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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

相坂 摂治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/20/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1) 県と政令市との連携
2 戦没者の慰霊について
3 県有施設による効果的な情報発信について
4 文化力の拠点の整備について
(1) 文化力の拠点への導入機能
(2) 県立中央図書館の機能強化
5 子供たちの文化体験について
6 静岡市駿河区大谷・小鹿地区への産業集積について
7 河川の維持と環境整備について


○副議長 (落合愼悟君)  ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、 五十番 相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇 拍手)
○五十番 (相坂摂治君)  自民改革会議所属議員として通告に従い、 分割方式で質問を行います。
 初めに、 知事の政治姿勢として県と政令市の連携について伺います。
 ことし一月二十一日、 こども医療費の十八歳年度までの補助についてようやく県から政令市への支援内容が合意され、 来年度から四年間に限り県から一定割合の助成が行われることとなりました。 二〇一七年六月の知事選挙で川勝知事が公約したこの助成年齢の拡大はちょうど一年前の二月県議会本会議に今年度の当初予算案として上程され、 可決、 周知のものとなりました。 にもかかわらず政令市での拡大補助の開始はことしの十月とされ、 既にこのサービスを開始した県下の他の市町と比べ一年のおくれが生じたことになります。 県民への均等なサービスが実現したとは言えない結果であり、 この制度をめぐる県と政令市の交渉経緯は県民、 市民ばかりでなく議会関係者、 職員ともにどのような話し合いが持たれてきたか詳細を知る者が極めて少ないという点で、 相変わらず県と静岡市との政策協議がおろそかであったと言わざるを得ません。
 振り返ってみれば、 政令市はみずからの町がその補助対象となるかについてもっと敏感でなくてはならなかったと思う反面、 予算編成直後から県は全ての市町に、 その補助のあり方について協議を持ち込むべきであり、 県も政令市も双方が互いに均等な県民サービスを実現するために最大限の努力を払うべきだったと反省が残ります。
 県が独自の予算によって行う事業は、 そもそも政令市をその補助対象としないというのが県の基本的な考え方です。 これは政令市の制度そのものの理解であると同時に平成十七年の政令市移行時に交わした政策協定にも明文化されております。
 しかし、 今回のこども医療費助成の年齢拡大のように全国的にはいまだ一般化されていないサービスを県が実施する場合、 この原則にこだわれば政令市に突発的で予定外の財政負担を強いることとなります。 そして県と政令市の間で協議や調整がうまくいかなかったために不利益をこうむるのは市民であり県民であります。 たとえ県が政令市を助成の対象ではないと考えたとしても、 県全体で行うものについては適切な時期に報告し、 県民間でのサービス格差が生じないよう協議を持ちかけるべきであり、 検討に十分な時間的猶予を与える配慮が必要だと思います。
 特に生命や財産にかかわる問題については、 県として可能な限りの措置が講じられるよう、 原則論にこだわらず柔軟な姿勢で政令市の協力を取りつける必要があります。 この際、 両者の役割分担や支援についての具体的な考え方、 さらには予算執行までの情報提供などについて前向きな関係構築が必要だと考えますが、 知事の御所見を伺います。
 次に、 戦没者の慰霊について伺います。
 昭和二十年の終戦から七十四年が過ぎ、 戦後生まれが国民の八割を超え戦中の暮らし、 戦後の荒廃期の生活を体験していない国民が大半を占める時代となりました。
 私の母方の祖父は、 フィリピンのルソン島で戦死したと伝え聞いており、 私も自民党英霊にこたえる議員連盟に所属して、 フィリピン・レイテ島に建立された慰霊碑には機会のあるごとに参拝に訪れております。 吉川雄二先生を代表に英霊に応える議員連盟では、 平成十八年にフィリピンに、 続く平成二十八年にはサイパンにも静岡県から出征され、 犠牲となられた方々の慰霊碑を建立してきました。 そして建立だけでなく議連の先輩議員の方々は、 その後の管理も現地の日本人の方々に協力を願い、 その継承に最大限の努力をしてくださっております。 こうした慰霊碑は海外のみならず国内にも本県にも存在しています。 しかし戦後の年数を重ねる中で、 その管理が行き届かず既に撤去されたものや忘れ去られ顧みられることもなくなったものが少なからずあるようです。
 静岡市内の駿府城公園にも、 その存続が危ぶまれているやすらぎの塔があります。 大戦時に静岡市内のみならず県内各地から動員され、 亡くなられた二百六十名の動員学徒の氏名を刻み、 台座には彫刻家の堤達男氏による彫像が置かれており、 県民の寄附等によって昭和三十三年に建立されました。 完成時には当時の斎藤静岡県知事が碑文を書かれ、 山田静岡市長とともに盛大な除幕式が行われ、 自民党静岡県連の結成二十五周年の記念誌には静岡市へ寄附されたと記録されておりますが、 その後の管理についての資料は寄附を受けたはずの市役所内にも見当たらないとの報告を受けています。 そして平成十三年の地震によって立像が破損し、 公園管理者である静岡市がこれを撤去して今日に至っています。
 こうした中、 今月十四日この再建を願う市民団体の方々が田辺静岡市長を訪ね、 その存続を要望されました。 田辺市長からは復元の方向で検討したい旨の回答がなされたと、 私にも報告をいただきました。 現時点ではその所有権の帰属が不明なこと、 建立当時の建設委員会が解散されているなどの課題がありますが、 その再建には私も協力を尽くしたいと思っております。
 こうした慰霊碑は、 今日の平和のとうとさ、 戦争の悲惨さとその後の我が国の復興の力強さを私たちに教えてくれるとともに資料による伝承だけでは得られない慰霊参拝という積極的な行為を体験させ、 その行為によって愛国心や愛郷心を私たちに思い起こさせてくれます。
 そこで、 県内にあるさまざまな慰霊碑の認知や管理、 慰霊の継承について県の取り組みや今後の考え方を伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  吉林副知事。
        (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事 (吉林章仁君)  相坂議員にお答えいたします。
 知事の政治姿勢についてであります。
 県と政令市との連携についてでありますが、 高度な自治能力と財政規模を有する政令市は地方自治におきまして県と同等の関係にあります。 県と政令市はともに地方行政の確かな担い手としておのおのの自主性と自立性を尊重しながら、 今後もさらに知恵と工夫に満ちた質の高い行政サービスを提供していく必要があります。 そのためには県と政令市の役割分担が曖昧であったり情報共有が不十分では、 お互いがその力を十分に発揮することができないことから日ごろから十分な意思疎通が必要であります。
 また、 市町が事業主体となる新たな施策がスムーズに実施されるためには、 担当者レベルの会議などを通じまして県と市町が事業化や予算化について事前の協議や情報共有を図っていくことが不可欠であります。
 政令市を含めた市町のトップとは、 地域サミットの場におきまして圏域ごとの地域課題とその解決の方向性を共有しているところであります。 特に県庁所在地の静岡市とはこれまでも副知事と副市長をトップとする県・市地域政策会議におきまして、 さまざまな課題について政策議論や事業調整を行っており一定の成果を上げてまいりました。
 昨年十一月にオープンした日本平夢テラスに、 県内外から予想を超える多くの人々に訪れていただいていることは静岡市との連携や調整の大きな成果であります。 一方で県、 市、 民間企業により立ち上げた清水みなとまちづくり公民連携協議会におきましては、 オープンな形で議論を重ねるなど新たな手法も取り入れた形で清水港とその周辺地域のグランドデザインの策定を初めとした地域の活性化に向けた取り組みを進めております。
 今後も、 県と政令市が協働して推進していかなければならない事業は数多くあります。 一つ一つの事業がより効果的に推進できますよう、 これまで七つの事業を一括して議論しておりました静岡市の県・市地域政策会議の手法についても見直す時期にあるのではないかというふうに考えております。 できる限りオープンな場におきまして県と市の間で議論していくことが重要であると考えております。
 県といたしましては、 広域自治体の基本的な使命として市町の円滑な事業執行に資するよう、 市長会議や町長会議を初め県と市町との地域政策会議などを通じまして、 政令市を含めた全市町とともにさまざまな施策に関する情報共有と連携協働の取り組みを進めまして、 互いの自主性を尊重しながら住民の福利増進のため、 ともに手を携えさまざまな政策推進に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  池田健康福祉部長。
        (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長 (池田和久君)  戦没者の慰霊についてお答えいたします。
 さきの大戦後、 平和は多くのとうとい犠牲の上に成り立っていることを後世に伝えるため数多くの戦没者慰霊碑が県内各地で建立されましたが、 近年老朽化も進み維持管理面の問題などが顕在化しております。
 国は、 慰霊碑の移設等に係る補助制度を設けており、 県ではこれまでも管理者や市町にこの制度の活用を働きかけてまいりました。 現在国では全国の民間建立慰霊碑の状況を調査するとともに補助制度の改正を検討しております。 県といたしましても国の動向を踏まえながら慰霊碑の維持管理について適切な対応を図ってまいります。
 また、 実際に戦争を知る世代は年々減少しており、 戦争の悲惨さに対する国民の記憶も薄らいでおりますが、 県では毎年春と秋の戦没戦災死者追悼式や十一月の沖縄静岡の塔追悼式を継続して開催しており、 昨年も合計で三千人を超える御遺族が参列されるなど慰霊事業を大切に続けているところであります。
 県といたしましては、 今後も慰霊事業を継続するとともに戦争体験を伝える語り部活動を支援し、 平和の願いや命のとうとさが次世代にも受け継がれていくよう努めてまいります。 また新たに青年部を立ち上げられた県遺族会などの関係団体とも連携し、 今後も御遺族の心に寄り添いながら戦没者の慰霊の継承に取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  やすらぎの塔について要望を申し上げて、 政令市との関係については再質問をいたします。
 やすらぎの塔は、 先ほども申し上げたとおり県内の方々の慰霊碑として当時建立されました。 県も積極的なかかわり合いがありましたので、 要望としては県からもこの目的をよくよく御理解をいただいて、 市と連携をしながら改めてその再建に御協力をお願いしたいと思います。
 政令市については、 地域政策会議のことを御説明いただきましたけれども、 実際に起こっている問題というのは二月の段階で県が予算上程したものがその段階において政令指定都市以外の市町には支援をするけれども事業化していきたいという場合、 来年度にも例えばがん対策の支援策等は静岡市あるいは浜松市は独自の財源でこれをやらなければ県民に等しいサービスが提供できないということになります。 この情報提供の時期もかなり遅かったと言わざるを得なくて、 政令指定都市ももう復活折衝予算締め切り間際だったということになります。
 こうしたことを考えると、 地域政策会議という大きな議論をする場ではなくそれぞれの予算のすり合わせ段階で目に見える形でのすり合わせの協議の場を設置すべきだということを申し上げたいと思いますがいかがでしょうか。 再質問です。
○副議長 (落合愼悟君)  杉山経営管理部長。
○経営管理部長 (杉山行由君)  政令市、 市町村との企画段階からのすり合わせについての再質問でございます。
 そもそも、 いわゆる市町村負担を伴うような、 いわゆる県費奨励事業のようなものについてはこれまでも幾つか各市町村から要望がございまして、 県庁内においては企画立案段階から事務レベルにおいてそういうすり合わせをするというルールがございます。
 今議員御指摘のがん対策関係でございますけれども、 一部にそのすり合わせが少し不調法であったという部局があったように聞いております。 それはこの場をおかりして反省しておりますけれども、 そうしたことの、 その予算が成立した段階ではなく県庁内の八月から九月、 十月にかけて企画立案段階から情報提供なり協議をしていくというような重層的な実務レベルでのすり合わせというものがルールとしてあるわけでございまして、 それをさらにちゃんと徹底をして情報共有を進めて円滑な事業執行に努めたいと思います。 以上でございます。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  ルールがしかれているということですから、 ぜひ遵守をしていただいて、 もちろん我々その県議という立場でも市と県とのそのすり合わせの現場にはぜひ協力もしていきたいと思っていますし、 県民にひとしくサービスが行き渡るような、 やはり目に見える形での進め方を要望したいと思います。
 それでは、 次の質問に移ります。
 県有施設による効果的な情報発信についてです。
 昨年十一月十九日、 この議場に見学に訪れた小学校四年生をお迎えする機会を得ました。 当日は県の広報課の女性職員が議場の歴史や議会の構成、 仕組みを説明し、 私からも子供たちに議員の仕事について紹介をさせていただいたり児童の皆さんからの質問を受けました。 児童の方たちは議場の厳粛さ、 立派さに感動した様子で、 選挙を通じて代表者が選ばれ十分な議論を経て結論に至るという民主主義の大切さを感じてもらえたものと思います。
 この議場は、 皆さんも御承知のとおり昭和十二年に建設された国の文化財です。
 さて、 議場の天井近くの壁面にしっくいによる彫刻が施されていることを皆さんは御存じでしょうか。 恥ずかしながら私はこのときの広報課の説明によって初めて知りました。 この彫刻には当時の静岡県の産業が彫られており製紙工場やお茶や漁業などの風景が今に伝えられています。 今の産業と比べて静岡県の成長を知ることができたという感想もこのときの小学生たちから聞くことができました。 当時の文化に思いをはせる重厚な建築とこの彫刻は我々県民の誇りでもあり当時の企画者、 設計士のセンスは称賛に値すると思います。
 一方、 昨年文化の日に開設となった日本平の夢テラス。 知事は聖徳太子の夢殿になぞらえ、 富士山を望む三百六十度の眺望はまさに文化と自然の資源だとしてここに展望台を建設されました。 県産材を用いて全体の景観をバランスよく整備するというコンセプトは既に年間目標の三十万人の来場を達成するほどの盛況ぶりであります。 このテラスにはヤマトタケルノミコトの伝記が展示用パネルに描かれていますが日本平の名称の由来、 この地域に残る数々の伝説、 議場のしっくい彫刻のように後世へと伝え継ぐ工夫とともに、 あらわされていくことができないかと今後の山頂整備に期待を寄せるものであります。
 さて、 こうした感性は採算優先で整備が進む民間の建築物ではなかなか実現できないだろうと思います。 既存の県有施設、 これから整備する中央図書館などの建築物にも公共の品性によって現代の文化の形を後世に残していく施しができないものでしょうか。
 県では、 これまで県庁見学の際にこの議場を紹介したり県有施設の無料開放や体験教室を開催しているものと伺っています。 県庁本館の歴史的、 文化的価値は格別であり、 単なる案内にとどまらずロケの誘致などを通じて県内外にその価値を発信すべきではないでしょうか。 すぐれた県有施設は本県の魅力を高め伝える重要な資源であります。 県の歴史や文化、 産業などを伝えるものとして効果的に情報発信することが重要であると考えますが、 知事の御所見を伺います。
 次に、 文化力の拠点の整備のうち、 その導入機能について伺います。
 昨年九月での一般質問でお答えいただいた内容や議論の経緯、 先日の我が会派の代表質問への御答弁から、 この文化力の拠点の構想内容が随分定まってきたことを感じます。 隣接するグランシップの高さを上限に中央図書館と立体駐車場、 そして民間提案による文化力の拠点に食・茶・花の都を演出し、 ラボを基調として新しいにぎわいを創出する三棟構想を有力な案として大学コンソーシアムや宿泊施設の検討を行いつつ、 目下民間事業体への提案調査の段階に入ったものであります。
 東静岡地区の検討初期には、 ここを中心に学住一体ということが標榜されておりましたが、 近年隣の草薙地区では大学の整備が進められるとともに、 既存の中高一貫校が徹底した国際化に挑戦するなど東静岡を取り巻く環境、 本県学生の集積拠点の形成は大きく変化してきました。 東静岡地区は周辺との連携、 調和を図り、 大学が集積する地区への玄関口として新たな教育研究、 情報と流行の発信拠点となることは一層現実的になってきたと期待が膨らみます。
 一方、 本県の社会的な人口減少の深刻さは相変わらずであります。 かねてから指摘しているように本県では高校卒業時の進学希望者数と進学先となる大学、 短大、 専門学校の定員数のバランスが図られておらず、 必然的に五千人を超える進学希望者を県外へと転出させています。 教育機関の不足を補うために本県にはない学問分野や教育機能を新たに整備したり、 既存の県内大学等の定員増にも最大の支援策を講じるべきであります。
 こうして考えるならば、 二〇二〇年度に実施を検討している文化力の拠点の事業公募において、 あらかじめ県が期待する導入機能を検討し社会に打ち出すことが重要ではないでしょうか。 ありとあらゆる提案を受け付けて、 結果的にフロアを埋められれば何でもいいというテナント開発ビルにならないよう明確な方針を示すことであります。
 先日の御答弁では、 AIやIoTなどの先端技術の検討も視野に入れているということでありましたが、 文化力の拠点の目的に沿って中央図書館の書籍データとの連携や周辺大学への教育効果を発揮するものでなくてはなりません。 私は民間提案に期待を寄せる一方で、 若者の学びを助け交流を促し、 にぎわいの中から新たな価値を生み出す空間とするため教育関連の施設や教育機関そのものの導入も必要だと考えております。
 そこで、 文化力の拠点に導入される民間機能についてどのようなものを考え民間事業者に求めていくのか、 県の御所見を伺います。
 次に、 県立中央図書館の機能強化について伺います。
 既に基本計画案の検討が進んでおります。 県立中央図書館のコンセプトは東静岡駅前の立地を生かし、 多くの県民に親しまれ多様な機関と連携して情報、 知識を提供し、 県内外の人々の多彩な交流を育むというものであります。 蔵書数二百万冊、 年間利用者数百万人を目指すこの中央図書館は書籍データの電子化を進めながら、 その活用を促すために司書や研究員を豊富に抱え、 本県のシンクタンクとしての機能が発揮されることを期待しています。
 昨年秋、 常任委員会の視察で大阪府立図書館を訪ねました。 政策立案支援サービスとして府庁の支援を行うばかりでなく、 一日三百冊の貸し出しを行いながら府民からの研究依頼にも応じているとのことでありました。 後発の整備図書館である強みを生かし、 県の政策立案のみならず研究員によるまちづくりへの提案機能、 歴史・文化の研究機能、 ビジネスにおける戦略展開なども支援する機関として図書を通じた新たな挑戦を期待するものですが、 所管する教育長の御所見、 ビジョンを伺いたいと思います。
 次に、 子供たちの文化体験について伺います。
 本県には、 SPACを初めとするさまざまな劇団、 オーケストラや合唱団、 そして文芸や美術などでもさまざまな文化芸術団体が豊富に存在し活動しています。 私たちが出席させていただく県の催事でも、 時折SPACの公演を拝見したり上質な演奏を拝聴させていただく機会があります。 ふだんからこうした芸術に触れる趣味を持ち合わせていない私でさえも、 もっと多くの方々にこうした機会があればと感じてきました。 特にSPACは昨年秋には日仏友好百六十周年を記念してフランス・パリで開催されているジャポニスム二〇一八の公式企画として招聘されるなど、 世界的な評価が高まっているようです。
 SPACは、 今でも静岡芸術劇場を会場に中高生への無料鑑賞事業を実施していますが、 その認知度は県民の二割にとどまっているとの報告もあり世界水準の活動をもっと県民へと還元すべきだと考えます。 文化的な体験は私たちの心を豊かにし創造性を育むだけでなく、 まちづくり、 観光振興、 医療や福祉の発想を促すなど地域や社会を支える貴重な力ともなり、 知事が目指す芸術の都、 音楽の都へ県民を主体とした動きにつながるのではないでしょうか。
 そこで、 SPACを初め本県を拠点とする文化芸術団体を活用し、 将来を担う子供たちに対して本物の文化芸術に触れる機会の提供をさらに充実すべきだと考えますが、 県の御所見を伺います。 以上について答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  子供たちの文化体験についての御質問にお答えいたします。
 将来にわたる持続的な芸術、 文化の振興と文化活動の裾野の拡大のためには、 年齢、 性別、 所得などにかかわらず県民の誰もがひとしく文化に触れる機会が確保されることが重要です。 とりわけ議員御指摘のとおり子供の時期に上質で多彩な芸術、 文化、 あるいは芸能、 スポーツなどに触れ、 感動、 驚きといった体験をすることが豊かな感性や創造性を育む上で重要であると考えております。
 こうしたことから、 静岡県ではこれまで第一線で御活躍のアーティストなどを講師とするふじのくに子ども芸術大学、 あるいは静岡芸術劇場を会場としたSPAC中高生舞台芸術鑑賞事業、 さらには県内のプロオーケストラが県内各地で演奏する音楽文化振興事業等を実施してまいりました。 しかしながら開催地域が劇場、 ホールが充実している都市部に偏っておりまして地域格差が生じております。 そのことから、 全ての子供がひとしく本物の芸術に触れる機会をこれまで以上に創出していく必要があると考えております。
 子供にとって最も身近な芸術である音楽と総合芸術である演劇につきまして、 学校等と連携を強化しアウトリーチ■■出前ですね■■による鑑賞機会を拡充することで県内各地の子供たちが芸術や文化を鑑賞し、 体験できる環境づくりを進めていくことといたしまして本議会に必要な予算をお諮りしているところであります。
 具体的には、 音楽の分野につきましては本県のプロオーケストラが小学校、 中学校あるいはまた高校に出向きまして演奏する回数を大幅にふやすということとともに、 未就学児が親子で楽しむことのできるコンサートを新たに開催いたします。 また演劇の分野につきましては、 世界的に評価の高いSPACが県内各地のホールを会場とした出前公演を実施するとともに、 小中学校や高校でのワークショップを実施してまいります。
 今は、 どちらかというと高尚な音楽あるいは演劇について申しましたけれども、 将棋にしろ囲碁にしろこうしたものもやはりすばらしい、 藤井聡太■■将棋の名人だとか、 あるいは伊藤美誠さんのような卓球だとか、 あるいは最近では仲邑菫さんのような囲碁だとか、 さらに言えばですね小学校、 中学校の折に偶々宝塚を見て中学のときに宝塚に志して、 今宝塚の花組のトップを五年余りにわたって演じていらっしゃる明日海りおさんもいらっしゃいます。 やはり何かに触れて十前後のときに自分はこれでいくと決めたということが大切でありまして、 学歴が今まで中心でしたけれどもやはりこうした技芸を磨く、 あるいは技芸歴というものをしっかり持っている方をスターとして理想の星として追いかける子供たちがいてもいいというふうに思っている次第でございます。
 県といたしましては、 子供たちが感受性豊かな十前後ぐらいからの時期に多様な文化に出会い体験する機会を充実させまして、 本県の将来の文化、 芸術、 芸能、 スポーツを担う人材として育むことを通じて、 いつでもどこでも多彩な魅力的な文化、 スポーツ、 芸術、 芸能に出会うことができるふじのくに芸術回廊、 スポーツ回廊の実現を目指してまいります。 以上でございます。
○副議長 (落合愼悟君)  杉山経営管理部長。
○経営管理部長 (杉山行由君)  県有施設による効果的な情報発信についてお答えいたします。
 昭和十二年に竣工した県庁本館は、 洋風建築に日本趣味を取り入れたいわゆる帝冠様式の外観と吹き抜けの階段ホールや大理石張りの壁を有し、 竣工時から壁画などが飾られ重厚さと歴史を重ねた温かみを備えております。 この本館を本県の大変貴重な財産と認識し、 建築当時の意匠や色彩に配慮した維持管理に努めるとともに、 廊下の腰壁の県産材による木質化を初め花の飾りや四季を写す写真や版画、 絵画の展示などを行い空間の魅力の創出に努めているところであります。
 特に、 本館の二階から三階への踊り場には日本を代表する本県出身の木版画作家である牧野宗則氏の 「日本のこころ」、 「霊峰讃歌」 という二枚の作品をメーンに富士山世界遺産認定証を初めとする五枚の認定証を配置し、 本館の顔とも言えるエリアの美化と演出を積極的に行っているところであります。 このような取り組みを通して美術館にも見立てられる本館をさらに多くの方にごらんいただきふじのくに静岡県の魅力を知っていただけるよう、 現在県庁見学やこども県議会での案内等を行うとともに、 館内のたたずまいや美術品、 工芸品を紹介する本館アートマップやロケーションガイドを作成し、 来訪者への情報提供や映画、 テレビのロケ誘致を図っているところであります。
 今後も、 県議会議員の皆様の御理解、 御協力をいただきながらこうした取り組みを一層強化してまいりたいと考えております。
 また、 本県には本館のような歴史ある施設に加え、 日本空間デザイン大賞やドイツデザイン賞をいただいたふじのくに地球環境史ミュージアムやJCDインターナショナルデザインアワード二〇一八大賞をいただいた富士山世界遺産センターのほか、 県産材を利用したふじのくに茶の都ミュージアムや草薙総合運動場体育館このはなアリーナなど特徴ある施設もございます。 これら本県ならではの施設の特徴を生かして、 会議場やホールなどの専用施設を用いるのではなく歴史的建造物や公共空間などをイベントやレセプションの場として提供する、 いわゆるユニークベニューなどを推進し県有施設を活用したふじのくに静岡県の効果的な情報発信に取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長 (渡邉眞一郎君)  文化力の拠点の整備についてのうち、 文化力の拠点への導入機能についてお答えいたします。
 文化力の拠点の形成に当たり、 導入する民間機能につきましては基本構想や基本計画案に掲げるコンセプトを実現しつつ、 拠点の魅力の向上やにぎわいの創出、 また県立中央図書館を中心とする公的機能との相乗効果などが期待できる機能を最大限に導入してまいりたいと考えているところであります。
 議員から御提案のありました教育関連の施設や教育機関そのものの導入につきましては、 本県の将来を担う人材を育成するために大変有効であると認識しております。 これまで民間機能の導入の促進に向けた対話を行う中で、 専門学校などの教育関係事業者とも参画の可能性などについて意見交換を行ってきているところであります。 また計画地は駅前であり、 その周辺には大学、 専門学校が集積しておりますことから、 導入を予定する新しい知的空間や大学コンソーシアムの拠点との連携によりさらに多くの若者が集い、 新たなにぎわいの創出や文化の創造につながるものと期待しているところであります。
 今後実施する事業計画案の募集に当たりましては、 県が期待する民間機能として県立中央図書館や新しい知的空間などの公的施設との連携により相乗効果が発揮される機能を期待する旨をお示しをいたしまして、 教育施設を初めオフィス、 食・茶・花の都にふさわしいレストランやカフェなどを例示として提示した上で、 これらに縛られることなく民間事業者から導入機能の内容や規模などについて自由で実現可能性のある御提案をいただき、 要求水準書案などの事業公募関係資料に反映してまいりたいと考えております。
 県といたしましては、 本県の高い文化力を発信し多様な交流やにぎわいを創出する文化力の拠点の早期形成に向け、 県議会の皆様の御意見を伺いながらスピード感を持って取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  鈴木教育部長。
○教育部長 (鈴木一吉君)  文化力の拠点の整備についてのうち、 県立中央図書館の機能強化についてお答えいたします。
 新県立中央図書館は、 県民の皆様の生涯学習や読書活動を支えるインフラとしての機能を充実させるとともに、 その時代のニーズに応えるさまざまな情報を提供する新しいタイプの図書館を目指しております。 このため現在策定中の基本計画におきましては県立図書館ならではの豊富な資料と高度なレファレンスサービスを生かし、 学術的な調査研究だけでなく地域の課題や産業振興にも資する課題解決型のサービスを提供していくこととしております。
 具体的には、 自治体が策定するさまざまな計画の方向性や課題を解決するために必要な資料・情報を提供するとともに、 議会や行政部門からの資料要求や質問への対応にも積極的にかかわり政策立案や事業企画を支援する機能を充実させていきたいと考えております。 また議員御指摘のビジネスや産業支援につきましては関連資料を収集、 提供するだけでなく、 高度な支援要請に対し適切な機関等を紹介できるよう商工会議所や大学、 研究所など専門機関とのネットワークを構築するほか、 起業セミナーの開催や経営相談等の実施も計画案に位置づけているところであります。
 新県立中央図書館は文化力の拠点の中核施設であります。 より多くの県民の方々に親しまれ利用されるとともに、 行政や産業支援にとどまらず健康・医療、 災害対策、 多文化共生などさまざまな課題解決を支援するまさにふじのくにの知の拠点となるよう基本計画の具現化に向けて取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  知事に子供たちの文化体験について大変丁寧な御説明をいただきましたが、 実は私はほとんどこうした体験をしてきたことがありません。 なので次の世代にはいっぱい体験してもらいたいなと思うことと、 実は静岡市内には実は著名なアーティストをお招きする機会というのは本当に少ないまま今日を迎えていると思います。 例えばアリーナの整備についても今議論が一度迷走していると言ったら失礼なんだけれども、 ちょっと今とまっています。 サッカー場を整備しようという議論はまだ動いていません。 なのでこうした著名な方々を集めるきっかけづくりのためにも、 ぜひ県にはリードをしながらこうした機会創出をお願いしたいと思っているわけです。
 それから、 要望ですが文化力の要望を申し上げます。
 今もはっきりと申し上げました。 これぜひ学校関係あるいは教育施設についての誘致をまず積極的に取り組んでいただきたいと思います。 五千人以上の学生を失っているという現実、 それから既存の大学が今この県内でさまざまな挑戦を始めて学生を集めるためにいろんな工夫をしようとしています。 その中でこの地域に足りない学問が何かということを地元の大学の方々と議論をして、 せっかく県がここにこうしたものをやる以上はこの場所をきちんと提供しながら拠点づくりにつなげていただきたいというふうに思います。 よろしくお願いします。
 それでは次の質問です。
 静岡市駿河区の大谷・小鹿地区への産業集積についてです。
 今年九月には、 予定どおりに工事が進めば東名高速道路に新たなスマートインターチェンジが開設されます。 今月十七日、 ここを中心とした百二十五ヘクタールに及ぶ区画整理事業がいよいよ安全祈願祭を迎え、 このうち約三十二・八ヘクタールの敷地に企業などへの分譲が進められることとなりました。 この恩田原・片山土地区画整理事業には県からも■ふじのくに■のフロンティアを拓く取り組みの指定をしていただいており、 新たな産業拠点の形成が期待され区画整理組合は静岡市の産業集積方針を踏まえ電気機械器具や模型関連の製造業のほか、 食品・化粧品関連製造業などの企業を中心に進出企業を募る方針だということです。 特に食品関連産業については静岡県立大学を核とした県の重点的な産業集積プロジェクトであるフーズ・サイエンスヒルズの構想とも合致しており、 生産、 加工への効率化支援と機能性を高めた付加価値の創出支援、 さらには出荷、 運搬へのコスト縮減への協力に加え販売促進にはマーケティング支援など、 まさに県が一翼を担うべき研究分野だと考えます。
 そこで、 私は先日静岡県立大学の食品栄養科学部の合田敏尚副学長と西野勝明特任教授に相談のお時間をいただきました。 西野教授は静岡市の都市計画審議会の会長も務められており、 この地区の今後の取り組みには一定以上の期待をお持ちでいらっしゃいました。
 フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの中核を担っている県産業振興財団のフーズ・サイエンスセンターの機能拡大、 食品産業の将来性と農業や医療への波及効果の広さに加え生産や加工段階にはまだまだ技術革新が可能であり、 これこそが新たな産業の牽引役となるなど将来展望を語っていただきました。 七十分の相談を経て産業集積を始めようとするこの地にこそ県立大学のフーズ・サイエンスヒルズの旗を高く掲げ、 民間の動きに先駆けた研究開発拠点の必要性を痛感したものであります。
 県は、 フロンティア推進区域として単に土地の開発、 造成を支援していくだけではなく、 企業誘致をしのぐ産業集積の観点に立ち市の事業をリードするよう食品関連産業等の誘導や高付加価値化への取り組みに積極的にかかわるべきだと考えますが、 知事の御所見を伺います。
 最後に、 河川の維持と環境整備について伺います。
 平成二十九年度から、 豪雨災害等緊急対策事業費と九月補正予算による積み増しによって堆積土砂の掘削、 排除が本格的に進んできました。 全国的な集中豪雨による浸水被害を目の当たりする中で一刻も早く県内全河川の計画水量の確保と維持管理の必要性を痛感するものであります。
 私の地元である駿河区には、 県管理の河川として大谷川放水路、 丸子川、 そして小坂川の一部がありますが、 土木事務所による定期的なパトロールと一定金額の予算確保のおかげで堆積土砂の掘削や流域における樹木の伐採、 草木の除去などはおおむね順調に進められており、 まだまだ課題は残されているものの安定した事業を継続していただいております。 こうした河川管理について、 私は次のステージに進むことを御提案したいと思います。
 河川法によれば、 堤防や土手への工作物は原則として禁止されていますがその周知は徹底されておらず、 過去には並木をつくるほどに樹木が植えられ農業機械が備えつけられていたり耕作者が不明の畑も見受けられ堤防機能の低下が懸念されます。 一方堤防上は工作物や樹木の有無にかかわらず、 自転車や歩行者用の通路としてジョギングや散策を楽しむ地域住民に親しまれる自然を感じる和やかな生活空間でもあります。
 そこで、 これまで確保に御尽力いただいた予算に加え樹木を含む工作物の撤去費用、 伐採後の土手の強化、 さらには花の都の景観を形成するために工作物によらない草花を活用してはどうか、 その一連の予算を一つの事業費として準備できないかということであります。
 特に、 丸子川は既にこうした私の構想にも御協力をいただき既に樹木の伐採を実施していただいた区域もあり、 その後の土手の固め直しと景観形成を現在進めているところです。 流域全体の景観が次第に整っていくとしたならば地域にとってもまちづくりの大きな目標を用意してあげることができます。
 そこで、 こうした観点に立ち丸子川が地域に親しまれる河川となるため県として今後どのような取り組みを進めていただけるのか、 御所見を伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (落合愼悟君)  天野経済産業部長。
○経済産業部長 (天野朗彦君)  静岡市駿河区大谷・小鹿地区への産業集積についてお答えいたします。
 本県の企業立地施策は、 これまでの製造業を中心としたマザー工場の誘致や県内企業の再投資促進に加えAI、 IoTなどの科学技術の著しい進展による産業構造の変化に対応していくことが求められております。 このため今後は高い生産性や付加価値の向上を切り口に先端的な科学技術に係る研究開発拠点などを誘致のターゲットに加えて企業誘致に取り組んでまいります。
 こうした中にあって、 静岡市の大谷・小鹿地区は東名高速道路のスマートインターの整備が進められ交通の利便性が大きく向上するとともに、 国際拠点港湾である清水港に近接するなど物流面でも大きな強みを持っております。 またふじのくにフロンティア推進区域にも指定されており、 地域経済を牽引するマザー工場の誘致や県内企業の再投資を促進していく上で大きな可能性を持つ地域であると認識しております。
 さらに、 食品や農業分野に強みを持ちフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトを推進する静岡県立大学や静岡大学とも近いという地の利を有し、 中でも議員御指摘のとおり県立大学の食品の機能性分野などにおける高い研究開発力はプロジェクトの拠点として重要な役割を果たしております。 こうした地域のポテンシャルを生かし、 静岡市とも連携しつつ産学官連携による高い付加価値を生み出す研究開発機能を伴う企業の呼び込みに努めてまいります。
 県では、 成長分野の企業の誘致をこれまで以上に推進するために来年度から大阪事務所に企業誘致活動を専任的に行う推進員を新たに配置し、 食品関連や医薬品関連産業が集積する関西地区での誘致活動を強化してまいります。
 県といたしましては、 今後静岡市や地元大谷・小鹿地区の土地区画整理組合の皆様とも連携しながらフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの成果などを県内外に積極的にアピールし、 あわせて静岡県立大学などの研究開発機能や産学官のネットワークの一層の強化を図りまして、 同地区への食品関連産業などの高い付加価値を生み出す成長分野の産業集積に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  平野交通基盤部長。
○交通基盤部長 (平野忠幸君)  河川の維持と環境整備についてお答えいたします。
 県では、 管理河川におきまして雨季前や出水後に河道状況や河川管理施設の点検を行い、 異常な土砂の堆積や堤防及び護岸の損傷等が確認された場合は速やかに撤去や修繕を行うなど河川の治水機能の維持に取り組んでおります。
 丸子川につきましても、 今年度実施した点検により駿河区青木地先で土砂の堆積が確認されましたことから三月末完成を目指し撤去を進めております。 また現時点で施設の健全性は確認しておりますが、 堤防及び護岸の損傷や不法占用等が確認された場合は速やかな修繕の実施や撤去の指導など河川の適正な管理に努めてまいります。
 また、 東海道本線から国道一号付近の約七キロメートルの区間では五つの河川愛護団体の皆様に河川の清掃や除草などの美化活動を熱心に行っていただいており、 この活動により河川の環境や景観が向上し散策など多くの方々に利用されております。 引き続き団体の皆様の御意見を伺いながらリバーフレンドシップ制度の運用や改善などを行い、 地域に愛される快適な河川空間の整備が進むよう支援してまいります。
 県といたしましては、 丸子川が地域に親しまれる安全で安心な河川として持続していけるよう市や地域の皆様との情報共有や協働を図り、 適切に維持管理を行うことにより良好な河川環境の創出に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (落合愼悟君)  相坂摂治君。
        (五十番 相坂摂治君登壇)
○五十番 (相坂摂治君)  要望を二点申し上げたいと思います。
 大谷地区については、 積極的な取り組みが期待できる御答弁をいただいたんだろうと理解をしたいと思いますが、 ぜひ今この産業振興財団フーズ・サイエンスセンターが入っている今のビルの中のやはり面積的な限界、 それから連携のしやすい、 決して立地にはないということも含めて、 やはり大学をせっかくこの百二十五ヘクタールのまちづくりが今始まろうとしているわけですから、 大学をやっぱりまちづくりの中心に置くという考え方、 そしてその大学が掲げる研究の旗のもとに新しい産業が集積していく可能性が高いというポテンシャルを踏まえて、 ぜひこのフーズ・サイエンスセンターの拠点の青写真を一度県庁内で具体的にもんでいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 それから丸子川なんですが、 不備があったらきれいにしますよという今の制度上の話になるんですけれども、 できましたらというよりはぜひこれからは河川の護岸にある工作物を撤去する予算、 そこを固め直す予算、 そして景観を整える予算というのは実は交通基盤部の中の予算項目にそれはないんですね。 ですから新しい項目を立ち上げなければこれを順次進めていくことはできないという事態になっています。 こうした掘削等の課題もありますが、 ぜひ積極的に地域の資源として活用する方策としての予算についても御検討いただきたいと思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○副議長 (落合愼悟君)  これで相坂摂治君の質問は終わりました。 (拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 二月二十一日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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