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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成13年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉山 盛雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2001

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○副議長 (浜井卓男君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第百三十四号から第百六十六号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 十四番 杉山盛雄君。
           (十四番 杉山盛雄君登壇 拍手)
    ○十四番 (杉山盛雄君)  おはようございます。
     私は、 自由民主党所属議員として、 当面する県政の諸課題に対し、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に質問をいたします。
     まず初めに、 県がんセンターへの来院の利便性の確保についてであります。
     二十一世紀における本県がん対策の中枢を担う高度専門医療機関として、 駿東郡長泉町に建設が進められている県がんセンターにつきましては、 来年三月末の竣工を目指し順調に工事が進められているとのことであり、 地上十一階建ての病院本棟の勇姿が周辺からも鮮やかに望むことができるようになり、 地元住民を初め多くの県民は、 来年秋の開院に向けて、 その期待をいよいよ大きく膨らませているところであります。
     がんセンターは、 世界的にも最先端の治療法として効果が期待される陽子線治療施設を初めとする最新の医療技術と全国から募集する優秀な医療スタッフにより、 高度で専門的ながん診療を提供するとともに、 快適な療養環境の整備を目指して、 個室中心の病室を初め家族とともに安心してくつろげる病棟デイルーム、 さらには、 四季折々の自然を感じることのできる庭園や花壇の整備などいやしの空間づくりにも力を注ぎ、 患者の視点を重視した病院づくりを進めていると聞いております。
     また、 現在県が進めているファルマバレー構想の中核施設の一つとして、 研究、 研修、 さらには情報発信機能も併設されると伺っており、 県東部地域の振興と産業の活性化にも寄与する施設として、 さらに大きな期待を寄せられているところであります。 これらの機能を備えた施設が完成をすれば、 名実ともに日本一のがんセンターとして、 大きな期待と信頼のもとに、 患者や見舞い客のみならず多くの人がここを訪れるものと予想されるわけであります。
     そこで、 がんセンターの交通アクセスの現状を見ますと、 自家用自動車以外の交通手段で来院される人にとって、 決して利便性の高い施設とは言いがたいと思うのであります。 すなわち、 三島駅からがんセンター方面への現状のバス路線は一路線、 一日十数便のみの運行で、 所要時間も朝夕のラッシュアワーにおいては四十分程度かかっております。 JR御殿場線新駅の開業が決まり、 また、 東駿河湾環状線や長泉町周辺の都市計画街路の整備も進められるなど、 県当局も改善に向けて努力をしていると聞いてはおりますが、 がんの不安を抱えながらがんセンターを訪れる患者やその家族にとって、 鉄道やバスへの乗りかえの不便さ、 待ち時間の苦痛は、 病院内での待ち時間の苦痛をはるかに超えるものと想像されます。
     また、 自家用車で来院をする場合でも、 遠方から来る人にとってふなれな道を運転することは、 地元の人が想像する以上に不安なことであります。 患者の視点に立って施設整備を進めているがんセンターにとって、 多くの来院者が不安なくアクセスできるよう配慮することも不可欠であると考えますが、 県は、 がんセンターの来院者の利便性をどのように確保していくのか、 その方策について知事に伺います。
     次に、 沼津港の整備について伺います。
     沼津港は、 交通基盤などすぐれた立地条件と変化に富んだ海岸線や富士を仰ぐ景勝の地を財産として、 政治、 経済、 文化などさまざまな面で県東部地域を牽引する中核都市沼津市の海の玄関として古くから発展をしてまいりました。 また、 沼津市の特例市指定により広域連携の要としての使命が市に与えられ、 これからの地方分権時代にふさわしい都市づくりに大きな期待が寄せられておるわけであります。 この期待にこたえていくためには、 都市機能の一層の充実を図り、 周辺自治体を牽引するような施策展開が沼津港においても必要であります。
     私は、 平成十一年十二月議会において、 沼津市にとって沼津港は大変重要な社会基盤であるばかりでなく、 海を通して西伊豆地域の発展にも深い関係を有しているという基本認識のもと、 増大する貨物対策としての大型岸壁整備や地震対策として建設中の水門に展望施設を設置することなど、 地域の活性化のための港湾整備などについて県の考えを伺いました。
     沼津港については、 これまで地域の有識者や関係者が、 拡張、 再開発を訴え続け、 何度も構想を練ったことがありましたが、 そのたびに関係者、 関係機関の総意をまとめ切れずに無念の涙を流した歴史があるわけであります。 市街地に近接をしながら、 魅力あるウオーターフロントが形成されずにいたために、 市民との関係は希薄にならざるを得ない状況でありました。
     しかし、 昨年の五月、 「沼津港を何とかしなければ!」 このような地域の熱い思いがついに実り、 当時の運輸省から、 全国で十二港という特定地域振興重要港湾に伊豆の松崎港とともに選定をされたわけであります。 この制度は、 港を核としたにぎわい拠点づくりによって、 都市再生を促し地域の振興を図るなど、 地域により特定の振興テーマを持って生まれた制度であり、 地域みずからが指定されたテーマに従ったビジョンをつくり、 国が予算の重点配分を行い、 これを支援するというものであります。
     沼津港は観光をテーマとして地域振興を図るということで、 この制度の指定を受けております。 沼津の干物に代表されますように、 魚のブランドで全国にその名は知られておりますし、 内港地区の水産業を生かした食堂街には、 地元を初め県内外から多くのグルメが集まり、 週末ともなると目抜き通りになっているなど、 最近の食文化の隆盛からも、 十分な地域振興、 活性化のための起爆剤としての役割を担い得るものと期待できると思うのであります。 そして、 それはまた伊豆地域との連携により、 相互の波及効果も大いに期待をされるわけであります。 ぜひこの観光をテーマとする特定地域振興重要港湾の制度に基づく港の整備の具体化を早期に進めていただきたいと考えるところであります。
     また、 港湾の本来の機能、 これは前回の質問でも触れたのでありますが、 最近十年をとってみても、 沼津港の貨物の取扱量は約一・五倍に増加をしております。 貨物量の増大に対する岸壁整備や東海地震に備える緊急物資輸送のための耐震強化岸壁の増設、 津波の浸水を守る水門の緊急整備、 また、 沼津市が進める潮の音プロムナードのランドマークともなる水門の展望施設についても積極的な整備を進めていくことも、 港の地域振興ビジョンを効果的に生かすために必要と考えられるところでありますが、 沼津港整備の現状と今後の取り組みについて、 県当局はどのように考えておられるのか伺います。
     次に、 柿田川についてのうち、 水利用についてであります。
     私は、 柿田川のほとりに生まれ育ち、 幼少のころより毎日柿田川で遊びました。 スイミングスクール等はない時代でしたが、 毎日、 川の流れに逆らって泳ぎ、 アユを突いたりもじりをかけウナギをとったりしているうちに、 水泳では町内で一番になり、 食べ物もそれほど豊富でない時代に、 ズガニやウナギ、 川辺に集まる鳥などは今となっては大変に高価なものばかりであります。 上流では、 大人でも何人かすっぽり入ってしまうわき場に潜って遊び、 多分余り知られていないでしょうが、 ニッキの木やクルミの木もあって、 子供たちの秘密の場所として大切にしたものであります。 水温は一年じゅう十五度前後で、 言うまでもなく東洋一の湧水であり、 都市部の河川では見られない豊かな自然環境をはぐくんでおります。
     高度経済時代の開発行為により、 多くの自然が失われつつある今日、 自然を子孫からの大切な預かりものとして、 私たちは、 このすばらしい自然環境を守り後世に引き継いでいかなければなりません。 柿田川周辺にも都市化の波が押し寄せ、 近年、 湧水量はわずかずつ減少し、 最近では四カ月連続で月平均最低流量を下回ったとの報道がありました。 このような自然環境を守るため、 河川管理者である国土交通省も、 河川環境整備事業の一環として、 工業用水の取水口付近のコンクリートブロック護岸の緑化工事を行っております。
     そこで、 この柿田川から天の恵みの水を取水し、 県東部地域の飲料水や工業用水として供給している県企業局が、 水の取水者の立場から、 この貴重な水源である柿田川の水の大切さをどのように認識をし、 また、 この良質な水を県民や企業に安全にかつ安定的に供給するためどのような取り組みをしているのか伺います。
     次に、 柿田川についてのうち、 アユ漁についてであります。
     十一月二十一日の新聞で報道されましたが、 柿田川においては、 漁協が設定している最上流二百ートルの禁漁区域に続く、 狩野川本流に至る約一キロメートルの間について、 冬場のアユのえさ釣りが十二月一日から再解禁されたということに対して、 清水町や諸団体から禁漁区域を柿田川全体に拡大する要望が出され、 調整が難航したと伺っております。 このような中で、 県を仲介役とした協議の結果、 柿田川の貴重な自然環境の保全とアユのえさ釣りを両立させる調整案が得られ、 現在、 関係者によるパトロールを行いつつアユ漁が行われているわけであります。
     確かに以前は、 柿田川の存在は数ある河川の一つにすぎなかったわけでありますが、 経済社会の発展と都市化の進展に伴い、 多くの河川から自然が失われていく中で、 地域の皆さんの手で守られてきた柿田川は特異な位置づけになっておるわけであります。 都市周辺における湧水の中で、 生物たちが微妙なバランスを保ちながら生育する柿田川は現在の宝物となっており、 私たちはこれを後世に引き渡していく義務があると考えております。
     そこで、 今回の仲介を通じて、 県はどのように感じられたか率直な感想を伺います。
     次に、 青少年の健全育成に大きな悪影響を与える有害環境について、 その現状と対策を伺います。
     子供は私たちにとって何物にもかえることのできない存在であり、 子供たちを心豊かで活力に満ちた青少年に育つ環境をつくることが、 私たち大人の使命であり、 責任であり、 県民すべての願いであります。 しかしながら、 青少年が一歩家から外へ出ると、 性を売り物にした雑誌がはんらんし、 青少年への甘いささやきを投げかけているテレホンクラブや出会い系サイト等の気軽な、 しかし大変に危険な遊びが待ち受けているのが現実であります。 例えば、 今年県内において、 性描写がひどい漫画コミック誌を読んだ十五歳の少年が、 コミック誌に書かれていた内容と同じことを興味本位でやってみたという性犯罪であります。 これなどまさしく、 現在の乱れた有害環境が生んだ犯罪であります。
     皆様は、 書店やコンビニエンスストアで売られている漫画コミック誌を見たことがあるでしょうか。 私は先日調査のために見てまいりましたが、 その内容のひどさには大変に驚かされたわけであります。 著しく性的感情を刺激したり、 または甚だしく残虐性を助長するような漫画コミック誌を中学生や高校生などが見れば、 間違いなく悪影響を受けることになり、 一つ間違えば先ほどの少年のような性犯罪を犯してしまうことになりかねないわけであります。 子供たちは、 大人のつくった有害な環境につい軽い気持ちで入り込んでしまいますが、 一つ間違えると兵庫県西宮市の高速道路上に転落して命を落としてしまった女子中学生のような凶悪な二次犯罪の被害に巻き込まれてしまうわけであります。
     つい最近の出来事でありますが、 ある女子高生が出会い系サイトで知り合った少年と会ったが、 気に入らなかったことから二度と会わないようにしたところ、 振られた少年がストーカー行為を始めたわけであります。 その結果、 携帯電話でのおどしにすっかりおびえた女子高生は自宅にいられなくなり、 親戚の家から学校に通わなければならなくなった事件がありました。 この事例を見ると、 まさしく安易に携帯電話で出会い系サイトを使った結果、 一歩間違えば大きな犯罪の予兆になるかもしれない典型的なケースだと思います。
     最近の世の中の不況に伴い、 雑誌は売れればいい、 テレビは視聴率が上がればよい、 とにかくもうかれば何でもありで、 大人の青少年や子供に対する道徳意識が薄れ、 私曲に走っている姿は、 青少年から見ればむしろ滑稽に見えるのではないかと思われるわけであります。 しかしながら、 メディアの影響がどれほどの力を持っているのか、 気づいたときにはもう取り返しのつかない世の中になってしまう。 そんな心配をしているわけであります。
     そんな中で、 県教育委員会では今回、 青少年のための良好な環境整備に関する条例の中の、 テレクラ及び有害図書類の販売等の禁止を改正するための条例案を本会議に提出をしておりますが、 テレクラ等を含め青少年に悪影響を及ぼす有害環境の現状とその対策について、 今後どのように県民一丸となり継続的に取り組んでいくのか、 教育長に伺います。
     最後に、 警察組織体制の強化について、 警察本部長に伺います。
     本県警察官の定員は、 今年度二百四十人の増員によって、 五千三百八十二人となったわけであります。 警察官一人当たりの県民人口は七百三十人から約七百人になったと伺っております。 しかし、 全国平均の約五百五十人と比べると、 まだまだ十分とは言えないわけであります。 県警では、 来年度も二百四十人の増員を警察庁に要求をしていると伺っておりますが、 これが実現をしても、 警察官一人当たりの県民人口は約六百七十人であり、 他県と比べて警察官が少ない状況に大きな変化はないわけであります。
     一方、 本県の治安情勢の状況を見ますと、 手荒な手口の来日外国人犯罪や強盗事件などの凶悪犯罪、 少年非行の増加、 粗暴化、 悪質な交通ひき逃げ事件の増加など治安の悪化が懸念をされているところであります。 同時に、 自転車の盗難やストーカーなどの身近に起こる犯罪の解決、 パトロールの強化や生活安全に関する相談への親身な対応なども必要であります。 さらに、 DV防止法など新たな法律への対応や国際テロに対する警戒の強化など、 警察が取り組まなければならない業務がますます増大をしておるわけであります。
     そんな中で、 県警察職員の年代別構成を見ますと、 いわゆる団塊の世代の職員の比率が約二八%を占めており、 この職員の方々が退職をされる平成十八年ころ、 すなわち五年後には県警察は大量退職の時期を迎えると伺っております。 警察官に採用されても、 一人前の警察官として街頭で勤務できるようになるには約二年かかると伺っており、 ベテラン警察官の大量退職により、 警察全体の執行力が低下するのではないかと危惧するところであります。
     また、 男女共同参画社会づくりの流れなどから、 女性警察官の採用も拡大をしており、 今年度の増員分については、 女性が六十三名で採用者の二五%を占めたと伺っております。 採用された女性警察官は、 何年かの後には出産に伴う長期の育児休業も予想をされますが、 警察官の仕事は臨時職員では代替ができないため、 常に育児休業中の欠員を抱えるという事態が予想されるわけであります。 警察は本来マンパワーの組織であり、 仕事柄、 体力、 気力勝負の現場がある組織と伺っております。 幾ら最新の捜査資機材やすばらしい捜査技術、 さらには、 すぐれたシステムがあっても、 県民のニーズにこたえていくためには、 警察官一人一人が、 体力、 気力を含め能力を高めることが、 組織の強化に欠かせないものと感じておるわけであります。
     昨今、 警察官採用試験の応募者は増加をしており、 子供のときから警察官を志望して、 柔道や剣道でおのれを鍛錬してきた受験者であっても、 採用試験に合格するのが厳しくなってきていると聞いております。 厳しい治安情勢の中、 いかに社会正義に燃えやる気のある警察官にふさわしい人材を確保していくかが問われているところであります。
     そこで、 厳しい治安情勢や新たな社会情勢の中、 大量退職期を間近に控えて、 警察の執行力を低下させずに警察の組織体制を強化していくことが最重要の課題であると考えますが、 警察本部長の所見を伺います。
     以上で私の質問は終了とさせていただきますが、 おのおのの質問に対し、 的確なる御答弁をお願いをいたしまして終了といたします。 ありがとうございました。 (拍手)
    ○副議長 (浜井卓男君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  杉山議員にお答えをいたします。
     初めに、 県がんセンターについてであります。
     来年秋の開院を予定しております県がんセンターにつきましては、 我が国トップレベルのがん高度専門医療機関として、 最先端のがん診療を実施いたしますとともに、 患者の視点に立って県内のどの地域からも容易に来院できる病院を目指して整備を進めてまいりました。 具体的には、 がんセンターの周辺において、 都市計画街路などの道路整備を進めてまいりましたが、 それに加えて、 がんセンーの開院と同時期に御殿場線の新駅を長泉町納米里に開業することとなっております。 準備も着々進んでおります。
     また、 バスの便につきましても、 JR三島駅と、 ただいま申し上げました御殿場線の新駅から速やかにバスへ乗りかえができて、 所要時間の短縮も図る新たなバス路線の開設や増発、 さらに患者が易しく乗り降りできる低床バスの導入などについて、 バス会社と協議を行っております。 また、 自家用車で来院する方々が不安なくがんセンターにアクセスできますように、 主要な交差点への道路案内標識などの設置につきましても検討し、 間に合うように整備をする予定でございます。 今後とも関係機関との協議を進めまして、 より利便性の高いアクセスの確保に向けて一層努めてまいりたいと考えております。
     次に、 沼津港の整備であります。
     沼津港は、 県東部地域における物流や水産流通の拠点として、 あるいはまた、 西伊豆地域への海上交通の基地として重要な役割を果たしており、 その整備促進は東部地域の発展にとりまして必要不可欠であると考えております。
     こうしたことから、 県としましては、 外港地区の岸壁の大型化や耐震化の工事、 津波対策の水門整備など、 港湾機能の強化を図るための整備を進めてまいりましたが、 昨年五月に国から特定地域振興重要港湾に指定されましたことを受けて、 一層の地域振興を目指した新たな港湾整備の展開が可能になりました。
     現在これを受けて、 国や沼津市とともに、 学識経験者などから構成される委員会を設置して、 港湾機能の向上を図るための港の入り口部の航路幅を拡大すること、 また、 魅力あるウオーターフロントの形成を目指して、 老朽化した市場などが集積する内港地区を再開発すること、 さらに、 水産流通機能の充実のために、 外港地区の岸壁整備や埋め立てを行うことなどを柱とする振興ビジョンの作成を住民の方々との協働で進めております。 委員会は既に二回開催しておりまして、 今年度中に振興ビジョンを取りまとめる予定であります。
     県としましては、 このビジョンに基づき、 地域の関係者と一体となって、 沼津港の整備促進に取り組んでまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長 (浜井卓男君)  大澤企業局長。
            (企業局長 大澤祥男君登壇)
    ○企業局長 (大澤祥男君)  柿田川についてのうち、 水利用についてお答えいたします。  
     本県が誇る柿田川湧水は豊富な水量に加えて水質にもすぐれていることから、 企業局におきましては、 この一部を熱海市など二市一町の水道用水や地域の産業を支える工業用水として活用させていただいております。
     今なお貴重な自然が保全され、 このすばらしい水の恵みを享受できますのは、 地域の皆様を初め多くの方々の柿田川に対する愛着の思いや愛護の活動のたまものと認識しており、 このかけがえない水を大切にし安全かつ安定的に供給することが、 水道事業者としての責務と考えております。 したがいまして、 企業局といたしましては、 この水を守り安全に給水するため、 上流部に流入する雑排水をバイパスを設けて最下流部に導き清流の保全を図るとともに、 水道用水は湧水箇所近くから取水するなど、 安全な水源の確保に努めてまいったところであります。
     最近では、 柿田川事務所において、 環境管理に関するISO14001の認証をいち早く取得し、 環境汚染の未然防止や環境負荷の削減に取り組んでいるところであります。 また、 断水などが生ずることなく、 常に安定的に給水するため、 ポンプ設備の増設や調整池の新設など計画的な改修、 拡充に努め、 想定される東海地震等への対応につきましても、 施設の耐震診断を行い補強工事にも鋭意取り組んでいるところであります。
     今後とも、 柿田川の恩恵を十分に認識し、 安全、 安定給水に万全を期してまいりたいと考えております。
    ○副議長 (浜井卓男君)  片山農林水産部長。
            (農林水産部長 片山淳三君登壇)
    ○農林水産部長 (片山淳三君)  柿田川についてのうち、 アユ漁についてお答えいたします。
     十二月一日からのアユのえさ釣り再解禁をめぐりましては、 去る十月に清水町や地元諸団体から禁漁区域を柿田川全体に拡大する要望書が提出され、 県は清水町側と狩野川漁業協同組合との間で調整に努めてまいりました。 今回の調整に当たりましては、 希少な動植物を守っていくという考え方は関係者に共通しておりましたので、 こうした動植物の保護と釣りとを共存させるよう心がけたところであります。 その結果、 これまで狩野川漁協が設定してきた禁漁区域のほかに、 釣り人の立ち入りを禁止する保護区と水中の希少な植物を保護するため川の中に入ることを禁止する希少植物保護区を新たに設け、 釣り人に希少生物への注意を呼びかけることとなりました。
     今回、 調整に努める中で、 希少な柿田川の自然環境の重要性を改めて認識するとともに、 今後も関係者の話し合いを通じて、 その自然環境の保全を図っていかなければならないことを痛感したところでございます。
    ○副議長 (浜井卓男君)  杉田教育長。
            (教育長 杉田 豊君登壇)
    ○教育長 (杉田 豊君)  青少年の健全育成についてお答えいたします。
     有害環境の現状と対策についてでありますが、 県内の現状を見ますと、 議員御指摘のとおり、 青少年に悪影響を及ぼす有害図書類が町にあふれ、 また、 社会問題となっております出会い系サイトやテレホンクラブに青少年が巻き込まれるなど、 まことに憂慮すべき状況にあります。 このため、 今議会において、 静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例の改正を提案しておりますが、 これは、 書店やコンビニ等で販売されております漫画コミック誌の中にはいかがわしい性描写が多いものがはんらんしていることから、 包括指定制度を導入し、 有害図書類として効果的に規制していくものであります。
     また、 出会い系サイトやテレホンクラブについては、 学校において生徒指導の徹底を図るとともに、 これまでの学校と警察との連絡協議会に地域のPTA及び団体の代表を加え、 静岡県学校警察地域連絡協議会という新たな組織として、 三者の強い連携、 協力のもとに青少年の被害を未然に防止していきたいと考えております。
     さらに、 青少年にとって身近な地域レベルでの取り組みを強化するため、 本年七月、 県教育委員会と警察本部、 そして県自治会連合会の三者で、 青少年の非行防止と児童・生徒の安全に関する覚書を調印いたしましたが、 これを受けまして、 各市町村教育委員会におきましても、 各警察署と各市町村自治会との間で同様の調印が進んでおりますので、 今後はその成果も大いに期待したいと思っております。
    ○副議長 (浜井卓男君)  知念警察本部長。
            (警察本部長 知念良博君登壇)
    ○警察本部長 (知念良博君)  警察組織体制の強化について、 お答えいたします。
     まず、 大量退職期等における実質的欠員への対応についてであります。 県警察においては、 現在の年齢構成からしまして、 平成十八年以降の約十年間、 大量の退職者が生ずる見通しであります。 その補充のため、 毎年二百人を超す新規採用者を抱えることとなります。 この新規採用者については、 おおむね二年間程度の初任教養が必要でありますので、 第一線の現場では三百人から四百人の実質的な欠員状況が生ずることとなります。 こうした実質的欠員をできる限り解消するために、 退職者のうち気力、 体力にすぐれ、 実務能力の高いものを再任用したり、 また、 新規採用者のできるだけ多くを大学卒業者とするなどの方策を検討しているところであります。
     また、 育児休業中の女性警察官について、 その間の実質的欠員への対応についてであります。 女性警察官の場合には育児休業制度があります。 この制度は男女共同参画社会確立に欠くことのできない制度でありますが、 現在の制度のもとにおいては、 育児休業中の女性警察官については、 先生御指摘のとおり、 実質的な欠員を余儀なくされているというのが実情であります。 しかも、 今後、 育児休業期間が現在の一年から三年に延長されることも確実の情勢と見られておりますし、 また、 現在警察官総数の四・八%程度を占めている女性警察官については、 今後さらにその数がふえていくであろうという情勢でありますし、 もろもろ考慮しますと、 警察力の確保という観点では、 その影響は決して軽いものではないと認識しているところであります。
     こうしたことから、 病気その他の理由で休職中の職員同様、 育児休業中の職員を警察官定数の外に置く措置がとれないものかどうか、 現在関係当局と規程の整備その他について協議を進めているところであります。 仮にこの措置が認められることになれば、 実質的な欠員の解消という効果はありますし、 これに加えまして、 女性警察官が後顧の憂いなく育児休業が取得できるようになるという効果も期待できるのではないかと考えております。
     次に、 警察官にふさわしい人材の確保についてであります。 警察組織はマンパワーの組織であり、 議員御指摘のとおり、 警察官にふさわしい人材の確保が欠かせないと考えております。 こうしたことから、 人事委員会の御理解を得まして、 既に最近の警察官採用試験においても、 学力偏重の弊を排して、 正義感に燃え、 やる気旺盛の若者を採用するという目的のもと、 一次試験合格者の枠を拡大してできる限り多くの受験者を面接するなどの措置をお認めいただきました。 いわゆる人物重視の採用試験により、 すぐれた人材の確保に努めているところであります。
     また、 警察業務の複雑化が進むにつれて、 警察に高度な専門的知識が求められてきております。 このため語学、 柔剣道等の武術、 情報処理能力、 財務会計能力などの専門的知識を有する者を対象とした採用試験を導入しているところであります。
     警察を取り巻く情勢にはまことに厳しいものがありますが、 さらなる増員の確保を含め、 ただいま御説明申し上げましたさまざまな強化策を講ずるなどして、 組織体制の強化に努め、 県民の安全・安心の維持向上に寄与してまいる決意でありますので、 引き続き御理解、 御支援を賜りますようお願い申し上げるものであります。
    ○副議長 (浜井卓男君)  これで杉山盛雄君の質問は終わりました。

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