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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 哲司 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/07/2015

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 「いのちを守る」について                    
 (1) 地籍調査の促進                        
 (2) 親しまれる河川管理                      
2 「いのちを育む」について                    
 (1) 米の地域ブランド                       
 (2) 魅力ある学校                         
3 「いのちを延ばす」について                   
 (1) 壮年世代の社会参加                      
 (2) かかりつけ薬局の普及                     
4 「いのちを思う」について                    
 残菜ゼロの学校給食  


○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十四番 大石哲司君。
       (二十四番 大石哲司君登壇 拍手)
○二十四番(大石哲司君) 皆さんこんにちは。私はふじのくに県民クラブ所属議員として通告に従い、一括質問方式により知事、関係部局長及び教育長にお伺いいたします。
 私は、今回の一般質問に当たり会派の政策理念の一つ、「命」をテーマとして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 最初に、命を守るについての一点目、地籍調査の促進について伺います。
 ここで言う地籍調査というのは、市町村が主体となって土地の所有者や地番、地目を調査し境界の位置と面積を測量することを言います。地籍とはいわば土地にかかわる戸籍のことで、その記録は法務局において管理されていますが、図面は明治時代につくられた公図等をもとにしたものを使用している地域がおよそ二分の一あります。この旧図――古い図は境界や形状が現地とは異なっている場合が多く面積も不正確なため、登記情報を正確なものにするために各地で地籍調査が進められています。
 九月に鬼怒川の堤防が決壊した茨城県の常総市。まるで津波被害にあったかのような惨状がニュースで幾度となく放映されました。この地域の現状はどうかといいますと、堤防の応急工事は終了いたしましたが周辺の民地はほとんど手つかずのままで、復旧には相当の時間がかかるようです。というのもこの地域は地籍調査が完了していなかったため民地と民地の境界、道路と水路と民地の境界を双方が立ち会って土地の権利関係を復元していく作業が必要なためです。一方東日本大震災の被害に遭った沿岸のほとんどの地域は地籍調査が終わっているため、津波で土地の境界や構造物が流出しても速やかに境界を復元し復旧工事に着手できたと聞いています。
 本県はどうかといいますと、地籍調査に着手してから六十年余が経過していますが全国平均の五一%に比べ半分以下の二三%台の進捗率にあり、大きくおくれています。インターネットで地籍調査の進捗状況が閲覧できるサイトがございます。それによると県中部の吉田町や菊川市など既に地籍調査を完了している市町がある一方、これまで地籍調査に手をつけたことがないという未着手地域が一市三町、着手はしたものの今は休止している市町が伊豆半島の賀茂地域に集中していることがわかります。このように地籍調査への取り組みがおくれたまま放置しておきますと、南海トラフ巨大地震などの災害復旧工事に支障が出るのではないかと危惧しています。
 そこで、このような未着手、休止市町の解消を含めて今後地籍調査をどのように促進していくのか、県の取り組み方針について伺います。
 次に、命を守るについての二点目、親しまれる河川管理についてお伺いします。
 近年の地球温暖化に伴い局地的な豪雨が頻発しており、先ほどもお話ししたように茨城県の鬼怒川が決壊するなど各地で甚大な浸水被害等が発生しています。浜松市内でも九月の豪雨では河川水位が氾濫危険水位を超過するとともに、浸水被害や道路冠水が発生し流域では多くの住民に避難勧告などが出されました。このように河川の水位が氾濫危険水位まで上昇した場合には河川の堤防や護岸といった河川管理施設の被災を確認する作業が必要となります。浜松市の東区を流れる馬込川や安間川の安全確認をしていただいた住民の方から堤防の異常を知らせる第一報が私の携帯電話に入りました。即刻被災現場を確認しようとしましたが、堤防道路が整備された箇所については容易に現場確認ができましたが、堤防に草などが生い茂っている箇所については川に近づくことさえできず確認が不可能でした。河川は御存じのように治水機能に加え利水、環境などの機能を有する地域の貴重な財産であります。県内の河川では河川管理者による維持管理業務や河川管理協力員による河川の監視、地域住民による除草、清掃などの環境美化活動が行われています。
 千葉県の手賀沼が、昭和四十九年から実に二十七年間全国の湖沼ワーストワンが続いていて、その原因の一つに手賀沼に流れ込む大堀川の汚染が挙げられていました。柏市の中心部を流れる大堀川は水質汚濁が進み多くのゴミや自転車、バイクまでが捨てられている悲惨な状況が長年続いていました。この解決策として打ち出されたのが市民に大堀川の惨状を見て知っていただくということです。この場合の見るとは、ルックやシーではなくウオッチすなわち市民の目で観察する、監視するということを続けた結果、市民が大堀川に愛着を持っていただけるようになり、今なお環境保全活動が継続されていると伺っております。
 地域住民による除草や清掃作業のように、断続的に河川にかかわっていただくことも大切なことですが、ふだんから多くの目で河川の現状を見てもらうことができれば堤防の異常や損傷などに早期に気づくことができます。地域住民から発信された有益な緊急情報を適切な対応につなげていくことができます。さらに近年急速に普及したスマートフォンを活用して県民と行政が一体になった河川管理を進めていく仕組みも可能ではないかと考えています。そのためにも県民に親しまれる河川管理についてどのように進めていこうとしているのか、県当局のお考えをお伺いします。
 次に、命を育むについての一点目、米の地域ブランドについてお伺いいたします。
 皆さんは「青天の霹靂」と聞いて何を思い浮かべますか。これは青森県産としてことしデビューしたブランド米です。おいしさを判定する食味ランキングで青森県産として初めて最高評価を獲得いたしました。これまで米の産地といえば北陸や東北が中心でしたが、温暖化の影響もあってこれからは北海道が米づくりの最適地という声も出始めています。そのような中それぞれの地域に合う米の品種改良が進み日本各地でブランド米が続々と誕生していて、その数は五百種を超えると言われています。北海道の「ゆめぴりか」、「ななつぼし」、山形県の「つや姫」、栃木県の「なすひかり」、九州では福岡県の「元気つくし」、熊本県の「森のくまさん」などネーミングにも凝っています。
 一方で、私たちが一年間に食べるお米の消費量は年々減っていて、昭和三十七年には一人当たり百十八キログラムとほぼ二俵と言っていい数字でしたが、五十年たった平成二十六年には五十五キログラムと一俵にも満たない半分以下にまで減少しています。総務省が発表した家計調査によりますと、県庁所在地及び政令市の中でお米の購入数量をランクづけすると一位が浜松市、二位が静岡市となっていて、さらに一世帯当たりの米消費量でも静岡県が全国一位ですので静岡県民は御飯がとても好きな部類に入るのではないかと考えています。県東部では御殿場コシヒカリが有名ですし、西部においては浜松地域を中心にやら米かというブランド米の生産を進めているように、本県の米の生産者はお米が好きな消費者が身近にいるという利点を生かしておいしいお米、安全・安心なお米を届けようと生産に励んでいてくれます。米をめぐっては今後は輸入米との競争も想定されますが、国内でもより競争力を高めるブランド化が青森県以外でも熱心に進められています。米の新品種の開発には約十年を要するということもあり、青森県ではさらに十年先を見据えて「青天の霹靂」を上回る新品種の開発に既に着手しているそうです。
 そこで、県内の米の生産者が今まで以上においしい米づくりに誇りと情熱を持って取り組んでいただくために、どの他県産米にも対抗していける地域ブランドの育成、確立が必要と考えます。県では米の地域ブランドの確立に向けてどのように取り組みを進めていこうと考えているのか伺います。
 次に、命を育むについての二点目、魅力ある学校についてお伺いいたします。
 「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」。鎌倉市の図書館がツイッターで呼びかけたという記事が新聞に掲載されました。保護者にも先生にも相談できず行き場を失っている子供たちのために居場所として図書館を提供しようとする取り組みです。「いやだと言っていいですか 本当にからだの底からいやなことを我慢しなくていいですか 我がままだと思わなくていいですか」。これは詩人の谷川俊太郎さんの「いや」というタイトルの詩です。嫌だと言いたいのに言えない。嫌だという気持ちを口に出せないままみずから命を絶ってしまう子がいるのです。子供の自殺が一年で一番多いのが九月一日だといいます。長くて楽しかった夏休みが終わって新学期が始まる。学校に行くぐらいなら死んでしまいたいと思い詰めている子が毎年どこかにいるんです。でも命より大切な学校などどこにもあるはずがありません。先ほどお話しした谷川さんも学校に行くのが嫌で嫌でしようがなかったそうです。いじめに遭い教師に反発し高校は定時制に転学して何とか卒業されたそうです。こういったことを考えると先ほどの図書館の取り組みが大変な反響を呼んでいることもうなずけます。
 しかしですね、私は、本来図書館ではなく学校にこそ子供たちの居場所があってしかるべきじゃないかと考えています。今学校は子供にとって、そんなに苦しくつらく魅力がない場所なのかと思うと残念で寂しくてなりません。学校は子供たちがきょうに満足し、あしたを楽しみにするような場所であるべきです。子供には居心地のよいところで伸び伸びと育ってほしいと願っています。
 そこで、子供たちが目を輝かせ生き生きと過ごすことができる魅力ある学校にしていってほしいと心から願っていますが、教育長の所見をお伺いいたします。
 次に、命を延ばすについての一点目、壮年世代の社会参加について伺います。
 国際連合が、六十五歳以上の世代を高齢者と区分したのは一九五〇年代です。当時の我が国の平均寿命はそれこそ六十五歳前後でしたので、この年代を高齢者として社会全体で支えていくことがその時代に合っていました。ところが現在まで平均寿命が随分伸びてきておりますので、当時と同様に六十五歳になった方を一律に高齢者と捉えることは実態に合わなくなってきています。
 そこで、県では六十五歳以上の方を高齢者とする定義を変えてふじのくに型人生区分という独自の人生区分を提案、発表いたしました。この中では六十六歳から七十六歳までを壮年熟期として高齢世代の皆さんの社会参加を後押ししようとしています。先日特別養護老人ホームで壮年世代の皆さんが生き生きと活躍されている姿をテレビの報道番組で拝見いたしました。入所者とほぼ同世代の方が社会参加をしているお話でした。壮年世代の方が介護者ですと、食事をしながらゆっくり話をしたい、自分のペースで散歩をしたいといった介護を受ける側の気持ちや生活のペースをわかっていただけるので、入所されている方の満足度がとても高いとの好評価でした。
 その一方で、こうした介護の現場で高齢者への虐待問題が深刻さを増しています。平成二十五年度には全国の特別養護老人ホームなどの介護施設で前年より四三%も多い二百二十一件の虐待が確認されており、虐待件数は実に七年連続で過去最多を更新しているという悲惨な状況にあります。虐待が発生する要因としては介護現場の人手不足と過重労働によるストレスが問題と言われています。介護施設では専門知識が要求される業務とは別に入居者の心のケアについての課題もありますので、入居者の気持ちや生活のペースを理解できる壮年世代の方に介護や生活支援などのサポート役として社会参加していただければ、その方の生きがいや健康長寿にもつながっていくのではないでしょうか。そして本当に高齢者が必要とするケアは何かということを若手従事者に教える教育的な効果や職員のストレスを軽減することも期待できるものと考えています。
 そこで、御高齢になっても社会参加していただける住民意識の醸成や仕組みづくりなどにどのように取り組んでいただけるのか、県の所見を伺います。
 次に、命を延ばすについての二点目、かかりつけ薬局の普及促進についてお伺いします。
 日本の高齢者が国民全体の四分の一を上回るようになり、世界に類を見ない速度で高齢化が進行しています。このように高齢者人口の増加に伴い国民医療費も増加の一途をたどっていて、平成二十五年度には初めて四十兆円の大台を突破いたしました。高齢者の方は一般的に高血圧や糖尿病、膝の痛みなど複数の病気を抱えている場合が多く、それぞれの医療機関で薬が処方されますので、それこそ病院の数だけ薬がふえていくことになります。そして飲み切れなくなったり飲み忘れられた薬が残薬として自宅に大量に放置されることになります。日本薬剤師会が行った調査によりますと在宅の高齢者のお宅だけでも年間およそ四百七十五億円分の残薬が発生していると推計されています。これらの残薬は国民医療費の無駄となるばかりでなく、薬を飲み忘れたことで症状が改善されないため医師が薬の処方をさらにふやして病状がかえって悪化したというケースもあるようです。このように残薬が大量に発生する背景には医師が処方する薬が多過ぎる問題もありますが、薬の管理が患者任せになっていることにも原因があると考えています。
 このような状況の中、厚生労働省は患者の情報を一元管理するかかりつけ薬局の機能を全ての薬局に求めていこうとする患者のための薬局ビジョンを本年十月に公表したところであります。患者を診察して処方箋を書く医師と実際に薬を服用する患者との間に立つ薬局に薬の飲み合わせや重複のチェックといった服薬の指導、管理を強化していただこうというビジョンです。私もこれからの薬局には患者と継続的にかかわっていただき日ごろから信頼関係を構築していくことで、薬に関することはもとより体調の変化についても気軽に相談できる健康ステーション的なかかりつけ薬局を目指していっていただきたいと考えています。そうなればおのずと服薬管理が進みますので飲み忘れや重複投与が減り、県民の健康寿命の延伸に貢献するだけでなく、国民医療費の削減にも寄与していただけるものと考えます。
 そこで、かかりつけ薬局の普及についての県の考え方と対応について伺います。
 いよいよ、命シリーズの最後になりますが、命を思うについての残菜ゼロの学校給食についてお伺いいたします。
 環境省の調査によりますと、学校給食から発生する食品廃棄物について平成二十五年度の全国平均では児童生徒一人当たり十七・二キログラム。そのうち給食の食べ残しは、すなわち残菜は七・一キログラムで食品廃棄物の約四割を占めていることが明らかになりました。この七・一キログラムを学校給食の実施日で割り戻しますと一食当たり四十グラム。そんなに多くありません。しかし量の多い少ないではなく、学校給食における残菜を減らすということは食べ物を大切にし、生産者や調理師さんへの感謝につながる教育的に大変意味のあることではないかと思います。給食もそうですが食事をするということは肉や魚、野菜や果物の命をいただいているんです。だからどんなに少量でも残すときには心の中でごめんなさいと謝るくらいの気持ちを持たせていただきたいと思います。私たちが口にするもので命がないものは水だけだという話を聞いたことがあります。
 私がそれこそ小学生のころ、学校給食が始まりました。パンとおかずと脱脂粉乳。当時これを完全給食と呼んでいました。コッペパンはぱさぱさしてとてもおいしいものではありませんでしたので、御飯の方がいいのになといつも思っていました。小さな肉を探して食べたカレーやシチューはとても楽しみでした。今の給食と比較すると栄養価も味や食器にも大きな差があると思いますが、給食の時間はとても楽しみで待ち遠しかったことを覚えています。給食の残菜を減らそうと数年前から取り組んで大きな成果を上げてきている東京都の足立区では子供たちが残さず食べるおいしい給食を提供することに努めているそうです。このおいしい給食とは子供たちが好きな献立だけを提供するのではなく、給食を通じて生きる力を養い、自然の恵みやつくり手への感謝を育むための心を豊かにすることを目指していると言っています。その一環として自分たちが新潟県で田植えや稲刈り体験をして収穫した「コシヒカリ」を給食に取り入れて大変好評だそうです。
 そこで、県内の学校給食においても残菜ゼロを目指した積極的な取り組みをお願いしたいと思いますが、教育長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大石哲司議員にお答えいたします。
 命を育むについてのうち、米の地域ブランドについてであります。
 静岡県の稲作農家は、これまで地元に愛される米づくりに取り組んでこられましてその多くは県内の家庭や旅館、飲食店で消費されております。ブランド米に関しましては二十数年前からおいしいお米の代表である「コシヒカリ」の作付を拡大しております。また県と生産団体がよりおいしい「コシヒカリ」となるよう栽培技術を開発いたしまして、その結果JA御殿場の富士山からのおくりもの、あるいはJA遠州中央の遠州森町産究極のコシヒカリなどが育成されまして、地元に根づいたブランドとなっております。また生産者は市場動向や消費の多様化に対応するために「コシヒカリ」だけでなく他の品種の導入を図ってまいりました。浜松地域特別栽培米研究会などでは近年の高い温度のもとでも味のよい品種の「きぬむすめ」、「にこまる」などの導入を進められています。さらに県は全国のお米の産地と競争し本県産米の味の向上を図るために平成十六年からお米日本一コンテストを実施しております。先月第十二回大会を開催いたしましたところ、全国三十九都道府県から五百八十七点の出品がございました。静岡県内からは百点の出品がありました。そして御殿場市の生産者が最高金賞を受賞されました。さらに第七回大会、第十回大会におきまして焼津市の生産者が最高金賞を受賞されております。このように全国トップレベルのお米と肩を並べる水準にございます。
 一方、農林技術研究所ではこれまで本県の温暖な気候を生かし、お盆前に食卓に供給できる極早生といいますか、早生米の「なつしずか」を初めお酒専用の「誉富士」の育成をしてまいりました。今後は稲作農家の経営の安定化のため、冬場のレタス栽培などとの複合経営に適した品種の育成に取り組んでまいります。また酒米の「誉富士」は県民や酒蔵の評価が定着してまいりまして、もう二十以上の醸造元で活用されて、しかも味がいいということで、その「誉富士」の収量が向上する品種育成も進めてまいります。
 今後とも、新品種の育成、導入や新しい栽培技術の普及に努めるとともに、各産地が取り組むおいしい米づくりを支援することで、県民に愛される米の地域ブランドを確立してまいります。
 次に、命を延ばすについてのうち、壮年世代の社会参加についてであります。
 静岡県では、年齢を重ねても元気で活躍している方々を応援し、県民が高齢社会に前向きとなるようにふじのくに型人生区分を独自に提唱しましたところ、議員を初め県民の皆様に好感を持って迎えられております。先ほど議員の御指摘のとおり高齢者という定義は昭和三十一年――お幾つでしょうか――一九五六年に国連の機関の一つでございます世界保健機構が提唱したものです。そのときの女性の日本人の平均年齢がそのくらいでした。男性は六十代の前半でありましたので、やはり七十歳になるというと古来まれ、古希としてのお祝いなどをしたものです。
 しかし、もうそれから今二〇一五年ですから六十年たったわけです。その間に男女とも平均寿命は八十を超え世界でもトップになったわけでございます。したがいまして一九五六年における基準というのはもう時代おくれであるということです。そして新しい人生区分におきまして、御案内のとおり十七歳までは少年少女ということです。十八歳から選挙権を得られるので青年となると。そして青年会議所では四十歳以下、あるいは商工会議所における青年部というのは四十五歳以下ということでございますから、青年は四十五歳以下だというのは日本――北海道から沖縄にまで通念として行き渡っているわけですね。したがって四十六歳から壮年期に入ると。壮年期はいつまでかということですが、これが健康寿命ということで健康寿命もWHOが導入したものです。そして調べられて日本が健康寿命世界一であると。その中で静岡県の健康寿命が日本一で女性が七十五・数歳と。要するに七十六歳までがぴんぴんして元気であるということですね。ですからそこまでが壮年ということでございます。そしてこうして見渡しますと昭和十三年以前の方はことし――そうですか、いらっしゃらないということで。そうしますと大体後列にいらっしゃる方が貫禄があられるということで昭和十年代のそれでも後半じゃないでしょうか。そうしますとどなたもまだ七十七歳には達していらっしゃらないということで全員が壮年と。中にはまだお若い青年期の方もいらっしゃるということでございます。働き盛りであると。そのような方たちを高齢者と言うのは何事かという、世界保健機構に対する一つの挑戦といいますか問題提起ということでございます。七十七歳まではしっかりと社会のために何かできるということです。そのようになることが望ましいと。七十七歳にもなりますと若干身体にも支障を来しますので御自愛を中心にしていただきたいということで老年期に入ると。老年の見習いということですね。そして八十歳でいわば中老になると。八十八、米寿、九十歳で卒寿ということで長老になるということです。高齢者という言葉は使いません。あたかも社会保障の対象として社会のお荷物であるかのような言い方はまことに高齢者に対して無礼であり本県あるいは日本人の持っている敬老の精神に背くというふうに思います。したがって青年の方は壮年の方に対して敬意を払う。また壮年の方は長老の方すなわち九十代の方々に対して敬意を払うという、そういう精神が大切であります。長幼の序というのは古来東洋の道徳でございます。そういう意味合いをもって我々はふじのくに人生区分というものを提起したわけでございます。経験を積まれた壮年世代の方々、特に壮年の熟期。明らかに大石哲司議員はまだ熟期になっていらっしゃらないようにお見受けいたしますが、若干私と年齢差があるかなと思うんですが、熟期の方に対してはその経験を尊重するというふうな姿勢が大切であるというふうに思います。地域を支えてこられた力の源、これを学ぶということであります。このため地域においても引き続き元気に活躍できる人材となっていただけるように社会参加についての住民意識の醸成や仕組みづくりなど環境整備を進めてまいりたいと。これはもう世界一でございますので、ぜひ進めたいと固く決意してお
ります。
 そして、住民意識の醸成につきましては健康長寿の三要件がもう既に確証されております。食生活、運動、社会参加。この三つであります。そしてこの三つを実行するということを我々はふじ三三プログラムというふうに言いましたけれども、ややわかりにくいということで、バランスのとれた食をおとりいただく、運動を継続する、社会参加――ひきこもりにならないように社会参加をしていただくということで、これの試みについてうちの健康福祉部がいわゆるコホート調査をいたしまして、そういう方が実は健康寿命を長く延ばされているのであります。これがわかりましたので厚生労働省のほうから健康寿命をのばそう!アワードの第一回の金賞に輝き、ことしで四年目になりますが四年連続受賞を果たしております。健康長寿への取り組みは全県下に広がっているということでございましょう。本県は健康寿命日本一、言いかえると世界一の県民なのでございます。また日本の健康寿命は先ほど申しましたとおり世界一でございますので、このことを県民の皆様方誇りに思っていただいて、自分の寿命を元気で延ばすことが実は世界貢献になる、地域貢献になる、日本に対する貢献にもなるということでございます。それはやはり壮年世代――七十六歳までの方々が年齢を重ねることを前向きに捉えていただいて健康である限り元気で活躍できることを十分に御認識賜り、積極的に活動する意欲を高めていただくように努めてまいりたいと思います。
 社会参加の仕組みづくりといたしましては、市町とも連携をいたし、高齢者の豊かな知識や経験を生かした施設での介護支援ボランティアを初め見守りや配食等の生活支援活動のほか、次世代を担う子供たちを地域で育む活動あるいは健康づくりのリーダー養成など地域の支え手として、また指導者として御活躍できるさまざまな場の提供と充実を図ろうと考えております。
 私どもは、今後も六十五歳以上すなわち厚労省あるいは世界保健機構の言う時代おくれのこの高齢者というこの規定を文字どおり時代おくれにするべく、こういう方々の、いわゆる壮年後期、壮年熟期の方々の一層の社会参加を促進するほか、最近の新しい学問でございます社会健康医学の視点からの研究なども進め県民の健康寿命のさらなる延伸に取り組み、世界一の健康長寿の都として誇れる、不老長寿の都として誇れる元気で活力ある生き生きとした長寿社会を目指そうではありませんか。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 命を守るについてのうち、地籍調査の促進についてお答えいたします。
 県では、大規模地震や洪水により被災した場合の迅速な復旧・復興に備え、地籍調査制度を活用し正確な土地情報の整備に努めておりますが、市街化が進んだ沿岸部等では土地の権利関係が複雑な上に膨大な筆数が存在し、調査に長時間を要する状況にあります。このためまずは地籍調査に先行して早期に着手が可能で将来の地籍調査の一部となる官民境界の情報を整備することが有効であることから、津波浸水域のうち地籍調査が未実施である三十八平方キロメートルの官民境界調査を静岡県地震・津波アクションプログラム二〇一三に位置づけ、国と連携して平成三十四年度末までを完了予定として取り組んでいるところであります。
 また、未着手市町が存在する賀茂地域においては長期にわたり担当職員を確保するための負担等が課題であることから、県の技術支援のもとでの地籍調査の共同実施を本年度設置された賀茂地域広域連携会議において提案し、来年度からの着手に向けて関係市町と検討を重ねているところであります。さらに市町職員の負担の大きい境界確認や工程管理等の外部委託の普及や調査の過程で発生する問題の迅速な解決を図る専門家派遣制度の活用等の支援に努め、県内全域において地籍調査を促進し、安全で安心できるふじのくにづくりに取り組んでまいります。
 次に、親しまれる河川管理についてであります。
 県では、河川の整備計画策定から維持管理までの幅広い段階において県民の皆様との協働による川づくりを推進しております。このうち地域の皆様と連携して草刈りなどの維持管理を行うリバーフレンドシップ制度につきましてはこれまでに参加団体数が五百を超え、延長六百キロメートルを超える範囲で活動していただいており大変感謝しております。こうした活動への支援や河川環境の保全を行うことにより地域の皆様に親しまれる河川とするために、昨年度は浜松市の馬込川を初め藤枝市の瀬戸川や三島市の大場川等十九河川二十五カ所で地域の皆様の御要望を踏まえて堤防の散策道や階段などを整備いたしました。今後も活動団体との意見交換等により地域の要望を把握し、他の地域についても散策道や階段などを整備することで川に親しみやすくなる取り組みを進めてまいります。また議員御提案の地域の皆様が平常時や緊急時に現地で得た情報を県の河川管理につなげる仕組みについても検討してまいります。
 県といたしましては、地域の貴重な財産である河川が一層親しまれるよう協働による河川管理を推進し、命が守られ、安全・安心で快適な地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 命を育むについてのうち、魅力ある学校についてお答えいたします。
 学校が子供たちにとって魅力ある場所となるためには、子供たちが良好な人間関係を構築していくことが重要です。こうした点を踏まえ県教育委員会では本年三月に人間関係づくりプログラムを改訂いたしました。本プログラムは義務教育九カ年で対人関係のスキルを系統的に身につける内容となっており、その普及、活用を通じて子供たちが仲間と毎日楽しく過ごせるような学校づくりを推進しているところであります。また県内全ての公立小中学校に心理の専門家であるスクールカウンセラーを配置し、悩みや不安を抱える子供たちが気軽に相談し安心して学校生活を送ることができる環境を整備しているところであります。さらに平成二十六年度からは袋井市立浅羽中学校区を研究実践地域として魅力ある学校づくり調査研究事業に取り組んでおり、定期的な意識調査の実施や個人個人に応じた指導の充実により、子供たちにとって心の居場所やきずなづくりの場となる学校づくりについて研究を進めております。今後はこの研究成果を県内に広く普及させてまいります。
 県教育委員会といたしましては、これらの取り組みを通して引き続き子供たちにとって安心・安全な学校づくりを推進し、全ての学校が子供たちにとって夢と希望を抱ける魅力ある学校となるように努めてまいります。
 次に、命を思うについてであります。
 残菜ゼロの学校給食につきましては、食べ物を大切にし、食べ物の生産にかかわる人々に感謝する心を持つことに結びつく教育的価値の高いことであると考えております。県内では多くの学校で食農体験や地場産物の活用等、児童生徒の食に対する興味や関心を高め学校給食における残菜の減少につながる取り組みをしております。例えば島田市内の小学校では地元生産者から田んぼを借り受け田植え、稲刈り等の農作業を学ぶほか、地元JAの協力により収穫した米を使ったロングノリ巻きづくりに挑戦し、活動の達成感からいつもは食の細い児童もそのおいしさを味わうことで満足感を得る体験となっております。
 ことしから始まった十一月二十四日の和食の日には、県内三百四十九校がだしのうまみを生かした汁物を学校給食で提供し、児童生徒が和食文化のすばらしさに触れる取り組みをしたところであります。また県教育委員会では親子でつくる学校給食メニューコンクールを開催し地場産物を活用した魅力ある学校給食メニューを開発するとともに、親子で学校給食について考える機会としております。
 こうした取り組みにより、本県の平成二十五年度の県内児童生徒一人当たりの年間残菜量は四・七キログラムと全国平均七・一キログラムを大きく下回っております。
 今後とも、学校における食育を中心的に担っている学校教諭等の研修機会を通じて子供たちが食べ物の栄養を理解し食べ物を大切にする教育を推進するとともに、完食できるおいしい学校給食の提供に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 命を延ばすについてのうち、かかりつけ薬局の普及についてお答えいたします。
 地域の薬局が直接薬の管理を指導し、健康づくりの支援を行うかかりつけ薬局を目指していくことは、高齢者を初めとする県民の皆様がいつまでも健康で元気に生活していく上で大変重要であると考えております。県の調査によりますとかかりつけ薬局を決めている県民は約二割程度ですが、多くの方々が地域の薬局で食生活を初め在宅医療や介護などの健康相談を受けることを望んでおります。このため県では身近な薬局が県民の皆様にとって気軽に健康相談ができる場であることを周知するため、ポスターや講演会などを通じて普及啓発に努めております。また地域の薬局において多様な健康相談や適切な服薬指導を行えるように、生活習慣病予防の相談対応や最新の服薬支援手法の研修を行うなど薬剤師の能力向上を図り、健康づくりに貢献できるかかりつけ薬局となれるよう取り組んでおります。
 今後も、県薬剤師会や薬局とも連携し、県民の皆様から信頼され身近な健康相談の相手となるかかりつけ薬局を全ての薬局に普及させ健康づくりの支援を進めることで、健康寿命のさらなる延伸に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 大石哲司君。
       (二十四番 大石哲司君登壇)
○二十四番(大石哲司君) ありがとうございました。若干要望をさせていただきます。
 私、議員にさせていただく前に市役所にいたんですね。そのときそれこそ十四年間、公図というか地籍図にかかわる業務をしていました。道路台帳の整備とか区画整理それから道路の官民境界の立ち会い。旧図というか古い図は六百分の一で、それこそフリーハンドで現地と全く違って困難をきわめた経験があります。ぜひ今度、賀茂が広域連携で土屋副知事を中心に、先頭に歩み出そうとしていますので、ぜひ名実ともに世界一美しい半島になっていただけるように頑張っていただきたいと思います。
 それから、米のブランド化ですが知事からお話が出た「きぬむすめ」。これは私もことしから栽培を始めていまして大変おいしい。だけど残念なのはこの「きぬむすめ」というのは静岡で開発されたお米じゃないと思いますのでね、先ほど言ったような「ななつぼし」とかそういうような感じの米のブランドが欲しいと思います。
 先月発表された農林業センサスというので、この十年間で農業をやっている人が五十万人減ったと。三十年という長きで考えると三百万人も減ったと。これはよく簡単に農業をやる人が高齢者だからだんだん欠けていくというような、そこに理由を求めますがそうじゃないと思うんですね。やはり高齢化だけで片づけちゃいかん。今回のTPPの合意によって今後外国から安いお米が、安い農産物がどんどん入ってくる可能性があります。このままでは農業をやろうという人がどんどん減って弱体化すると思います。先ほど言ったようにお米の品種は十年かかりますので手をこまねいているところじゃないと思うんですね。県内の農家にもう一度やってみるかと立ち上がるようなきっかけを、ぜひ静岡県がつくってあげていただきたいと思います。
 もう一つ、学校給食ですが私たちが子供のころはほとんど問題なかったアレルギーですね。今すごい問題になっていまして、それこそ私の子供のころは数十年前の話になってしまうんですがアレルギーという言葉も聞いたことがないくらいでしたが、最近ではメロンとかキウイフルーツとかそういうのがだめというお子さんもいらっしゃる。アレルギーの生徒が皆同じ原因食ならいいんですが違いますし、重篤度もまた人によって違いますのでそれを対応するのはなかなか難しいと思いますが、それこそ児童生徒の命にかかわることですのでこれについても適切な対応をお願いしたいと要望いたします。以上で終わります。(拍手)

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