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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成18年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小長井 由雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2006

会派名:

民主党・無所属クラブ


質疑・質問事項:



    ○副議長(石橋康弘君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、一番 小長井由雄君。
           (一番 小長井由雄君登壇 拍手)
    ○一番(小長井由雄君) 私は民主党・無所属クラブ所属の議員として当面する県政の諸課題に対し、知事及び関係部局長、教育長並びに警察本部長に質問いたします。
     最初に、県内の情報通信基盤整備についてお伺いいたします。
     IT国家づくりを目指したIT基本法が二〇〇一年一月六日から施行され、五年間で超高速インターネット網を整備し、国民の六〇%以上がインターネットを使うようになるなどの数値目標を盛り込んだIT基本戦略のもと、インフラ整備が進められてきたところであります。その結果、昨年にはインターネットの人口普及率は六六・八%、利用人口は約八千五百二十九万人と推定されています。
     総務省はe−Japan戦略の五年間でブロードバンドインフラの整備と利用の広がる高機能携帯電話の普及等について、我が国は世界最高水準となったとしています。しかし採算性の問題から民間事業者の投資が期待しにくい地域については十分に整備が進んでおらず、地理的要因による情報格差の解消が喫緊の課題となっております。
     静岡県における情報通信基盤整備の状況を見ると、ADSLの普及状況はブロードバンド基盤整備事業による県費補助の成果もあり、契約数で五十二万一千四百十八件、世帯普及率が三八・三%で全国第一位となっておりますが、ブロードバンドサービス全体の契約数は六十九万一千七百八十一件、世帯普及率五〇・八%で全国八位となっております。県民からの要望が多く早急なインフラ整備が望まれている光ファイバーによる超高速インターネットサービスにおいては、県内の二十三市十九町のうち十九市五町の一部で提供されており、契約数は九万七千五百十九件、世帯普及率七・二%で全国第二十位と非常に立ちおくれているのが現状であります。しかしサービス提供地域の世帯カバー率はブロードバンドサービス全体で九五%、全国十二位、光ファイバーで六九%、全国二十三位となっていることから見れば県民の導入意欲は高いが基盤整備がおくれているということになるのであります。また情報通信機器の中でも二〇〇五年度末の携帯電話の世帯普及率は八五・三%でありますが、これもいまだに受信不能地域が散見され、特に緊急時活用が望まれる山間部の住民からは受信不能地域の解消を望む声が強く聞かれるところであります。
     ところで、地方が自立するための大きな障害となってるのが人・物・情報の東京一極集中であります。ITによる変革の波はインターネットの普及等により住民生活や地域社会、産業活動などのあらゆる分野に変革をもたらしています。地方においても時間と距離を克服し瞬時に東京と同じ情報を共有する必要のある時代になり、全国どこでも、いつでも、だれでもがITの恩恵を受けられるよう情報通信格差の是正を急がなければなりません。
     このためには基盤整備が不可欠であります。しかし民間事業者任せでは採算性の劣る過疎地域まで整備されるのはいつのことかわかりません。双方向のインターネットを使うことは、地域独自の情報を全国、世界に向けて発信できることから地域の可能性を高めます。そして、この利便性を享受し豊かさを実感できる地域社会の実現こそが真の地方分権の確立へと結びついていくのであります。
     そこでお伺いいたします。インターネット、携帯電話などの情報通信分野で、県民だれもが、いつでも、どこでも情報を得ることができるようになるための基盤整備が急がれますが、広大な山間地を持つ政令市静岡市と来年政令市になる浜松市も含め、この基盤整備をどのように進めるのか時間的な目標も含めてお伺いいたします。
     次に、森林認証制度についてお伺いします。
     県土の六五%を占める静岡県の森林は、県民に森の恵みであるおいしい水の供給や土砂災害の防止などさまざまな公益的機能を持っており、すべての県民がこの恩恵を享受していることは広く周知されているところであります。しかし近年、木材価格の低迷などの要因により手入れの行き届かない荒廃した森林も増加し、身近な里山林も放置されることがふえてきました。このまま放置しておくと、森林の土壌流出、洪水、渇水、土砂崩れなどの問題が心配されるところとなります。また身近な里山林が放置されることによりクマやイノシシが人里へ出現するなど野生動物の生態系を変化させ、農作物被害だけでなく人間へも危害を加える事態となっております。
     このような中で、本年よりもりづくり県民税を財源とした森の力再生事業がスタートしました。八カ月経過した中で県当局、事業者の普及へ向けた御努力により、森林所有者の事業への理解も進んできたものと評価しております。今後十年間で計画の一万二千ヘクタールの整備を目標どおり着実に進めていただくようお願いするものであります。
     近年、持続可能な森林経営を目指し、環境、社会、経済の面から適切な森林管理であることを認証する森林認証制度が国際的に普及してきております。これは、森林を適正に管理し守ることは公共的な活動であるとして、それを実行しようという山に対し、独立した第三者機関が森林管理をある基準に照らし合わせてそれを満たしているかどうかを評価、認証していく制度であり、認証された森林から生産された木材製品に対してロゴマークを添付するラベリングと連動させることによって消費者に選択的な購買を促す制度的な取り組みであります。
     現在、日本でも森林認証の取得地がふえつつあり、日本型認証制度や地域材や環境指標を組み込んだ木材認証制度も広がりつつあります。山側が認証制度によって環境を守る森林の情報開示を進め、ユーザーとの相互理解のもとで製品を提供する機会が広がろうとしています。しかしこの認証制度は木材品質に対する認証ではないので森林所有者による品質のよい木材生産の努力が必要であることは言うまでもありません。しかし認証を受ける基準の中にある生物の多様性の保全やモニタリングという点で専門家や研究者の協力、さらには普及に際しての行政の支援も必要だと考えます。特に民間を先導する意味から、県有林の認証取得も考慮していく必要があるものと考えます。
     また、認証森林から伐採された木材は消費者の手元に届くまでの段階において、認証された流通業者や製材業者などの事業体を通して届けることで初めてブランドを表示することが可能となるため、認証事業体との連携の強化とそして何よりも販路の確保が急がれます。現在、県内では森林三件、事業体四件が認証を受けているということであり、国際的に見てもこの制度はますます広がっていくものと思われます。この制度の普及は環境の面から、また林業振興の面からも意味のあることであり、今後普及拡大を進めるには認証木材を利用した住宅への優遇措置や公共事業への活用推進などの取り組みも必要だと考えます。静岡県では森林認証制度の普及拡大のためにどのような取り組みを考えているのかお伺いいたします。
     次に、中山間地域への定住促進について伺います。
     少子・高齢化、人口減少を迎えた中で、県土面積の約三分の二を占める中山間地域においてはその進行はさらに加速しているところであります。平成十二年には約六十四万六千人であった中山間地域の人口は、平成十七年には約六十三万一千人と五年間で約一万五千人減少し、高齢化率は平成十七年度の県平均一九・八%に対し最も高い北遠地域では四〇%を超え、ここ十年間で一〇%以上も増加するなど、中山間地域の過疎、高齢化は地域社会の存亡にかかわるほどに深刻さを増しています。
     しかしその一方で、山や川などの豊かな自然に恵まれた田舎暮らしやスローライフにあこがれる人たちにとっては極めて魅力的な地域であります。価値観の多様化を背景に都市住民、高齢世代ほど地方の田舎への移住志向が強まっており、今後七百万人という団塊の世代が大量に定年退職する二〇〇七年問題は地域社会、中山間地域にとって人を呼び込む絶好のチャンスとなる可能性があり、また子育て世代の人たちの中にも、豊かな自然の中で子供を伸び伸びと育て少人数でもよいから山の学校に通わせたいという親もおります。実際に移住し数年がかりで家を建て、子供を山の学校で育てようとする人もあらわれてきました。このような人たちが小さな集落に一家族でもふえれば、地域のコミュニティー活動や文化活動などの担い手の増加というだけでなく集落全体が明るく活気が出て、次の移住者をも呼び込むきっかけになるのではないかと思います。
     しかし、静岡の山間地に住んでみたいと思っても、どうやって家や土地を探していいのかもわからない。若い人でも山に住み近くで仕事を探したいがなかなか見つからない。家族で移住したいが、給排水などの衛生面の整備はできているのか、近くに医療機関はあるのか、日常生活に必要な道路網の整備はされているのか、情報・通信基盤は整備されているのか、あるいは畑で作物をつくりたいが休耕地は借りられるのかといった基本的な課題や、地域住民が移住者を集落の一員として受け入れようとする意識改革の必要もあります。
     人口減少時代に入り地域間での人口の奪い合いが始まった中で、過疎化の激しい中山間地を維持していくことは容易なことではありませんが、人が住みそこで何らかの活動をしているということによりもたらされる恩恵ははかり知れないものがあります。今後、中山間地に住みたい、田舎暮らしがしたいという人がふえると予想される中で、受け入れ環境の整備など移住希望者の静岡への誘導策が必要だと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
     次に、いじめ問題と出席停止についてお伺いします。
     いじめが原因か、原因と思われる理由で児童生徒が自殺するという痛ましい事件が続発しています。警察庁の調べでは平成十六年百二十六名、平成十七年百五名の児童生徒が自殺したということであります。いずれもいじめが原因での自殺は報告されていないことから、ことしになって急にいじめが原因で自殺する児童生徒が出てきたように思われますが、いじめが発生する学校は悪い学校、いじめは教師の指導力不足によって起こるのだという一方的なとらえ方がある中で自殺が原因との報告があいまいになっていたのではないかと言われています。
     理由がどうであれ、児童生徒がみずからの命を絶つということはあってはならないことであり、いじめを原因とする自殺は適切な対応がとられるならば防ぐことのできるものであります。いじめは決して許せない行為でありますがどの子供にも起こり得るものであり、このような事件を繰り返すことのないよう強い決意を持って早急に対処していかなければなりません。
     文部科学省の国立教育政策研究所は本年五月に生徒指導体制のあり方、規範意識の醸成を目指しての調査研究報告書を発表しましたが、その中でゼロトレランス方式の指導導入に言及しています。ゼロトレランスとは一九九〇年代初めに学校の規律が乱れ、暴力、いじめ、教師に反抗、麻薬、学力の低下などの状況に苦悩していた米国の教育現場で導入された、教育指導上教師が生徒に接するための指導概念であります。トレランスとは寛大さ、寛容さということで、ゼロトレランスとはこの寛大さ、寛容さをなくして規則に従って生徒指導を厳格に行おうとする方式であります。
     現在の我が国の生徒指導方針は規則で縛るのではなく生徒の自主性、主体性を尊重する方針を強調し校則の見直しを各教育委員会に指示し、規則にとらわれず生徒の内面的な自覚を促し、自主的に守るように指導することとしております。この結果、学校生活を律すべき校則は存在意味を持たないものになっているのが現実であり、生徒の服装の乱れなど日常目に余る事例が少なくない現状は、校則の見直しや子供に強制することをやめ、しかることを避け、寛容過ぎる接し方できたことも大きな原因ではないかと言われています。
     子供たち一人一人が将来に向けて自分自身を豊かに育て上げるための環境づくりのためには、周りの大人たちが大いに力をかさなければなりません。子供たちの自主性を重んじるとともに守るべき規則を整備しそれを児童生徒にしっかりと伝えた上で、それに違反した者には罰を与え自己責任を明らかにするということは当たり前のことであります。合理的で意味のある規則であるならば大多数の生徒たちにとって何の痛痒も感じないでありましょうし、学校全体の規律を保持できるのであります。またそれ以上に重要なことは、罰を受けた生徒がみずから反省し立ち直るきっかけになることであります。そのために義務教育における出席停止や高校における懲戒処分にはオルタナティブスクールと言われる代替的学校などが設置される必要があり、その後の適切なフォローすなわち矯正指導が行われなければならないことは当然であります。
     去る十一月二十九日、政府の教育再生会議は第三回全体会議を開催し、いじめ問題への緊急提言を発表しました。この中で、問題を起こす子供に対して指導、懲戒の基準を明確にし毅然とした対応をとるとし、その例として社会奉仕、個別指導、別教室での教育などを示しましたが、出席停止の明記については検討されたが見送られたということであります。池田座長代理は終了後の記者会見で、この点について委員の意見が分かれたことを認めた上で、一つの選択肢としてあっていいとの見解を示しました。このことについては本年十月の文部科学省初等中等教育局長のいじめ問題への取り組みへの徹底について(通知)の中でいじめを許さない学校づくりのためには、いじめは絶対に許されないとの意識を学校教育全体を通じて児童生徒一人一人に徹底すること、特にいじめる生徒に対しては出席停止等の措置も含め毅然とする必要があるとしています。
     そこで、生徒指導における出席停止について、教育長の御見解をお伺いいたします。
     次に、凶悪犯罪の検挙率向上方策についてお伺いします。
     内閣府が平成十六年に実施した世論調査では、ここ十年で日本の治安が悪くなったと思う人の割合は八六・六%に達し、ここ十年で自分や身近な人が犯罪に遭うかもしれないと不安になることは多くなったと思う人も八〇・二%に上っております。治安のよさで世界に知られた日本ではありますが、安全や安心について国民が肌で感じる度合いである体感治安や自分が犯罪の被害者になることに対する不安とでもいう犯罪不安は依然として高いのが現状であります。
     警察白書によれば、平成十七年における全国の刑法犯の認知件数は二百二十六万九千二百九十三件、前年より一一・五%の減少で、平成十五年以降は減少に転じているということであります。また平成十七年の検挙率については二八・六%で前年より二・五%の増加ということであります。本県における刑法犯の認知件数を見れば、平成十七年は前年より八・二%減少した五万五千五百十三件であります。ここ数年の状況は認知において三年連続して減少し本年も引き続いて減少傾向は続いており、これらの犯罪の検挙件数、検挙率も平成十三年以降はおおむね上昇傾向にあるということであります。
     しかしながら警察における刑法犯の認知件数というものは、警察が被害者から届け出を受けるなどによって犯罪の発生を承知したというものであり、例えば性犯罪のように過去には潜在的な犯罪であったものが、近年の被害者対策の強化や女性の意識の変化などにより被害者の届け出意欲が高くなって認知が増加したと認められるもの、逆に財産犯罪、身体犯罪の中には被害が軽微なものであれば被害者が届け出をしないものなどがあると聞いております。このことを考えれば犯罪統計の数値は治安を示す一つのバロメーターであって、指数的にも真摯に向上を目指す必要はあります。しかし認知件数の減少、検挙件数、検挙率の上昇ということでも、国民が肌で感じる安全・安心への不安は依然として強いというのが現状であります。
     現在の日本では少なくとも肌で感ずる治安が悪化しているということが共通の認識になっておりますが、この治安の悪化についての感じ方も社会安全研究財団の犯罪に対する不安感等に関する調査研究では、住まいの地域の治安が一年前と変わらないと回答した人が六六%を示したのに対し、日本全体の治安が一年前よりも悪くなったと回答する者は七五%に上っているとの報告が出されております。このことからすれば、自分の周囲の環境に対する不安と日本全域にわたる漠然とした不安とを体感治安という言葉で一くくりにすることには無理があるように思います。
     また、内閣府の世論調査によると、治安に関心を持ったきっかけはテレビや新聞でよく取り上げられるからを挙げた人の割合が八三・九%となっており、国民の安全・安心への感じ方のよしあしは身近な犯罪被害の体験や見聞に基づくよりもマスコミの犯罪報道により増幅されたり各種の啓発活動や防犯産業の宣伝活動による影響が大きいという見方もあります。国民の多くが体感治安の悪さを感じている中で凶悪犯の検挙いかんがこのことと密接に関係しているのではないかと思います。
     県警察では本年度から五年間に全警察官の二割近くに上る千三百五十人の警察官が退職する見込みということでありますが、経験を積んだベテラン警察官の大量退職が始まる中、体感治安の向上を図る上で特に凶悪犯罪の検挙率を向上させることが重要ではないかと思います。今後、凶悪犯罪の検挙率向上にどのように取り組んでいくお考えかを伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
    ○副議長(石橋康弘君) 石川知事。
           (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事(石川嘉延君) 小長井議員にお答えいたします。
     初めに、情報通信基盤整備についてであります。
     インターネットや携帯電話などの情報通信サービスは住民生活や経済活動の場で日常的に使われており、既に現代社会では欠かせないインフラの一つとなっております。このため、県ではいつでも、どこでも、だれでもが簡単に情報の受信、発信が可能となるネットワーク社会を実現するために、平成十七年四月、しずおかIT戦略を策定しました。この戦略で二〇一〇年度までにブロードバンドインターネット世帯普及率七五%以上を数値目標として取り組んでおります。 
     しかしながら小長井議員のお話にありましたように、県内の光ファイバー整備については都市部を除く地域ではその整備が進んでいないというのが実情であります。このことから、ことし七月に国の協力を得ながら静岡市、浜松市を含む代表の市や町、関係事業者と連携してプロジェクトをスタートさせまして、県全体の取り組むべき方向を今検討しておる最中であります。結論を今年度中に整備構想として取りまとめようということで今やっております。
     一方、十月には県内のすべての市や町が参加する連絡会を設置しまして、費用負担やスケジュールなどさまざまな課題についての検討も始めたところでありまして、今後、早期の実現に向けて、市町はもとより事業者と十分に調整してまいりたいと考えています。また携帯電話の不通話地域の解消でありますが、国の補助事業を積極的に活用するとともに各事業者の協力を得て引き続き不通話地域の解消を図ってまいります。 
     次に、中山間地域への定住促進についてであります。
     少子・高齢化の進展に伴って、これまでに経験のない人口減少時代が到来しておりまして、中山間地域においてはこの傾向は著しいものとなっております。このため、これまで農林業の振興や道路、集落排水等の生活環境の整備による定住条件の改善に努めるとともに、グリーンツーリズムや企業と連携した一社一村しずおか運動などによる都市と農村の交流にも取り組んできたところであります。
     こうした中で近年、都市住民の田舎暮らしへの機運の高まりに加えて団塊の世代の大量退職を間近に控え、定年帰農への支援や都市農村交流の一層の活発化が求められております。県といたしましては今後とも市や町と連携しワーキング・ホリデーや地域情報の発信、滞在型市民農園の整備など就農や滞在型の交流を促す施策の展開に努めるとともに、交通ネットワークや情報通信基盤の整備、産業振興などの取り組みを総合的に推進し、中山間地域を初めとしてだれもが住みたくなる魅力ある県土づくり、これを進めてまいります。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(石橋康弘君) 府川環境森林部長。
           (環境森林部長 府川博明君登壇)
    ○環境森林部長(府川博明君) 森林認証制度についてお答えいたします。
     森林認証制度は、持続可能な森林経営や森林資源の循環利用の上で大変意義のある制度でありますので、これまでも情報提供、共同での研究活動、取得経費の融資などを通じて森林所有者に対し認証取得の支援を進めてまいりました。この結果、静岡市内の林業家グループが昨年十二月、グループとしては全国で初の森林認証を取得したのを初め、県西部においても若手林業家による取得に向けた取り組みが進められるなど着実にその成果があらわれております。
     今後さらにこの制度の普及拡大を図るためには、認証森林で生産された木材を他の木材と分別し品質の確かな製品に加工して提供する仕組みづくりが不可欠でありますので、県といたしましても認証材を扱う原木市場や製材工場における認証取得を支援するなど、一貫した森林認証材の生産流通システムの構築を図りつつ公共事業での利用や住宅建築助成制度を活用した普及を図ってまいります。また県有林などの認証取得については、今後予定されております県有林のあり方の検討とあわせ研究してまいりたいと考えております。
    ○副議長(石橋康弘君) 遠藤教育長。
           (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長(遠藤亮平君) いじめ問題と出席停止についてお答えいたします。
     いじめによりほかの子供の人格を傷つけたり追い詰めて死に至らしめたりすることは決して許されないことであり、県内小中学校にいじめに対して毅然とした態度で臨むことの徹底を図っております。
     議員御指摘の出席停止は、ある子供の問題行動によりほかの児童生徒の学習権を保障できなくなる深刻な事態に対して、学校の秩序を守るためにその保護者に対して児童の出席を停止する制度であり、県内におきましては、暴力行為等により過去五年間に五人の生徒に対し市町教育委員会の権限と責任において出席停止の措置をとってきたところであります。
     いじめ問題についても、その行為がほかの子供を傷つけその子供を守るためやむを得ない場合には出席停止を命ずることも考えられますが、まずその前に、子供たちに対して規範意識を高めるとともに自分の行動には必ず責任を持たせるなど社会の一員としての基本を学ばせることが重要であると考えます。
     今後も、いじめを許さない学校づくりに粘り強く取り組んでまいります。
    ○副議長(石橋康弘君) 五十嵐警察本部長。
           (警察本部長 五十嵐邦雄君登壇)
    ○警察本部長(五十嵐邦雄君) 凶悪犯罪の検挙率向上についてお答えをいたします。
     殺人、強盗等凶悪犯の検挙率につきましては、過去十年間の状況を見ますと平成十四年には五九・九%まで低下をいたしましたが、その後は向上し、昨年、一昨年は八〇%台で推移をいたしております。
     御指摘のとおり、凶悪犯罪の検挙率向上は県民の体感治安に直結するものでありますので捜査力を重点的に配分して早期検挙に努めているところであります。このような凶悪犯罪の発生を認知した場合には捜査員を大量動員した配備を行うなどして、迅速的確な初動捜査により現場周辺で検挙することを主眼としております。なお、その段階で検挙できなかった場合でも必要に応じ本部捜査員を発生警察署へ応援派遣し、聞き込み捜査などを粘り強く継続して事件検挙に結びつけるよう努めているところであります。
     また、これらの捜査過程におきましては鑑識活動を徹底して証拠資料を採取し、その鑑定結果を捜査に反映させるなど科学捜査を推進しているほか、各種捜査支援システムの効果的活用による捜査の合理化、効率化を図っているところであります。
     さらに、捜査力の向上につきましてはベテラン刑事の大量退職時代を迎えた今、優秀な後継者の育成が凶悪犯罪検挙向上のためにも重要でありますので、各警察署の現場ではベテラン捜査員と若手捜査員のペアを組ませて日常業務の中で指導を行っているところであります。また専門的知識、技能を有する警察官を技能指導官に指定し個別指導や警察学校での集合教養等を行うなどしており、ベテランが持つ知識、技能を一つでも多く伝承させるべく捜査力の維持向上を図っているところであります。
     今後とも管内で発生した事件はすべて検挙するとの強い信念を持ち、伝統的手法を維持しつつ最新の科学技術を取り入れた捜査を徹底し、一件でも多くの凶悪犯罪を検挙して検挙率を向上させ、県民の皆様が安心して暮らすことができる社会の実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
    ○副議長(石橋康弘君) 一番 小長井由雄君。
           (一番 小長井由雄君登壇)
    ○一番(小長井由雄君) 今回は中山間地、特に過疎地域の問題につきまして、三点ほど御質問させていただきました。私の記憶では六月の議会で知事がですね、他県の知事の新聞への投稿を引用されて、小泉政権の五年間で地域の格差が広がったと、その中でも今のやり方は過疎地には人は住むなというような国の政策ではないかというような趣旨のことをおっしゃったかというふうに記憶しておりますが、国がやらないなら県でですね、特に今回取り上げました情報基盤の整備あるいは過疎化する農山村への定住促進、また不振の林業への助成等につきまして質問させていただいたわけでございますけれど、ぜひとも国がやらないなら県でこういった過疎地について、目をしっかりと向けていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

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