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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

相坂 摂治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2011

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 震災対策の強化について
 (1) 発災直後の迅速な情報収集
 (2) 津波避難対策の方針
2 観光振興について
 (1) 徳川家康公を活用した観光戦略
 (2) 海外誘客の促進
3 グランシップにおけるMICEの取り組みについて
4 本県農林水産物の海外販路開拓について
5 確かな学力の育成について



    ○副議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第百三号から第百二十五号まで及び平成二十二年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十一番 相坂摂治君。
           (十一番 相坂摂治君登壇 拍手)
    ○十一番(相坂摂治君) おはようございます。県議会初めての一般質問の機会をいただきました自民改革会議の相坂摂治でございます。きょうは多くの方々に傍聴に来ていただきました。川勝知事も現場主義を日ごろから心がけておられるということでしたが、私も地域の皆さんの仕事や暮らしの現場の思いを代弁するという気持ちで質問をしていきたいと思います。
     三月以来、我が国全体が大きな災害に見舞われてきました。東日本大震災、初夏のゲリラ豪雨、そして台風。とうとい人命が失われ、今なお危険な状況の中で不便な暮らしを強いられている方々もいらっしゃいます。心からお見舞いを申し上げたいと思います。
     それでは質問に入ります。
     初めに、震災対策について二点伺いますが、まず地震発生直後の情報収集についてです。
     議場の皆さんも、今回の東日本大震災の被災地を訪れたことと思いますが、私も四月に現地を訪問しました。まだ被災地には瓦れきが散乱しており、まちのあらゆる色合いが失われた灰色の土煙の中で自衛隊の方々の御遺体の捜索が続き、全国から駆けつけた警察の皆さんが手旗で交通誘導をされておりました。避難所では物資がほとんど送られてきていないところもあれば、山のように食料を積んだまま、どのようにそれを分配したらいいのかルールも何も定められておらず、ボランティアの方々までが途方に暮れているといったところもありました。いかに想定外とはいえ、まさに情報不足が引き起こした混乱であり、津波によって瓦れきが散乱し道路の位置さえ全くわからなかった被災直後の現地の記録を見ると、本来救えたはずの命までも犠牲にしてしまったのではないかと多くの方々が悔やまれていると思います。
     さて、東海地震の発生ばかりでなく、東南海・南海地震の同時発生という三連動への対策も練らなくてはならない本県でありますが、その際どのような情報収集が必要となるのか、真剣に体制をつくらなければいけません。先日、他の議員の質問に対する知事の御答弁でヘリコプターを活用した防災について少し触れられておりましたが、東日本大震災以降注目されてきた空からの情報収集について改めて伺いたいと思います。
     激しい揺れによって倒壊した建物を津波が襲った場合、やはり今回と同じように道路は寸断され、地面一面に瓦れきが散乱してしまうことを想定すると、迅速かつ正確に事態を把握できるのは航空写真の活用です。ほかにも県ではカメラを設置したり、消防や警察、県職員の方々による情報収集も準備がなされているとは思いますが、先日私が調査したヘリコプターからの航空写真の撮影によれば、四時間で全県の被災状況を把握できることがわかりました。必要なヘリコプターは四機です。さらに全県を写したこの写真は撮影直後に経緯度の座標軸に落とし込まれ、災害対策本部の大画面に映像情報として届けられ、なおかつ画像の解像度は救援を待っている人々の存在までクリアに確認できるとのことであります。既に国交省でも活用を開始したと伺いましたが、ぜひ本県でもそうした進んだ技術の導入を積極的に行い、最善の準備をしていただきたいと思います。政治や行政はこうした技術の専門家ではありませんが、常に民間の技術開発には注意を払い、それを県民の安全や経済の発展にしっかりと活用していく心構えが大切だと思います。
     さて、そこで伺いますが、発災直後の情報収集のあり方について県はどのようにお考えなのか、その取り組み内容についてお答えをいただきたいと思います。
     次に、津波避難の方針についてであります。
     大地震の直後には大津波が襲来するということが、今回の地震ではっきりと私たちはわかりました。静岡県内の海岸線にも「地震だ、津波だ、すぐ避難!」と書かれた看板があちこちにありますが、さてそれでは逃げる場所は本当に十分なのでしょうか。五月に前倒しして実施した津波の避難訓練では、地域の中に高いところがなく、結局町内の外れにある山まで約四十分も歩いて避難したという報告もありました。第三次被害想定では津波の浸水区域に暮らしている県民の人口は二十七万人、六月の補正予算の際に、一人当たりの避難場所面積は一平方メートルという説明がありました。だとしたら二十七万平方メートルの避難場所が必要だということになります。避難場所の指定や管理は、実際には市町に任されているようですが、各市町では本当に津波の危険地域の住民人口に応じて必要な面積分の避難場所を準備することが可能なのでしょうか。近所に山がなく密集した住宅街であれば高さ制限などの規制もしかれ、人工的にこうした高台の避難地を整備しなくてはなりませんし、これすらも実現できない地域では、先日国の防災会議が必要性を示したように車での避難をも視野に入れて道路の拡幅や発災時の交通規制のあり方も議論されなくてはなりません。もちろん防潮堤の整備によって防ぐことも可能な地域はあるでしょうが、岩手県宮古市の被災を見ると防潮堤があるから逃げなくてもいいということはもはや言えません。基本的には地震発生後五分でたどり着ける逃げ場所を過不足なく用意することと、その訓練を徹底することしか今はまだ対策の方法がありません。これを実現するには大きな予算も必要となるでしょうし、道路管理者や警察の協力も必要ですから、市町に任せきりにならず、県がしっかりと方針を示して県民に等しく安全と安心を整備すべきだと思います。
     そこで伺いますが、県は津波避難の方針をどのように定め、これを市町に周知し指導していくのか、そのお考えをお答えください。
     それでは次のテーマに移ります。次は観光振興についてです。
     一つ目は、徳川家康公を活用した観光戦略についてであります。今さら紹介するまでもありませんが、家康公は応仁の乱以来続いた戦乱の世を終わらせ、その後二百六十年間にわたって戦のない太平の世の礎を築きました。まさに日本史上最大の英雄であります。その家康公は七十五年の生涯のうち、実に四十年を本県で過ごしており本県こそ最もゆかりの深い土地であります。昨年十二月には久能山東照宮が国宝に指定され連日多くの観光客でにぎわっておりますし、出世城と言われる浜松城、大御所として幕府の基礎をつくられた駿府城、さらには今川家の人質であった幼少のころからのエピソードなどが残る歴史的遺産も数多く本県には残されております。さてそれではこれからこの家康公を観光につなげていくための課題としては、どんなことが挙げられるでしょうか。他県の歴史観光への取り組みと比較して考えてみると、おおむね三件の課題が指摘できます。
     一点目は、家康公にゆかりのある観光資源がまだまだ発掘をされていないということ。二点目は、家康公に関係する諸団体の相互の交流が活発ではなく、加えて家康公にちなんだグッズの開発や食品や土産物の充実もできておりませんし、観光に必要な団体や企業も家康公を中心とした組織となっておりません。そして三点目に、私たち県民が家康公のすぐれた人物像を理解しないままに、その名前だけで観光につなげようとしていることが挙げられます。家康公は現在世界の経営者からも注目を集めており、長期にわたって組織を維持し高い教育と文化、治安を守る体制を築いたことなどが評価され、山岡荘八氏の著書などが広く読まれているようです。平成二十七年の没後四百年祭に向けてこれからさまざまなイベントが行われると思いますが、これを契機に県民が誇りに思ってPRしたくなるような家康公の人物像をとらえ直し、関係諸団体や観光関連企業、そしてゆかりのある観光資源と有機的につなげて、県を挙げての商品開発に本腰を入れていただきたいと思います。観光客が歴史上の人物に求めているのは、成功に至った苦労話や人格の形成に大きく影響したと思われる歴史上の物語であると思います。ぜひ家康公の人物像をもっと掘り下げ、県民で共有すべきと考えます。
     そこで、県内への観光誘客のための素材として徳川家康公を活用し、県内全体で大きく施策展開することも一つの戦略と考えますが、県の今後の戦略について御所見を伺います。
     次に、観光振興について二つ目の質問です。
     日本に訪れる観光客が最も多いのは、やはり隣国の韓国です。同じ自由主義国でインターネットの普及等がその要因だと言われておりますが、その多くは団体ではなく個人旅行であるようです。今年度静岡市は、ソウルでトラベルカフェを開設し韓国からの個人客の誘致に直接プロモーションを行っております。私も八月にここを視察してきましたが、ソウル市民の喫茶ブームを利用しての静岡の宣伝PRは非常に期待できると実感をしました。決して大規模な事業というわけでもなく、通常の喫茶店の店内に静岡にちなんだポスターやグッズを展示しているだけですが、委託先の方々の取り組みによって確実に静岡の知名度は上がり、この喫茶店に訪れたソウル市民の約四割が本県に親しみを感じ、「日本を訪れた際には寄りたい」というアンケート結果もいただきました。団体旅行が主流であった時代にはもっと違った誘客の方法もあったとは思いますが、今後は静岡空港の就航先や友好的な都市から、こうした点としての取り組みを初め、商談会やテスト販売を地道に行いながら、次第に点を面にしていく取り組みが必要だと感じております。
     さて、続いて英語圏における本県のPR状況について考えてみたいと思います。
     皆さんは、「ロンリープラネット」という世界で利用されているガイドブックをご存じでしょうか。実は英語圏の旅行者の四分の一が手にすると言われているこの旅行誌は、日本でいう「地球の歩き方」に類するものです。しかしながらこの「ロンリープラネット」には、「静岡県」という記述はどこにもありません。県内の観光地で記載されている地名は、熱海や城ケ崎海岸などの伊豆半島と富士山だけです。しかも、その位置づけは「アラウンド東京」。日本語に訳すと「東京近郊」という位置づけであります。他の観光県とは比べものになりません。これでは世界から人を呼ぼうにもまだまだ課題は大きいと言わざるを得ません。以前県庁からもこのガイドブックに本県掲載の申し入れを行ったようではありますが、編集会社からはそうした要望は一切受け付けず、「観光客の流れを独自に調査しており、必要なところは掲載している」と答えられたそうです。とはいえ本県には幸いにも、さきに取り上げた家康公の世界的な評価の高まりや富士山の世界遺産登録への取り組みも順調に進んでいるなど、明るい題材もそろい始め決して他県に引けをとるものではないはずです。
     そこで伺いますが、海外誘客の促進に向け本県の取り組みについてその御所見をお聞きしたいと思います。
     次に、グランシップにおけるMICEの取り組みについて伺います。
     MICEとは、近年注目を集め始めた新たな誘客のキーワードです。「M」はミーティング、「I」はインセンティブ、「C」はコンベンション、「E」はイベントをそれぞれあらわしており、今後は観光による誘客と並んで、企業や団体、学会等の会議、研修の誘致に加え、文化やスポーツのイベント、さらには見本市や展示会等を開催することで広く人を集め、その集客を地元の経済効果へつなげようというもので、今や競って全国のコンベンション施設で誘致合戦が行われております。
     さて、グランシップは県立で唯一のMICEが可能な大規模コンベンション施設です。東静岡駅の前という立地もよく、会議やイベントの後の観光や宿泊などアフターコンベンションの環境も整っている本県の都市財産であります。その一方で舞台芸術を初め我が県の文化芸術の情報発信拠点の機能も兼ね備えており、指定管理先の静岡県文化財団による文化振興の各種の企画物は随分人気があるようです。
     しかしながら、このように環境に恵まれたこのグランシップではありますが、決算状況を見ますと余り芳しくありません。建設の際に約五百億円の費用を投じて整備されたこともあり、県民の間では今なおその経営状況についてはさまざまな意見を耳にします。簡単に昨年度の決算から経営面を見てみますと、ランニングコストを含む支出が十一億円、これに対する収入は約二億七千万円。九億円近くの県からの委託金が文化財団に支払われて運営がなされております。さらにこれに建設当時の県債返却も計算上加えてみると、ざっと十五億円以上の年間経費がかかっていると推測されます。
     私は、このグランシップで県民が文化や芸術に親しむことは大変有意義なことだとは思っておりますが、もっと経営のあり方を重視して収入をふやす。あるいは今の会議室使用料と芸術事業の入場料だけの収入源から、MICEの誘致を通じた企画、会議の設営、アフターコンベンションの手配など、その収入の幅を広げるべきではないかと考えています。既に全国では公共で建設されたこうしたコンベンション施設が、ランニングコストも含めて黒字となっている例もあり、特に大分県には、規模も本県のグランシップと変わらないのに、すばらしい経営を行っている注目すべき施設があります。ここでは経営を財団などの外郭団体には任せず、民間の株式会社に委託をし、大分県からの指定管理委託料を大きく上回る売り上げを上げており、コンベンションの誘致には何年も前から営業に取りかかり、会議やイベントのタイムスケジュールから企画を提案し、イベント後の観光についてもその収入源としているのです。さらに地元の大学と提携して通訳やガイドには学生を利用し、まさに地域と一体感のあるMICEの誘致が実現しているようです。
     こうした事例とグランシップを比較すると、まだまだその機能を十分に発揮しているとは思えません。既にグランシップの会議室の利用は稼働率も高く、売り上げを上げるには会議室の賃料やイベントの入場料以外の収入方法を考えなくては委託料を補うことはできません。この際文化財団はさらにその特性を発揮できるよう文化芸術事業の企画というソフト面に専念し、施設経営そのものは、ランニングコストへのカバーを考慮して大分県のように民間の経営手法を取り入れてはどうかと思います。今の経営方法では箱物としてのグランシップの収入は単なる会議室使用料のみであり、この収入の柱を企画や観光、イベント主催などにも拡大する手法が必要なのです。現在の指定管理委託のあり方を早急に変更できないのであれば、せめてグランシップが地域経済にどの程度の効果を発揮しているのか、現在の委託先がしっかりと分析をして県民に広くアピールをし、確固たる信頼を得ることが必要であると考えます。
     そこで、グランシップを最大限活用していくために、MICE誘致に向け、組織体制の見直しや民間ノウハウの活用、誘致に向けた戦略の構築にどのように取り組んでいくのか、県の御所見を伺います。
     次に、本県農林水産物の海外販路開拓について伺います。
     近年のアジア諸国の経済発展に伴い近隣諸国では富裕層が増加しました。また世界的な日本食ブームも広がりを見せ、海外には有望な国内農産品のマーケットが存在しております。一方、国内では少子高齢化に伴いマーケットが縮小してきており、日本の農業の将来には海外への輸出という新たな取り組みが農林水産省を中心に進められるようになりました。その結果日本の農林水産物等の輸出額は近年非常に伸びてきており、本県でも平成十七年度から輸入検疫や関税のないシンガポールや香港をターゲットに販路開拓が始まりました。今では温室メロンやワサビ等の現地での販売が定着し、また中国や韓国に対しても新たな取り組みを進めていると伺っております。
     今回の議会では、既に今後の農業の方向性や将来性について他の議員からの質問へのお答えで、六次産業化による新たな市場の創造、青年層の就労の受け皿等が期待をされ、さらに農地の防災や景観など多面的な機能についても知事から述べられました。私もまさに日本の品質の高さ、きめ細かい日本食の味や文化は日本の農業の将来を変え、新しい希望を見出せる分野だと思います。しかしながら御案内のとおり、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の発生により、海外マーケットは今の日本の生産品に対して非常に厳しい態度となりました。食品の輸入停止や放射性物質の検査証明や産地証明の要求など、四十を超える国や地域で今でも規制措置がとられています。輸出への影響は明らかで、ことし五月には前年度に比較して一七%も輸出額がダウンしており、一刻も早く海外における我が国の農産品、食料の信頼を取り戻さなくてはなりません。
     そこで伺いますが、県では原発事故発生以来これまでどのように県の農産品に対して取り組まれてきたのか、対応をされてきたのか、また今後どのようなお取り組みを考えておられるのか、御所見を伺います。
     さて、最後の質問になりますが、次は本県児童生徒の確かな学力の育成について伺います。
     昨年度の全国学力学習状況調査によりますと、本県は小学校で全国第三十一位、中学校で九位でありました。皆さんも御承知かと思いますが、小学校では第一位に秋田県、第二位に福井県、中学校では福井県が第一位で第二位が秋田県、この両県はここ数年トップを譲っておりません。決して本県児童生徒の学力が他県と比べて低いというほどではありませんが、全国との比較においてもっと上位を目指していくような教育が必要なのではないかと私は思っております。もちろん学力の順位だけをことさらに取り上げて、児童生徒を画一的に評価することは決して許されることではありませんが、より高い学力を目指す過程の中で子供たちが競争の意味を知り、それを通じて自己の人格をつくり上げるといった教育の厳しさが、次第にこのまちからも失われているのではないかと私は危惧しています。世界との比較の中で我が国の学力が年々低下していることは皆さんも御承知のとおりであり、未来の国際社会におけるあらゆる競争を考えると極めて心細い状況です。ゆとり教育を通じて否定された感が否めませんが、本来競争とは、足の引っ張り合いでも競争に負けてしまった者を排除することでもありません。競争を通じて自己の成長を促し、己の内なる弱さを克服して自信や忍耐、さらには指導者への礼節や感謝といった、まさに日本人としての徳を備えていくために大切な自己研鑽の環境であると思います。
     本県が今年三月に定めた教育振興基本計画を拝見しても、学力について割かれたページはごくわずかであり、競争という観点に立った学力に関しての目標も読み取れませんし、高い学力を身につけていかに社会に奉仕して世の役に立つべきか、この社会貢献という根本的な学問の意義も読み取ることができません。私は、子供たちの学力の育成には本県の教育方針にもっと具体的で確固たる目標が必要であり、かつその目標を一人一人の教員がしっかりと理解し実践することが何よりも児童の学力への意欲を高める方法だと思います。知事が進める富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりにおいて、人材こそが最大の財産であり、教育こそがそのくにづくりの重要な柱となるはずです。「二番ではだめなんですか」と事業仕分けの際に発言をした民主党の閣僚がおられましたが、どんな分野であっても、これだけは一番になりたいと願う児童の努力こそ大切にする教育も目指してほしいと思います。
     確かな学力について、私自身の学生時代の成績は顧みず私の信じるところを申し述べましたが、本県児童生徒の学力の現状について、県の御認識と評価、今後の目指すべき修学のあり方について御所見を伺います。
     以上、大きく五つの項目にわたって質問をさせていただきました。一回目は以上です。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 相坂議員にお答えいたします。たくさん御質問いただきましたけれども、そのうち私は二つお答えを申し上げたいと存じます。
     まず、観光振興についてのうち、徳川家康公を活用した観光戦略についてでございます。
     議員御指摘のとおり、山岡荘八さんの小説「徳川家康」が中国語に訳されてベストセラーになっていると。韓国語にも訳されているようです。やはり人生訓であるとか、経営する上でのいろいろと学ぶところがあるということが人気の秘訣のようでございます。そうした中、昨年十二月二十四日、クリスマスプレゼントのような形で家康公の霊廟であります久能山東照宮が、その本殿と拝殿と石の間が本県の持っている建造物として初めて国宝に指定されました。そしてお亡くなりになったのが、御案内のとおり一六一六年の四月ということです。満でいうと七十三歳ですね。一五四二年の十二月にお生まれで、一六一六年の四月に亡くなられているので、まだ七十三歳だったわけですが、議員の言われたとおり、数えでいうと七十五歳になります。そうした数え方で一六一六年からちょうど四百年目と。数えでいうと二〇一五年が徳川公没後四百周年ということになりまして、それを一つの目標年といたしまして、家康公の御遺徳を県内外に発信する徳川家康公顕彰四百年記念事業に県として参画することにいたしました。私が顧問となりまして、会長は第十八代徳川宗家、そして副会長には静岡・浜松両市長、さらに相談役には静岡・浜松両商工会議所の会頭がつけてございます。全県挙げてこの記念事業を推進していこうということでございます。
     もう一つは、本県だけではなくて愛知県、お生まれになった岡崎城、あるいは関ヶ原の古戦場、三重県伊賀上野の忍者の里でも家康公ゆかりの誘客活動を展開されていますので、これからは相互に連携いたしまして、家康公の生涯であるとか人物像を再発見する商品の企画、あるいはメディアを活用した情報発信を行うなど、徳川家康公誘客プロジェクトを積極的に提案し、広域的な取り組みとして推進してまいろうと思っております。
     どのようにキーコンセプトをつくるかというのは、とても大事なことですね。議員も言われたように、戦乱の世が終わってパクス・トクガワーナと言われる平和の時代を切り開いた人だということがとても大事だというふうに思います。そういうことから一個人としてではなくて、日本の時代を戦乱から平和へ、あるいは軍事中心主義から学問中心主義にお変えになったということがあると存じます。それからまた江戸時代ないし徳川時代というのは隣の韓国もそれから中国も、それぞれほとんど内乱がありません。もっとも中国は明から清にかわったときですけれども、清の時代は国外への発展はありましたけれども安定していました。それから李氏朝鮮も安定していたわけです。だから東アジアの三国というのは平和であったわけです。それをヨーロッパと照らし合わせると、ヨーロッパはもう毎年毎年戦争していますから、東アジアの平和、パクス・アシアーナということも言えるわけです。そしてその学問が共通していたということもございます。朱子学ないし儒学です。しかし家康公の基本的な学問は恐らく仏教であったと存じます。源信の「厭離穢土欣求浄土」というのを旗に掲げられた。しかし新しい学問として朱子学をみずから採用されて、林羅山を顧問とされたと。そこに学問への関心、新しい時代を開く、そういう学問に対する奨励というものがあったということも、あわせて大事だと思いますね。
     ですから、広く世界史の中で徳川時代、特にその始まりに本質があると言われるとすれば、徳川家康公の事績というのをしっかり学ぶということが大事で、ただに小説を読むだけでなくて、もちろん小説としても司馬遼太郎さんもお書きになっているし、たくさんの学者も書かれています。本県には小和田先生もこの御専門の人として国では知られている方ですね。ですからやはり、これがしっかりと、単なる観光というよりも結果として観光に結びつくような、そうしたプロジェクトに育てなくちゃならないということを今考えているところでございます。
     ちなみに私は、徳川時代の世界史における位置というのはヨーロッパにおける近代に匹敵するというふうに考えておりまして、これは通説になっているわけではありませんから何とも言えませんが、相当に研究に値するということで、本県全体として家康公の遺徳をしのぶための運動が出てきたということを、大変ありがたく、また議員先生もそうした動きに協力してくださるということがわかり大変ありがたく存じます。
     続きまして、本県の農林水産物の海外販路開拓についてであります。
     アジア諸国では、近年の経済発展によりまして、安全で高品質な日本の農林水産物に対する需要が高まっております。本県の緑茶、ワサビ、クラウンメロンなど二十四品目の輸出が実現しておりまして、本県農林水産業の今後の発展のために、県といたしましても販路開拓に積極的に取り組んでまいりました。しかし福島原発事故の影響で諸外国の輸入規制措置が強化されました。本県農林水産物の信頼回復が急務です。そのため県では企業からの御要請にもおこたえしますとともに、韓国やシンガポールを初め七つの国・地域に対し輸出証明書の発行も今行っているところでございます。また私自身も、七月にはお茶の主要な輸出先でございますアメリカの中心地ニューヨークでトップセールスを行いました。県産の緑茶の安全性について、科学的データに基づいた情報を提供するセミナーを開催いたしました。風評被害の払拭に努めた次第です。さらにシンガポールでは、日系量販店におきましてふじのくにフェアを開催し、県内生産者が直接現地消費者に対してPRを行うなど、信頼回復につながる事業をしたところでございます。シンガポールが一番最初に本県の野菜が放射性物質の汚染があるということで輸入禁止をいたしました。しかしこれに対してしっかりとデータをお見せして、その誤解が解けてこういう商談会ができるようになったわけです。アメリカの場合は全米お茶協会の会長さんが、今メールマガジンで全米に我々が提示をしたデータを広めてくださっています。このように風評被害を払拭するには正確なデータをお示しするという以外にありません。安全だということを大きな声で言ってもだめで、なぜ安全であるかということを普遍的な言語である科学で、データで説明する以外に方法はないというふうに思っております。
     県におきましては、来年三月までに県内産の農畜水産物、合計三十六品目百十六検体の放射性物質の検査を実施いたします。特にお茶につきましては来年の一番茶に向けまして追跡調査や技術指導を行うことにより、放射性物質の低下にさらに努めることとしております。こうした取り組みを県の海外向けホームページやさまざまな広報媒体を通じて情報発信し、海外に本県の農林水産物が安全・安心であることを伝えてまいります。
     また、新しい販路の開拓といたしまして、沖縄県物産公社をこの間訪問いたしました。沖縄には全日空が、全アジアへの新鮮な野菜や果物の販売ルートを持っています。私どもはANAが毎日沖縄に飛んでおり、しかも搭乗率はANAにおけるトップクラスです。そうしたことを生かしまして沖縄物産公社を通して、今度は物も輸出していただこうということで、今着々とその準備が進められております。また浙江省友好提携三十周年記念事業や、第五回世界お茶まつり――これはあと二年後に開かれますけれども――これらを活用して、世界に向けて本県の農芸品の情報発信や需要開拓にも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 小林危機管理監。
           (危機監理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機監理監(小林佐登志君) 震災対策の強化についてのうち、初めに発災直後の迅速な情報収集についてお答えをいたします。
     県では、想定東海地震などの大規模災害の発災時におきましては、初期段階での的確な対応を図るために、どこで何が起きているかといった被災情報を迅速かつ正確に把握することが重要であると考えております。このため本県では、発災後直ちに県内四カ所の危機管理局に方面本部を立ち上げ、管内の市町の被災情報を収集しまして、その情報を県の対策本部に報告する体制をとっております。一方で、発災直後からヘリコプターなどによる航空偵察を行い、県内全域の被災状況を上空から調査し、その画像を直接災害対策本部に送ることとしております。また本年七月から運用を開始しました新たな防災情報システムでは、緊急輸送路、ヘリポート、救護所、避難所などのリアルタイムの情報を地図情報データベースに掲載し、情報の見える化を実施しております。このシステムでは、携帯電話で撮った被災状況の画像を位置情報とともにメール送信することで地図情報上に反映し、市町や防災関係機関との間で被災情報を共有できるようになっております。加えて既設の固定監視カメラの映像を災害対策本部で見ることのできる体制を整備するなど、リアルタイムでの情報収集能力の向上に努めております。
     県といたしましては、発災から七十二時間までの間に一人でも多くの人命を救うため、今後ともより迅速で正確な情報収集が可能となるよう体制の整備を図りまして、情報収集能力のさらなる充実強化に取り組んでまいります。
     次に、津波避難対策の方針についてでございます。
     東日本大震災と想定される東海地震との大きな違いの一つは津波の到達時間にございます。東海地震では、津波の到達時間が五分から十分程度と極めて短いため短時間で避難する必要があります。このため県では、昭和六十三年度に東海地震により発生する津波に対処するため、避難計画策定指針を定めまして、「地震だ、津波だ、すぐ避難!」を標語としまして、地震が発生した場合にはとにかくすぐ逃げることを基本方針に毎年津波避難訓練を実施してまいりました。今回の東日本大震災を踏まえまして五月には緊急津波避難訓練を行い、すぐに逃げるための避難ルート、避難場所、避難誘導施設、陸閘などの総点検を実施しまして、市町や地域住民にそれぞれの地域の課題について再認識していただいたところでございます。その結果、津波到達予想時間内に安全にたどり着ける避難場所が不足していること、あるいは避難路の中には避難誘導案内板がないところや、急傾斜でありながら避難階段や手すりが整備されていない箇所があることなどの課題が明らかとなりました。
     県といたしましては、この訓練で浮き彫りとなった課題を解決するために、静岡県津波対策検討会議におきまして、ふじのくに津波対策アクションプログラム短期対策編を策定しまして、県と市町とが力を合わせて早急に津波対策に取り組んでいくとしたところでございます。今後も津波対策を進める上で、沿岸部を有する県内の二十一市町には、その沿岸部の地形条件や市街地の形成状況などに差異がございますので、すぐ逃げることを基本としながらこうした差異を踏まえ、それぞれの地域に適したよりきめ細かな津波対策を進めることが重要であると考えております。このためには、各地域の危機管理局と市町の職員が津波対策を必要とする地域に出向いて住民と話し合うことで、その地域に適した被難場所や避難ルートの見直しを進めるほか、五分以内に一時避難できる場所として、津波避難ビルの確保や人工高台の整備などに市町と連携して取り組む必要がございます。こうした取り組みにつきましては、さきに策定をいたしましたふじのくに津波対策アクションプログラム短期対策編に適宜追加するほか、今後策定を予定しております中長期対策編にも盛り込み、市町などと連携して計画的に推進してまいります。以上でございます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 観光振興についてのうち、海外誘客の促進についてお答えいたします。
     海外誘客を効果的に進めていくためには、対象市場の旅行動向やニーズを把握し、それに対応した旅行商品の造成や広報、プロモーション活動が不可欠と考え、現地の旅行会社やメディアを本県に招へいするファムトリップや旅行商品の造成支援、あるいは現地における商談会の開催など、観光促進策を実施してまいりました。個人や少人数のグループ観光が主体の韓国や台湾では、メディアやインターネットを使った情報発信あるいはホームショッピングへの支援を、団体旅行が主体の中国や香港については、旅行会社や航空会社への直接的なアプローチ等を実施することによって、平成二十二年の外国人延べ宿泊客数が前年度対比で一五〇・五%になるなど大きな成果を上げてまいりました。さらに、訪日客数では中国、韓国、台湾に次いで四番目に多いアメリカからの誘客に向けまして、ことし七月知事によるニューヨークでのトップセールスを行うとともに、茶業関係者と連携してお茶と富士山をテーマにしたセミナーを開催し、静岡県の魅力をPRしてまいったところでございます。さらに十二月には、ラスベガスで開催される展示商談会に県内の旅館のおかみさんとともに参加し、特に富裕層に向けた情報発信を行うこととしております。
     また、富士山静岡空港を利用した海外からの誘客を促進するために、定期便就航先のソウルと上海の周辺地域におきまして新しい市場の開拓に取り組むとともに、北京や武漢、モンゴルなどアジア各国はもとより、欧米から定期便の路線に乗り継ぐ利便性の高い観光ルートの提案を行うなど、海外からの誘客促進に取り組んでまいります。
     県といたしましては、これまでの取り組みの効果を分析、検証した上で事業推進を図るとともに、単に観光関係者だけでなく文化や産業などの幅広い団体とも連携しながら各国の実情やニーズに合わせた効果的な誘客活動を展開してまいります。
     次に、グランシップにおけるMICEの取り組みについてであります。
     県では、ヒト・モノ・文化や情報が交わり、人々が集い、憩うオアシスとなることを基本理念に産業、文化などの多様な交流を促進し、新たな文化を創造発信する拠点施設としてグランシップを整備いたしました。そのためグランシップにおいては、県の文化振興基本計画にのっとり文化振興事業を中心に展開しており、平成十一年の三月開館以来県内外の多くの方々が利用され、最近の五カ年の大ホールや会議室などの稼働率は常に八割を超え入館者の数も今年度中には一千万人を超える見込みであります。
     グランシップにおける国際会議等の大規模コンベンションにつきましては、開館当初の平成十一年のときは十九件でございましたが、随時の優先予約制度の浸透や静岡観光コンベンション協会と連携した国際ミーティング・エキスポへの出展、日本政府観光局等への営業活動などによりまして、平成二十二年度には四十一件と増加しております。またグランシップでは毎年大規模コンベンションの経済波及効果をはかっておりまして、平成二十二年度に約二千人が参加いたしました第三十七回全国学校図書館研究大会では約二億円程度の経済波及効果が生まれておりますことから、地域経済の活性化のためには、今まで以上にMICEの誘致に取り組むことが必要であります。グランシップの学術文化及び芸術の振興並びに国内外との交流促進という設置目的を達成させるためには、同一の指定管理者が管理運営をし自主企画事業とコンベンションなどの貸し館事業とをバランスよく両立させることが最も効果的であると考えております。MICEによるグランシップの利用は宿泊やアフターコンベンションなどによる地域への経済効果はもとより、本県をPRする上でも絶好の機会であります。
     そのため県といたしましては、他県の先進事例の情報提供や人材育成研修などを通じまして、静岡県文化財団スタッフのスキルを向上させるとともに、文化財団や静岡観光コンベンション協会と一体となりまして、大学や研究機関など関係機関からの情報収集や、そのキーパーソンへの企画提案を行い、MICEの誘致を積極的に進めてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 確かな学力の育成について、お答えいたします。
     学力につきましては、その要素であります知識・技能、思考力、判断力、表現力、学習意欲が有機的に結びついた確かな学力の育成が大切であります。このことは、本県の教育振興基本計画が目指しております、個人として自立し、人とのかかわり合いを大切にしながら、よりよい社会づくりに参画し行動する有徳の人の育成の根幹をなすものと考えております。本県の児童生徒の学力の現状につきましては、全国学力学習状況調査において一定のレベルに達しておりますが、課題を解決するための思考力、判断力、表現力等に伸ばすべき点があると考えております。現在、県総合教育センターにおきまして指導主事の学校訪問や教科ごとの研修会等を活用し、言語活動の充実等による授業改善を推進しているところであります。また学校におきましては社会づくりに参画し行動する態度を育成するために、学校行事や部活動などの教育活動に積極的に取り組んでおり、今年度からは例えば高校における一部活動一ボランティア活動等を推進するなど、児童生徒の社会貢献活動への参加を図っております。
     今後は、学力の育成はもとより人とのかかわり合いも大切にしながら、議員御指摘の互いに切磋琢磨する場面も取り入れるなど、さまざまな教育活動を総合的に進めることを通して、有徳の人づくりに取り組んでまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 相坂摂治君。
           (十一番 相坂摂治君登壇)
    ○十一番(相坂摂治君) それぞれお答えをいただきまして、ありがとうございました。
     ありがとうございましたなんですが、どれから聞き直しをしたらいいのかあれですけれども、まず徳川家康公のことについては、知事から本当にたくさんの御教授をいただきまして私も本当に勉強になりましたけれども、私が聞きたかったのは観光の商品化ができるかどうかということでして、そこには学問的な裏づけも徳川家康公の評価も改めてし直さなければいけませんが、それを短い言葉でわかりやすく、県民が教育をして商売の実利が上がるかどうかということを、我々は徳川家康公を通じて実利を生むんだということも……。知事は「結果として観光につながる」という御答弁をなされまして、そのお気持ちは十分わかるわけですが、観光という厳しい競争の中にあるということを、ぜひとも商品開発に結びつけていただきたいと思います。
     それから海外誘客、これはいいです。これはちょっと大分違いましたけれども時間がありませんので……。
     津波避難対策についてですが、ぜひ数字で把握をしていただきたいと思います。先ほど浸水区域の人口と高台の面積の比較を私はちらっとさせていただきましたが、具体的に地域の名前を挙げて言っていませんけれども、それを比べると恐らくまだ何パーセントぐらいしか整っていないという地域がいっぱいあります。それを図面に落として町内会長や防災の地域の方が把握をして、それを住民に知らしめて、そのときに初めてこの避難が確実に数字がそろったということになるわけですから、しっかりと数字で把握をしていただきたいというふうに思います。
     それからMICEですけれども、グランシップの稼働率が八割を超えているというお答えがありましたが、だから問題なんです。八割を超えても九億円の委託金を出さなければ運営ができていないということに大きな課題があるわけで、それを補っていくための収入の柱をどうやってふやすのか。貸し館をやっていても、文化事業やって入場料を得ていても、毎年九億円の赤字が出ている。これを委託料という形で赤字という言い方は今しておりませんけれども、そこにメスを入れるべきだというふうに考えているわけです。
     最後にもう一点、教育のところでありますが、最終的に教育長から、さまざまな観点から総合的な学習の指導をするということですが、そこをぜひ具体的に目標にしてほしいと。当局の皆さんのお答えの中に、「総合的に」「機能的に」「効率的に」というお答えがよくあらわれますけれども、何をやるのかさっぱりわからないと私は思います。特に学問は、子供たちは自分たちの点数を具体的に数字で示されているわけですから、大人も厳しく自分たちをしっかりと数字で管理をして、子供たちの努力が実るような教育を実現をしていただきたいというふうに思います。
     質問にならなかったか、要望だけ述べたかもしれませんけれども以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) MICEについての再質問についてお答えいたします。
     議員御指摘の九州にある国際会議場という施設、その辺の施設の状況なんかも現在調査をしているわけでございます。やはり九州にある国際会議場につきましては、完全に国際会議場、コンベンション施設としての専用施設というような位置づけになっております。そういった中でグランシップは、先ほど申し上げましたように、文化創造の発信拠点であるということとあわせましてコンベンション機能を持つということで、コンベンション機能のこれからの誘致につきましては、まだまだ勉強するところもありますし、そういった意味で先進事例としての九州あるいは全国の国際会議場等を勉強しながら、運営の効率化についてはこれからも図っていきたいというふうに考えております。以上でございます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 小林危機管理監。
           (危機監理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機監理監(小林佐登志君) 津波避難の関係についての再質問についてお答えします。
     先生のおっしゃるとおり、やはり数字で把握して示していくということが非常に重要でありますので、これから我々、アクションプログラム――津波対策の短期対策、中長期対策をやっていきますので、その中で避難先となる避難ビル等、そういったものの整備を進めていきますので、その中で、どの程度そういった二十七万人のうちの本当に必要な人たちがどの程度いて、もちろん当然そのうちの一〇〇%を目指しますけれども、どの程度把握できていて、どの程度充足していけるのか。そういったことについては、ぜひその進行管理をやる中で把握していきたいと、かように思っております。以上でございます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 私の答弁の中で、総合的に進めるということが、これは今回だけではなくて、教育関係全体でわかりにくいのではないかという御指摘でありまして、教育というのはなかなか数字だけであらわせない部分もございまして、今回は小中学校のことについて御質問があったわけですけれども、小中の場合には教科指導を中心にしまして、あと道徳と、それから特別活動という大きく三つの領域の中でやっているわけですけれども、この中では具体的に到達目標を設定して数字ではっきりとわかる、そういう評価もありますし、なかなか具体的な数字であらわせないものもございます。それだけ人間の成長というのを評価するというのは非常に難しいかなというふうに思いますけれども、ただ私たちは、だからといって数字で評価するということに対して決して遠慮することなく、できるものについてははっきりと数字であらわし、数字であらわせないものについては文章とかそういうもので評価をしていくという、そういう二段構えでやっていく必要があるかなと思います。
     いずれにしましても、子供たちの成長というのは学力以外にも、有徳の人の中で位置づけられております人とのかかわりとか、自立とか、社会への参加ということが大きな要素になっておりますので、そういう意味では、また最後に「総合的」という言葉を使わさせていただきますけれども、教育活動を総合的に進めていきたいというふうに思っております。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 相坂摂治君、徳川家康公を活用した観光戦略の件。このことは要望でよろしいですか。(発言する者あり)
     川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 私は、四つの要望をおっしゃったと存じましたけれども、すべてチーム川勝で、それぞれそれを質問と受け取ってお答えいたしましたので、私のほうも。
     徳川家康公を売り込めというお話でございますね。これを売り込むためには知識が必要です。しかし徳川家康公を、二〇一五年の没後四百周年というのを一つにらみながら売り込み戦略を立てます。徳川家康公を内外に売り込んでいくという戦略を立ててまいります。その戦略につきましては今後練らせていただいて、また御紹介申し上げるというふうにさせていただきたいと存じます。

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