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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田口 章 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2013

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 県の財政認識について
2 財政健全化に向けた取り組みについて
 (1) 資産経営の一元化
 (2) インフラ資産の最適化
 (3) 資産を活用した歳入確保
3 自治体クラウドの推進について
4 グローバル人材の育成について
 (1) 留学生の支援
 (2) 学校教育における取り組み
5 企業立地環境の整備について
 (1) 工業用地の確保に向けた取り組み
 (2) 企業局の地域振興整備事業
6 ユニバーサルデザインの推進について


○副議長(渥美泰一君) 再開に先立ち御報告いたします。
 本日は説明者として、橋教育委員会委員長が出席しておりますので、御承知おき願います。

○副議長(渥美泰一君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十三番 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇 拍手)
○二十三番(田口 章君) 皆さんこんにちは。私は民主党・ふじのくに県議団所属議員として、通告に従い知事及び教育長、関係部局長、企業局長にお伺いいたします。
 初めに、県の財政認識についてお伺いいたします。
 私は、県の財政は危機的であるとこのように考えております。以下三点の課題を提起をして、県の所見をお伺いしたいと思います。
 最初に県の財政状況の過去との比較であります。県は今から十四年前、平成十一年に財政危機宣言を出しております。この当時の指標を四つお示しをしたいと思います。平成十二年度当初予算編成時におきます試算によりますとまず税収ですが、当時は四千三百四十億円。ピーク時の平成三年度に対し約九百億円の減となっておりました。次に財政調整機能を持つ基金残高、これは貯金のようなものですけれども、これが約五百五十億円。これもピーク時よりも一千億円ほど減っているという状況でありました。三番目に県の借金であります県債残高ですが、これが約一兆八千二百億円となっております。そして四番目に財源不足ですけれども平成十二年度当初予算の財源不足は一千百億円以上ということで極めて厳しい状況でありました。これを受けて県は、財政再建団体という最悪の状況も視野に入れながらという大きな危機意識を持って、以降全庁で行財政改革を進めてきたわけであります。
 この当時と比べて現在はどうかと申しますとまず税収ですが、平成二十五年度当初予算では四千四十億円ということで、当時よりも三百億円減っております。もちろん税制改正による減少分もあるんですけれども、厳しい状況であるということには変わりないと思います。財政調整機能を持つ基金残高は百五十億円ということで当時よりも四百億円減っております。県債残高は通常債でこそ約一兆八千億円ということでありますけれども、御承知のとおり臨時財政対策債、ここまで含めますと約二兆七千億円という状況であります。財源不足につきましては今の財政の中期見通しでは、当時ほどではありませんが、それでも毎年四百億円から五百億円程度の財源不足が見込まれております。これらの数字を考えると私は平成十一年当時よりも現状は厳しいと思っておりまして、現在も財政危機の状況が続いているというふうに思っています。
 二つ目に国の地方財政制度との関係でありますけれども、私はやはり国の交付税制度がもう既に制度疲労を起こしているというふうに思っています。地方自治体は、国に財源確保を求めているわけなんですけれども、この交付税の財源である所得税、法人税など五つの税目がありますが、今後引き上げが予定をされております消費税を除きますとこれは大幅な税収増が望める状況ではありません。法定率を見直さない限り、交付税の増は私は見込めないのではないかなとこんなふうに思っております。以前国は、交付税特別会計の借入金をふやしてでも交付税を措置していたわけでありますけれども、このやり方を地方自治体が臨時財政対策債を発行する方向にかじを切りました。すなわち国のいわゆる隠れ借金を地方で見える化したということだと思います。臨財債につきましては、後年度交付税措置すると申しますけれども交付税の総額はふえておりません。結局この公債費の増によって政策経費が減ってきているというのが二点目の指摘であります。
 三点目にこうした中ではありますけれども、歳出の圧力が非常に高くなっているということがあります。例えば地震・津波対策アクションプログラムですけれども、この事業総額は今後十年間で四千二百億円と年平均で約四百二十億円の財源が必要となるわけでありますけれども、これは先ほど申しました税収の約一割に相当するということで、財源確保は困難を極めるのではないかと思っております。
 以上、三点お話を申し上げましたけれども、私はこれらのことからこれまで以上に行財政改革に取り組む必要があると思っております。ことしの九月から県職員の皆さんには十四年ぶりに給与削減をお願いすることになったわけでありますけれども、十四年ぶりに財政危機宣言を出すくらいのつもりで取り組む必要があるのではないでしょうか。
 県は、財政認識についてどのように考えており、その認識に基づいて県庁全体でどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田口議員にお答えいたします。
 県の財政認識についてであります。
 私も、議員と同様県の財政は危機的であるという認識を持っております。県のみならず国の財政はもっと危機的であるという認識を持っております。そして県の財政と国の財政の危機的状況は決して無縁のものではないという認識であります。
 さて、財政危機宣言をいたしました平成十一年度と平成二十五年度の予算状況を比較いたしますと、議員御指摘のとおり県税や地方交付税、基金残高は減少しておりまして、財政状況は大変厳しいと認識しております。また財政の中期見通しにおきましても、今後五年間で毎年四百億円を超える多額の財源不足が残念ながら見込まれております。
 本来、地方の財源不足は、国の地方財政対策によって措置されるべきところであります。しかし平成十六年度の小泉内閣のもとでの三位一体改革以降、社会保障関係費などの義務的経費が増加しているという現実があるにもかかわらず、地方の一般財源総額は据え置かれたままでその機能が果たされておりません。そうした中でも、知事に就任いたしまして四年間で歳出のスリム化や歳入の確保など徹底した行財政改革に取り組みまして、何とか富国有徳の理想郷“ふじのくに”をつくろうという、その必要な財源として六百四十八億円余りを捻出いたしました。また通常債を圧縮して県債残高の抑制にも努めてまいりました。
 しかし、国の地方財政対策の機能が十分に果たされない現状下では、私どもの地方の行革努力だけでは財源不足を抜本的に解決することは極めて困難です。これは本県だけの問題ではございません。県民の安全・安心な生活を確保するためには、不本意ながら国から一方的にお示しになるといいますか、押しつけられてくる臨時財政対策債の発行を受け入れざるを得ない状況です。この額は平成十三年には百六十二億でございましたが、それがもう平成十六年度には十倍になりまして千七百四十億円が臨財債です。そして平成二十五年度におきましては何と八千六百六十九億円とこういう状況でございます。
 このため国に対しましては、この国と地方を通じた中長期的に安定的な税財政の枠組みの構築や臨財債の廃止を含めた抜本的な改革を強く全国知事会などを通して求めているところでございます。また我々みずからの取り組みとしましては、内陸のフロンティアを拓く取り組みを初めとした本県の持続的な経済成長をもたらす施策を推進するとともに、現在策定中でございます新しい総合計画や行財政改革大綱のもとで、事業のスクラップ・アンド・ビルドのさらなる徹底やあらゆる手段を尽くした歳入の確保などの行財政改革に職員が一丸となって全力で取り組み、将来にわたって安心できる財政基盤の確立に努めてまいるという決意だけを申し上げておきたいと存じます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 再質問をさせていただきます。
 危機意識につきましては、これは知事も共通認識としてお持ちいただいているというふうに理解をいたしましたが、最後私ちょっと申しました質問の中に、そういう危機意識に基づいて県庁全体でどのように取り組んでいくのかという御質問をさせていただいたつもりであります。そういう点でいきますと、この後大綱などを踏まえてやっていくというお話もありましたけれども、本当に危機意識を共有しているのであれば、当面最も近いところに効果的に発揮する機会があるのが来年度の当初予算編成であると私は思っております。来年度当初予算編成で考え方が変わったなというふうに明確に示していただきたいと思っているんですけれども、残念ながらここ数年当時に比べて三千億円ほど歳出削減をしているんですが、ここ数年はほぼ前年踏襲の予算になっているのかなとこんな気がしてなりません。そこら辺をぜひ明確にお示しいただきたいと思うんですけれども、答弁を求めたいと思います。
○副議長(渥美泰一君) 土屋経営管理部長。
○経営管理部長(土屋優行君) 来年度の当初予算の編成方針でございますけれども、今現在国のほうから来年の地方財政計画の見込み等について確認をしているところでございます。先ほど知事も申し上げましたように県財政、県だけで全てを決められるという形になってございませんので、来年度の地方財政計画のもととなる国の予算案、それがどういう形で出てくるかということを踏まえながら最終決定をしていきたいと思ってございますけれども、田口議員がおっしゃるようにかなり厳しい状況でございますので、その前段である編成方針については厳しくならざるを得ないというふうに思ってございます。
 ただ、消費税の動向等も踏まえまして最終確定というのは若干遅くなるかもしれませんが、編成方針の中では厳しい方向を出さざるを得ないという認識でございます。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 厳しい方針を出すということでございましたので期待をしたいと思いますが、要望いたします。
 少なくとも私以前にも退職手当債のお話をしたことがあるんですけれども、六十億円という明確な金額があるんですね。こういうようなことを念頭に置いてぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、やはり全庁で共有化するためには行革はやっぱり人がやることでありますので、そういう危機意識の共有という点について、ぜひ私は知事のトップダウンで進めていただきたいと思っておりますし、また経営管理部においてはシステムということもありますので、その両面を組み合わせて進めていただきたいなというふうに思っています。
 そういう観点で、これ以降の質問を続けてまいりたいと思っています。
 次の質問に移りますが、財政健全化に向けた取り組みについて、三点お伺いいたします。
 まず、資産経営の一元化についてですが、数年前から公会計改革が進んでまいりました。私はこれによって明らかになったポイントの一つが資産経営の重要性だと思っています。県は、今年一月にファシリティマネジメントの推進に向けてを公表しております。ファシリティマネジメントの対象は普通会計の施設ということなんですけれども、その管理は現在一元化されておりません。例えば職員住宅を例にとりますと、知事部局は経営管理部の福利厚生課、教職員住宅は教育委員会福利課、警察職員は警察本部施設課が管理をし、それぞれが適正化の指針をつくっております。もちろん入居などの運用は、これはもちろん個別にやればよいと思いますが、資産経営という観点からするとそれぞれの部分最適ではなくて類似の資産全体を含めて適正化を進めるべきと私は思っております。
 そこで、これまでの管理を主眼とした組織からマネジメントの概念を取り入れた一元管理できる仕組みをつくるべきと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
 続いて、インフラ資産の最適化について伺います。
 県の連結バランスシートを見ますと本県の資産は総額で約五兆円ございます。そのうち先ほども出ましたファシリティマネジメントの対象となる事業用資産が約一兆五千億円、そしてインフラ資産が二兆七千億円余となっております。インフラ資産には道路や橋梁、トンネルやダムのように、なかなか簡単に減らせるものばかりではありませんけれども、これらについては現在中長期の管理計画を策定をして長寿命化に取り組んでいることを承知をしております。しかし先ほどの財政状況を踏まえれば、インフラ、イコール長寿命化ということだけではなく、インフラの中にも規模の適正化が図れるものがあると私は思っておりますので、やはり保有資産を細かく分析をしていく必要があると思っています。また道路や橋梁などの新規のインフラについては、規模の適正化を図るとか、ライフサイクルコストを考えて整備計画をつくるとか、さまざまな工夫が可能だと思っております。
 こうした観点から、インフラ資産の最適化についての所見を伺いたいと思います。
 三点目に、資産を活用した歳入確保であります。
 大きく資産売却とネーミングライツがあろうかなと思っております。まず資産売却ですけれども、県のバランスシートによりますと売却可能資産は約百億円となっております。ただ私はもっと積極的に資産を洗い出して、民間の力も借りながら積極的に売却をするということに取り組んではどうかと思っております。またネーミングライツにつきましては、近年なかなかスポンサーの財布のひもはかたかったわけでありますけれども、施設に応じた収入を得て当該施設の保全に充てるなどそうしたことに取り組んではどうかというふうに思っております。以上、三点について答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 財政健全化に向けた取り組みについてのうち、まず資産経営の一元化についてお答えいたします。
 本県では、県有財産を経営的視点で総合的に企画、管理、活用するファシリティマネジメントの理念を昨年度から本格導入し、部局ごと施設ごとの個別最適から全体最適への転換を進めているところであります。この取り組みを進めるに当たっては、議員御指摘のとおり施設管理等を一元的に行うことが重要であるということであります。そのためまずは全庁的に未利用財産の調整等を行う県有財産有効活用推進委員会を改組いたしまして、一元的にファシリティマネジメントに取り組むことといたしました。また従来財産、保全、会計等個別に把握されていた施設情報につきまして、データベースに一元化したところであります。
 今後、ファシリティマネジメントの推進に向けてに掲げた県有施設の総量適正化、長寿命化等の四つの柱のもとに、来年度からの四年間で具体的な取り組みを集中的、段階的に実施すべく現在検討を重ねているところであります。こうした取り組みによる成果や課題を十分に分析、検証するとともに、より効果的、効率的な体制についても検討してまいりたいと思ってございます。
 次に、資産を活用した歳入確保についてであります。
 資産売却につきましては、県有財産有効活用推進委員会において未利用財産を全庁的に把握し、有効活用が望めないものについては売却可能資産と位置づけ計画的に売却を進めております。平成二十年度から昨年度までの間に約八十八億円を売却いたしましたが、毎年未利用または未利用となる予定の施設等を新たに計上していることから、結果としましてここ数年売却可能資産が百億円前後で推移しているということでございます。
 売却に際しましては、専門業者の皆さんに売却方法や市場動向等に係る助言を求めたり、あるいは入札の不調物件の仲介業務を委託するなどして、民間ノウハウを導入しながら売却の推進に努めております。
 今後、他県の先行事例等も分析しながら民間活力のさらなる導入を研究してまいります。
 ネーミングライツにつきましては、他県では公募しても応募がなかったりあるいは契約額が低下傾向にあるなど厳しい状況もあり、企業名を冠することの影響あるいは既に愛称がある施設への対応など課題もありますけれども、県有財産を活用した有効な歳入確保の一つと考えられますので実施に向けて検討を進めているところであります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 財政健全化に向けた取り組みについてのうち、インフラ資産の最適化についてお答えいたします。
 インフラ資産は、生活の向上や安全・安心の確保になくてはならない県民の資産であり、引き続き必要な整備を進めていかなければならないと同時に適正な維持管理に努めていく必要があります。こうしたインフラ資産の多くは、高度成長期に整備されてきたことから、近い将来施設の更新や維持補修に大きな費用が必要となります。このためライフサイクルコストの最小化を目指し、まずは施設の現状を分析し適正な維持管理に取り組んでいるところであります。また南海トラフ巨大地震等の大規模災害に対する県民の安全・安心の確保や県民の利便性の向上を図るための新たな整備に当たりましては、事業評価などにより真に必要な事業の選択を行うとともに、これまでの長寿命化計画を進める中で培った考え方や技術を反映し、より効果的、効率的な整備を進めてまいります。
 県といたしましては、こうした資産の適正な維持管理や県民に真に必要とされる施設への重点化により、インフラ資産の最適化を図ってまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 要望を一つと、再質問を二点させていただきます。
 まず要望ですけれども資産管理の一元化ですが、これは今有効活用推進委員会ですか、これを立ち上げたということで伺いましたが、やはり私はそこで一元化するのはいいんですが責任の所在をさらに明確にするということが重要だと思っております。部長から答弁されたので経営管理部でやるんだなと思っておりますけれども、ぜひ責任を明確にしてスピード感を持ってやってもらいたいとお願いしておきます。
 再質問の一つ目ですけれども、インフラ資産の最適化でお願いしたいんですけれども、先ほど事業評価によって規模適正化をするというふうに確か私は伺いましたけれども、事業評価が本当に保有資産全てでやられているかどうか。私はやれていないと思うんです。保有資産の全てを私は規模適正化のために分析をするべきだと思っておりますけれども、その点についてどう考えているのか伺います。
 それから次に、ネーミングライツです。
 今後検討を進めているということでありましたけれども、これまではもちろん不成立だったりとかというのもあったと承知をしておりますけれども、今私がやっぱり行政に欠けているのはスピード感だと思うんですね。例えば一年、二年前だったら不成立になった可能性があると思います。景気の動向見ると。今の状況の中でこの先を見据えたときには、私は今準備をしてこの先に備えるという視点が必要だと思いますけれども、そうした準備をすべきかどうか伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) インフラ資産の最適化についての再質問に対してお答えします。
 財政状況が厳しさを増す中、必要な社会資本の整備また維持管理と財政健全化を両立させていくということは、大変重要な課題であるというふうに考えてございます。インフラ資産は、生活の向上また安心・安全の確保にはなくてはならない県民の資産であるということですので、その最適化を図るためには人口の減少とか少子高齢化など社会情勢の変化また地元関係者の意見、施設の規模縮小による県民生活への影響などを総合的かつ慎重に判断していく必要があるかと思います。その上で見直しが必要な施設については施設の適正化を検討していくことが必要であると考えてございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 土屋経営管理部長。
○経営管理部長(土屋優行君) 再質問にお答えいたします。
 ネーミングライツでございますけれども、先ほど申し上げた課題の一つが名称のことがございまして、例えば小笠山総合運動公園というのは愛称としてエコパという名前を持ってございます。そうするとネーミングライツという別の企業の名前をつけることがいいか悪いかという議論がまず一つございます。
 もう一つ課題として私ども思っているのが、今現在広告料の収入がございましてイベントをやったときに広告等の収入がございます。大体年間で四百万から六百万ぐらいの収入を持っていると。そうするとネーミングライツで企業名を売った場合に企業名として冠して、どちらのほうが額が損か得かということも議論として今しているところでございます。
 いずれにいたしましても、県有財産をどうやって活用するかというのは、今回の行財政革新戦略会議の中でも話題になってございますので、その中での議論を踏まえまして確定していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 要望一つと再々質問を一つします。
 要望ですが、ネーミングライツなんですけれども今おっしゃられましたが、私はエコパとかそういう愛称で皆さんに親しまれているものまでは考えておりません。それ以外にもいろいろあると思います。しかも大から小までたくさんあると思いますので、その点について細かく分析をしていただきたいというふうに思います。
 再々質問はインフラ資産の件なんですが、ちょっと事例を出しますけれども例えば港湾特会なんかで造成した土地の未売却なんていうのがあったりするんですね。例えばの話をしましたが、そういう資産の情報が私はオープンになっていないと思うんです。そういうところまで含めて情報をオープンにして今の港湾特会の場合は売却なんですけれども、そういうことにつなげていく必要があるんじゃないかということです。利活用を推進するとかそういうことだけじゃなくて経営的な観念、経営的な発想をぜひインフラ資産の運営についても持ってほしいということで私は質問しているんですけれども、以上についてお考えを伺いたいと思います。答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 再々質問に対してお答えいたします。
 本当に財政事情が非常に厳しさを増す中、財政健全化と両立させていくことがやっぱり非常に重要だというふうに考えます。そんな中で見直しが必要な施設については、社会情勢の変化とかあと県民生活への影響ということを考えた上で、しっかり検討していきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 二十三番 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) お約束ですので、次の質問に移ります。
 自治体クラウドの推進について伺います。
 今後、県と市町が連携をした行財政改革に取り組んでいくということを伺っておりますけれども、私は最も期待できるのが自治体クラウドであると思っています。これまでも何回か取り上げてきたんですが、いよいよ待ったなしという状況になっておりますので、お伺いしたいと思います。
 待ったなしと申しましたのは、さきの通常国会で社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー法が成立して地方自治体におきましても、これは平成二十九年一月から導入されることが決まったからであります。しかしこうしたシステム変更に対して、小さな市町が独自に専門要員を置いてシステムを再構築するというのは大変なことで、よくあるのが業者任せでコスト高になるということであります。こういう中で、やはり県が広域行政の役割として平成二十九年までの工程表を示して、ぜひ速やかに進めていただきたいと思うんですけれども、今後の県の取り組みについてお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 池谷静岡県理事。
       (静岡県理事 池谷 廣君登壇)
○静岡県理事(池谷 廣君) 自治体クラウドの推進について、お答えいたします。
 自治体クラウドは、市町の情報システムの共同化によるコスト削減や災害時のデータ保全の観点などから、その効果が期待されております。また予定されている社会保障と税番号制度についてもシステムの改修を独自に行う必要がないため、円滑な導入が可能と言われております。
 このため県では、これまでも市町の担当者を対象とした勉強会等を行い自治体クラウドの利点などの周知に努めてまいりました。
 また本年度は、クラウド化の前提となる市町のシステムの現状やクラウドに対する意向などの調査を行っておりますが、この中ではクラウドについては半数近くの市町が前向きである一方、コストや人材不足の面で慎重な市町も見受けられます。こうした中、富士市と富士宮市はシステムの共同化に向けた検討を開始するなど既にクラウドの導入に向けて動きも始まっております。
 今後は、こうした調査結果を踏まえクラウド化が容易な同一事業者のシステムを利用している市町あるいは防災対策の観点からも、クラウドの導入が特に有効と思われる伊豆半島地域の市町などに対して、現在も市町にはCIOアドバイザーを派遣しておりますけれども、こうしたCIOアドバイザーなどからの働きかけを強めるとともに、行政経営研究会の中でも検討を行うなど自治体クラウド実現のための取り組みを推進してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 要望だけ申し上げます。
 前向きな答弁をいただいたというふうに受けとめました。やはり人材不足というのは、間違いなく小さな市町では起こり得る話でありますので、ぜひCIOアドバイザーさんを使ってなどの支援をしていただければなというふうに思っております。
 次の質問に移ります。
 グローバル人材の育成について二つ伺います。まず最初に留学生の支援についてであります。
 留学生を積極的に受け入れることは、私は二つの点でグローバル人材育成に成果があるというふうに思っています。一つは、留学生が県民とりわけ若い世代と異文化コミュニケーションを図ることによって、県内の若者の視野を世界に広げることが期待できると思います。そしてもう一つは、海外に静岡ファンをつくり、インバウンド事業のキーマンとして活動していただくことや静岡からの現地進出企業とのかけ橋になることなども期待できると思っております。
 本県には、アジアを中心に多くの留学生がおりまして大学などで学んでおります。平成二十三年度に県は留学生支援ネットワークを立ち上げまして、本県情報の発信、地域住民との交流促進、また就職支援など多彩な活動を行っております。このネットワークを広げて支援を強化することが、私はグローバル人材を育成し、ひいては本県の地域外交の推進や県内産業の競争力強化につながると思っております。
 今後の留学生支援に関する県の取り組みについてお伺いします。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) グローバル人材の育成についてのうち、留学生の支援についてお答えいたします。
 そもそも留学生といいますのは、かつては日本から海外に留学することを指したわけですけれども一九八五年だったと思いますが、中曽根総理が留学生十万人計画というのを打ち出されました。その当時は日本に来ている留学生というのは一万人ほどだったと思います。それが今はもう十万を超すようになりまして、支援を差し上げるというそういう段階に今来ているということで、そしてその意義については今議員が御指摘のとおりでございます。
 本県におきましては、二年前の平成二十三年六月に県内の大学、産業界、国際交流団体等が連携して静岡県留学生支援ネットワークを立ち上げました。その目的は、大学や産業界が外国人を入れることを通して国際競争力を向上させる。また異文化交流と言われましたけれども、多文化共生社会というものをこれから実現していかなくちゃならないので、そのためにこのネットワークを活用しようと。さらに将来、静岡県いや日本と出身国とのかけ橋になっていただくことを通して国際的な人材を育成しようといったような目的を持っております。
 このネットワークにおきましては、海外での留学フェア、ホームページによる情報提供、よろずメール相談、ビザ相談窓口による滞在サポート、日本人学生との交流、地域住民の方々との交流、さらに就職支援講座、企業面談会、インターンシップによる就職支援など受け入れから就職まで体系的な支援を今展開していただいております。
 こうした取り組みを一層強化するために、平成二十七年度中をめどに――ふじのくに地域・大学コンソーシアムを今年度設立いたしまして――二年後に先ほどのネットワークと統合しようと。仕事がほとんど重なりますので。この大学コンソーシアムというのは、十年前に大学ネットワーク静岡というのがつくられましたけれども、それが十年たちましてその成果を地域へ還元することを目的にいたしまして、市町と産業界を巻き込んでふじのくに地域・大学コンソーシアムというのを今年度立ち上げるということでございます。先ほどのネットワークをここに統合することで、海外進出に意欲的な企業や国際交流に積極的な自治体などより多くの団体が参加しやすい基盤を整備しようということでございます。
 また、地域外交の展開や県内産業の育成の観点から中国、韓国、台湾に加えまして東南アジアをターゲットにいたしまして、留学生を積極的に受け入れようと考えております。今東南アジアでは、一部におきまして静岡フレンズなどといった静岡県と現地との交流を応援する任意団体が立ち上がりました。またふじのくに留学生親善大使などに任命いたしまして、人材の輪づくりを進めているところでございます。さらにモンゴル、そんなにたくさんの人口がいるわけではありませんし、そことの交流を留学生を通して深めていきたいとも考えております。
 留学生が地域との良好な関係の中で安心して学んで日本に来たことを第二のふるさととして誇りに思い、将来活躍していただけるように産学官及び地域が一体となって環境づくりを進めて、海外のすぐれた学生さんが日本なかんずくふじのくにに憧れを持ってお越しいただけるように、そういう地域づくりを目指してまいります。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 知事から大変力強い答弁をいただいたと思いました。要望とさせてもらいますけれども、大学コンソーシアムに二年後をめどにソフト事業として充実させていくというふうに受けとめをいたしました。今お話されたようにぜひ産業界とまた小中高校生まで含めてネットワークを広げてやっていただければ、さらにいいのかなとこんなふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、学校教育における取り組みについて伺いたいと思います。
 昨年度、県立高等学校の校長協会というのがありまして、そこの教育課題委員会からグローバル時代におけるキャリア教育のあり方という報告が出されておりました。現場の校長先生がさまざまな調査研究を踏まえて高校教育で何をすべきか。これを検討したものでありますけれども、私は七つのポイントが端的に示されておったと思います。
 一つは英語力、二つ目に世界を知る機会を持たせる、三つ目にコミュニケーション力、四つ目にプレゼンテーション能力、五つ目に留学海外体験、六つ目に主体性を持たせること、七つ目に社会性を養成すること。こうしたことを取り上げておりました。非常に言い得て妙だなと私は思いましたけれども、これらを踏まえた授業の充実をしていただきたいことやあるいは留学を初めホームステイ、学校間交流など学校や生徒のニーズに合ったさまざまなメニューを整えていただきたいなと、こんなことも思っております。またそうしたことを支える教員の皆さんのバックアップ体制の整備も必要だろうと思っています。国の教育再生実行会議の第三次提言でもこのグローバル人材というのが掲げられております。しかし残念ながら県のこれまでの学校教育における計画では、グローバル人材の育成というのは記載がございませんでした。
 しかし、こうした時代の変化を踏まえて、ぜひ今後検討していく総合計画の次期基本計画や次期教育振興基本計画ではグローバル人材の育成を位置づけていただきたいと思いますけれども、今後どう進めていくのか、お伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) グローバル人材の育成についてのうち、学校教育における取り組みについてお答えいたします。
 県内の子供たちが在学中に多くの海外経験を初め異文化に触れる機会を持ち国際感覚を身につけることは、将来のグローバル人材の育成にとって大変重要であると考えております。このため県教育委員会では、引き続き各学校において異文化交流を促進し、英語などの外国語に触れる機会を充実させるとともに、先月高校生等百三十人が参加いたしました高校生留学フェアなどでの情報提供や高校生の海外留学経費の一部補助など留学の支援にも取り組んでおります。また八月には、モンゴル国ドルノゴビ県を初の高校生交流団三十人が訪れ、現地生徒と交流を深めました。さらに台湾、韓国、中国などとも修学旅行やスポーツにおいて相互交流を行うなど外国人と触れ合い、世界に視野を開く機会の促進に努めております。
 今年度策定をいたします次期の総合計画や教育振興基本計画の中には、コミュニケーション能力の育成から海外との交流や留学までのさまざまな取り組みを明確に位置づけ、将来子供たちがグローバル人材として活躍できるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) ありがとうございました。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それでは次の質問に移ります。
 企業立地環境の整備のうち、まず工業用地の確保に向けた取り組みについて伺います。
 平成二十四年の本県の企業立地件数は七十三件で四年ぶりに前年を上回りました。全国順位も第二位となっております。内陸フロンティアを拓く取り組みの進展とともに、景気に明るい兆しは見え始めたかなとこんなことがうかがえます。
 一方で、立地に必要な工業団地のストックに目を向けますと、ちょっと寂しい状況でありました。平成二十二年に百十七・一ヘクタールあったストックは、ことし九月の時点で四十一・三ヘクタールと三分の一に減っております。現在分譲中の団地の数は九団地わずか十八区画でありました。やはり企業誘致をする上で必要なものは土地だと思います。売れるものがなければ優遇制度があっても非常にこれは厳しいものだというふうに思っております。
 こうした状況をどのように捉えて、工業用地の確保に向けてどのように取り組んでいくのかを伺いたいと思います。
 次に、企業局の地域振興整備事業について伺います。
 まず、地域振興整備事業の経過を振り返りたいと思いますが、昭和三十八年度に住宅用地、工業用地の開発を行うことからスタートをしております。高度経済成長やバブル経済を経て、ピーク時の平成三年度には二百八十五億円の事業費で十八カ所の造成を実施しておりましたけれども、平成十四年度には、工業用地について売れ残りリスクを回避するためにオーダーメード方式への転換を行っております。また平成十五年度には住宅用地から撤退をいたしました。以降結果としてこの事業量は縮小の一途をたどっており、昨年度は造成事業が一カ所で五億一千万円、今年度は造成事業はない状況です。
 二年前、内陸フロンティアがスタートをしたときに、新たに開発可能性調査に取り組むことが提案されましたので、私は若干の期待もしておったわけですけれども、残念ながらいまだに成果は出ておりません。現在工業団地を検討している自治体では、企業局に頼らない手法を検討をしております。また加えて企業局は造成コストが高いということがありまして、正直申しましてこの事業の前途というのは非常に厳しいというふうに私は受けとめております。現在の企業局の中期計画ではこの事業につきまして、新規事業の可能性やオーダーメード方式の検証とあわせて経済産業部企業誘致部門との統合が考えられるため検討していくとこんな記載がございました。
 こうした検討状況を踏まえつつ、さらには先ほど来申し上げているとおり非常に厳しい経営環境の中でさらにその一方で工業用地が少ないという中で今後どのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) 企業立地環境の整備についてのうち、工業用地の確保に向けた取り組みについてお答えいたします。
 県内工業団地のストックについては景気回復に伴う企業の設備投資意欲の向上とともに、立地件数が増加傾向にあることから分譲がかなり進み減少してきていると認識しております。県では市町や金融機関などと連携し、工場用の遊休地の情報の収集を行い九月現在で百二十五件、百八十二ヘクタールの土地情報をホームページ上に公開しておりますが、企業からの用地の引き合いが増加していることから情報収集を強化し、企業のニーズに対応してまいります。また工業団地のストックの確保については、民間企業の開発に加え市町の役割が非常に大きいことから、昨年度県では新東名高速道路等を活用した工業用地開発を促進する産業集積構想を策定し、市町での工業団地造成を支援しているところであります。
 このような取り組みに加え、内陸のフロンティア構想において工業用地の開発を進めている三島市、磐田市、長泉町などについて関係部局と連携し、できる限り早期の事業着手に結びつけるとともに、今後整備が進む東駿河湾環状道路などの高規格幹線道路周辺地域での開発も視野に入れ、市町と連携しながら工場用地の確保に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 白井企業局長。
       (企業局長 白井 滿君登壇)
○企業局長(白井 滿君) 企業立地環境の整備についてのうち、企業局の地域振興整備事業についてお答えいたします。
 地域振興整備事業は、バブル経済崩壊以降の地価の下落により事業収支が悪化したため、平成十四年度からオーダーメード方式を採用し経営の立て直しを図ってまいりましたが、平成二十年秋のリーマンショック以降は新たな開発要望がございません。
 こうした中、新東名高速道路の開通等による内陸部への企業進出の動きに迅速に対応するため、昨年度工業用地開発可能性調査事業費助成制度を創設し、企業誘致に意欲的な市町とともに、その調査結果に基づく具体的な開発計画を示しながら誘致活動を行っているところでありますが、最大のネックは用地の分譲価格であります。
 このため、企業局としてコストを抑えた効率的な造成工事を提案するだけでなく、企業が土地を取得する際の負担軽減策の拡充や周辺道路等のインフラ整備による土地の割安感の創出などに地元市町や関係部局と連携して取り組むことが必要であると考えておりまして、こうした取り組みを精力的に進めることで用地造成事業の受注につなげてまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 数点再質問させていただきます。まず経済産業部長にですけれども、一点伺います。
 市町と連携をして支援をしていくというお話があったんですけれども、企業局との連携についてというお話がございませんでした。私が今回分割で一つにまとめて質問させていただきましたのは、やはり経済産業部と企業局がどういう連携をとっているのかというのを聞きたかったのもあるわけなんですけれども、工業用地確保に向けて企業局との関係についてこれまでと同様でよいのか、それとも変えていく必要があるのか、所見があれば伺いたいと思います。
 次に企業局長に再質問したいと思うんですけれども、コスト高というのが最も大きなポイントであろうというふうには思っております。今幾つかの課題認識を示されましたけれども、もうここ数年事業量がなくて、事業がないというのは民間企業だったらこれはもう倒産の危機でありますので、そんな悠長なことを言っている段階ではないと私は思っております。現実的な対策を求められておりますので、まずそのコスト高に対する現実的な対応を一点伺います。
 それから二つ目なんですけれども、私本当に残念なのは、内陸フロンティアの取り組みがスタートをしたときのような大きな環境の変化に臨機応変に企業局として対応できなかったというのが問題じゃないかなというふうに思っております。公営企業管理者として、こういう点をどう考えどう改善をしていくべきと考えているか伺いたいと思います。
 三点目は、経済産業部の企業立地部門との統合というのを中期計画に書いてあったんですけれども、そういったことの言及がございませんでした。その点について検討しているようであれば、それをお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 渥美経済産業部長。
○経済産業部長(渥美敏之君) 企業局との連携についての再質問でございます。
 私ども企業局にかかわらず県庁各部局と工業開発する場合には、例えば工業用地開発相談会等を設置しながら、連携をしながら取り組んでいます。
 また、企業局との団地造成に向けましては、企業誘致活動において進出する企業、相手先のほうから大規模な造成事業をというような依頼があれば、企業局にそういうことを紹介しながら連携を組みながらやっているところでございます。企業局とは役割分担をしながら工場用地の確保に努めているところでございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 白井企業局長。
○企業局長(白井 滿君) 企業局事業のコスト高の関係でございますけれども、企業局で行う造成事業につきましては公共事業と同様、設計、積算をした金額で確実な工事をしておるものですから、割高になるというような御指摘がありますけれども、例えば入札制度におきまして競争入札を導入する。さらには総合評価制度を入れるなどして工事費、造成費については、ここ六カ所ほどのオーダーメードの実績としては設計額の七割程度の入札で事業ができているということで、それほど大きなコスト高になっていないというふうには考えておりますが、今後とも企業局の経営をスリム化するような改革プランを進める中で、よりコストの低い造成事業に手がけてまいりたいと考えております。
 それから、内陸フロンティアのときに臨機に対応ができていないということでございますけれども、工業用地開発可能性調査の助成制度を創設をしたことによりまして、昨年度二市二町で六カ所の基本調査を行った結果をもって具体的な開発計画を企業にお示ししているわけでございますけれども、その中で残念ながら企業局の受注には至りませんでしたけれども昨日お話のありました長泉沼津インターチェンジ付近への物流拠点の進出等についても、実は基本調査を助成をしております。そのようなことから今のところリーマンショック以降の景気の立ち直りが地方まで浸透していないですけれども、新東名付近に対する企業の思いが熱いものですから、そういうものは企業に対する誘致活動を行っておりましても感じておりますので受注に結びつけられるように頑張りたいと思います。
 それから、経済産業部の企業立地部門との統合につきましてですけれども、従前から企業誘致とそれから用地造成の我々の営業活動というのは一緒に行動をしていることが多かったものですから、平成二十二年に第二期の中期経営計画を策定するに当たりまして、組織統合も含めたことも検討課題であろうという認識のもとに検討してまいりましたが、その後国のほうから特に景気変動による影響を大きく受ける土地造成事業については、会計制度の独立性をより明確に定めるというような指導もございましたものですから、知事部局との統合については一旦その時点で検討課題から外し、従来どおり別々の組織で活動しつつも一体としてより連携をとって誘致活動、それには用地造成工事の受託につなげようということで取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 要望にとどめます。三、四点要望したいと思います。
 今の地域振興整備事業なんですけれども、企業会計をやっていても知事部局でやることは可能です。そうしたことがあるにもかかわらず、それを理由に知事部局との統合を検討しないというのは私はこれはおかしな考えだなというふうに思っておりますので、その点指摘したいと思います。
 今のお話でわかるとおり、さっきの財政健全化のところであった資産管理の一元化もそうなんですが、部門がまたがっておりますと県庁というのはどうも連携がうまくとれていない。連携してと言っている割には我々から見るとうまくとれていないというふうに私は思っております。今の地域振興整備事業についても企業局だけでなくぜひ県の産業政策として検討していただきたいなと、お願いをしておきたいと思います。
 それから私きょうは取り上げなかったんですけれども、同様にこれは工業用水道事業や水道事業についても同じだと思います。生活インフラであったり産業インフラであったりするものですからそうした観点をぜひ踏まえてもらって、次期の計画今度第三期の中期計画をつくるんでしょうけれども、そのときには県としての全体最適、これをぜひ考えていただきたいというふうに思っています。
 それから、これは質問しようかどうか悩んで要望にさせていただきますけれども、企業局のそのもののあり方についてちょっと御意見というか、要望を申し上げます。
 今申し上げたとおり、地域振興整備事業にしても事業量がぐっと減っているわけです。そうやって時代や社会のニーズとともに、組織のあり方というのは、これは変わらなきゃいけないと私は思うんですね。全国の自治体の中では、もう企業局を廃止しているところや土地造成や工業用水を知事部局に移管しているところはたくさんあります。中には管理者を知事がやっているところもあります。
 そうしたいろんな状況を踏まえて、現在の事業量や事業本来の目的を考えて県全体で見直すときに来ていると思いますので、ぜひ今後抜本的な改革に取り組んでいただきたいというように、これは強く要望しておきたいと思います。
 最後に、ユニバーサルデザインの推進についてお伺いしたいと思います。
 私は今回危機意識を持って行財政改革に取り組むということについて、るる質問させていただきました。その中においても大切なこと忘れてはいけないことの一つがユニバーサルデザインの視点だというふうに思っています。本県は冒頭お話をした財政危機宣言を出した平成十一年度に、全国に先駆けてユニバーサルデザインを県政の基本方針に位置づけて推進をしてまいりました。財政が本当に厳しい中にあってもUDを進めてきた当時の皆さんに、私は敬意を表したいと思っております。さきの事業レビューでは、UD推進事業の効果に疑問が呈されたわけでありますけれども、逆にやはりマンネリ化をしていたということも事実だと思います。
 今後、高齢化はさらに進み、多文化共生も進んでまいります。こうした中で本県としてどのようにユニバーサルデザインの推進に取り組んでいくのか、答弁を求めたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(渥美泰一君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) ユニバーサルデザインの推進についてお答えいたします。
 本県では、全国で初めてユニバーサルデザインを県政推進の基本方針に位置づけましてさまざまな分野における行動計画を策定して、その理念の普及と実践に取り組んでまいりました。この結果鉄道駅におけるエレベーターの設置や多言語による案内サイン、家電製品や住宅設備への普及などユニバーサルデザインは生活の中に着実に浸透してきております。
 しかしながら、行動計画の主要な成果指標としている誰もが暮らしやすいまちづくりが進んでいると感じる県民の割合は、近年七〇%前後で伸び悩んでいるという状況にあります。さきに実施されましたふじのくに士民協働事業レビューにおきましても、ユニバーサルデザインの周知が不充分である、心の面の充実を図るべきなどの意見をいただいたところでございます。
 こうした意見等を踏まえまして、県といたしましてはインターネットなどさまざまな媒体を活用して、ユニバーサルデザインの考え方や県の取り組みなどを県民の皆さんにわかりやすく提供するとともに、一人一人が相手の立場に立って考え配慮できる心の涵養に努めて誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて、引き続き行政、民間一体となったユニバーサルデザインを推進してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 田口 章君。
       (二十三番 田口 章君登壇)
○二十三番(田口 章君) 時間もありませんので、一点要望だけして終わります。
 お金をかけずにできることがあります。それからイベントに偏らないこと、これも重要だと思います。そうしたことをいろいろ踏まえて、ぜひ進めていただきたいと思いますけれども、県の全ての施策の中にUDの考え方が流れるような、そんな静岡県政を求めて私の一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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