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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成18年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

安間 英雄 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/27/2006

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:



    ○議長 (大橋正己君)  質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 五十番 安間英雄君。
            (五十番 安間英雄君登壇 拍手)
    ○五十番 (安間英雄君)  おはようございます。
     私は自由民主党を代表して当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長に質問をいたします。
     初めに県政運営について伺います。
     最初に総合計画の中間見直しについてであります。
     ミレニアムと、 新しい時代の到来に胸を躍らせた二十一世紀も早くも七年目を迎えました。 新しい時代には当然新しい目標が必要になりますが、 私はその新たな目標は我々日本人の歴史や文化、 また生活習慣や価値観に根差したもので、 さらにそれぞれが生活する地域、 地方から生み出される非常に多様なものではないかと考えます。 また二十一世紀を生きる我々がこれから特に意識していかなければならないことは、 我が国が歴史上初めて人口減少社会の到来を迎えることであります。
     昨年はちょうど五年に一度の国勢調査が行われた年であり、 詳細はこれからの分析を待たなければなりませんが、 暮れに発表された速報値には我が国がいよいよ人口減少の局面を迎えたことが明確にあらわれました。 都道府県別に見れば、 大都市圏を中心に本県を含む十五の都府県で人口が増加しているものの、 その増加率は年を追うごとに低下し、 このままいけば五年後の次回の国勢調査では、 減少に転じることがほぼ確実と言われています。 我が国が大きな歴史の転換点にあることを改めて認識するとともに、 現在の我々が将来をしっかり見据えて正しい方向に道筋をつけていかなければならないと責任の重大さを痛感するところであります。
     また、 国土の形成についても従来の国土の均衡ある発展から、 選択と集中といった新たな視点で政策展開が図られるようになるなど、 これまでにも増して地方の自主性、 さらに地域の知恵と努力が問われるようになってきています。
     翻って本県の状況を見れば少子化とともに高齢化が進み、 また県民の生活様式の変化や価値観の多様化、 さらには国際社会への対応など行政需要が山積しております。 私はこうした大きな転換期においてこそ県土の発展、 県民生活の安定と向上を目指して政治と行政それぞれが知恵を絞り汗を流し、 県民の先頭に立って進んでいく姿勢が重要だと考えます。
     石川知事もそうした視点に立ち、 昨年七月に行われた知事選挙においては県民暮らし満足度日本一の実現を公約に掲げ、 見事四選を果たされたわけであります。 今県民は知事のこの公約の実現を強く期待をしております。 折しも県においては現在の総合計画 「魅力ある ”しずおか“ 二〇一〇年戦略プラン」 が目標年次の中間点を迎えたことを受けて、 昨年から中間的な見直しの作業が進められてきています。 現在はその作業も最終局面を迎え見直しを行った計画の案が提示されているところであります。
     そこで、 まず計画の目標年次である二〇一〇年に向け、 今後の五年間の県政指針として今回の中間見直しでは新たにどのような方向性が盛り込まれたのかなど総合計画の中間見直しの基本的な考え方と見直しのポイントについて伺います。 またこの総合計画の中間見直しに関連して、 知事が宣言された県民暮らし満足度日本一を今後どのような形で実現されていくお考えなのかあわせて伺います。
     次に、 集中改革プランの策定についてであります。
     小泉内閣は改革なくして成長なし、 民間にできることは民間に、 地方にできることは地方にとの方針のもと、 郵政民営化の着実な実施を初め小さくて効率的な政府の実現に向けたさまざまな分野にわたる構造改革を進めています。 その一環として三位一体の改革が進められましたが、 結果は地方にとって大変厳しいものであり地方に改革を迫るものでありました。
     また、 平成の大合併などにより市や町の規模は大きくなりそれとともに能力を急速に拡大しつつあり、 県と市町との役割にも大きな変革の兆しが現れています。 本県においても以前七十四あった市町村がことし三月には四十二の市町になり、 また静岡市に加えて浜松市も政令指定都市へ移行することが見込まれるなど県を取り巻く環境が大きく変化していることが実感されます。 他方で厳しい財政や地域経済の状況等を背景として、 また一部の団体における給与制度の不適正な運用などもあり、 県民の行政を見る目は非常に厳しい状況にあります。
     石川知事はこれまでの組織のフラット化やアウトソーシングなど全国に先駆けたさまざまな取り組みに挑戦してきたほか、 行政評価を活用した施策や事業の見直しや出先機関の再編など行政改革に積極的に、 そして着実に取り組み成果を上げてきたと思われます。
     しかし、 今後行政サービスに投入する財源も人員もふえないむしろ減少が見込まれる中で、 少子高齢化など社会経済の構造的な変化に対応して新たな課題や多様化する住民ニーズにも戦略的に的確に取り組んでいくためには、 これまで以上に新しい視点に立ってさらなる行政改革を推進していくことが必要であり、 我が自由民主党は五つの項目から成る行政改革について知事に提言をしたところであります。 これに伴い県は、 平成十八年度の当初予算や組織改正とあわせ集中改革プランの案を取りまとめ公表しましたが、 この集中改革プラン案の策定に当たっての基本的な考え方や具体的な内容について伺います。
     次に、 平成十八年度当初予算編成について伺います。
     最初に、 予算編成についてであります。
     本県経済は輸出や設備投資が増加しているほか、 雇用面での改善や所得面での増加が続くなど景気は回復を続けていると言われていますが、 原油価格の高どまりなどもあり中小企業においては景気回復を実感できないところもあるというのが現実であります。 このような地域の経済の状況に加えて急速に進む少子・高齢化への対応、 切迫する東海地震発生への対応、 将来の発展に向けた基盤づくりなど県政に求められる課題は多岐にわたっております。
     さらに、 市町村合併の進展や政令市の誕生、 三位一体の改革による国と地方の関係の変化などにより、 地方行政の枠組みや財政構造といった地方自治体を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。 地方政治の大きな転換点において知事は県民暮らし満足度日本一を実現するため、 どのような考えのもとに予算編成をされたのか伺います。
     次に、 今後の財政運営についてであります。
     今回当初予算とあわせて発表された財政の中期見通しと今後の取り組みは義務的経費等の財政需要の増加に合わせて地方交付税が増額されるケースと、 県税や地方交付税の一般財源が十八年度と同額で固定されるケースの二つのケースで試算をしています。 前者では健全化の目標である経常収支比率、 起債制限比率、 県債残高の三つの指標はいずれも改善をしていき、 財源不足も十八年度の三百四十一億円が二十二年度には九億円までに解消していく見込みです。 一方で後者のケースでは経常収支比率は九三から九四%と改善せず、 今後も毎年三百億円から四百億円程度の財源不足が生じる見込みとなっています。
     このように、 地方交付税を含む今後の国の地方財政に大きく影響を受ける状況にありますが、 財政健全化に向けてどのように財政運営していくのか伺います。
     次に、 富士山静岡空港の今後の事業推進について伺います。
     着実に事業が進展している静岡空港でありますが、 最近の動きには特に目をみはるものがあり大変心強く感じています。
     まず、 去る一月に富士山静岡空港、 英語表記ではマウント・フジ・シズオカ・エアポートの愛称が決まりました。 開港を三年後に控え早期の決定が望まれていましたが、 県民だれもが親しみを感じることができ、 加えて静岡空港と静岡県の魅力を国の内外に広く発信しアピールしていく上で最もふさわしい愛称であり、 これまで我が党が提案してきた名称そのものであると高く評価をしています。 富士山静岡空港の大きな特徴であります民活化に関しましても、 運営会社が設立の運びとなりました。 空港運営に民間の創意工夫が最大限発揮され効率的な経営、 利便性の向上が図られるものと期待をしています。
     また、 富士山静岡空港に寄せる各界各層からの期待は大変強いものがありますから、 今後とも県内経済界や一般県民にもそれぞれの立場から空港の利活用について積極的な参加、 協力をいただきながら、 官民協働により県民のための地域空港の実現を図っていただくよう努力していただきたいと思います。
     さらに、 最大の懸案でありました空港用地につきましても県収用委員会に対し、 空港本体部に関する裁決申請を行うなど土地収用法に関する手続が粛々と進められています。 これらのことに先立ち県議会としましても従来の静岡空港整備推進議員連盟を静岡空港利活用促進議員連盟へと衣がえをし、 本空港が世界の空のネットワークの中で確実な地歩を占め本県の経済、 観光、 文化等の振興に寄与するよう、 開港後の利活用の促進を図るため体制を強化しました。 こうした中、 空港部の組織もさらに充実されるとのことでありますが、 富士山静岡空港の開港に向け今後何を重点にどのような戦略で事業を推進していくのか伺います。
     次に、 中電浜岡原発におけるプルサーマル計画の推進について伺います。
     我が国はエネルギー資源に恵まれない反面、 エネルギーの消費量は多く、 また最近は環境への配慮も欠かせないため、 今日、 原子力発電が重要なエネルギー源となっております。 しかし、 燃料であるウラン資源は高価で有限であるため、 国は原子力政策の基本方針として核燃料サイクルを確立することとし、 特に使用済み燃料を再利用するプルサーマル計画の着実な推進を図っております。
     昨年九月、 こうした国の原子力政策に沿って中部電力が浜岡原子力発電所におけるプルサーマル計画の実施を表明しました。 早速地元地域からはその安全性等をめぐってさまざまな声が上がりましたが、 私は原子力発電については、 現在国によって施設の設置や検査等に厳格な基準が設けられ、 科学的、 数量的に安全性を検証するシステムが既に十分整備されていると認識をしております。 我が党もこうした認識のもと、 中部電力のプルサーマル計画については地元住民、 自治体の安心感の醸成を図り、 安全性に最大限留意しながら着実にこれを推進すべきと考え、 昨年十二月、 中部電力に対しその旨要望を行ったところであります。
     既に計画の発表から五カ月余が経過し、 この間中部電力による各家庭への戸別訪問や地元説明会の開催、 また地元自治体が開催した専門家を交えた討論会等により、 地元地域の理解は相当程度深まったと思われます。 また明日二十八日には先月十六日に続いて御前崎市を初め地元四市から成る浜岡原子力発電所安全等対策協議会が開催される予定だと聞いております。
     私はプルサーマル計画における安全性については、 本来国策として国が責任を持つべきであり、 またしっかり判断されるべきだと考えます。 既に佐賀県の玄海原発三号機が国の安全審査を経てその安全性が確認されておりますが、 今後とも対象となる発電炉ごとにしっかりとした安全性の審査が行われることが重要であります。
     いずれにしても今回の中電浜岡原発におけるプルサーマル計画の推進に当たっては、 私はやはりまず地元地域の意見が尊重されなければならないと考えます。 地元の意見の集約が行われた後、 県としてどのように対応されるお考えなのか改めて伺います。
     次に、 TSL防災船 「希望」 の廃止について伺います。  
     今議会の冒頭、 知事から報告がありましたが、 TSL防災船 「希望」 がいよいよ本年度いっぱいで廃止されることになりました。 TSL 「希望」 は平成八年に、 当時の運輸省が国際的な物資の高速、 大量輸送需要に対応するため開発したTSL実験船 「飛翔」 を本県が購入したものであります。 その後、 これに改造を加え平成九年からは防災船 「希望」 として災害時の活用に備えるとともに、 平常時は清水と伊豆の下田を結ぶ航海速力四十ノットの日本最速のカーフェリーとして運航されてきたところであります。
     この 「希望」 の導入の背景には想定される東海地震等の災害時における海上からの緊急輸送路確保の要請とともに、 観光活性化に取り組む伊豆地域の方々の海上航路開設に対する強い期待と要請がありました。 以来、 燃料費高騰のあおりでカーフェリー事業が昨年十月に休止されるまで、 県中部から伊豆地域への貴重な海上アクセス手段として伊豆の観光や地域の振興に大きな貢献を果たしてきたところであります。
     また、 防災船としても平成十五年八月に伊豆を襲った豪雨災害時に足どめされた二百六十人の観光客を無事搬送するなどその役割を十分発揮し、 とりわけ大きな災害が起これば陸上交通が寸断されてたちまち陸の孤島となってしまう伊豆の住民にとって 「希望」 の存在は大変心強かったと言われております。
     しかし、 年間の維持管理費は総額で九億円余に上り、 カーフェリーとしてだけでなく防災船という大きな役割を担ってきたとはいえ、 厳しさを増す財政状況の中でその存続を維持していくことは難しいと言わざるを得ず、 我が党としても今回の知事の決定は最善の策であると受けとめたところであります。 この結果、 今議会に上程されている平成十八年度当初予算案にはTSL 「希望」 の処理に充てる経費として八億八千万円余の事業費が計上されています。
     そこで、 まず今年度をもって業務を終了するTSL 「希望」 の廃止に係る今後の処理方針について伺います。
     一方、 私は本県の防災力の向上という面でこれまでTSL 「希望」 が果たしてきた役割や駿河湾内における海上交通の可能性を切り開いてきた先駆性については正しく評価されるべきだと考えています。 特に伊豆地域の地理的、 地勢的な条件を考えれば、 駿河湾内の海上交通は本県における陸・海・空のバランスのとれた総合交通体系の構築という意味で大変重要であります。 また平成二十一年三月に開港する静岡空港にとっても、 伊豆地域とのアクセス条件の向上は重要な課題であり、 駿河湾内の海上航路の充実が強く望まれているところであります。
     今回、 TSL 「希望」 は廃止されますが、 静岡空港との連携や国内でも有数の観光地伊豆への交通アクセスという視点でさまざまな創意と工夫を重ねていけば、 私は駿河湾内の海上交通についても民間ベースで十分やっていける可能性があるのではないかと考えます。
     そこで、 海上交通の充実、 特に伊豆地域への海からのアクセスの向上について、 県としては今後どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、 県立大学の法人化と大学改革について伺います。
     昭和六十二年に開学した静岡県立大学は本県における重要な学術研究、 高等教育機関であり、 また生涯学習や地域の文化、 産業振興に貢献する開かれた大学として県民の期待に広くこたえてきました。
     特に近年は本県の新たな産業施策であるファルマバレープロジェクトやフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトに係る産学官連携に熱心に取り組み着実に成果を上げてきています。 このため産業界等の評価も高く、 昨年十月には食品研究に企業から多額の資金提供を受け寄附講座を開設し、 これが大きく報じられました。
     ところで、 現在大学が置かれている環境を顧みると、 少子化の進行により十八歳人口も減少を続け、 計算上では入学者の数と志願者の数が同じになるいわゆる大学全入時代がすぐ間近に迫ってきていると言われています。 このため近年は大学間の競争も厳しさを増して、 静岡県立大学についても地域社会のニーズの変化に機動的に対応し、 優れた教育や研究を通じて地域により貢献できるよう大学の活性化や機能、 魅力をさらに一段と向上させることが求められています。
     こうしたことから昨年の九月定例会の答弁の中で、 知事は平成十九年四月をめどに静岡県立大学を法人化するため準備を進めていくことを表明され、 今議会にはこれから設立される公立大学法人の定款や評価委員会の議案が上程されています。
     そこでまず、 設立団体となる県としてこれからどのような法人を設立していこうと考えているのか、 また今後法人化をどのように進めていくのか伺います。
     また、 これからの厳しい大学間競争の中で生き残っていくためには単に法人化すれば事が足りるというわけではなく、 当然大学自身がさまざまな改革努力を重ねていくことが必要であります。 特に静岡県立大学の場合は高等教育機関としてばかりでなく、 本県の学術研究水準を牽引する役割も担っており、 特に東部地域の学術研究水準のさらなる高度化を推進するため、 大学の教育・研究資源を有効に展開していくことが強く期待されております。
     一昨年の本会議十二月定例会における我が党議員の静岡県立大学の東部地域への展開に関する質問に対しましても、 知事は、 県と静岡県立大学とで法人化とともに大学機能の充実についても協議検討を行っていく、 そうした中で東部地域への新たな展開あるいは長泉高校跡地の活用なども展望が開けてくるという趣旨の答弁をされました。
     そこで二点目として、 静岡県立大学の東部地域への展開について、 今後どのような取り組みが行われるのか伺います。
     ところで、 このように静岡県立大学の法人化が具体的に進展し、 また大学改革の一環としてその機能についても新たな検討がされている状況の中で、 同じように県が設立した静岡文化芸術大学のあり方を今後どう考えていくかということもこれからの重要な検討課題だと考えます。
     同大学は機動的で柔軟な運営ができるよう公設民営方式を採用し、 県が支援を継続する県立も同然の大学であります。 公立大学法人制度が整備され静岡県立大学が公立大学法人移行に向けて動き出した現状において、 私は静岡文化芸術大学も公立大学法人に統合し、 同じ一つの公立大学法人のもとで二つの大学が切磋琢磨して本県の大学教育の充実発展を支えていく道を目指すのも一つの方向ではないかと考えますが御所見を伺います。
     次に、 静岡県ゼロエミッション事業について伺います。
     県、 大井川町及び民間企業である特別目的会社の三者が協働して推進してきた静岡県ゼロエミッション事業については、 埋め立て処分に頼らない新しいごみ処理システムの構築に向けて、 事業者の全国公募、 選定を経て、 昨年二月に関係三者による基本協定が締結されました。
     その後、 県、 町及び特別目的会社が役割分担を定めこれまで事業を推進してきたところでありますが、 昨年秋以降本協定の当事者の一員である大井川町から民設民営方式の見直し、 県等公共の関与の度合いを強めてほしいとの要望が出てきたと承知しております。 また二月二十四日には大井川町を含む志太二市二町が一体となって地域の一般廃棄物の処理ともあわせて、 県と公設公営でゼロエミッション事業を進める方向で県に要請があったとマスコミにも報道をされております。
     当初の民設民営での事業推進が破綻したことにやむを得ない事情があったと思いますが、 このゼロエミッション事業は志太地域はもちろん、 県内における広域的廃棄物処理のモデルとなり得る事業であり、 幅広い市や町と連携して当事業を進めることも今後の廃棄物処理行政の展開の上でそれはそれで意味のあることと考えます。
     大井川町が民設民営でできないとしたのはどのような理由によるものか、 また今後の事業展開に向けて現実的な解決を模索していくことが必要な段階に来ているとも思いますが、 本事業推進における現状の課題と今後の対応について県としての考えを伺います。
     次に、 ねんりんピック静岡二〇〇六の開催について伺います。
     我が国は少子・高齢化が急速に進展していますが、 加えて平成十九年から平成二十一年にかけて団塊の世代と呼ばれる方々が退職するいわゆる二〇〇七年問題に直面しており、 医療・介護・年金など社会的負担の増加も危惧されているところであります。 本県におきましても総人口に占める六十五歳以上の割合は二割に近づき、 人数では約七十七万人、 そのうち介護を要する方々は約十一万人であり県政の重要課題となっています。
     一方で七十五歳で日本百名山を制覇された方、 定年退職後に退職者を従業員とした会社を設立して生涯現役を貫いている方、 あるスポーツクラブの会員は約三分の一が六十歳以上であり、 積極的にトレーニングをしているなど元気なシニア層の活動の様子が新聞などで毎日のように報道されており、 多様化する生活観の中で輝くシニア層がクローズアップされています。
     一月四日付の読売新聞で作家の堺屋太一氏は 「団塊の世代は定年になってもまだまだ働ける。 巨大潜在力、 企業戦略のかぎとなるお宝シニア市場」 とも語っています。 私もまさしく団塊の世代でありますが、 周辺の同級生を見ましてもここ数年のうちに老人や高齢者と呼ぶにはおよそはばかられる活動的な生活を送っていますし、 今後こうしたシニア層が社会活動のさまざまな場面で大きなパワーとなるものと確信しているところであります。
     このような状況の中でことし十月、 六十歳以上の皆さんのスポーツと文化の祭典ねんりんピック静岡二〇〇六が本県で開催されることは、 本県にとって非常に意義深いものと思います。 この大会には県内外から一万人余の選手が参加され県内各地で力や腕前を競うと聞いており、 選手から県民の皆様に充実したシニアライフを送る秘訣などさまざまな情報発信がされるものと大いに期待をしています。
    そこで、 県は大会主催者として、 ねんりんピック静岡二〇〇六を魅力ある大会とするためどのように取り組んでいくのか、 また、 暮らし満足度日本一、 健康長寿日本一を目指す本県として、 この意義深い大会の成果を今後の県政にどのように生かしていくのか伺います。
     次に、 県立三病院の今後の方向性について伺います。
     急速な少子・高齢化や経済成長の鈍化などにより医療制度の見直しが行われています。 また身近な市町村立病院から医師が減って休止に至る診療科もあるなど医師不足は深刻さを増しております。 このため将来に向けて医療に不安を感じている県民もふえつつあります。 一方で、 移植医療や再生医療といった医療の進歩、 最先端技術を活用した医療機器の開発など先進医療に対する県民の大きな期待もあります。
     こうしたことを背景に県立病院は県内医療機関の中核的病院として、 政策医療の提供や地域医療に対する支援など県民はさまざまな期待を寄せているところであります。 このような県民の期待に県立病院が迅速かつ的確にこたえていくためには、 病院みずからが意思決定して機動的に動けるような自律的な体制が必要なのではないかと考えます。
     このような中で、 県では有識者による県立三病院運営形態検討会を設置して検討を進め、 過日中間まとめが知事へ報告されたと承知をしております。 中間まとめによれば今後の県立三病院については非公務員型である一般地方独立行政法人により運営することが適当であるとの内容であります。
     そこで、 県立三病院の今後の方向性についてどのように考え、 また今回の中間まとめを受けてどのように対応していくのか伺います。
     次に、 中小企業への支援策について伺います。
     我が国経済は踊り場を脱却し内需主導の自立的な回復を見せており、 実質経済成長率も六年連続のプラス成長と報じられておりますが、 国内の各地域の状況を見ると景気回復の速度にかなり差が出てきております。
     本県ではアメリカやアジア諸国など外需による輸出増加などに支えられ、 好調な自動車関連産業などが立地しておりますことから、 全体としては経済状況や雇用情勢は好転してきております。 しかしながら業種によっては厳しい環境に置かれている企業も多く、 企業規模によっても景気回復の格差が残っています。 また原油高に代表される資源価格の上昇は今後の我が国産業の国際競争力に大きな影響を与える材料の一つであり、 さらに定率減税の縮小による家計負担の増加などによる個人消費の伸びの鈍化なども予想されます。
     一方、 国においては三位一体の改革による税源移譲を前提とした国庫補助金の見直しやこれとは別に単なる補助金の廃止などの見直しがされています。 中小企業関連の補助金についても例外ではなく中小企業への支援が後退してしまうのではないかと懸念をしております。
     例えば、 三位一体の改革では小規模事業者に対する経営指導や地域振興事業に積極的に取り組み、 地域経済の発展に大きな役割を果たしている商工会、 商工会議所への補助金が廃止され税源移譲されます。 また補助金の見直しでは地域活性化創造技術開発費補助金や経営革新支援対策事業費補助金といった付加価値が高く、 競争力のある新製品の開発などを積極的に後押しする補助金や商店街の振興を図る商店街等活性化事業費補助金なども廃止されます。  
     これらの見直しを受けて今後地方自治体が独自の考え方で中小企業への支援制度を構築していくことになりますが、 本県としてどのように対応していくのか伺います。
     次に、 今後の農政の展開について伺います。
     今我が国の農業は大きな変革期を迎えています。 昨年十月に経営所得安定対策等大綱が決定されその重要施策の一つとして品目横断的経営安定対策の導入が決まりました。 これは今まで一律的に全農家を対象に講じてきた品目ごとの価格対策から、 一定規模以上の担い手の経営に着目した所得政策へ転換するものであります。
     国は戦後農政を根本から見直すものであるとしており、 平成十九年からの導入を目指して現在法案作成などの準備を進めていると聞いています。 また昨年九月には農地のリース方式による株式会社の農業参入も可能となるなど農業経営の近代化にブレーキとなっていた農地制度についても改革が進みつつありますし、 一昨年の卸売市場法の改正により相対取引や商い物一致の原則が緩和され、 多様な流通形態の道も開かれてきています。
     このように構造改革の推進、 規制緩和の流れの中で農業に関する既存の枠組みや制度が大きく変わろうとしています。 一方グローバル化の進展による海外農産物との競争の激化やBSEや鳥インフルエンザなどによる食の安全・安心に対する県民の関心の高まりなど新たな課題も生じており、 生産者や消費者から的確な対応が求められています。
     県議会としても豊かな県民生活を維持、 増進させていくために農業を守り育てていくことに責任を持って取り組む必要があることから、 さきの十二月県議会において静岡県民の豊かな暮らしを支える食と農の基本条例を制定したところであります。 このことに関しましては我が党の提案に対し他会派の多大な御理解と御協力をいただき、 深く感謝をしております。
     そこで、 農業を取り巻く情勢がかつてないほど大きくかつ急速に変わっていく中で本県農業が引き続き県民の多様な期待にこたえていくために、 県は今後どのような農政を展開していくのか伺います。
     次に、 第二東名自動車道の整備の見通しについて伺います。
     平成十六年の工業統計調査によりますと本県の製造品出荷額等は全国三位となっており、 隣接する愛知県、 神奈川県との合計ではこの三県で全国の四分の一を占めるなど東名高速道路に沿った地域では極めて活発な経済活動が営まれています。
     このように我が国の社会基盤の根幹をなし、 また本県の産業経済を特に物流の面から支えている東名高速道路でありますが、 その現状はスムーズに走行することができる交通量を大幅に超え交通事故や交通渋滞が多発している状況にあるほか、 年間九十時間にも及ぶ通行どめが発生するなど時として機能不全に陥っている状況であります。
     私は知事が掲げる暮らし満足度日本一を達成するためには産業を活性化し、 暮らしの利便性を向上させる高速道路ネットワークの構築が大きなかぎであり、 その整備、 充実が非常に重要であると考えています。
     例えば、 現在の東名高速道路の使いやすさを向上させることもその一つであります。 現東名はインターチェンジの間隔が長く地域によっては乗りおりに際しては遠回りを余儀なくされるほか、 特定のインターチェンジでは交通が集中し周辺道路に渋滞を発生させるなどの問題も生じています。 この対応策としてインターチェンジの増設が有効であり、 県内においても設置に向けた要望活動が展開されている箇所もありますが、 従来の形式では膨大な費用と用地が必要となり早急な対応は困難な状況であります。
     これに対し、 現在遠州豊田パーキングエリアと富士川サービスエリアで社会実験を実施していますスマートインターチェンジは、 ETC専用であるため建設費、 管理費とも大変経済的なものであると聞いています。 この二カ所での施設の恒久化と新たな設置箇所の調査に向けて当局の一層の努力を期待したいと思います。
     さらに望まれるのが第二東名自動車道の早期整備、 早期供用であります。 第二東名の整備により現東名と交通の分散化が図られ、 快適で安全な高速走行が約束されるとともに富士山静岡空港と一体となって物流機能が飛躍的に向上し、 本県の産業振興に大きく貢献するものと考えます。
     加えて本県では切迫する東海地震への対応が喫緊の課題となっていますが、 さきの新潟県中越地震においても高速道路ネットワークの有効性は改めて認識されたところであり、 この点からも第二東名の早期整備が切望されます。 第二東名は今後も中日本高速道路株式会社が整備すると聞いていますが、 未着手区間の進め方などについて明確となっていない部分も多く不安の声もあります。
     そこで、 第二東名自動車道の今後の整備の見通しについて伺います。
     次に、 教育行政について伺います。
     最初に、 子供の社会性をはぐくむ環境整備についてであります。
     今日子供を取り巻く状況は少子化や核家族化等の進展により大きく変わり、 子供たちの成長にさまざまな影響を与えていると言われています。 少子化は子供たちの個性や能力に応じたきめ細かな教育を進める機会になるとも言われていますが、 子供同士が切磋琢磨する機会の減少や親の過剰な期待を招きやすいなどマイナスの影響も指摘されています。 家庭ではしかり方や育て方がわからない親が子供に干渉し過ぎたり、 過保護になっているのではないかと言われています。 また一方で周りに子供を持つ親が少ないことにより、 子育ての悩みを身近に相談できる人がいないため、 子育てが精神的な負担となっている親も多くいるとも聞いています。
     我が国は戦後共通な価値観のもとに、 社会全体が同じ方向を目指すことで物質的な豊かさを得るとともに驚異的な発展を成し遂げました。 その後、 物の豊かさから心の豊かさへ、 集団から個人の尊重へと意識が変化してきましたが、 最近は自分自身の生活を重視する余り地域における連帯感が希薄化してきており、 地域の行事や活動が衰退してきているのではないかと感じています。
     今日の子供たちは少子化により家庭や家の外でも同年代の子供が少なくなり、 子供同士やさまざまな世代と触れ合いの機会が減少しているのではないでしょうか。 私はこれからの社会の構造が想像を超えるスピードで変化するとともに、 価値観が多様化する時代にあってはたくましく生きる子供たちを育てることが重要であり、 このためには子供の自立に不可欠な自然体験、 社会体験などの機会を一層充実させていくことが重要であると考えています。
     特に、 子供たちが遊びや共同生活を通じて子供同士や地域の人々と触れ合う交流の機会をふやすことによって、 子供たちの協調性や規範意識をはぐくんだり責任感や忍耐力をつけていくことになると考えています。 またこれに地域がかかわっていけば、 今日言われている家庭や地域の教育力の低下に対して地域の子供は地域みんなで育てるという意識にもつながるのではないでしょうか。
     県は今年度、 異年齢の子供たちが宿泊を伴う共同生活を行いながら通学する事業を実施していると聞いていますが、 私はこういった通学合宿を地域のボーイスカウトやボランティア団体などの力をかりて一層拡大し、 地域に根差した事業としていくことが大変重要であると考えます。 今年度の事業の成果とあわせて、 今後この事業をどのように推進していくのか伺います。
     次に、 公立高等学校のあり方についてであります。
     一年前、 平成十七年度の公立高校全日制百四校の入試では募集定員より二百十九人多く合格者を出しました。 ただこの中には募集定員まで志願者が満たなかった十二校、 百八十人の欠員もあったため、 結果として公立高校は募集定員より三百九十九人を超えた合格者を発表したことになります。
     受験生の多くが公立高校を第一希望にし、 その結果により私立高校の入学手続をするというのが現状であり、 少子化の進む中、 公立高校が定員以上に入学させることは私立高校にとって大きな問題であります。 しかし、 これは公立高校だけの問題ではなく百人以上を超えて入学させた私立高校も二校あったと聞いております。
     こうした中、 公立の募集定員は三分の二を上限とすることや定員まで満たない学校は再募集するなどといった制度について私立高校と話し合っていく機会を拡大し、 静岡県の将来像を想定しつつ長期的な見通しに立った制度を検討すべきであると考えます。 この課題についてはちょうど四年前、 我が党の中澤議員が代表質問をしておりますが、 その後の経過も踏まえ御所見を伺います。
     最後に、 警察運営重点について伺います。
     五十嵐本部長は昨年末の十二月二十六日、 本県警察本部長に着任され早いもので二カ月が経過し、 新たな視点でのかじ取りを期待しているところであります。  
     さて、 本県全体の治安状況を見てみますと、 犯罪抑止の面では街頭犯罪等の抑止対策を警察と防犯ボランティアなどが連携して推進した結果、 昨年の発生件数が目標にしていた六万件以下に抑えられ、 交通事故防止の面では総合的な各種対策を推進した効果などにより、 昨年の死者数は目標としていた二百七十人以下を達成し二百五十一人に抑止することができました。 しかし、 刑法犯発生件数も交通事故件数も短期的には減少傾向にあるとはいえ、 かつて日本が安全な社会を世界に誇っていたころに比べれば全体的にまだまだ高い水準で推移しており、 加えて県内では昨年中も社会の耳目を引く凶悪事件や外国人犯罪、 交通事故が発生しており、 県民の治安に対する不安感は依然として払拭されておりません。
     ことしは県警にとって半世紀に一度の改革とも言われる警察署の再編整備計画が四月から具体的に動き出す節目の年になろうかと思います。 地域に密着した話題では警察官の増員などが行われておりますが、 交番・駐在所の統廃合がどのように進展して地域の安全・安心が保たれていくのかとか、 交通安全施設の整備がどのように進んで交通事故の減少に役立っていくかなどそれぞれの地域における課題もあり、 県警に対してはこのような課題にも適切に対応され三百八十万県民の生命、 身体、 財産を守り、 安全で安心な生活を実現するための業務推進を心から期待しております。
     本部長は着任後の記者会見で体感治安の向上を目指したいと抱負を述べられており、 我々県民にとりましてはまことに心強い限りであります。 そこで今回の議会が本部長にとって初めての議会でありますので、 今後本県警察の最高責任者として警察を運営していく上で何を重点にしていかれるのか、 本部長の決意を伺いまして私の質問を終わります。
     ありがとうございました。 (拍手)
    ○議長 (大橋正己君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  安間議員にお答えをいたします。
     初めに、 県政運営についてのうち総合計画の中間見直しについてであります。
     総合計画 「魅力ある ”しずおか“ 二〇一〇年戦略プラン」 につきましては、 中間で見直しをするという発想に立ちまして平成十六年度から検討を行ってまいりました。 その検討に当たりましては我が国が間もなく初めて人口減少社会に突入するということ、 あるいは国際化、 情報化が一層進展しているという時代の変化が一層顕著になってきているということと、 そして三位一体改革など国の内政に向けての構造改革が進行するということ、 そのまた一環として市町村合併が進展するこういうような事情がありましたので、 これらを踏まえて見直しをしてまいったわけであります。
     その見直しに際しましては総合計画審議会からの御意見を踏まえながら、 しかし一方で中間見直しということでもありますし、 いろいろな諸情勢を検討いたしましても当初の基本計画にありました七本の柱、 これを大幅に変更する必要もなかろうという判断に立って、 その上で新たな課題とそれへの対応あるいは県と市や町との連携と役割分担、 県民にわかりやすい目的、 数値目標の設定、 県内地域構造の変化を踏まえた地域区分を見直す必要があるかどうかなどをもとに見直し案を取りまとめてきたわけであります。
     その結果、 見直し案は基本構想にうたっております富国有徳の静岡県を実現するための手段理念として創知協働を新たに位置づけ、 基本計画では施策の見直しや追加を行うとともに、 新たに五つの地域区分に基づく地域計画、 これを策定したものであります。
     今後は、 来月二十四日に開催を予定しております総合計画審議会に最終案を提示をし、 御審議をいただいた上でその結果に基づいて最終決定をいたし、 今後五年間の県政運営の指針として活用してまいりたいと考えております。
     また、 この総合計画見直し案の中に私が昨年の七月の知事選挙で公約として県民の皆様にお約束した県民暮らし満足度日本一への確かな道筋をつけるための方策、 これは今回の総合計画の見直しの中に公約で掲げました十の分野それぞれに、 日本一を目指す実施プログラムとして取りまとめたところでございます。 今後はその実現に向けて全庁挙げて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
     蛇足ながら県民暮らし満足度日本一を四年間で実現すると公約したわけではなくて、 日本一を目指して確かな道筋をつけると、 そういう公約でありましたので、 今後にも災いをもたらすといけませんから正しく御理解をいただきたいと思います。
    次に、 集中改革プランの策定についてあります。
     昨今の我が県内の情勢を見ますと、 市町村合併が進み平成十九年四月には二つ目の政令指定都市の誕生が見込まれますとともに地方行財政制度改革が進展する中で、 県を含めたすべての地方公共団体はより効率的な体制で県民との協働などによる新たな価値を創造することが求められております。
     このような時代の要請に対応して、 平成十五年三月に策定いたしました現在の行財政改革大綱、 これに示した改革の方向を具体化するためのいわば実施計画として集中改革プランの案をこのたび公表したところであります。 この案の取りまとめに当たっては自民党を初め県議会の各会派からの御提言も踏まえて、 県として主体的な姿勢で検討したところでございます。
     この計画では生産性の高い行政運営による県民満足度の向上を目指すこととしております。 その実現のために新公共経営の一層の推進、 簡素で効率的な組織の構築、 県民参加と民間能力の活用、 健全財政の枠組みの堅持など七つの柱を掲げて改革を進めることとしております。 具体的には、 本庁組織と出先組織の見直しなどによる行政組織の一層の効率化や外郭団体等の改革に計画的に取り組むほかNPO等との協働の推進、 指定管理者制度、 地方独立行政法人制度などの新たな制度の活用や民間委託の拡大も積極的に進めてまいることとしております。 そして、 こうした取り組みによって生産性の向上を図りその結果を職員数に的確に反映させたいと考えております。
     この集中改革プランを推進いたしますと、 平成二十二年四月までの今後五年間で一般行政部門の職員五百人削減を含め、 病院、 教育及び警察の各部門を含めた職員全体で合計三千人、 七%の減員となるものと試算をしております。 集中改革プランにつきましては今後、 関係方面の御意見を伺いながらさらに検討を進め、 今年度中すなわち来月中に決定したいと考えております。
     次に、 平成十八年度当初予算編成でありますが、 まず予算編成についての考え方、 内容であります。
     平成十八年度当初予算は多額の財源不足が見込まれる大変厳しい財政環境のもとでの編成となりました。 しかし、 新公共経営手法を徹底活用して行政の生産性の向上に取り組むとともに、 自民党を初め県議会各会派からの御提言を踏まえながら県民暮らし満足度日本一を目指す次の三つの挑戦を基本方針に、 県を挙げて十の分野で意欲的な取り組みをスタートさせる予算として編成することができたところであります。
     まず、 挑戦の第一は暮らしやすさの向上で満足度日本一に挑戦であります。 具体的には医師、 看護職員不足に対応するための緊急確保対策、 地域、 企業、 行政が一体となって子育て家庭を支援する子育て優待カード事業の開始、 木造住宅一万戸の耐震補強を目標としたプロジェクト 「TOUKAI―0」 の一層の推進、 もりづくり県民税による荒廃した森林の再生など健康長寿、 地域のくらし、 人づくり、 安心・安全、 自然環境などの分野において日常生活で暮らしやすさを実感できる施策への重点化を図りました。
     第二は、 生産性の向上で時代の求める変革に挑戦であります。 次世代のリーディング産業を育成する静岡トライアングルリサーチクラスター形成事業の推進、 陸・海・空にまたがる交通基盤の整備、 富士山世界文化遺産登録への取り組みなど産業活力、 暮らしの利便性、 おもてなし、 静岡ブランドなどの効率の追求と新たな価値の創造を支える施策に重点化をし、 社会経済の変動に対応する県民の生産活動のさまざまな変革を支援するものであります。
     第三は、 財政の健全性の向上で次世代の自治体経営に挑戦でありますが、 これは地方税一元化構想の推進、 県立大学の公立大学法人化に向けた準備など自治体経営日本一を目指した戦略的な取り組みを進めるものでございます。
     次に、 今後の財政運営であります。
     県財政の中期見通しでは平成十九年度以降も引き続き多額の財源不足が見込まれます。 しかし、 毎年度、 年末の国の予算編成の中で地方財政対策が決定されるというそういう仕組みは変わっておりませんので、 依然として厳しくかつ不安定な財政運営が続くものと予想しております。
     このため県といたしましては、 引き続き新公共経営手法による効率的で県民満足度の高い行政サービスの創出に努めるとともに、 本年度末決定予定の集中改革プランに基づいて一層の行財政改革を強力に推進するなど健全財政の枠組みを堅持するための取り組みを進めてまいります。 また国に対しては地方公共団体の基本的な行政サービスの水準の確保に支障が生じないよう安定的な財政運営に必要な一般財源総額を引き続き確保すること、 あるいは国と地方の役割分担の明確を図って、 中期的な地方財政の枠組みを構築するなど強くその面でその実現を働きかけてまいります。
     さらに、 こうした地方財政の課題を解決する上で経済の持続的な成長を実現する、 そういうことが極めて重要でありますことから、 独創性のある元気な産業づくりを積極的に推進するなど本県経済の回復を確実なものとし、 持続的な発展が図られるよう全力を挙げて取り組んでまいります。
     次に、 富士山静岡空港の今後の事業推進についてであります。
     富士山静岡空港は地球規模での大交流・大競争時代において海外や国内遠隔地を直接結ぶ本県の発展にとって不可欠な産業インフラであり、 県民生活の利便性を高める大切な生活インフラであります。 こうしたインフラとしての機能を最大限に発揮できるようより多くの路線、 便数を確保することを最優先課題として取り組んでまいります。
     愛称も積極的に活用し、 静岡県及びその周辺地域のマーケットの大きさや活発な企業活動に伴うビジネス需要を強力に訴えかけるとともに、 国内遠隔地を初めビジット・ジャパン・キャンペーンを活用した東アジアからの大きな観光需要を掘り起こしながら、 国の内外の航空会社に路線就航の働きかけを全力で行ってまいります。 まただれもが使いやすい空港の実現を目指し、 空港アクセスの充実を図るとともに、 ユニバーサルデザインを十分に取り入れたターミナルビルの実現に空港運営会社と連携して取り組んでまいります。
     こうした新たな動きが出てくる中で、 昨年の十二月にこれまで以上の幅広い県議会議員が参加して、 静岡空港利活用促進議員連盟が結成されたことはまことに心強い限りであります。 空港の事業の推進に当たりましてはそのような利活用促進に全力を挙げますとともに、 用地取得と空港施設の完成、 これを平成二十一年三月の開港に間に合うようにちゃんと仕上げることが大前提となるわけでありますので、 事業の着実な推進について引き続き県議会を初め県民の皆様の御支援、 御協力をお願いする次第であります。
     次に、 中部電力浜岡発電所のプルサーマル計画の推進についてであります。
     国では昨年の十月に原子力政策大綱が閣議決定をされました。 その中で使用済み燃料に含まれるプルトニウムやウランの有効活用を図る核燃料サイクルを推進することとしております。
     本県では、 プルサーマル計画については去る九月議会及び十二月議会で答弁しているところでございますが、 地元の理解と安全性の確認が得られるものであれば、 国策としてのプルサーマルの実施については否定するべきものではないと考えております。 現在、 中部電力浜岡原子力発電所におけるプルサーマル計画について御前崎市を初め四市の市長や議会関係者、 関係団体や自治会長などで構成する浜岡原子力発電所安全等対策協議会において、 地元の意見の取りまとめや議論を重ねている最中であります。 あす二十八日には第二回目が開催されると伺っておりますので、 この推移を見守っていきたいと考えているところであります。
     県といたしましては、 事業者には今後とも地元の理解を得た上で国に対して原子炉設置変更許可申請を提出することを求めてまいりますが、 この申請が行われた場合には計画の安全性について、 国の原子力安全・保安院で第一次審査、 原子力安全委員会及び原子力委員会で第二次審査が行われます。 それぞれの段階で厳格な審査が行われるものと承知をしておりますので、 その都度、 県及び地元に審査結果を説明するよう求めてまいります。
     なお、 県では国に対してもその厳正な審査についての情報の公開、 国からの報告や説明、 さらに必要に応じて国主催の公開討論会の開催を要請してまいる考えであります。 また事業者から申請内容の報告を受けた場合には、 県が委嘱をしております原子力対策アドバイザーの意見を伺うなど県としての検証を踏まえた上で、 国や事業者に対して適切に対応してまいりたいと考えております。
     次に、 TSL防災船 「希望」 の廃止についてであります。
     TSL防災船 「希望」 につきましては防災面で代替する機能が確保されてまいりましたことから、 エンジンの拘束賃貸借期間満了まで六年を残しておりますが、 本年度末をもって運用を廃止することといたしました。 しかし、 船体等の処理に当たってはこの関係事業者と協議しながら進める必要があります。 すなわち船の本体は本県が所有しておりますが、 エンジンはこの開発した民間事業者からの賃貸借であるということでありますので、 それらの関係者との協議のもとに船体処理を進める必要があるわけであります。
     このため現在、 TSLの処理についてはエンジン技術を担当した三菱重工業株式会社や県から運航業務を受託している静岡県総合管理公社と協議しつつ、 売却と廃船、 解体の両面から検討しております。 今議会において関連予算をお諮りしておりますが、 早期に適切な対応を図って必要最小限の経費で処理できるようにしてまいりたいと今取り組んでおります。
     一方、 「希望」 は県中部地域と伊豆を結ぶ海上アクセス手段のパイオニアとして重要な役割を果たしてきたものと認識をしております。 今後の駿河湾の海上交通の充実につきましては 「希望」 のカーフェリーとしての運航実績や経験を踏まえ、 民間事業者の意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。
     次に、 県立大学の法人化と大学改革についてであります。
     県立大学の法人化については、 現在大学と調整を重ね平成十九年四月に向けて着実に進めていくこととし、 今議会に公立大学法人の定款案と評価委員会の条例案をお諮りしているところであります。 設立する法人の組織運営については定款案にその主旨を盛り込んでいるところであります。
     具体的には基本方針として四つ掲げておりますが、 すなわち自主性、 透明性、 公共性、 教育研究の特性への配慮であります。 この基本方針のもとに理事長と学長とは別に置いて、 経営部門と教育研究部門の役割分担を明確にした責任ある運営体制を確立するとともに、 少人数の役員体制によって業務執行の機動性の確保を図ってまいるそういう考えになっております。 また目標管理と第三者評価によって効率的で透明性の高い法人運営の実現を目指す考えでありますので、 今後法人運営のために必要な条例や各種規程の整備、 人事・会計システムの構築などを進めてまいります。
     県立大学の東部地域への展開でありますが、 県立長泉高等学校の移転、 改編に伴って平成二十年四月には同校があいてまいります。 そこでその敷地あるいは施設の活用が可能となってまいりますので、 平成二十一年四月を目途に同敷地の大学キャンパス化を念頭にいろいろ検討に入っておるところであります。 展開する教育研究機能については現在大学においていろいろ内容の検討を進めておりますことから、 大学の計画案がまとまり次第、 外部有識者などからも意見を伺って大学の改革を含めて東部地域での具体的な機能の骨格を固めていきたいと考えております。
     さらに、 静岡文化芸術大学の運営形態についてであります。 運営形態については当事者である学校法人が自主的に決めるというのが制度上の建前でありますが、 この大学は県が公立大学法人制度の先駆的取り組みを先取りする形で、 先取的な取り組みとして県が主として設置をして運営に深くかかわっているものであります。 したがって県としては、 当然この文化芸術大学につきましても、 公立大学法人制度ができました今日ではそれへの転換も必要ではないかと考えておるところでありますが、 当面はまず県立大学の公立大学法人化に全力で取り組み、 これを実現するとともにその後、 この文化芸術大学について発足いたします公立大学法人のもとでの大学運営すなわち一つの公立大学法人のもとで二つの大学を設置運営できないか、 こういう観点を中心にしながらこの文化芸術大学の設置形態の変更については考えていきたいそういう段階でございます。
     次に、 県立三病院の今後の方向性についてであります。
     県立三病院は県内の地域医療を支える中核的医療機関として、 地域がん診療拠点病院の指定を受けたりあるいは地域医療支援病院の承認を受けるなど専門的、 先進的医療の提供に努めているところであります。 また高齢化の進展や医療技術の急速な進歩の中で総合病院ではPETセンターや循環器病センターを、 またこども病院では周産期センターの整備を進めておりますが、 医療を取り巻く環境が大きく変化する中で高度化、 多様化する県民の医療ニーズに積極的に対応していかなければいけない、 そのための効率的な運営の確保も重要だと考えているところであります。
     こうした中で先般県立三病院運営形態検討会からいただいた中間まとめは現在、 この三病院は地方公営企業法の一部適用すなわち財務の適用という方式で運営をしておりますが、 こういうような運営形式では、 地方自治法や地方公務員法などによるさまざまな制約を受けて効率的、 弾力的な運営がしにくいという難点もありますことから、 これらを取り除いて自由度を高める方向に踏み出すことが適当であるとそういう答申をいただきました。
     そこで、 これは県立三病院の運営に大きな転換を求めるものと重く受けとめまして、 今後その方向でより具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。 検討会も当然そういう方向での検討をさらに進めるとともに、 一方で県立の病院が持っております政策医療の実施機能とかあるいは不採算医療であっても県民の医療水準を確保する上で必要な医療というのはありますので、 その提供を円滑にどういうふうに行うかなどいろんな角度から分析、 検討して最適な運営ができるような経営改善方策の答申をいただけるものと期待しているところであります。 夏ごろには結論をいただけるというふうに想定しておりますので、 その最終報告を待って具体的な方向や方策を固めていきたいと考えております。
     なお、 その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁申し上げます。
    ○議長 (大橋正己君)  府川環境森林部長。
            (環境森林部長 府川博明君登壇)
    ○環境森林部長 (府川博明君)  静岡県ゼロエミッション事業についてお答えをいたします。
     県と大井川町はこの事業を全国公募による企業誘致方式により推進してまいりましたが、 昨年八月、 大井川町から民設民営では処理単価の安定性や施設管理の安全性の確保が困難であることなどを理由に公設公営に切りかえる意見が提出されてきたところであります。
     県では問題提起を受け、 民設民営の基本線を踏まえた公的関与について半年間にわたり協議してまいりましたが、 公設公営への大井川町の意志が強く町の責任が問われる重大な協定違反でありますものの、 現時点では計画予定地の地権者である町の意向を無視して事業を民設民営で進めることは困難と判断せざるを得ない状況にあります。
     一方、 周辺市町はもとより県内の他の市町からもゼロエミッション事業に対する期待が寄せられております。 公設で進めたいという大井川町を含め、 関係する市や町が一般廃棄物処理責任者として主体的に事業を進めることや当初の約束どおり大井川町が十分な地元住民の理解を取りつけるという環境が整うのであれば諸般の事情を総合的に勘案し、 公設であっても全県的な規模でのゼロエミッション構想が実現できるよう県としても支援あるいは必要であればこれに参画することの可能性と手法について、 関係する市や町と協議をしてまいりたいとこのように考えております。
    ○議長 (大橋正己君)  川口健康福祉部長。
            (健康福祉部長 川口正俊君登壇)
    ○健康福祉部長 (川口正俊君)  ねんりんピック静岡二〇〇六の開催についてお答えいたします。
      「奏でよう ふじのくにから 健康賛歌」 のテーマで開催するこの大会では、 ねんりんピック史上初めてとなる県内六十八の小学校が全国の選手団を応援する一校一県交流運動、 選手とボランティア代表が協働で行うふじのくに健康長寿宣言、 大腰筋に着目した健康体操の紹介、 往年の日本代表と静岡選抜によるサッカーの交流試合などを行います。 また二十三種目の交流大会ではマラソンや水泳など六種目について一般参加の部を設けるなど元気に活躍するシニア世代と交流する機会を多く設け、 選手にとっても県民にとっても健康で活動するすばらしさを実感できる魅力ある大会となるよう努めてまいります。
     県では現在、 平成十八年度からの高齢者保健福祉計画を策定しつつありますが、 その計画において中高年期からの生きがい活動への支援、 生涯学習・生涯スポーツの推進などを重点取り組みとして位置づけることとしております。 この大会を契機に活力あるシニア世代の皆さんを初め県民の一人一人がスポーツ、 文化、 地域活動などに取り組む一人一活動を目標に、 県版ねんりんピックであるすこやか長寿祭の拡充やニュースポーツの紹介、 普及などを行うとともに、 この大会での経験を生かした世代間交流によりともに支え合う地域づくりを進め、 本県が目指す健康長寿日本一の実現に向けて努力してまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  梅田商工労働部長。
            (商工労働部長 梅田正雄君登壇)
    ○商工労働部長 (梅田正雄君)  中小企業への支援策についてお答えいたします。
     県では、 県内事業所数の九九%以上を占め多彩な本県の産業を支える中小企業に対し、 国庫補助制度の積極的な活用を図るとともに、 県独自の施策によりさまざまな支援を行ってまいりました。 今回廃止された中小企業に対する国庫補助事業につきましては事業の効果や手法などを改めて検証し、 本県の産業実態や県の産業振興施策にふさわしい内容の事業に再編したり充実強化をし、 県独自の施策として取り組むこととしたところであります。
     商工会などへの支援につきましては、 商工会の合併を支援する経費を増額するなど所要額を確保いたしました。 また経営革新や研究開発についてはものづくり県である本県企業の振興に不可欠でありますことから継続することとし、 新たに経営革新の承認を受けていない企業が行う販路開拓事業なども補助対象にいたしました。 また商店街振興につきましては、 市や町の積極的な関与のもとに地元の柔軟な発想による商店街づくりの取り組みを支援する制度といたしました。
     今後とも県内経済の動向や事業の効果などを確認しながら、 中小企業が必要とするさまざまな支援施策を限られた財源を有効に活用し、 効果的、 効率的に推進してまいりたいと考えております。
    ○議長 (大橋正己君)  北村農業水産部長。
            (農業水産部長 北村正平君登壇)
    ○農業水産部長 (北村正平君)  今後の農政の展開についてお答えいたします。
     農業・農村は今大きな転換期を迎え、 社会や消費者意識の動向を踏まえた的確な対応が求められており、 本県においてはとりわけ良質で安全・安心な農産物の安定的な提供とその生産基盤となる農山村の活性化が重要な課題となっています。 このため、 お茶やミカン、 施設園芸などへの先進的な取り組みにより築き上げられ高い評価を得ている本県農業の競争力をさらに高め、 産業として持続的発展が可能なものとなるようビジネス経営体を主体とした生産構造に大きく転換してまいります。
     また、 多様化する県民の食に対するニーズにこたえて、 食品産業との連携による新たな食品の開発や安全性の確保、 日本一を目指した静岡ブランドの確立などに取り組むとともに、 都市と農山村を行き交う新しいライフスタイルの提案による交流の促進、 すぐれた景観や自然を活用した魅力的な農山村地域の創造を図ってまいります。
     今後とも基本条例の理念を踏まえて、 現在策定中の新たな農林水産業新世紀ビジョンをより実効性のあるものとし、 県民の豊かな暮らしの実現を目指す農政を展開してまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  古川土木部長。
            (土木部長 古川博一君登壇)
    ○土木部長 (古川博一君)  第二東名自動車道の整備の見通しについてお答えいたします。
     第二東名は全国の高速道路ネットワークの基軸として本県の優位性を高め産業振興や豊かな暮らしを実現させるとともに、 東海地震などの大規模災害時における現東名の代替路としても機能することから早期の整備が重要であると認識しております。  整備計画が決定されている神奈川県、 静岡県、 愛知県の全区間につきましては、 去る二月七日に開催された第二回国土開発幹線自動車道建設会議での審議を経て、 中日本高速道路株式会社がこれまでどおり整備することとなりました。 今後は、 本年度末を目途に中日本高速道路株式会社と日本高速道路保有・債務返済機構との間で工事費用などに関する協定が結ばれることとなっており、 この中で御殿場ジャンクション以西区間の完成時期や未着手となっている御殿場ジャンクション以東区間の着工時期なども明らかにされる予定となっております。  
     県といたしましては、 第二東名の早期供用が図られるよう神奈川県や愛知県などと連携し国や中日本高速道路株式会社に強く働きかけるとともに、 早期供用の牽引力ともなるアクセス道路の整備を積極的に推進してまいります。
    ○議長 (大橋正己君)  鈴木教育長。
            (教育長 鈴木善彦君登壇)
    ○教育長 (鈴木善彦君)  教育行政についてのうち、 初めに、 子供の社会性をはぐくむ環境整備についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、 最近の子供たちは核家族化や少子化の影響により、 協調性や忍耐力など集団の中で自己を律しながら生きる力が不足しており、 日常的な生活体験や自然体験も少なくなっていることが懸念をされております。
     こうした課題の解決を図るため、 県教育委員会では本年度、 静岡県遊技業協同組合の寄附金を活用し、 小学生が異年齢集団で宿泊をし共同生活を行いながら学校に通う通学合宿を実施いたしました。 その結果、 地域の大人同士や子供が顔見知りとなり、 子供たちのあいさつや基本的な生活態度などの社会性が向上したなどの効果が現れております。 また子供を参加させた親にとっては子供と離れ改めて子育てについて考えるよい機会になったとの声もあり、 さらに通学合宿に参加した地域の人たちによる通学路の安全対策へもつながったという報告を受けております。
     これらの成果を踏まえ、 来年度は同組合の寄附金に新たに県の予算を加え県有施設や県立高校の生活館なども宿泊場所として活用し、 今年度の十六カ所から百カ所に事業を拡大するとともに、 六泊七日の長期通学合宿についてもその事業効果や継続の可能性などを検証していきたいと考えております。
     事業の拡大に当たっては新たに実施する地域の皆さんに通学合宿の手引きや安全管理の手引きを配布するなど実行委員会の立ち上げを全面的に支援するとともに、 学校やPTA、 さらには議員御指摘のボーイスカウトなども含め、 地域のボランティア団体にも積極的に事業への協力を依頼してまいります。 さらに地域の大学生や中高生にも積極的にボランティアとしての参加を呼びかけ、 また障害のある子供たちにも通学合宿への参加を配慮しながら地域の子供は地域全体で育てるという気運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
     次に、 公立高等学校のあり方についてであります。
     本県の高等学校教育は公立高等学校と私立高等学校の両者によって担われており、 生徒受け入れのあり方や入試制度等について関係者で協議し対応していくことが重要であると考えております。
     公立高等学校における生徒受け入れのあり方につきましては、 県教育委員会の調査によりますと約九割の中学生が公立高等学校への進学を希望しているなどの中学生や保護者のニーズを踏まえる必要がある一方、 本県の安定した教育の推進にも配慮する必要があるため、 昨年度策定をいたしました静岡県高等学校第二次長期計画にも明記いたしましたが、 当面は目安として高等学校進学者の三分の二を受け入れることとしております。
     県教育委員会といたしましては広く高等学校教育を受けられる機会を保障するため、 今後とも静岡県公私立高等学校協議会において協議を行い、 私立高等学校と一層の連携を図りつつ適切な受け入れに努めてまいりたいと考えております。
    ○議長 (大橋正己君)  五十嵐警察本部長。
            (警察本部長 五十嵐邦雄君登壇)
    ○警察本部長 (五十嵐邦雄君)  今後の警察運営の重点についてお答えをいたします。
     議員御指摘のとおり、 平成十七年中の刑法犯認知件数や交通死亡事故発生件数など指数治安につきましては、 静岡県警察緊急治安対策プログラムを中心とした施策を強力に推進した結果として前年より向上させることができました。 これは警察の力のみではなく県、 市町における取り組みに加えまして、 地域住民を中心としたボランティアなど県民の皆様の御協力のたまものであり、 改めてこの場をお借りして御礼を申し上げる次第であります。
     しかしながら、 全国的には広島、 栃木における幼女殺人事件など国民を震撼させる事件、 事故が発生し、 また本県におきましても強盗・殺人等の凶悪事件が発生するなど県民の安全・安心に対する不安感は依然として根強いものがあります。
     そこで、 静岡県警察運営指針として県民の期待と信頼にこたえる警察を掲げ、 引き続き緊急治安対策プログラムの施策の着実な推進と関係行政機関等を初め、 地域社会の皆様の御協力をいただきながら県警察に課せられました責務を果たしていく所存でありますが、 特に主要施策三点について申し上げたいと思います。
     一つ目は安全と安心の両面からの治安回復に向けた取り組みの強化についてであります。 冒頭申し上げましたとおり多くの罪種で認知件数が減少傾向に転じておりますが、 刑法犯認知件数は治安がよいと言われておりました昭和期の約二倍であります。
     そこで、 地域住民の体感治安の向上のためにはさらなる犯罪発生状況の精緻な分析と効果の検証を行いつつ、 これを踏まえた諸対策が必要であると考えます。 このため犯罪情報や地域安全情報を地域住民に提供して注意を促したり、 また地域住民が不安に感じる身近で発生する犯罪の抑止・検挙に重点を置いた街頭活動の強化を図ってまいります。
     なお、 御指摘にありました交番・駐在所の統廃合は主要な治安対策の一つであります。 県下的な都市化への進展に伴い、 増加した警察事象に的確に対応するための施策として警察力の空白の解消及び均衡化を図り、 より安全・安心を確保するための交番等の体制の見直しを進めております。 こうした見直しの中、 廃止地域の住民の方々からは不安に感じるとの意見も聞き及んでおりますことから、 パトロールの強化や地域住民との防犯活動の連携を図り体感治安の向上に努めてまいりたいと考えております。
     二つ目は総合的な交通事故防止対策の推進についてであります。 昨年は人身事故の発生件数も四万件を超え、 また最重点課題として取り組みました高齢者事故も死者が全死者数の四割を占めるなど、 交通事故の発生の実態は依然として高原状態にあります。 今後とも死者数の漸減を初め交通事故そのものを減少するために、 交通安全教育、 交通指導取り締まり、 交通安全施設の整備を柱とする総合的な交通事故防止対策を進めてまいりたいと考えております。
     議員御指摘の交通安全施設の整備についてでありますが、 依然として生活道路への通過交通の流入問題も深刻な状況にあることを踏まえまして、 身近な生活道路等において人の視点に立った交通安全施設の整備を図ってまいりたいと思います。 具体的には地域住民の安心感を醸成するため、 必要箇所を選出して信号機を設置することや高齢者対策を視野に入れた視認性の高いLED灯器の整備、 見やすくわかりやすい大型や高輝度標識・標示の設置等、 県民の皆様が体感的に安心を感じていただけるような重点施策を推進してまいります。
     三つ目は東海地震等の緊急事態への対処とテロの未然防止対策の強化についてであります。 大規模災害やテロ等の緊急事態に迅速に対応し、 被害拡大を防止するためには所要の態勢を平素から確立することが不可欠でありますので、 初期対応に当たる要員の訓練や装備資機材のより充実化を図る必要があると考えます。 本県には浜岡原発、 自衛隊、 米軍基地等のテロのターゲットになるおそれのある重要施設があることから、 警戒警備の強化等により間隙のないテロの未然防止を図ってまいります。  以上、 主要施策三点について申し上げましたが、 このほかにも組織犯罪対策やサイバー犯罪への対策とともに治安基盤の確立に向けた対策を引き続き強力に推進してまいりますので、 今後とも県警察への一層の御理解、 御支援をお願い申し上げます。
    ○議長 (大橋正己君)  これで安間英雄君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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