• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 洋佑 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/28/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 財政健全化への取り組みについて
 (1) 財政健全化の目標の見直し
 (2) 予算編成手法の改革
2 事業仕分けの見直しについて
3 スポーツ産業の振興について
4 浜名湖花博十周年記念事業について
5 国土強靭化計画を踏まえたインフラの整備について
 (1) 津波対策事業の推進
 (2) 三方原用水の更新整備
6 教育に対する信頼の回復について


○副議長(大石哲司君) これで遠藤行洋君の質問は終わりました。
 次に、五十四番 鈴木洋佑君。
       (五十四番 鈴木洋佑君登壇 拍手)
○五十四番(鈴木洋佑君) 実は、けさから突然せきが出るようになりまして、風邪なのか、花粉症なのか、中国産のPM二・五なのかちょっと原因はわかりませんけれども、お聞き苦しい点がありましたらぜひお許しをいただきたいと思っております。
 私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について、知事及び関係部局長、教育長に通告に従いお伺いいたします。
 初めに、財政健全化への取り組みについてのうち、財政健全化の目標の見直しについてであります。
 本県は、平成十二年度当初予算編成において財政危機宣言を行いあわせて財政健全化のための目標を設定し、これまで財政運営に努めてきたものと思われます。
 現在、財政健全化の目標は四つあり、通常債の県債残高二兆円程度を上限、経常収支比率は九〇%以下、実質公債費比率を一八%未満に抑制、将来負担比率を四〇〇%未満に抑制の四つであります。このうち通常債の県債残高は既に一兆八千億円を下回る見込みで目標を下回る状況である一方、経常収支比率は目標の九〇%を下回ることは非常に困難な状況となっております。
 一方、予算編成の基本は歳入と歳出が符合することでありますが、財政の中期見通しによれば毎年度四百億円を超える財源不足額の発生が想定されております。
 これに対して、県では財政調整に充てることが可能な基金の活用で対応しておりますが、この財政調整用の基金が枯渇した場合には予算編成そのものが困難になるわけであります。財政健全化の目標を持って財政運営をしていると言うものの、毎年毎年財源不足額が生じるというのは問題ありということではないでしょうか。
 知事は、常々IRなどにおいて本県の財政は健全であると説明されているようですが、私には疑問としか思われません。このような状況の中で今の健全化の目標に意味があるのでしょうか。私は新たに目標を設定し直す必要があると考えます。
 知事は、このような状況である財政健全化の目標についてどのような認識でおられるのか、また目標の修正、変更をするつもりがあるのかないのか、お伺いをいたします。
 次に、予算編成手法の改革についてであります。
 本県の予算編成手法は、平成十八年度当初予算編成以降秋口に当初予算編成の仮試算を行い発生が予想される財源不足額を算出して、その解消策を中心に編成方針を示しております。これに対し、各部局では義務的事業以外の各種事業において効率化のための数値目標を踏まえた調整額を財政当局に提出し、県全体での年間所要額を精査して設定するわけであります。そしてまた近年では総合計画の基本計画に位置づけられた重点取り組みについては、効率化の数値目標の対象外として新規事業等の所要額での提出が認められております。
 以上がこれまでの予算編成手法であると考えますが、年々多様化する県民ニーズや地震・津波対策等の危機管理面での対応は、機動的とは言いがたい状況にあると言わざるを得ません。また各部局においては毎年度連続する効率化という名を借りたシーリングのもとで前年度踏襲型の調整案の提出にとどまっている嫌いは否定できず、本県の予算編成手法は結果的に硬直化の危機にあり改革の必要性が高まっていると言えます。
 私は、廃止・縮減すべき事業と力を入れて増額しなければならない事業をはっきり区別し、大胆に予算配分を変えていくことが必要ではないかと考えるものであります。
 このような状況を知事はどのように認識し、今後の予算編成手法の改革についてどのようなビジョンを持たれているのかお伺いいたします。
 以上、ここまでが予算関係の質問でありますが、財政運営や課題について実は思い起こしますと前知事はかなりの時間をかけて本会議場において説明や理解を議会に求めてきたように思われますが、川勝知事になられてから就任以来財政問題に対する答弁数が少ないようなそんな気がいたします。
 それからもう一点は、県行政においては理想像を提示することと財政運営は表裏一体の関係にあるはずですから、ぜひ知事御自身のお考えと言葉で責任のある御答弁をお願いをしたいと思います。
 次に、事業仕分けの見直しについて伺います。
 県は、平成二十一年度からの四年間で二百六十四事業を対象に事業仕分けを実施し約四十九億円の財源を捻出いたしました。また平成二十三年度からは県民評価者方式を導入し、県民からの意見や改善提案を事業見直しに活用してまいりました。しかしながら平成二十四年度においては事業仕分け対象事業費は約三十七億円であり、平成二十一年度の約五百三十二億円と比較すると大幅に減少し平成二十五年度当初予算に対する財源捻出効果も二千万円にとどまっております。また事業仕分けの実施方法に当たっても、議論する時間が少ない中で事業に対する理解や責任を有さない無作為に選定された一部の県民により不要と判断されるような方法が採用されているわけであります。そもそも論から言っても県の施策、事業は県当局による検討、調整が行われ議会において審議されるなど、内容や手法は時間をかけて議論をされているものであると私どもは考えています。このような過程の中で事業仕分けの果たすべき役割とは何なのか、改めて問い直す必要がありと思っております。
 私としては、知事の強い意向により事業仕分けが開始をされ四年間が経過する今こそ、財源捻出効果が減少し実施方法やそもそも論の位置づけにも課題が多い事業仕分けは廃止したら、簡単に言うとやめちゃったらどうだとこういうようなことを考えておりますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
 次に、スポーツ産業の振興について伺います。
 昨年のロンドンオリンピックでは、本県選手の活躍を含め日本は過去最高のメダルを獲得するなど、県民に夢と感動を与えスポーツへの興味と関心を大いに高めました。現在二〇二〇年の東京オリンピック開催招致に向けて国を挙げて取り組みが進められており、ことし九月には開催地として決定をする予定であります。スポーツは老若男女を問わず日本に活力を与える起爆剤となり閉塞感が充満している社会を明るくする効果があり、また東京オリンピックが開催された場合の経済波及効果についても、東京都の試算では都内で約一兆六千七百億円、その他の地域で一兆二千九百億円、都合日本全体では二兆九千六百億円と巨額に上ることが発表されております。
 このように、スポーツがもたらす健康への効果やスポーツ大会開催などによる経済効果が明らかになっていく中で、本県においては全国に先駆けて地域経済の活性化を目的にスポーツ産業の振興を掲げ、昨年三月に西部地域において静岡県西部地域スポーツ産業振興協議会が設立され、産学民官が連携して地域資源を活用したスポーツイベント、スポーツ合宿、新たなスポーツ用具開発など新しいスポーツ産業を創出しようと活動を始めております。
 このような取り組みはまさに時宜を得たものであり、オリンピック開催による経済波及効果が示すようにスポーツ産業は地域経済の振興に対しはかり知れない効果を及ぼすものであり、東京オリンピック招致活動で盛り上がる今こそ、県として西部地域での取り組みにとどまらず全国の先駆けとなるくらいの気概を持って全県的な取り組みとして引き続きスポーツ産業振興の取り組みを積極的に支援すべきと思われますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、浜名湖花博十周年記念事業について伺います。
 平成二十六年春に開催する浜名湖花博十周年記念事業は、昨年九月に川勝知事を会長とする実行委員会を設立し、第三十一回全国都市緑化しずおかフェアの同時開催や開催期間をこれは知事に大変お世話をかけましたけれども、肝いりで七十二日間とすることなどが決定いたしました。
 平成十六年に浜名湖ガーデンパークを会場に開催した浜名湖花博は、五百万株に及ぶ世界の花々や二百三十を超える国内外の庭園が出展され、全国から五百四十五万人の来場者をお迎えしました。また多彩なコンテストやイベントなどには多くの県民の皆様が参加し、さらに小学生からお年寄りまで幅広い年齢層から成る約三千人を超えるボランティアが会場内のサービスや維持管理に活躍するなど、県民が一体となって会場運営を支援していただきました。
 今回の事業についても、浜名湖花博に出展をした企業や団体、生産者やボランティアの方々など県民を挙げてこの事業を盛り上げていく必要があるものと考えております。また景気の低迷が続く中、地元の商工業者や農業の関係者さらには舘山寺温泉を中心とした観光関係者などからは、地域活性化の契機となる取り組みと期待する声を数多く耳にします。
 県当局におかれましては、現在基本計画を策定中と伺っておりますが、県内外より多くの方々に御来場いただくような魅力ある事業とするための検討が進められているものと思われます。開催まで一年余りと非常に準備期間が短い中、現在の準備状況と今後の取り組みについて伺います。
 次に、国土強靱化を踏まえたインフラの整備についてのうち、まず津波対策事業の推進について伺います。
 国政においては、政権交代に伴い大規模災害に対する強靱な社会基盤の整備等事前防災を重視した国土強靱化の取り組みを進めていくとしております。
 本県においても、二月十三日に第四次地震被害想定の中間報告として駿河トラフ、南海トラフ側の津波高などが公表され、本年六月をめどとする最終取りまとめに向けより具体的な対策の検討が進められているかと思われます。
 これまで県では、昭和五十一年の東海地震説の発表以降県の重要施策として津波対策を進めてきており、東日本大震災以降は一昨年九月に策定した津波対策アクションプログラム短期対策編に基づきできることから対策を実施してきております。
 今後の施設整備については、有識者で構成する静岡県防災・原子力学術会議津波対策分科会から科学的助言を得て、本年六月に策定公表する仮称地震・津波アクションプログラム二〇一三に位置づけ、本格的な津波対策施設の整備に着手すると聞いております。
 これを見越し来年度当初予算においても、災害に強い地域基盤の整備を重点項目の一つとして掲げ予算配分がなされております。県民の安全・安心を実感できる防災先進県の実現を目指すには津波対策事業の推進が不可欠であり、今後はさらに国の交付金や津波対策施設等整備基金の有効活用など積極的な対応が求められます。
 そこで、今後国土強靱化に向けたインフラ整備として津波対策をどのように進めていくのか、県当局の見解をお伺いします。
 次に、三方原用水の更新整備について伺います。
 かつて、三方原は荒れた原野が広がり、この地に課した大自然のおきては激しいまでに厳しく人を寄せつけないほどでありました。戦後祖国再建の緊急事業としてこの地の開拓が進められましたが、台地であるがゆえに農業用水は雨水に依存するしかなく不安定な農業経営を余儀なくされてきました。その後安定した農業用水の確保と台地水田を畑地に転換することを目的に、昭和三十三年の国営水利事業の着手から平成二年度の附帯県営事業の完了まで実に三十二年の年月を費やし三方原用水施設が整備されたものであります。
 この用水の整備は、明治時代に社会事業家の金原明善翁が手がけた天竜川からの分水計画に始まり天竜東三河特定地域総合開発計画の中でなし遂げられたものであり、まさに地域の悲願であったのであります。
 こうした豊富な農業用水と大消費地近郊の強みを生かし、浜松市はチンゲンサイ、セルリー、ミツバ、ガーベラ、バレイショの生産量が全国トップクラスで、農産物の一大産地に成長いたしました。
 また、繊維産業や輸送機器産業への変遷を支えてきた工業用水や浜松市民の上水としても活用され、浜松市の発展を支えたまさに命の水と言えます。しかしながら主要な水利施設は造成されてから既に半世紀が経過しており、老朽化が進み漏水が発生するなど機能低下が懸念されております。また大規模地震の発生に対する備えも急務となっております。このことから国は、水利施設の更新整備事業の着工に向け来年度予算に全体実施設計費を計上したところであります。三方原用水施設の更新事業は、浜松市にとって地域の思いを未来に引き継ぐ世紀の一大プロジェクトでもあります。
 老朽化対策や耐震対策は、言うまでもなく実施しなければならない重要な課題でありますが、三方原用水が浜松市の農業に大きく貢献したことを考えますと、今回の施設の更新整備は単なる改修に終わらせることなく、将来にわたって持続的に発展していく力強い農業の展開へとつなげていかなければならないと感じております。
 そこで、私はこの事業を平成の三方原開拓として地域農業の未来を開く契機とし、国と連携して積極果敢な取り組みを展開すべきと考えますが、県はどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 最後に、教育に対する信頼の回復についてお伺いいたします。
 部活動における体罰が原因で高校生が自殺する事件が起きたり、いじめ問題への対応の中で学校側の発表と第三者委員会の報告とに違いが生じるなど、教育に関する深刻な問題が毎日のように報道されております。こうした状況の中、教育に対する不信感が全国的に高まり、長年かけて築かれてきた教育への信頼を揺るがしかねない事態となっております。教師と生徒との信頼感が欠如しさらには教育委員会自体も信頼感を失っている現状に、私は非常に強い憂いを感じているわけであります。
 教育は本来学校や先生に対する子供や保護者の信頼感の上に成り立つものであります。一旦先生が子供から不信感を持たれてしまったらどのような指導も成り立ちません。学校が保護者や地域から信頼を失ったら学校自体も成り立ちません。これは大変深刻な問題であると捉えております。もちろん個々の教職員を見れば一生懸命頑張っている尊敬すべき先生もたくさんおられることは承知しております。日々子供たちと真剣に向き合い、真摯な努力を惜しまず授業実践に取り組んでいる先生方が大多数であります。地域と連携した特色ある教育実践を地道に続けている学校もたくさんあります。
 本県においても、先日高校生ひらめき・つなげるプロジェクトの表彰式があり地域の活性化等に貢献した高校生の姿が報道されていましたが、こうしたすばらしい成果を上げた高校生の陰には、彼らのやる気を引き出し時には励まし支えてきた先生方がいるわけです。しかし一部の教職員の不祥事等により学校や先生に対する不信感が世間に蔓延すれば、こうした多くの先生方の努力も報われないだけでなく今後どれほどよい取り組みをしてもそれが子供たちに真っすぐ受けとめられず、結果的に子供たちの健やかな成長を妨げてしまっているのではないかと私は強く危惧しているところであります。
 私は、子供たちから信頼され尊敬される先生を取り戻したいと切に願っております。そのためにはまず子供たちは社会的に未熟で弱い存在であり、そうした弱い者と向かい合い育んでいるのだという認識を先生方には改めて持ってもらいたいと思っております。そして一人一人の子供の実態を踏まえたきめ細かな指導を一人一人の先生が心がけていくことができるような学校づくりを進め、こうした取り組みを保護者や地域の多くの人に知っていただくことが大事なことだと考えております。
 教育に対する信頼回復に向け、これからも先生方には子供の人格を形成するという崇高な職責を自覚し、教職員としての自信と誇りを持って未来を担う子供の豊かな人間性を育んでいただきたいと願うものであります。学校や先生に対する信頼についてどのようにその回復に努めていくのか、これからの取り組みについて教育長の御見解をお願いいたします。
 そこで、まだ時間もありますから、この機会を利用いたしまして知事に一言申し上げたいと思います。
 先般の十二月議会、我が会派の多家議員より知事発言の言葉の重みという質問がなされましたが、実は私が体験いたしました一月の公式行事においての知事の発言について、あえて実は申し上げたい。具体的に言うならば浜松商工会議所の賀詞交換会の折でありました。発言内容の中の高校教師についての発言でありますが、あの程度の教師でとか高校教師全般を非難しているとしかとれない発言が実はありました。この中の議員諸兄も大勢出席しておりましたので十分御認識のことだろうと思います。あのような趣旨の言葉は、行政府の長として教育行政も知事の手の内にあるわけでございますので、ぜひおやめいただきたいと思います。会場にいた皆さんからもその発言におおという声が上がりました。笑い声も上がりました。しかし決して知事発言への肯定の声ではなかったと私は実は感じております。川勝節は川勝節で結構だと思いますが、その場には政府や産業界の重鎮や静岡県の高校に子供を通わせている親がいたり、あるいは身内に教育界に関係をする人たちもおったかもわかりません。しかもあの言葉は決して知事御自身のためになる発言であったと私は理解できませんでした。
 まずはともかく、少なくとも私がただいま質問をさせていただきました静岡県の教育界の信頼につながる発言であるとは私は到底考えられませんでした。知事に一考をしていただきたくあえて――本当にあえてなんですが――一言申し上げ、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木洋佑議員にお答えいたします。
 せきもなく、名調子で御質問をなさいまして、教育問題を含め全体の現状認識を共有するところが多々ございました。どうぞお大事になさってくださいませ。私自身はインフルエンザで気管支をひどく痛めまして、インフルエンザ自身は完治いたしましたけれども後遺症としてまだせき込むことがございまして、お聞き苦しい点がありますことを御容赦願いたいと存じます。
 さて、初めに財政健全化への取り組みについてのうち、予算編成手法の改革についてであります。
 予算を編成する際には、限られた財源の中で多様化する行政ニーズへの的確な対応と将来にわたる持続可能な財政運営の確立をバランスよく実現していくことが重要であると認識しております。
 こうした認識のもと、平成二十五年度当初予算の編成につきましても、まずは健全財政の枠組みの堅持を基本とし効率化のための数値目標を掲げまして歳出のスリム化や歳入の確保を図りました。一方戦略展開テーマに基づく事業やふじのくにづくり事業につきましては、特別枠として所要額での部局長調整案の提出を認め喫緊の課題を踏まえた施策の重点化を図りました。
 しかし、財政の中期見通しにおいて社会保障関係費等が増加することははっきりしています。今後も多額の財源不足が確実に見込まれます。そうした中でなお富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを着実に進めていくには、これまで以上にめり張りのある予算を編成していかねばなりません。
 このため、今後の予算編成に当たりましては、毎年度の財政環境や社会情勢の変化を踏まえ従来の発想や固定観念にとらわれず思い切った事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底や県民ニーズに即した施策の一層の重点化などについて検討し、県民が真に求める施策を実現できるよう予算編成手法の改革といいますか、改善に努めてまいります。以上は現状における税制体系、財政構造のもとにおける必死の努力の中での私どもの手法でございます。
 一方、中長期的なビジョンについてお問い合わせでございましたけれども、私は東京都を除く四十六道府県そしてまた中央政府におきましてもこの財政問題は極めて厳しいというふうに認識しております。この間の中央政府の国民に対する借金は一千兆円という状況になっております。私どもの県民に対する借金も二兆円というようになっております。こうした中で歳出が歳入を上回るという状況を改善できないでいるばかりか、いわゆる交付金のかわりに国からいわば強制的に押しつけられてくる臨時財政対策債というのもございます。これはいわば小切手でございまして現金ではございませんで、不渡りになりかねないような状況です。もちろん不渡りではありません。国が保証しているのでありますから。しかしその国の中央政府の財源はございますか。誰が見てもこれは厳しいということでございます。そうした中でこのままいくと共倒れになるという危機感を強く持っております。
 このたび、二月の中旬に内陸のフロンティアが総合特区として認められました。と同時にこれは国の新しい地域づくり、安心・安全な地域づくりのモデルになるということも期待されております。その中にあえて留保条件として国から言われたことがございます。すなわち内陸のフロンティアのみならず沿岸都市部の関係をも見るようにということでございます。言いかえますならば、実はこれは静岡県全体が特区のもとでしっかりやってくれということでございます。
 これを一つ皮切りにいたしまして、もし静岡県がほかから一切の援助なしにこの県における一次、二次産業、三百七十余万の人口だけでやっていく場合に、どのような財政が成り立ち得るかというシミュレーションを命じました。言ってみれば交付税はないと。一方中央政府に納めるべき税もないと。こちらで全部上がってきたものの税金を取ると。特区というのはそういうことになります。突き詰めれば一国の中に多制度があるということになってまいります。そうした場合にそれが可能なのかどうか。つまり歳出と歳入をバランスさせることが可能なのかどうか。これを今始めております。
 このままですと、本当に本県のみならず、本県は四十六道府県の中でまだましなほうでございます。したがっていわばみんなで渡れば怖くないような形で将来世代にツケを回しているという状況が続いております。この危機感を共有して私どもは何か始めなければならない。この始めるきっかけをこの総合特区、県全体を総合特区とみなした場合には何ができるかというシミュレーションを財政面で始めたということでございます。
 次に、浜名湖花博十周年記念事業についてであります。
 これにかかわる前提といたしまして、本県は例えば伊豆半島は地熱がございますので、一月から十二月まで花を咲かせない月はございません。さらにまた南アルプスは中央アルプスや北アルプスと違いまして南風が当たりますので、標高が高い三千メートルのところでは高山植物がきれいなかわいい花を咲かせます。また低地におきましてはさまざまな温帯、亜熱帯的なものが咲きます。水と太陽というものに恵まれたところですので植物相が非常に豊かです。
 この植物相がどれくらいあるか。これは二〇〇四年――平成十六年にレッドデータブックというのを本県が編んでおります。それによりますと四千余りの植物がございます。その中でお花としての品目数、中央政府農水省が挙げている本県のお花の品目数は十七です。十七というのは私が知っている品目数より少ないということで、農水の事務次官皆川氏にお目にかかりに行って、「これはおかしい。十七品目以上ある」と言いましたところ、事務次官のほうから、「実は農水省の統計をする部局が大きく整理されてそれをする人がいない。したがってこういう中途半端な統計になっている」ということでございました。「それならば、私は自分で本県の品目数を調べます」ということになりまして、そして本県において生産され商品になっている花の品目数を数えたわけです。それが平成二十三年段階で六百七十四品目あります。十七品目の四十倍です。ですから全国統計の中では本県は十七品目しかありませんけれども、実際はその四十倍あります。
 そして、先ほどこの三方原のところでガーベラをつくられていると。このガーベラも一品目ですが、その一品目の中に浜松だけで百三十以上のガーベラの品種がございます。あるいはカーネーション、これは河津のカーネーションの畑が有名ですけれども、そこだけで三百七十以上の品種がございます。トルコギキョウしかり、バラしかり、菊しかり、全てそうしたものの品種を仮に一品目につき百品種あるとすれば、六百七十四に百を掛ければ六万七千四百ものさまざまなお花が繚乱と咲きにおうのがこの静岡県でございます。したがって私は、形容詞としてではなくて文字どおり花の豊かな都というそういう場のいわば言霊が浮かび上がってくるということでございます。
 今月初めに、東京池袋におきまして静岡県が当番県として開催しました第六十二回関東東海花の展覧会におきましては、秋篠宮同妃両殿下、そして高円宮承子女王殿下、そして同典子女王殿下に御臨席を賜る光栄に浴しまして、「ようこそ花の都しずおかへ」をテーマとした特別展示を御観覧いただきました。本県産の花卉の魅力をお伝え申し上げたところでございます。あわせて平成二十六年春に浜名湖花博十周年記念事業と第三十一回全国都市緑化しずおかフェアを屈指の花の産地である浜松市におきまして開催することを御紹介申し上げました。
 現在、県と浜松市及び関係団体等で構成する実行委員会におきまして基本計画を策定しています。この基本計画では、本県の持つさまざまな場の力の発信、参加と協働、花と緑あふれる暮らしの体感や産業文化の創造などを計画に盛り込む予定でございます。また全国から多くのお客様に来場をしていただくように、全国の自治体や企業が参加する庭園のコンテストや皇室殿下の御臨席を賜る全国都市緑化祭などを開催する予定でおります。さらに美しい庭園と水辺空間の浜名湖ガーデンパーク、専門的な知識を学ぶことのできる植物園のはままつフラワーパークそれぞれの持つ特色を生かしまして、相乗効果が高まるよう魅力ある演出を検討してまいります。こうした開催準備を迅速に進めるために、県に新しい組織を設置するなど推進体制を強化いたします。それとともに準備に係る経費について本議会にお諮りしているところでございます。
 県としましては、この浜名湖花博十周年記念事業を国、浜松市、関係団体等と連携し、花卉産業の振興と都市緑化の推進、さらに西部地域の活性化につながるよう開催準備を着実に進めるとともに、花の都しずおかづくりのキックオフにしたいというふうにいたしまして、国内外に情報を発信してまいる決意でございます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(大石哲司君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 財政健全化への取り組みについてのうち、財政健全化の目標の見直しについてお答えいたします。
 現状の財政体系の中においてという前提でお答えいたしますと、財政健全化四指標についてのうち、国が健全化判断比率として定める実質公債費比率と将来負担比率につきましては、平成二十三年度決算において目標をクリアしております。一方県が独自に設定しております二指標についてのうち通常債の県債残高につきましては、先日公表いたしました財政の中期見通しにおいて平成二十五年度以降の五年間で一兆七千億円台から一兆五千億円台で推移しているということで、目標である二兆円程度を大幅に下回る見込みではあります。しかしながら国の景気対策に呼応して対応を図る必要がある場合など、社会経済情勢によっては通常債の発行額をふやさざるを得ない状況もございます。県債残高につきましてはある程度幅を持って管理せざるを得ないため、現時点では二兆円程度の目標数値を直ちに変える必要はないのではないかというふうに考えてございます。
 また、経常収支比率につきましては、今後一般財源総額が据え置かれる場合には九五%から九六%程度で推移するというふうに見込まれまして、議員御指摘のとおり目標数値であります九〇%を下回ることはなかなか難しい状態となっております。これは社会保障関係費等の義務的経費の増加あるいは地方交付税の抑制が主な要因でございまして、県だけの努力ではなかなか解決できない状況にあるということを認識してございます。このため目標数値の見直しあるいはこれにかわる指標につきましては、地方財政制度あるいは他県の状況を踏まえまして研究してまいりたいと思ってございます。いずれにいたしましても、四つの指標を総合的に管理しながら財政の健全化に努めてまいります。
 次に、事業仕分けの見直しについてであります。
 本県では、行政改革を推進する戦略の一つとして透明性の高い行政運営に取り組んでおり、事業仕分けもその一環として県民意見に基づく事業の見直しや県政への理解促進及び県政参加意識の向上を目的に実施しているものであります。その上で事業の見直しによる結果として財源が捻出されておりますが、事業仕分けは予算削減だけを目的にしているというわけではございませんで、重要なことは、事業の見直しに県民の皆様方からいただいた御意見を活用し県の事業に対する信頼を得ることであると認識をしてございます。
 また、事業仕分けは、予算案として県議会の皆様方にお諮りする前の段階で県事業の翌年度の方向性を決定する際の参考意見をいただく補完的、予備的な行政評価の仕組みであります。限られた時間の中で有意義な議論が行われるよう実施方法についてさまざまな改善を重ねており、参加された県民の皆様方からは高い評価をいただいているということでございます。
 来年度は、新たに行財政改革大綱を策定する時期でもありますので、県民参加型の行政評価手法としてさらなる改善を図った上で、静岡県行財政改革推進委員会との関係を深めました新たな仕組みとして実施してまいりたいと考えてございます。以上でございます。
○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
       (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
○経済産業部長(吉林章仁君) スポーツ産業の振興についてお答えいたします。
 県では、成長が期待される分野であるスポーツ産業を全国に先駆けて振興することとし、県西部地域をモデル地域として昨年三月にスポーツ産業振興協議会を立ち上げ、現在法人会員二十二、個人会員三、賛助会員十九の四十四者と会員も増加しております。協議会におきましては、浜松メッセや全日本学生フォーミュラ大会で会員企業の製品やサービスの出展を支援するほか、スポーツビジネスに関するセミナー開催や会員企業の取り組み事例の発表会、県内外の先進事例の視察を行うなど活動母体としての機能を発揮しております。
 この結果、着地型のスポーツツーリズムに積極的に取り組む旅行代理店がノルディックウオーキング用のポール製造企業と連携するなどの成果が出てきております。来年度はこのような動きを加速させるため新たなスポーツビジネス事業の立ち上げ経費の支援を協議会で行えるよう検討をしております。
 御提案のありました全県的な取り組みにつきましては、スポーツ産業の振興に対して要望の高い県東部地域については関係市町や商工団体等と協議を進めているところであります。スポーツツーリズムを中心に、観光産業とも連携したスポーツ産業振興のための推進母体を年内を目途に立ち上げられるよう支援をしてまいります。
 また、県中部地域におきましては、県の総合運動場、大井川のマラソンコースなどのスポーツ施設が集積しておりますことから、スポーツビジネスに関するシンポジウムなどの開催を通じてスポーツ産業の振興に向けて企業を初め市町や商工団体などとの連携を強化してまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 国土強靱化計画を踏まえたインフラの整備についてのうち、初めに津波対策事業の推進についてお答えいたします。
 本県における地震・津波対策は、地震や津波のあらゆるリスクを考慮しつつ人命を守ることを最優先に被害をできるだけ少なくする考え方、いわゆる減災を基本理念としております。
 津波対策施設は、百年から百五十年に一回繰り返し発生するレベルワンの津波に対しましてはこれを防御し、最大クラスのレベルツーの津波に対しては浸水被害を減少させ、また津波の到達時間をおくらせるなどの効果が期待できるものであり、住民の皆様の主体的な避難行動をバックアップする最も重要な施設の一つであります。
 本年六月には、仮称地震・津波対策アクションプログラム二〇一三として、レベルワンの津波に対応した海岸堤防のかさ上げや液状化対策、津波が乗り越えても機能が損なわれない粘り強い構造への改良など県内全域を対象とした施設整備計画を策定、公表してまいります。
 県といたしましては、国が進める国土強靱化計画と連携した交付金や津波対策施設等整備基金を有効活用するなど財源の確保に努めるとともに、必要な津波対策事業を積極的に進め県民の皆様が安心や安全を実感できる防災先進県づくりを目指してまいります。
 次に、三方原用水の更新整備についてであります。
 この用水が昭和四十二年に三方原台地を潤して以来、浜松市は、ブランド力を備えた数多くの農産物を生産する全国屈指の産地へと成長し、今後も我が国の農業を牽引するイノベーション先進地域として発展していくことが期待されます。
 しかしながら、その発展を支える三方原用水施設は、長年の利用によってひび割れや摩耗等の老朽化が進行し農業用水の安定供給に支障を来すとともに、用水の利用が広範囲にわたるため朝晩に集中するかん水作業等の需要変動に的確に対応できない状況にあります。
 こうしたことから、国が行う基幹水利施設の老朽化・耐震化対策にあわせ、県では企業経営を展開する農業者のニーズを的確に反映した整備構想を策定し先進的な営農技術が生かされる農地の再編や末端水利施設の改良を行うとともに、複雑な用水需要に対応できる管理体制づくり等の取り組みを進めてまいります。
 県といたしましては、今回の更新事業が平成の三方原開拓と評価されるよう国や浜松市等と連携しハード・ソフトの両面から総合的な取り組みを展開し、未来に向かって力強く発展していくものづくり都市浜松にふさわしい農業・農村の確立に努めてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 教育に対する信頼の回復についてお答えいたします。
 議員からも御指摘がありましたとおり、学校や教職員に対する信頼が揺らいでいる現在児童生徒から信頼される頼もしい教職員の育成に一層努めることが大切であり、各学校においては一人一人の教職員が真摯な姿勢でみずからの力量を高め、発揮し、その取り組みが保護者や地域の方々に理解されることが肝要であると認識しております。そのため経験豊かな教職員が持っている教育観、知識、技能等を若手教職員に伝える校内研修の実施など各学校が組織として教職員一人一人の資質能力を高め合う取り組みを推進するとともに、学校支援ボランティア等の地域人材を教育活動に活用するなど地域に開かれた学校づくりに努めているところであります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き不祥事根絶に向けた教職員の倫理観、使命感の涵養に努めるとともに、教職員が児童生徒に寄り添いみずからも成長していけるよう教職員の実態やニーズを的確に把握し、研修の充実を図ってまいります。
 あわせて、コミュニティスクールの導入などにより地域の御意見、御要望等を学校経営に積極的に取り入れるとともに、学校のすぐれた実践を発信することにより地域に開かれた特色ある学校づくりを推進し、保護者、地域の方々の学校教育に対する信頼づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(大石哲司君) これで鈴木洋佑君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 三月一日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp