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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

桜井 勝郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2019

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 命の水について
(1) リニア中央新幹線トンネル工事による湧水問題
(2) 田代ダムの水利権
(3) 大井川の既設のダムの放流
2 県の補助金交付団体の適正判断について
       


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十一番 桜井勝郎君。
       (二十一番 桜井勝郎君登壇 拍手)
○二十一番(桜井勝郎君) どうも皆さんこんにちは。昼食後の睡魔が来ていると思いますけれども、二十五分間しばらくお聞きしていただきたいと思います。
 それでは、私は大井川流域で生まれ育ち生活している静岡県議会議員として県政の諸課題について通告に従い一括質問方式にて知事、副知事及び関係部局長に伺います。
 まずは最初の質問として、命の水についての質問のうち中央新幹線環境保全連絡会議の内容と過去のさまざまな事案における知事発言を踏まえてその真意はどこにあるのか、過去の発言とその矛盾点、問題点を指摘しながら大井川のリニア中央新幹線トンネル工事による湧水問題についてお聞きしたいと思います。
 川勝平太知事の巧みな弁舌で自分の思いどおりの方向に県民を誘導するテクニックはまことに頭の下がる思いであります。富国有徳を標榜する川勝平太知事、すばらしい四文字熟語であります。徳があることが国や地方を豊かにするという意味だと思いますが、仏の川勝になると宣言するのも富国有徳からの流れだったのかなあと今ごろ気づきました。その言葉どおりであるならば市町の発展のために徳を持ち人の気持ちに寄り添って頑張ってくれると期待していたのですが、どうもそれが口先だけのような気がしてならないのであります。
 例えば、それぞれの市町の首長は市勢の発展のために頑張っているにもかかわらず一々注文をつけられて政策の遂行を邪魔されていると思っている事案が間々あると聞いております。ある市町の幹部に言わせれば、他人の家に土足で上がり込んで相手の迷惑も顧みずひっかき回してあとは知らんぷり、県補助が絡む絡まないにかかわらず全くやりにくくて困ると、そういう不満は静岡市だけでなくあちこちから私の耳に入ってきます。
 富国有徳は誰のためにあるのでしょうか。市町のため、県民のため、国のため、よもや自分のためではないでしょうね。まさか県民の幸せのために頑張っている知事さんがそんなことをするはずがないと信じたいのですが、それとも富士山の日の二月二十三日が語呂合わせじゃないかと言われているように富国有徳も御出身の京都の富有小学校の学校名をもじった言葉遊びだったのでしょうか。
 過去には、静岡空港の立ち木の解決は前知事の業績にもかかわらず自分が解決したと自慢し、JALの搭乗率補償費支払いを絶対に払わんと拒否して裁判沙汰になり、結局一億五千三百万円のうち一億五千万円を払わされて和解させられたにもかかわらずわずか三百万円の減額で県の言い分が認められたと自賛する無神経さ、沼津の鉄道高架事業のJR貨物駅なんか要らないと無分別な発言によって反対派を勇気づけ事業を停滞させてしまい、結局強制収用せざるを得なくなってしまったり、清水桜ヶ丘病院や区役所移転に伴う口先介入、静岡駅から県庁に向かう御幸通りの地下歩道のある交差点の角にあるコンビニと焼肉店や歯医者の看板が気に入らないと個人的感情をあらわにして御幸通り全体の景観にすりかえて静岡市に八つ当たり、お堀の中の県庁の高層ビルの景観の方がよっぽど悪いと言ったら今では御幸のみの字も言わない。ただし最上階から見る景色はまことにすばらしいものでございます。
 最近では三島駅前の高層ビル建設計画に景観が悪いと難癖をつける。この建設に首までさらして命をかけた三島市長は、元自民党員でありながら知事選で川勝平太候補を全面的に応援したにもかかわらずであります。
 その延長上での中で、またまた知事の存在感を発揮する願ってもない事案が昨年から持ち上がりました。それはJR東海の南アルプストンネル工事にかかわる湧水問題であります。
 最近、知事はトンネル工事で発生する湧水を全量戻す件でJR東海を糾弾してますが、関連する地域住民、企業、静岡市を絡め一部報道機関までが知事の言い分に乗っかって世間の関心を呼んでおります。まさしく劇場型のパフォーマンスです。これぞ知事の存在感を発揮する最高の舞台であります。日ごろからJR東海には空港新駅設置につれない対応をされてふんまんやる方ない知事、ここぞとばかりにJR東海をいじめるまたとないチャンス。その怒りをトンネル工事による湧水にぶつけたのであります。それは先ほど申し上げたとおり過去の発言から十分に推測できます。
 この工事によって地域振興なり地域のメリットがあるかについて、基本的考えのないまま勝手にトンネルを掘りなさんな。ある雑誌ではルートを変えることも考えたほうがいい、山を傷つけることはまかりならんとか山梨県、長野県並みのメリットをとリニア新駅建設相当額という金銭的要求に切りかえたりと言い放題であります。
 しかしながら知事さん、過去にリニア新幹線の建設計画についてあなたはこう言っているのであります。
 静岡県の期待は極めて大きく、静岡県は防災先進県であります、東海地震がいつ起こるかわからないという中で中央新幹線ができますと危機管理の観点から大規模地震災害等に加えましていわゆるリダンダンシー  代替施設の確保ができるということでございます、そしてまたもちろんこれは大きな経済効果が生まれます、静岡県といたしましても沿線地域といたしましても南アルプス地域での地質調査等に積極的に協力してまいりたいと発言しております。
 それがいまや、空港新駅建設推進に冷たくあしらわれた、にっくきJR東海を糾弾していると思ったら最近は部下が罵倒されたと言って国をも非難し始めたのであります。そして愛知県知事とバトルを始めるや、今度は三重県知事をうそつきは泥棒の始まりと公式の会見で侮辱したのです。
 事情がどうであれいやしくも三重県民を代表する知事を公の場で盗人呼ばわりするとは、この言動によってあなたの人間性をかいま見ることができあなたの品格というものがこの程度のものなのかと思うと残念でなりません。一県民として恥ずかしく思います。
 過去、学力教育問題で当時の早稲田大学出身の文部科学大臣を批判したりこの本会議場で早稲田大学総長を罵倒したことを思い出します。文科省や早稲田の静岡県に対する印象は相当悪くなったでしょう。それでいて早稲田大学などに医学部を設けて県東部に誘致すると幻想を抱かせるのです。
 今回のリニア問題にしてもあなたのやり口は以前から何も変わってなく、結局うやむやになり後づけの言いわけで終わってしまうおそれがあります。ばかを見るのは約六十二万人の大井川流域住民、静岡県民です。あなたの言うところの命の水はどこへ行ってしまうのでしょうか。いまやあなたの発言は迷走、ダッチロール状態であります。
 二〇一七年九月に、この水問題についてはトンネル工事全般を含めて大井川流域の利水者十一団体とJR東海、そして県が入って話し合いが行われ県の仲介で合意し協定文書を作成しそれぞれが了承したにもかかわらず県知事に拒否されたと伺っております。私はその事実を確かめるため利水者、JR東海、県、三者に面談を申し入れましたが当時の県担当者だけには拒絶されてしまいました。いつも透明性だ情報公開だと声高に言ってる知事さん、これは一体どういうことなんでしょうか。よもや知事からの見えない嫌がらせや今の職場を追われるのを恐れて面談を断ったのでしょうか。これが負のそんたくというものでしょうか。
 あなたの最近の人事を見ていると、出世欲からすり寄ってくる人間を重用し行政能力があるにもかかわらず自分の意に沿わない職員を重要ポストから外したり、立派な業績を残した退職職員を今までの慣例から当然行くべき県関連機関のポストをたなざらしにしたりしています。知事にすり寄る一部取り巻きは自分の出世やポストを脅かす能力ある県幹部を排除しようとするいやらしさ、そういうものにかかわりたくない思いから当時の担当者は私に会うことをちゅうちょしたのでしょうか。もしこのような情実人事がまかり通っていたとするなら県行政は崩壊してしまうでしょう。県政に携わる有能な人材はいなくなってしまうでしょう。それが事実でないことを祈っております。
 JR東海との話し合いの場では、県側は有識者を集めてトンネル工事にかかわる工法や湧水の県外流水、環境問題等JR東海の調査報告を専門的な知識からいいとこどりをしてJR東海にネガティブな質問ばかりをして相手を追い詰め、それがそのまま記事になりそして流域住民をますます不安にさせております。その有識者は県から日当をもらっているからには知事側の立場に立って相手の不備をただし糾弾するのもある程度は仕方ないでしょう。しかしこれではまるで魔女狩り、世論操作としか思えないのであります。
 良識あるマスコミの記事では、トンネル工事にかかわる有識者の意見はある程度JR東海の言い分も認めているのであります。彼らはJR東海や県から報酬をもらってない方たちです。国でさえ重要案件を審議するときは与野党双方から選ばれた反対派の学者、賛成派の学者、それぞれの立場で意見を述べているのに静岡県の専門家の選び方は偏っています。今回の県のやり方は、あなたの個人的感情を有識者という専門家を立てそれを盾にしてJR東海に嫌がらせをしているようにしか私には見えません。それは先ほど述べましたようにあなたの過去の発言、行動からがうかがい知ることができるのです。
 こういう事実を曲げて誇張して県民世論を誘導し、自分への支持のためにどこまでもJR東海に対して個人的感情をぶつけても何の解決にもならないのであります。あなたのやり方では絶対に空港新駅はできません。新幹線「のぞみ」の静岡、浜松駅の停車や「ひかり」の停車回数の増加はあなたが知事でいる限り無理でしょう。巨大な組織と戦うパフォーマンスがお好きな知事さん、組織の相手も感情を持った人間です。そのつけはブーメランのようにあなたに返ってきます。しかしその前に真面目に働いている職員が犠牲になるのです。仏の川勝知事さん、これを仏教語で因果応報といいます。
 知事の命の水と言われている大井川の水を一滴たりとも渡さないと言いながら、あの田代ダムから山梨県側に流れているあの水もあなたの言葉をかりれば我々の命の水ではないでしょうか。あなたの過去の場当たり的な思いつき発言は本当に大井川流域の水問題に真剣に考えているのか疑問に思えてならないのです。
 そこでお伺いします。地質調査等に全面的に協力すると言っている以上県側もそれなりの調査をなさっているのでしょうか。本当に大井川の水は減るのでしょうか。トンネル工事による湧水の全てはトンネルを掘る前の地下水と同じ量が大井川水系の地下に全て流れ込んでいるのでしょうか。県の資料のように、南アルプスからの地下水毎秒十トンが途中で湧き出ることもなくストレートで駿河湾に流れ込んでいくのでしょうか。トンネル工事から湧き出た毎秒二トンと言われる湧水は駿河湾に流れ込む地下水からトンネルの湧水分だけ減るのでしょうか。生態系が壊滅的な打撃を受けると言っていますがそう断定できるのでしょうか。それぞれの科学的根拠をお示しいただくよう答弁を求めます。
 次に、大井川上流田代ダムから毎秒四・九九トン、命の水と言われる東京電力の発電用として使われる水が山梨県側に流失しております。この水利権についてお聞きします。
 平成二十三年の東日本大震災前、我々大井川流域の自治体は田代ダムの水利権の更新の際には東京電力に対しての水利権を認めるな、大井川に水を戻せと交渉し県も当時の石川知事が東京電力の本社まで出向いて交渉し、その御苦労もあって年平均毎秒約一トンを何とか取り戻したのであります。当時は発電用の水ということで、公共性の高さからこれ以上無理も言えないなということで妥協した経緯があります。その後原発事故という大惨事、静岡県は放射能汚染やお茶の風評被害でどれだけ東京電力に迷惑をこうむったかあなたも御存じのはずです。その東電の水については一切触れようとしない。同じ命の水なのにJR東海には敵対心丸出しで一滴たりとも渡さないと言い東京電力には沈黙、これはどういうことでしょうか。
 昨年十二月の私の質問では地元住民や利水者から水利権見直しの要望がなかったと答弁していますが、平成二十七年度の田代ダム水利権更新時にはリニアトンネル工事による水問題は表面化しなかったため利水者や流域住民は水利権の更新を黙認しました。しかし状況が一変したのであります。
 あなたのおっしゃる、リニア新幹線開通には協力するがトンネル工事による湧水は一滴も県外に流させない。しかし工事中の一定期間は毎秒〇・三トン近い水が山梨県側に流失してしまうという説もあります。それもだめだと言う。六十二万人の流域住民の命の水であると水一滴にこだわり毎秒二トンの湧水が六十二万人の命の水と言うなら、東京電力の毎秒四・九九トンの水は百五十五万人の命の水に相当します。
 そんなにあなたが大井川の水に命をかけリニア新幹線工事には協力すると言っているならば、万一のことを考え想定して、その担保として東電の水の一部を取り戻すことをなぜ考えないでしょうか。この問題については昨年の十二月の答弁から県はこの一年間何の行動も起こしてないのであります。あなたのお考えをお聞きしたいと思います。答弁を求めます。
 次に、大井川の既設のダムの放流についてお伺いします。
 最近、大井川で釣りをする人たちから大井川のアユがとれなくなっているという話を耳にします。公務で上流まで行くと河原の水辺の石のほとんどが白く水中の石も青い石はほとんどないのです。アユや他の魚の餌となるコケや虫がついていないのであります。地元の釣り愛好家、漁業関係の方に聞きますとその原因は上流のダムから時々ダム下の放流口からダム内に沈下したヘドロや汚泥を流している、それが原因ではないかと言っております。
 リニアトンネルの湧水については生態系が壊滅的な打撃を受けると声高に言っている知事さん、アユ等もコケも虫も生態系です。このダム湖の汚泥の中には、あなた流に言えば人体に影響を及ぼす物質が含まれているかもしれません。あなたの生態系が壊滅的という言葉がやぶ蛇、やぶをつついたら蛇が出る、それこそ身から出たさびにならないように祈っております。まだ発生してもいない湧水の問題よりもダムの汚泥の問題のほうが大井川流域住民にとって緊急性の高い問題であります。
 県はこれについてどのように把握しているか、どう対処しようとしているのか御答弁をお願いいたします。
 次に、県の補助金交付団体の適正判断について伺います。
 県では多くの団体や組織にさまざまな目的のもとに多くの補助金を拠出しています。そのような中で、二〇一六年に補助金の使途が不明朗であることが問題になった県バスケットボール協会の件についてであります。
 この問題は、県バスケットボール協会に静岡県などからの補助金が原資となっている不明朗な基金が存在していることが明らかになりマスコミでも大きく報道されました。それを受けて県も調査に入り、その結果二〇一七年三月当該協会の事務執行が不適切であったとして協会内の体制の是正を求め補助金交付の留保を決定しました。
 その後、この問題をめぐり対立してきた会長側と理事長側の双方の幹部役員が辞任し、協会の一般社団法人化にあわせて公認会計士による外部監査を導入し適正な事務執行の体制が整ったとして同年五月に補助金留保を解除されるに至りました。
 しかし事件からわずか二年後のことし七月、当時この問題に直接かかわって引責辞任に追い込まれた理事長側の幹部役員が、世間のほとぼりが冷めたころを見計らったかどうかわかりませんが協会の最高責任者として据えるという驚くべき人選が行われました。この現会長は事件前の理事長時代に問題となった基金を長年にわたり取り扱い、しかも裏の金から基金として表の金にしたと言われている人物であると聞いております。
 このようなことを平気でする組織または執行部についてどう思われますか。補助金解除の理由となった組織改革が行われたと言えるでしょうか。今後も多額の補助金を出すにふさわしい協会だと判断しているのでしょうか。
 今年度も六百九十二万円もの多額の補助金を交付決定している中、この事態をどうお考えになっているのか、当協会を傘下に持つ県体育協会の会長でもある川勝知事にお尋ねします。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 私は長い間大学で教鞭をとってまいりましたけれども、どんな優秀な学生も昼食後の講義になりますと睡魔に襲われるというのをたびたび見てきました。しかしこの議会でもいまや有名になりました虚実ないまぜの桜井節をお聞きしまして一度も睡魔には襲われませんでした。
 さて、桜井議員にお答えいたします。
 命の水についてのうち、田代ダムの水利権についてであります。
 田代ダムの水利権は、河川管理者である国土交通大臣から発電取水のため東京電力株式会社が許可された権利であります。リニア中央新幹線工事に伴う大井川流量減少問題とは異なる話であります。筋違いの話です。
 大井川の長い歴史の中で関係者の血のにじむ努力の積み重ねにより成り立っている水利用が、トンネル工事に伴う減水によって損なわれることは絶対にあってはなりません。万一のことを想定し、その担保として東京電力の水を一部取り戻すというようなことを県が東京電力に交渉する問題ではなく、JR東海が県外に水を流出させないよう責任を持って取り組む問題であります。
 トンネル工事に伴う大井川の流量減少問題につきまして、環境保全連絡会議の専門部会において科学的根拠に基づきJR東海と対話を行ってまいりました。今後も大井川の水は絶対減らさないという立場で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 命の水についてのうち、リニア中央新幹線トンネル工事による湧水問題についてお答えをいたします。
 地質調査につきましては、この工事を行う事業者の責務としてJR東海が実施すべき調査であり、それに対して県が協力するものです。県が独自で地質調査を行う必要はないと考えております。
 次に、トンネル工事による湧水が全て大井川水系に地下水として流れているのかという御質問についてです。
 議員も御承知のとおり、水循環基本法では水循環とは「水が蒸発、降下、流下または浸透により海域等に至る過程で地表水または地下水として河川の流域を中心に循環することをいう。」とされています。また基本理念においては、水の利用が水循環に及ぼす影響を回避または最小とし、健全な水循環の維持に配慮されなければならないとしております。さらに、水循環の過程で生じた事象がその後に影響を及ぼすものであることを踏まえ水循環を流域として総合的かつ一体的に管理されなければならないと明記をしております。
 このことから、大井川流域の水につきましても地表水と地下水の両方につきまして、そしてこの流域として総合的かつ一体的に管理されることが基本でありまずもってこのことを認識しておくことが重要です。
 トンネル内の湧水の流入源ですが、トンネルが地下深くにあることからトンネル周辺に存在している地下水が直接の流入源です。その地下水を上流にたどれば地下水脈、地表水、降雨となります。このことからトンネル湧水は地表水ともつながっています。よってトンネル湧水の流入源は大井川水系の地下水及び地表水と言えます。
 南アルプスの地下水は、重力や圧力差によって地中を移動しながら一部は途中で湧水として地表に出て河川を流れ、そしてまた一部については地下浸透し再び地下水になることもあります。駿河湾に流れ込む地下水は湧出と地下浸透を繰り返すため、駿河湾に流れ込む地下水がトンネル湧水の分だけ減るとは限りません。リニア中央新幹線トンネル工事によって大井川水系にある地下水が他の水系に流れてしまうことになれば、地表水と地下水を合わせた大井川水系の水の総量は確実に減少することになります。
 次に、トンネル工事により生態系に大きな影響が出ることの科学的根拠についてです。
 沢の流量減少及びそれによる生態系への影響につきましてはJR東海も認めており、代償措置が必要であるとしております。これらについては専門部会におけるJR東海との対話をしておりますが、これは科学的根拠に基づいて行われております。その議事録も詳細に公表されています。オブザーバーとして参加している国土交通省も、科学的根拠に基づき対話が行われているという認識であると明確に発言をしています。
 県といたしましては、南アルプスから続く大井川流域について水循環基本法の基本理念を踏まえ健全な水循環を確保できるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 命の水についてのうち、大井川の既設ダムの放流についてお答えをいたします。
 大井川水系には水力発電のためのダムが十三基あり、国が定めたガイドラインに基づきまして国、県、市町及び発電事業者で構成する協議会などで合意した河川維持流量を放流しており、魚類などの生息環境が維持されているところであります。大井川の水質につきましては、人の健康を守る観点から環境基準が定められている物質について国が中流及び下流の二カ所で毎年一回以上測定を行っております。
 県はその結果の報告を受けてございますが、近年は環境基準を超過したことはございません。また魚類などの生息状況の把握につきましてはおおむね五年ごとに国及び県が計七カ所で調査を行い、確認できた生物の種類や量などの記録を蓄積しております。
 調査結果につきましては、その都度学識者に御意見を伺い特に問題はないが経年変化の傾向把握のために継続的な調査が望ましいとの御意見をいただいておりますことから、今後も調査を実施してまいります。
 県といたしましては、関係機関や地域住民の皆様などと連携して大井川の河川環境が今後も保全されるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) 県の補助金交付団体の適正判断についてお答えいたします。
 県では、国内外の主要な競技会に出場する静岡県代表選手の競技力向上を図るため静岡県補助金等交付規則及び競技力向上対策事業費補助金交付要綱に基づき競技力向上対策事業を実施する競技団体に対し、今年度は一般社団法人静岡県バスケットボール協会を含む四十一競技団体に総額一億七千三百万円の補助金の交付を決定しているところであります。県が当該バスケットボール協会に対して交付した今年度の補助金について中間検査を実施したところ、適正な会計処理がなされていることを確認したところであります。
 議員御指摘の当該団体における役員の選任については、定款の定めるところにより総会の議決により選任された理事の中から理事会の決議により選定されるなど適切に処理されているものと考えております。
 県といたしましては、スポーツ団体みずからが適切な組織運営を行う上での原則、規範として本年八月にスポーツ庁が定めたスポーツ団体ガバナンスコードに基づき県体育協会等と連携して各競技団体が透明度の高い健全な組織運営体制を維持するよう求めるとともに、当該バスケットボール協会を含め県内の各競技団体に対して適切な補助金執行を指導してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 桜井勝郎君。
       (二十一番 桜井勝郎君登壇)
○二十一番(桜井勝郎君) 再質問で二点ほどかな、あと要望を二点ぐらいします。
 先ほど知事から例のリニアの水と東電の言っている田代ダムの毎秒四・九九トンの水とは別物だということでそれはJR東海がやるべきだというお話ですけれども、知事、いろいろな今までの発言で大井川流域の住民の命の水を守るためにはどんなことでも妥協しないようなことを言っていますけれども、この大井川から行っている水の四・九九トンが山梨県側の早川に流れ込んでいるということはこの水に対してはそんな命の水でないし、万が一仮にこのリニアの工事が認められて後になって水が枯渇したときにやはりどうしてもこの東京電力にいっている水はこれは戻さなきゃいかん。だから関連性がないといったら、これはないことはない。命の水として考えたならこれは関連性があるのであって、そういうことをやっぱり考えてJR東海がやるべきことでなくて地質調査にも協力するだとか経済的に静岡県が結構潤うだということを考えたときにやっぱりそういう水も、東京電力に行っている水も県もある程度JRと要するに協力しながらですね、東電に交渉して水をこちらへ戻すということが地域住民の不安を解消する一つのことになると私は思います。そういう面ではね何だか聞くところによると早川へ行っている大井川の水はそのままほっときゃいいんだというようなことを言っていますけども、大井川の水は命の水だ命の水だと言っておきながら早川に行っている水はいいんだということ自体が納得できない。
 これについて、実は私も国土交通省の河川局へ行ってみた。東京電力の水を戻すことができるかと言ったら、桜井さん、一気には戻せないけども更新のときにはある程度の水は戻すことができますよ、手続を踏めばね。地域住民が盛り上がればの話ですけども、地域住民は県民でございましてその人たちにぜひとも協力するようにお願いいたしまして……。時間が切れましたのでまだ二つばっかあっただけえがこれで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
○副議長(中沢公彦君) 今のは意見ですか。
       (二十一番 桜井勝郎君登壇)
○二十一番(桜井勝郎君) 意見にしておいてください。

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