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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

渥美 泰一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/02/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港の利用促進について
 (1) 空港の利便性の向上
  ア 旅客ターミナルビルの機能向上
  イ 空港アクセスの充実
 (2) 安定的な需要の創出
2 産業の国際化について
 (1) グローバル人材のマネジメント対策
 (2) 海外からの企業誘致
3 有徳の人づくりについて
 (1) キャリア教育の推進
 (2) グローバル人材の育成
 (3) 留学生の受け入れ
4 少子化対策の推進について


○議長(吉川雄二君) これで林芳久仁君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五十六番 渥美泰一君。
       (五十六番 渥美泰一君登壇 拍手)
○五十六番(渥美泰一君) 質問も四日間ということで、大変お疲れさまでございます。
 私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について一括質問方式で、知事並びに関係部局長、教育長にお尋ねいたします。
 初めに、富士山静岡空港の利用促進について伺います。
 空港の利便性の向上についてのうち、旅客ターミナルビルの機能向上について伺います。
 富士山静岡空港は今、中国からの訪日需要の急激な高まりを背景に中国路線の新規就航や増便が相次いでおり、後期アクションプランで目標に掲げた利用者数七十万人達成が視野に入ってきたのではないかと思います。また今月二十三日からは運用時間の延長が予定されており、新たな時間枠を利用してさらなる新規就航や増便も期待されます。しかしながら富士山静岡空港の今後の発展を考えた場合七十万人達成はあくまで通過点で、さらなる利用拡大を図るべきであり、利用者にとって利便性が高い魅力的な環境の整備が必要ではないかと思います。
 現在、相次ぐ新規就航や増便が続く国際線において出発や到着が重なった場合、出入国審査場や待合スペースが混雑することから就航便数を一時間に一便に限って受け入れている状況でありますが、これでは便数におのずと限界があることは申し上げるまでもありません。
 富士山静岡空港が周辺地域振興の拠点施設であり見学者を初め訪れる人が多いこと。また遠からず発着容量が限界に達すると見込まれる羽田、成田両空港を補完し東京オリンピック・パラリンピックなどの際の受け皿となり得ること。新幹線空港新駅の実現や、あるいは災害発生時の緊急輸送物資の拠点としての需要も当然考えなくてはならないことです。また現在でも非常に手狭なショッピングやレストランも、旅行者がもっと満足度を高められるように充実する必要があります。
 そこで、今後さらなる空港の利用促進を図るためにどのような考え方のもとに目標設定をし、旅客ターミナルビルをどのように改修していく考えなのかお伺いいたします。
 次に、空港アクセスの充実について伺います。
 空港までのアクセスの利便性は、空港利用者が富士山静岡空港を選択する上で大きな要素となります。昨年度、有識者による検討会議からの提言を踏まえてアクセスの改善に向けたさまざまな取り組みが開始されたところであります。その一つ、ドア・ツー・ドアで浜松地域と空港とを結ぶ予約制乗り合いタクシーの導入は、今後高齢者等の一層の需要拡大が見込まれることから、アウトバウンド対策としても大変よい方法ではないかと思います。これまでの利用状況を含め、現時点でこれらの改善策をどう評価し、アクセスの一層の充実に向け今後どのように取り組まれるのかお伺いします。
 次に、安定的な需要の創出について伺います。
 富士山静岡空港を利用する県民の方は就航地などへの観光目的で利用する方が多く、また就航先から訪れる方も富士山を初めとした本県の豊かな自然や食を満喫するという観光目的の方が多いのが現状であります。もちろん観光誘致は重要であり、本県への宿泊や県内周遊につなげていかなければなりません。そして同時に彼らが客観的な視点で日本を観察し、日本のよさや我々日本人に対する一層の理解につながっていくことを切に願うものであります。
 しかし一方、こうした単に観光を目的とした利用者は国際情勢の影響や経済的な変化、感染症などのイベントリスクを受けやすく、ちょっとしたことで利用者数の大きな変動を招くのも事実であります。そこで空港の発展を目指し利用者を着実かつ安定的に獲得してさらに利用者数を伸ばすためには、ビジネスや教育目的の利用はもとより地域間の文化・スポーツ交流や就航先との経済交流などを通じて、アウトバウンドを含めた継続的な人的交流による将来の安定した需要を創出することが重要であると考えます。
 空港はあくまでも交流のための足、手段であります。県におかれてはこれまで中国、韓国、モンゴル、台湾等との友好提携をベースにした交流を展開してきました。こうした中で国際交流協会や日中友好協会では、訪問団の海外派遣とあわせて日本を学ぼうとする海外の製造業やサービス業、飲食業、あるいは医療・福祉事業者や文化・レクリエーション団体等に積極的に働きかけ、他県に先駆けて積極的に交流視察団の受け入れに取り組んでおります。昨年度はおよそ二十団体、六百名余を受け入れ、本年度はさらに拡大を目指すと伺っております。
 県としては、こうした民間団体や市町とも連携し、安定した需要の創出につながる人的交流の一層の拡大を図る必要があると思いますが、今後どう取り組まれるのか御所見を伺います。
 次に、産業の国際化について伺います。
 初めに、グローバル人材のマネジメント対策について伺います。
 リーマンショック後、世界経済の急速な落ち込みに加え過度の円高による国際競争力の低下、加えて東日本大震災やそれによる電力コストの高騰にも見舞われ、やむなく多くの製造業が生産拠点を海外に移しました。その後アベノミクスによって円安も進みましたが、企業のグローバル戦略への意識は高まる傾向で製造業のみならずホテルなどのサービス業においても海外に拠点を設ける企業は増加の一途であります。こうした中、既に海外に進出した企業において人材マネジメントへの対応が進んでいない状況をよく耳にします。実際、現地の経営層や人事部門が抱える人材関連の課題は多く、中でも現地マネジャー層の不足が深刻なようです。
 先ごろ実施された経団連の調査でも、グローバル経営を進める上での課題として、人材育成が海外事業展開のスピードに追いついていないが六三%と最多であり、続いて海外拠点の幹部層の確保、定着や本社側の海外現地事情に対する理解不足といったいわゆる人事に関するテーマが上位を占めております。またこれから海外進出や貿易などの事業を計画する中小企業においても現地を任せる人材に関する悩みが多いようです。
 県としては、これまでも静岡県国際経済振興会やジェトロ等と連携して海外派遣人材の育成に取り組んでおられますが、経営能力を備えたグローバルな企業人材の育成や大手OB人材の活用、あるいは海外で即戦力となるであろう現地の大学生や企業の進出先から日本へ来ている留学生の確保など、人材面で中小企業の海外進出を支援する必要があると考えます。
 海外拠点成功の鍵を握ると言っても過言ではないグローバル人材のマネジメント対策に、県はどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、海外からの企業誘致について伺います。
 一昨年あたりから、一般企業における設備投資の先行指標とされる機械メーカーが受注した設備用機械の受注額が上向いており、二〇一二年末からの円高是正や法人実効税率の引き下げ等、タイムラグはありましたがようやく企業が国内で設備投資をする環境が整ってきたと言えるようです。工場立地動向調査による昨年の全国の企業立地件数を見ても前年比三三%増となっており、企業の設備投資意欲のあらわれと考えられます。
 こうした背景の中、経済をさらに活性化させていくためには、海外からの経営ノウハウや技術等の経営資源の取り込みによる新たな雇用やイノベーションを生み出すことが期待できる海外からの企業誘致が必要かと思います。政府は二〇二〇年における海外からの直接投資残高を三十五兆円へと倍増させる方針を打ち出し、ことし三月の対日直接投資推進会議において外国企業の日本への誘致に向けた五つの約束を決定し、外国語表記や投資相談体制の充実などこれまで外国企業の国内進出の妨げになっていた要因を改善し、外国企業が活動しやすい環境を整えていくとのことであります。
 本県を取り巻く国際情勢も大きくさま変わりしてきました。また現在静岡空港からは今のところ中国が中心でありますが、既にアジアの国々に十を超える路線が就航しビジネスマンが容易に本県と行き来できるようになり、外国企業を県内に誘致する絶好のチャンスが到来してきていると言えます。
 県としては、このような機会を捉え、市町と連携し海外からの企業誘致を積極的に推進していくべきと考えますが御所見を伺います。
 次に、有徳の人づくりについて伺います。
 初めに、キャリア教育の推進についてです。
 本県では、平成二十六年度からの第二期教育振興基本計画においてキャリア教育がうたわれているものの、いま一つ明確な位置づけになっていないのではないかと感じております。グローバル化や人口減少が本格化する中で本県が持続的に発展していくためには、子供たち一人一人が将来を担う人材として育成されなければなりません。
 フリーターやニートが相変わらず重大な社会問題となっていますが、内閣府による大学生を対象に行った青少年の社会的自立に関する意識調査では、自分の能力や適性がわからず、あるいは自分の能力に自信がなく職業の選択ができないという学生が二割もいたり、仕事が合わない、またはつまらない、人間関係がよくないからなどの理由で大学卒業三年以内に三割が仕事をやめているとのことですが、一度仕事をやめると正規社員に戻るのはなかなか難しいという現実も待ち受けております。
 かつては、幼いころより家事の手伝いをさせられたり、「石の上にも三年」などと辛抱するとうとさというのは日常の生活の中で自然と備わったように思いますが、今ではそのようなことも少なくなりました。したがって学校教育においてもそうした資質を身につけさせなくてはならないと思います。今後選挙権が十八歳に引き下げられることにもなり、早い段階から社会参加意識や就労意識など社会の一員としての自覚を高める必要があると思います。福井県では県全体の方針として小中高一貫教育とともにキャリア教育を教育の柱とし、学校における清掃の時間やあるいは部活動など、子供たちのさまざまな学校での活動をキャリア教育に結びつくように工夫し、将来の進路実現につなげようという取り組みが行われているようです。
 木苗教育長におかれましては、昨年度本議会の次世代人材育成特別委員会におきまして参考人として御意見を伺ったわけですが、その折にこのキャリア教育について言及をされまして、職場体験の重要性について大変強く述べられたと思います。私も全く同感であります。今後本県のキャリア教育にどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねいたします。
 次に、グローバル人材の育成について伺います。
 先月十七日に教職員や高校生の国際化をテーマに県総合教育会議が開催され、木苗教育長からは高校生の修学旅行を支援する基金の創設など、各委員から具体的な提案が出されたとのことであり、今後の実現に大いに期待しております。
 さて、急速にグローバル化が進む中で日本の若者の内向き的な傾向が強くなっていると言われて久しいわけですが、大変危惧されます。語学力やコミュニケーション能力、協調性や柔軟性、異文化に対する理解及び日本人としてのアイデンティティーなどを備えた世界で活躍できる人材の育成が求められています。また本県の発展を担うべきグローバル人材の育成に当たっては、本県の特徴や地域産業の動向などを理解しつつ、専門分野はもちろんですが国や地域のことにも精通した人材を戦略的に育成することが重要であると考えます。それには小学校から高校まで連携し、これらを効果的に進める必要があると思います。義務教育の段階では、英語教育については小学校では開始学年の早期化が検討されておりますし、中学校では指導内容の高度化の方向で見直しが進んでおります。
 今後の進路を決める大きな節目となる高校教育の段階では、このグローバル人材育成をどのように図っていくのか、教育長にお伺いいたします。
 次に、留学生の受け入れについて伺います。
 本県の大学には、昨年度の時点でアジアを中心に世界各国から千三十人の留学生が在籍しています。本県に留学した外国人は卒業後は県内企業で活躍したり、母国に戻っても本県とのかけ橋になる人たちです。日本の学生にとっても留学生との交流は世界に視野を広げる上でよい刺激にもなります。また地域の人たちが留学生と文化芸術、レクリエーションなどを通じて親しく交流することは、互いに理解を深め地域の国際化にもつながります。
 本県の昨年度における留学生の数は、専修学校も含めますと千三百十五人、全国二十一位であり、全国に占めるその割合は〇・九四%です。またここ数年の留学生の数は全国的にはほぼ横ばい状態ですが、本県は数年来減り続けております。対策が必要かと思います。
 こうした中、大学関係者からは留学生の宿泊施設や学生の集会施設の要望などをよく耳にします。また県が昨年度実施した留学生生活実態調査によれば、日本に留学した理由が以前の日本で就職したいから日本語学習や日本文化への興味に変わってきております。また静岡を選ぶ理由は産業が発展しているや就職しやすいが大きく後退しており、特に留学中の生活については日常生活、学校生活ともに日本人との交流ができないことが不満の第一に挙げられております。
 彼らの日本留学の目的が、学問の習得と同時に日本をそして静岡県を知ることであり、それらがかなえられる環境づくりは彼らにとっても重要ですし、本県や本県学生の国際意識を高めることにも大いにつながると思います。
 県は、留学生の受け入れに今後どう取り組まれるのか御所見を伺います。
 次に、少子化対策の推進について伺います。
 我が国は、少子高齢化を背景に本格的な人口減少時代を迎えようとしています。そして、この人口減少は単に人口が減るだけではなく、少子化は高齢化を急速に進めることになり、生産年齢人口の減少が社会のさまざまなひずみを生み活力の衰退につながります。
 本県の合計特殊出生率は、人口動態統計によれば回復傾向にあった昨年度から〇・〇三ポイント下げ、一・五〇となっております。さまざまな少子化対策が講じられておりますが、その対策を強化していくことが急務であり、何よりも安心して子供を産み育てられる環境を整備することが今後の重要なポイントになってくると考えます。
 特に、子育てと仕事の両立、そのためには企業の取り組みが非常に重要であり、従業員に対する子育てへの応援が出生率の向上に大きく寄与するものと思われます。先日、企業子宝率を特集した記事を目にしました。企業子宝率、一般的にはあまり聞きなれない言葉ですが、これは男女を問わず従業員が在職中に持つことが見込まれる子供の数を企業別に算出した値で、言うなれば合計特殊出生率の企業版というものです。
 記事によれば、合計特殊出生率は女性が一生涯に産む子供の数を推しはかる指標であるのに対し、子宝率は男女を問わずに持てる子供の数をはかるものですので、女性のみならず男性にも出生率の概念を当てはめたことでこれまでうかがい知ることのできなかった少子化の姿が浮かび上がったというものです。日経ビジネスが行ったこの手法による千百二十二社のデータ分析によれば、規模が大きい企業ほど子供を持ちにくいということです。大企業のほうが福利厚生制度や賃金など子育て環境が整っているイメージでしたが、これが全く私の思いでは逆でありました。大企業では子育てにかかわらない男性が圧倒的に多く、育児を女性のみに負わせ結果として女性が仕事を続けられる余地を狭めていることが出生率を押し下げている主因となっているようです。業種別では女性でも深夜勤務のある医療・福祉・介護事業の子宝率は高く、また典型的な男社会である建設業が突出して高くなっています。これは医療・福祉・介護の職場は女性の割合が高いために女性に配慮した細やかな就業制度があったり、規模の小さな建設業では現場同士で仕事を調整し合い、遅くまで残業にならないように工夫しているなどが要因のようです。
 本県においても、子宝率の先進県であります福井県に次いで平成二十五年度から企業子宝率調査を実施し、企業の子育てに配慮したすぐれた取り組みを紹介する冊子を作成していますが、これには知事のお勧めもあったと伺いましたが大変有意義な取り組みだと思います。冊子では従業員数二十人以下の中小企業から三百人を超える大企業まで幅広い企業が紹介されていますが、比較的中小企業が多く、その取り組みもアットホームなものが見られます。例えば三十分単位で利用できる有給休暇制度や育休中から円滑な職場復帰をサポートする制度を初め家庭最優先、お互いさまの職場環境を実現するため、従業員とのコミュニケーションを欠かさず、悩みを見逃さないような心配りをする管理職の存在もありました。
 県は、このような企業のすぐれた事例や企業子宝率の調査を強力に進めていくべきだと考えますが、今後の取り組みについて所見を伺います。
 また、大企業の子宝率が低いという結果が出ていますが、県庁はどうであったかといいますと知事部局で一・四二だったとのことです。やはりこれは大企業並みの数値です。
 私は、こうした社会的な機運を醸成していくためには県は率先して範を示すことが必要かと思います。男性の意識改革こそ今求められていると思いますが、とりわけ経営トップの考え方によるところが極めて大でありますので、今後の県の取り組みについて知事の御所見を伺います。以上で私の質問を終わります。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 渥美議員にお答えいたします。
 富士山静岡空港の利用促進についてのうち、空港の利便性の向上についてであります。
 我々は、まずは利用促進それ自体を目指すということで、七十万人の目標を立てたのでございますけれども、向こう一両年の間に服部理事ほか空港関係者の御尽力によりまして達成できそうになりまして、これからはそれに応じた形でのターミナルビルの機能向上を図っていかねばなりません。中国人旅行客を初めとする国際線利用客で混雑する現状を解消するだけでなくて、将来の発展を見据えて改修・増築を進めなければならないということでございます。
 まずは、国際線につきましては入国管理の審査をスムーズに行うために、このたび法務大臣のほうから三人増員していただくという発表があり大変喜んでおります。そうした上で航空会社が希望する時間帯に就航できるよう、一時間に三便の離着陸が重なっても受け入れられる施設規模を目指します。出発ロビーや搭乗待合室等の必要面積を確保し、保安検査場や手荷物ベルトコンベヤーの増設を図ります。
 加えて、内外の利用者のためにこの利便性と満足度を向上させるため、飲食店や物販店を充実させ、免税の売店の拡大、喫茶コーナー、ラウンジの新たな設置等々、空港利用者が楽しめる空間や休憩できる場所も十分に確保してまいります。これからのイスラム圏からの外国人旅行者も念頭に入れまして、ハラール食の食堂、またプレールームというんでしょうか、お祈りができる部屋も確保するということでございます。
 さらに、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの年には駅ができているという前提で進めておりますけれども、そうしますと空港新駅からどのように空港ビルにアクセスするか。さらにまた展望台、あるいはオフサイトセンターの方向、両翼に空港ビルがいずれ増設される場合にどのような機能をそこに置くかといったようなことも念頭に置きながら、今度の増設をしていくという考えでおります。ほぼ見取り図といいますか、それはでき上がっておりますけれども、増設部分につきましては一両年の間にできるのではないかというふうに見込んでおるところであります。
 最近の中国路線を中心としたネットワークの拡充に満足するのではなくて、富士山静岡空港のポテンシャルを最大限発揮し、さらなる多路線、多便化と利用者増を積極的に進められる環境を整えるということで、その方向に向けて旅客ターミナルビルの改修・増築を進めます。
 次に、産業の国際化についてのうち、グローバル人材のマネジメント対策についてであります。
 本県が実施しております企業海外展開状況調査によりますと、平成二十六年四月一日現在で県内に本社を置く企業のうち、四百三十七社が一千二百五十事業所を海外に展開しています。また展開先はアジア地域が事業所数で約八割を占めています。この調査では企業に現地での課題を聞いておりますけれども、直面する課題としては現地人件費の上昇や現地での労務人事管理が筆頭に挙げられておりまして、現地での雇用確保や人材マネジメントに苦労されているということがうかがわれます。
 このような中、県では国際業務を担う人材が不足している中小企業を支援するため、企業の進出が多い中国、タイ、インドネシア、ベトナムへの派遣要員を対象に赴任国の事情や人事労務管理などを習得することを目的とした研修事業を実施しておりまして、昨年度は合計百五十二名の方が受講をなさいました。また海外で即戦力となる人材の確保のため、タイ、台湾、ドイツの大学生が県内企業において研修を行うビジネスインターンや、現在はタイで実施している県内企業と現地の大学生とのマッチングを図る就職フェアを今後は県内企業の要望の強いベトナムやインドネシアに広げてまいりたいと考えています。さらに県内に在住している留学生の県内での就職を支援するために、日本の企業文化や基礎的なビジネス日本語を学ぶ講座の開催や留学生と県内企業との求人・求職マッチングなどに取り組んでまいります。
 このグローバル人材の育成というのは、日本人に対しましては現在文科省が進められていますように英語教育ということが大事ですが、英語も聞く、話す、書くということが求められますけれども、聞くことができればいいと。私のように無口な者と、それから議員先生方のようにお話が得意な方といます。ですから相手が言っていることがわかれば、日本はスリーS――サイレント(Silent)、それから愛想笑いをしてスマイル(Smile)、それから眠たい目でスリープ(Sleep)と言われましたけれども、言っていることがわかれば何とか対応できるということで、これは何となく英会話というのは会話をするということが重要なふうに言われていますけれども、聞く力をつけるのは黙っていてもできるということで、ここに重点を置くべきではないかというふうに存じます。
 それから、留学生がたくさん来ておりますけれども、これは成功例はアジア太平洋大学。立命館の大分の別府にございます大学です。ここでは留学生と日本人が一緒に生活していると、ここがポイントでありまして、ここはもう木苗先生と一緒になりまして、東静岡に、留学生並びに日本人ですね。県外から来られて下宿を探さなくちゃいけない人が一緒に最初の年は住めるというふうにすることが大事で、そこで間に合わなければ例えば埋蔵文化財センターなどもこれは移設をいたしますので、そこのところなどは大学あるいは駅にも近いということで、そうしたところにいわゆる留学生会館として留学生を隔離すると、結果的にですね。そうした考えではなくて日本人も留学生も同じ大学生として扱うという、こういうスタンスで一緒に生活できるような生活空間をつくっていくと。これがAPUが成功した最大の私は理由だと思っています。
 共通語が日本語になります。彼らは日本が好き、日本文化が好き、日本人が好きです。ですから日本語を語ることができるということが実はものすごくうれしいわけですね。そうした環境をつくって差し上げることが極めて大事だということで、この留学生はやがて日本のどこの企業に行きたいか。通常は大企業という人もいますけれども、そうした開発途上国の人たちは中小企業が多いので、そこで技術を学ぶためには日本の中小企業に入って、そして日本人と結婚するなりですね、そうすると中小企業のほうが先ほど言われましたように子宝率が高いんですね。これは極めて重要なファクトファインディングでありまして、大企業に行くと子供に恵まれないぞということを恐らく山口君が言うんじゃないかと思いますけれども、そうした県庁にも――県庁は何とかこれは一・四二というのは驚きましたが――これも部局ごとに差がありまして、部局でも子宝率が高い部局とそうでない部局がございます。これはちょっと、あんまり言うと問題があるので言いませんけれども、やはりこの子宝率を、私は自分のところが最初だったと思っていましたけれども福井のほうが先ですか。ともあれ中小企業が実はアットホームで家庭的で幸せな生活が送れるという結果が、これが企業子宝率を調査した最大の収穫だというふうにも思っておりまして、そうしたところに留学生が入っていけるように我々は意識的に政策を講じていきたいと思います。
 私どもは、引き続き静岡県国際経済振興会、ジェトロ等と連携をいたしまして現地で活躍できる人材の育成確保を支援し、県内企業が海外に展開しやすい環境づくりに努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 服部静岡県理事。
       (静岡県理事 服部真樹君登壇)
○静岡県理事(服部真樹君) 富士山静岡空港の利用促進についてのうち、空港の利便性の向上についてお答えいたします。
 空港アクセスの充実についてでありますが、空港と鉄道駅等を結ぶアクセスの充実は富士山静岡空港の利便性を高める上で最も重要な施策の一つと考えており、昨年十一月の有識者による検討会議報告書で示された改善の方向性に沿って、スピード感を持って取り組んでいるところであります。具体的には、浜松市街地との間で三月一日から予約制乗り合いタクシーの運行を開始したほか、空港アクセスバス静岡線について三月二十九日から航空機の遅延対応を始めるとともに、六月一日からは新たな就航先の増加等に対応して二便増便するなどの改善を図りました。また藤枝市が県の支援により藤枝駅との間で六月二十一日からアクセスバスの運行を開始したところであります。
 とりわけ、乗り合いタクシーにつきましては三月から五月までの間に約千三百人の御利用があり、利用者アンケートでは九五%を超える皆様から満足との回答をいただいており、今年度の空港利用促進の重点施策としている西部地域からの需要喚起につながっていると考えております。引き続き乗り合いタクシーの利用の定着に向けたPR等に努めるとともに、就航便の拡充等に伴う利用者動向に対応したアクセスの充実に取り組むなど利用者の目線に立った二次交通の改善に努めてまいります。
 次に、安定的な需要の創出についてであります。
 航空路線を維持し増便へとつなげていくためには安定的な航空需要の確保が重要であり、これまでも観光利用はもとより教育旅行、ビジネス利用などさまざまな活動に対する促進策を講じ、底がたい需要の創出に取り組んでまいりました。就航地との人的交流につきましては、開港以来交流の裾野を広げることを主眼として、県内の市町や民間団体が新たに富士山静岡空港を利用して実施する国内外の友好都市との文化交流事業やスポーツ交流事業など、これまでに百六十二事業に対して経費の一部を助成するなどの支援を行ってまいりました。
 こうした就航地との交流事業を軌道に乗せ相互交流へと発展させることは、将来に向けた安定的かつ継続的な需要の創出につながるものと考えており、折しも本日定期便として就航する静岡―杭州線についても、浙江省との三十年以上の長きにわたる友好関係を軸とした幅広い人的交流が結実したものと受けとめております。
 県では、この成功事例に続く事例を数多く育てていけるよう、今年度において新規の交流事業のみならず継続的な事業に対しても支援を行えるよう制度を拡充したところであります。
 今後とも、市町や民間団体と連携し就航地との相互交流を長期的に続けることにより、将来の底がたい需要を確保し利用者の増加が図られるよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 産業の国際化についてのうち、海外からの企業誘致についてお答えいたします。
 これまでに本県に進出している外国企業は欧米企業が中心でしたが、平成二十年以降は中国やシンガポールといったアジアからの進出も見られるようになっております。こうした中、昨年十月に来静した浙江省企業家代表団に対し企業誘致のための説明会を開催したところ、多くの参加者が本県への投資に関心を示したことから、本年度は十一月に浙江省で誘致説明会を開催するほか、北京でも積極的な誘致活動を予定しております。さらに台湾の有力企業が加盟する経済団体、三三企業交流会が県経済界との交流のため十一月に来静する際、本県の立地環境をアピールし立地を働きかけてまいります。またジェトロは本年五月、浜松市において中国やインド、オーストラリアなどアジア、オセアニア、二十二の国・地域から投資貿易振興機関部長クラスを招致した会議を開催し、県は各国関係機関とのネットワークを構築したところであります。
 今後とも、静岡、浜松のジェトロ事務所、市町、静岡県国際経済振興会と連携して海外からの企業誘致を積極的に進め、地域経済の活性化と雇用の創出につなげてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 有徳の人づくりについてのうち、キャリア教育の推進についてお答えいたします。
 県教育委員会では、キャリア教育を社会総がかりで取り組むべき重要な課題と認識し、国、静岡県、県内の経済団体、NPO、学校関係者等で構成する静岡県キャリア教育推進協議会を組織し、さまざまな施策を実施することとしております。
 具体的には、小中学校段階では地域企業への職場見学や職業体験により勤労観や職業観を育み、高校ではインターンシップや企業訪問、若手社員による職業講話などの実践的な教育を行うなど小中高にわたる体系的なキャリア教育に取り組んでおります。さらに県内高校の進路指導主事による研究会を十地区で開催しキャリア教育に従事する教員の資質向上を図るとともに、ハローワークのジョブサポーターや県のキャリアカウンセラーなど外部の専門人材を活用し、生徒が確かな就労意識を形成できるよう支援してまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも昨年度の次世代人材育成特別委員会から御提言のあった職業観・就労意識の形成・向上に向けて関係機関と密接に連携し、より実効性の高いキャリア教育に全力で取り組んでまいります。
 次に、グローバル人材の育成についてであります。
 高校教育におけるグローバル人材の育成は、義務教育段階の英語教育の改善とあわせて今後戦略的に推進していくべき課題であると認識しております。語学力の向上につきましては、高校卒業時の英語検定の取得レベルを高めることを目標として英語の教科指導の高度化を図るとともに、引き続きALTと言われる外国人の指導講師を全ての県立高校に配置し、実践的なコミュニケーション能力を養成してまいります。
 また、外国人との交流機会をふやすため、台湾やモンゴルの高校生との交流事業を毎年度実施するとともに、海外からの訪日教育旅行による交流も積極的に受け入れてまいります。さらに高校生段階でより多くの生徒が海外を体験できるよう、修学旅行を含む海外教育旅行や留学の支援にも力を入れてまいります。
 また、日本や郷土である静岡の文化・歴史の知識もしっかりと身につけさせるため、地理歴史の授業に加え学校設定科目や総合的な学習の時間、部活動などを通して地域の特色を学ぶ教育を進めていくなど今後も高校教育においてさまざまな観点からグローバル人材の育成に積極的に取り組んでまいります。以上です。
○議長(吉川雄二君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 有徳の人づくりについてのうち、留学生の受け入れについてお答えいたします。
 本県では、将来の静岡県を支え世界に貢献する国際的な人材を育成するため、平成二十三年度に県内大学と産業界、国際交流団体等が連携して静岡県留学生支援ネットワークを立ち上げ、受け入れから就職までの体系的な支援を展開してまいりました。本年四月にはこのネットワークを公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアムへ統合し留学生支援体制の強化を図ったところであり、今後国際交流に積極的な自治体などより多くの団体の参画を促進してまいります。
 コンソーシアムでは、滞在サポートや就職支援などの事業を実施しているほか、留学生生活実態調査の結果も踏まえ、留学生が県内のホストファミリーを訪問するホームビジットの実施や日本人学生と一緒に富士山などの名所をめぐる交流会の開催など、日本の生活や本県の魅力に触れ理解を深めてもらう機会を積極的に創出してまいります。
 また、県は海外で実施される留学フェアに参加し、より多くの学生が本県を留学先として選んでもらえるよう本県の魅力や県内大学の情報を発信するとともに、現地大学への訪問を通じ県内大学と海外大学との交流の促進を図るなど留学生の受け入れに向けて取り組んでおります。
 今後とも、コンソーシアムと連携し本県への留学生の受け入れを積極的に進めるとともに、県内大学で学ぶ多くの留学生が質の高い教育を受け安心して学び生活できるよう支援の充実に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 少子化対策の推進についてお答えします。
 少子化対策の推進には、子育て世代を社会全体で支援していくことが重要であります。各企業において積極的に従業員の子育て環境を整備し、県みずからも他の模範となるように率先して取り組み、子育てしやすい環境づくりを広めていくことが大切であると認識しております。
 このため、県では平成二十五年度から経済四団体と連携して企業子宝率などを調査し、子宝率が高くすぐれた取り組みを行う企業を表彰いたしました。また他の模範となる取り組みを紹介した事例集を県内各企業に配付するなど企業と経営者みずからが子育て支援に取り組むことを促すとともに、子育ての大切さを訴えてまいりました。こうした官民が連携した取り組みは全国でも先進的であり、国を初め各方面から高い評価を受け注目されております。
 今年度は、各企業の労務管理を担当する役員の方々との意見交換会を開催し、育児のための短時間勤務制度の積極的な導入など企業のすぐれた取り組みを広めてまいります。また従業員が子育てしやすい企業風土づくりを牽引するいわゆるイクボスを養成し、経営者や管理職の方々が子育てに配慮する意識を一層高めることとしております。これらの取り組みを通して子育て支援を積極的に行う企業や経営者の方々をふやしてまいります。
 県職員に対しましても、子育て期における男女がともに仕事と子育てを両立できる環境の整備に努めてきたところであります。こうした中、「職場の子どもは、職場みんなで育てます!」の理念のもと、昨年度設置した県庁内一時預かり保育施設ふじさんっこクラブを活用して、二十八歳の全ての職員を対象に保育実習を通して子育て支援について学ぶ斬新な静岡型の次世代育成支援研修を実施いたします。また管理職員に対しましても子育てやワーク・ライフ・バランスについての理解を深めるため男女共同参画セミナーを実施するなど、全庁を挙げて子育てを支援する環境づくりに取り組んでまいります。
 子供は社会に希望と活力をもたらす地域の宝であります。この大切な宝を育てる子育てはとうとい仕事であるという理念のもと、二人から三人の子供を持ちたいと希望する県民の皆様の願いがかなうよう、男女ともに子育てに向き合うことができる「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりに邁進してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 渥美泰一君。
       (五十六番 渥美泰一君登壇)
○五十六番(渥美泰一君) 時間も限られておりますので要望だけさせていただきますが、それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。
 空港ターミナルビルの整備計画でございますが、今後は一時間に三便対応ということで、大幅にキャパシティーが広がるというふうに期待しております。振り返って、開港当初の需要目標が百三十八万人。うち国内線が百六万人で国際線が三十二万人でありましたけれども、それよりもずっと低いまだ数値ですけれども今の混雑ぶりですので、そういったことも含めまして、ぎりぎりのものではなく安物買いが銭失いにならないように、これからのアジアの需要等も見据えて余裕を持った対応をしていただければというふうに要望して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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