできないという警察当局の談話は、 日々犯罪の抑止に奔走する偽らざる思いだろうと思います。 本来こうした学校における防犯対策は設置者である市町教育委員会でそれぞれの状況に応じた取り組みを指導してきたものと思いますが、 防犯カメラの効果的な設置と運用の仕方、 放課後の見守り活動や通学路の危険箇所の洗い出しと地域社会での共有、 さらには教員みずからが警察初め専門機関からの訓練を受ける必要性などを考えると、 県教育委員会において高度で専門的な知見を集め課題を一括整理し関係機関との連携を呼びかけ体系的に制度をつくり出していく必要性を感じます。
 そこで伺いますが、 こうした一連の事件発生を受け学校の防犯上の課題として県教育委員会はどのように問題を把握し、 今後その解決に臨まれるのか方針を伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  川農林水産戦略監。
○農林水産戦略監 (川敏洋君)  駿河湾フェリーを活用した海産物流通についてお答えします。
 本県の生鮮魚介類の魚価は、 県内向けを中心に鮮度がよく地場ブランドが生かせる商品について比較的高い傾向にあります。 また本県には多数の観光客が訪れており地場の生鮮魚介類への大きな需要が期待できることから、 地場水産物の需要に的確に対応する新たな流通段階の取り組みが必要と認識しております。
 このため、 昨年度から駿河湾フェリーを活用し西伊豆の水産物を県内の大消費地である静岡市内に直送する実証実験を駿河湾横断流通モデルとして実施しており、 現時点までの成果としてブランド価値のある活ヤリイカは首都圏と比べて高価な取引されることが可能であるなど、 駿河湾フェリーの物流手段としての有効性が確認できるところであります。
 そこで、 この八月には株式会社エスパルスドリームフェリーと連携して駿河湾フェリーの利用料金が最大五割引となる農林水産物輸送割を新たに創設したところであり、 本割引制度の活用により伊豆半島全域の農林水産物やその加工品についての輸送手段として利用拡大されることが期待されております。 こうした新たな流通ルートの構築は高付加価値な地場水産物についての適正な価格での取引や産地発信によるPR展開が可能となるほか、 県内消費者に対しましてはより安価でより新鮮な地場水産物の提供が実現することで地域内流通が一段と拡大されるという経済効果も期待されます。
 県といたしましては、 今後とも本県水産業の活性化に向けまして産地と消費地双方にメリットがある流通体制の構築と強化に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  鈴木教育部長。
○教育部長 (鈴木一吉君)  学校における防犯対策についてお答えいたします。
 学校において、 子供たちの安全安心の確保は何よりも優先されるべきものであり従来から各学校では防犯対策に取り組んでおります。
 具体的には、 不審者を見分けるための来校者への声かけや不審者が侵入した際の避難誘導訓練に加え一部の学校では防犯カメラを設置しております。 また警察等の協力を得て児童が不審者に遭遇した場合の対処法を学ぶ講習会を開催しているほか、 藤枝市では保護者が小学一年生の児童の登下校時刻や位置情報をスマートフォンで確認できるサービスの実証実験に取り組んでおります。
 しかしながら、 児童が巻き込まれる事件が相次いで発生し本年六月、 国におきまして社会全体で子供の安全を守るための登下校防犯プランが取りまとめられたことから、 県教育委員会では関係部局、 警察と防犯対策会議を開催し通学路の危険箇所の把握や多様な担い手による見守りの必要性等について協議したところであります。 既に各学校に対しましては警察、 保護者、 地域住民等と協力し子供が一人で歩く区間や通学路上の空き家、 死角になる場所の確認を行うとともにながら見守り等のボランティアの活用や不審者情報の共有の徹底などを依頼しております。
 今後も、 危機管理意識を高めるための教員研修を開催するほか、 市町教育委員会と連携し地域学校協働本部による多様な人材の見守りへの活用や警察、 地元自治会等との顔の見える関係の構築により地域の実情に応じた効果的な防犯対策が行えるよう取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  それぞれありがとうございました。
 一点だけ御要望を申し上げます。
 学校の防犯体制についてであります。
 今、 御説明いただいたとおり総論として語ればきめ細かいものも随分ありますが、 この一つ一つの施策を取り入れられない地域もやっぱり残されているのが現状なんです。 ですからこの支援体制を入れていくための助言体制をぜひつくり上げていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○副議長 (落合愼悟君)  これで相坂摂治君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

○副議長 (落合愼悟君)  次会の議事日程を申し上げます。
 九月二十六日午後一時会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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