本会議会議録


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平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田口 章 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2015

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 財政の健全な運営について                    
 (1) 地方財政制度の課題                      
 (2) 規律を重視した財政運営                    
 (3) 歳入確保                           
  ア 資金運用の改善                       
  イ ネーミングライツの実施                   
2 県庁の生産性向上について     
3 美しいふじのくにまち・ひと・しごと創生長期人口ビジョンと総合戦略の実現に向けた取り組みについて          
4 グローバル人材育成における一貫した支援体制の構築について        
5 バイクの三ない運動について                   
6 堀留川の治水対策について  


○議長(吉川雄二君) これで増田享大君の質問は終わりました。
 次に、二十九番 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇 拍手)
○二十九番(田口 章君) 私はふじのくに県民クラブ所属議員として通告に従い、知事並びに関係部局長、教育長に分割質問方式で質問させていただきます。
 最初に、財政の健全な運営について伺います。
 本格的な人口減少社会を迎え、本県の財政を健全な状態で子供や孫の世代にバトンタッチをしていく、このことは私たちにとって大変大きなテーマであると思っています。そうした観点から大きく三点質問いたします。
 まず、地方財政制度の課題について伺います。
 本県の臨時財政対策債の残高は、いよいよ一兆円を突破いたしております。私は大きな課題は地方交付税制度と臨時財政対策債、これが非常に大きな問題だと思っております。臨時財政対策債は後年度交付税措置されるということと県としてはなかなかコントロールできないということで、この管理、考え方は非常に難しいものがあると思っています。本県の平成二十七年度当初予算における臨時財政対策債の元利償還費、これを見てみますと基準財政需要額五千六百五十三億円のうち四百四十二億円余、約七・八%となっておりました。確かにこれからすると交付税の算定に反映されているということになるんですが、私、実は違った意味で不安を感じたところであります。四年前、平成二十三年度の基準財政需要額は四千九百二十八億円、臨財債の元利償還費は二百二十六億円、四・六%であります。この四年間で額が二倍そして比率は三・二ポイントふえています。この間の地方財政計画を見ると地方税や交付税の一般財源総額はほぼ横ばいとなっておりますので臨財債の元利償還費が財政を圧迫しているということになります。さらに今後の財政の中期見通しによりますと臨財債の元利償還費は平成三十一年度には六百二十一億円になると見込まれており、今以上に財政を圧迫することは明白であります。また国の地方財政計画を見ても新たに発行する臨財債のうち既往の臨財債の元利償還負担の割合が既に平成二十六年度で五割を超えており、二十七年度の見通しでは六割を超えるとも言われています。この件は先日部長答弁でもお話があったわけなんですけれども、まさに国のほうも借金返済のために借金をしているという状況であります。
 このように、臨財債の問題に象徴されておりますけれども今の地方財政の本質的な課題は将来に向けた持続性であると思います。ふえ続ける医療や介護等の社会保障関係費を初め求められる行政サービスを賄うために税収だけで支え切れず借金を繰り返すと、この構造が長く続いているところです。
 将来世代に適切な行政サービスをこれからも提供していくためには国に対しこの地方財政制度の抜本的な改革を待ったなしで訴えていくことが必要と考えますが、県の認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、規律を重視した財政運営について伺います。
 ただいまお話をしたとおり、地方財政は大変厳しい状況に置かれており本県も例外ではありません。長期的に見た場合に人口減少は避けられないものですから県税収入の大幅な増加というのは期待できないと思います。本県の財政環境は大きく改善することはないと考えるべきです。そうした中、私は身の丈に合った財政運営があくまでも基本であり、財政規律を重視した予算編成や財政運営を進めるべきと考えます。以下、三点提言させていただきます。
 一点目は、財政状況に対する認識です。何回もこれまでも取り上げているんですけれども、県は財政健全化を図る指標として国が定める指標に加えまして独自に経常収支比率九〇%以下、通常債二兆円程度を上限そしてプライマリーバランスの黒字、これを定めております。これらは財政健全化を進める上で重要な数字とは思いますが、これらを職員一人一人が正しく認識をすることが必要だと思っています。二点目は財源確保の徹底です。次の質問で私、歳入確保について取り上げますが、将来負担につながる起債に安易に頼るのではなく全庁で財源確保を意識した取り組みが必要と考えます。三点目は中期的な視点です。財政健全化を進めるためには毎年度の取り組みに加えてやはり中期的な視点で計画的に改善に取り組む必要があります。
 財政運営の大原則は「入るをはかって出るを制す」だと思います。地方財政の見通しが厳しい中、身の丈に合った、そして規律を重視した財政運営に取り組むべきと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。
 次に、歳入確保のうち、資金運用の改善について伺います。
 本県では、歳計現金は指定金融機関のほか県内に支店を持つ都銀や信託銀行などを対象に入札を行い、運用益が最も多い金融機関を活用しております。また基金につきましては入札を希望する金融機関や証券会社に対し国債や政府保証債、地方債など安全性の高い債券のうち利回りの高いものを購入するなど工夫をしていることは昨年所管事務調査で伺っているところであります。特に歳計現金については事業融資を預託金方式から利子補給方式に改めたことにより、この制度を導入していない自治体に比べ効果的な運用が可能になっており、さらに基金についてもスケールメリットを生かした一括運用を行っております。こうした効果もあり資金運用実績は平成二十六年度一年間で〇・九〇三%、約四十五億円の運用益を得ており、これは大きな歳入確保につながっていると思います。運用事務を所管している出納局の努力は私はまずはこれを率直に評価したいと思います。
 しかし、上には上がおりまして中には平成二十六年度一年間で一・五五八%の運用益を確保した自治体もあります。そこではリスクの高い株式などの有価証券を運用しているわけではありませんでして、本県と同様の債券運用でもリスクをきちんと認識をしてこれを正しく評価することによって戦略的な運用が可能になるということであります。自治体の資金管理は地方自治法の定めにあるとおり安全性と効率性、この両立が求められておりますが、私は法に抵触しない範囲で運用対象とする金融商品などについてもっと研究すべきではないかと思います。
 そこで、さらなる歳入確保を図るための資金運用を今後どのように進めていくか御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、ネーミングライツの実施です。
 公共施設のネーミングライツは、私二年前の質問でも取り上げましたけれども本県ではいまだに導入されておりません。歳入確保について余りにも消極的過ぎではないかと思っております。先ほど来お話ししているとおり財政状況は極めて私は危機的であると思っておりますし、もりづくり県民税のように県民には超過課税までお願いをしているところです。本来であれば私は超過課税の前に県庁の中でもっともっと積極的に歳入確保に取り組んでいただきたいと思いますけれども、残念ながらそういう観点に欠けていると言わざるを得ません。ネーミングライツの今後の取り組みについて、県の考え方をお伺いしたいと思います。
 次の項目は、県庁の生産性向上についてであります。
 生産性向上と申しますと、何か仕事をぎゅうぎゅうに詰め込むようなそういうイメージを持つ方もいるかもしれませんがこれは決してそうではありません。無駄をなくして効率を高めるということであります。県庁職員の皆さんの時間外労働、これをちょっと調べてみました。平成二十六年度は対前年比で三・九%増、一人当たり百七十五・九時間となっております。行財政改革大綱では時間外の削減というものを目標にしているんですけれども残念ながらこれは増加をしております。理由は明白であります。職員の皆さんが減っているのに仕事は減っていないということであります。
 平成二十三年度と平成二十七年度の施策展開表を比較いたしました。主な業務数は四年前の七千三百十二から六千九百三十九に約五・一%業務数は減っています。しかし必要人工これを全て合計いたしますと四年前の二千六百九十九人工が二千八百五十五人工と五・八%ふえております。対象となる職員数は約二千四百人と聞いておりますので大きく上回っており、時間外労働が減らないのは無理はないとこのように私は思います。十月に公表された平成二十八年度当初予算編成方針では事業の廃止これが提起をされました。ぜひこの際事業の廃止をしっかりと行って、あわせて生産性向上につながる抜本的な働き方の見直しを行っていただきたいと思っています。
 私なりの着眼点を三つ御紹介させていただきます。
 まず、内部管理業務の見直しです。内部管理業務につきましては必要人工が大きい割に施策展開表には内容が何も書かれておりません。したがって私たちには実態がわからないわけでありますが、一般的に内部管理業務は付加価値を生まないと思いますのでこの点については見直しをすべきだと思っています。
 次に、5Sによる職場環境改善についてです。5Sとは製造業の職場の基本です。整理、整頓、清潔、清掃、しつけというこのアルファベットのSで始まる五つの単語のことですが、もともとはこれは安全確保や品質向上などから始まったものでありますけれども、これは日本の製造業の生産性向上に大きく寄与したと思っています。私の経験で言えばこれは現場作業だけではなく間接部門を含めた全ての職場の生産性向上に寄与すると思います。県庁内でも一部でこの5Sの考え方に基づく取り組みを進めているようでありますけれども、県庁内の全職場でこうした5Sに徹底して取り組んでみてはいかがでございましょうか。
 次に、外部人材の積極活用についてです。本県では外部のCIOアドバイザーが成果を発揮したケースがありますけれども、やはり外部の人材を活用するということは重要だと思います。例えば製造業で改善業務などをやってきた人等に皆様の仕事をチェックをしてもらうと私は必ずや新たな発見があると思います。 
 以上三点を申し上げましたけれども、今後生産性向上はワーク・ライフ・バランスの観点からも重要になってくると思います。これらを含め今後の県庁内の生産性向上の進め方をお伺いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 田口議員にお答えいたします。
 財政の健全な運営についてのうち、初めに地方財政制度の課題についてであります。
 地方財政につきましては、平成十六年度に三位一体の改革により大幅に地方交付税が削減されて以降、地方の裁量で活用できる一般財源総額は据え置かれております。このことにより社会保障関係費など義務的負担の経年増加や税収確保のための取り組みが一般財源の増加として反映されず、地方自治体が行財政改革のため各種の取り組みを必死になって行っておりますが財政運営の硬直化を招いております。
 本来、地方財政制度は地方自治体の財政需要を的確に見積もり財源を担保することにより自治体運営の安定性を高め住民福祉を確保するべきものであります。その中で特に議員御指摘の臨時財政対策債は臨時措置としてスタートしたものが実態として恒常化し、後年度交付税措置すると約束しながら現在返済財源までも臨時財政対策債で措置し実質返済を先送りしているのは正常な姿とは言えません。また地方が主体性を持って地方創生、人口減少対策を初め福祉・医療、雇用対策などに取り組むためには頑張る自治体を支える仕組みも必要であります。このため国に対して臨時財政対策債を廃止し地方が長期的、安定的に財政運営を行うことができる地方財政の枠組みを構築することなどを強く求めてまいります。
 一方で、県みずからの取り組みとして行財政改革の取り組みを加速し徹底した歳出のスリム化と歳入の確保を図るとともに、県債残高の抑制や持続可能な財政運営を補完するための基金の確保にも努めてまいります。
 次に、規律を重視した財政運営についてであります。
 健全財政の枠組みを堅持していくためには、議員御指摘のとおり「入るをはかって出るを制す」という考え方を持って財政運営に臨むべきものと考えております。本県では毎年度当初予算案の公表にあわせ財政の中期見通しを策定し将来の収支を見通した上で財政健全化目標を定め、毎年度目標の達成度を検証し財政運営に反映しております。予算編成に当たりましては国の予算や地方財政対策の状況も踏まえ、県税や地方交付税などの歳入の見込みを精緻に見積もるとともに、確保できる見通しが立った財源を最大限に生かすよう事業の重点化、再構築等の徹底を図っております。また県議会、県民の皆様に予算の収支見通し、予算調整案の提出状況など編成過程を逐次明らかにして予算編成の透明性にも配慮しております。
 議員御指摘のとおり、職員一人一人の本県の財政状況、特に歳入面に関する認識はまだ十分とは言いがたい状況にあります。厳しい歳入環境とそれに対応した効率的、効果的な事業執行に対する意識を今まで以上に高めていくよう努めてまいります。
 次に、歳入確保についてであります。
 ネーミングライツの実施についてでありますが、本県では小笠山総合運動公園などモデルとなる施設を選定して検討いたしましたが、他県におきましてネーミングライツ料の価格低下や応募者の減少が見られる中で採算性の確保やイベント誘致に障害にならないか等の懸念があり、実施に至りませんでした。一方最近では全国的に企業等が広告効果よりも社会貢献として小規模な施設に応募する例が生じるなど企業等の対応に変化が見られております。こうした状況を踏まえまして従来検討していた個別施設ごとにネーミングライツを実施する施設特定型にかえまして、より応募しやすいように対象施設を特定せずに幅広く提案を受け付けた上で審査、交渉を行う提案公募型のネーミングライツに方針を改め、現在調整を進めているところであります。
 この提案公募型においては、あらかじめネーミングライツの対象としない施設を公表しておく必要がありますので現在その施設を抽出しているところでございます。一例として既に公募によりその活動の趣旨に賛同する企業や個人の支援を得て運営している文化芸術施設は協賛をいただいております企業等との調整が必要となりますこと、また歩道橋、トンネル、橋梁につきましては条例上景観や安全配慮の点で企業名を掲示できないとの見解が示されている等の課題があります。またオリンピック・パラリンピック関連の事前キャンプ等の誘致を目指している総合運動公園等は今後主催者である組織委員会から広報の方法に関する取り扱いが示されることから、これを踏まえた上で公募を検討する必要があります。
 県といたしましては、厳しい財政状況の中で未利用財産の売却や自動販売機設置者の公募、県民だよりや納税通知書などに有料広告を掲載する等さまざまな工夫を凝らして歳入確保に努め、ネーミングライツにつきましても今年度中に公募を開始し導入可能な施設から始めて順次対象施設を拡大してまいりたいと考えております。
 次に、県庁の生産性向上についてであります。
 本県では、行政の生産性の向上を目指して施策展開表やひとり一改革運動などにより業務の改善に取り組んでまいりました。人口減少対策など喫緊の課題にスピード感を持って対応するためには従前からの取り組みにとらわれず業務の抜本的な見直しを図り、限られた予算、人員を重要施策等にシフトしていくことが必要であります。このため二十八年度当初予算の編成方針では事業の選択と集中や目的が既に達成されたり必要性が低下した事業の廃止などさらなる徹底した見直しを行うこととし、あわせて内部管理を含めた業務全般の見直しにも全部局で取り組み、その結果を予算編成や組織定数に反映させてまいります。
 また、5Sによる職場環境改善につきましては作業時間の短縮に加え書類の減量化や執務環境の改善など県庁でも生産性向上に及ぼす効果は大きいと考えられるため、ひとり一改革運動の中でモデル職場における取り組み例を紹介するなど重点テーマの一つとして全庁的に徹底してまいります。
 外部人材の活用につきましては、企業で改善運動に取り組んでいる幹部の方をお招きして研修会を開催し職員の改善スキルの向上に努めております。今後とも民間企業の専門家からアドバイスをいただくなど業務の改善に外部の知見を積極的に取り入れてまいります。
 業務を一層効率的、効果的に進めるためには、廃止も含め抜本的な見直しを行う「やめる・へらす・かえる」の考え方が重要であり、それがワーク・ライフ・バランスの推進や時間外の縮減にもつながると考えております。議員の御提案も生かしまして部局長を初め幹部職員が先頭に立って県庁の生産性向上に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山崎出納局長。
       (出納局長 山崎泰啓君登壇)
○出納局長(山崎泰啓君) 財政の健全な運営についてのうち、歳入確保についてお答えいたします。
 資金運用の改善についてでありますが、歳計現金は地方自治法で最も確実かつ有利な方法により保管しなければならないとされております。そこで入札方式により最も有利な条件を提示していただいた金融機関に預託をしております。資金収支の見込みを的確に把握し支払いに支障を来さない範囲で預託期間の長期化を図っています。その結果平成二十六年度は百七十七回の預託を行い、運用益は一億二千万円余となりました。
 基金については、確実かつ効率的に運用しなければならないとされております。一括運用によりロットを拡大し入札方式により最終利回りの高い債券を購入しております。平成二十六年度については長期の債券での運用をふやした結果、運用益は四十五億円余となりました。しかしながら日本銀行による金融の量的・質的緩和に伴い市中金利が低下している現状では資金運用をさらに改善する必要があると考えます。
 そこで、現在運用中の国債、地方債などよりも比較的高利回りが見込める住宅金融支援機構などの政府関係機関の発行する財投機関債など新たな金融商品について安全性や各種リスクを分析するとともに、金融アドバイザーの御意見を伺いながら導入について検討してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 再質問を二点させていただきます。
 規律を重視した財政運営の中で、指標で私、県が独自で持っている指標のお話をしましたけれども、もっと厳格に私はチェックをすることで財政認識の共有化を図るべきではないかと思っています。
 一昨年でしたか、プライマリーバランスの評価というものを県は始めているんですけれども、国もこのプライマリーバランスを導入しているんですが実は国際的に見るとこれは少数派でありまして、財政収支という手法のほうがむしろチェックをされていると思っています。私はやはり財政収支の均衡を出すべきだというふうに思っています。先ほどお話ししたとおり非常にこれは難しいんですけれども、例えば平成二十六年の決算で見ますとプライマリーバランスは実は千二百七十七億円の黒字というふうになっているんですね。何だ、財政いいじゃないかと思う人が中にはいるかもしれません。ところが財政収支で見ると九百十億円と若干減るんですね。たださっきから私言っているとおり臨時財政対策債が一般歳入として入っていますので、仮にこれを除くとなると三百一億円の赤字ということになるんです。そこまで厳密に厳しく見て、やはりそういうのを公表すべきだと思うんですけれども御所見を伺っておきたいと思います。
 それから、ネーミングライツなんですが提案公募型の取り組みということで伺いました。ぜひやってほしいんですがもう去年、おととしあたりからこの話というのは実は出ているところでありまして、これまでも考えられているはずなんですけれどもなんでこれがすぐできないのかというふうに私は思っています。これまでどういうことに取り組んできて、できない理由というのがある程度見えているんじゃないかなと私は思うんですけれども御所見について伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 規律を重視した財政運営の再質問にお答えいたします。 
 財政収支の均衡を目標とすべきではないかという再質問でございますが、私も財政運営にかかわる者として最も望ましく、また安心できますのは財政収支の均衡ではないかなと思っています。いわゆる当該年度の歳出については当該年度の歳入をもって充てるということになるかと思います。その上で余裕ができた財源につきましては翌年度以降に備えるために基金に積む。そこまでできれば一番いいなと思っています。その中でリーマンショック以降でございますが県税収入の低迷さらには例えば大規模な施設の建設など、それから特に最近では退職者が団塊の世代の集中化によって退職金の額が非常に大きいといういわゆる年度間のアンバランスが生じておりまして、そういったものを調整するためにただいまは基金を活用しているという状況でございます。
 その中で、プライマリーバランスの均衡につきましては田口議員からもお話がありましたとおり日本の政府の国際に向けての公約の一つでもありますし、財務省が参考指標として示している指標の一つでございます。その中でプライマリーバランスの黒字化をすればいいということではなくて、なるべくその黒字化につきましても少なくとも利払いぐらいまでの黒字化を目指すというような財政運営を心がけているつもりです。健全化指標につきましてはあくまでこういう状態に陥ったならば県財政は黄色信号であるということを県民に知ってもらうためにつくっている手法でございますので、財政健全化に関する手法につきましてはそのような視点で策定していることを御理解願いたいと思います。
 それから、ネーミングライツについての再質問でございますがこれまでなぜ進まなかったかということでございますが、先ほど答弁したとおりなかなか実際に公募等をしたわけではございませんがいろんな意味で、実際に公募して応募者が決まったとしましても例えばネーミングライツによって名前を変えることによって印刷経費であるとか広報経費等がかかるのではないか。それから例えばエコパという名前が俗称として認知されていますのでそれによって印象が変わってしまうのではないか。そういった不安がございましてなかなか進まなかったことでございます。もう一つは施設管理者にそれぞれある程度お任せしたような部分があって、一番手になろうという意欲がそこまで湧かなかったということも事実であるかと思います。その意味で今回は経営管理部が主体となりまして各部を取りまとめて公募型の提案を受け付けるという方法でチャレンジしているつもりでございますので、そちらにつきましても御理解をいただきたいと思います。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望とさせてもらいますが、今ネーミングライツのお話がありましたけれども経営管理部のほうでやっていただけると、中心となってまとめていただけるということですが、やはり施設は各部局が持っていますので部局の皆さんもぜひ協力をしていただいて、歳入確保は財政の仕事ではなくてやっぱり県全体の役割なんだというふうに思っていただきたいと思います。
 それから、加えてもう一点ちょっと要望したいんですが、先ほど部長の答弁にもあったとおり屋外広告物条例で企業名が歩道橋なんかに書けないように今なっちゃっているんですね。でもほかの自治体なんか見ていくと結構そういうのはありますので、実態を見て条項なりあるいは運用の見直しなどを検討していただきたいなと。これは要望にさせていただきます。
 次の質問に移りますが、美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生長期人口ビジョンと総合戦略の実現に向けた取り組みについて伺います。 
 長期人口ビジョンでは、人口の将来展望を二〇六〇年に三百万人程度とし、その達成に向けて大きく二つの政策目標すなわち二〇二〇年までに合計特殊出生率を二・〇七、そして転出入を均衡とこの二つを定めました。それぞれ現状が一・五〇、そしてマイナス七千二百四十人と昨年の数字になっておりますので相当高いハードルを課したと感じています。
 本県は、これまでもPDCAサイクルを回す行政経営手法に取り組んでまいりましたが、今議会に提出をされている総合計画の進捗評価、これを見ておりましても各所属での個別事業の目標は達成できているんだけれども上位の施策目標が達成できていないと、こういうケースが散見されます。すなわち担当者レベルは一生懸命やっているつもりでもそれが全体としての成果につながっていないと。いわゆる「木を見て森を見ず」の状況になっていないかなというふうに感じています。策定した人口ビジョンと総合戦略を何としてもやり切っていただきたいと思っておりますので上位施策の目標と各部門の事業目標のベクトルが合っているかどうか、これをしっかりチェックしていただきたいと思います。
 そこで、施策と事業の目標設定をしっかりと関連づけて今後PDCAを回していく必要があると思いますけれども、今後どのように取り組んでいくのか所見を伺いたいと思います。
 次に、グローバル人材育成における一貫した支援体制の構築についてお伺いしたいと思います。
 今議会でも、このグローバル人材育成については随分話題になっていると感じておりますが、今年度からスタートした総合教育会議の設置、そして木苗教育長の就任以来本県ではこのグローバル人材育成の議論が非常に活発になったなというふうに思っております。今後の取り組みに大いに期待をしたいと思っています。
 さて、国のほうでは二〇一二年のグローバル人材育成戦略におきまして今後育成していくべきグローバル人材に必要な要素としていろんなものを挙げております。語学力だけでなくコミュニケーション能力ですとか主体性、積極性、チャレンジ精神、協調性、柔軟性、責任感、使命感、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーなどなど非常に多くの要素を挙げておられますが、これらを体系的に行うためには幼少期から小中高大さらに若手の社会人までを俯瞰した育成方針が必要ではないでしょうか。それには教育委員会だけでなく、それに加えて地域人材や企業など多くの協力が必要になるのではないかと感じております。そしてこれらに取り組むには今の県の組織では十分に対応できないのではないかと懸念をしております。
 本県のグローバル人材育成は、総合計画を初め地域外交基本方針それから教育振興基本計画に示されておりますが、私はそれぞれが具体的な事業をばらばらに点で行うのではなくて先ほどお話をした成長のステップを線でつないで、さらに必要とされる要素を横につなぐことで人材育成を面で捉えていくことが大切だと思っています。
 総合教育会議ができたこの機に、教育委員会、文化・観光部総合教育局そして企画広報部地域外交局などの横軸を通し体系的な育成方針を示すべきと思いますけれども、県の御所見をお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生長期人口ビジョンと総合戦略の実現に向けた取り組みについてお答えいたします。
 この二つの政策の策定は、国がお進めになっておられる地方創生におきましてこれを策定しなさいということでやっているものでございます。それにつきましては国のほうで地方の自立につながるよう地方みずから考えなさい。責任を持って総合戦略を推進しなさい。国は伴走的に支援するものである。そのために各地域は経済社会の実態に関する分析をしっかり行い、そして中長期的な視野で改善を図っていくためのPDCAサイクルを確立しなさいと。さらにまた最近では重要業績評価指標、英語でキー・パフォーマンス・インジケーター(KeyPerformanceIndicator)と言うそうですが、この頭文字をとったKPIというものを活用して短期、中期の政策目標を伴う政策パッケージを示し、その進捗についてアウトカム指標を出せと、こういうことでございます。したがってこれを初めてやる自治体は大変ではないかというふうに存じますけれども、私は知事に就任しまして本県初めての試みでございましたけれども総合計画を毎年度どれだけ進捗したかという状況を第三者を通じて評価をすると。そして“ふじのくに”づくり白書として公表する仕組みを導入いたしました。そして本県独自のプラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAサイクルを徹底いたしまして、数値目標による成果の検証と施策の不断の見直しをいたして計画の継続的な改善に努め、平成二十四年度にはマニフェスト大賞グランプリも頂戴いたしたわけでございます。これと同じ姿勢で地方創生における総合戦略につきましても、PDCAサイクルを確立した目標管理型の戦略とするために県議会の皆様方を初め各界各層の幅広い県民の皆様方から御意見をいただき、その上で合計特殊出生率二・〇七、転出入の均衡という、若者の希望する家庭の家族数ですね、これをかなえようと。そしてまた将来にわたって活力あるふじのくにを維持する政策手法の実現に向けまして、適切なKPI指標と効果的な施策の設定に努めているところであります。
 議員御指摘のとおり、今議会で御審査いただく総合計画後期アクションプランの進捗評価におきましては施策は順調に進捗が図られているものの、その効果をはかる数値目標の向上に結びついていない事例も見られます。そこで数値目標の見直しや施策の改善を図ったところでございます。
 総合戦略につきましても、今後のPDCAサイクルの中で成果指標といわゆるKPI指標の進捗が連動しているかどうか、また設定した指標が施策効果をはかる最適なものであるかどうか等を検証いたしまして、よりわかりやすく適切な手法の設定に努めてまいります。
 強くしなやかな静岡型、そこに美しい国をつくろうと、美しい地域をつくろうということでそういう形容詞を配しておりますけれども、そうした美しく強くしなやかな静岡型の地方創生の推進に向け、毎年度の進捗評価におきまして数値目標や施策の不断の見直しと改善を徹底し実効性の高い戦略をオール静岡で推進してまいりたいと考えておりますので、議員を含む県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、グローバル人材育成にかかわる一貫した支援体制の構築についてであります。
 グローブすなわち地球でございますが、静岡が東京の外れであるとか名古屋の外れであるとかというそういう見方を脱しまして、グローブ――地球の中の固有の一角を占めるのだというそういう認識を持つことが極めて大切で、それが実はグローバル人材の基礎ではないかと思います。そのために勝手にそういうふうに思っても主観的でございますから、私どもは富士山が世界文化遺産になったのを契機にいたしまして世界で公認されるような地域資源をこの間ずっと列挙してきたわけです。この九月までにその数は二十二になっております。
 その中に人がいます。天野浩先生を筆頭に本庶佑先生あるいはSPAC。それから那須田桂君、太田朋子先生、高橋裕先生、磯貝明先生、伊藤美誠さん、山郁彦さん等々九人が占めています。ですからグローバルに活躍している人たちが二十二の国際認証を受けたような地域資源の中で半分弱を占めているということですね。こういう人たちが実はロールモデルになるというふうに思っているわけでございます。
 平成二十六年三月に公表した静岡県教育振興基本計画「有徳の人」づくりアクションプラン第二期計画におきましては、教育委員会だけでなくて関係部局や警察本部が参画して策定されたものです。この計画では子供から大人まで人生のそれぞれのライフステージに応じてグローバル人材の育成に取り組むこととしております。具体的には小学校、中学校から高校までの段階は外国語指導助手の活用等による外国語教育の充実、台湾、モンゴルなどとの高校生の相互交流、海外教育旅行の実施。大学等におきましては留学フェアの開催等による日本人学生の留学を促進しているところです。さらに成年期以降は国際協力ボランティアへの参加を積極的に働きかけるなど、それぞれの世代におきまして国により異なる文化や生活習慣への理解を深めるとともに、コミュニケーション能力の育成を図っております。
 また、今年度総合教育会議における重点協議事項の一つとして教職員及び高校生の国際化を取り上げました。高校生には全員パスポートを持っていないと海外に行けませんので、それを周知徹底するためには先生がそのような意識を持たないといけないということで、教職員並びに高校生の国際化ということを一体として取り上げたわけです。教職員の海外研修と高校生の海外修学旅行のさらなる充実や在住外国人の児童生徒との交流促進などについて知事部局と教育委員会が役割分担し、実施に向けた取り組みを行うこととしたところであります。
 こうした静岡県下の青少年を中心にした地球の中で役割を果たせる静岡県人というそういうグローバル人材を育てることはもとよりですが、一方で海外から静岡に憧れて来られている方たちもいます。つい最近では今ベトナムからも十人以上の学生が留学しておりますけれども袋井の浅羽佐喜太郎さんとの御縁を知らなかったという青年もいまして、そこで本県が主催をいたしまして大使を務められた東郷和彦先生などに講師になっていただき、また可睡斎で座禅の修行などをしていただいて全員が日本語をしゃべれるということなんですね。そしてまた県立大学あるいは国立大学あるいは文化芸術大学あるいは日大の国際関係学部と、そうしたところでばらばらに生活していた人たちが一緒に宿泊をして、自分たちもまたここで学んで第二の故郷として、今度はベトナムの国づくりに貢献していきたいと。こういう外国人も含めてグローバルに教育できるような地域社会をつくっていくということが大切です。そういう視点を見失わないことが大切です。
 私ども県では、小中学校、高校、大学、成年期の各段階でさまざまな施策を展開していますが、今後は関係部局が一層の連携を図りながら体系的かつ効果的な取り組みを行い、本県の将来を支え世界に貢献するグローバル人材の育成に邁進してまいります。以上でございます。
○議長(吉川雄二君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 要望一点、再質問一点させていただきます。
 要望ですが、総合戦略。今議会でも出ておりますがとりわけ二・〇七というのは非常に高い目標を課したと思っています。ぜひ施策の充実をこれからも全庁で検討していただきたいと思っております。ただこうしたものをやるなら先ほどの生産性向上もそうなんですけれども部課長のマネジメントだと思うんですね。ぜひそこらあたりのベクトル合わせをしっかりとやっていただければと要望しておきます。
 再質問ですけれども、グローバル人材育成です。県庁内でも非常にグローバルなお考えをお持ちの知事に御答弁いただいたことを私は大変ありがたく思っておりますけれども、ぜひ全庁的に知事筆頭に進めていただければと思うんですけれども、御答弁の中で知事が答弁したせいかもしれませんが小中学生のところが少しなかったものですからお伺いをしたいと思うんですけれども、高校生のさまざまな取り組みについてお話がありましたが、今後――教育長になるのかもしれませんけれども――小中学校におきましても英語の教科化など変化が出てまいりますけれども、決して私は英語教育だけやっていればいいということじゃないというふうに思っておりますけれども、義務教育段階におけるグローバル人材育成についてお答えをいただきたいと思います。これは教育長でよろしいでしょうか。済みません、御答弁をいただきたいと思います。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 御質問ありがとうございます。
 ただいま議員御指摘のとおり、グローバル人材の育成に当たっては単に英語の語学力を身につけるだけでなく、国際理解の促進や日本人としての自覚を高める指導が必要であると考えております。県の教育委員会といたしましては外国語活動や総合的な学習の時間における世界のさまざまな言語や文化についての学習など各学校の国際理解教育の促進に努めております。また訪日した海外の小中学生や留学している大学生との文化交流、スポーツ交流にも取り組んでおります。さらに道徳の時間や社会科の授業においては我が国の伝統文化についての学習を充実させ、日本人としての自覚を高めるよう指導しております。以上です。
○議長(吉川雄二君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 済みません。大変ありがとうございました。
 知事部局だけでなく、教育委員会だけでなく全庁的にぜひしっかりと進めていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 次の質問に移りますが、バイクの三ない運動についてお伺いしたいと思います。
 バイクの三ない運動というのは免許を取らない、乗らない、買わないというものでありまして、これは全国高等学校PTA連合会が昭和五十七年に決議文を採択したことに端を発した運動であります。その後平成九年に拘束力の強い決議文から宣言文というものに改め、さらに平成二十四年からは宣言文をなくし宣言文の精神を引き続き推進するという文言に変わっており、さらに現在では自転車、バイク、歩行者のマナーアップ運動に取り組むというふうにしています。
 こうした中、全国の高等学校PTA連合会の中には安全運転教育に切りかえるところが出てきています。一方本県の公立高等学校PTA連合会は引き続き三ない運動を推進するとしておりまして教育委員会もこれを支持するということであります。全国の姿勢が変わりつつあり、また主権者教育や社会総がかりの教育というものが求められる中で三十年以上も前の考え方の踏襲がどうなのか、このことについてぜひ御検討いただきたいなと思っています。
 さらに、調べておりますと県が策定をしております静岡県交通安全実施計画というものがありますが、これもその部分が書いてあるところがあるんですけれども、二十年以上前から同じ文言がずっと続いておりますので県全体であまり考えてこなかったんじゃないかなというふうに私は思っております。三ない運動で交通事故の防止を図るというのは結果的に高校卒業後社会人になった後に危険を先送りすることになるのではないでしょうか。私は実は昨年の質問でも安全運転教育の重要性というのを取り上げさせていただきましたが、ことしも若者の痛ましい交通事故は後を絶たないわけであります。交通ルールの徹底や危険予知の取り組みなど、豊かな感性を持つ高校世代にもっと私は伝えてほしいと思います。
 主権者たる高校生が、みずからの判断と保護者の同意があれば法律で十六歳から認められているバイクの免許を取り、所有しさらには場合によっては通学に使うなどの権利を認めること。そしてその一方で若者の将来を見据えた安全運転教育を適切に行うこと。このことについて私は県教育委員会と本県の公立高等学校PTA連合会との間でもっと真剣に議論すべきときではないかと思いますが、これは木苗教育長の御所見をお伺いしたいと思っております。
 最後に、堀留川の治水対策についてお伺いいたします。
 九月上旬の台風十八号の豪雨によりまして、浜松市内各所では大変大規模な浸水被害が発生をいたしました。私が住んでおります地域を流れる堀留川周辺でも最大浸水深が九十センチメートル、百二十八ヘクタールが浸水をするという大きな被害が出ており対策が急務となっております。
 この堀留川は、佐鳴湖から浜名湖に流れ込む新川の支流でありまして海面からの高低差がほとんどありませんから内水氾濫による浸水被害が起きやすい河川となっております。しかし昭和四十七年の湛水防除事業以来大きな治水対策が講じられておらず、その一方で雄踏街道バイパスの開通に伴う沿線開発、これが進み湛水機能が脆弱になっております。地域住民は平成二十年度、堀留川を考える住民会議を設置し県と浜松市に河川改修の要望を出しております。
 あれから七年が経過をしたわけでありますけれども、やっと今年度都田川水系整備計画の策定が示されて、実はちょうど昨日この堀留川の改修計画案につきましても地元自治会に提示をされたところであります。年明けには住民との意見交換もスタートすると聞いておりますけれども総額百二十億円を超えるとも言われる大規模な事業でありまして、長期間着手されなかったことから地域住民からはこの先とにかく早くやってくれと、こういった声がきのうも出されていたわけであります。
 一方では、周辺地域では市街化も進み拡幅に伴う用地買収なども必要なことから住民の合意形成、これを丁寧に進めていく必要があると思います。今後の事業推進についての県の考え方をお伺いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 質問にお答えいたします。
 バイクの三ない運動についてお答えをします。
 バイクの三ない運動については、昭和五十七年の全国高等学校PTA連合会の決議文が出されて以来静岡県公立高等学校PTA連合会は同運動を推進しており、県教育委員会でもこれを支持しております。三ない運動がこれまで保護者及び学校に支持されてきた背景にはとうとい生徒の命を守るという両者に共通した考え方があります。しかし公共交通機関による通学が著しく不便な場合などやむを得ない事情がある生徒についてはバイクによる通学を学校が認めております。
 在学中のみならず、生涯を通じて交通事故の当事者とならないために子供のころから発達段階に応じて積み重ねた交通安全教育が必要であります。さらに運転免許取得年齢に達する高校生においては運転者としてのあり方についてもみずから考えさせることが必要な年代であると考えております。なお平成二十六年――昨年は本県では高校生の原付死傷事故六十一名、二輪死傷事故二十二名、合計八十三名となっておりまして、高校生が昨年は四名、ことしは一名亡くなっております。
 県の教育委員会といたしましては、これまでの三ない運動の成果を十分検証するとともに、他県における高校生の運転免許取得を許可した上での交通安全教育の状況を踏まえ、今後の交通安全教育のあり方について検討してまいります。以上です。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 堀留川の治水対策についてお答えいたします。
 浜松市南部を流れる堀留川は、河川幅が狭く勾配が非常に緩いため流下能力が低いことに加え、くぼ地地形で流域に降った雨が集まりやすいことからたびたび浸水被害が発生しております。このため平成二十年度に設立した堀留川を考える住民会議等での住民の皆様の御意見を踏まえ、流下能力が低い新川合流点から蜆塚排水路までの約二・三キロメートル区間を対象に、おおむね十年に一度発生する洪水を防ぎ安全に流下させる改修計画を盛り込んだ都田川水系河川整備計画を今年度末までに策定いたします。
 来年度からは、早期の治水効果が発現できる新川との合流点から〇・三キロメートルの河川のつけかえ区間について優先して用地買収に着手してまいります。また残りの二キロメートルにつきましても地域の皆様との合意形成を図った上で早急に詳細設計に着手してまいります。
 県といたしましては、改修には多くの家屋移転を伴うことから浜松市との連携や地域の皆様の理解に努め、一日も早い工事着手を目指して水害に強く安全で安心な地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 田口 章君。
       (二十九番 田口 章君登壇)
○二十九番(田口 章君) 再質問を一点させていただきます。
 三ない運動についてでありますけれども、安全運転教育について進め方を検討するという答弁だったと思います。私は県高P連と議論をしてほしいというお願いをいたしました。まさに十八歳から選挙権が認められ主権者教育をやるのが来年度以降の取り組みだと思いますけれども、そうした中でやっぱり高P連の皆さんとしっかりそういう主権者意識を高めるためにも、この三ない運動について御議論いただきたいと思いますがいかがでございましょうか。以上、御答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) ただいまお言葉をいただきましたけれども、高P連との話し合いについては今後も継続してやっていきたいと、そのように思っております。
○議長(吉川雄二君) これで田口章君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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