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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

桜井 勝郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/07/2018

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 モンゴルからの石炭の輸入について
2 リニア中央新幹線のトンネル工事と湧水について
(1) 市道閑蔵線のトンネル
(2) 大井川のリニア中央新幹線トンネル工事の湧水と東京電
  力の水問題
3 県都構想について
4 知事戦略監の役割について


○副議長(落合愼悟君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、五番 桜井勝郎君。
       (五番 桜井勝郎君登壇 拍手)
○五番(桜井勝郎君) 私は静岡県議会議員として、県政の諸課題について通告に従い一括質問方式にて知事、副知事及び関係部局長に伺います。
 知事は、昨年の知事選でこれからは仏の川勝になると言っております。私は初めて生き仏にめぐり会えたのであります。私たち一般庶民はお亡くなりになった方は仏様になると先代から聞かされてきました。私は毎朝仏壇に向かって亡き両親先祖の位牌にどうか成仏してくださいと両手を合わせて拝んでおります。南無妙法蓮華経、南無阿弥陀仏。約四年間を通してあなたの考え方に違和感を感じ、この際過去の知事発言を検証して、その後その発言がどう変化したのか私の所感を述べながら質問していきたいと思っております。
 さて、質問する前に仏様になる前の川勝知事の言動について検証してみたいと思います。
 まず、JALの搭乗率保証についてであります。
 保証金の支払い拒否による訴訟で和解し、それでも負け惜しみなのかどうなのかみずからの言い分が理解されたと強弁して負けを認めず、あげくの果て訴訟費用まで県税を使い余分な出費を強いられました。
 国も地方自治体も法の支配のもとに運営されており条例、規則、規約、契約は国民、県民誰もが侵してはならない決めごとであります。それらによって政が行われるのであります。一億五千三百万もJALに払うのはけしからん。絶対に払わん。前知事の石川さんが静岡空港の認知度を高めるためにはJALの就航が必要である、そのためには搭乗率保証――運行支援金もやむなしということで決めたのであり議会の了解をとってのことだと聞いております。県民はその背景に何があるかも知らず単純に税金の無駄遣いということで知事の発言に大拍手でした。
 静岡県人は、温厚で多少の不満があってもお上の言うことには従いはっきり物を申さない県民性から川勝知事の行動を新鮮に感じたのでしょう。そのせいかどうか、県民性を見抜いた知事の発言は次から次へと市町の行政に大きな影響を与えたのであります。医科大学病院の誘致、沼津駅高架化にかかわる貨物駅は要らない発言、県都構想、御幸通りの景観問題、新幹線空港新駅、モンゴルの石炭輸入構想、航空自衛隊静浜基地の静岡空港への移転等々、これらの知事発言に関係する市町あるいは企業がどれだけ戸惑い、迷惑し、我慢を強いられていたかおわかりになっているのでしょうか。
 さきの九月議会の答弁でこれらの多くはその旗をおろしていないと言う。有名大学の教授までなさったあなたのことですから、論争になったらというより後づけの言いわけは天下一品でありますからこの静岡県でかなう者はいないでしょう。温厚で控え目な静岡県人は論争になる前に引いてしまうでしょう。それはあなたと争っても静岡県民の価値観や常識は通用しないと思うからであります。静岡県人は争いごとを嫌うし、すぐに感情的になるあなたとはかかわらないほうがよしとする知恵からきているのであるとは私思っております。それを知ってか知らずか、さきに述べたように次々と構想をぶち上げマスコミからも脚光を浴びて飛ぶ鳥を落とす勢いであります。しかし何一つ実現してないのであります。
 ここで、知事、副知事の退職について述べたいと思います。
 過去何人もの先輩議員が退職金について質問しておりますが、退職金をもらわないと言ってもらう人や副知事に至っては一人はもらって二人はもらわない。もらうなら知事を含めて四人とももらうか、全員もらわないと言うなら筋も通るでしょう。今度の選挙で金がかかるからもらう。じゃあ前々回は選挙に金がかからなかったのでしょうか。当然引退するときは選挙がないから退職金は受け取らないでしょうね。
 片や副知事については、過去に知事はこんなことを言っているのです。仕事にやる気がある人はもらわないはずだと。じゃあもらう人はやる気のない人なんでしょうか。
 知事いわく、彼らは自主的に辞退したとのこと。しかし大須賀元副知事は平成二十六年の議会答弁でこう言っているのです。私の場合はみずからの考えに基づいて退職手当の支給を辞退したものであります、副知事の退職金というのは法解釈上は賃金の一部で本来月例給として支給される決まりになっており、それを退職時に一括していただく性質のものであります、後進の皆さんは私の判断には関係なくみずから判断して対処いただければよろしいのではないかというふうに思っております。この答弁に大須賀元副知事の苦渋の思いを聞き取ったのは私だけではないはずであります。数千万の退職金を辞退するなんて私には到底考えられません。もちろん貴重な税金です。辞退するなら県民としては喜ばしいことです。
 しかし、先ほど申したように地方公共団体、行政執行者は法の支配のもとにあり大須賀元副知事も答弁されたとおり退職金の支払いは条例で定められているのであります。当然もらえる権利があります。それをあえて辞退するなんて法の否定につながり、同じ副知事でありながら一人はもらって二人は辞退では不平等、不公平であり公平公正の原則に反する行為です。後進のためにも退職金を辞退せず、どうしても要らなかったら一旦いただいて世のため人のためになるような団体に寄附したらいかがでしょうか。それでも辞退するということは絶対的な権力者である知事が暗に副知事に指名するかわりに退職金を辞退させる、あるいは辞退せざるを得ないような今はやりのそんたくを誘導したとしか考えられません。まさしく今風のハラスメントと言わざるを得ないのであります。
 次のジャパン・アズ・ナンバーワンは静岡だ、静岡をドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にだとか何とか浮かれたことを言っていますが、この退職金すらへ理屈を並べて何の整合性もなく不透明な処理をしてよくそれで次は静岡県だと言えるものです。仏である川勝知事がそんなことをやるとは思えません。
 次に、沼津市の駅高架化整備についてお話ししたいと思います。
 沼津駅の高架化は長年の懸案事項でありました。当時の市長はそれを公約に掲げ市民大多数の信任を得て当選しました。さあ高架化の実現に向けてスタートしようとしたやさきに、知事は貨物駅なんか要らないとおっしゃった。知事発言に反対派は勢いを増し市当局は愕然とし高架化に向けた事業は中断してしまったのであります。
 それはなぜか。八百億近くかかる事業費の半分は国、残りの半分は県と市。県の負担は約二百億円近く、予算編成権と執行権は県知事ただ一人。泣く子と地頭には何とやらで沼津市当局は沈黙です。当然県の予算がつかなければ国の予算もつかないのであります。高架化を実現するには貨物駅の移転しかないと究極の選択と言えるプロセスを踏んだにもかかわらず、貨物駅は要らないの一言で沼津市をがっかりさせてしまったのであります。その後やっぱり防災上貨物駅は必要であると前言を翻したのであります。その反動で反対地権者は知事に裏切られたと訴訟に進んでしまったのであります。
 あなたの一言が高架化の実現を願っている大多数の地域住民の期待を裏切り、遅延による経済的損失ははかり知れないのであります。あなたの現場主義、場の力は何だったのでしょうか。この責任は一体誰がとるのでしょうか。それでも地域住民の県民性でしょうか、県知事選挙の前に不退転の決意で高架化の実現を目指すという発言に今さら虫のいいことを言うなと言いたいところですが、過去のいきさつをぐっとこらえて権力者である知事に感謝せざるを得ないのであります。
 主権在民にもかかわらず自分をさんづけさせている知事広聴会。地方行脚二千回以上、現場を回っていると自慢する知事さん。事前に参加者の質問を調整して心地のよい意見交換をしても地域住民の本音なんて聞けっこないんです。その地域を一番よく知ってるのは地元の首長、市会議員であり、地元の県会議員なんです。
 俺は現場の全てを知ってると自慢していますが、そんなものは一体どれだけの効果があったのでしょうか。この四年近くあなたを見ていると地方のやることに一々口出しして困らせ、困惑させ、内政干渉も甚だしいのです。地方のことは地方に任せるべきであります。地方の歴史、文化、経済、風土など文書化したものを読破しても、それを自慢げに披露してもそれは単なる物知りであります。地域住民の一部は知事はおらがまちのことをこんなにも知っていて関心を持っていると錯覚し感激するでしょう。それがあなたの狙い目だったらお見事と言うしかありません。あらゆる分野の書物を読んで学生たちに教える商売をなさってたあなたにとっては朝飯前でしょう。
 しかし、地域で生まれ育った人でなければその地域の問題点はわかりません。他人にはわからないしきたりや風習、人間性、価値観、そういうものが加味されてこそその地域の問題点を解決できる道しるべになります。私にはあなたのような文学的、学問的、論理的な才能はありません。しかし中小企業経営者として地方で働く一般庶民の生活感や価値観はあなたより知ってるつもりです。それは実体験に基づいているからなのであります。
 ここまでは知事の言動を検証してきました。まだまだ言いたいことはたくさんありますが、今回はこれくらいにしてこれからは私の所感を述べながら質問したいと思います。
 静岡県は、知事の肝いりでモンゴル国との友好を深めております。国際交流を深めることは大事でありますがモンゴルに対しては尋常ならざる熱の入れ方です。平成二十四年七月には友好親善のあかしとして静岡通りという名の道路が建設されたようですが、まさか県の税金でつくったのではないでしょうね。管弦楽団の楽器の全てを寄附したりオーケストラの指揮をとって悦に入っているとも聞いておりますが公私混同の疑いすら感じてしまいます。まさかあなたのルーツはモンゴル国にたどり着くのではないでしょうね。それが高じてインフラ整備も進んでいないドルノゴビ県の石炭を輸入しようと提案してしまった。
 地球温暖化防止対策のために各国が化石燃料をやめ再生可能エネルギーに転換しようとしているこの御時世に、石炭を輸入してそれを中部電力に売ろうとしたあのアイデアはどうなったのでしょうか。常に環境や景観に過敏なあなたが地球温暖化防止に逆行するような提案をなさるとは全くもって理解に苦しむのであります。受け入れを打診された中部電力も原発再稼働に絡んでむげに断れず困っていたのではないかと想像ができます。この旗はおろさずにいるのでしょうか。
 ちなみに、国連では二〇五〇年までに石炭火力発電をほぼゼロにするということが必要だと指摘しております。知事の見解を伺います。
 最近知事はトンネル工事で発生する湧水を全量戻す件でJR東海を糾弾していますが、関連する地域住民、企業、静岡市も絡んでマスコミに注目され世間の関心を呼んでいます。まさしく劇場型の論争です。これぞ知事の存在感を発揮する最高の舞台です。日ごろからJR東海には空港新駅に対するつれない対応にふんまんやる方ない知事はその怒りをトンネル工事による湧水にぶつけたのであります。水を武器にして関連する世論を味方につけ言いたい放題であります。
 昨年十月十日の定例記者会見であなたはこうおっしゃっております。この工事によって地域振興なり地域のメリットがあるかについて基本的考えのないまま勝手にトンネルを掘りなさんな、またある雑誌でルートを変えることも考えた方がいいとおっしゃっていました。もともと東京から愛知を経て大阪に至るルートの中に静岡県は入っていなかったのです、私も一時期長野県の代表の学者として参加していたことがあるがそのとき一度として静岡県の名前が出たことはない。そしてこうもおっしゃっておるのです。平成二十三年五月の中央新幹線小委員会で突然ルートが発表され驚いたと。しかし突然ルートが発表されたのでしょうか。
 国土交通省の中央新幹線小委員会は平成二十二年三月三日に第一回が開催され、以降伊那谷ルートと南アルプスルートの二ルートを候補として検討を進め第四回、第五回では沿線自治体のヒアリングが行われました。第五回の平成二十二年七月二日に静岡県を含む一都一府四県のヒアリングが行われ、知事あなたも参加しているのです。
 このとき知事はこう言っているのです。中央新幹線に対する静岡県の期待は極めて大きい、静岡県は防災先進県であります、東海地震がいつ起こるかわからない中で中央新幹線ができますと危機管理の観点から、いわゆるリダンダンシーの確保ができるということでございます、そしてまたもちろんこれは大きな経済効果が生まれます、そして静岡県は沿線地域としましても南アルプス地域での地質調査等に積極的に協力してまいりたいと発言されてるのです。知事はこの時点で南アルプスルートが候補であることは御存じであり、この後平成二十三年五月、中央新幹線のルートは南アルプスルートに決まったのであります。
 それをですよ、一度として静岡県の名前が出たことはないとおっしゃるのはどういうことなのでしょうか。さらに言えば新幹線小委員会の審議が始まったのは平成二十二年三月からで、あなたが静岡県知事に就任したのは一年前の平成二十一年ですから知事が長野県代表の学者として参加することはあり得ないのであります。ちなみに長野県当局に確認したところリニア中央新幹線小委員会へは静岡県知事として出席しており、長野県代表の学者ということはあり得ないとのことでした。
 八年前の平成二十二年当時のあの知事の発言は一体何だったのか。知的で教養あるあなたらしからぬ自己矛盾も甚だしい発言であります。ましてやこういう事実を曲げて県民世論を誘導し自分への支持を集めてどこまでもJR東海に対して個人的感情で対立しても何の解決にもならないのであります。
 最近そんなことを見透かしたのか、JR東海は静岡市と基本合意書を締結しました。県道三ツ峰落合線にトンネルを無償で建設し、かわりに静岡市はリニア工事に全面的に協力するという内容であります。
 当初は、建設資材や作業員の移動には長島ダム工事で道路整備がなされている道路からその先の静岡市道閑蔵線にトンネルを掘る計画でした。このトンネルは完成後には奥大井の観光道路としても大いに役立ち川根本町の過疎化対策になり、下流域にも地域の活性化をもたらします。まさにリニア新幹線がもたらす経済効果です。あなたの発言が大井川流域住民、自治体にどれだけ迷惑をかけ経済的損失を与えようとしているかおわかりになっているでしょうか。
 市道閑蔵線のトンネル整備が撤回されたことは知事の発言が招いた結果であると考えますが、その責任をどうとられるおつもりであるか見解を伺います。
 知事は、JR東海には命の水と言われている大井川の水を一滴たりとも渡さないと言いながら、あの田代ダムから毎秒四・九九トン東京電力の発電用として山梨県側に流れているあの水は我々の命の水――大井川の水ではないのでしょうか。
 東日本大震災前の平成十七年、我々大井川流域の自治体は田代ダムの水利権の更新の際には東京電力に対して水利権を認めるな、大井川に水を戻せと交渉し県も当時の石川知事が東京電力の本社まで出向いて要望し、その効果もあって年平均毎秒約一トンを何とか取り戻したのであります。当時は発電用の水ということで公共性の高さから無理も言えないなということで妥協した経緯があります。
 その後原発事故という大惨事。静岡県は放射能汚染やお茶の風評被害でどれだけ東京電力に迷惑をこうむったかあなたも御存じのはずです。その水については一切触れようとしない。同じ命の水なんです。JR東海には敵対心丸出し東京電力には沈黙。これはどういうことでしょう。あなたが本当に大井川流域の水問題を真剣に考えているのか過去の場当たり的と言える発言を見ると疑問に思えてならないのであります。公共用の発電用水だから無理だとおっしゃるならモンゴルの石炭も中部電力ではなく東京電力に売りつけて田代ダムの水力発電量に見合った火力発電所をつくらしたらどうでしょうか。もちろん地球温暖化対策に逆行しますが、そうすれば毎秒四・九九トンの水が大井川に戻ってきます。
 何だかうわさによると民間会社に御前崎に火力発電所をつくらせ、モンゴルの石炭を使わせ原発を廃炉にさせるとか。清水の火力発電所建設を反対して御前崎の火力発電はいいのでしょうか。
 以上の観点から、リニア新幹線や東電の水問題を踏まえ命の水である大井川の水をどのように守るのか見解を伺います。
 次に、県都構想についてお伺いします。
 主権在民にもかかわらず自分には平太さんとさんづけさせる一方で、同じ首長である静岡市長を君とお呼びになりました。まさしく知事の上から目線の典型であります。
 国の法律が変わらない限り絶対に無理な県都構想は静岡市いじめ以外の何物でもありません。静岡市を自分の配下に置きたい県都構想。全く法改正の見通しが立たない中で旗をおろすことなく取り組むとおっしゃっています。しかし具現化に向けた動きは何一つないと言ってもいいのではないでしょうか。
 知事さん、やるからにはもっと覚悟を持って思い切って取り組みを実行していただくことが必要なんじゃないですか。あの大阪都構想は実現しなかったものの、橋下元知事は具体的に次々と策を打ち出しただけでなく最終的には都構想実現のため府知事をやめて反対する大阪市長を倒すため市長選挙に打って出て大阪市長になったわけであります。
 先日、田辺市長が静岡市長選への立候補を表明しました。もはや県都構想の実現に一歩近づけるには、あなたがあの憎き田辺市長を倒さなければ県都構想という錦の御旗は羽ばたきません。他人を使って対抗馬を出すようなこそくなことをせず県知事みずから打って出て、県都構想の旗をおろしていないと口先だけではなく行動をもって県民に知らしめるべきです。もし決断できないようでしたら橋下さんの爪のあかでも飲んだらよろしいかと思います。これは余分なことですけどね。
 それについて、県都構想の実現に向けた知事の見解を伺います。
 次に、知事戦略監の役割について伺います。
 知事戦略監の役割については、部局横断的な課題に対応し総合調整の役割を担ったり知事戦略の企画立案や知事、副知事の特命事項に対応しているポストであると理解しております。知事の特命事項への対応といえば、二年前の十二月議会で私が空港立ち木の問題や瓦れき受け入れ時の問題を取り上げた際には議会終了後に当時の知事戦略監が私の控室に来られ発言の訂正を強く求めてきたことがあったのです。このとき知事の命令だとはいえこんな仕事もしなければいけないのかとかわいそうに思ったものであります。また九月議会で知事は知事戦略監のポストには県庁の最高のエースを配置していると答弁されております。そのようなエースですので総合調整の役割として人事や予算編成にも大きな影響力を発揮されているとも伺っております。
 しかしながら、エースである知事戦略監とはいえ全ての部局に精通しているわけではありません。例えば現在の篠原知事戦略監は企画や経済産業の部局に長く在籍され人事や財政といった事務を担当されたことはないと伺っております。それでも知事の特命事項の一環であるのか、幹部職員の人事について介入、指示されることもあると漏れ聞こえてきます。現在は副知事に匹敵するような働きぶりであると拝察いたします。
 改めて、知事戦略監に求められる役割とは何か、知事戦略監御本人の見解を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 桜井議員の一流の川勝批判というよりも川勝非難の桜井節、健在ぶりであるというふうにお伺いいたしました。
 通告にある御質問にお答えをいたします。
 モンゴルの石炭にかかわる御質問であります。
 モンゴル国は豊かな地下資源を有しております。中でも石炭は六十億トンあると言われ今後の経済発展の鍵を握る資源としてその戦略的な活用は同国政府、同国経済の重要なエネルギー政策として位置づけられております。
 私がモンゴルに行きましたのは平成二十二年の夏です。それは学者のときに予定されていた講演をするということでありまして渡航費も滞在費も全て向こう持ちだったのですが、しかし知事になっておりましたので県庁の方がお越しになられました。ついては当時、道路・運輸・建設・都市計画省大臣バトトルガさん、そして教育・文化・科学文部副大臣クランダさんとの御面会が実現したのであります。そしてバトトルガ大臣との懇談におきましてインフォーマルながら二つの要請がありました。モンゴル石炭の活用法並びにビザについてであります。
 そしてその翌年――平成二十三年、その前年のエルベグドルジ大統領の公式訪問の際にガンホヤグ・ドルノゴビ県知事もお越しになられて覚書が締結せられて、そして平成二十三年の夏に本県の議員さんと御一緒にドルノゴビ県に行ったわけです。
 そして平成二十三年その夏、帰り際に何と予定になかったバトトルガ大臣が数百キロの車を飛ばして空港にまでお越しになりました。そして我々代表団とインフォーマルな、しかしながら公式の会談が行われたわけです。インフォーマルと申しましたのは前もって決められていなかったからであります。その場におきまして石炭の日本への輸出についてモンゴル国政府からの要請として直接協力をお願いしたい、受けたということでございます。
 私はもう一つ要請がございました。それはビザについてであります。当時モンゴルから日本に来るにはビザが必要で、しかもビザ申請時には日本からの招聘状と身元保証書が必要だったわけです。これを受けまして私は日本に帰りまして松本大臣に会い、そしてこの今ではビザの申請は要りません。日本からの招聘状、身元保証書の提出も不要になりました。今は数次ビザの導入が可能になっており三年以内の入国回数制限が撤廃されております。
 石炭に関しましては、平成二十三年その八月の際に六十億トンもの石炭が一カ所でとれるわけではありませんでまずはどの石炭が使えるのか試験をさせてくださいということだったので、それではサンプルを送ってくださいということで碧南において中部電力が試験をなさいまして、試験に合格するというのは実はオーストラリア炭あるいはインドネシア炭とまぜて燃焼して使えるかどうか、それが安定的に供給できるかどうかということであったわけであります。ところがドルノゴビ県石炭の燃焼試験結果を踏まえてモンゴル側に対し輸入ルート、手続、コスト面等々条件が整わずモンゴル側からの具体的な回答を得られないままに現時点の状況になっております。したがってあなたがドルノゴビ県の石炭を輸入しようと提案したなどというのはですね、作り話です。
 平成二十六年度から、モンゴル国における電力エネルギーの安定供給に資する人材育成を目的にエネルギー省などから技術研修員を受け入れ、中部電力の協力を得まして実務研修を実施し技術分野での支援を行い感謝されております。また研修を通じて習得された技術がモンゴル国内での石炭の利用や送電技術の向上につながり経済発展にも大きく寄与しておりまして、これは本県に対するモンゴル国政府の信頼に応える形になっており、今やモンゴル国政府と静岡県とは非対称的な関係ながら地域外交の重要な柱をなしているのであります。
 県としましては、友好的互恵・互助の考えのもと引き続きモンゴル国政府や中部電力と十分に連携を図りながら技術支援や人材育成を通じて本県とモンゴル国、またドルノゴビ県との友好関係を深めてまいります。
 ちなみに、今回は書かれた物をお読みになりましたけれども少しお調べになられれば事実かどうかがわかることがたくさんございます。本県の職員が先生のところに出向いてお話をしても聞く耳を持たれないというふうに報告を受けております。私はこれまでのあなたの御発言に対して議長に事実に誤りがあるので訂正をお願いしたいと申し上げましたところ、御本人が改めない限りそれはそのまま記録に残るということでございました。これからは何を言われるのも結構ではございますけれども、少なくとも事実をベースにして議論を立ててくださるようにお願いを申し上げたく存じます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(落合愼悟君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) リニア中央新幹線のトンネル工事と湧水についてのうち、市道閑蔵線のトンネルについてお答えをいたします。
 中央新幹線南アルプストンネルの整備に関連するJR東海との意見交換は静岡県中央新幹線対策本部を窓口として行っております。それで私が本部長を務めておりますので議員の御指摘は私への御叱責でもあるというふうに受けとめております。
 議員の御指摘でありますけれども、トンネル工事で発生する湧水に関する知事のJR東海に対する厳しい対応が静岡市道閑蔵線のトンネル整備撤回につながったと。そこには責任を問えということですが責任を問えということはそこには因果関係、原因と結果の関係があると、そういうことだろうと思います。一生懸命考えましたがこの二つがどういうふうにつながっているのか私には全く想像がつきませんでした。そして水問題に関するJR東海に対する厳しい対応は大井川の利水者や関係市町の首長も同様の対応を求めておられます。県知事と利水関係者の皆様の心と考え方は一つと理解をしております。
 桜井議員の責任をどうとるつもりかのお考えにつきましては大井川利水関係協議会の皆様にお伝えし、県及び利水者としてどういう対応をすべきであったのか、あるいは責任をとらないといけないようなことをしてしまったのかそれについてしっかり意見交換をし、しかるべき形で議員にその結果をお伝えしたいと思っております。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 平野交通基盤部長。
       (交通基盤部長 平野忠幸君登壇)
○交通基盤部長(平野忠幸君) リニア中央新幹線のトンネル工事と湧水についてのうち、大井川のリニア中央新幹線トンネル工事の湧水と東京電力の水問題についてお答えいたします。
 大井川では、議員も御存じのとおり発電取水による河川流量の減少と河川環境の悪化の問題があり地元からも水を返せとの声が大きくなったことからこれまでさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 田代ダムの水問題につきましては水利権更新の機会を捉えダムからの放流量を設定しております。県は平成十五年二月に国、県、流域市町、発電事業者が参加する大井川水利流量調整協議会を設置し十回もの協議会で議論を交わして取水に優先して確保すべき河川維持流量について合意し、平成十七年度の水利権更新時には季節に応じて毎秒〇・四三立方メートルから一・四九立方メートルの水を八十五年ぶりに大井川へ戻すことができました。平成二十七年度には再度の水利権更新を迎え協議会で議論を行い河川維持流量を踏襲することを合意し、平成二十八年七月に水利権が更新されたところであります。このような経緯も踏まえまさに命の水である大井川の水を守るということにつきまして県は全力で取り組んでおります。
 今後とも、大井川水系の水資源や生態系への影響を回避するため専門家の知見をいただきながらJR東海と徹底した対話を行い、利水者や地元の皆様が納得し安心していただける万全な対策をJR東海に求めていくこととしております。
 県といたしましては、長い歴史の中で関係者の血のにじむ努力の積み重ねにより成り立っている大井川の水利用がリニア中央新幹線トンネルによって損なわれることがなく、将来にわたって持続可能であるよう利水者や流域市町等関係者と連携して大井川の水の保全に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 杉山経営管理部長。
       (経営管理部長 杉山行由君登壇)
○経営管理部長(杉山行由君) 県都構想についてお答えいたします。
 人口減少が加速する現代社会において、将来にわたって安心・安全で快適な地域を維持し豊かで魅力的な社会を形成していくためには、行政の効率化はもちろんのこと地域の特性を生かした住民本位のまちづくりに向けた制度を構築し地域の自治能力を高めていくことが重要であります。
 県都構想は、県と県庁所在地の政令市が一体となることで県都にふさわしい広域的な視点に立った戦略的な地域づくりがスピード感を持って推進されるとともに、特別区におきましては区民が直接選んだ代表によりそれぞれの地域特性を最大限生かした行政が展開され住民自治が強化されることを狙いとして提案しております。
 県では、平成二十七年度以降知事広聴や県選出国会議員への説明、知事会での提案、指定都市市長会会長への説明、国への提案、要望、関係機関誌への寄稿などさまざまな機会を通して情報を発信してまいりました。構想の実現には関係する地域住民の十分な議論のもと大都市地域における特別区の設置に関する法律の改正を初めさまざまな手続を経る必要がありますが、特別自治市や大阪都構想など多様な大都市制度が提案されている現在、まずは大都市制度の課題や論点について県民の皆様に広く関心を持っていただくことが重要であります。
 県都構想が地域住民の選択可能な大都市制度の一つとして確立するよう引き続き情報発信し、県民の皆様の理解が得られるよう今後とも努めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 篠原知事戦略監。
       (知事戦略監 篠原清志君登壇)
○知事戦略監(篠原清志君) 知事戦略監の役割についてお答えいたします。
 社会経済情勢が刻々と変化する中、県政運営におきましては行政課題の複雑化、高度化と相まって一つの部局では解決できない課題がますますふえてきております。
 このような中、現在三人の副知事はそれぞれ担当の部局や特定の地域における県政の課題を所管しているのに対しまして、知事戦略監は各部局長からの相談を受けるのを初め部局横断的な課題に迅速かつ的確に対応するための総合調整や知事戦略の企画立案などを担うものと考えております。
 このため、私は知事と各部局長との政策協議や移動知事室の場に必ず同席し広く情報を把握することで知事と各部局長との意思疎通をスムーズにするなど、多様化する政策課題に対しまして部局間の横串を通した対応が図られるよう努めているところであります。また県の予算編成や組織定数等の重要課題につきましては知事戦略会議や政策調整会議におきまして知事、副知事と関係部局長による協議が行われます。私も常に同席し徹底的な議論と迅速な政策決定を促しているところであります。
 今後とも、全庁の総合調整役として各部局長を総括する立場に位置づけられている役割を果たし円滑な政策の推進に寄与することができるよう全力を尽くしてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 桜井勝郎君。
       (五番 桜井勝郎君登壇)
○五番(桜井勝郎君) モンゴルの石炭輸入は知事がそういう方向で提案をなさったということで聞くほうはね、ああモンゴルの石炭を買わなきゃいかんだかなというふうにとっちゃう。ですから作り話でも何でもなく、またここでそういうのをいろんな形で情報を得て私は自信を持ってお話をしております。ですから言った言わない作り話だというのは水かけ論になりますがそれ以上言いませんけれども。
 それから閑蔵線はですね、このリニアのトンネル工事が起こる前、水の問題が起こる前はそんなに関心はなかったんですけれども、やはりJR東海は閑蔵線をつくるということで大井川流域の衆は喜んでいたのが、どういうわけだか三ツ峰落合線になってしまって大変がっかりしている。じゃあこれはやっぱり知事が余りにも過激に水のことばっかり言うもんだからこうなったやないかというのがほとんどの方の考え方でございまして、あれは静岡市道でございますので、最近何度か難波副知事が中日新聞によると静岡市長選に出るとか出ないとかっていう話が聞いていますけれどももし市長になったらね、この静岡市道でございますんでぜひ閑蔵線をつくっていただくために、奥大井のためにも大変重要でございますのでひとつよろしくお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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