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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

遠藤 行洋 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/27/2023

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 命を救うための医師確保対策について
2 がん診療体制の整備とがん検診受診の促進について
3 スタートアップ支援における民間の力の活用について
4 生成AIの活用について
5 パラスポーツの推進について
6 スポーツ王国静岡の復活について


○副議長(鈴木澄美君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、十六番 遠藤行洋君。
       (二十六番 遠藤行洋君登壇 拍手)
○二十六番(遠藤行洋君) 遠藤行洋と申します。改めましてよろしくお願いいたします。
 それでは通告に従いまして県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、命を救うための医療確保対策について伺います。
 八月二十一日こども県議会の開会直前、私の携帯に着信がありました。私の弟が仕事中に急に意識を失い心肺停止の状態で横浜の救命救急センターのある病院に救急搬送されたという連絡でした。私は既に議場に入っていましたが急いで病院に駆けつけました。病院に着いた時は救命処置を施している最中で医師からはとにかく命を救うことを最優先しますと言われました。弟は生きているのか、それさえ知らされぬまま時間だけが過ぎていきました。
 三時間ほどが経過して、医師からEICU――救急集中治療室に案内されました。そこには五名の若い医師、看護師が弟の救命活動に携わり懸命な治療を行っていました。何とか心臓は鼓動を開始しましたが弟は意識不明の昏睡状態。心肺補助装置など体中無数の管につながれていました。心臓が止まっていた時間は四十分。脳への損傷が心配ですが、それでも命をつなぎ止めてくれた医師、看護師には感謝しかありません。
 弟はその後二週間眠ったままの状態でした。しかし三週間目にようやく意識を取り戻し、現在は一般病棟に移るまで回復しました。
 私は弟の救命救急活動を目の当たりにして感じたことがありました。EICUには医師や看護師など六十名から七十名近い医療スタッフが従事していました。またすぐに心肺補助装置を使用するなど医療機器も充実していたと感じました。
 現在静岡県内には救命救急センターのある三次救急医療機関は十一施設が整備されています。こうした三次救急医療機関には特に多くの医師、医療スタッフを必要とします。静岡県で同じようなことが起きたら同じように対応できるのか疑問と不安が生じました。
 静岡県は医学修学研修資金制度を設け、令和五年三月現在千五百十八人が利用するなど医師確保策に力を入れてきました。しかしながら修学資金の返還免除対象病院における救急科の医師は県全体で八十五名、充足率は七七%で二十六名が不足しています。また救命救急センターにおいても救急科以外の内科、外科、循環器科や脳神経外科など多くの診療科の医師が必要ですが、診療科全体では六百七十名が不足しています。決して十分とは言えない状況です。
 そこで、静岡県の医師確保策として不足数の解消に向けてさらなる対策が急務と考えますが、県の所見を伺います。
 次に、がん診療体制の整備とがん検診受診の促進について伺います。
 このテーマは平成二十九年二月議会と平成三十年の二月議会でも質問させていただきましたが、がんによる死亡者数はその後減ってはおりません。県内では毎年一万人以上ががんで貴い命を失っています。幾ら医療技術が進歩してもがんの治療を初期の段階で始めるのと進行した状態で始めるケースでは大きな差があります。術後の生存率は全ての部位のがんですと初期の段階で治療を始めれば八割を超える方が五年以上生存できます。
 がん対策は、何と言っても早期発見、早期治療が重要です。国民生活基礎調査によりますと、がん検診の受診率は徐々に伸びてはいますが、いまだ肺がん検診を除く四つのがん検診で五割強の方が受診しておりません。令和六年四月からの施行を目指して現在策定中の第四次がん対策推進計画では検診受診率の目標を五〇%から六〇%に引き上げることが検討されています。
 私は三十六歳のときに大腸がんが見つかりました。その時の経験から消化管系のがんに対しては胃カメラや大腸カメラによる検査のほうが精度が高いと考えています。私も当時毎年受けている健康診断では全く異常がありませんでした。たまたま訪れた町のお医者さんに内視鏡検査を勧められて見つかったんです。進行がんだったため外科手術が必要でした。検査から二週間後、県立総合病院で直腸から左側の大腸を全て切除しました。最初に検診を受けた町のお医者さんが元県立総合病院の医師でした。身近な地域の診療所でがんを見つけてもらい、地域の専門的ながん医療を行う病院で手術、治療につなげることができたんです。がんを早期に発見することと地域でがんの診療体制が整備されていることの大切さを身をもって感じました。
 がん対策推進条例が、平成二十六年十二月に制定、施行されて間もなく九年がたちます。
 そこで、本条例が制定されてから県民の方々をがんから守る取組として、県内のがん診療体制の整備とがん検診受診の促進について現状と課題をどのように認識しているのか、またそれを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、スタートアップ支援における民間の力の活用について伺います。
 スタートアップとは明確な定義はありませんが、一般的に新たなビジネスモデルを創出し社会に変革、イノベーションを起こして短期間で急成長を目指す企業のことを指します。スタートという単語から起業したばかりの会社と思われがちなんですが、スタートアップは起業の時期を問いません。
 スタートアップが広まった背景にはIT業界の躍進があります。インターネットが広く社会に普及する過程でIT技術を活用してどのように新しい価値を創造していくのかが求められるようになりました。
 先日、東京都が運営するスタートアップの拠点施設ネックス東京を訪ねてきました。そこは東京有楽町にあるビルの四階の一角にありました。ネックス東京は、新たなコミュニティーをベースに業種、業界、地域の壁を越えた広域的な連携でさらなるイノベーションの創出と産業振興を目指しています。全国各地の自治体や企業、大学が会員になっておりまして情報交換やイベントを通してネットワークを形成しています。現時点で全国八百四十の企業・団体が会員になっており、静岡県内では本県や静岡市など十一の企業・自治体が会員になっています。
 近年、国内のスタートアップの数は増加傾向にあり、これに伴いスタートアップが調達する資金の総額も年々大きな伸びを見せています。しかしベンチャーキャピタルの規模が小さい、行政による支援が効果的ではない、起業する人材がいないなどの課題があります。スタートアップの規模は先進国の中でも最低の水準にとどまっていて、岸田政権は去年、スタートアップ創出元年としてスタートアップへの投資を五年で十倍に増やす計画を掲げました。本県もこれからスタートアップ支援に全力で取り組むべきと考えます。
 しかし、県職員の皆さんは優秀な行政マンではありますがビジネスマンではありませんし、スタートアップ支援の専門家でもありません。実際ネックス東京もグローバルに展開するコンサルタント会社に管理運営を委託していました。
 そこで、本県においてもビジネスを熟知した外部の力、例えば専門的な知識やノウハウを有するコンサルタント会社など民間の力を活用することも必要だと考えますが、本県の考えを伺います。
 次に、生成AIの活用について伺います。
 去年十一月に公開されたチャットGPTは、民間の調査によれば登録ユーザーが百万人となるのに要した日数は僅か五日と過去に例がない速度で世界中に広まりました。本県においても六月十五日に生成AI利用ガイドラインを策定し、生成AIのうちチャットGPTを本格的に活用し始めたことは承知しております。
 そこで、チャットGPTを活用すべきという立場で導入に対する県の認識を問うこの質問文をチャットGPTを使って作成してみました。ちょっと日本語としておかしいところもありますがあえて原文のまま読ませていただきます。チャットGPTが書いた質問です。
 自治体の職員に向けチャットGPTを事務処理に活用することを提案します。チャットGPTは膨大な情報を素早く処理しFAQへの迅速な回答や文書の要約を支援します。また過去のデータからの傾向分析や報告書の草稿作成など業務効率化に大きく寄与する可能性があります。ぜひ新たな技術の導入による業務改善の一環として様々な用途への活用を検討していただきたいと考えます。
 一般企業では、チャットGPTは顧客対応や内部コミュニケーションに活用されています。顧客サポートではトエンティフォーセブン対応や――これ二十四時間営業のことですね――一貫性のある回答が可能で企業の信頼性向上に寄与、内部ではタスク管理や情報検索を支援し生産性向上が見込まれます。またマーケティングでは顧客ニーズの洞察を提供し新商品開発に生かす事例も。自治体でも住民の問合せ対応や情報提供、業務効率化に適用できる可能性があります。自治体職員への提案としてチャットGPTの具体的な活用方法や展望を明確に求めます。
 業務上のニーズや課題に合わせ具体的なタスクやプロジェクトに適用する方法、必要なトレーニングや監視体制の構築、住民との対話における利用方針など戦略的な活用、計画、リスク管理を含んだ提案を行うことが求められます。
 ここまでが生成された質問文です。ちょっと何を言っているかよく分からないところもあります。テクニックを使って試行錯誤すればもう少し適切な文章が生成できた可能性もあるんですが、なかなか自分の意図した文章にはなりませんでした。内容ももっともらしいものではありますが事実かどうか判断できない部分もあります。
 そこで、改めて私の言葉で生成AIの活用について伺います。
 県は、どのような意図を持って生成AI利用ガイドラインを策定したのか、また今後業務においてどのように展開しようとしているのか、県の考えを伺います。
 次に、パラスポーツの推進について伺います。
 東京二〇二〇パラリンピックから二年がたちました。パラリンピックでは日本が獲得した十三個の金メダルのうち六個が静岡県関係者でした。この東京大会のレガシーを継承し、いつでもどこでも誰もがスポーツを楽しみ豊かで活力に満ちたふじのくにを目指すパラスポーツでつながる官民連携組織ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアムが八月三十日に設立されました。パラスポーツに関する官民の共同事業体は全国で初めてです。
 コンソーシアムは、日本一、パラスポーツで幸せを実感できる県をビジョンとして掲げ、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて環境整備、アスリート強化、裾野拡大に取り組んでいくということです。
 私は先日、横浜市の障害者スポーツ文化センター横浜ラポールを視察してきました。横浜ラポールは、障害者の完全参加と平等の実現という国際障害者年の理念に基づき平成四年八月におよそ百二十三億円をかけて開設されました。障害者がスポーツ、レクリエーション活動、文化活動を通じて健康づくりや社会参加の促進を図るとともに、市の中核施設として障害者が主体的に参加する中から交流を行うことを目的としています。
 施設内には、グラウンド、アーチェリー場、テニスコート、プール、フィットネスルーム、ボーリングルームなどがあり、一日およそ千人の障害者の皆さんが利用しています。一般の人も空きがあれば利用可能ですが全く空きがないそうです。
 静岡県には横浜ラポールのような拠点となる障害者スポーツセンターは整備されておりません。コンソーシアムが立ち上がったことを契機に官民が知恵を結集し多くの県民がパラスポーツに取り組める環境整備などが進展していくものと大変期待しています。
 そこで、パラスポーツを推進していくため県はコンソーシアムと連携してどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 最後に、スポーツ王国静岡の復活について伺います。
 第百五回の夏の甲子園は、慶應義塾高校が百七年ぶりの優勝を飾りました。優勝決定後慶應高校がある日吉の街を訪れました。ちょっと古い表現ですが街中がフィーバーしていました。
 慶應高校はエンジョイベースボールを掲げ髪型は自由、自ら考える野球で新時代の高校野球とマスコミがはやし立てました。余談ですが、エンジョイベースボールは第七十七回大会に出場した韮山高校が既に実践していたことをちょっとつけ加えておきます。
 ところで、今野球界は大変厳しい環境にあります。まず中学の野球部でプレーする選手やチームが右肩下がりで減少しています。多忙な校務に追われ教員の業務負担軽減を目的に活動時間が大きく制限されています。中学校の野球部は今縮小傾向が止まらない状況です。
 高校野球でも、一部の強豪校を除きますと一、二年生だけでチームを組む秋の公式戦でベンチ入りの上限を満たせないチームが本当にたくさんあります。今年の夏の大会でも地方大会の参加チーム数が三千七百四十四校の三千四百八十六チームで去年より三十八校、六十一チーム減少となりました。
 次に、将来有望な中学選手が高校進学に当たり県外の学校に進んでしまうことです。例えば静岡市葵区清沢出身で横浜DeNAベイスターズの森敬斗選手は横浜市の桐蔭学園へ進学しました。横浜高校で松坂大輔さんと共に全国制覇を果たし現在は東北楽天ゴールデンイーグルスのバッティングコーチを務めている後藤武敏さんは、浜松市中区の出身です。
 静岡県内に全国大会常連校があれば将来有望な選手の県外流出を食い止められるような気がします。中学生の県内高校への入学を促していく必要もあると思っています。
 こうした状況は、実は野球だけではなくてほかの種目でも同様の課題を抱えています。県内高校の運動部が全国大会で活躍できるためにどのような取組を行っていくのか、教育長の御所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 遠藤行洋議員の弟さんの一日も早い御全快を心よりお祈りいたします。
 パラスポーツの推進についての遠藤議員の御質問にお答えいたします。
 東京パラリンピック以降も本県ゆかりのパラアスリートの目覚ましい活躍が続いております。七月に沼津市出身の若山英史選手が参加した車椅子ラグビーアジアオセアニアチャンピオンシップで、ラグビー日本代表がパリパラリンピック出場権を獲得いたしました。また八月にイギリスで開催されたパラサイクリング世界選手権では掛川市出身の杉浦佳子選手がトラック二種目で優勝するなど、来年のパリパラリンピックに向けて大いに期待が高まっております。
 八月三十日には、先ほど御紹介頂きましたが静岡県パラスポーツ推進協議会からの御提言を受けまして、全国初の官民連携組織となるふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアムが日本パラリンピック委員会委員長である河合純一氏を顧問に迎え設立されました。環境整備やアスリート強化、裾野拡大などの分野におきまして県とコンソーシアムが連携して会員の皆様とともに課題の解決に取り組んでまいります。
 環境整備の主要なテーマである障害者スポーツセンターにつきましては、スポーツ庁のスポーツ審議会の中間まとめの中で機能や整備の進め方などが提言されております。全国には議員から御紹介のあった横浜ラポールをはじめ大阪府立障害者交流促進センターなど先進事例もありますことから、国の提言や全国の整備状況、関係者の皆様の御意見も踏まえ本県の実情に合わせたセンター機能や適切な整備方針を盛り込んだ基本構想を今年度策定いたします。
 また、アスリート強化では県が主催するパラスポーツの体験機会を提供する競技プログラムにコンソーシアムの会員である医師や理学療法士の方に御参加頂きます。裾野拡大につきましてはパラスポーツの情報の一元的発信や相談機能の充実を目的に十一月に県障害者スポーツ協会が開設するふじのくにパラスポーツ情報センターの周知につきまして県とコンソーシアムが協力して取り組んでまいります。
 県といたしましては、今後もコンソーシアムと連携しながらパラスポーツの推進を図り、障害の有無にかかわらず全ての人々がスポーツに親しむことのできる共生社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(鈴木澄美君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) がん診療体制の整備とがん検診受診の促進についてお答えいたします。
 県民の誰もが適切ながん医療を受けられるためのがん診療体制の整備とがんの早期発見、早期治療に欠かせないがん検診の受診率の向上が、がん対策の主要な課題であると認識しております。
 がん診療体制の整備につきましては、県内の各保健医療圏にがんの専門治療を行う地域がん診療連携拠点病院を設置し、高性能な医療機器の活用や放射線療法などの高度な治療からきめ細やかな緩和ケアの提供まで、身近な地域で安心して質の高いがん医療が受けられる体制づくりを進めております。現在県全体の拠点病院は十二病院となりましたが未整備の保健医療圏があることが課題と考えております。
 このため、今後は拠点病院のない保健医療圏の機能強化のため隣接する保健医療圏にある拠点病院に対し施設や設備の整備を支援するとともに、拠点病院のない保健医療圏にある病院への拠点病院からの積極的な関与や連携を強化し県内におけるがん医療の均てん化に取り組んでまいります。
 また、がん検診の受診率の向上につきましては、これまで市町に対し未受診者への検診の重要性についてきめ細かな案内を行うよう指導するとともに、市町をはじめ県対がん協会や企業などと連携しがん征圧大会などによる県民に向けた幅広い啓発に努めてまいりました。しかし新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い低下した受診率が十分回復できていないことや市町別の受診率に格差が生じていることが新たな課題と考えております。
 今後は、引き続き受診率向上のため対象者に向けて個別に行う受診勧奨を進めるほか、がん検診と特定健診の同時実施や休日検診の実施、さらに託児環境を備える子育て世代が受診しやすい環境整備など受診者の利便性向上の取組を促進してまいります。また受診率が低い市町から課題を聞き取り他市町の好事例を紹介するなどの改善に向けた助言を行うなど、市町への支援を強化してまいります。
 県といたしましては、県民の皆様がどこにいても生涯にわたって健やかに安心して暮らしていけるよう、引き続きがん診療体制の整備とがん検診の受診促進を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 命を救うための医師確保対策についてお答えいたします。
 医師少数県である本県は平成十九年度から医学修学研修資金制度を開始し、さらに救命救急センターなどの返還免除対象病院への追加やふじのくにバーチャルメディカルカレッジの創立など医師確保策を拡充してまいりました。こうした取組により貸与を受けた医師の県内勤務は今年度六百七十一人となり、これは平成二十年度以降の病院勤務医の増加数の約半数を占め本県の地域医療に大きな役割を果たしております。
 一方で、医療の高度化や高齢者人口の増加に加え医師の働き方改革などにより医療現場ではより多くの医師が必要となっており、返還免除対象病院における必要医師数は平成二十三年度以降約千二百人増加し不足数は昨年度七百五十四人と過去最多となったところであります。
 このため県では、令和二年度に医学修学研修資金の貸与期間を原則六年間とする制度改正を行い、県内での返還勤務期間を九年間に長くするとともに、救急科など専門領域ごとのキャリア形成プログラムの整備により一人一人の医師を九年間にわたり県内の病院で丁寧に育て返還免除後も引き続き県内への定着を確かなものとし、これまで以上に医師を増やす取組を進めてまいります。
 県といたしましては、令和八年度以降に本格化する修学資金利用者の九年間勤務に向けて、医師本人のキャリア意向と医師の充足の両立が図られるようきめ細かなキャリア形成プログラムの運用を目指し、医療関係者や大学と一丸となって医師不足の解消に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) スタートアップ支援における民間の力の活用についてお答えいたします。
 スタートアップは、市場にはない新しいビジネスを創出するため既存のビジネスを創業する場合とは異なるスタートアップ特有の支援が必要となります。このため今月公表したスタートアップ支援戦略の策定に当たっては、現状調査と調査結果を踏まえた本県の課題の整理、施策の方向性などの取りまとめを専門のコンサルタント会社に委託し、具体的な支援策について随時アドバイスを受けたところであります。また本県ではこれまで大学の先端的な研究シーズに着目し事業化につなげるための伴走支援を専門の民間事業者に委託して進めてまいりました。これまでの取組により九件の起業につながっており、民間事業者の活用は非常に有効であると考えております。
 本議会で補正予算案をお諮りしておりますワンストップ相談窓口や産・学・官・金のスタートアップ支援関係者によるネットワークの構築、運営につきましても、専門的な知識やノウハウを有する事業者を活用するなど引き続き民間の力を最大限活用し、スタートアップのニーズに合った質の高い支援を提供してまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 山口デジタル戦略担当部長。
○デジタル戦略担当部長(山口武史君) 生成AIの活用についてお答えいたします。
 チャットGPTの登場により生成AIは世界で爆発的に拡大する一方で、第三者への権利の侵害等に対する国際的なルールの形成が追いつかず利用に対して消極的な意見が多くあります。しかしながら生成AIは社会にイノベーションを引き起こす力を持ち幅広く生活の質を向上させる可能性を秘めていることから、本県ではいち早く積極的に利用する方針を打ち出し職員が安心して適正に利用するためのガイドラインを策定いたしました。
 生成AIの利用に伴う機密情報の流出や虚偽情報の使用のリスクに対しては、AIの回答をそのまま使用せず最終的には人間が確認、判断する必要があるとガイドラインで定め、職員に対し遵守事項の正しい理解と使用技術の取得のための研修を実施したところであります。
 今後は、生成AIの利用頻度を高めるため職員のモバイルパソコンでの利用を可能にするほか、議事録の要約をはじめ通知文や広報媒体の作成、編集などに関する好事例の蓄積、共有を進め業務の一層の効率化や県民サービスの向上に寄与できるよう、生成AIのさらなる活用に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) スポーツ王国静岡の復活についてお答えいたします。
 運動部活動は、人格形成やスポーツに親しむ機会となり自己実現の場にもなるなど生徒にとって大切な役割を果たしております。一方で議員御指摘のとおり野球に限らず多くの競技で選手やチーム数が減少し、また教師の時間外労働が問題となるなど運動部活動を取り巻く環境は年々厳しくなっております。その中にあっても全国大会などの大きな舞台で活躍を夢見る高校生を後押ししていくことは必要であると認識しており、各学校が切磋琢磨できる環境づくりや各種目の競技レベル全体の底上げが図られるよう努めております。
 具体的には、県高等学校体育連盟や県高等学校野球連盟等に助成し公立、私立を問わずチーム力向上と個人の能力開発に資する指導者研修や強化遠征等への支援を行っているほか、県立高校においては外部指導者を配置し生徒が専門的指導を受けられる環境を整えております。今後はこれらの充実に加え大学やプロスポーツチーム、競技団体などに指導を頂き科学的知見に基づく効果的なトレーニング方法等を積極的に研究し学校間で共有してまいります。
 県教育委員会といたしましては、楽しんでスポーツに取り組む姿勢を大切にしながらより多くの高校生が夢の舞台で活躍しスポーツを通じた自己実現を達成できるよう運動部活動のさらなる充実を進め、中学生が憧れる学校づくりやスポーツ王国静岡の復活につなげてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 遠藤行洋君。
       (二十六番 遠藤行洋君登壇)
○二十六番(遠藤行洋君) それぞれ御答弁ありがとうございます。
 再質問はありません。要望を二つ申し上げます。
 私は元スポーツアナウンサーだったんでスポーツに関しての意見要望を二つ申し上げたいと思いますが、まずパラスポーツに関して知事から前向きな御答弁を頂きましてありがとうございます。特に障害者スポーツセンターについて今年度中にある程度基本的な方針を固めるということで、非常にパラアスリートにとってはうれしい限りだと思います。
 パラアスリートにとって一番苦労するのがですね、やっぱり練習場の確保なんですね。横浜ラポールは全ての競技の練習が可能なんです。静岡県の場合は、なかなか練習場、確保できない状況の中で金メダル十三個のうち六個取ったっていうのはパラスポーツに関して言うともう静岡県はパラスポーツ王国と言っていいかもしれませんが、さらにですね障害者スポーツセンターをこれからつくっていく上ではですね、ぜひ全ての競技者が練習できるような環境を整えていただきたいなと思います。特にこれは所管が文化観光部になると思いますが、横浜ラポールもそうなんですけども、横浜ラポールに行ったらその職員の皆さんが東京はもっとすごいって言うんですよ。東京はもっと立派だと言うんで、ぜひですね私も機会があったら東京の障害者スポーツセンターも見に行きたいなと思いますのでぜひともよろしくお願いをいたします。
 そしてスポーツ王国静岡の復活についてでございます。御答弁ありがとうございます。
 なかなかこれ難しい問題だと思うんですけれども高校スポーツ、特に今回私は高校野球についてちょっと質問させていただきましたが、たまたまですね侍ジャパン大学日本代表監督にこのほど決まりました慶應大学の堀井哲也監督と話をする機会がありました。堀井哲也監督はですね韮山高校出身で実は私の同級生なんですが、JR東日本の監督として都市対抗野球を制覇そして慶應大学監督としても大学日本一に輝きました。都市対抗野球も監督として十年連続に出場しているというアマチュア野球界ではレジェンド的な存在です。その堀井監督にどうしたら静岡県の高校野球、高校スポーツもっと強くなるのか意見をちょっと伺いましたので参考としてちょっと聞いてください。
 まず高校卒業後の進路が大事だというんですね。いわゆる静岡県の進学校で野球部で活躍しても残念ながら今なかなか希望する大学に行けないんです。これ指定校もなかなか取るの難しいんだそうです。もうちょっとですね、せっかく高校野球三年間打ち込んだら希望する大学に行けるような、そういう指定校のシステムをつくっていただければなというのがまず一つ目の意見です。
 二つ目はですね、指導者です。私立の場合はですね当然野球部の監督は決まってるんですけれども、県立高校の場合はやっぱり異動があります。ですから科目によって異動がありますんで、できれば顧問、部活動の顧問のことも考慮しながらちょっと考えていただければなということを言ってました。
 三つ目がですね、重点校をつくることも重要ではないかなということですね。東部、中部、西部にそれぞれ野球の強豪校があれば選手の分散化をある程度止めることもできるんではないかなというような意見でした。
 これは一つの参考意見でございますんでなかなかすぐに解決できる問題ではありませんけれども、これからもですね高校スポーツの強化に向けて一生懸命これからも頑張っていきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
 以上、要望として私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
○副議長(鈴木澄美君) これで、遠藤行洋君の質問は終わりました。
 ここであらかじめ会議時間を延長します。

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