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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 節子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2019

会派名:

日本共産党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 医療・福祉制度について
(1) 国民健康保険制度の課題と対応
(2) 地域医療構想の課題と対応
2 教育行政について
(1) 教員の変形労働時間制と正規教員の増員
(2) 特別支援教育の課題
  ア 特別支援学校における児童生徒の増加への対応
  イ 特別支援学級の教育環境充実と教員負担軽減
3 ジェンダー平等の実現について
(1) 県庁の女性職員が働き続けられる環境整備
(2) 性暴力被害者への支援
4 リニア中央新幹線の整備への対応について


○議長(鈴木利幸君) これで杉本好重君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、一番 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇 拍手)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。四月の統一選挙で、多くの皆様から負託をいただきこの場に立たせていただきました。県民本位の県政となるよう全力で取り組む決意です。
 初質問をさせていただきます。通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式で伺います。
 初めに、医療・福祉制度について伺います。
 安倍政権は地域経済と社会の疲弊、格差と貧困の拡大を進める中で医療給付費の総額抑制を狙い国民健康保険制度の財政管理と国保行政の指導、一般病床の再編、これらの権限を全て都道府県に集中させ一体的に管理しようとしています。そのもと給付費抑制、住民の負担増、医療サービス低下が懸念されており、県が住民の医療、福祉、暮らしをいかに守るかが問われています。
 まず、国民健康保険制度の課題と対応について伺います。
 国保の都道府県単位化に移行し一年八カ月が経過をいたしました。加入世帯の多くが年金生活、非正規雇用、低所得者で協会けんぽの二倍という重い保険料ですが、都道府県単位化によりますます保険料が引き上げられようとしています。県に監督権限を与えることで一般会計からの法定外繰り入れを解消させ、保険料引き上げ、収納率引き上げ等さまざまな弊害が浮き彫りになっています。三点質問します。
 一点目に保険料水準の統一について。
 県内自治体は保険料賦課方式、収納率、医療費水準、赤字繰り入れなどにばらつきがありますが統一の時期設定は県と市町が来年度までに協議を行うことになっています。仮に賦課方式の資産割をなくした場合、現在賦課している二十三自治体は激変緩和策がなければ保険料が一気にはね上がってしまうという問題があります。保険料引き上げで混乱や不安、制度崩壊を招かないためにも保険料水準の平準化や保険料算定方式の統一化は拙速に進めるべきではありません。その問題に対する県の意識と対応方針を伺います。
 二点目に差し押さえの問題です。
 収納率を上げるため、滞納世帯に対する差し押さえが強化され本県の差し押さえ率は全国十四位、差し押さえ額は昨年度で三十三億八千万円にもなります。やむなく滞納せざるを得ない財政負担能力のない滞納世帯に対し差し押さえは困窮世帯をますます窮地に追いやる行為です。銀行からの借金を迫り差し押さえ後の暮らしがどうなるかフォローするのは我々の業務ではないと豪語する自治体もあります。政府が滞納世帯の実態を把握せず差し押さえを強行することを厳しく戒めているのに反して強権的な差し押さえの実態があることを積極的に把握し改善を指導すべきであると考えます。県の見解と対応策を伺います。
 三点目に、法定外繰り入れについてです。
 全国の自治体で、二〇一五年度総額三千八百五十六億円の繰り入れを実施をしていましたが、国は繰り入れの削減、解消を迫り来年度から積極的に取り組まない自治体への交付金を減額するマイナス評価が導入されます。繰り入れがなくなればさらなる保険料値上げ、負担増を誘導し滞納の増加、保険証取り上げによる受診抑制など国保の構造的矛盾はますます深まるおそれがありますが、その認識はどうか伺います。また県が率先して負担軽減、独自補助に乗り出すべきですがその必要性の認識と方針を伺います。
 続いて、地域医療構想の課題と対応について伺います。
 厚生労働省は、公立・公的病院の病床削減を進めるために再編統合の議論を促そうと全国四百二十四医療機関を公表、本県は十四機関が公表されました。乱暴な公表だと市民、病院、医療従事者から怒りの声が全国から上がっています。風評被害により就職内定が決まっていた医師から断られた、病院の一極集中は病院間の格差を広げ小さな病院は衰退する、地域でよい医療を目指す意欲をなくす行為だとこれは県内の病院長から批判が相次いでいます。厚労省も公表のやり方が乱暴であったと、誤解を解く努力を続けると態度を改めました。
 しかし、地域医療構想は医師、看護師を手厚く配置する急性期病床を絞り込んで回復期への転換を迫るものです。一般病棟の再編は医療基盤の縮小策につながり、結果地域から頼れる病院がなくなれば医療サービスの低下となり住民にとってこれは大問題です。
 質問です。病院再編統合により病院の地域偏在、診療科目偏在が悪化し医療過疎地の深刻化が進み手術が受けられないなどの医療サービス低下が危惧されます。そうさせないための方針はどのようなものか、また最終結論は住民の声に応えるべき病院、首長が決定することに変わりはないか伺います。
 次に二つ目のテーマ、教育行政についてのうち、教員の変形労働時間制と正規教員の増員について質問します。
 教員の変形労働時間制導入が国会で決定されましたが、過労死が促進される、公教育の質の低下につながると教員から批判が強まっています。この制度は一年単位で労働時間を調整し、年間のうち繁忙期は一日十時間まで可能とし閑散期と合わせ平均一日当たり八時間におさめる制度です。人間の生理に合った一日八時間労働の原則を破るものです。
 国は、まとまった休みがとれると説明しますが教員は実際には休める状況にはありません。代休、年休を使う機会はなくなり長時間労働は固定化、助長されるおそれがあり日本教育新聞によりますと市区町村教育長の四二・二%が導入に反対しています。本来、変形労働時間制は恒常的時間外労働がない職場への導入が前提であるのに対し過労死ラインを超える月八十時間以上の残業が常態化している教育現場への導入は長時間労働を是正する根本的解決にはなりません。
 県内教員の恒常的長時間労働は依然として深刻です。小学校主幹教諭の時間外労働は一日五時間二十七分、中学校では六時間二十三分、月に換算すれば百十五時間、百三十時間以上となり導入前提の月八十時間をはるかに超えています。県は教員の長時間労働の実態をどう把握、分析し課題を明らかにした上で解消策をどのように進めようとしているのか伺います。また変形労働時間制は長時間労働を固定化、助長させると考えますがどのように問題意識をお持ちか認識を伺います。
 子供を取り巻く状況は深刻です。いじめ、不登校、子供の貧困、児童虐待などかつてないほどさまざまな問題が渦巻いています。子供が発するSOSをキャッチし的確に対応できるのは教師ですが、業務過多で教員の心身の健康すら守られていません。さまざまな課題を背負った子供たちに寄り添った教育のためには教員の負担を軽減し正規の教員を抜本的にふやすべきですが、対策をどう進めるのか伺います。
 本県の静岡式三十五人学級、一クラス二十五人下限撤廃、スクール・サポート・スタッフの施策は大変歓迎されています。県がさらにリーダーシップを発揮しさらなる施策展開を進めるべきですが見解を伺います。
 二つ目の項目、特別支援教育の課題についてのうち、特別支援学校における児童生徒の増加への対応について伺います。
 現在、県は特別支援学校を本校と分校を合わせて三十七校設置をしています。障害を抱えた子供たちの需要に見合う教員配置や施設整備が求められています。しかし教員の一四%は非正規職員です。施設整備も児童生徒の増加に追いついていません。児童生徒数が三百人を超えるマンモス校、全国の統計がございます。そのうち県内では富士特別支援学校四百十三人を筆頭に浜松、沼津、浜北、静岡北、袋井と全国六十三校中六校約一割を本県が占め飽和状態です。また狭隘化が進みプレハブ校舎で授業を行っている学校や老朽化による雨漏り、地盤沈下が生じている学校もあり早急な対応が求められています。
 そこで、児童生徒が急増している特別支援学校について教員、施設の受け入れ体制が整っていない現状についての認識と課題、そして教員の採用計画と非正規率を減らす取り組みはどのようなものか伺います。
 また、新規開設校の計画がありますが、望むなら例えば家から一時間以内で通学できる範囲とする、小中学校に隣接をさせる、そして規模は百人を超えないなどきめ細かく手厚い支援を可能とし学ぶ権利を保障する適正規模、適正配置の考え方が必要と考えます。国が特別支援学校にだけ設置基準を設けていないことが問題の根底にありますが県が努力できることは多々あります。整備の基本方針はどのようなものか伺います。
 続いて、特別支援学級の教育環境充実と教員負担軽減について伺います。
 発達障害、情緒障害などの児童生徒が増加している一方で小学校では一学年から六年までの全学年の児童を一人の教員が担当している実態もあります。一クラス八人定員では教員の目が行き届きません。せめて小学校は低学年と高学年を分け、中学校は学年ごとの学級に分けるなどの手だてが必要と考えます。そして支援員の配置など教員の負担軽減策を県が講じるべきと考えますが、特別支援学級における教育環境の充実と教員負担の軽減について見解を伺います。
 次に三つ目のテーマ、ジェンダー平等の実現について質問します。
 ジェンダー平等とは、社会的、文化的な性別に基づく偏見や男女の雇用・賃金格差という経済的不平等をなくし、男女の性差別を解消し個々の能力が生かされ安全で安心して暮らせる社会をつくっていくことです。同時に人権問題として世界共通の認識にしていくことが求められています。
 日本のジェンダーギャップ指数は、百四十九カ国中百十位です。そのもと性差別やハラスメントを許さない、女性をモノ扱いしないでとみずから声を上げる女性たちの運動が広がっています。
 今年度実施した男女共同参画に関する県民意識調査によりますと性別にかかわりなく個性と能力が発揮できる機会が確保されていると思うと回答したのは男性三五・三%に対し女性二五・七%で二年前より女性は二ポイント減っています。男性が非常に優遇されている分野に関する認識については家庭生活五四%、職場六一・六%、そして政治の場では七七・五%の方が男性優遇だと答えています。この風潮はいまだに続いています。
 性差別のない平等社会を推進する立場で質問します。
 まず、県庁の女性職員が働き続けられる環境整備について伺います。
 安倍政権は女性の活躍を掲げていますが、職場の男女差別、男女賃金格差、非正規雇用の差別解決にはまだほど遠い実態です。本県の正規職のうち女性は三割、非正規職の六割強が女性です。本県が率先して職員の女性の管理職登用を始め女性が働き続けられる職場環境を実践し民間企業に模範を示すことが求められています。
 質問です。一点目に男女問わず能力、資質、意欲、経験に応じた昇任、昇格をすべきですが、本県では管理職における女性職員の比率は平成三十年度四月一日現在一〇・七%、全国二十位前後です。県は取り組みの位置づけが低いのではないか、目標値を引き上げすべきです。今後積極的な取り組みを期待しておりますが、女性職員の管理職登用について現状認識と今後目標値引き上げに対する見解と、どのような取り組みを行っていくのか決意を伺います。
 次に二点目、仕事と家事、子育て、介護を両立させながら女性が働き続けられる職場環境整備はどのように行っているか。また男女職員ともにジェンダー平等推進の意識養成にどう取り組んでいるか伺います。
 三点目、セクハラは表面には出にくいデリケートな問題ですが相談は毎年数件あります。相談件数実態を踏まえ原因を分析した上で根絶に向けた取り組みはどのようなものか、以上三点伺います。
 次に、性暴力被害者への支援について伺います。
 法務省調査によりますと、性的事件の被害者が捜査機関に届け出たのは一四・三%です。被害者の方は自分さえ我慢すればと泣き寝入りをしてきた女性たちですが、被害を次の世代に続けさせてはならないとみずから立ち上がり女性たちの運動が広がっています。多くの被害者はどこにも相談できず心身に長期にわたる深刻なダメージを受け日常生活に支障を来しています。被害者がすぐにアクセスでき身体的、精神的ケアを受けられることはその後の被害回復、生活再建に極めて重要です。
 質問です。性暴力被害者センターSORAが昨年七月本県でも開設をいたしました。大変大きな一歩だと喜んでおります。被害者から相談を受け精神的負担を取り除きながら病院、警察、法律相談等の機関につなげる支援は重要な業務です。同時に事件のトラウマに悩み苦しみ続ける被害者への的確なカウンセリング、日常生活を取り戻すまで寄り添った支援も重要です。SORAが被害者に寄り添ってどのような事業を行っているのか実績、効果とともに課題、そして今後の展開策を伺います。
 また、暴力を受けた直後の被害者に対して医療的、精神的ケアを行えるワンストップセンターが全ての都道府県に整備をされ本県にもあると聞いています。本県の今後の充実方針を伺います。
 次に四つ目のテーマ、リニア中央新幹線の整備への対応について伺います。
 リニア計画は、二〇一四年六月の環境大臣の環境影響評価書への意見で河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い、事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないと警告していました。我が党はリニア整備に関して水枯渇問題での知事の姿勢を支持しておりますが、懸念材料は他にも環境に及ぼす影響、被害、残土盛り土による災害など多数あります。そのリスク対応について伺います。
 発生残土の盛り土置き場予定地は川の流れが急峻で、盛り土の崩落による下流域への土石流被害のおそれがあります。また日本で最大の地殻変動歴があり、複雑な地質と幾つもの活断層を横断する工事により南アルプスの水が抜けてしまい山の姿、自然が変わってしまう問題。工事に伴う環境破壊、希少動植物への被害などの課題があります。これら懸念をどう認識しJR東海にどう臨んでいくのか伺います。
 JR東海には、県に対し四十七項目の懸念がまだございますがその懸念を払拭できる説明材料は乏しいと思われます。今後県が交通整理役としてかかわってきますが工事着工推進の意思を持って乗り込んでくると予想されます。国の説得工作があったとしてもこれらの懸念が完全に払拭できるまで住民の暮らし最優先を貫き工事着工を認めるべきではありませんが、どう臨むのか知事の見解を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 本日の午前中の議会はお立場は違いますが女性パワーが炸裂した感がございます。鈴木議員は初質問とのことですが、この壇上にしょっちゅう立たれていることもあるせいか堂々たるものでございました。
 私は、リニア中央新幹線の整備への対応についてお答えいたします。
 リニア中央新幹線南アルプストンネルの工事予定地に向かう唯一の通行路、これは林道で東俣線と言われます。畑薙のダムから二軒小屋まで、二俣のところまで二十七キロ余りございます。この林道東俣線が先日の台風十九号により多量の土砂が流出するなど随所において通行不能となりました。これは管理するのは静岡市ですから復旧・復興は第一義的には市がなされなければなりませんけれども、これは作業道、リニア工事の作業道でもありますので作業員の安全の確保からJR東海さんにも責任がございます。この東俣線の中でJR東海が大規模な発生土置き場として計画している燕沢にも大きな被害が出ております。
 このような南アルプスで行われるトンネル工事における水枯渇問題以外のリスクについてのお尋ねでありますけれども水枯渇問題、いわゆる流量の問題、あるいは水質の問題、重金属の問題、発生土置き場の問題、それから監視体制の問題、こうした項目のほか四十七項目についてJR東海と科学的根拠に基づく対話を継続していこうと思っているわけであります。これらは専門部会においてまとめられたものでございますけれども、それ以外にもリスクという観点ではあると思います。
 御案内のように、実はこれ六百キロです。これがすれ違うと相対的な速度は一千二百キロと時速一千二百キロということになります。一千二百キロというそのスピードというのはどのぐらいかというと音速ですね、毎秒三百六十メートルを六十掛ける六十しますと一千二百六十キロになりますから音速ですれ違うという、そのリスクがどういうものかまだ我々は知りません。あるいは関電も東電も厳しい状態ですけれども電力源が十分に確保されるかという問題があると思います。それからこれをリニア中央新幹線は磁石で動くわけですけれども、磁場が当然、強い磁場が発生しているわけですけれどももちろんそれは車内におきましては遮蔽されていますけれども仮に外に出るようなことがあれば強力なそこには磁場があります。それがどういう人体に影響を及ぼすのかというリスクもあるでしょう。
 仮に停電になった場合、南アルプスのトンネル内で起こった場合にはそこから出なくてはなりません。非常口がありますけれどもこれは数キロにわたるということでございまして、出たところは山の中です。今のように寒いときですと凍え死ぬでしょう。そういうリスクもあります。ですからリスクを挙げていけば切りがなくて、こうしたリスクに照らすともうリニアは要らないという議論になりかねません。
 ですから、私どもはリニアの持っている可能性、これは技術革新、波及効果もたくさんあります。長年国を挙げて推進してきたものでもあります。ですからこのリニア工事と南アルプスにかかわる水資源、あるいは環境問題、これをどう両立させるかということは極めて挑戦的な大きな課題であるというふうに思います。これはそれこそ国民の英知を傾けてやらねばならないというように考えておりまして、私どもは当事者の一人としてそれに正面から向き合っているということでございます。
 今のところは、関係する省庁が参加する新たな枠組みで交通整理をしていただきながら県民の皆様の不安が完全に払拭されるまでは着工は認められないという姿勢で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) ジェンダー平等の実現についてのうち、県庁の女性職員が働き続けられる環境整備についてお答えをいたします。
 本県の女性管理職登用率は、平成二十五年四月から平成三十年四月までの五年間で三・五ポイント増加して一〇・七%となっておりますものの全国では第十九位となっており、今後女性登用の一層の推進が必要であると認識をしております。女性の管理職登用につきましては女性職員を対象とした能力発揮やキャリア形成意識の醸成に向けた各種研修を実施しております。また将来の管理職につながる課長代理や班長を初め計画策定や重点施策を担当するポストへの配置を通じまして管理職候補となる人材の育成に努めております。
 県の女性管理職登用の目標値一五%につきましては、国が第四次男女共同参画基本計画において地方公務員の成果目標を一五%としたことや本県のこれまでの女性管理職登用の状況により定めたものであります。しかしながら女性職員の比率が年々高まってきております。今後さらに高い目標の設定を視野に入れながら施策立案などさまざまな職務経験を積む機会を提供することなどによりまして女性の管理職登用を積極的に進めてまいります。
 職場環境の整備につきましては、依然として女性職員が家事や育児などの中心となっている場合が多く職場を離れざるを得ないといった実情を踏まえまして、各種休暇制度の拡充や弾力的な勤務時間の運用等により仕事と家庭生活を両立しやすい環境の整備に努めております。
 ジェンダー平等の推進は、男女双方にとってのワーク・ライフ・バランスを実現し誰もが活躍できる社会づくりに資するものであります。このため意識醸成につきましては、子育ての現状に関する講義や保育実習など子育てについての理解を深める次世代育成支援研修などにおける周知や男性職員に対する育児休業の取得の呼びかけなど性別による役割分担の意識をなくすための取り組みを進めております。
 セクシュアルハラスメントにつきましては、事案によりさまざまな原因があります。まずは悩みを持つ職員に対しまして庁内外の相談窓口や女性職員相互の相談制度であります女性よろずサポーターなどを通じて、詳細を確認した上で必要に応じ行為者に対する注意等を行っております。また行為者に悪意がなくても相手や周囲の方が不快と感じればセクシュアルハラスメントに該当するという原則を事例紹介などにより周知徹底をしております。
 今後も、県が模範となるようあらゆる機会を通じて女性職員が生き生きと働き続けることができる職場環境づくりに率先して取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 医療・福祉制度についてのうち、国民健康保険制度の課題と対応についてお答えいたします。
 保険料水準の統一につきましては、現状においては一人当たり医療費や収納率など市町間に差がありますことから静岡県国民健康保険運営方針に基づき医療費適正化の取り組みなどを進め、市町間の差を縮小できるよう市町と十分な協議を行いながら統一に向けた条件を整えてまいります。
 差し押さえの問題につきましては、実地検査の場などで滞納処分等の状況把握に努めるとともに、国の通知等に基づき個々の滞納者の状況を正確に把握しきめ細かな納付相談を行うよう市町を指導しております。今後も、研修会での先進事例の共有などにより市町の徴収事務が適正に行われるよう指導してまいります。
 市町の一般会計からの法定外繰り入れにつきましては、必要な支出を保険料と国庫支出金等で賄う健全な財政運営を目指し、国に対しまして十分な財政措置を働きかけながら市町の計画に基づき法定外繰り入れの削減、解消に努めてまいります。
 また、県による支援策につきましては市町の特定健診の受診率向上や生活習慣病の重症化予防などの保健事業を支援し健康寿命の延伸とともに医療費の増加抑制に努めてまいります。
 県といたしましては、市町とともに県民の皆様が安心して医療を受けられる持続可能な国民健康保険制度となるよう取り組んでまいります。
 次に、地域医療構想の課題と対応についてであります。
 地域医療構想は、いわゆる団塊の世代の全てが七十五歳以上となる二〇二五年を見据え限られた医療資源で増加する医療需要に応えるため効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指しております。構想の実現に向けましては、八つの区域ごと市町や地元医師会、病院等で構成する地域医療構想調整会議におきまして二〇二五年の医療需要に適応したサービスが確保できるよう協議を進めているところであります。
 調整会議におきましては、これまでも患者さんのニーズを把握されている各病院の方針や御意見を踏まえながら議論を進めてまいりました。
 県といたしましては、今後も引き続き各病院の方針を尊重しつつ調整会議の合意に基づいた医療機関の役割分担と連携を進め、医療サービスの低下を招かないよう地域に必要とされる医療の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 教育行政についてのうち、特別支援教育の課題についてお答えいたします。
 特別支援学校における児童生徒の増加への対応についてでありますが、特別支援学校の児童生徒数は年々増加しており本年五月一日現在で四千九百五十二名と十年前と比べて一千人以上増加しております。
 県教育委員会では、この十年間に本校四校、高等部分校七校を整備してまいりました。しかしながらそれ以上に児童生徒数が増加しており施設の狭隘化と児童生徒の通学負担が大きな課題となっております。
 この課題解消を図るため、平成三十年二月に静岡県立特別支援学校施設整備基本計画を策定し、この計画に基づき施設整備を進めております。このうち伊豆の国市と浜松市では令和三年四月の開校を目指して知的障害を対象とする新しい学校の建設に着手しております。また他の地域でも高等部の分校を含め新しい学校の設置に向けた具体的な検討を行っております。
 また、特別支援学校の教員につきましては全国的に非正規率が高くなっており、本県では新規採用教員の採用数を年々ふやしてきたことにより十年前と比べて全教員に対する非正規教員の割合が三割程度縮減しております。しかしながら特別支援学校の教員は専門性を必要とする職種でありますことからさらなる新規教員の採用が必要と考えております。
 このため、今後も教員採用試験における一定の経験を有する者に対する特別選考や大学生等に対するセミナー、介護体験などの啓発活動を通して志願者の増加を図りながら、計画的な採用を進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、特別支援学校に通う児童生徒が自分の可能性を最大限に伸ばすことができるよう狭隘化等の解消に向けた施設整備や教員の人材確保など教育環境のさらなる充実に努めてまいります。
 次に、特別支援学級の教育環境充実と教員負担軽減についてであります。
 近年、特別支援教育に対する理解が深まり県内の特別支援学級に入級する児童生徒が急増しており本年度は六千人を超え十年前の二倍以上となっております。
 県教育委員会では、教員の資質や指導力の向上を図るため特別支援教育に関する研修会を開催するとともに新たに特別支援学級を担当する教員向けに学習上の工夫や指導ポイントをまとめた特別支援学級スタートブックを作成しきめ細かい指導、支援につなげております。
 人的支援につきましては、七人または八人の多人数の自閉症、情緒障害学級に対して本年度は四十三人の非常勤講師を配置しておりますほか、市町教育委員会ではそれぞれの管内の学校に支援員を配置し本年度は二百八校で三百四十三人となっております。
 しかしながら、特に多学年の児童生徒が在籍する学級では授業や学級経営が難しくなっている状況が見られます。このため今後も市町教育委員会と連携し非常勤講師や支援員の配置の充実に努めるとともに、全ての教職員が特別支援教育に対応できるよう校種間の交流や研修の充実を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、学級編制基準の見直しにつきまして引き続き国に対して強く要望するとともに、児童生徒の個々の状況に応じたきめ細かい支援、指導が可能となるよう特別支援学級における教育環境の充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 教育行政についてのうち、教員の変形労働時間制と正規教員の増員についてお答えいたします。
 教員の長時間勤務は深刻な状況であり、その解消は喫緊の課題であると考えております。県教育委員会では未来の学校「夢」プロジェクトの成果を踏まえた業務の見直しや外部人材の活用などを進めるとともに時間意識の高い働き方の定着を図るため、勤務時間の上限に関する方針を定め令和二年度から日常的に勤務時間を把握できる新たなシステムを学校現場に導入することとしております。
 変形労働時間制につきましては、議員御指摘のとおり平日の長時間勤務の固定化、助長につながるとの指摘がありますが、改正法では制度の詳細は明らかにされていない状況であります。今後省令等の内容を確認し指摘されている懸念等について十分見きわめた上で市町教育委員会や学校関係者の意見を伺いながら検討してまいります。
 教員の負担軽減につきましては、これまで静岡式三十五人学級の完全実施やスクール・サポート・スタッフの全校配置、外国人児童生徒のための非常勤講師の配置などさまざまな施策を実施してきているところでありますが、学校に求められる役割が複雑化、多様化しておりより一層の体制の充実が必要と考えております。
 県教育委員会といたしましては、教職員定数の改善について国に対して強く要望していくとともに本年二月に策定した業務改革プランを着実に実行し学校における働き方改革や就業環境の改善に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) ジェンダー平等の実現についてのうち、性暴力被害者への支援についてお答えいたします。
 静岡県性暴力被害者支援センターSORAでは、専門の相談員が被害の状況を傾聴の上、病院、弁護士会、警察などの機関に同行し精神的な負担が軽減されるよう被害者のかわりに状況を説明するなど被害者に寄り添った支援を行っております。昨年七月の開設以来、本年十一月末までの電話や面接による相談は九百二十件、同行支援は四十件で支援件数は増加傾向にあります。これらの支援は被害者の心身の健康回復に役立っているものと考えております。しかし潜在化している被害もありますことから、より多くの方にSORAが安心して相談できる場所であることを知っていただく必要があります。
 このため、先月二十三日には三島市内で性暴力被害者支援に関する県民の皆様の理解を高めていただくためのシンポジウムを開催いたしました。駅等の電子掲示や関係機関の広報誌を活用するなどさらに広報を充実してまいります。
 県といたしましては現在東部、中部、西部の三カ所に二十四時間三百六十五日、被害直後の医療的ケアに対応できる協力病院を確保しております。今後さらにこの協力病院をふやすなど医療支援体制を充実してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 一番、鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 御答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきます。まず要望は一点そして再質問は四点させていただきます。
 まず、要望です。教員の変形労働時間制の問題です。
 確かに、長時間労働が助長されるという問題意識を教育長、部長も見解いただきましてありがとうございます。この問題は国会では成立をいたしましたが導入には県の条例改正が必要となります。学校現場では長期休暇まで心身がもたない、長時間労働が促進されると批判が強まっています。条例改正するかしないかは県の裁量です。先ほど御答弁では細かい指示がまだ来ないという御答弁でしたが、この変形労働時間制を導入するに当たっては本来であれば労使間協定が必要ですが、これはこの問題は政府は必要ないという見解で各自治体、県や政令市が条例改正すれば導入できるというふうにしております。ですので条例を改正しなければこの制度は導入できません。ですので条例改正する、しないというのは県の裁量が求められているのです。
 政府の見解、決定に従って条例改正を行うのではなくて教師の声や保護者の声を真摯に受けとめ判断することを求めます。
 では、再質問です。国保について二点お伺いします。
 滞納に対する差し押さえの実態調査と是正指導についてですけれども、研修会で説明しているとかことごとく市町には説明しているというお答えでしたけれども、実際県内の市町では大変暮らしを顧みない冷たい差し押さえが強行されています。不動産の差し押さえをされれば一家は離散をせざるを得ない。そして年金や預貯金を差し押さえられれば生活できない。何とかこの暮らしを理解してほしいというすがるような相談があっても、それに対して容赦なく差し押さえをしているこの実態をちゃんと把握をしろと、そして是正指導すべきだという質問をいたしました。それに対する答弁が私にはまだ伝わってきておりませんので再度確認をさせていただきます。
 それと国保料の減免措置についてですけれども、政府の見解では一般会計から繰り入れについては解消、削減せよという指導はありますけれども国保法七十七条による減免措置への公費繰り入れはその削減したり解消すべきという対象にはなっておりません。預けてよい繰り入れと判断をしております。
 私は先ほど減免、県の立場で減免措置をできるように県が独自で公費繰り入れをすべきだという質問をいたしましたので、それに対するお答えが私にはまだちょっと不明瞭だったのでもしお答えがあったかと思いますが再度御答弁をお願いをいたします。
 そして質問、最後にいたします。特別支援学校の配置についてですけれども、いろんなこれから高校だとか分校の配置予定があるというお答えはいただきました。ただ私の問題意識は規模が大き過ぎる、そこでもっと規模を小さくして百人を超えないだとか、小中学校の隣に配置をするだとかそうした障害を抱えている子供さんたちの立場に寄り添った配置方針、基本方針を伺いましたので、その辺の御回答を再度確認させていただきまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 国民健康保険制度の課題と対応につきまして、二点再質問をいただきました。
 まず一点目でございます。滞納差し押さえの関係でございますけれども所得の低い世帯に対しましては保険料を軽減する措置が講じられておりまして約五割の世帯が軽減の対象となっております。保険料の支払いが過重な負担とならないよう一定の配慮がされているところであります。
 滞納者対策につきましては、市町において被保険者の実態把握の上きめ細かな納付相談を行いまして滞納者の解消に努めているところでございます。被保険者が再三の督促、催告にもかかわらず納入に応じない場合には費用公平の観点から差し押さえ予告通知書を送付した後に差し押さえを行っていると承知しております。
 県といたしましては、今後も国通知に基づく適切な対応がされるように引き続き指導をしてまいります。
 二点目でございます。減免措置についてでございますけれども先ほど申しましたように国民健康保険の運営につきましては保険料と制度設計を行う国からの国庫支出金の公費で賄うのが原則となっております。一般会計の財源を使ったりして保険料を引き下げることは他の保険の加入者が国民健康保険の保険料を負担することにつながりますので慎重に考えるべきと考えております。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) 特別支援学校に係る再質問について、お答えをいたします。
 最初に、大規模校の解消につきましては先ほども教育長が御答弁申し上げましたが狭隘化の解消と一体を成すものだと考えておりまして、本年度令和三年の四月の開校を目指して伊豆の国市と浜松市で新しい学校の設置を考えているところでございます。これによりまして大規模校が少しでも解消されるような形で取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、県教育委員会では共生教育ということを教育理念として重要と考えております。高等部の分校もしくは議員から御提案ありました小学校等への配置ということに関しましてもあらゆる方策を考えまして特別支援教育が円滑に進むように取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) これで鈴木節子君の質問は終わりました。
 議事の都合により、休憩します。

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