本会議会議録


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平成28年12月静岡県議会定例会

江間 治人 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:12/08/2016番目)
答 弁 者教育長


○教育長(木苗直秀君) 全国学力・学習状況調査についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、全国学力・学習状況調査において計画的に家庭学習に取り組むと答える児童生徒の割合は例年全国平均を下回っており、本県の課題であると認識しております。学習意欲に課題を抱える児童生徒についてはその生活環境にも目を向けることが不可欠です。さらに教育格差の問題は決して見逃すことはできません。
 県教育委員会では、昨年度から家庭教育支援の取り組みの一つとして保護者向け動画チア・アップコンテンツを作成、開発しております。今年度は新たに、自分のよさや可能性を伸ばすために子供の褒め方をテーマとして動画を作成し十一月から配信しているところであります。各家庭が抱える事情も複雑多様化する中で、一人でも多くの保護者に活用していただけるようにわかりやすい情報を発信してまいります。
 また、学習がおくれがちな子供たちが主体的に学習に取り組む習慣を身につけられるよう、平成二十九年度からの新たな取り組みのスタートに向けて検討しているところであります。この取り組みでは学校支援地域本部を核として地域の方々や県内大学生の協力を得て放課後の学習支援を進め、地域全体で子供を育む体制の整備を図ってまいります。こうした取り組みを通し、子供たちの学ぶ意欲を高めるための環境づくりを積極的に行ってまいります。
 次に、教職員の長時間労働の是正についてであります。
 議員御指摘のとおり、学校を取り巻く環境は複雑化、多様化していることから、新たな教育改革への取り組みが求められております。教員の長時間勤務が常態化し大きな負担となっていることが指摘されております。そこで県教育委員会では学校の勤務環境の改善を目指して、本年度から未来の学校「夢」プロジェクト事業を立ち上げ、県内四カ所のモデル校において校務の整理と教職員の意識改革の二つの視点により調査研究を進めているところであります。
 特に、教員の長時間勤務の是正にはタイムマネジメントの発想が不可欠です。そこでプロジェクトでは教職員の意識改革における取り組みの一環として、一日の勤務時間に上限を設定してこれを厳守するという実証に取り組んでおります。既に八月に二週間試行し、現在十一月二十一日から二カ月間、小学校は十九時までに、中学校は十九時三十分までに全員退勤となるよう本格的な実証に着手しているところであります。八月の試行期間は夏季休業中でありましたので、また二週間という短期間ではありましたが教職員の時間に対する意識が変化したという結果が報告されております。今後本格的な実証を通して把握された成果と課題をプロジェクト委員会で検証し、次年度への取り組みにつなげてまいります。
 本プロジェクトは三年間の取り組みではありますが、今年度末の段階で中間的な取りまとめを行い、成果や取り組みの好事例などを紹介し広く県内の学校現場に普及してまいります。そして多忙化の解消によって生み出された時間をそれぞれが有効に活用し、各学校の教育活動の充実につなげていきたいと考えております。以上であります。

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