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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成19年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中沢 公彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2007

会派名:

自由民主党


質疑・質問事項:

1 多文化共生の地域づくりの推進について               
 (1) 地域社会における多文化共生                   
 (2) 外国人の子供たちへの教育                    
 (3) 多文化共生に係る県の国要望                   
2 浜名湖ガーデンパークの活用について                
 (1) 管理運営                            
 (2) 浜名湖フラワーフェスタの今後の方向性              
3 安間川の河川整備について                     
4 浜松市立高等養護学校に対する支援について



    ○副議長(吉川雄二君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、十三番 中沢公彦君。
            (十三番 中沢公彦君登壇 拍手)
    ○十三番(中沢公彦君) 私は自由民主党所属議員として通告に従い当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長及び教育長に質問をいたします。
     初めに、多文化共生の地域づくりの推進についてのうち、地域社会における多文化共生について伺います。
     法務省の在留外国人統計によりますと、平成十八年十二月末で県内に居住する外国人住民は約十万人、県民の四十人に一人は外国人であります。国全体で見ても我が国には二百八万四千九百十九人の外国人住民が居住しており、十年前に比べ約一・五倍の規模となっております。  
     こうした数字を持ち出すまでもなく、県西部地域の各自治会や町内会などでは多数の外国人が地域の中で働き、かつ地域住民として暮らしております。それらの方々の中には就学年齢の子供とともに家族で生活し母国に帰国する具体的な見通しも持たず、結果的には長期滞在の形で居住しているとのマスコミ報道もあります。
     確かに、生まれた国と異なる国で言葉もわからず文化や価値観さらには生活習慣も違う条件の中で暮らしていくことは、外国人の住民にとっては大変なことだとは思います。このようなことから、外国人住民のマナーとして問題視されることとして、一つはごみ出しルールを守らないこと、二つ目は隣近所の迷惑を考えず大勢で騒ぐこと、三つ目はあたり構わず駐車してしまうことがよく言われます。いずれも日本の住民からすれば当然のことであり、それを守らない外国人住民はとんでもないとなるわけです。さらに、言葉が通じない状態で相手の立ち振る舞いを毎日目にし耳にすることにより、やはり外国人はとの思いが強くなっていくわけであります。
     しかしながら、県西部地域の自治会や町内会などでは、地元の自治体や市民団体などと協力して外国人住民に地域のルールや習慣を理解してもらい、トラブルを発生させたり交流もせずに相互不干渉で暮らしたりすることなく、日本人住民と外国人住民とが一緒になって地域住民として共生しているところもあると聞いております。こうした県西部地域を中心とした自治会や町内会の取り組みは、外国人住民とどのように共生していけばよいのか、あるいはどんなかかわりを持って暮らしていけばよいのかといった課題を抱える県内のほかの地域にとって非常に参考となる事例だと思われます。
     地域における外国人住民との共生は一義的には地域住民の課題であり、これに住民サービスを担当する市や町が連携して推進していくべきものでありますが、さらに昨今の人の移動の広域化を踏まえると、県としても取り組むべきことが多いのではないかと思います。
     そこで、県として県内で進む外国人住民との共生の実態に対して、県の現状認識と県としての取り組み及び対応方針をお尋ねいたします。
     次に、外国人の子供たちへの教育についてであります。
     私の自宅の近所にブラジル人学校がありますが、様子を見ていますと、授業がお昼近くから始まるなど学校としてしっかり機能しているかどうかなど疑問に思う点が多々あります。ブラジル人学校へ通っている子供たちの親は、当初は二、三年で帰国するつもりでいても実際には滞在が長期化する場合が多く、県内にはブラジルの義務教育年齢である五歳から十四歳の子供は約五千五百人住んでおり、このうち日本の公立学校や私学のブラジル人学校のいずれにも通っていない不就学児は七、八百人いるとの推計もありますが、その正確な数さえ把握されていない状況であると伺っております。また公立学校に通っている児童生徒についても、言葉や生活習慣の違いから学校生活についていけず不登校となるようなケースもあり、学校現場はそうした子供たちへの対応で大変な苦労をされているとも聞いております。
     このような地域での外国人の子供たちへの対応はまだまだ課題が多く、特に外国人の親が転居に伴う外国人登録手続を怠ることで居住実態を自治体が把握できない子供たちが多く存在することが想定されます。私は今後ますます増加することが見込まれる外国人の方々とともに、魅力あるしずおかづくりを進めていく真の多文化共生社会を実現する上で、現在静岡の子供であるこうした外国人の子供たちを将来も静岡で生活するであろうことを前提に、県としても今のうちからしっかりと教育していくことが何より大切であると考えております。
     その一つの方法として、磐田市が実施している多文化交流センターのような公立小中学校へ通っている外国人の子供の宿題や日本語の支援、外国人学校へ通っている子供の日本語支援のみならず、学校へ通っていない子供の支援を行う事業への取り組みが必要ではないかと考えています。また先般の知事のブラジル訪問に関する新聞報道で、ブラジル政府に対し外国人学校への教師派遣を要請し理解を得たとの記事を読みましたが、その取り組みができるだけ早く具体化することについても強く願う思いであります。
     そこで、県教育委員会では外国人児童生徒への教育についてどのように取り組んでいるかお伺いします。あわせて、不就学の子供を含めた今後の外国人児童生徒の教育についてどのように考えておられるのか、教育長にお伺いします。
     次に、多文化共生に係る県の国要望についてであります。
    数カ月前の外国人研修・技能実習制度見直しについての報道で、我が国は原則として外国人を単純労働としては受け入れていないということを知りました。それでは素朴な疑問として、私の家の近くに住む外国人が製造現場で機械の組み立てなどの仕事についているのはなぜでしょうか。現実には、外国人研修・技能実習制度で来日している中国人を初めとするアジアからの人々と、日本国内での活動に制限のない定住者という資格で滞在する日系人が事実上の単純労働者となっているのです。
     外国人登録の在留資格の状況を調べてみますと、平成十八年末の全国の外国人登録者数約二百十万人のうち定住者は約二十七万人で、そのうちブラジル籍が約五六%を占める約十五万人、次いで中国籍が一二%の約三万三千人となっています。さらに定住者と同様に日本国内での活動に制限のない永住者などの在留資格も合わせると全国で約九十四万人、約四五%が、本県では約七万五千人、約七七%がほぼ日本人と同様に就職や就学ができる環境で生活していると考えられます。
     この方々は将来も日本で暮らす可能性が高いと思われますが、果たして現在の我が国の外国人に対する就労や教育、県や市、町における行政サービス等の環境はそれに適応できているのでしょうか。外国人住民が多く居住し課題に対してこつこつと対策を整えてきた市や町に聞くと、「市や町の対応には限界がある、そもそも国が単純労働者を受け入れない方針をとったまま、実際には多くの外国人が地方に居住し単純労働に従事している現状を踏まえて、労働や教育環境、外国人の居住実態を正確に把握し制度整備などに真剣に取り組んでくれなければ」とのことでありました。
     これまで述べてまいりました外国人との地域共生や外国人の子供たちへの教育を初め、外国人に関係する課題への対応について突き詰めて考えてみますと、私も国がしっかり方針を持って制度を整えるべきだとの思いが強くいたします。昨年度、県が多文化共生に関する施策の方向性などを有識者に話し合ってもらうために設置した静岡県多文化共生推進会議の提言を読ませていただきました。ここには関係主体の役割と取り組みが明確に示されており、県の施策の方向の中に国への要望が位置づけられております。
     そこで、真の多文化共生社会の実現を強く願って、県の国に対する多文化共生社会構築のための要望の状況についてお伺いいたします。
     次に、浜名湖ガーデンパークの活用についてのうち、管理運営について伺います。
     平成十六年四月八日から十月十一日まで百八十七日間にわたり開催された浜名湖花博から、早いもので三年が経過しました。浜名湖花博は目標の五百万人を大きく上回る入場者を迎え、多くの人々に感動を与えるとともに、花と緑の関連産業にとどまらず観光や食品加工・販売など幅広い産業に恩恵をもたらし地域経済に貢献しました。
     浜名湖花博の会場となった浜名湖ガーデンパークは都市公園として再整備され平成十七年六月に開園して以来、県民の憩いの場として、また浜名湖フラワーフェスタや昨年夏に実施された大規模コンサートなどイベント開催による地域振興の核となる施設として、二百万人を超える大変多くの方が訪れているところであります。これはガーデンパークフレンズと呼ばれるボランティアの方々が植栽や施設案内、体験教室の開催などさまざまな分野で活動していること、園路の幅を広くしたり傾斜を緩くするなどユニバーサルデザインに配慮していること、また昨年度、飲食施設や北駐車場トイレを設置するなど利用者の声を踏まえた施設整備を順次行っていることなど、特色ある管理運営が利用者に評価されているからであると伺っており、特にボランティアの方々の意欲的な活動に対しましては、心より敬意を表するところであります。
     しかしながら、開園から三年を迎え開園効果も薄れてくることから、今後もこれまで同様の来園者数が維持できるのか、また利用者から高い評価を得ることができるのか、さらに全国に情報発信できる地域振興の核施設としての評価を得ることができるのか、まさにこれからが正念場ではないかと思う次第であります。
     ボランティアや園芸事業でガーデンパークの運営に携わっている関係者の一部からは、花や苗の品質の程度や単調にならないような品種のデザインも含めた工夫、またふれあい花壇等ボランティアの方々による管理に今後どこまで依存していくのかなどの改善の余地があることも聞いております。一方、行政の効率化は至上命題であり浜名湖ガーデンパークも例外ではありません。今後の公園運営に当たっては、指定管理者制度の導入を含め抜本的な管理運営体制の見直しを行い、効率的、効果的な運営を進めていく必要があると感じております。
     そこで、限られた予算の中で質の高い公園施設を維持しいかに多くの県民の皆様に利用していただくか、今後の具体的な取り組みについて伺います。
    次に、浜名湖フラワーフェスタの今後の方向性について伺います。
     浜名湖ガーデンパークを舞台に昨年から開催されているイベントが浜名湖フラワーフェスタであります。私もこのフェスタは大変楽しみにしており、ことし四月に開催された浜名湖フラワーフェスタ二〇〇七に行ってまいりました。静岡県産花卉の紹介やフラワーデザインを中心とした屋内展示、屋外の大小さまざまな創作花壇作品はどれも個性があり、生活の中に花や緑を取り入れる提案がなされていました。また屋外ステージの実演や体験教室を通して、ガーデニングやフラワーデザインを始めた方も多いのではないでしょうか。
     ことしのフェスタで特に私の印象に残ったのが、小学生以下の児童や幼児を対象に実施した私の夢の庭コンテストでした。展示されていた九百七十もの図画作品はどれも夢があふれていました。最優秀作品に選ばれたケーキや滑り台をデザインに取り入れた作品は、花や緑を使って実物として展示され大勢の方に取り囲まれていました。会場は自然で穏やかな笑顔があふれていました。本当に花と緑は人々の心を豊かにする魅力があるものだなと私は思いました。浜名湖フラワーフェスタはまだ二回しか開催されていませんが、既に本県の花と緑のシンボルイベントとして定着しつつあるというのが率直な私の感想です。
     このように大変多くの方が訪れる浜名湖フラワーフェスタですが、観光や地域産業の振興の面から、私はまだまだ引き出せるポテンシャルがあると考えています。平成二十一年春には富士山静岡空港が開港します。これにより、国内はもとより海外からも多くの方が静岡に訪れやすくなります。また花や緑は静岡県の重要な産業であり、富士山静岡空港の開港を契機に浜名湖フラワーフェスタのより一層の充実を図るべきと考えますが県の考えを伺います。
     次に、安間川の河川整備について伺います。
     安間川は一級河川天竜川の右支川であり、その流域は暴れ天竜のはんらん原が徐々に農地に変えられ、現在では住宅や工場が密集しJR東海道線、新幹線、国道一号及び東名高速道路といった交通の要衝が集中し、広域的な物流、交流にとって重要な地域となっております。その河川の成り立ちから流域は旧河道など低平地で排水の不良な地域となっており、東名高速道路の下流を中心に過去幾度となく浸水被害をこうむってきました。近年では市街化の進展とともに水害に対する安全度は低下し、平成十年には床上浸水二十一戸、床下浸水百七戸と甚大な被害が発生しております。
     これを機に、県ではたび重なる浸水被害対策として安間川の抜本的改修に取り組み、県内初の試みとして現地のNPO法人が主体となって流域住民の合意形成に向けた熱心な活動が展開されるなど、計画段階から住民との協働による整備構想が取りまとめられ、これをもとに河川整備計画が策定されたわけでありますが、当時私もこれらについては大変すばらしい取り組みだと非常に関心を持って見ていたところです。
     このような協働の取り組みは根強く浸透しており、ことしの五月には河川里親らにより安間川の堤防をスイセンの花でいっぱいにしようと球根を植える安間川水仙十年プロジェクトや、八月には安間川宝探し―魚捕り大作戦、たらい漕ぎレースがNPOやボランティア、地域住民により開催されるなど河川愛護や環境教育の活動が頻繁に展開され、安間川への愛着や思いは年々高まりを見せているのではないでしょうか。
     このような住民活動を背景に、県では整備計画に河道改修と遊水地の築造による治水対策を位置づけ改修を進めていることと思いますが、河川整備の概要と現在の改修状況について伺います。
     また、市野町、上石田町、下石田町に計画されている遊水地については大規模な施設であり、地域が分断されるなど周辺住民の生活に大きな影響があると考えます。一方、私も静岡市の麻機遊水地も見ておりますが、自然環境や利用の点で市街地における貴重な水辺空間になるものと、またそうしなくてはならないと強く感じているところであります。
     そこで、今後の遊水地整備に際して、周辺の道路整備や通園通学路の適正な確保、学校の部活動での利用や管理方法、遊水地とその周辺の安全管理など、県だけでなく浜松市と地元自治会や関係者との連携、役割分担が必要なことはもちろんでありますが、地域の意見や要望等を整備に反映させるためどのように進めていくのかあわせて伺います。
     最後に、浜松市立高等養護学校に対する支援について伺います。
     静岡県の特別支援学校の児童生徒数は年々増加傾向にあり、特に知的障害の児童生徒を対象とする県立特別支援学校の高等部の生徒数は、五年前の平成十四年度には七百六十人余であったのが今年度には千人を超えるというように一・四倍近い状況です。また県立特別支援学校全体の児童生徒数も三千人余から三千六百人余というように一・二倍となり増加の一途をたどっております。
     私は県西部地域に居住しておりますが、西部地区の知的障害の特別支援学校である県立浜松養護学校においても児童生徒数は増加しています。この状況に対し仮設校舎を建設する等の対策を講じていますが、それでも対応し切れず教室不足の状態であると聞きます。これに対し県は平成十八年十月に盲・聾・養護学校基本計画を策定し、特別支援学校の狭隘化や通学困難に対し対策をとられてきているわけであります。浜松市立浜北養護学校の県立移管もその一つと聞いています。
     さて、学校教育法第七十四条では特別支援学校の設置義務は都道府県にあると規定されているわけでありますが、全国的な傾向として政令指定都市は市立の特別支援学校を設置しております。浜松市は周辺十二市町村と合併し、平成十九年四月政令指定都市としての新浜松市として歩み始めました。この動きに合わせ、浜松市は浜松市立高砂小学校の跡地利用を想定した浜松市立高等養護学校設置基本方針を打ち出しました。この学校は、浜松市内の中学校にあります特別支援学級――発達学級の卒業生の受け皿とし、障害の程度の軽い子供への教育を目的としたものであります。こうして県と市が協力して特別支援学校の整備を進めることが施設の狭隘化や児童生徒の通学困難を解消し、障害のある子供たちへの教育環境を整備する上では必要なことであると考えます。また今後の特別支援教育の推進には欠かせないことと考えております。
     そこで、県と市双方の協力体制についてであります。協力体制が必要なのはハード面ばかりではありません。県立特別支援学校が持っている教育技術、運営等のノウハウを含めたソフト面での協力体制も重要になってくるわけであります。浜松市が市立高等養護学校を設置するに当たり、県としてどのような協力や支援をお考えか教育長に伺います。
     以上で私の質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(吉川雄二君) 石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 中沢公彦議員にお答えをいたします。
     初めに、多文化共生の地域づくりの推進についてのうち、地域社会における多文化共生についてであります。
     県内の外国人が年々増加している中で、外国人の転出入が頻繁であることや日本語能力の不足、文化、習慣の相違などから地域社会での交流が円滑に行われておらず、その対応に苦慮している地域が多くなっております。このため県では地域における外国人との共生を進めるため、国への要望活動を行うとともに、去る七月末には多文化共生を考えるシンポジウムを開催したところであります。
     また、在日外国人子弟の教育問題も極めて重要でありますことから、先月私がブラジルを訪問した折にもブラジル政府の教育副大臣、サンパウロ市長等と意見交換を行いました。特にサンパウロ市のカサビ市長とは、在日ブラジル人子弟の教育問題を初めとする多文化共生社会の推進に向けて、県と同市が共同で研究会の設置を目指すことで合意をしたところであります。今後これが実現をするということになりました際には、県内の関係する市や町にも呼びかけてこの研究会にも参加していただこうと考えているところであります。
     今後とも市や町、企業やNPOなどの関係機関とも連携しながら、地域社会における住民相互の理解や協力が円滑に行えるような環境づくりに取り組んでまいります。
     この多文化共生に際しては、何も我々日本人が遠慮して外国の人が伸び伸びと自由奔放に住んでいただくようにするなんていう必要はないわけですね。我々の持っている地域の伝統、風俗、習慣、これをきちんとここに居住する外国人に理解をしてもらうということがまず大前提でなければいけないと思います。その上に立って、ある範囲で許容できる限りはその人たちの日常生活に過重に介入しないということが基本でなければならないと思うんですね。そういう観点で多文化共生の問題も考えていかなければいけないと思います。そういう上で、我々はやはり外国人に対して接する場合にも何が違うのかと、風俗、習慣や文化の上で何が違うのか、そういうことについても十分わきまえて、その認識の上に立って相手にきちんと我々の側の状態を認識させると、これが大事だと思うんですね。
     実は、私も本当に初めてブラジルへ先月参りまして、それだけでも犬も歩けば棒に当たる式に大変得るところも多かったなと思ったんですけれども、例えば学校のことも中沢議員お触れになりましたけれども、ブラジルに行って聞いておりますと、義務教育段階での学校の二部制、三部制は当たり前だというんですね。二部制、三部制というのは午前中行って帰る子、午後出かけていって夕方終わる子、夜出かけて夜授業を受ける子、こういうことが当たり前だというような状態であるということとか、あるいは交通信号についても青信号だから安心しちゃいけないということもたびたび言われました。青信号でいいと思って左右注意しないで渡って自動車にはねられて、何か被害を受けても歩行者の責任だと。車両優先だそうです。ましてや夜十時以降になりますと、基本的には車は赤信号でも左右見て支障がなければとまるなと。とまれば強盗に遭うチャンスが多いということだそうです。というようなことでありますので、日常生活の感覚がまるっきり例えばブラジルの場合と日本人の場合違うわけですね。そういう非常に大きな隔たりがあるということを前提に説得というんでしょうか、理解をさせなきゃいけない。そういうことも痛感をして帰ってきた次第でありまして、多文化共生は理念として追求することは必要でありますし、どんどんやっていかなきゃいけないわけでありますが、なかなか大変なことだなという印象を持って帰ってまいりました。それだけに県、市や町、NPO各方面と連携をとって粘り強くこの問題に取り組まなきゃいけないというふうに思います。
     次に、浜名湖ガーデンパークの活用についてのうち、浜名湖フラワーフェスタの今後の方向性についてであります。
     浜名湖フラワーフェスタは、花と緑にかかわる産業振興や花と緑のある生活文化の普及定着などを目的に開催をいたしております。昨年、本年ともに目標の五万人を上回る来場者を迎えることができました。
     来年四月に開催するこの浜名湖フラワーフェスタでは、フラワーデザインやハンギングバスケット、大小の庭の展示に加えて、特に県内各産地を代表する花や県内で育成されたオリジナル品種の展示の充実を図るよう計画をしております。また浜名湖フラワーフェスタは多くの人が集まるイベントでありますことから、花の生産農家や企業・研究所などを訪問する産業観光ツアー、自動車・楽器などの地元製品と花を組み合わせたディスプレイ、地場産品の販売コーナーの拡大など観光や地域産業との連携について、地元の商工団体や観光関係者等と検討しているところであります。
     さらに、富士山静岡空港の開港と浜名湖花博開催五周年の年に当たります平成二十一年の浜名湖フラワーフェスタは、浜名湖花博で開催し全国的にも注目されました国際レベルの庭づくりの競技会でありますワールドガーデンコンペティションを同時開催し、花と緑の県、静岡を国内外にアピールする総合的なイベントにしてまいりたいと考えております。
     その他の御質問につきましては関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
    ○副議長(吉川雄二君) 遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) 多文化共生の地域づくりの推進についてのうち、外国人の子供たちへの教育についてお答えいたします。
     県教育委員会といたしましては、平成四年度から外国人の子供たちが言葉や習慣の違いを乗り越え安心して教育を受けられるよう、外国人児童生徒が多く在籍する小中学校に外国人児童生徒担当教員を配置したり、昨年度は外国語に堪能な相談員や指導協力員を各学校等に年間延べ千八百回以上派遣したりするなどして、個に応じた適応指導等に取り組んできております。
     また、本年度から新たにモデル事業として外国人が多く居住する富士市や磐田市、湖西市など六市を指定し、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対応するために取り出し授業をふやして個々の実態に応じた日本語指導や学習支援を充実させるとともに、不就学や就学前の子供たちのためにはポルトガル語などによる学校説明や保護者相談の場を設けるなど、就学促進のための実践研究を開始したところであります。
     今後とも市や町の教育委員会との連携のもと、親が働く地域や企業の協力を得ながら外国人の子供たちの暮らし満足度を高めるための具体的な支援のあり方を継続的に研究し、一層きめ細やかな対応に努めてまいります。
     次に、浜松市立高等養護学校に対する支援についてであります。
     議員御指摘のとおり、浜松市は市立の高等養護学校を設置する方針を打ち出したところでありますが、このことは県といたしましても、これからの特別支援教育を推進していく上で重要なこととして受けとめております。
     市立高等養護学校職員の給与は市町村立学校職員給与負担法や条例等に基づき県が負担することとなっておりますし、その他につきましても、今後は浜松市からの要望をしんしゃくしつつ、県としてできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。現段階において考えられる支援の内容といたしましては、市立高等養護学校と県立特別支援学校との間での人事交流や県と市の職員が共同で研修を実施し資質向上を図ることなどが挙げられます。
     また、高等部教育において重要となる作業学習や進路指導、さらには生徒の入学選考に関することなどについてこれまで県立特別支援学校が培ってきたノウハウを共有し、県と市の双方が協力、協働することで高い教育効果が期待できるものと考えております。
    ○副議長(吉川雄二君) 稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長(稲津成孝君) 多文化共生の地域づくりの推進についてのうち、多文化共生に係る県の国要望についてお答えいたします。
     多文化共生の地域づくりを進めるためには地域では対応できない課題もあることから、国において必要な法制度等を整備することが強く求められております。このため県では、国に対し外国人登録制度の抜本的な改正や教育の充実、適正な雇用の推進、犯罪人に対する引き渡し条約の締結等について、これまで県独自の要望のほか全国知事会や中部圏知事会などを通じて要望してまいりました。今後とも市や町、静岡県多文化共生推進会議などの意見を踏まえつつ、在留管理や労働環境、教育などの課題に対して、国が的確に対応するよう要望してまいります。
    ○副議長(吉川雄二君) 衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長(衛門久明君) 浜名湖ガーデンパークの活用についてのうち、管理運営についてお答えいたします。
     開園から三年目に入りましたことしは、来園者数はほぼ前年並みに推移しており、かつリピーターが七〇%を超えるなど県民の皆様に定着してきたものと考えております。より多くの方に訪れていただくため、今年度はオープンカフェの増設や園内移動手段の充実を図るための家族自転車の貸し出しを行うなどサービスの向上に努めているところであります。これからも年四回実施している来園者アンケートによるニーズをきめ細かく把握し、地元関係機関で構成する意見交換会やボランティアの方等からの御意見なども参考に公園の満足度を向上するための改善に取り組むとともに、積極的なイベント誘致を進め、ガーデンパークの魅力を全国に発信するよう努めてまいりたいと考えております。
     また、効率的、効果的な管理運営を行うため経費節減に努める一方、公園の象徴であるモネの庭の管理水準の向上を図るなどめり張りをつけた施設管理を行うとともに、指定管理者制度の導入も念頭に引き続き管理運営体制のあり方について検討してまいります。
     次に、安間川の河川整備についてであります。
     安間川につきましては、おおむね十年に一度の大雨による洪水から浸水被害を防止することを目的として整備を進めておりますが、河道改修だけでは多額の事業費を要する国道一号や東海道本線などの橋梁のかけかえが必要となるため、特に流下能力の低い東海道新幹線上流から主要地方道浜松環状線までの約八・三キロメートル区間の河道改修を行うとともに、東名高速道路下流東側の約六・六ヘクタールに遊水地を築造することとしております。
     整備状況につきましては、河道改修に先行して遊水地を築造することが長上地区などの浸水常襲地域の早期被害軽減に効果があるため、平成十七年度より用地買収を進め、現在までに全体の約半分に相当する三・三ヘクタールを取得しておりますが、ある程度まとまった用地を取得した時点で工事に着手し暫定調整池として活用することで早期の効果発現を図ってまいります。
     また、遊水地の築造により生じる道路の分断や水路の機能確保などの課題につきましては、県、浜松市及び地元の自治会代表などで構成される安間川遊水地整備対策協議会を開催して検討を進めているところであります。さらに、住民に親しまれる水辺空間の創出についても、用地取得の進捗状況を見ながら協議会を中心に地域住民の皆さんなどの幅広い協働により計画づくりを進めてまいります。
    ○副議長(吉川雄二君) これで中沢公彦君の質問は終わりました。

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