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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年12月静岡県議会定例会

天野 一 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:12/11/2013番目)
答 弁 者知事


○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 天野一議員にお答えいたします。
 自然学習資料センターの整備と博物館構想についてであります。
 現在の静岡県自然学習資料センターは現施設が老朽化しておりまして、また狭隘でありますためにそれに対処するために静岡南高跡地に移転することとしておりまして、本年度校舎等の改修設計と改修工事を行い、二十六年夏ごろに移転するという予定でおります。
 そして、この新しい博物館の活動の方向性を検討するために今年度外部有識者による基本構想検討委員会を設置いたしました。委員長には東北大学大学院環境科学研究科教授でありかつ静岡県の補佐官をお務めいただいております安田喜憲先生になっていただき、副委員長には静岡県自然史博物館ネットワーク理事長の天岸先生――静大の名誉教授でありまた元静岡大学の学長先生でありますが、そしてまたさらに東大の研究博物館教授を務めておられております遠藤先生ほか合計十人の方々によりまして御検討いただきまして、年度内の基本構想策定に向けて精力的に検討を進めているということでございます。
 新しい博物館は、十年に及ぶ自然学習資料センターの地道な調査研究をベースとしながら本県の多彩な動植物等の分類学や生態学等の研究を基本としつつ、広く地球を眺め地球の生態環境と人間との歴史的なかかわりということを研究領域、学習領域にするという、仮称でございますけれどもふじのくに地球環境史ミュージアムとすることになっております。
 これからの時代には、これまでと違いまして議員御指摘のように本県の歴史・文化さらに地形、産業等々、全般的な知識をベースにして地域おこしをしていかねばなりません。そうした意味におきまして、これまでそれぞれの時代に柱となる学問というのがございました。聖一国師のときには仏教学です。江戸時代には儒学です。近年におきましてはいわゆる洋学だということでございますけれども、これからはそれぞれの日本人の地域に生きている方たちがみずからの大地に根差した学問をしていくことが大切であるということで、現在この検討中の博物館におきましても日本の宝であり、かつ世界の宝となった富士の名に恥じぬ、また富士山の姿に恥じない地域づくり、国づくりの実践の学を立てる一翼を担う全国に誇れる新しいタイプの博物館を目指すという、そういう方向性が現在出てきております。
 この新しい博物館は、現在計画中の富士山世界遺産センターはもとより伊豆半島ジオパークさらにユネスコに申請中の南アルプスエコパークなどの活動と連携し、お互いに支援し合う役割も期待されているということでございます。
 建物は、先ほども申しましたように学校の校舎を活用することでございますので、従前の博物館のように建物や展示に資源を充当するのではなく、高い専門知識を有する優秀なスタッフを募るということをベースにいたしまして、調査研究そして教育・啓蒙活動を充実させていくという方向性が今出されております。またNPOや県内大学など多様な主体との協働を重視しながら、県内のさまざまな施設を活用した出張型の展示あるいは出張講座を積極的に展開する、いわばソフトパワーを重視したものになるよう検討していただいているところであります。
 構想につきましては、今後さらに検討を加えて本県の誇る豊かで多様な自然をいわば日本のミニチュアとも言うべきこの自然をしっかり学び、それを通して日本を知り、地球環境を知るという、そしてそれを後世に継承していくという、そのような地球の中でのふじのくにについての知識を得てそれを体系的に説明できるような教育研究活動を展開することで地域を愛し、自然への畏敬の念を育み、地球環境の保全の一翼を担う博物館の具体化を図ってまいろうと考えております。
 次に、リニア中央新幹線の環境影響評価に係る準備書についてであります。
 リニア中央新幹線建設事業は、本県における全区間南アルプスをトンネルで横断する計画ですが、南アルプス地域内で大量の残土処理を行うなど地上部においても大規模な土地の改変等の工事が見込まれております。このため環境影響評価法に基づきまして、来年三月二十五日までに準備書に対する知事としての意見を述べるに当たりましては、JR東海が県民等からの意見をまとめた意見概要書の内容を勘案するとともに、県環境影響評価審査会の専門的見地からの御意見や静岡市長ほか関係各位の御意見を求めまして、事業が自然環境や生活環境に及ぼす影響等を広範囲に見きわめてまいる所存であります。
 南アルプスの豊かな自然は県民のみならず国民のかけがえのない財産でありますことから、静岡県環境影響評価条例に基づきまして、明年一月二十一日に環境アセスメント手続においては本県で初めてとなる公聴会を開催し広く皆様のお考えをお聞きすることとしております。
 私もこうしたことが問題になる前に既に現地に入りまして、畑薙のダムから二軒小屋まで行く道、御案内のようにそこはがたぴし道でしかし道がございます。なぜでしょうか。それは二軒小屋を建てるあるいはそのさらに上のほうにございます大井川の上流といいますか源流地域というところをごらんになれば、それ以前に相当の大きな工事がなされていたということですね。同時にまた大井川の水量の大半が――と申し上げたいと存じますけれども――山梨県側にとられています。ともあれそうした工事をするときに相当な自然破壊がなされたと。その自然破壊がなされた部分というのを見きわめる必要もあります。一見今は自然のごとくではございますけれども三十年も放っておきますれば、あたかも原生のままのように見えます。しかしその一部は相当に人間の手が入ったところがあるということでございます。
 そうしたところを見きわめつつ、同時に南アルプスがエコパークあるいは最終的には世界自然遺産となるに値すると考えておりますけれども、そうした場合には今度は逆に人が入る道を整備しなくちゃならないという課題が生まれます。それは白神山地においても、あるいはほとんど人の入る余地がないとも言われていた屋久島でも道路が整備され博物館が整備されビジターセンターが整備されているということと同じでございますので、そうした長期的な観点で自然と人間とが相協和して共存できるように、この工事につきましてはよほど注意して見なくてはならないと。いわゆる原理主義的な形で必ずしも環境影響評価に係る各市町の、各市町というか例えば静岡市の担当されている委員が本当に適切な方かどうかということもあわせて、我々は自分たちが一からで我々の子孫のためにやるわけですから、ですから人任せではなくて確信を持ってこれは後世に残せるというようなそうした環境評価をした上で限られた時間の中で全力を尽くして意見を申し上げるというふうにしたいと思います。
 ともあれこれらの手続を重ねて、将来にわたり南アルプスの貴重な自然環境が保全されるようJR東海に対しましては適切な対応を求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp