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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

勝俣 昇 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県の総合計画に対する評価と今後の取組について
2 ふじのくにのフロンティアを拓く取組の第二期計画の
 進捗状況と今後の展開について
3 就労に困難を抱える方への就職支援について
4 農山村地域の活性化に向けた取組について
5 自動車運転代行業の業務の適正化に係る県の取組について
6 富士山の開山に向けた取組について


○議長(山田 誠君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第四十一号まで、第四十三号から第五十二号まで、第五十四号から第五十九号まで及び第六十一号から第七十八号までを一括して議題とします。
 ここで、後半グループの議員が退出するため休憩します。  
 
○議長(山田 誠君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、八番 勝俣 昇君。
       (八番 勝俣 昇君登壇 拍手)
○八番(勝俣 昇君) おはようございます。
 私は、自民改革会議所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、県の総合計画に対する評価と今後の取組について伺います。
 県は、二〇一八年三月にドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にを基本理念とする総合計画静岡県の新ビジョンを策定し、安全・安心な地域づくりや未来を担う有徳の人づくりなどの基本方向に沿って施策の推進を図り、令和三年度は基本計画の最終年度であるとともに令和四年度以降の次期基本計画を策定する節目の年となると伺っております。このような節目の年を迎える中にあって、私はこれまでの川勝県政を評価する意味において総合計画の進を検証することは非常に重要であると考えております。
 先日、県が公表しましたふじのくにづくり白書によれば総合計画には百八つの成果指標が掲げられておりますが、そのうち実績値が明らかとなった九十の指標について約七割が目標達成に向け順調に推移していると評価を行っています。
 川勝知事の下での県政運営は一見順調に進んでいるように思えますが、総合計画に対する私の評価を申せば決してそうではないという認識であります。例えば総合計画には八つの政策体系がありますが、このうち魅力的なライフスタイルの創出、スポーツの聖地づくり、文化芸術の振興を含む多彩なライフスタイルの提案、ふじのくにの魅力の向上と発信、いずれも川勝知事が力を入れているにもかかわらず成果指標の半分以上がCまたは基準値以下の評価と結果が芳しくない状況であります。
 また、静岡県の人口は総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」調査によれば、川勝知事が知事に就任した二〇〇九年から二〇二〇年までの間約十六万人減少しております。それも一貫して減少し続けており全国の中でも人口の増減数は四十四番目の低さであります。特に若者の県外流出に歯止めがかからず、川勝知事が声高に提唱するドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にの基本理念に反して静岡では夢をかなえることができないと思う若者などが多いことを数字が物語っているのではないでしょうか。
 また、人口の自然増減に影響を及ぼす合計特殊出生率は二〇一六年に一・五五まで回復した後、二〇一七年以降毎年低下し続け、二〇一九年には一・四四にまで落ち込んでいる状況であります。出生率の伸び悩みに関しては様々な要因が考えられますが、出産に係る医療に関しては人口十万人当たりの助産師の数が全国三十七番目と低く、医師の数も人口十万人当たりでは全国四十番目であり特に産科の医師が少ないとの指摘がされております。こうした数字からも安心して出産ができる医療提供体制には程遠いことがうかがえます。
 子育て支援については、保育所などの待機児童数は減少傾向にあるものの依然として高い状態であることから、子育て世帯への仕事と子育ての両立を図る今以上に手厚い支援施策が必要であります。また学校教育予算についても県予算全体に占める割合や子供一人当たりの教育費がともに低下傾向にあるなど、未来を担う有徳の人づくりを政策の柱の一つに掲げる川勝県政としては政策名ばかりで内容が伴っているのかいささか疑問を持つところであります。
 さらに、総合計画の下で今後新県立中央図書館や遠州灘海浜公園の整備など大型事業が計画される中、先日沼津駅周辺の鉄道高架化事業に伴う川勝知事と元地権者との一連のやり取りで元地権者の方は川勝知事に対し激しい怒りとともに川勝県政への不信をあらわにしました。この件に関しては、川勝知事の今までの数多くの不適切な言葉を含め川勝知事に対する苦言や疑念を呈する多く県民の意見を私も耳にしたところであります。
 県は、総合計画において県民幸福度の最大化を目指す姿として掲げている以上、県民の県政運営に対する理解や満足度を総合計画の進を評価する上で何よりも重視すべきではないのでしょうか。このようにまだまだ多くの課題が山積しており、川勝県政下では決して総合計画の進は順調だとは言えない、これが私の評価であります。
 そこで質問ですが、残り一年となった総合計画に掲げる政策の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、ふじのくにのフロンティアを拓く取組の第二期計画の進状況と今後の展開について伺います。
 東日本大震災以降、防災・減災に対応した国土利用が求められる中、静岡県は新東名高速道路などの高規格幹線道路網の整備を契機に地域産業の活性化やゆとりある住環境の整備、地域資源を活用し新しい産業の創出・集積などを推進するふじのくにのフロンティアを拓く取組を二〇一三年から二〇二七年を構想期間として実施をしております。このうち二〇一三年から二〇一七年の第一期計画では、ふじのくにフロンティア推進区域の制度により県内三十五市町が七十四区域において工業用地や住宅地の造成、農業・観光施設の整備などを行っており、現在県では第一期計画を認定した事業の早期完了に向け推進を図っていると認識をしております。
 また、二〇一八年からスタートしている第二期計画では、第一期計画が拠点整備であったものを拠点間の連携、補完を図り地域課題を克服していくふじのくにフロンティア推進エリア認定制度を新たに創設し、昨年度は御殿場市のエコガーデンシティ産業立地促進エリアと川根本町のICT・IoTによる新産業創出推進エリアの二つの事業を認定するなど取組を進めております。
 ここで、御殿場市のエコガーデンシティ産業立地促進エリア事業について少し御披露をさせていただきますが、低炭素社会を実現するために民間企業と連携し省エネと働き方改革に資するスマートファシリティーの導入、また県東部初の水素ステーションの整備など富士の麓から環境施策を世界に発信するワールドエコセンター実証都市として取り組んでいるものであります。県の認定を頂きスタートしている本事業はさらなる進展が図られますよう県の引き続きの御支援をお願いしたいと思うところであります。
 いずれにしましても、現在の日本は人口減少や少子高齢化などにより産業界では後継者や担い手不足が深刻となる中、県が第二期計画期間において実施するふじのくにフロンティア推進エリア認定制度ではAIを活用したスマート農業や自動運転などの革新的技術の導入により地域課題を解決していこうとする取組であることから、私は事業の成果に大きな期待を寄せております。
 そこで質問ですが、二〇一八年から始まった第二期計画の現在までの進状況と事業評価及び今後の展開について伺います。
 次に、就労に困難を抱える方への就職支援について伺います。
 私は、一昨年六月定例会でひきこもりの自立支援について一般質問を行ったところですが、昨年来新型コロナウイルス感染拡大の影響から社会経済活動が低下し、それに伴い雇い止めによる労働の場を失った方が増加傾向にあるなど雇用環境が非常に厳しい状況であると認識をいたしております。そのような中にあってひきこもり状態にある方にとっても社会との交流やさらには新たに就労し自立した生活を行っていくためには、非常に厳しい状況下に置かれ、私はひきこもりの長期化を非常に懸念するところであります。
 一昨年のひきこもりに関する質問に対し、当局からの答弁では本県のひきこもり支援センターにおける平成三十年度の相談件数は千八百五十一件となり支援センターを開設した平成二十五年度の二・一倍に増加し、相談者のひきこもりの期間も一年以上三年未満が最も多く、また十年以上のひきこもりの方も約四分の一を占めるなど長期化に対する早期発見や早期対応が課題であるとの答弁を頂いたところであります。
 今年度改めてひきこもりの自立支援について県担当課職員の方と意見交換を行ったところ、昨年八月にしずおか就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム、通称しずおかプラットフォームを静岡労働局が中心となり県の経済産業部と健康福祉部、また国のハローワークや高齢・障害・求職者雇用支援機構などの機関を構成員として設置し関係機関が連携して国の制度などを活用し支援施策を展開していくとのお話を伺いました。私はこうした国と県の一歩も二歩も踏み込んだ取組に大いに評価をするものであります。
 そこで、今後のしずおかプラットフォームの施策展開での参考となるよう次のような事例を紹介させていただきます。富士市においてひきこもり状態などにある方などを含め就労に困難を抱える方を支援するために、行政、各関係機関及び企業が連携しユニバーサル就労支援を全国初の事業として取り組んでおります。この事業は働きづらさを抱えた方に対し相談から支援まで一体的に行うもので、就労の受皿となる協力企業を認定協力企業として市のウェブサイトに公表し令和二年十二月二十四日現在百五十三社の企業や事業所が名前を連ね就労と雇用のマッチングが図られております。
 しかしながら、ひきこもり状態にあった方の就労は障害者雇用のように企業への手厚い支援制度がないためすぐに就労に結びつかないなどの側面もあり課題を抱えての支援に取り組んでおります。この点については私の知人で生活困窮の相談業務に従事している方からも、ひきこもりの方を雇用した場合の企業への支援制度の新たな創設が必要と指摘がされておりました。
 こうした課題も参考にしていただき、本年度スタートしたしずおかプラットフォームの取組に対し以下質問ですが、ひきこもりの方が社会で活躍していくためには就業的自立が重要であると考えることから、現在のひきこもりの状況を踏まえしずおかプラットフォームにおいて就労に困難を抱える方に対し今後どのように就職支援に取り組んでいくのかを伺います。
 次に、農山村地域の活性化に向けた取組について伺います。
 新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、社会経済活動や生活スタイルの変化などに伴って人々の行動や意識に変化が見られる中、県をまたぐ移動の自粛や三密を回避した自然回帰、また近場で過ごす生活スタイルへの志向の高まりなどから美しい景観や豊かな自然、新鮮な農産物に恵まれた農山村地域の価値が改めて見直されております。
 一方で、農山村地域においてはコロナ禍の中、観光産業の落ち込みや式典・イベントなどの中止、また飲食店の時短営業など食材や生花などを供給する農業や水産業に多大な影響を及ぼし高齢化や人口減少による活力の低下が元々の課題であったところに追い打ちをかけた状況となっております。
 そのような中、静岡県においては農山村地域の活性化を図るため日本一高い富士山や日本一深い駿河湾などの変化に富んだ本県が有する高次元の地域資源を活用し棚田や茶畑などの美しい風景、古くから伝わる伝統や祭り、わさびやミカン、お茶といった静岡を代表する農産物などそれぞれの地域を守り次世代につなげるふじのくに美しく品格のある邑づくり事業に取り組んでおります。二〇二一年の二月現在百四十一の地域が美しく品格のある邑に登録をされております。
 私の地元御殿場市においても二子湧水の里が美しく品格のある邑に登録され、農家民宿を中心に地域色あふれるおもてなしで宿泊客などの来訪者を受け入れております。特に二〇一七年十二月には御殿場市が国からどぶろく特区に認定されたことを契機に自ら生産した米を原料にどぶろくの製造を始め、本年初蔵出しとして販売を開始したところ初日で完売するなど大変好調な売行きでありました。富士山の伏流水で丹精込めて作った美酒を多くの皆様に御堪能頂きたいと思うところであります。農家民宿の方たちはどぶろくを活用し、さらに地域振興を図るために新たな地域おこしイベントを計画するなど思いを巡らせておられます。
 このようにこれまで県は美しく品格のある邑づくりとして農山村地域の活動を数多く支援してきましたが、新型コロナの影響で活力を低下させている農山村地域の活性化を図るために、コロナ禍において人々の行動や意識に変化が見られる今だからこそ農村地域が密を回避できる安全性が確保された場所であること、またまだ知られていないその土地ならではの地域資源が数多くあることを今まで以上に多くの人に知っていただき、実際に訪れていただき、そのことで交流人口や地域を応援していただける関係人口を増加させ農山村地域でのにぎわいを創出していく、そのための新たな取組が今後重要であると考えるところであります。
 そこで質問ですが、ウイズコロナにおいて交流人口、関係人口を増やし地域活動を維持拡大するために県は今後どのように農山村地域の活性化に取り組んでいくのかを伺います。
 次に、自動車運転代行業の業務の適正化に係る県の取組について伺います。
 飲酒運転や体調不良などにより悲惨な交通事故を起こさないために、代わりに車を運転して指定の場所まで送ってくれる運転代行サービスがあります。皆さんの中にも利用した経験がある方もいらっしゃると思います。この運転代行サービス業を行っている私の地元の業界関係者の方から業界が抱える課題について次のような相談を受けております。
 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律――運転代行業適正化法に基づく運転代行業において、同法に最低利用料金の規定がないため事業者間でいわゆる安価なサービス提供が生じ、利用者への安全かつ確実なサービス提供に努める事業者にとっては原価を割り込み運転回数をこなしても利益が出ず厳しい経営状況に置かれ、経費倒れにより廃業また倒産する事業者があり非常に苦慮しているとのことでした。背景としては静岡県内の運転代行事業者の三五・六%が一台で営業し家族経営のように小規模事業者であることから、最低賃金もなく安価なサービス提供を行っているためとのことでした。
 相談者からは、こうした状況を踏まえ最低利用料金の設定に向け対応を求める要望書を提出したいとの要請を受け一昨年、昨年度と二度にわたり我が会派に要望書が提出され私も同席をいたしました。要望内容に関しては後日県担当職員の方とも意見交換を行ったところであります。
 また、本件に関しては過去において静岡県内の他の運転代行業界団体が県に対し国から県への権限移譲を働きかけるよう要望が行われており、県は運転代行業の安全と質を確保し利用者の保護を図る観点から二〇一七年に地方分権有識者会議に運転代行業の権限移譲の要望を行っております。さらにこの要望を受けた国土交通省は自治体の条例で最低利用料金が設定できるよう各都道府県に技術的助言として通知を行った経緯があります。加えて静岡県以外の動きとしては茨城県の運転代行協会でも条例制定の要望書を県に対し提出したなどの動きがあります。
 以上のような状況を踏まえ、県においては運転代行サービス業の健全化に向けた取組を早期に開始していただきたいと思うことから以下質問ですが、県条例で対応が可能となった最低利用料金の制定について現状での取組内容と今後の取組方針について所感を伺います。
 最後に、富士山の開山に向けた取組について伺います。
 世界遺産富士山は、 国内有数の観光資源であることから毎年国内外から多くの登山客、観光客が訪れる名峰であります。しかしながら昨年の夏富士山は新型コロナ感染症拡大の影響により開山を見送ることとなり、富士山観光による収益を期待する山小屋や観光関連事業者にとって大きな痛手となりました。そのため二年連続での富士山閉山は何としても避けたいところであり、私にも山小屋関係者から多くの要望が寄せられております。
 新型コロナウイルスについては、日本国内でのワクチン接種が医療従事者を対象に先行して開始がされておりますが、国民全体への接種開始にはいましばらく時間を有することから現時点でのコロナ終息は見通すことができない状況であります。したがってこのような状況下で富士登山を再開するためには登山前、登山中、下山までと各段階で新型コロナ感染症の対策に万全を期し登山客や観光客の安心・安全な環境を整えなければならないと考えております。
 私の地元の山小屋関係者などからは、昨年の夏から県や市と話合いを行っており意見を取り上げてもらってはいるが山小屋での感染防止対策を講じるためにはかかる費用も経費の重しとなり自分たちだけでは限界がある、山梨県では県からの支援がとられており静岡においても同様の支援策を期待しているとのお話を伺っております。
 昨年十二月議会において、富士登山再開に向けた我が会派の木内県議の質問に対し県からは、今夏の開山に向けて地元市町や山小屋関係者、交通事業者と共に感染症対策を検討しているとの答弁がありましたが、現在までどのように検討が進んでいるのでしょうか。今年も既に三月となり山小屋関係者においては夏の開山に向けた準備に取りかからなければならない時期となってまいりました。県においてはこうした事業者からの要望をしっかりと踏まえ時期的にも迅速な対応が必要であり、また同時に富士登山や富士山観光を考えている方々に対して感染症対策を徹底するための事前周知を図る必要があります。
 特に登山客に行っていただきたいのが、山小屋での感染防止対策として宿泊者の受入れを一定程度に制限することで登山客が集中しやすい週末やお盆シーズンには弾丸登山者が増えることが想定されます。そのことにより登山中に事故を起こす危険性が高まることから、登山前に混雑状況などを周知し登山者数の平準化を図る対策を山梨県とも連携して今まで以上に講じていただきたいと思います。
 こうした状況を踏まえ質問ですが、間近に迫った今夏の富士山開山に向け県の取組について伺います。以上六項目について答弁を求めます。
○議長(山田 誠君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 勝俣議員にお答えいたします。
 県の総合計画に対する厳しい御評価を頂きました。これを受けまして今後の取組についてお答え申し上げます。
 私は、知事就任以来県政運営の基本理念に富国有徳を掲げております 富国有徳とは富士という字を四字熟語にしたものであります。富士山は日本の国土のシンボルであり、また世界遺産になりましたから人類の共有財産でもあります。この富士山は駿河湾と一体であります。私は我が志は富士よりも高く、また我が思いは駿河湾よりも深いというその思いを一度もなくしたことはありません。この富国有徳という富士を体現した熟語の下に県民幸福度の最大化を目指して今日までやってまいりました。県政運営の羅針盤である静岡県の新ビジョンでは誰もが努力をすれば夢がかなうと、ドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点、言わばドリカムランドとなるべくその実現に全力で取り組んでおるところであります。
 新ビジョンにつきましては、総合計画審議会や県議会でも御議論を賜るなど常にPDCAサイクルにより進や課題を検証し施策の改善、また新たな展開を図ってまいったところでございます。議員から御指摘を頂きました人口減少社会の克服、医療提供体制の整備、また学校教育の充実等々の課題につきましても、新ビジョンに掲げる目標の達成に向けまして御評価に基づき総仕上げのための予算を編成したところであります。
 具体的には、人口減少社会の克服につきましては、今年度改定するふじのくに少子化突破戦略の羅針盤を活用いたしまして地域の特性に応じた少子化対策に取り組む市町を支援してまいります。また学校教育の充実につきましては、高等学校を取り巻く状況の大きな変化に対応するために普通科の特色化、新学科――演劇科などはその一つでございますが――の設置、実学の奨励等々に取り組んでまいります。
 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、計画に掲げる目標の実現はもとより予断を許さない状況でございます。このため今年度の新ビジョンの評価では感染症の影響に対する現状と課題、また取組状況と今後の主な方向性を明示したところであります。まずは感染拡大の防止とリスクへの備えに万全を期するとともに、いわゆるフジノミクスによりまして経済の拡大、個人消費の拡大を図りふじのくにライフスタイルを創出してまいります。ふじのくにライフスタイルというのは自分の好きなライフスタイルが選べるという選択肢が多い、これを静岡県のこの全体としてのふじのくにライフスタイルと申し上げているわけですけれども、 こうした選択肢が自由に選べるような地域を目指してまいりたいと、富士山にふさわしいような美しく気高い地域づくりということでございます。
 令和三年度は新ビジョンの基本計画の最終年度となります。これまでの課題を克服し新型コロナウイルス感染症にも的確に対応しながらウイズコロナの時代、アフターコロナの時代の先導的地域となるべく全県を挙げて新ビジョンの取組を加速させてまいりますので県議会の皆々様のさらなる御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(山田 誠君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) ふじのくにのフロンティアを拓く取組の第二期計画の進状況と今後の展開についてお答えいたします。
 ふじのくにのフロンティアを拓く取組は平成二十五年度にスタートし、今年度は第二期計画の中間年に当たります。第二期計画では第一期で指定したふじのくにフロンティア推進区域の早期完了とICT等の新しい技術を活用しながら、より広域的な地域づくりを目指すふじのくにフロンティア推進エリアの形成を進めております。
 推進区域につきましては、県内全三十五市町の七十四区域で整備が進み今年度末でおよそ三分の二に当たる四十八区域で事業が完了するなど順調に進しております。この取組により豊かな自然と調和したゆとりのある暮らし空間を提供する四百区画の住宅地が造成されました。また百七十ヘクタールの工業・商業用地が整備され昨年九月末時点で百四社が立地し、四千二百人を超える雇用が創出されております。
 第二期から取り組んでおります推進エリアの形成につきましては、昨年度議員から御紹介のありました御殿場市のエコガーデンシティ産業立地促進エリアをはじめ二エリア二市町の取組を認定いたしました。今年度は島田市、牧之原市及び吉田町の二市一町や下田市及び賀茂郡五町による自治体連携の取組など六エリア十三市町の取組を認定いたしました。この結果八エリア十五市町において多彩な取組が展開されておることとなり、目標を上回り順調に進しております。
 これまで県は、推進区域の早期完了と推進エリアの形成に向けアドバイザーの派遣やワンストップでの相談対応、推進エリア計画策定費助成など全庁を挙げて市町の取組を支援してまいりました。これらに加えまして令和三年度には推進エリアでの具体的な取組を加速させるための助成制度を新たに創設することとし、本議会に予算案をお諮りしておるところでございます。
 県といたしましては、東京一極集中から多極分散型への流れが加速していく中、多彩なライフスタイルを選択できる環境を県内各地に創出することにより安全・安心で魅力ある地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 天野経済産業部長。
○経済産業部長(天野朗彦君) 就労に困難を抱える方への就職支援についてお答えいたします。
 昨年八月に設立されたしずおか就職氷河期世代活躍支援プラットフォームは、静岡労働局を中心といたしまして県経済産業部と健康福祉部、政令市、業界団体などが構成員となり、特に三十代半ばから四十代半ばの就職氷河期世代を対象に不安定な就労状態や無業の状態にある方の社会参加の促進や正規雇用の増加を目指す組織であります。
 令和元年度に健康福祉部が市町と共に実施した調査によりますと、ひきこもりの方は年代別に見ると四十歳代、五十歳代、三十歳代の順に多くなっており、これらの年代で全体の約七割を占めております。就職氷河期世代と重なることから、この新たなプラットフォームを生かし広くひきこもりの方などの社会参加や就労支援にも関係機関が連携して取り組むことが重要と考えております。
 ひきこもりの方につきましては、まず健康福祉部や市町が自宅以外で安心して過ごすことのできる居場所づくりを進め社会への一歩を踏み出すための支援を行っております。そして職業的自立に向けましては、静岡労働局が地域若者サポートステーションを中心に職業相談や社会への適応訓練、就労体験等を行いハローワークを通じた就職活動へつなげております。
 一方、不安定な就労状態にあった方は一旦就職しても離職する例も多く幅広く就労相談などの支援のための門戸を確保する必要があります。このため県のしずおかジョブステーションでは、本年度から相談員を三人増員し就職氷河期世代の方々やひきこもりの方などの就職支援に注力をしているところであります。この中で就職に向けた準備が必要な方につきましては、静岡労働局の地域若者サポートステーションへと橋渡しをしたり技術専門校での職業訓練につなげるなど国や自治体、関係団体などが密接に連携して相談から教育訓練、就職まで切れ目のない支援に努めているところであります。
 県といたしましては、自立に向けたステージに応じたプラットフォームの各構成機関による支援事業を効果的に連携させることで、就労に困難を抱える方を誰一人取り残すことなく全ての人がそれぞれの力を発揮し活躍することができるよう引き続き支援体制の充実に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 農山村地域の活性化に向けた取組についてお答えいたします。
 県はこれまで、農業の営みの中で維持されてきた農地や美しい景観、伝統文化などの地域資源を次世代に継承するために住民の皆様が主体的に活動している地域をふじのくに美しく品格のある邑として登録し邑の情報発信や地域外の人々との交流促進等を通じて地域の活性化を支援してまいりました。
 現在ウイズコロナ時代における新しいライフスタイルが広がる中、議員御指摘のとおり農山村地域が密を回避できる安全性が確保された場所であること、また身近な地域にその土地ならではの地域資源が数多くあることなどから、感染予防対策を徹底した上で交流人口や関係人口を増加させ農山村地域のにぎわいを創出していくことが重要であると考えております。
 このため、本県を象徴する茶園やわさび田などが織りなす景観に加え、そこに住む人々のなりわいや活動、歴史的背景などを県民が学び地域への愛着を育めるようSNSを活用した農山村応援ツールである「むらサポ」等により来訪者のニーズや感性に合った情報を収集、発信してまいります。またこれらの情報を基に御殿場をはじめとした富士山周辺や大井川流域等の交流人口の拡大に取り組むエリアをモデル地区として、少人数で短時間でも地域の魅力に触れ合える地域発意の体験型モニターツアーを実施し来訪者と農山村のニーズや課題を検証してまいります。さらに周辺の美しく品格のある邑と相互に連携した取組に発展させることにより多彩な地域特有の文化を享受できる新たなマイクロツーリズムを創出し交流圏域を広げてまいります。
 県といたしましては、こうした新たなにぎわいを創出する取組により農山村地域の活性化を支援してまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 長繩交通基盤部長。
○交通基盤部長(長繩知行君) 自動車運転代行業の業務の適正化に係る県の取組についてお答えいたします。
 自動車運転代行業は県内で二百四十二事業者が公安委員会により認定されております。県は利用者保護の観点から公安委員会の協力を得て、全ての運転代行業者を対象とする立入検査を通じて損害賠償保険への加入状況等を確認しているほか事業者向けの講習会を実施しております。
 最低利用料金の設定に関しましては、国の技術的助言である平成三十年の通知におきまして県条例による設定が可能であり、地域の実情を正確に把握した上で設定する必要性を検討することが示されました。あわせて従事者の適正賃金や利用者の安全確保に必要なコストを勘案するとともに、不当に高額とならないことが求められております。
 このため、県は国の指導に基づき最低利用料金の設定を検討する基礎データとして活用するため、県内を伊豆地域とその他地域に区分し事業者を規模別に抽出した上で利用料金を調査いたしました。国は全国での調査結果等を踏まえて本年料金原価や収入等に関する実態調査を行うこととしており、県はこの調査に協力をしてまいります。あわせてタクシー料金の認可制度とその運用状況などを参考にしながら最低利用料金の設定や更新に必要となる事務量などの課題も検討してまいります。
 県といたしましては、利用者保護の観点から引き続き運転代行業の適正な運営を促進するとともに、国や他県の動向も注視しながら条例化について検討してまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 富士山の開山に向けた取組についてお答えいたします。
 県では、今年の夏の富士登山再開を目指し地元市町、 山小屋などの関係者と共に検討会を設置し新しい富士登山の在り方について協議を続け、現在具体的な対策の実施について地元関係者等と調整を進めているところであります。まずは山にウイルスを持ち込まないために富士登山オフィシャルサイトにコロナ対策ページを設け登山者に対し計画段階で感染症対策に必要な知識を周知するとともに、旅行事業者を対象とするガイダンスを開催し感染症対策の徹底を要請してまいります。 現地では山麓の二合目や五合目等にスクリーニングポイントを設け検温や体調チェックを徹底して実施してまいります。
 登山道での密を防ぐ対策といたしましては、週末やお盆の御来光前の時間帯に山頂付近で密の状態が発生しないようソーシャルディスタンスを確保するための誘導員を増員するとともに、平日の登山へ誘導するため混雑予想カレンダーや感染リスクの広報などの情報発信を行い登山者数の平準化に努めてまいります。特に御指摘を頂きました弾丸登山者への対策といたしましては、 夜間に五合目まで登るための交通手段を制限することにより抑制を図ってまいります。山小屋につきましてはパーティションの設置による飛沫拡散防止や換気の強化対策などを盛り込んだガイドラインを設定し、必要な設備や資材購入費等を対象とする助成制度を新たに設けることとしております。
 今年の夏は安心・安全な富士登山や富士山観光を楽しんでいただけるよう、山小屋関係者や交通事業者の皆様と協力を密にして万全の感染症対策に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 勝俣 昇君。
       (八番 勝俣 昇君登壇)
○八番(勝俣 昇君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 要望を一点、再質問を一点お願いいたします。
 要望ですが、農山村地域の活性化における件についてですけれどもこの件については今ソフト面の施策を行っていただくというようなことでありますが、御殿場で実際に農家民宿を営んでいる方の話では農家民宿の数が団体客を受け入れるのに数が少ないということで、川根本町は十一戸ですか、今あってですね、海外からの修学旅行生を受けたり事業効果が高いというんですけれども、御殿場の場合には農家民宿をやりたいという人はいるんですけど開業に当たってのノウハウがない、諸課題があるということでちゅうちょしていると。やっぱり仲間づくり受皿づくりをやっぱり充実させていただきたいというふうな声を聞いております。県においてもこれが国の交付金の活用になるようですが中に入っていただいてそちらの受皿づくりも御支援頂ければと思います。
 再質問です。
 先ほど富士山の登山について山梨県との交流を図っていただきたい、答弁でなかったんですけどその辺をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(山田 誠君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 山梨県との対策ですけれども、検討会、先ほど申し上げましたがそこにオブザーバーとして参加を頂いております。また担当者同士も様々な意見交流を行っています。助成制度についても山梨県と基本的には同じような制度を設けております。以上でございます。
○議長(山田 誠君) これで勝俣昇君の質問は終わりました。(拍手)

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