• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 利幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/24/2009

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 避難所の指定について                       
2 産業振興に係る組織再編の成果と課題について            
3 本県の農業を支える農業水利施設の保全、 更新について        
4 農産物の流通のあり方について                   
5 浜名湖フラワー&ガーデンフェア二○○九の開催について       
6 効果的な観光宣伝について      



    ○議長 (天野 一君)  ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、 知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 五十二番 鈴木利幸君。
            (五十二番 鈴木利幸君登壇 拍手)
    ○五十二番 (鈴木利幸君)  皆さんおはようございます。
     私は通告に従い当面する県政の諸課題につきまして、 知事及び関係部局長にお伺いします。
     初めに、 避難所の指定についてお伺いします。
     切迫する東海地震の発生により、 想定される死者の大半は建物の倒壊によるものとされており、 地震による被害を減らす最も効果のある対策は、 常日ごろみずからの危機管理と住宅の耐震化であることは今さら申し上げるまでもありません。 住宅が耐震化されることにより倒壊の危険がなくなるだけではなく、 地震発生後も同じように住み続けられることで復興も早まるものと期待できます。
     しかし、 住宅の耐震化が計画どおりに進んでも、 津波や山・がけ崩れのおそれがあるような危険地からの避難のため、 あるいは住宅が倒壊しないまでも損傷を受け余震による被害の心配などから安全を確保するため、 やむを得ず避難所に避難する方も多いであろうことは十分予想されます。 十四年前の阪神・淡路大震災では、 発災直後から多くの住民が学校の体育館や教室だけではなく廊下等にまであふれ、 大混乱している様子がマスコミを通じて大々的に放映され心が痛みました。
     住まいを失った住民にとって避難所は安全を確保できる場所であり、 食料の供給やトイレの確保、 情報の入手等、 避難生活の基盤となる場所でもあります。 静岡県が策定した第三次地震被害想定によりますと、 発災一日後には県民の約三分の一に相当する百十九万人が一時的に避難所に避難するとされています。 公立学校の校舎や体育館、 公民館等の多くは避難所になると思われますが、 県民が安心して避難生活を送るためには、 避難所に指定される建物は、 土砂災害のおそれがあるような危険地から外れ、 本震はもとより余震によっても損傷しない耐震性が必要と考えます。
     各市町があらかじめ避難所を指定するに当たっては、 何を基準にどのような考え方で指定しているのか伺います。 また避難所となる建物の耐震性は、 現状ではどの程度確保されており、 今後どのように耐震化を進めていくのかあわせてお伺いします。
     次に、 産業振興に係る組織再編の成果と課題について伺います。
     静岡県では、 平成十九年度から、 本庁組織が国の省庁に対応した縦割り組織から行政サービスの受け手である県民と市や町の視点に立った目的指向型の組織に再編されました。 事業実施部門を大くくり化し、 一次産業から三次産業までを通じた産業全般の振興を図る産業部や、 生活と産業を支える社会基盤を整備する建設部などが、 おのおのの理念に向かって業務を推進する体制となっています。 この本庁組織再編は、 これまで複数の部の間で調整してきたテーマを一つの部に集約し、 部内での調整で完結させることもねらいの一つであったと認識しています。
     しかし一方で、 これまで同一の部で所管されていた相互に関係の深い事業が別々の部で所管されるようになった分野もあります。 例えば農業振興の分野では、 ビジネス経営体、 認定農業者などの農業生産の中心となる担い手の育成が最重要課題となっていますが、 生産性を高めるための農地の基盤整備は建設部の所管、 基盤整備を契機とした農地の担い手への集積やその農地を有効に活用する栽培技術の開発や普及は産業部の所管となっています。 また林業振興の分野においても、 一体となって進めるべき林道などの基盤整備部門が分かれて所管しておりますが、 林業を活性化していくためには近年充実しつつある森林資源を活発に循環利用することが重要であり、 需要に対応した県産材の供給に向け相互に連携した取り組みを実施する必要があると考えます。
     大規模な本庁再編から二年が経過し、 産業全般の振興を理念に掲げた産業部における組織再編の成果と課題について、 県の所見を伺います。
     次に、 本県の農業を支える農業水利施設の保全と更新について伺います。
     三方原用水や天竜川下流用水等を初めとした農業水利施設が整備されて以降、 浜松市では、 セルリーやガーベラ等の施設園芸やミカン、 野菜等の栽培が盛んに取り組まれ、 平成十八年度の農業産出額が五百四十億円と全国市町村の第四位にランキングされるなど、 天竜川の恵みを受けながら多彩な生産活動が展開され、 本県農業の大宗を担っているといっても過言ではありません。
     このような中、 地域の貴重な資源である天竜川の水を活用して意欲ある農業者も育ってきており、 昨年末には私の友人が代表を務めるJAとぴあ浜松ぶどう研究会が、 浜名湖北部地域の樹園地において、 畑地帯総合整備事業による畑地かんがい施設の導入を契機に、 安定した水分コントロールによる高品質な 「ピオーネ」 のハウス栽培に取り組み、 浜松ブランドを定着させて新たな産地づくりに貢献したことが評価され、 全国の土地改良事業地区営農推進優良事例として農林水産大臣の表彰を受けました。
     こうした先進的で多様な農業経営を実現、 継続していくためには農業用水の安定的な供給が不可欠でありますが、 今年は例年に比べ降雨が少なく一月には節水を余儀なくされて、 農家からは平成六年、 七年の異常渇水の事態を心配する声が聞かれました。 また想定される東海地震が発生した際には、 老朽化した水利施設が損壊し断水による営農への影響が懸念されております。
     県内には、 大井川や天竜川等を水源として国や県で造成した頭首工や揚排水機場等の農業水利施設が約四百四十カ所、 農業用用排水路が約千三百キロメートルにも及び、 県内の農業生産を支える欠くことのできない重要な社会資本となっています。 これらの施設は、 食料増産の時代から長い年月をかけて造成されてきましたが、 近年老朽化による施設の機能低下が見受けられるとともに破損や故障等が多発し、 土地改良区はゲート操作等の維持管理に苦慮しております。 さらに農業者の高齢化、 減少により、 一戸当たりの維持管理費が増加傾向にあることなどから、 早急な対応が必要となってきております。
     そのため、 公共投資の抑制が叫ばれる中、 効率的で効果的な農業農村整備事業の執行が求められておりますが、 本県の農業を支える農業水利施設の保全、 更新について、 県はどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、 農産物の流通のあり方について伺います。
     私は、 昨年十二月に東京の大田市場で実施された本県のトップセールスに一昨年に引き続き参加し、 石川知事や農業団体代表、 農協の組合長の皆さんと一緒に青島ミカンや 「紅ほっぺ」、 温室メロンなど本県農産物を市場関係者にPRしてまいりました。 さすが日本の台所と言われる大田市場、 広い場内に所狭しと全国各地の農産物が積まれていましたが、 競りにかけられていたのはほんの一部でした。 またことしも例年どおり地元青果市場の初競りに参加しましたが、 そこでも同様に年々競り取引は減少しています。
     これまで卸売市場は農産物物流のかなめとして機能してきました。 生産量や規格が自然条件に左右されやすく貯蔵性にも制約がある農産物を、 日々出荷者から受け入れ、 需要と供給に応じた適正な価格形成を図るとともに仲卸や八百屋から量販店まで多様な需要者に配分するなど、 消費者に農産物を届ける上で卸売市場は大きな役割を果たしています。
     しかし、 近年市場における価格形成の方法に大きな変化が生じています。 競り取引が減少し、 市場の卸が量販店等と一対一で価格決定し取引する相対取引が増加しています。 相対取引の割合は、 地方市場では半分を超える約五五%、 中央市場では約七五%にもなっています。 これは八百屋が減少し、 計画的に大量かつ短時間に農産物を仕入れる量販店のニーズに合わせた方法取引に市場がシフトしているためであり、 市場の価格形成にも大きな影響を与えています。
     相対取引は、 農産物の日々の価格変動を緩和する、 短時間で取引ができる、 残品が生じないなどのメリットがありますが、 一方で価格の決定の過程や取引の透明性が確保されていないという指摘もありますし、 生産者にしてみると大量流通を前提としているので、 品質に対する評価が不十分であることやバイヤーとの交渉で価格が低く抑えられている側面もあり、 量販店主導で価格が形成されているといった感は否めません。
     実際、 中国産食品の毒物混入事件等に端を発し、 安全・安心に対する消費者の関心の深まりから、 昨年は中国野菜の輸入が前年に比べ二四%減少し国産野菜の需要が高まりましたが、 農家の収入となる市場への出荷価格はそれほど上がりませんでした。 これは量販店の市場への影響力が強くなり、 卸売市場の価格形成機能が低下していることが一因だと思います。
     量販店は、 農水産物などの生鮮品のほか加工食品、 日用雑貨、 衣料品など多数の品目を大量に扱っていますが、 集客のため生鮮品は低価格に抑えられていますし、 その仕入れ価格である市場価格はさらに低く抑えられています。 中には農家が生産物を再生産できる価格も配慮していないと思うものもあり、 相対取引における価格決定力を背景に、 農産物の価格は量販店によりゆがめられているとさえ強く感じます。
     私は、 需要と供給で品物の値段が決まっていくと考える者の一人であります。 物流が発達して値段が決まるのなら、 競り一〇〇%の時代に逆戻りしなければならない。 それでは時代錯誤であります。 量販店は他品目の商品全体の中で利益を確保することができます。 つまり衣料品の赤字は青果物でとなるわけであります。 農家は農産物でしか収入を得られないのであります。 そのようなことでは自給率アップのよみがえれ日本農業とはならないのであります。
     平成十六年に卸売市場法が改正され、 ことし四月からは市場の委託手数料自由化が施行されます。 これまで一律に上限が決められていた手数料を、 市場それぞれが決定できることになりますが、 生産者の市場選別につながり、 卸売市場間の競争も激しくなることが予想され、 経営基盤の弱い卸売市場は淘汰される可能性が高まります。
     また、 魅力ある生産物を持つ産地と持たない産地では、 手数料など取引条件の差別化が進むことも考えられこちらも選別されていきます。 このような生産現場、 卸売市場を取り巻く環境の変化は、 消費者にとっても他人ごとではありません。 最も効率的な物流経路である地域の卸売市場の衰退や再生産価格すら確保できない農家が生産をやめてしまえば、 消費者は安心・安全な地場の農産物を入手することが困難になります。
     農家が自分で値段をつけて販売できるファーマーズマーケットやインターネットによる通信販売等も年々活発化してきていますが、 農産物流通の約七割を占める市場流通は、 今後も農産物流通のかなめであることは変わらないと思いますし、 価格形成等の面においてもその機能を発揮していくことが消費者の利益にも結びつくものだと思います。
     農家が再生産できる価格を形成するために、 量販店に対抗できる強い卸売市場と産地づくりが必要だと思いますが、 県はどのように対応していくのか伺います。
     次に、 浜名湖フラワー&ガーデンフェア二〇〇九の開催について伺います。
     昨年の金融不安に端を発した世界的な景気後退の中で花の需要も低迷しております。 株価を見れば花よりだんごとなっており、 生産者にとってはことしも苦しい展開となることが予想されます。
     我が国の切り花の消費は近年、 生け花に使うけいこ用の花や冠婚葬祭などに使う業務用の花が減少しており、 家庭で使う花の需要が全体の約七割を占める状況になっております。 総務省の家計調査によれば、 全国の一世帯当たりの切り花年間購入額が平成九年の一万三千百三十円を境に年々減少傾向にあり、 平成十九年には一万百五十九円となっております。 また一年間に一度も切り花を購入したことのない家庭が全世帯の六割、 園芸品に至っては全世帯の七割にも達しております。 花を買わない多くの消費者がいるということは、 逆の見方をすれば、 これら無購買者層の取り込みを初め関係業界の対応の仕方によっては、 まだまだ成長が可能だということを示していると思うのであります。
     ところで、 私が議員になりたての当時農林水産委員会でベテランの先生が、 静岡県の花卉消費動向はとの問いに、 県庁所在都市ランキングが下から二、 三番目と記憶していましたが、 何と平成十九年度切り花、 園芸品も含む花卉年間購入ランキング第四十六位と大変な状況であります。 静岡県民にも花は文化のバロメーターだと考えていただきたく、 運動も考えなければと思います。
     そこで、 花の消費拡大を図っていくためには、 川上から川下まで花緑関係団体が一致団結して花と緑の需要を喚起する取り組みを行い、 産業全体の競争力を高めていくことが重要であると考えます。
     本県では、 平成十六年の浜名湖花博を初め、 平成十八年からは毎年浜名湖フラワーフェスタを開催するなど、 県内の関係団体が一体となって花の消費拡大に取り組んできた実績があります。 その中で県内花卉産地においては、 民間育種会社や市場と連携し、 新品種を優先的に導入し出荷先を限定することで有利販売に結びつける動きが出てきております。 現在の厳しい経済状況の中で、 国内外における産地間の生き残りをかけた競争は一層激しさを増すものと思われます。 本年五月に浜名湖ガーデンパークで浜名湖フラワー&ガーデンフェア二〇〇九が開催されますが、 こうしたときだからこそ県内の花緑産業の関係者が力を合わせてこのイベントを成功させ、 浜名湖花博開催五周年にふさわしい将来への希望が持てる年になってほしいと願うものであります。
     そこで、 具体的にどのような工夫を凝らして浜名湖フラワー&ガーデンフェア二〇〇九を成功に導くのか、 県の取り組みについて伺います。
     次に、 効果的な観光宣伝について伺います。
     私の住む県西部地域では、 風光明媚な浜名湖を中心に自然の美しさと中京圏からの近さをセールスポイントとして、 名所旧跡、 遊園地、 動植物園などに加え、 最近では浜名湖のウナギだけではなく御前崎のクエや遠州トラフグ、 ハモなどの食、 さらには地元の産業を生かした工場見学などの産業観光により観光誘客に取り組んでおります。 しかしながら県西部地域にはすばらしい観光資源があふれているものの、 必ずしも全国的に高い知名度があるとは言えない状況にあります。 地域の知名度を上げるための手段として新聞やテレビなどのマスメディアを活用することは大変効果がありますが、 多額の経費がかかることから、 費用をかけずに効果的な観光宣伝をしていく方策も考えなければなりません。
     昨今、 私たちが旅行を計画する場合、 情報源の一つとしてインターネットを活用することが非常に多くなってきています。 この要因としては観光地側での積極的な情報発信も挙げられますが、 このほかにも実際に旅行した方の体験談や感想などを載せる旅行情報サイトや旅行体験を発信する個人の旅ブログなどもふえており、 旅行者にとっていわゆる口コミ情報が得られることがインターネット利用の増加につながっているものと思われます。 このため情報を発信する地域側としては、 多くの情報がはんらんしている中で、 いかにユーザーである旅行者に対し魅力ある的確な情報を届けることが、 これまで以上に重要になっていると言えるのであります。
     さて私は、 効果的な観光宣伝のためにはインターネットの活用も必要であると考えますが、 より的確に良質な情報を提供する手段として口コミ情報を活用すべきであると考えます。 人はだれでもふるさとがあり、 「ウサギ追いしかの山」 であります。 つまり自分のふるさと自慢、 思い出、 郷愁が、 都会に生活すればするほどいやしを求めて、 ふるさとのいいところが思い浮かんでくるのであります。 だれもが宣伝マンであります。 本県のあらゆる地域の小さな文化・歴史、 そして日本の象徴である富士山を初めとした魅力ある観光資源等、 本県のことをよく知っている方による確かな口コミ情報により、 多くの方に本県の魅力を広めていただくことができると思うのであります。
     そこで、 本県出身者や県人会の方々をいわばふるさとの観光宣伝マンとして活用し、 口コミ情報を発信していただくことにより、 観光振興のみならず富士山静岡空港の利用促進にもつながるものと考えますが、 県の所見を伺います。
     最後になりますが、 口コミ情報でだれもがふるさと宣伝マンになり社会資本の整備が整えば、 過疎地域にも人口増が期待できるのではないでしょうか。
     御清聴ありがとうございました。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  鈴木利幸議員にお答えをいたします。
     初めに、 産業振興に係る組織再編の成果と課題についてであります。
     平成十九年度の本庁組織改正によりまして、 産業部では産業活力日本一を目指して産業全般の振興、 研究開発、 マーケティングなどを一元的に実施をしております。
     組織再編による成果といたしましては、 第一次産業から第三次産業までの産業全般の振興を図るという共通認識のもとに、 産業部内の各局が連携して総合的かつ効果的・機動的な対応ができるようになったことが挙げられます。
     例えば、 昨今は農商工連携というのが時代のキーワードといいましょうか、 産業振興の上で非常に重要なポイントであるということが幅広く認識をされ、 またそういうことをあちらこちらで耳にいたしますが、 そういう観点でいきますと、 この産業部に一次産業から三次産業まで一くくりにして産業振興するという体制が整ったことによって、 地域の資源を有効に活用して中小企業者、 農林漁業者が連携をするという、 そういう取り組みが以前よりはやりやすくなってきたと。 そのために地域活性化基金とかしずおか農商工連携基金の造成などと相まって、 取り組みを総合的に支援するような動きになってきております。
     また、 富士山静岡空港の開港を控えて就航先で開催しているふじのくに静岡フェアでは、 観光キャンペーンや農林水産物、 工芸品などの物産展を連携して行うことによって、 本県の魅力をトータルで情報発信し効果的な誘客対策や市場開拓、 販路拡大を展開をしております。 そのほか各試験研究機関が共同して行うプロジェクト研究の円滑な実施や、 本年度から開始をした地域結集型研究開発プログラムに工業技術研究所と農林技術研究所が共同参画するなど、 組織再編による効果が着実にあらわれてきております。
     一方、 農林水産業の振興に当たりましては、 鈴木議員御指摘のように基盤整備と一体となって進めるということが肝心でありますが、 この点については静岡県農林水産業新世紀ビジョンに基づく施策や事業を効果的、 効率的に実施していくために設置をいたしました推進委員会とか、 農林水産業の各分野別の連絡調整会議などを通じて、 各部局の共通認識のもとに施策を展開しているところであります。
     従来は、 商工労働部と農業水産部二つに分かれて、 特に一次産業については農業水産部のもとで産業としての農業振興策、 技術開発も含めた部、 いわゆるソフトの事業と基盤整備である構造改善事業が一つの部局で完結しておりましたので、 特にその行政関係の方々にとってみると、 それが一まとまりになってるってことでわかりやすかった、 これは事実だと思うのでありますが、 一方で産業部を構想しました時点で既に産業としての農業の振興を考える場合には、 今日言われておるいわゆる農商工連携ですね、 こういうことに若干その問題がある、 若干というより問題があるなと、 なかなかその農業水産部の中では農商工連携っていうとですね、 何かよそのうちへ行って仲よくしましょうよ、 連携しましょうよっていうような、 そういう感覚になりやすいと。 それよりもこれは一つの屋根のもとでくくったほうが日常的に意識もですね、 農商工連携っていうことに働きやすいし連携もうまくいくんじゃないかということで取り組んでみたわけであります。
     二年たってですね、 鈴木議員のような印象を持ってそういう意見を寄せてこられる方もいらっしゃるし、 一方でまあよかったんじゃないのという反応もあります。 今しばらくこの体制のもとで、 基盤整備については別な部局にまたがっておりますけれども、 その辺の連絡調整をより濃密に心がけることによってですね、 当初の組織改正の効果が本当にあるかどうか今しばらく検証して、 その後にまたその組織のあり方、 ぐあいが悪ければですね、 改善すればいいのではないかというふうに思います。
     組織の立て方については、 これが決定版ということがなかなかないわけでありまして、 この組織再編に当たりましても、 他の都道府県のいろいろ昨今の組織再編の事例なども見ながら、 本県なりの考えをまとめて対応したところであります。 今後はもう少し今の組織体制の中でいい面、 悪い面、 いろいろあろうと思いますので、 その辺も洗い出しをしながら、 もう少し先にそれをまとめて必要な改善をするという方向で進んでいきたいと思っております。
     次に、 浜名湖フラワー&ガーデンフェア二〇〇九の開催であります。
     浜名湖花博五周年に当たりますことし五月に開催いたします浜名湖フラワー&ガーデンフェアは、 国際園芸家協会認定の園芸博覧会というふうに位置づけをいただきました。 したがってそういう意味では専門家の間における評価、 認知ですね、 これは非常に高くなってきております。 花と緑に関する国内外への情報発信という点では大変大きなこれは認定だったと思います。 さらに関連産業の振興、 花と緑にあふれた県民生活の普及定着、 こういうこともねらっていきたいと思っております。
     特に、 この中で実施をいたします国際レベルの庭づくり競技会であるワールドガーデンコンペティション  庭園づくりのコンペでありますが、 これは世界的に有名なフラワーショーのゴールドメダリストや公募で選ばれた日本代表のガーデンデザイナーが、 「心やすらぐ庭」 をテーマに最高の技術とデザインで製作した庭を競い合うということであります。 来場者に世界レベルの庭のすばらしさを実感していただけるものと考えております。
     特に、 この造園の世界コンペがこれで本県で三回目になるわけでありますが、 過去二回開催した結果ですね、 このコンペは非常に公平なコンペであるということから、 世界の造園関係のデザイナーの人に大変注目をされまた評価をされておるというふうに関係者から伺っております。 それも国外の関係者ですね、 特に。 国外の関係者からそういう評価をいただいておりますので、 今回のこのワールドガーデンコンペティションもそういうものになるんじゃないかと期待しているところであります。 したがって今後一定の間隔を置いてですね、 ずっとこれを開催を継続するということが、 これまた大変意味を持ってくるんじゃないかというふうに思います。
     映画の世界のアメリカのアカデミー賞も今回八十数年のようでありますけども、 映画産業の中心がアメリカにあるっていうことも相まってですね、 そのアカデミー賞の中で外国語映画賞を日本が初めて取ったっていって、 もうメディアのトップニュースで長時間、 あるいは長いスペースを割いて上を下への大騒ぎみたいなああいうことになってるんですね。 こういう現象そのものは本当にいいかどうかとは思うんですけども、 結局長いこと続けていくとそこに権威が発生し、 それがその国の情報発信力や実は産業のまた支えになるということでもあります。
     お茶の緑茶コンテストもそうですし、 このワールドガーデンコンペティション、 その他幾つかのコンクールなどもやっておりますけども、 少なくとも本県でこれまでやってまいりました各種のコンペとかコンクールですね、 これは非常に審査が公平であると、 それから運営が非常に的確であると。 浜名湖花博のときのコンペ、 あるいはその後の展覧ですね、 庭の維持についても非常にきちっとした運営がされてるってことで高い評価をいただいております。 したがってこれがずっと継続をされていきますと、 その評価が確立をして造園コンペのアカデミー賞版にもなり得るかもしれません。 そういう志を持って今後やっていくことが必要じゃないかというふうに思います。
     また、 県農林技術研究所が世界で初めて育成をいたしましたラベンダーの香り成分を含んだマーガレットなどオリジナル商品の品種の紹介もされます。 またバラやガーベラの生産者と小売店が連携してブライダルをテーマとした展示を行うなど、 品質の高い県内産花卉の新たな利用方法もこの博覧会で積極的にPRしていくことになっております。
     さらに、 花の専門家から一般の方までだれもが参加できるコンテスト  ジャパンフラワーオープンINしずおかという催しでは、 切り花のアレンジや鉢物の寄せ植えなどの製作から審査までをステージ上で行うことによって、 来場者が解説を聞きながら見学できるように工夫するとともに、 花緑体験教室では親子で参加できるフラワーアレンジメント教室などを開催することによって、 さまざまな花の楽しみ方を体感していただきたいと考えております。
     県といたしましては、 これらの取り組みによって多くの来場者に花と緑の新しい楽しみ方を提案することで、 県内産花卉の消費拡大や花と緑の産業振興に結びつけるとともに、 秋には浜松モザイカルチャー世界博も開催されますことから、 本年をしずおかフラワーイヤーと位置づけまして、 年間を通して花と緑を楽しめる花と緑の県、 静岡を国内外にアピールしてまいる考えであります。
     消費の各県比較のお話も鈴木議員から御紹介ありましたが、 これもなかなか消費が拡大しない悩みの種の一つであります。 浜名湖花博を開催したり、 あるいは各地で市町村がいろんなバラ園とかその他のいろいろの花の庭園も取り組んできてくれておりますけれども、 これが観光資源としては活用されても県内のなかなか消費拡大には結びつかないという嫌いがあります。
     ちょうど浜松地域で言えば、 楽器の町としては世界的に有名でも音楽の町としていま一つ余り有名でないというようなこととも関連して、 どうも生産は得意だけども消費の面で際立ってるというのはなかなかいかないと、 おでんとか焼きそばとかギョーザはありますけども、 もっともっと幅広く広がっていくようにですね、 これはまたいろいろ努力を重ねていきたいと考えております。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  避難所の指定についてお答えいたします。
     県内の市町村が行う避難所の指定につきましては、 県が示す避難計画策定指針の中で、 津波、 山・がけ崩れの危険性のある地区を避け、 かつ耐震・耐火性の高い建築物を優先して選定することとしております。 この指針に基づきまして市町村では現在千三百十六施設を避難所として指定しており、 その大多数の千二百七十二施設は幼稚園、 小中高等学校、 公民館等の公共施設でありますが、 その避難所全体の耐震化率は平成十九年度末現在で八〇・四%にとどまっております。
     こうしたことから県といたしましては、 耐震性のある避難所を早急に確保するため、 来年度から避難所の指定については、 これまでの耐震性の高い建築物を優先するという指針から、 原則として耐震性のある公共的な施設とするというふうに改正をいたしまして、 各市町村に見直しを要請してまいりたいと考えております。 こうした見直しによりまして、 避難所が不足する市町村につきましては、 改めて計画的な公共施設の耐震化を求めてまいりたいと考えておるところでございます。
     また一方では、 屋外で避難所として使用できるテントの確保でありますとか、 被害を受けなかった親戚あるいは知人宅への一時避難先の確保などの代替手段の検討も進めまして、 公共施設の耐震化や代替手段などを盛り込んだ避難計画の策定をお願いし、 各市町村において想定される避難者が適切に避難できるよう努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  本県農業を支える農業水利施設の保全、 更新についてお答えいたします。
     農業水利施設の機能を最大限に発揮させ、 将来にわたって安定的な農業用水を確保していくためには、 施設の深刻な機能低下が発生する前に予防保全対策を実施し、 ライフサイクルコストの最小化に考慮した適切な維持管理を計画的に行っていくことが重要であります。
     このため、 県は平成十九年度から国と連携して、 三方原用水を初めとした基幹水利施設を対象に劣化状況等を調べる機能診断調査を行い、 保全の重要度を踏まえた施設の選択と整備の順位づけを行うなど機能保全計画の策定に取り組むとともに、 緊急な対策が必要な施設については、 迅速に整備を進めているところであります。
     今後、 更新時期を迎える農業水利施設が増加することから、 引き続き農業者や施設を管理する土地改良区等に対しまして維持管理体制の強化等に向けた支援を行うとともに、 整備に当たっては新技術の導入やコストの縮減に努めながら機能保全計画に基づく着実な保全、 更新を進めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  農産物の流通のあり方についてお答えいたします。
     卸売市場は、 産地からの農産物の円滑な集荷や消費者への安定供給、 適正な価格の形成など流通のかなめとして大きな役割を果たしております。 県内の卸売市場が今後も引き続きその役割を果たしていくためには、 経営基盤の強化や市場機能の充実が必要であります。
     このため県では、 平成二十二年度を目標年度とする第八次静岡県卸売市場整備計画を平成十七年に策定し、 この計画に基づき東部、 中部、 西部の三つの流通圏ごとに、 地域拠点市場を核とした再編整備や周辺市場との共同集荷など効率的な流通システムの構築を進めております。 また生産者や関係団体と連携して、 量販店や外食産業等大口の需要者に対する取引価格の優位性を高めるため、 高品質で多彩な農産物を計画的、 安定的に出荷できるよう競争力の強い産地づくりにも取り組んでいるところであります。
     さらに、 大田市場など大消費地の卸売市場の価格が各地域での農産物の価格形成に影響することから、 首都圏において市場関係者を対象としたトップセールスを初め量販店への本県特産品コーナーの設置など各種プロモーション活動を幅広く実施しているほか、 関西圏においても流通関係者との情報交換による販路の開拓を行うなど本県農産物のブランド力の向上に取り組んでおります。 今後ともこのような取り組みを通じ、 県内の卸売市場がその役割を十分に発揮できるよう支援していくとともに、 競争力のある産地づくりにも積極的に取り組んでまいります。
     次に、 効果的な観光宣伝についてであります。
     本県への観光誘客を進めるためには、 本県の魅力を効率的、 効果的に情報発信する必要があり、 マスメディアやインターネットなどの活用に加え、 御紹介にありましたとおり本県関係者から友人、 知人への口コミ情報の活用も極めて重要であると考えております。
     県ではこれまで、 本県出身の俳優加藤剛さんなど四名の方にふじのくに静岡特使として、 メディアを通じて情報発信していただくとともに、 県外で活躍されている本県出身者や産業、 教育、 文化等を通じて静岡県にゆかりのある八十九名の方々をふじのくに静岡大使に委嘱し、 機会あるごとに本県の魅力ある観光や特産品を初め、 富士山静岡空港などの情報発信を行っていただいているところであります。 また浜松市やらまいか大使や燦々ぬまづ大使など、 市町村においても地域の関係者がそれぞれの魅力を口コミなどで発信する独自の広報活動を行っております。
     県といたしましては、 今後研修会などを通じみずからの地域に愛着を持ち、 みずからが宣伝マンとなって情報発信できる人材を育成するほか、 市町村、 観光関係者や富士山静岡空港の就航先の県人会との連携を強化するなど、 効果的な観光宣伝に努めることにより観光振興や富士山静岡空港の利用促進を図ってまいります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp