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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中谷 多加二 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県産材活用の拡充について                    
 (1) 新しいふじのくに公共建築物等木使い推進プランの方針      
 (2) 木材生産の拡充に向けた取り組み                
2 森林におけるニホンジカ被害対策について             
3 浜松市との基本協定の更新について                
4 スポーツについて                        
 (1) スポーツを活用した交流                    
 (2) 競技力の向上                         
5 田舎の豊かな暮らしと地方創生について              
6 重要課題への対応と人的資源の確保について


○副議長(杉山盛雄君) これで山ア真之輔君の質問は終わりました。
 次に、六十四番 中谷多加二君。
       (六十四番 中谷多加二君登壇 拍手)
○六十四番(中谷多加二君) 本日もぼちぼちになってまいりましたが、私は知事及び関係部局長、教育長に一括質問方式で伺います。
 初めに、県産材の活用の拡充についてのうち、新しいふじのくに公共建築物等木使い推進プランの方針について伺います。
 県内の森林面積は、平成二十六年度において約五十万ヘクタールあり、そのうちの二十八万ヘクタールが人工林であり杉、ヒノキを中心に植林されたものです。
 戦後復興期や高度経済成長期における旺盛な住宅需要に伴い伐採された後に植林された木々は今、伐採適齢期を迎えています。しかし国内産の木材需要は安価な外国産材の輸入や住宅工法の多様化により高度経済成長期以降は低下し、これに合わせるように価格も低迷することとなりました。木は時とともに成長を続けていきますが需要と価格が退潮していく中で精魂込めて育ててきた林業者の多くが経済的にも厳しい立場に追い込まれ、林業経営への意欲がそがれてきました。
 このような状況において、県は事業者や県民へ県産材の利用の働きかけを進めつつ、県が率先して公共部門での県産材の利用を推進し需要を創出するため平成十四年度に公共部門での木材の利用推進に関する基本方針を初めて策定したところです。これまで三期にわたり計画は進められてきましたがいずれの期間も目標を達成し着実な成果をおさめてきたと思います。特に現在の計画期間においては著しい成果がありました。具体的には県立高校や特別支援学校、県営住宅、社会福祉施設などの整備において県産材の活用が定着しました。このはなアリーナはその典型的な例です。
 さて、現在の公共建築物等木使い推進プランは本年度末をもって計画期間が終了します。九月に県議会の林活議連の視察があり北海道陸別町の陸別小学校を視察してまいりました。陸別町は日本一しばれる町と呼ばれ夏と冬の寒暖差は実に七十度に及ぶ自然環境の厳しい町です。この小学校はコンクリートづくりと木造のハイブリッド構造を採用した校舎であり、これにより夏の涼しさと冬の暖かみを実現したものとなっていました。次期計画においては量的な拡充はもちろんのこと、技術的な挑戦も行い県産材の活用範囲をさらに広げていく取り組みも重要です。また市町の公共施設における活用も促進させることが裾野の拡大につながります。現在策定を進めている次期プランについてどのような方針でまとめていくつもりなのか知事に伺います。
 次に、木材生産の拡充に向けた取り組みについてであります。
 本年四月に富士市で稼動したノダは、年間約十三万立方メートルの木材を活用し合板等を製造しており安定的な原木の供給が必要です。このため県森林組合連合会と静岡県民間素材生産事業者協議会がそれぞれ原木の安定取引に関する協定を結んでいます。原木の安定供給を行うことは合板業者と林業者の双方にメリットがあります。合板業者は原木購入にかかる手間を少なくすることができ、林業者にとっては年間を通じて安定して原木を買ってもらうことにより収入も安定します。しかし四月に工場が稼働し始め生産量を徐々に上げてきた一方で課題が生じ始めてきています。最大の課題は原木の供給量が工場の生産計画に追いついていないことです。十月以降の工場の生産計画に対し県内の森林組合等から供給できる量は約四割となっており、残りは県内の協定外の林業者や県外からの原木調達となってしまっています。
 不肖私も、県森林組合連合会の会長を仰せつかったところであり、早速県内森林組合の原木供給量の調査を始めたところであります。しかし供給量が計画に追いつかない理由はさまざまです。一つは人材不足です。林業事業体の作業員数は近年増加傾向で推移をしていますが依然として高齢者が多く技術の継承、皆伐施業への移行の困難さも相まって木材生産を行う人材の育成と確保が急務となっています。二つ目は搬出費用の問題です。合板工場は富士市にあります。県内の主な産地のうち富士市は近距離内ですが天竜や静岡市井川、伊豆などは運搬距離が百キロメートルを超える遠距離となります。それだけ燃料代のコストがかかることになります。三つ目は安定供給を続けることのメリットの周知です。協定取引は市況の変化による影響を受けにくく収入の安定に貢献することの理解促進が欠かせません。
 今後、さらなる木材生産量の増加を目指すためにはこれらの課題は木材流通の一般的な課題であると認識すべきです。県としてこのような課題の解決に向けた取り組みと支援のあり方をどのように考えているのか伺います。
 次に、近年本会議でたびたび議論されている森林におけるニホンジカ被害対策についてであります。
 最近、伊豆や富士地域ばかりでなく天竜地域においてもニホンジカの被害が増大し、林業者の方々から植栽した苗木の食害が多く防護柵の設置費用や維持管理にも負担があることなどのニホンジカ被害対策の苦労を聞いています。現在県や市町では鹿柵などによる防護対策への支援や個体数調整のための管理捕獲に取り組んでいますが、ニホンジカの繁殖力は非常に高く適正と考えられる生息密度まで達していないことからさらなる捕獲の強化が必要であると考えています。しかし管理捕獲の担い手である猟友会は六十歳以上の会員が七割を占め高齢化が進んでおり、今後今まで以上に捕獲数をふやしていくのは厳しい状況です。また捕獲期間の拡充もしてまいりましたが限度もあります。
 このような中で、本県の森林・林業の再生に向けニホンジカによる林業被害を軽減していくためには地域の森林整備を担う森林組合や林業事業体などの方々がより積極的に捕獲などの被害対策にかかわっていくことが重要であると感じています。現在までの対策では問題解決の道筋が見えません。もう一歩踏み込んだ対策を進める必要があると考えますが所見を伺います。
 次に、浜松市との基本協定の更新についてであります。
 平成十九年度に浜松市が政令都市に移行してから、三年ごとに締結した基本協定の更新をしてきたところです。例えば移譲河川の拡充、こども医療費助成の終了、県有地と市有地の交換などについて更新時点での課題を整理してまいりました。
 知事は、このところ本県の将来のあり方について五つの圏域を前提としてさまざまな考えを発言をされています。その最たるものが政令指定都市のあり方であり、静岡市に対しては県と市の二重行政の解消を図ることを目的とした静岡型県都構想を唱え田辺市長との間で舌戦を繰り広げております。一方浜松市に対しては特別自治市として県からの自立を促し三遠南信地域との広域連携を目指すとしています。
 このような中で、政令指定都市の市域の面積の大きさが静岡、浜松両市ともに他市より群を抜いていることは知事が常々静岡市との県都構想の中で行政サービスを提供する課題として述べられています。面積の大きいところに人口が七十万人から八十万人程度となれば、人口が薄い地域いわゆる過疎地域が存在するのも他の政令市にはない本県特有のものです。また静岡市と浜松市の違いは旧村合併により以前から過疎地域を抱える静岡市と過疎地域が最近市域に含まれた浜松市との違いです。これらの状況を踏まえ政令指定都市移行時の基本協定において、過疎地域に対するバス路線維持費助成など七事業については移行後も継続して県助成を続けるということになったと理解しています。
 ここで浜松市に意見をしたところでどうしようもないことですが、行革審の状況や行政区の再編の議論を見ている限り過疎地域を抱える天竜区に対する風当たりは相当厳しいものです。単独自治体として行く末が困難と判断し旧浜松市との合併を選択したわけではありますが、道路整備や災害対応など県が直接かかわっていたころを懐かしむ声は今もそこはかとなく聞こえてきます。
 知事が言われるとおり、特別自治市として自立していくためには過疎地域を含めた浜松市全体が力をつけていく必要があります。現在浜松市との間で進めている基本協定の更新で、平成二十四年度に廃止された一事業を除いた過疎六事業については引き続き県の支援が必要であります。知事の所見を伺います。
 次に、スポーツについてのうち、スポーツを活用した交流についてであります。
 先月、ラグビーワールドカップ・イングランド大会がニュージーランドの優勝という結果で閉幕をしました。日本代表は予選リーグで三勝を上げながら敗退となったものの、強豪南アフリカを試合終了直前の逆転トライで破った試合はワールドカップの最高の瞬間として国際統括団体ワールドラグビーから表彰されるなど大活躍をしました。また五郎丸選手の独特なフォームから繰り出されるキックの正確性、そしてエディ・ジョーンズヘッドコーチの見事な指揮官ぶりなど選手個々の個性なども魅力あるものでした。二〇一九年の日本での開催を控え、低迷していたラグビー人気は一気に沸き立った感があります。
 さて、県は二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてスポーツを通じた交流を進めることとし、スポーツ振興とは別の観点から知事部局にスポーツ交流課を設置したところです。ここまでのスポーツ交流の動きを見ていくと招致に成功したラグビーワールドカップの開催準備、イタリアとの自転車交流、伊豆ベロドロームで開催するアジア自転車競技選手権の開催準備、東京オリンピック・パラリンピックの合宿誘致などに取り組んでおり、それぞれの取り組みは目に見えているものもありますがスポーツ交流としてどう進めていくのかよくわかりません。
 例えば、伊豆地域においては風光明媚な景観、温泉や多彩な食材等の観光資源もあるということから自転車を核として交流を進めていく構想を描きつつありますが、その他の地域はどうでしょうか。向こうを張るつもりはありませんが天竜においてもことし十回目を数えるサイクルツーリズムが開かれています。全県の広がりがあってもよいのではないかと思います。オリンピックの合宿誘致についてもモンゴルのレスリングチームが焼津市での合宿とのこととなりましたが、その後は一体どうなっているのでしょうか。きのうも議論がありましたがそもそも交流は草の根レベル、つまり県民レベルのものが必要と思いますがどうでしょうか。合宿誘致や何かの大会を誘致しても地元の人々とのつながりができなければ息の長い交流につながっていかないのではと思います。
 知事は、十月にラグビー・イングランド大会の視察に行かれたようですがスポーツ交流という点で視察の成果はあったのでしょうか。お祭り好きな私としては大いに海外の人たちとの交流が拡大することを期待していますしそれぞれの大会が成功することを望んでおります。そのためにももう少し作戦を練った交流の拡大に向けた取り組みに期待をしたいと思いますが、考えを伺います。
 次に、競技力の向上について伺います。
 この九月から十月にかけて、第七十回国民体育大会が開催をされました。国体の成績つまり天皇杯、皇后杯の順位を見ると近年は少々寂しい限りです。昨年の第六十九回大会は天皇杯が二十六位、皇后杯が二十一位という結果であり、今回は天皇杯、皇后杯とも少し順位を上げ二十位、十四位ということでした。高校総体や中体連の成績を見ても上位入賞者の数がここ数年停滞している状況が見てとれます。なぜこのような状況に陥ってしまっているのでしょうか。
 本県のスポーツの底辺は、中学生以上となれば学校部活動にあるのは間違いないでしょう。生徒数の減少とともに教員の数も減ってきていますので、部活動において競技を教えることのできる人材や選手の能力を見抜く人材が不足してきているのも一つの要因かもしれません。また厳しい財政状況の中で多くの学校や競技団体においても強化費が潤沢にあるわけではないのかもしれませんし、環境整備も十分に行えていないのかもしれません。県教育委員会では昨年度から東京オリンピックに向けて本県選手の強化育成のため新しい強化費助成を設けて対策に乗り出したと思いますが、底上げのためには要因の分析と課題を整理した上でさらなる取り組みが必要と思います。
 我が会派の代表質問にも関連しますが、私が常々疑問に思うのは草薙総合運動場やエコパなどは都市公園の中にあるので知事部局の公園緑地課が整備管理主体となっており、それ以外の武道館や水泳場は教育委員会のスポーツ振興課が整備管理主体となっていることです。本県のスポーツの基本計画であるスポーツ推進計画はスポーツ振興課が所管しており施設のあり方なども当然記載をされているわけでありますから、本来ならば一元管理すべきではないかと思います。草薙総合運動場はスポーツの聖地であり県内随一の生涯スポーツの拠点なのであります。そういう意味では教育長は知事に対し学校の生徒たちや競技者の人たちがよりよい施設環境の中で競技に打ち込むことができるよう積極的に働きかけるべきではないでしょうか。
 そこで伺いますが、本県の競技力の向上に向けてどのような取り組みを行っていくつもりなのか教育長に伺います。
 次に、田舎の豊かな暮らしと地方創生について伺います。
 九月定例会において、地方版総合戦略と長期人口ビジョンについて論議を重ね十月に計画が策定をされました。ぜひ実現性の高い各種事業を進めてもらいたいと考えています。私の地元天竜区は皆さん御存じのとおり山と川、美しい自然に囲まれおいしい山の幸、川の幸があり、我が家には早智子があり、(笑声)また郷土文化もあり自分ごとながら大変すばらしい地域であると思っています。海の幸がないのは当然とはいえ寂しさもあります。地元の川にホンマグロが泳いでいたらどんなにすばらしいだろうとよだれが出る思いです。しかし現実には若者は都会へ出ていき子供の数は減少し、高齢化率は約四〇%。学校の統廃合は合併を機に一気に進み地区に子供の声が響くのは盆、正月のみというような地区もあり厳しい現状に置かれています。今くらし・環境部では都市のたたずまいを豊かな暮らし空間創生住宅地として認定することを昨年度から始めているようです。私は真の豊かな暮らし空間は田舎にありと思うのです。緑と一体かつ十分な広さのある住空間など豊かな暮らし空間としての要素は十二分です。
 人口減少対策のうち、社会減対策については都市部の住民に田舎に住んでもらう、また企業誘致などによる対策が主体のように思えますが田舎のあり方も真剣に考えるべきです。よく取り上げられますが情報通信網を整備することにより都市部からIT会社や開発型産業の誘致に成功している田舎の自治体もあります。また国は日本版CCRCを打ち出しています。高齢者を都会から地方へ移動させようという政策です。既に高齢者が多い田舎にはもうたくさんだという感もありますが、新たな需要つまり老人施設の増加による仕事の増加などとセットであれば老人以外の移住者の増加も見込まれ、ある程度理解できる政策なのかなと思います。天竜区などの過疎地域は過疎と言われ続け既に何十年と経過していますが、まだ地域として消滅していません。しぶといのです。しかしこれから先五十年、百年、このままではいずれ消滅してしまうかもしれません。
 地方創生は、結局は地域のそれぞれの力を呼び起こすことと思います。それは地域の人々自身も考え行動しなければならないということです。そのきっかけとしても田舎の豊かな暮らしに磨きをかけ、田舎の暮らしのよさをもっと情報発信していくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 最後に、重要課題への対応と人的資源の確保について伺います。
 静岡県の人口は、平成十九年をピークに減少局面に入り昨年は二十二年間続いてきた三百七十万人を下回ることとなりました。人口減少社会への対応は喫緊の課題であり抑制と適応の両面から取り組みを進める必要があります。
 例えば、女性や高齢者が活躍できる地域づくりや静岡県の特性や魅力を生かした交流人口の拡大など、静岡県に人を呼び込む取り組みとあわせ人口減少下においても持続的成長を可能とする快適で安全な社会をつくり上げていくことが求められているのではないでしょうか。
 県は、人口減少社会の克服に向け県民総ぐるみで取り組むことを基本姿勢として掲げていますが、オール静岡での施策の推進に当たり県が先導役として新たな課題に対応するためにはみずからの組織を支える職員の力が必要不可欠と考えます。一方で平成二十五年度に策定した静岡県行財政改革大綱において平成二十六年度から平成二十九年度の計画期間中におおむね百人の職員を削減することを目標としています。
 県では、これまでにも数次にわたる定員管理計画のもとコスト意識を持ちながら職員の適正化に努めてきたものと理解をしています。行政サービスの提供に当たり簡素で能率的な組織運営を目指す視点は大切ですが、目標達成のために必要以上の削減を進めることで安全・安心な県土の構築や若い世代が希望を持てる社会の実現など、県民にとって真に必要な施策の推進がおろそかになってはいけないと考えます。
 目標を金科玉条のごとく捉え、削減そのものを目的として進めるのではなく、新たな行政課題への対応のため状況に応じて削減計画を見直すなど人的資源の確保について積極的な対応をしていく必要があると考えますが、県の姿勢を伺います。
 今からは余談ですが、過日「あざれあ」で開催された“ふじのくに”森林認証シンポジウムに出席をいたしました。このシンポジウムの協賛団体である森林認証推進協議会長として参加をいたしました。その折ある主賓が挨拶の中で私を評して天竜の山の中でイノシシや鹿とともに成長した天竜の金太郎であり、認証協議会長としてふさわしいと言われました。私は目が点になりましたが事実天竜の自然の中で育った私として異論はありません。そのとおりなのです。今後メールアドレスに使用している与作を金太郎に変更するなど期待に応えてまいりたいと思います。愚痴っぽい部分もありましたが、要望の可能性も残し質問を終わりといたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 中谷議員にお答えいたします。
 県産材活用の拡充についてのうち、新しいふじのくに公共建築物等木使い推進プランの方針についてであります。
 県は、平成二十二年度に第三期となる木使い推進プランを策定し県庁本館や総合庁舎、県総合社会福祉会館の腰壁、床など県有施設の内装の改修などにおきまして県産材の利用を図ってまいりました。平成二十五年度には県内の全市町におきまして公共建築物木材利用促進法に基づく木材利用の具体的な方法や目標が定められ、県と市町とが一体となって県産材を利用することとしております。
 また、全国の木材利用優良施設を対象にした表彰で平成二十六年度は「プラサ ヴェルデ」が林野庁長官賞を、今年度はこのはなアリーナが農林水産大臣賞を受賞したほか、各市町におきましても学校、集会施設など県産材利用のシンボルとなる施設が完成しております。これらの取り組みの結果、平成二十七年度末までには五年間の利用目標でございました八万五千立米は達成できます。
 この成果を踏まえ、平成二十八年度から五年間を計画期間とする新しいプランを今年度中に策定いたします。目標は現行プランから一万立米上乗せしました九万五千立米といたしまして、富士山世界遺産センター、富士山静岡空港ターミナルビルの増築部分の建築、県産材による合板型枠の土木工事での利用など引き続き市町とともに率先利用に取り組んでまいります。
 技術開発につきましては、野外で使う建材などへの利用を図るため耐久性と寸法安定性をともに向上させる技術や燃えにくい性質――難燃性を向上する技術、高い表面硬度と自然な風合いを実現する塗装技術などにつきまして昨年度から研究に取り組んでまいりました。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会を契機に、国際認証材の利用が進んでおりますことから本県における森林認証の取得を推進することになります。先般の県産材における認証推進協議会には会長として御出席賜り、さる方から東に足柄山の金時がいるならば二十一世紀には西の天竜に中谷多加二先生こと――与作というよりも最近は確かに金時さん――金太郎さんが似合う人だと言われたのは私はすばらしい褒め言葉であったというふうに思います。
 ともあれ、その日の会合には立ち見席が出るぐらいの会場に熱気があふれまして県産材を使っていこう。特に天竜のほうはFSCでございますけれどもこれはなかなかにお金もかかります。しかしリオデジャネイロではFSCのほかヨーロッパでつくりましたPEFCですか――プログラム・フォー・エンドースメント・フォレスト・サーティフィケーション――PEFCとブラジル特有の認証材を使うということになりましたので、本県におきましてはSGECと言われる国で認証する木材ですね。これを使っていこうということで目下のところ静岡県下にはFSCが四万一千ヘクタールぐらいでしょうか。それからSGECが一万一千ヘクタールぐらいあると思うので五万五、六千ヘクタールだと思いますけれども、これを伸ばしていくことが実は森林を活性化していくことにもなるし、パラリンピック・オリンピックその他について本県産材が活用される可能性を広げていくということでございまして、官民一体となりまして認証のある県産材の利用を推進していきたいと。そこで本県独自の木使い表彰制度を創設してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、引き続き全庁を挙げて新たなふじのくに公共建築物等木使い推進プランの実現に着実に取り組むとともに、県が牽引役となり公共及び民間建築物など県産材の活用が進むように鋭意努めてまいります。
 次に、スポーツについてのうち、スポーツを活用した交流についてであります。
 スポーツには、参加する楽しみ、観戦、観光の楽しみなどで人を動かす力がございます。スポーツ大会の開催や合宿はアスリートや競技関係者だけでなくて県民各層を巻き込んださまざまな交流を創出する機会となります。
 二〇一九年にはラグビーワールドカップ、二〇二〇年には東京五輪など大規模な国際大会が開催されます。静岡県では静岡県東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ等誘致戦略を策定いたしまして東京へのアクセスのよさ、数多くのすぐれた競技施設など恵まれた環境を最大限生かして事前キャンプを実現させるとともに、これを契機として県内に広くスポーツを通じた交流に取り組む機運を高め、県民レベルの息の長い交流につなげていくこととしております。
 現在、静岡市内で台湾バドミントンチームの合宿が行われております。これはこのはなアリーナを中心にして合宿をされているわけですが、日本代表の選手も御参加いただきまして、おととい代表者の方が来られまして最高の合宿になっているということでございました。やはり一旦来られますと、もうそのハートをつかまえできる限りのことをすると。それが後につながるというふうに思っておりまして、今回の台湾バドミントンチームの合宿は目下のところ大成功と言ってよいのではないかと。そして彼らのほうも交流をさらにバドミントン以外の方面でも進めていくことに大変意欲的でございました。そうしたことが私は県民レベルでの民間交流につながっていくというふうに思っております。
 さきにイギリスで開催され、私が視察しましたラグビーワールドカップではまことに世代、国境を越えてファン同士が和やかに交流され、そしてまた開催都市がまことに温かいおもてなしをされておりまして、世界中から集まる来訪者を迎えるボランティアの姿もたくさんありまして非常に強く印象に残りました。二〇一九年の本県開催も世界との交流の輪を大きく広げる契機とするよう取り組まねばならないと痛感した次第でございます。
 サイクリングにつきましては、東京オリンピックのサイクリングの会場に本県が選ばれる可能性が取り沙汰されております。これは大きな励みになると存じますが、一方でもう既にイタリアや台湾との交流を契機に県民のサイクリングへの関心が高まっております。台湾の方が来られたときに私はハマイチ――これは浜名湖一周ですね。これは申し上げました。天竜のサイクリングもそうですけれどもともかく一旦お越しになった方々が満足して帰られることがとても大切で、今サイクリングはイタリアの方、台湾の方が静岡県に関心を持たれているのでこれはもう失望させてはならないということで最初が大切です。私は本県をサイクルスポーツのメッカにできると思っておりまして、国内外のサイクリストを県内各地に呼び込めるように取り組みを進めます。
 本年は、いわば静岡県が世界に向かって羽ばたくための交流の種をそれなりにまいたというふうに思っております。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを見据えまして地域の特性に合ったスポーツ交流が草の根レベルで全県に広がり、国内外との平和的な交流が幅広く進むように取り組んでまいります。
 その他の御質問は関係部局長からお答えをいたしますが、私もまた豊かな暮らし空間というのは天竜に代表されるような山間地域といいますかカントリーサイドにあるというふうに確信しております。長い間都市化というのが発展の指標になってきました。都市化が行き着く先は今度は緑が欲しいと。屋上の緑化や壁面の緑化やあるいは山村留学などが起こっております。最終的には都市がルーラル化するといいますか、田舎の風合いが欲しいということになっておりますので本物の田舎暮らしのよさを我々は示していくことが大切です。その意味で内陸のフロンティアも新しいライフスタイルの提供ということで、都会的ないわゆる箱の中に人々が住まうのではなくて自然と建物とが調和するといいますか、家と庭あるいは集合住宅でもその近くに自然の景観とマッチしたような形で庭を配置すると。あるいは建物もそのように建てるというふうなことを通しまして、どうしても東京やあるいは大都会ではできないようなライフスタイルを中山間地域において提示していきたいと思っておりますので、二十一世紀の金時さんにはぜひこれからもただに森林組合の会長さんだけでなくて、またさらにですね、森林で働く青年たちがかっこいいと。ドイツなどではシュバルツバルトで働く青年こそが最も格好いいと思われているそうでございます。そういうロールモデルにもお坊ちゃんも含めてですね、なっていただければというふうに期待するところであります。
 余計なことをちょっと申したかもしれませんが、関係部局長、教育長からその他の案件に対しましては御答弁を申し上げます。失礼いたしました。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 県産材活用の拡充についてのうち、木材生産の拡充に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県では、製材工場の規模拡大や合板工場の新設などにより今年三月に年間五十万立方メートルの丸太の受け入れ体制が整ったところであります。丸太を生産する森林組合等の林業事業体がこうした製材工場等に丸太を安定的に供給し製材工場との良好な信頼関係を築くことが重要であると認識しております。
 県では、これまで林業への新規就業説明会の開催や高性能林業機械のオペレーター研修を実施し木材生産を担う人材の確保や育成に努めるとともに、丸太の集積基地である中間土場の整備や丸太を大ロットで製材工場等に運搬できる大型トレーラーの導入を支援し、輸送コストの縮減に取り組んでまいりました。また経営改善に意欲のある森林組合等に対しアドバイザーを派遣するとともに、本年度からは県内全ての森林組合を個別に訪問し安定供給のメリットを説明して理解の促進に努めております。
 県といたしましては、県森林組合連合会と連携しながら県内の森林組合等がそれぞれ抱える課題や地域の実情に合わせたきめ細かな支援を行って木材生産の拡充につなげ、本県の林業・木材産業の活性化に取り組んでまいります。
 次に、森林におけるニホンジカ被害対策についてであります。
 ニホンジカによる植栽木の食害は、伊豆、富士地域に加え中部や西部地域でも拡大しており被害対策は喫緊の課題となっております。これまでニホンジカの捕獲については猟友会が中心となって捕獲を実施してきたところでありますが、適正な生息頭数まで減らすには森林組合等も捕獲対策に参加することが必要であると考えております。ニホンジカは行動圏が固定的で伐採跡地のような開放的な場所を餌場としていることが森林・林業研究センターの調査研究により明らかになりました。また同センターでは専門的知識がなくても操作が容易で捕獲効果の高いくくりわなを商品開発し今年度実用化したところであります。
 こうした状況を踏まえ、今後は森林組合等の職員に対しわな猟の免許取得を働きかけるとともに、この新しいくくりわなの普及とニホンジカの行動パターンを踏まえた効果的な設置場所の選定方法等の捕獲技術を指導してまいります。
 県といたしましては、防護ネット設置のさらなる低コスト化を進めるとともに、森林組合等がみずからわなによる捕獲対策にも携わる人材確保の取り組みを支援することでニホンジカ被害対策の強化に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 浜松市との基本協定の更新についてお答えいたします。
 政令指定都市は、充実した財政基盤を有するとともに包括的な権限移譲により県の関与が大幅に減少するなど他の市町と比較し高次の自治能力を有する団体であります。そのため県単独助成事業については浜松市が独自に実施することを基本としておりますが、バス路線維持費助成など過疎関係助成事業の実施については三年ごとに見直し協議を行った上で現在経過措置として六事業を継続しております。
 過疎地域につきましては、その自立促進のために特別の措置を講じる必要があるという判断のもと、過疎地域自立促進特別措置法が平成十二年に制定されました。またさまざまな課題を抱える過疎地域は食料や水、エネルギーの提供、国土の保全など極めて重要な公益的機能を有していることを踏まえ、実効性のある対策を切れ目なく講じていく必要などからこれまで法適用の拡充、延長が行われてきたところであります。直近では平成二十四年に改めて同法の適用期限を本年度末から平成三十二年度末まで延長する改正がされたところであります。
 県では、こうした過疎地域自立促進特別措置法の目的や期限延長の趣旨にのっとり、同法における支援措置に準じてこれまで浜松市の過疎四地域を対象としたバス路線の維持や農林業振興などの県単独事業について経過措置を講じて事業を継続してまいりました。
 今回の基本協定の見直しに当たりましては、過疎地域自立促進特別措置法が延長されたことやこれまでの経過措置を講じてきた経緯等を十分配慮しながら過疎関係六事業による支援の継続について検討してまいります。
 次に、重要課題への対応と人的資源の確保についてであります。
 県では、限られた人的資源の中で複雑化、多様化する行政課題に適切に対応するため権限移譲や事務の委託化による減員のほか、本庁組織の再編や業務の集約化に伴う支所、駐在の統廃合など事務事業の進め方や組織のあり方を見直すことで適正かつ効率的な人員配置に努めてまいりました。
 しかしながら、少子高齢化の進展や人口減少社会の到来などかつて経験したことのない社会状況の変化への対応、富士山や韮山反射炉を初めとする世界クラスの地域資源がここ数年で続々と現出する中で、これらの資源を活用した交流人口の拡大、新たな産業の創出による雇用の確保など喫緊の課題が山積しております。
 こうした課題に適切に対応していくため、組織にとって人材は貴重な財産であるという視点に立って、定員管理計画ありきではなく事業実施に必要な職員数を改めて精査した上で施策の優先順位を踏まえた人員配置を行います。またキャリア・デベロップメント・プログラムに基づいた専門性の高い人材の計画的な育成など職員が意欲、能力を十分に発揮できる人事施策を展開することにより量と質の両面から重点施策の推進に必要な人的資源の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) スポーツについてのうち、競技力の向上についてお答えいたします。
 県では、国体の総合成績を八位以内、東京オリンピックに本県関係選手が五十人以上出場することを目標としジュニア世代の育成や優秀な指導者の養成などに取り組んでまいりましたが、国体や高校総体などの成績は目標を下回る状態が続いております。
 このため、静岡県体育協会では競技力の向上に向け競技団体や学校部活動の関係者と一体となって、要因の分析や課題の整理とともに中学、高校の部活動の強化や選手の練習環境の改善に取り組んでおります。早期に結果に結びつくようなさらなる取り組みに期待しているところであり、県としても国体強化事業やジュニア育成・強化事業などを通して積極的に支援してまいります。また効果的な競技力向上に取り組む上ではスポーツ施設の充実が必要不可欠であるので、今後も草薙総合運動場やエコパなどを本県スポーツの重要な拠点として位置づけ、交通基盤部とも連携して選手にとってよりよい施設となるよう引き続き環境整備に努めてまいります。
 県といたしましては、今後とも静岡県体育協会を初め各競技団体、中学校、高校の部活動の関係者と十分に連携し、本県選手のさらなる競技力の向上に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 田舎の豊かな暮らしと地方創生についてお答えいたします。
 県の移住相談センターで受けた相談では、田舎暮らしや豊かな自然環境を求めて移住したいという方が最も多く全体の三分の一を占めており、田舎の豊かな暮らしは首都圏在住者にとって大きな魅力です。
 一方、議員お住まいの浜松市天竜区の例をとっても、がんばらまいか佐久間や夢未来くんまなどのNPO法人が地域おこしイベントやお試し住宅の運営など田舎暮らしの魅力の発信や移住の受け入れに熱心に取り組んでいます。こうした取り組みを受けIT企業を設立した方、農家民宿を始めた方あるいはふじのくに暮らし推進隊として入り定住した若者など、豊かな自然や住民の温かさに引かれ地域に移住された方がふえてきました。
 NPOが実施したくんま田舎暮らし体験交流会に参加し、東京から天竜に移住を決断した三十代の方の弁です。「ウグイスが鳴けば御機嫌になるし、とれたての野菜がおいしいことを知ればつくりたくなる。うまいアユを食べれば清流にも興味が行く。自然とともにある暮らしが人として忘れてはいけない何かを教えてくれます」。
 県といたしましては、こうした移住者の地域への思い、また地域の方々の活動を公式移住サイトや来年二月に開設予定のスマホ版サイトなどを通じて発信するとともに、セミナーや相談会等で移住された方に田舎での豊かで魅力的な生活を直接紹介していただくなど、今後とも地域の魅力の積極的な情報発信に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 中谷多加二君。
       (六十四番 中谷多加二君登壇)
○六十四番(中谷多加二君) 簡単に要望にしておきます。
 先ほど、競技力の向上ということで教育長に御答弁いただきました。その質問の中で申し上げましたが草薙総合運動場公園の整備、管理運営のことですが、草薙の競技場であったり野球場であったり、これはやっぱりスポーツのメッカです。ところが運動場公園ですからやはり公園法ですとか国の国土交通省の関係の補助金ですとかいろいろの絡みがあってですね、どっちを主体にものを考えるのかという非常に難しい状況になっているという理解をしています。
 今、関係の両部局でですね、いろいろ協議をされているようですが、あんまりどっちかに偏らないように、やはりスポーツを重点的に考え、そして公園としての管理も考えというようなそういった観点からしっかりとした整備管理そして運営形態をつくっていただきますように、今回は要望にしておきますが、知事もよくお聞きをいただいてよろしくお願い申し上げます。以上です。
○副議長(杉山盛雄君) これで中谷多加二君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問、静岡県選挙管理委員及び補充員の選挙を行います。
 本日はこれで散会します。

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